JP2952769B1 - 寸法安定性に優れた耐熱フィルム及びその製造法 - Google Patents

寸法安定性に優れた耐熱フィルム及びその製造法

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Abstract

【要約】 【課題】 市販の安価、且つ、入手容易な塗膜形成材料
を用いて高温下において優れた寸法安定性を発揮する耐
熱フィルムを低コストで提供する。 【解決手段】 厚さ10〜40μm の2軸延伸ポリエス
テルフィルムの少なくとも片面に、熱硬化性樹脂又は光
硬化性樹脂の硬化物を70重量%以上含む硬化樹脂塗膜
を、当該フィルムの厚さに対して3〜20%の範囲内の
塗膜厚をもって形成したことを特徴とする寸法安定性に
優れた耐熱フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2軸延伸ポリエス
テルフィルムを基材とする寸法安定性に優れた耐熱フィ
ルム及びその製造法に関する。
【0002】本発明に係る寸法安定性に優れた耐熱フィ
ルムは、高温下における寸法安定性が要求される各種用
途に好適なものである。
【0003】
【従来の技術】周知の通り、厚さ10〜40μm の2軸
延伸ポリエステルフィルムは、強度に優れていると共に
安価であるため、包装材、ラベル材、転写シート材、金
銀糸材、製図フィルム材、メンブレンスイッチ材、離型
フィルム材等として汎用されている。
【0004】厚さ10〜40μm の2軸延伸ポリエステ
ルフィルムは、前記の通り、各種用途において汎用され
ているが、高温下における寸法安定性が充分ではなく
(例えば、140℃・30分間で長さ方向に約1%程度
収縮してしまう)、高温(110〜150℃)下におけ
る厳格な寸法安定性が要求される用途(例えば、電子回
路実装基板の製造やセラミックシートの製造に用いる離
型フィルム)には使用し難い。
【0005】また、厚さ10〜40μm の2軸延伸ポリ
エステルフィルムは、静電気に起因して、印刷適性に劣
り印刷インキのニジミが発生したり、フィルム表面に微
細なゴミ等が付着することがあり、正確な印刷が要求さ
れる用途やゴミ等の付着を可及的に避けることが要求さ
れる用途には使用し難い。
【0006】従来、前記高温下における寸法安定性を付
与する技術的手段として、フィルム製造工程の最終工程
として熱弛緩処理(アニール処理)を付加する手法と通
常の工程によって製造したフィルムの表面に各種塗膜を
形成する手法とが採られている。
【0007】前者の手法によって充分な寸法安定性を付
与するためには長時間(通常、数分〜数十分間)を必要
とするので、フィルム自体の製造コストが高くなってし
まうという問題があり、最近では後者の手法が注目され
ており、特開平9−262951号公報には、厚さ50
μm の2軸延伸ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカ
ルボキシレートフィルムの片面に、ビニル基を有するポ
リジメチルシロキサンとジメチルハイドロジェンシラン
からなる付加反応タイプの硬化型シリコーンをメチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン及びトルエンの混
合溶剤中に溶解させ、更にシリコーンレジンを上記硬化
型シリコーンに対して固形分比で10重量%となるよう
配合した全体の固形分濃度が2%の溶液に白金触媒を添
加した塗液を塗布して乾燥・硬化させた厚さ0.15μ
m の硬化膜を形成した離型フィルムが開示されており、
該離型フィルムは高温下における充分な寸法安定性を具
備している。
【0008】
【0009】また、前記の静電気に起因する印刷インキ
のニジミや微細なゴミの付着を防止する技術的手段とし
て、特開平9−277451号公報には、厚さ5〜25
0μm の2軸延伸ポリエステルフィルムの片面に縮合反
応型シリコーンの硬化樹脂塗膜を形成し、もう一方の面
にカチオン型帯電防止剤を含む帯電防止剤層を形成した
離型フィルムが開示されている。なお、前出特開平9−
262951号公報には、ポリエステルフィルム自体に
帯電防止剤を含有させることができる旨記載されてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前出特開平9−262
951号公報に開示されている離型フィルムは高温下に
おける充分な寸法安定性を具備しているものではある
が、前記の通り、特定の硬化型シリコーンと特定のシリ
コーンレジンを用いた硬化膜を形成するものであるた
め、塗液の調製やコストに問題がある。なお、本発明者
の知る限り、市販の安価な塗膜形成材料を用いて高温下
における充分な寸法安定性を容易に付与できる技術的手
段は、いまだ実用化されていない。
【0011】前出特開平9−277451号公報に開示
