JP2947365B2 - N,n−二置換−チエノスルホンアミド誘導体を有効成分とする除草剤 - Google Patents

N,n−二置換−チエノスルホンアミド誘導体を有効成分とする除草剤

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JP2947365B2 JP11517790A JP11517790A JP2947365B2 JP 2947365 B2 JP2947365 B2 JP 2947365B2 JP 11517790 A JP11517790 A JP 11517790A JP 11517790 A JP11517790 A JP 11517790A JP 2947365 B2 JP2947365 B2 JP 2947365B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はN,N−二置換−チエノスルホンアミド誘導体
を有効成分とする新規な除草剤を提供するものである。
(従来の技術及びその問題点) これまでに、N,N−二置換−アリールスルホンアミド
の合成とその生理活性についていくつかの報告がある。
例えば、特開昭63−99048号には、下式で表されるN,N−
二置換−アリールスルホンアミド化合物の合成とそれら
の化合物が脂質調整作用に関して生理活性を有している
ことが報告されている。
(式中、Arは置換もしくは非置換のフェニル基、5−置
換チエニル基またはピリジル基を示し、R3はアルキル
基、または炭素数7〜9個のアラルキル基を示す。) しかるに、下記一般式〔I〕で示されるようなN−
(置換もしくは非置換の)アルキルカルボニル基、また
はフェニルカルボニル基を有するN,N−二置換−チエノ
スルホンアミド誘導体について、その合成と生理活性の
探究はこれまで十分には行われていない。
他方、本発明者らの共同研究者らは、スルホンアミド
化合物について、種々の生理活性の探索を行なってい
た。
その結果、下記スルホンアミド化合物が、殺菌作用を
有することを見出し、特開昭64−3162号として特許出願
を行なっている。
(但し、Rは置換又は非置換のアリール基或いは置換又
は非置換のヘテロアリール基を示し、R1,R2は同種又は
異種の水素原子或いはアルキル基を示し、R3は置換又は
非置換のアルキル基、置換又は非置換のフェニル基、置
換又は非置換のヘテロアリール基或いはOR5で表される
基を示し、R5は置換又は非置換のアルキル基或いは置換
又は非置換のフェニル基を示し、R4は置換又は非置換の
アルキル基、置換又は非置換のアリール基或いは置換又
は非置換のヘテロアリール基を示す) 上記式において、R4がチエニル基の場合、チエニルア
ミド誘導体となる。しかしながら特開昭64−3162号の発
明にあっては、除草作用に関して何ら探究されていなか
った。
(問題を解決するための手段) 本発明者たちは、N,N−二置換−チエノスルホンアミ
ド誘導体について合成を試み、種々の生理活性試験を行
なった。
その結果、下記一般式〔I〕で示されるN,N−二置換
−チエノスルホンアミド誘導体が、湛水土壌処理におい
てノビエ、タマガヤツリ、ホタルイ、コナギ、広葉等の
有害雑草に対して優れた除草活性を示すことを確認し、
本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一般式〔I〕、 (式中、X1,X2は同一あるいは異なり、水素原子、ハロ
ゲン原子、置換もしくは非置換の低級アルキル基、また
は置換もしくは非置換のフェニル基を示し、R1は置換も
しくは非置換の低級アルキル基、アルケニル基、アルキ
ニル基、または置換もしくは非置換のフェニル基を示
し、R2は置換もしくは非置換の低級アルキル基、または
置換もしくは非置換のフェニル基を示す。) で表されるN,N−二置換−チエノスルホンアミド誘導体
を有効成分とする除草剤 本発明において、上記一般式〔I〕中、X1及びX2で示
されるハロゲン原子の具体例としては塩素、臭素、フッ
素、ヨウ素の各原子が挙げられる。
上記一般式〔I〕中、X1、X2、R1及びR2で示される低
級アルキル基は炭素数1〜4コの直鎖状または分枝鎖状
のものが好適に用いられる。該低級アルキル基の具体例
としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−
プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブ
チル基等が挙げられる。
上記一般式〔I〕中、X1、X2、R1及びR2で示される置
換低級アルキル基の置換基としては、アルキル基中の水
素のすべてもしくは一部がハロゲン原子、アルコキシ
基、アルキルチオ基、シアノ基等で置換されたものが好
適である。置換低級アルキル基の具体例としてはクロロ
メチル基、ブロモメチル基、フルオロメチル基、ヨード
メチル基、ジクロロメチル基、クロロ−ジフルオロメチ
ル基、ジフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリ
フルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル
基、メチルチオメチル基、シアノメチル基、クロロエチ
ル基、ブロモエチル基、フルオロエチル基、ジクロロエ
チル基、ジブロモエチル基、ジフルオロエチル基、トリ
クロロエチル基、トリフルオロエチル基、パーフルオロ
エチル基、パーフルオロプロピル基、メトキシエチル
基、エトキシエチル基、メトキシプロピル基、メチルチ
オエチル基、エチルチオエチル基、シアノエチル基、シ
アノプロピル基等が挙げられる。
本発明において上記一般式〔I〕中、R1で示されるア
ルケニル基は炭素数1〜4コの直鎖状または分枝鎖状の
ものが好適に用いられる。アルケニル基の具体例として
はビニル基、アリル基、プロペニル基、2−ブテニル
基、3−ブテニル基等が挙げられる。
本発明において上記一般式〔I〕中、R1で示されるア
ルキニル基は炭素数1〜4コの直鎖状または分枝鎖状の
ものが好適に用いられる。アルキニル基の具体例として
はチエニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2
−ブチニル基、3−ブチニル基等が挙げられる。
また、上記一般式〔I〕中、X1、X2、R1およびR2で示
される置換フェニル基の置換基としては、ベンゼン環上
の1つまたはそれ以上の水素原子が、同一あるいは異な
ってハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキ
ルチオ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基等で置換
されたものが好適である。このような置換フェニル基の
具体例を示すと、クロロフェニル基、ブロモフェニル
基、フルオロフェニル基、ヨードフェニル基、ジクロロ
フェニル基、トリクロロフェニル基、クロロ−メチルフ
ェニル基、ブロモ−フルオロフェニル基、クロロ−エチ
ルフェニル基、クロロ−シアノフェニル基、クロロ−メ
トキシカルボニルフェニル基、メチル−エチルフェニル
基、トリメチルフェニル基、シアノトリル基、メチルチ
オトリル基、トリメトキシフェニル基、テトラクロロフ
ェニル基、クロロ−ジメチルフェニル基、メトキシフェ
ニル基、エトキシフェニル基、イソプロポキシフェニル
基、エチルチオフェニル基、ジクロロ−シアノフェニル
基、ジクロロ−エトキシカルボニルフェニル基等が挙げ
られる。
本発明の前記一般式〔I〕で示されるN,N−二置換−
チエノスルホンアミド誘導体は、次の手段でその構造を
確認することができる。
赤外吸収スペクトル(IR)を測定することにより、
1650cm-1〜1720cm-1にカルボニル結合に基づく吸収、13
10cm-1〜1390cm-1および1120cm-1〜1180cm-1にそれぞれ
スルホニル結合に基づく吸収等を観察することができ
る。代表例として、化合物番号(2)のIRスペクトルを
第1図に示した。
質量スペクトル(MS)を測定し、観察される各ピー
ク(一般的にはイオンの質量mをイオンの荷電数eで除
したm/eで表される数)に相当する組成式を求めること
により、測定に供した化合物の分子量ならびに該分子に
おける各原子団の結合様式を知ることができる。すなわ
ち、測定に供した試料を、前記一般式〔I〕で表した場
合、一般に分子イオンピーク(以下M+と略す)が観測さ
れるため、測定に供した化合物の分子量を決定すること
ができる。さらに、M+(またはM++1)に加え、M+
R1、M+−R1−(X1またはX2)等に対応する特徴的なピー
クが観測され、該分子の結合様式を知ることができる。
