JP2949796B2 - 2―ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法 - Google Patents
2―ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法Info
- Publication number
- JP2949796B2 JP2949796B2 JP17313390A JP17313390A JP2949796B2 JP 2949796 B2 JP2949796 B2 JP 2949796B2 JP 17313390 A JP17313390 A JP 17313390A JP 17313390 A JP17313390 A JP 17313390A JP 2949796 B2 JP2949796 B2 JP 2949796B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- naphthol
- carboxylic acid
- hydroxyalkyl
- meth
- reaction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、各種高分子物質用のモノマーとして使用さ
れる2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製
造方法に関する。
れる2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製
造方法に関する。
〈従来の技術〉 2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、ア
クリル酸またはメタクリル酸と対応するアルキレンオキ
サイドとの反応で合成される。
クリル酸またはメタクリル酸と対応するアルキレンオキ
サイドとの反応で合成される。
触媒としては従来から種々の化合物が提案されている
が、中でも鉄化合物は他の化合物と比べて活性、選択性
および着色などに優れ、良好な結果を与える。
が、中でも鉄化合物は他の化合物と比べて活性、選択性
および着色などに優れ、良好な結果を与える。
触媒として用いられた鉄化合物は反応液から除かれた
後に、次工程の蒸留へ進むこともあり得るが、工程の簡
略化の見地からは除去されないまま、蒸留工程へ進むこ
とが望ましい。
後に、次工程の蒸留へ進むこともあり得るが、工程の簡
略化の見地からは除去されないまま、蒸留工程へ進むこ
とが望ましい。
いずれにしても、反応終了後は次工程にうつる前に鉄
化合物を存在させたまま一定の時間経過することは工業
プロセス上さけ難いことである。
化合物を存在させたまま一定の時間経過することは工業
プロセス上さけ難いことである。
〈発明が解決しようとする課題〉 触媒として用いたこの鉄化合物を存在させたまま反応
液を置いておくと、反応液中で好ましからざる不純物が
生成する。すなわち、2−ヒドロキシエチルアクリレー
トを例にとれば、1分子の2−ヒドロキシエチルアクリ
レートはもう1分子の2−ヒドロキシエチルアクリレー
トと反応し、いわゆるエステル交換をひきおこしてエチ
レングリコールジアクリレート(以下、ジエステルと称
す)を生成する。
液を置いておくと、反応液中で好ましからざる不純物が
生成する。すなわち、2−ヒドロキシエチルアクリレー
トを例にとれば、1分子の2−ヒドロキシエチルアクリ
レートはもう1分子の2−ヒドロキシエチルアクリレー
トと反応し、いわゆるエステル交換をひきおこしてエチ
レングリコールジアクリレート(以下、ジエステルと称
す)を生成する。
この生成は温度が高いほうが早いため、反応終了後い
ったん冷却せずに次工程の待機をする場合には多く生成
する。
ったん冷却せずに次工程の待機をする場合には多く生成
する。
このジエステルは絶対量としては少いが、蒸留精製に
ては完全に除き得ないため、製品の品質を悪化させた
り、精製収率を悪化させたりする。
ては完全に除き得ないため、製品の品質を悪化させた
り、精製収率を悪化させたりする。
さらに、このジエステルは重合性基を1分子中に2ケ
持つので、製品の使用に際して、製品中の濃度が高いと
重合挙動に影響し、架橋度の制御等な支障をきたすので
製品中の濃度は極力抑える必要がある。
持つので、製品の使用に際して、製品中の濃度が高いと
重合挙動に影響し、架橋度の制御等な支障をきたすので
製品中の濃度は極力抑える必要がある。
これらの事情は他の2−ヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレートの場合も全く同様である。
アクリレートの場合も全く同様である。
上記のような理由から鉄化合物の存在下においても、
反応液中のジエステルの生成を抑えることが工業プロセ
ス上、重要な課題である。