されている離型フィルムは、カチオン型帯電防止剤とし
て界面活性剤型のものを用いる場合、高温下にあっては
熱によって分解して帯電防止効果が劣化する危険があ
り、カチオン型帯電防止剤として高分子型のものを用い
る場合、ある程度の耐熱性はあるものの帯電防止剤層表
面に加えられる摩擦等の外的要因によって剥がれてしま
う危険がある。
【0012】そこで、本発明者は、前記諸問題点に鑑
み、市販の安価な塗膜形成材料を用いて高温下における
充分な寸法安定性が容易に付与できる技術的手段を提供
することを技術的課題として研究・試作を重ねた結果、
安価、且つ、入手容易なエポキシ・メラミン系熱硬化性
樹脂やアミノアルキッド系熱硬化性樹脂を用いて硬化樹
脂塗膜を形成しても、当該各硬化性樹脂の使用量、硬化
樹脂塗膜の厚さ及び硬化樹脂塗膜形成時の硬化条件を選
定すれば、高温下における充分な寸法安定性、例えば、
140℃・5分間で長さ方向:Machine Dir
ection(以下「MD」とする)の熱収縮率0.1
6〜0.18%,巾方向:Transverse Di
rection(以下「TD」とする)の熱収縮率−
0.07〜−0.11%という優れた寸法安定性が得ら
れるという刮目すべき知見を得、当該課題を解決したも
のである。
【0013】また、本発明者は、前記知見と共に、硬化
樹脂塗膜に特定量の導電性カーボン粉末を分散させた場
合には、充分な帯電防止効果、例えば硬化塗膜表面電気
抵抗値3×109 〜1×105 Ω/□という優れた帯電
防止効果が得られ、且つ、硬化塗膜表面強度も低下しな
いという知見を得、前記技術的課題を解決したものであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は、次の
通りの本発明によって解決できる。
【0015】即ち、本発明の第一は、厚さ10〜40μ
m の2軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面
に、エポキシ・メラミン系熱硬化性樹脂若しくアミノ
アルキッド系熱硬化性樹脂又はアクリル系光硬化性樹脂
の硬化物を70重量%以上含む硬化樹脂塗膜を、当該フ
ィルムの厚さに対して3〜20%の範囲内の塗膜厚をも
って形成した140℃・5分間における熱収縮率が長さ
方向0.13〜0.18%で巾方向−0.06〜−0.
11であることを特徴とする寸法安定性に優れた耐熱フ
ィルムである。
【0016】また、本発明の第二は、前記本発明の一に
おいて硬化樹脂塗膜中に該塗膜に対して2〜25重量%
の導電性カーボン粉末が分散されている寸法安定性に優
れた耐熱フィルムである。
【0017】また、本発明の第三は、前記本発明の一又
は二において硬化樹脂塗膜が形成されているフィルム面
の反対面にシリコーン離型塗膜が形成されている寸法安
定性に優れた耐熱フィルムである。
【0018】
【0019】さらに、本発明の第は、厚さ10〜40
μm の2軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面
に、エポキシ・メラミン系熱硬化性樹脂若しくアミノ
アルキッド系熱硬化性樹脂又はアクリル系光硬化性樹脂
を70重量%以上含む樹脂塗料を、当該フィルムの厚さ
に対して3〜20%の範囲内の厚みの硬化樹脂塗膜が形
成されるようにコーティング機を用いて塗布した後、フ
ィルム張力200〜400g/mm 2 条件下において硬
化させて前記硬化性樹脂の硬化物を70重量%以上含む
硬化樹脂塗膜を形成して前記フィルムの140℃・5分
間における熱収縮率を長さ方向0.13〜0.18%で
巾方向−0.06〜−0.11%にすることを特徴とす
る寸法安定性に優れた耐熱フィルムの製造法である。
【0020】また、本発明の第は、本発明の第にお
いて硬化樹脂塗膜に対して2〜25重量%の導電性カー
ボン粉末が分散されている塗膜を形成するに必要な量の
導電性カーボン粉末が添加されている熱硬化性樹脂又は
光硬化性樹脂を70重量%以上含む樹脂塗料を用いる寸
法安定性に優れた耐熱フィルムの製造法である。
【0021】本発明の構成をより詳しく説明すれば、次
の通りである。
【0022】本発明における厚さ10〜40μm の2軸
延伸ポリエステルフィルムとしては、市販品を用いれば
よく、厚さ10〜40μm の範囲内において所要厚さの
ものを市場から購入することができる。なお、厚さ10
μm 未満の場合には強度的に問題があり、厚さ40μm
を越える場合にはコスト的に問題がある。好ましくは、
厚さ16〜25μm の範囲内から選定すべきである。
【0023】本発明における熱硬化性樹脂及び光硬化性
樹脂としては、市販品を用いればよく、前者としてはエ
ポキシ・メラミン系熱硬化性樹脂やアミノアルキッド系
熱硬化性樹脂が性能及びコストの点から好適であり、後
者としてはアクリル系光硬化性樹脂が性能及びコストの