1H−核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR:テトラメチル
シラン基準、重クロロホルム溶媒)を測定することによ
り、前記一般式〔I〕で表される本発明の化合物中に存
在する水素原子の結合様式を知ることができる。代表例
として、下記化合物番号(3)の1H−NMR図を第2図に
示す。その解析結果を示すと、次の通りである。すなわ
ち、1.50ppm、1.60ppmにそれぞれプロトン3個分に相当
する単一線が認められ、(a)、(b)のメチル基に相
当した。4.05ppm〜4.65ppmにプロトン1個分に相当する
多重線が認められ、(c)のメチン基に相当した。7.30
ppmにプロトン4個分に相当する単一線が認められ、
(d)のベンゼン環のプロトンに相当した。また、6.90
ppmと7.45ppmにそれぞれプロトン1個分に相当する二重
線が認められ、(e)のチオフェン環の2個のプロトン
に相当した。
元素分析によって、炭素、水素、窒素(硫黄及びハ
ロゲンを含む場合は硫黄及びハロゲン)の各重量%を求
め、さらに認知された各元素の重量%の和を100から減
じることにより、酸素の重量%を算出することができ、
したがって該化合物の組成式を決定することができる。
本発明のN,N−二置換−チエノスルホンアミド誘導体
は一般に常温常圧において白色または淡黄色液体または
固体である。また、該誘導体はアセトン、メタノールや
エタノール等のアルコール類、ジクロロメタン、クロロ
ホルム、四塩化炭素等の塩素系溶剤、ジエチルエーテ
ル、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、ジ
メチルホルムアミドやメチルスルホキシド等の有機溶剤
にはよく溶けるが、ヘキサンには難溶であり、水には不
溶である。
本発明の前記一般式〔I〕で示されるN,N−二置換−
チエノスルホンアミド誘導体の製造方法は特に限定され
るものではなく、どのような製造方法によって製造され
てもよい。代表的な製造方法を示すと次の通りである。
すなわち、下記一般式〔II〕、 (ただし、X1,X2およびR1は前記一般式〔I〕で示した
通りである。) で表れるN−一置換チエノスルホンアミド化合物と、下
記一般式〔III〕、 R2CO−A ……〔III〕 (ただし、R2は前記一般式〔I〕で示した通りであり、
Aは塩素、臭素、ヨウ素、フッ素のハロゲン原子を示
す。) で表される。酸ハロゲニド、または下記一般式〔IV〕、 (ただし、R2は前記一般式〔I〕で示した通りであ
る。) で表れる酸無水物とを、塩基存在下、有機溶剤中、室温
または加熱下撹拌することにより、容易に製造すること
ができる。
上記一般式〔II〕、〔III〕、〔IV〕で示されるN−
一置換スルホンアミド化合物、酸ハロゲニド、及び酸無
水物の各化合物は、いかなる方法で製造されたものでも
なんら制限なく使用できる。
塩基は酸補足剤として働き、すでに知られているもの
をなんら制限なく使用できる。通常用いられる塩基とし
ては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリ
ウム、トリエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、水素
化ナトリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチ
ラート等のナトリウムアルコラート、カリウムブトキシ
ド等のカリウムアルコラート等が挙げられる。
有機溶剤としては、反応試薬と反応しない溶剤であれ
ば何等制限なく用いられる。通常用いられる有効溶剤と
しては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、
ジエトキシエタン等のエーテル類、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
N−一置換スルホンアミド化合物〔II〕に対する酸ハ
ロゲニド〔III〕または酸無水物〔IV〕の使用割合は、
通常、N−一置換スルホンアミド化合物1モルに対して
酸ハロゲニドまたは酸無水物0.1〜100モル、好適には1
〜10モルの範囲で用いられる。上記酸ハロゲニドまたは
酸無水物1モルに対して用いる塩基の割合は、通常、0.