反応液中のジエステルの生成を抑えることが工業プロセ
ス上、重要な課題である。
〈課題を解決するための手段〉 上記の課題を解決すべく検討した結果、反応液にナフ
トールカルボン酸類を添加することにより反応液中のジ
エステルの生成が抑制されることを見出し、本発明を完
成するに至った。
トールカルボン酸類を添加することにより反応液中のジ
エステルの生成が抑制されることを見出し、本発明を完
成するに至った。
すなわち、本発明はアクリル酸またはメタクリル酸と
エチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドとを鉄
化合物の存在下に反応させて一般式(1)、 (式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は−CH
2CH2−または−CH(CH3)CH2−なるアルキレン基を表
す)で示される2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レートを製造するにあたり、反応終了後の反応液に1−
ナフトール−2−カルボン酸、2−ナフトール−1−カ
ルボン酸および2−ナフトール−3−カルボン酸からな
ゆ群より選ばれた少なくとも一種の添加することを特徴
とする2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの
製造方法である。
エチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドとを鉄
化合物の存在下に反応させて一般式(1)、 (式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は−CH
2CH2−または−CH(CH3)CH2−なるアルキレン基を表
す)で示される2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レートを製造するにあたり、反応終了後の反応液に1−
ナフトール−2−カルボン酸、2−ナフトール−1−カ
ルボン酸および2−ナフトール−3−カルボン酸からな
ゆ群より選ばれた少なくとも一種の添加することを特徴
とする2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの
製造方法である。
アクリル酸またはメタクリル酸とエチオンオキサイド
またはプロピレンオキサイドとの反応は通常、耐圧容器
にアクリル酸またはメタクリル酸、重合防止剤および触
媒として塩化第二鉄、有機カルボン酸鉄塩、水酸化鉄等
の鉄化合物を仕込み、約50〜60℃でエチレンオキサイド
またはプロピレンオキサイドを添加して行われる。
またはプロピレンオキサイドとの反応は通常、耐圧容器
にアクリル酸またはメタクリル酸、重合防止剤および触
媒として塩化第二鉄、有機カルボン酸鉄塩、水酸化鉄等
の鉄化合物を仕込み、約50〜60℃でエチレンオキサイド
またはプロピレンオキサイドを添加して行われる。
反応終了後に反応液に添加するナフトールカルボン酸
の添加量は、反応液中に存在する鉄の量によって異な
り、鉄のモル数に対して約1〜5モルが望ましい。
の添加量は、反応液中に存在する鉄の量によって異な
り、鉄のモル数に対して約1〜5モルが望ましい。
約1モル以下で効果が少なく、また約5モル以上では
それに見合った効果は得られず、むしろ不必要に蒸留後
の残査量を増加せしめるので好ましくない これらのナフトールカルボン酸は、蒸留工程にそのま
ま持ち込まれてもさしつかえなく、むしろ蒸留残査の粘
度の上昇を抑制する効果も認められ、残査の排出等の取
扱が容易となる。
それに見合った効果は得られず、むしろ不必要に蒸留後
の残査量を増加せしめるので好ましくない これらのナフトールカルボン酸は、蒸留工程にそのま
ま持ち込まれてもさしつかえなく、むしろ蒸留残査の粘
度の上昇を抑制する効果も認められ、残査の排出等の取
扱が容易となる。
〈実施例〉 以下、実施例で本発明をさらに具体的に説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されない。
本発明はこれら実施例に限定されない。
実施例1、比較例1 20重量%硫酸第二鉄水溶液に25重量%アンモニア水を
室温で撹拌しながらPH7.5になるまで添加し、沈殿物を
生成させた。
室温で撹拌しながらPH7.5になるまで添加し、沈殿物を
生成させた。
得られた沈殿物をヌッチェにより濾取し、水洗して充
分吸引した。
分吸引した。
得られた含水の水酸化第二鉄4.0g(Feとして0.26g、
4.68ミリモル)とアクリル酸57g(0.75モル)、フェノ
チアジン0.04gを混合溶解し、耐圧容器にて50〜60℃
で、エチレンオキサイド36g(0.82モル)を添加して、
反応させた。
4.68ミリモル)とアクリル酸57g(0.75モル)、フェノ