点から好適である。
【0024】本発明における形成する硬化樹脂塗膜中の
硬化物(硬化性樹脂の硬化物)の含有量は重要であり、
硬化樹脂塗膜中に、前記硬化性樹脂の硬化物が少なくと
も70重量%以上含まれていなければ、目的とする高温
下における優れた寸法安定性を得ることができない。こ
の事実を本発明者が行った数多くの実験例から代表的な
データを抽出して示せば次の通りである。
【0025】表1に、アミノアルキッド系熱硬化性樹脂
(Bクリヤー:商品名:光和塗料(株)製)と熱可塑性
ウレタン系樹脂(X1210メジューム:商品名:東洋
インキ(株)製)とを用いて両者の使用割合を種々変更
して調製した各樹脂塗料を、厚さ25μm の2軸延伸ポ
リエステルフィルムの片面にグラビアコーティング機を
用いて塗布した後、フィルム張力400g/mm2 で乾燥
・硬化させて、厚さ1.5μm の硬化樹脂塗膜を形成
し、該各フィルムの140℃・5分間での熱収縮率を測
定した結果を示す。
【0026】
【表1】
【0027】なお、表1における硬化樹脂塗膜中の熱硬
化樹脂(熱硬化性樹脂の熱硬化物)の割合は、前記アミ
ノアルキッド系熱硬化性樹脂の使用割合に基づく推定値
である。
【0028】表1に示す通り、硬化樹脂塗膜中の熱硬化
樹脂の割合が70重量%以上になると寸法安定性は急激
に向上している。
【0029】また、本発明における形成する硬化樹脂塗
膜の塗膜厚も重要であり、対象とするフィルムの厚さに
対して3〜20%の範囲内の塗膜厚としなければ、目的
とする高温下における優れた寸法安定性を得ることがで
きない。この事実を本発明者が行った数多くの実験例か
ら代表的なデータを抽出して示せば次の通りである。
【0030】表2に、アミノアルキッド系熱硬化性樹脂
(Bクリヤー:商品名:光和塗料(株)製)70重量%
と熱可塑性ウレタン系樹脂(X1210メジューム:商
品名:東洋インキ(株)製)30重量%とを用いて調製
した樹脂塗料を、厚さ25μm の2軸延伸ポリエステル
フィルムの片面にグラビアコーティング機を用い、塗布
厚を種々変更して塗布した後、フィルム張力400g/
mm2 で乾燥・硬化させて、厚さ0.5〜5.0μm (硬
化樹脂塗膜厚/フィルム厚:2〜20%)の硬化樹脂塗
膜を形成し、該各フィルムの140℃・5分間での熱収
縮率を測定した結果を示す。
【0031】
【表2】
【0032】表2に示す通り、対象とするフィルムの厚
さに対する硬化樹脂塗膜の厚さが3%未満の場合には高
温下における寸法安定性が充分ではなく、塗膜を厚くす
ればするほど寸法安定性は向上するが、20%を越える
とフィルムのカール現象が大きくなってしまう。本発明
の実施に当っては、塗膜厚をフィルムの厚さに対して4
〜7%の範囲内から選定することが好ましい。
【0033】さらに、本発明においては、形成する硬化
樹脂塗膜がその硬化時に200〜400g/mm 2 フィ
ルム張力の下で硬化しなければ、目的とする高温下にお
ける優れた寸法安定性を得ることができない。この事実
を本発明者が行った数多くの実験例から代表的なデータ
を抽出して示せば次の通りである。
【0034】表3に、アミノアルキッド系熱硬化性樹脂
(Bクリヤー:商品名:光和塗料(株)製)70重量%
と熱可塑性ウレタン系樹脂(X1210メジューム:商
品名:東洋インキ(株)製)30重量%とを用いて調製
した樹脂塗料を、厚さ25μm の2軸延伸ポリエステル
フィルムの片面にグラビアコーティング機を用いて塗布
した後、フィルム張力を100〜600g/mm2 以下の
範囲内で変更して乾燥・硬化させて、厚さ1.5μm
(硬化樹脂塗膜厚/フィルム厚:6%)の硬化樹脂塗膜
を形成し、該各フィルムの140℃・5分間での熱収縮
率を測定した結果を示す。
【0035】
【表3】
【0036】表3に示す通り、硬化時のフィルム張力が
400g/mm2 を越えると寸法安定性は急激に低下す
る。フィルム張力を小さくすればするほど寸法安定性は
向上するが、あまり小さくすると作業性に支障が生じ
る。本発明の実施に当っては、硬化時のフィルム張力を
200〜400g/mm2 の範囲内から選定することが好
ましい。
【0037】なお、熱硬化性樹脂を用いる場合の乾燥硬
化は、常法に従って、乾燥炉を使用し、190〜200
℃、時間20〜30秒間で行なうことが好ましく、光硬
化性樹脂を用いる場合の乾燥硬化は、常法に従って、予
備乾燥(温度80〜90℃、時間10〜15秒間)後に
高圧水銀ランプ(紫外線ランプ)を使用して行なうこと
が好ましい。
【0038】本発明においては、必要に応じて、硬化樹
脂塗膜中に該塗膜に対して2〜25重量%の範囲内で導
電性カーボン粉末を分散させ、帯電防止効果を付与する
ことができる。
【0039】導電性カーボン粉末としては市販品を用い
ればよく、例えば、カーボンブラック#3050B(商