1〜100モル、好適には0.5〜10モルの範囲で用いられ
る。N−一置換スルホンアミド化合物〔II〕に対して有
機溶剤の割合は通常、N−一置換スルホンアミド化合物
1容に対して有機溶剤1〜100容、好適には5〜30容の
範囲で用いられる。
反応温度は通常、室温〜200℃、好適には室温〜120℃
の範囲で行うのがよい。また、反応時間は通常、0.5〜4
0時間、好適には8〜15時間で行うのがよい。
反応系から目的生成物であるN,N−二置換−チエノス
ルホンアミド誘導体を単離精製する方法は特に限定され
ず、公知の方法が採用できる。通常の単離精製は反応液
を氷水中に加え、有機溶剤で抽出する。該抽出溶液は乾
燥後、減圧留去し、生じた固体もしくは液体を再結晶も
しくはカラムクロマトグラフィーで精製する方法が用い
られる。
本発明の前記一般式〔I〕で示されるN,N−二置換−
チエノスルホンアミド誘導体を除草剤として使用する場
合、その使用形態は特に限定されず、公知の使用形態が
そのまま使用できる。除草剤の使用形態はほとんど変わ
らず、例えば、不活性固体担体、液体担体、乳化分散剤
等を用いて、粒剤、粉体、乳剤、水和剤、フロアブル
剤、錠剤、エアゾール、くん煙剤等任意の剤形にして使
用することができる。もちろん、製剤上の補助剤として
例えば、展着剤、希釈剤、界面活性剤などを適宜配合す
ることができる。
(効 果) 本発明の前記一般式〔I〕で表されるN,N−二置換−
チエノスルホンアミド誘導体は湛水土壌処理において、
ノビエ、タマガヤツリ、ホタルイ、コナギ、広葉等の有
害雑草に対して高い除草効果を示し、除草剤として有用
である。特に除草活性の高いN,N−二置換−チエノスル
ホンアミド誘導体として合成例に挙げた化合物番号
(2)、(21)、(22)、(23)等の化合物が挙げられ
る。
なお、本発明の前記一般式〔I〕で示されるN,N−二
置換−チエノスルホンアミド誘導体は、ゴム葉枯れ病菌
や萎ちょう病菌等の植物病原菌、枯草菌、水虫菌、大腸
菌等の菌類に対して強い抗菌活性を有しているため、殺
菌剤としても有用である。特に抗菌活性の高いN,N−二
置換−チエノスルホンアミド誘導体として合成例に挙げ
た化合物番号(2)、(7)、(8)、(22)、(23)
等の化合物が挙げられる。さらにまた、本発明の前記一
般式〔I〕で示されるN,N−二置換−チエノスルホンア
ミド誘導体は、例えば担子病菌、そう菌類、子のう菌
類、不完全菌類及び細菌類等に属する多種病原菌に対し
ても広範囲に抗菌性を示す。
(実施例) 本発明をさらに具体的に説明するため、以下合成例及
び実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの合成例
及び実施例に限定されるものではない。
合成例1 塩化カルシウム管を備えた100ml−ナス難フラスコに
1.0g(4.93mmol)のN−アリル−2−チエノスルホンマ
ミドと50mlのジメトキシエタンを加え設置した。次い
で、0.13g(5.42mmol)の水素化ナトリウムを徐々に加
えた。室温で1時間撹はんした後、2−メトキシベンゾ
イルクロライド0.84g(4.93mmol)を加えた。10時間室
温で撹はんした後、溶媒を留去し、酢酸エチル200mlで
抽出した。酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、酢酸エチルを留去し、残査をシリカゲルクロマトに
より精製すると淡黄色固体が1.32g得られた。このもの
のIRを測定した結果、1660cm-1にカルボニル結合に基づ
く吸収、1360cm-1および1170cm-1にそれぞれスルホニル
結合に基づく吸収を示した。その元素分析値は、C53.42
%、H4.32%、N4.09%であって、組成C15H15NO4S2(33
7.43)に対する計算値C53.39%、H4.48%、N4.15%に良
く一致した。また、MSを測定したところ、m/e337にはM+
に対応するピーク、m/e296にはm+からアリルイオンを感
じたピークをそれぞれ示した。また、1H−NMR(δ;ppm:
テトラメチルシラン基準、重クロロホルム溶媒)を測定
し、解析した結果は次の通りであった。
3.60ppmにプロトン3個分の単一線が認められ、
(a)のメチル基に相当した。4.30ppmにプロトン2個
分の二重線が認められ、(b)のメチレン基に相当し
た。4.80ppm−5.25ppmにプロトン2個分の多重線が認め
られ、(c)のメチレン基に相当した。5.40ppm−6.10p