チアジン0.04gを混合溶解し、耐圧容器にて50〜60℃
で、エチレンオキサイド36g(0.82モル)を添加して、
反応させた。
その結果、ガスクロマトで分析したところ、反応液中
には2−ヒドロキシエチルアクリレート85.5gとエチレ
ングリコールアクリレート(ジエステル)0.10gが含ま
れていた。
には2−ヒドロキシエチルアクリレート85.5gとエチレ
ングリコールアクリレート(ジエステル)0.10gが含ま
れていた。
この反応液に2−ナフトール−3−カルボン酸0.97g
を添加し、60℃で6時間及び40℃で24時間経過後のジエ
ステル濃度を測定し、その増加率を求めた。なにも添加
しない場合についても同様に行った。結果を第1表に示
す。ジエステルの増加率はナフトールカルボン酸の添加
前濃度に対する倍率で示した。
を添加し、60℃で6時間及び40℃で24時間経過後のジエ
ステル濃度を測定し、その増加率を求めた。なにも添加
しない場合についても同様に行った。結果を第1表に示
す。ジエステルの増加率はナフトールカルボン酸の添加
前濃度に対する倍率で示した。
2−ナフトール−3カルボン酸を添加して3mmHgの減
圧下で70〜80℃で蒸留した後の残査は6.2gで、粘度は25
℃で270cpsであった。また、無添加の反応液を同様に蒸
留した後の残査は5.3gで常温は固化した。
圧下で70〜80℃で蒸留した後の残査は6.2gで、粘度は25
℃で270cpsであった。また、無添加の反応液を同様に蒸
留した後の残査は5.3gで常温は固化した。
実施例2、4〜6、8 ナフトールカルボン酸の種類と量を変えた以外は実施例
1と同様に行い、ジエステルの増加率を求めた。結果を
第1表に示す。
1と同様に行い、ジエステルの増加率を求めた。結果を
第1表に示す。
実施例3、8、比較例2 実施例1で得られた反応液に、触媒の含水水酸化鉄を
さらに4gを添加し、ナフトールカルボン酸の種類と量を
変更して、ジエステルの増加率を測定した。結果を第1
表に示す。
さらに4gを添加し、ナフトールカルボン酸の種類と量を
変更して、ジエステルの増加率を測定した。結果を第1
表に示す。
実施例9、比較例3 エチレンオキサイド36gに代えてプロピレンオキサイ
ド48gを用いた以外は実施例1と同様に反応を行った。
ド48gを用いた以外は実施例1と同様に反応を行った。
反応の結果、この反応液中には2−ヒドロキシプロピ
ルアクリレート96.5gと1、2−プロピレングリコール
ジアルキレート(ジエステル)0.15gが含まれていた。
ルアクリレート96.5gと1、2−プロピレングリコール
ジアルキレート(ジエステル)0.15gが含まれていた。
この反応液に2−ナフトール−3−カルボン酸1.94g
を添加した場合と、なにも添加しなかった場合につい
て、実施例1と同様にしてジエステルの増加率を求め
た。結果を第1表に示す。
を添加した場合と、なにも添加しなかった場合につい
て、実施例1と同様にしてジエステルの増加率を求め
た。結果を第1表に示す。
実施例10、比較例4 アクリル酸57gに代えて、メタクリル酸67.5gを用いた
以外は実施例1と同様に反応を行った。
以外は実施例1と同様に反応を行った。
反応の結果、この反応液中には2−ヒドロキシエチル
メタクリレート96gとエチレングリコールジメタクリレ
ート0.13gが含まれていた。
メタクリレート96gとエチレングリコールジメタクリレ
ート0.13gが含まれていた。
この反応液に、2−ナフトール3−カルボン酸1.94g
を添加した場合となにも添加しなかった場合について、
実施例1と同様にジエステルの増加率を求めた。結果を
第1表に示す。
を添加した場合となにも添加しなかった場合について、
実施例1と同様にジエステルの増加率を求めた。結果を
第1表に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−164142(JP,A) 特開 昭56−164141(JP,A) 特開 昭51−133227(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 69/54,67/62,67/26
Claims (1)
- 【請求項1】アクリル酸またはメタクリル酸とエチオン
オキサイドまたはプロピレンオキサイドとを鉄化合物の
存在化に反応させて一般式(1)、 (式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は−CH
2CH2−または−CH(CH3)CH2−なるアルキレン基を表
す)で示される2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レートを製造するにあたり、反応終了後の反応液に1−
ナフトール−2−カルボン酸、2−ナフトール−1−カ
ルボン酸および2−ナフトール−3−カルボン酸からな