品名:三菱化学(株)製)が挙げられる。なお、粒度
(1次凝集体)が100〜1000μm の範囲内のもの
を選定して使用することが好ましく、100μm 未満や
1000μm を越える粒度のものでは優れた帯電防止効
果が得られ難い。
【0040】前記導電性カーボン粉末の分散量が2重量
%未満では帯電防止効果が充分でなく、分散量を多くす
ればするほど帯電防止効果は向上するが25%を越える
と硬化樹脂塗膜の強度が低下してしまう。本発明の実施
に当っては、硬化樹脂塗膜に対して5〜20重量%の範
囲から選定することが好ましい。
【0041】本発明においては、必要に応じて、硬化樹
脂塗膜が形成されているフィルム面の反対面にシリコー
ン離型塗膜を形成することができる。
【0042】シリコーン離型塗膜は、市販のシリコーン
離型剤、例えば、KS−847(商品名:信越化学工業
(株)製)を用い、常法に従って、グラビアコーティン
グ機などにより、厚さ0.01〜0.3μm 程度のシリ
コーン離型塗膜を形成すればよい。
【0043】本発明に係る耐熱フィルムの製造は容易で
あり、後出「発明の実施の形態」に示す通り、一般に汎
用されている塗膜コーティング技術とその設備によって
容易に目的物を得ることができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
【0045】塗料の調製:エポキシ・メラミン系熱硬化
性樹脂としてエピコート1001(商品名:日立化成
(株)製:エポキシ樹脂)3部,メラン27(商品名:
日立化成(株)製:メラミン樹脂)15部,メラン13
(商品名:日立化成(株)製:メラミン樹脂)13部と
導電性カーボン粉末としてカーボンブラック#3050
B(商品名:三菱化学(株)製)1.8部と溶剤として
トルエン22部,MEK22部,IPA22部とを、グ
レンミルを用いて均一に分散させた後、硬化触媒として
パラトルエンスルホン酸0.005部を添加攪拌して塗
料を得た。
【0046】硬化樹脂塗膜の形成:厚さ25μm の2軸
延伸ポリエステルフィルム(ダイアホイルM310:商
品名:ダイアホイルヘキスト(株)製)の片面に、ここ
で得た塗料をバーコーティング機によって塗布した後、
乾燥炉を用い、炉内フィルム張力300g/mm2 ,温度
195℃,20秒間で乾燥硬化させ、厚さ1.5μmの
熱硬化樹脂塗膜を形成させて本発明に係る耐熱フィルム
を得た。
【0047】ここに得た耐熱フィルムは、その片面に前
記エポキシ・メラミン系熱硬化性樹脂の硬化物100重
量%の熱硬化樹脂塗膜が形成されており、該塗膜の厚さ
は使用したフィルムの厚さの6%に相当し、当該塗膜に
対して9.45重量%の前記導電性カーボン粉末が分散
されているものである。
【0048】ここに得た耐熱フィルムの熱収縮率は、1
40℃・5分でMD0.17%,TD−0.07%であ
り、該フィルムの熱硬化樹脂塗膜面の表面電気抵抗値は
6×106 Ω/□であった。
【0049】また、ここに得た耐熱フィルムの熱硬化樹
脂塗膜面とコピー用紙の表面とを強く擦り合せて見たと
ころ、目視による塗膜面の変化は認められず、表面電気
抵抗値も変化していなかった。さらに、ここに得た耐熱
フィルムをロール状に巻き上げても硬化樹脂塗膜が形成
されているフィルム面の反対面への影響は認められず、
塗膜面が安定していることを確認できた。
【0050】
【作用】本発明において140℃・5分間でMDの熱収
縮率0.1〜0.18%,TDの熱収縮率−0.0
〜−0.11という優れた寸法安定性が得られる理論的
根拠は、いまだ解明できていないが、本発明者が行った
数多くの実験例から前記諸条件に従う限り、高温下にお
ける優れた寸法安定性が得られることを保証できる。
【0051】本発明者は、硬化樹脂塗膜中の硬化物の
量、フィルムの厚さに対する硬化樹脂塗膜の厚さ及び硬
化樹脂塗膜形成時の硬化条件を厳格に選定することによ
って、フィルムと硬化樹脂塗膜との接着性が向上したこ
とが一因と推定している。
【0052】なお、前掲発明の実施の形態では硬化樹脂
塗膜中の硬化物の割合は100重量%であるが、本発明
の実施に当たって、形成する硬化樹脂塗膜中の硬化物の
割合を70重量%以上で100重量%未満とする形態を
採る場合には、熱可塑性樹脂としては、前出熱可塑性ウ
レタン系樹脂を始め、熱可塑性アクリル樹脂、熱可塑性
ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂等から、目的物の用途
に適応したものを選定して用いることができ、これ等の
熱可塑性樹脂の割合が30重量%未満であれば、目的と
する高温下における優れた寸法安定性が得られることを
保証できる。
【0053】
【実施例】本発明の実施例は次の通りである。
【0054】実施例1
【0055】塗料の調製:エポキシ・メラミン系熱硬化
性樹脂としてエピコート1001(前出)3部,メラン