pmプロトン1個分の多重線が認められ、(d)のメチン
基に相当した。6.65ppm−7.70ppmにプロトン7個分の多
重線が認められ、(e)のベンゼン環及び(f)のチオ
フェン環のプロトンに相当した。
上記結果から、単離生成物がN−(2′−メトキシベ
ンゾイル)−N−アリル−2−チエノスルホンアミドで
あることが明かとなった。収率は79.5%であった。該化
合物を化合物番号(1)とする。
合成例2 塩化カルシウム管を備えた100ml−ナス型フラスコに
1.0g(4.26mmol)のN−プロパルギル−5−クロロ−2
−チエノスルホンアミドと50mlのジメトキシエタンを加
え設置した。次いで、0.12g(4.68mmol)の水素化ナト
リウムを徐々に加えた。室温で1時間撹はんした後、2,
6−ジクロロベンゾイルクロライド0.89g(4.26mmol)を
加えた。8時間室温で撹はんした後、溶媒を留去し、酢
酸エチル200mlで抽出した。酢酸エチル層を無水硫酸マ
グネシウムで乾燥後、酢酸エチルを留去し、残渣をシリ
カゲルクロマトにより精製すると淡黄色固体が1.27g得
られた。このもののIRを測定した結果は、第1図に示し
た通りである。すなわち、1700cm-1にカルボニル結合に
基づく吸収、1380cm-1および1170cm-1にそれぞれスルホ
ニル結合に基づく吸収を示した。その元素分析値は、C4
1.23%、H2.04%、N3.53%であって、組成式C14H8NO3S2
Cl3(408.73)に対する計算値C41.14%、H1.97%、N3.4
3%に良く一致した。また、MSを測定したところ、m/e40
8にはM+に対応するピーク、m/e369にはM+からプロパル
ギルイオンを減じたピーク、m/e334にはM+からプロパル
ギルイオン及びチオフェニル感置換のクロルイオンを減
じたピークをそれぞれ示した。また、1H−NMR(δ;ppm:
テトラメチルシラン基準、重クロロホルム溶媒)を測定
し、解析した結果は次の通りであった。
2.30ppmにプロトン1個分の単一線が認められ、
(a)のメチン基に相当した。4.40ppmにプロトン2個
分の単一線が認められ、(b)のメチレン基に相当し
た。7.30ppmにプロトン4個分の単一線が認められ、
(c)のベンゼン環のプロトン及び(d)のチオフェン
環のプロトンに相当した。7.00ppmにプロトン1個分の
二重線が認められ、(d)のチオフェン環のプロトンに
相当した。
上記結果から、単離生成物がN−(2′,6′−ジクロ
ロベンゾイル)−N−プロパルギル−5−クロロ−2−
チエノスルホンアミドであることが明かとなった。収率
は73.1%であった。該化合物を化合物番号(2)とす
る。
合成例3 塩化カルシウム管及び冷却管を備えた100ml−ナス型
フラスコに1.0g(4.18mmol)のN−イソプロピル−5−
クロロ−2−チエノスルホンアミドと50mlのベンゼンを
加え油溶に設置した。次いで、0.35g(2.51mmol)の炭
酸カリウムを加えた。50℃で2時間撹はんした後、2−
クロロベンゾイルクロライド0.73g(4.18mmol)を加え
た。12時間、50℃で撹はんした後、溶媒を留去し、酢酸
エチル200mlで抽出した。酢酸エチル層を無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、酢酸エチルを留去し、残渣をシリカ
ゲルクロマトにより精製すると淡黄色固体が1.51g得ら
れた。このもののIRを測定した結果、1690cm-1にカルボ
ニル結合に基づく吸収、1360cm-1および1170cm-1にそれ
ぞれスルホニル結合に基づく吸収を示した。その元素分
析値は、C44.57%、H3.60%、N3.63%であって、組成式
C14H13NO3S2Cl2(378.31)に対する計算値C44.45%、H
3.46%、N3.70%に良く一致した。また、MSを測定した
ところ、m/e378にはM+に対応するピーク、m/e335にはM+
からイソプロピルイオンを感じたピーク、m/e300にはM+
からイソプロピルイオン及びチオフェン環のクロルイオ
ンを減じたピークをそれぞれ示した。また、1H−NMR
(δ;ppm:テトラメチルシラン基準、重クロロホルム溶
媒)を測定し、解析した結果を第2図に示した。その解
析結果は次の通りであった。
1.50ppm,1.60ppmにそれぞれプロトン3個分の単一線
が認められ、(a),(b)のメチル基に相当した。4.