る群より選ばれた少なくとも一種の化合物を添加するこ
とを特徴とする2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17313390A JP2949796B2 (ja) | 1990-06-29 | 1990-06-29 | 2―ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17313390A JP2949796B2 (ja) | 1990-06-29 | 1990-06-29 | 2―ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0466554A JPH0466554A (ja) | 1992-03-02 |
JP2949796B2 true JP2949796B2 (ja) | 1999-09-20 |
Family
ID=15954735
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17313390A Expired - Lifetime JP2949796B2 (ja) | 1990-06-29 | 1990-06-29 | 2―ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2949796B2 (ja) |
-
1990
- 1990-06-29 JP JP17313390A patent/JP2949796B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0466554A (ja) | 1992-03-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0837049B1 (en) | A process for preparing monomers | |
JPS59501210A (ja) | 重合性化合物 | |
JP2992965B2 (ja) | エステル交換方法 | |
JP2949796B2 (ja) | 2―ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法 | |
JP2818652B2 (ja) | イソボルニル(メタ)アクリレートの製造方法 | |
JP2001270856A (ja) | N−(メタ)アクリロイルオキシエチルアクリルアミド類の製法 | |
JP5219319B2 (ja) | アダマンチル(メタ)アクリレート類の製造方法 | |
JP3885249B2 (ja) | (メタ)アクリル酸グリシジルの精製方法 | |
JPS6248657B2 (ja) | ||
JPH03140325A (ja) | エチレン性不飽和界面活性ウレタン誘導体およびその製造方法 | |
JP2702249B2 (ja) | アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルアミノアルキルエステルの製造方法 | |
JP2002249471A (ja) | エステルの製造方法 | |
JP3220007B2 (ja) | カルボン酸系重合体およびその製造方法 | |
JP3274609B2 (ja) | 水酸基含有ビニル化合物の安定化剤およびその使用方法 | |
JP5577841B2 (ja) | ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法 | |
JPS646182B2 (ja) | ||
JP5835209B2 (ja) | メタクリル酸鉄及びヒドロキシアルキルメタクリレートの製造方法 | |
JP4723225B2 (ja) | チオシアン酸エステル化合物及びその製造方法 | |
JPH0413647A (ja) | 脂環式化合物の(メタ)アクリレートの製造方法 | |
JP2678637B2 (ja) | ビニルモノマーの重合法 | |
JP2003300932A (ja) | ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法 | |
US3474130A (en) | Method for the production of beta,gamma-unsaturated acid esters from alpha,beta-unsaturated acid halides | |
JP3976826B2 (ja) | 反応性乳化剤及び水性重合体の製造方法 | |
JPH03120238A (ja) | モノ不飽和単量体グリセリンエステルの製造方法 | |
JPH07118203A (ja) | ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ−トの製造方法 |