27(前出)15部,メラン13(前出)13部と溶剤
としてトルエン22部,MEK22部,IPA22部と
を、グレンミルを用いて均一に分散させた後、硬化触媒
としてパラトルエンスルホン酸0.005部を添加攪拌
して塗料を得た。
【0056】硬化樹脂塗膜の形成:厚さ19μm の2軸
延伸ポリエステルフィルム(ルミラーF60:商品名:
東レ(株)製)の片面に、ここで得た塗料をグラビアコ
ーティング機によって塗布した後、乾燥炉を用い、炉内
フィルム張力300g/mm2,温度195℃,20秒間
で乾燥硬化させ、厚さ1.5μm の熱硬化樹脂塗膜を形
成させて本発明に係る耐熱フィルムを得た。
【0057】ここに得た耐熱フィルムは、その片面に前
記エポキシ・メラミン系熱硬化性樹脂の硬化物100重
量%の熱硬化樹脂塗膜が形成されており、該塗膜の厚さ
は使用したフィルムの厚さの約8%に相当するものであ
る。
【0058】ここに得たフィルムの熱収縮率は、140
℃・5分でMD0.15%,TD−0.08%であっ
た。
【0059】また、ここに得たフィルムの熱硬化樹脂塗
膜面とコピー用紙の表面とを強く擦り合せて見たとこ
ろ、目視による塗膜面の変化は認められず、さらに、こ
こに得たフィルムをロール状に巻き上げても硬化樹脂塗
膜が形成されているフィルム面の反対面への影響は認め
られず、塗膜面が安定していることを確認できた。
【0060】実施例2
【0061】実施例1における熱硬化樹脂塗膜を厚さ
0.75μm とした外は、実施例1と同一条件にて本発
明に係る耐熱フィルムを得た。
【0062】ここに得た耐熱フィルムは、その片面に実
施例1と同じエポキシ・メラミン系熱硬化性樹脂の硬化
物100重量%の熱硬化樹脂塗膜が形成されており、該
塗膜の厚さは使用したフィルムの厚さの約4%に相当す
るものである。
【0063】ここに得た耐熱フィルムの熱収縮率は、1
40℃・5分でMD0.17%,TD−0.10%であ
り、また、この耐熱フィルムの熱硬化樹脂塗膜面とコピ
ー用紙の表面とを強く擦り合せて見たところ、目視によ
る塗膜面の変化は認められず、さらに、この耐熱フィル
ムをロール状に巻き上げても硬化樹脂塗膜が形成されて
いるフィルム面の反対面への影響は認められず、塗膜面
が安定していることを確認できた。
【0064】実施例3
【0065】実施例1における基材フィルムを厚さ12
μm の2軸延伸ポリエステルフィルム(ダイアホイルG
130:商品名:ダイアホイルヘキスト(株)製)と
し、熱硬化樹脂塗膜を厚さ0.72μm とした外は、実
施例1と同一条件にて本発明に係る耐熱フィルムを得
た。
【0066】ここに得た耐熱フィルムは、その片面に実
施例1と同じエポキシ・メラミン系熱硬化性樹脂の硬化
物100重量%の熱硬化樹脂塗膜が形成されており、該
塗膜の厚さは使用したフィルムの厚さの約6%に相当す
るものである。
【0067】ここに得た耐熱フィルムの熱収縮率は、1
40℃・5分でMD0.16%,TD−0.09%であ
り、また、この耐熱フィルムの熱硬化樹脂塗膜面とコピ
ー用紙の表面とを強く擦り合せて見たところ、目視によ
る塗膜面の変化は認められず、さらに、この耐熱フィル
ムをロール状に巻き上げても硬化樹脂塗膜が形成されて
いるフィルム面の反対面への影響は認められず、塗膜面
が安定していることを確認できた。
【0068】実施例4
【0069】前出発明の実施の形態における導電性カー
ボン粉末の配合量を0.6部に変更した外は、前出発明
の実施の形態と同一条件にて、厚さ1.5μm の熱硬化
樹脂塗膜を形成させて本発明に係る耐熱フィルムを得
た。
【0070】ここに得た耐熱フィルムの熱収縮率は、1
40℃・5分でMD0.16%,TD−0.07%であ
り、該フィルムの熱硬化樹脂塗膜面の表面電気抵抗値は
3×109 Ω/□であった。
【0071】また、ここに得たフィルムの熱硬化樹脂塗
膜面とコピー用紙の表面とを強く擦り合せて見たとこ
ろ、目視による塗膜面の変化は認められず、表面電気抵
抗値も変化していなかった。さらに、ここに得たフィル
ムをロール状に巻き上げても硬化樹脂塗膜が形成されて
いるフィルム面の反対面への影響は認められず、塗膜面
が安定していることを確認できた。
【0072】実施例5
【0073】厚さ38μm の2軸延伸ポリエステルフィ
ルム(ルミラーT−60:商品名:東レ(株)製)の片
面に、前出発明の実施の形態において調製した塗料をリ
バースロールコーティング機によって塗布した後、乾燥
炉を用い、炉内フィルム張力400g/mm2 ,温度20
0℃,20秒間で乾燥硬化させ、厚さ1.9μm の熱硬
化樹脂塗膜を形成させた。
【0074】次いで、硬化樹脂塗膜が形成されているフ
ィルム面の反対面に、シリコーン離型剤としてKS−8
47H(商品名:信越化学工業(株)製)5部及びCA
T−PL−50(商品名:信越化学工業(株)製)0.
1部と溶剤としてトルエン50部及びMEK50部とを
混合した塗液をグラビアコーティング機によって塗布
し、120℃,10秒間で乾燥させ、厚さ0.2μm の
シリコーン離型塗膜を形成させた本発明に係る耐熱フィ
ルムを得た。
【0075】ここに得た耐熱フィルムは、その片面に前
記エポキシ・メラミン系熱硬化性樹脂の硬化物100重
量%の熱硬化樹脂塗膜が形成されており、該塗膜の厚さ
は使用したフィルムの厚さの5%に相当し、当該塗膜に
対して9.45重量%の前記導電性カーボン粉末が分散
されており、他面にはシリコーン離型塗膜が形成されて
いるものである。
【0076】ここに得た耐熱フィルムの熱収縮率は、1
40℃・5分でMD0.18%,TD−0.09%であ
り、該フィルムの熱硬化樹脂塗膜面の表面電気抵抗値は
7×106 Ω/□であった。
【0077】また、ここに得た耐熱フィルムの熱硬化樹
脂塗膜面とコピー用紙の表面とを強く擦り合せて見たと
ころ、目視による塗膜面の変化は認められず、表面電気
抵抗値も変化していなかった。さらに、ここに得た耐熱
フィルムをロール状に巻き上げても硬化樹脂塗膜が形成
されているフィルム面の反対面のシリコーン離型塗膜面
への影響は認められず、各塗膜面が安定していることを
確認できた。
【0078】実施例6
【0079】塗料の調製:アミノアルキッド系熱硬化性
樹脂としてBクリヤー(商品名:光和塗料(株)製)3
5部と硬化触媒として燐酸0.008部と溶剤としてト
ルエン20部,MEK20部,IPA20部とを均一に
混合して塗料を得た。
【0080】硬化樹脂塗膜の形成:厚さ19μm の2軸
延伸ポリエステルフィルム(ルミラーF60:商品名:
東レ(株)製)の片面に、ここで得た塗料をグラビアコ
ーティング機によって塗布した後、乾燥炉を用い、炉内
フィルム張力300g/mm2,温度190℃,20秒間
で乾燥硬化させ、厚さ1.5μm の熱硬化樹脂塗膜を形
成させて本発明に係る耐熱フィルムを得た。
【0081】ここに得た耐熱フィルムは、その片面に前
記アミノアルキッド系熱硬化性樹脂の硬化物100重量
%の熱硬化樹脂塗膜が形成されており、該塗膜の厚さは
使用したフィルムの厚さの約8%に相当するものであ
る。
【0082】ここに得たフィルムの熱収縮率は、140
℃・5分でMD0.14%,TD−0.07%であっ
た。
【0083】また、ここに得た耐熱フィルムの熱硬化樹
脂塗膜面とコピー用紙の表面とを強く刷り合せて見たと
ころ、目視による塗膜面の変化は認められず、さらに、
ここに得た耐熱フィルムをロール状に巻き上げても硬化
樹脂塗膜が形成されているフィルム面の反対面への影響
は認められず、塗膜面が安定していることを確認でき
た。
【0084】実施例7
【0085】塗料の調製:アミノアルキッド系硬化性樹
脂としてBクリヤー(前出)17部と熱可塑性ウレタン
樹脂としてX1210メジューム(東洋インキ(株)
製)3部と硬化触媒として燐酸0.004部と溶剤とし
てトルエン15部,MEK15部,IPA15部とを均
一に混合して塗料を得た。
【0086】硬化樹脂塗膜の形成:厚さ16μm の2軸
延伸ポリエステルフィルム(ダイヤホイルG:商品名:
ダイアホイルヘキスト(株)製)の片面に、ここで得た
塗料をバーコーティング機によって塗布した後、乾燥炉
を用い、炉内フィルム張力300g/mm2 ,温度190
℃,30秒間で乾燥硬化させ、厚さ1.5μm の熱硬化
樹脂塗膜を形成させて本発明に係る耐熱フィルムを得
た。
【0087】ここに得た耐熱フィルムは、その片面に前
記アミノアルキッド系熱硬化性樹脂の硬化物85重量%
の熱硬化樹脂塗膜が形成されており、該塗膜の厚さは使
用したフィルムの厚さの約9%に相当するものである。
【0088】ここに得たフィルムの熱収縮率は、140
℃・5分でMD0.16%,TD−0.08%であっ
た。
【0089】また、ここに得た耐熱フィルムの熱硬化樹
脂塗膜面とコピー用紙の表面とを強く擦り合せて見たと
ころ、目視による塗膜面の変化は認められず、さらに、
ここに得た耐熱フィルムをロール状に巻き上げても硬化
樹脂塗膜が形成されているフィルム面の反対面への影響
は認められず、塗膜面が安定していることを確認でき
た。
【0090】実施例8
【0091】塗料の調製:実施例7におけるアミノアル
キッド系硬化性樹脂の配合量を14部に変更すると共に
熱可塑性ウレタン樹脂の配合量を6部に変更した外は、
実施例7と同一条件にて塗料を得た。
【0092】硬化樹脂塗膜の形成:実施例7における乾
燥硬化時間を20秒間に変更した外は、実施例7と同一
条件にて熱硬化樹脂塗膜を形成させて本発明に係る耐熱
フィルムを得た。
【0093】ここに得た耐熱フィルムは、その片面に前
記アミノアルキッド系熱硬化性樹脂の硬化物70重量%
の熱硬化樹脂塗膜が形成されており、該塗膜の厚さは使
用したフィルムの厚さの約8%に相当するものである。
【0094】ここに得たフィルムの熱収縮率は、140
℃・5分でMD0.18%,TD−0.09%であっ
た。
【0095】また、ここに得た耐熱フィルムの熱硬化樹
脂塗膜面とコピー用紙の表面とを強く擦り合せて見たと
ころ、目視による塗膜面の変化は認められず、さらに、
ここに得た耐熱フィルムをロール状に巻き上げても硬化
樹脂塗膜が形成されているフィルム面の反対面への影響
は認められず、塗膜面が安定していることを確認でき
た。
【0096】実施例9
【0097】塗料の調製:実施例6における塗料の処方
に導電性カーボン粉末としてカーボンブラック#305
0B(前出)0.6部を添加した外は、実施例6と同一
条件にて塗料を得た。
【0098】硬化樹脂塗膜の形成:実施例6における炉
内フィルム張力を200gとした外は、実施例6と同一
条件にて熱硬化樹脂塗膜を形成させて本発明に係る耐熱
フィルムを得た。
【0099】ここに得た耐熱フィルムは、その片面に実
施例6で用いたアミノアルキッド系熱硬化性樹脂の硬化
物100重量%の熱硬化樹脂塗膜が形成されており、該
塗膜の厚さは使用したフィルムの厚さの約8%に相当
し、当該塗膜に対して約4重量%の前記導電性カーボン
粉末が分散されているものである。
【0100】ここに得たフィルムの熱収縮率は、140
℃・5分でMD0.13%,TD−0.06%であり、
該フィルムの熱硬化樹脂塗膜面の表面電気抵抗値は2×
108 Ω/□であった。
【0101】また、ここに得た耐熱フィルムの熱硬化樹
脂塗膜面とコピー用紙の表面とを強く擦り合せて見たと
ころ、目視による塗膜面の変化は認められず、表面電気
抵抗値も変化していなかった。さらに、ここに得た耐熱
フィルムをロール状に巻き上げても硬化樹脂塗膜が形成
されているフィルム面の反対面への影響は認められず、
塗膜面が安定していることを確認できた。
【0102】実施例10
【0103】塗料の調製:アクリル系光硬化性樹脂とし
てセイカビームEXFO1B(商品名:大日精化(株)
製)15部と溶剤としてトルエン28部,MEK28
部,IPA28部とを均一に混合して塗料を得た。
【0104】硬化樹脂塗膜の形成:厚さ25μm の2軸
延伸ポリエステルフィルム(ダイアホイルM310:商
品名:ダイアホイルヘキスト(株)製)の片面に、ここ
で得た塗料をリバースロールコーティング機によって塗
布した後、乾燥炉を用い、炉内フィルム張力300g/
mm2 ,温度85℃,15秒間で予備硬化し、次いで、フ
ィルム張力300g/mm2 で、塗布面に高圧水銀ランプ
(160W/cm)2灯を用いて1.5秒間紫外線を照射
して硬化させ、厚さ1.5μm の光硬化樹脂塗膜を形成
させて本発明に係る耐熱フィルムを得た。
【0105】ここに得た耐熱フィルムは、その片面に前
記アクリル系光硬化性樹脂の硬化物100重量%の光硬
化樹脂塗膜が形成されており、該塗膜の厚さは使用した
フィルムの厚さの6%に相当するものである。
【0106】ここに得た耐熱フィルムの熱収縮率は、1
40℃・5分でMD0.16%,TD−0.07%であ
った。
【0107】また、ここに得た耐熱フィルムの光硬化樹
脂塗膜面とコピー用紙の表面とを強く擦り合せて見たと
ころ、目視による塗膜面の変化は認められず、さらに、
ここに得た耐熱フィルムをロール状に巻き上げても硬化
樹脂塗膜が形成されているフィルム面の反対面への影響
は認められず、塗膜面が安定していることを確認でき
た。
【0108】熱収縮率の測定方法:本発明における熱収
縮率は、全て次の通りの方法によって求めた値である。
【0109】MD方向の熱収縮率:先ず、得た耐熱フィ
ルム(試料)を、MD方向に500mm、TD方向に35
mm切取って長方形の測定用サンプルとし、そのMD方向
の長さをガラススケールで0.01mm単位まで読んでそ
の値をL1 とする。
【0110】次に、当該測定用サンプルを140℃雰囲
気下(オーブン)に5分間放置した後、ただちに水冷
し、濾紙に挟んで乾燥後、再度ガラススケールでMD方
向の長さを0.01mm単位まで読んでその値をL2 とす
る。
【0111】L1 とL2 とを用い、次式によって熱収縮
率を算出する。
【0112】
【数2】
【0113】なお、同一試料から切取った測定用サンプ
ル5点につき測定した各熱収縮率の平均値をもって該試
料の熱収縮率としている。
【0114】TD方向の熱収縮率:得た耐熱フィルム
(試料)を、TD方向に500mm、MD方向に35mm切
取って長方形の測定用サンプルとし、そのTD方向の長
さをガラススケールで読む外は、MD方向の熱収縮率の
値を求めた上記方法と同一の方法にてTD方向の熱収縮
率の値を求めた。
【0115】塗膜厚の測定方法:本発明における塗膜厚
は、全て電子膜厚計X351C(商品名:アンリツ
(株)製)による測定値である。
【0116】
【発明の効果】本発明によれば、市販の安価な塗膜形成
材料を用いて高温下における優れた寸法安定性を具備し
ており、必要に応じて、優れた帯電防止効果が付与され
ている耐熱フィルムを低コストで提供でき、該耐熱フィ
ルムが前記各種用途において実用上充分な性能を発揮す
ることを保証できる。
【0117】本発明に係る耐熱フィルムは、汎用コーテ
ィング技術とその設備によって容易に製造することがで
きる。
【0118】また、本発明においては、硬化樹脂塗膜の
形成に当って、30重量%未満の熱可塑性樹脂などを用
いることができるので、用途に応じた塗膜特性をもつ耐
熱フィルムを得ることが可能である。
【0119】従って、本発明の産業上利用性は非常に大
きいといえる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08J 7/04 C08J 7/04 B

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さ10〜40μm の2軸延伸ポリエス
    テルフィルムの少なくとも片面に、エポキシ・メラミン
    熱硬化性樹脂若しくアミノアルキッド系熱硬化性樹
    脂又はアクリル系光硬化性樹脂の硬化物を70重量%以
    上含む硬化樹脂塗膜を、当該フィルムの厚さに対して3
    〜20%の範囲内の塗膜厚をもって形成した140℃・
    5分間における熱収縮率が長さ方向0.13〜0.18
    %で巾方向−0.06〜−0.11であることを特徴と
    する寸法安定性に優れた耐熱フィルム。
  2. 【請求項2】 硬化樹脂塗膜中に該塗膜に対して2〜2
    5重量%の導電性カーボン粉末が分散されている請求項
    1記載の寸法安定性に優れた耐熱フィルム。
  3. 【請求項3】 硬化樹脂塗膜が形成されているフィルム
    面の反対面にシリコーン離型塗膜が形成されている請求
    項1又は2記載の寸法安定性に優れた耐熱フィルム。
  4. 【請求項4】 厚さ10〜40μm の2軸延伸ポリエス
    テルフィルムの少なくとも片面に、エポキシ・メラミン
    熱硬化性樹脂若しくアミノアルキッド系熱硬化性樹
    脂又はアクリル系光硬化性樹脂を70重量%以上含む樹
    脂塗料を、当該フィルムの厚さに対して3〜20%の範
    囲内の厚みの硬化樹脂塗膜が形成されるようにコーティ
    ング機を用いて塗布した後、フィルム張力200〜40
    0g/mm 2 条件下において硬化させて前記硬化性樹脂
    の硬化物を70重量%以上含む硬化樹脂塗膜を形成して
    前記フィルムの140℃・5分間における熱収縮率を長
    さ方向0.13〜0.18%で巾方向−0.06〜−
    0.11%にすることを特徴とする寸法安定性に優れた
    耐熱フィルムの製造法。
  5. 【請求項5】 硬化樹脂塗膜中に該塗膜に対して2〜2
    5重量%の導電性カーボン粉末が分散されている塗膜を
    形成するに必要な量の導電性カーボン粉末が添加されて
    いる熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂を70重量%以上含
    む樹脂塗料を用いる請求項記載の寸法安定性に優れた
    耐熱フィルムの製造法。
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