05pp−4.65ppmにプロトン1個分の多重線が認められ、
(c)のメチル基に相当した。7.30ppmにプロトン4個
分の単一線が認められ、(d)のベンゼン環のプロトン
に相当した。6.90ppm,7.45ppmにそれぞれプロトン1個
分の二重線が認められ、(e)のチオフェン環のプロト
ンに相当した。
上記結果から、単離生成物がN−(2′−クロロベン
ゾイル)−N−イソプロピル−5−クロロ−2−チエノ
スルホンアミドであることが明かとなった。収率は95.6
%であった。該化合物を化合物番号(3)とする。
合成例4 塩化カルシウム管及び冷却管を備えた100ml−ナス型
フラスコに1.0g(4.26mmol)のN−プロパルギル−5−
クロロ−2−チエノスルホンアミドと50mlのジオキサン
を加え油溶に設置した。次い、25g(4.69mmol)のナト
リウムメチラートを加えた。50℃で2時間撹はんした
後、2−クロロ−無水安息香酸1.25g(4.26mmol)を加
えた。時関、50℃で撹はんした後、溶媒を留去し、酢酸
エチル200mlで抽出した。酢酸エチル層を無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、酢酸エチルを留去し、残渣をシリカ
ゲルクロマトにより精製すると淡黄色固体が1.34g得ら
れた。このもののIRを測定した結果は、1680cm-1カルボ
ニル結合に基づく吸収、1370cm-1および1170cm-1にそれ
ぞれスルホニル結合に基づく吸収を示した。その元素分
析値は、C45.08%、H2.45%、N3.77%であって、組成式
C14H9NO3S2Cl2(374.28)に対する計算値C44.93%、H2.
42%、N3.74%に良く一致した。また、MSを測定したと
ころ、m/e374にはM+に対応するピーク、m/e335にはM+
らプロパギルイオンを減じたピーク、m/e300にはM+から
プロパルギルイオン及びチオフェン環のクロルイオンを
減じたピークをろれぞれ示した。また、1H−NMR(δ;pp
m:テトラメチルシラン基準、重クロロホルム溶媒)を測
定し、解析した結果は次の通りであった。
2.35ppmにプロトン1個分の単一線が認められ、
(a)のメチン基に相当した。4.55ppmにプロトン2個
分の単一線が認められ、(b)のメチレン基に相当し
た。7.35ppmにプロトン4個分の単一線が認められ、
(c)のベンゼン環のプロトンに相当した。6.95ppm,7.
60ppmにそれぞれプロトン1個分の二重線が認められ、
(d)のチオフェン環のプロトンに相当した。
上記結果から、単離生成物がN−(2′−クロロベン
ゾイル)−N−プロパルギル−5−クロロ−2−チエノ
スルホンアミドであることが明かとなった。収率は84.1
%であった。該化合物を化合物番号(4)とする。
合成例5 合成例1と同様な方法により、種々の前記一般式
〔I〕で表される誘導体(具体的なX1,X2,R1,及びR2
構造を第1表に示す)を合成した。合成した誘導体の赤
外吸収スペクトルの特性吸収値および、元素分析値を第
1表に併記した。
実施例1 1/8850アールの磁性ポットに水とよく混合した水田土
壌(沖積壌土)を充填し、水田雑草を播種した後、3葉
期のイネ苗(品種:アキニシキ)を深さ2cmに移植し、
水を加えて2cmの湛水状態にした。次いで、第2表に示
す各化合物の水和剤の10%水希釈液を雑草発芽時に所定
量滴下処理した。尚、該水和剤は本発明のN,N−二置換
−チエノスルホンアミド誘導体10重量部、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル2重量部、微粉クレー40
重量部、及びジークライト48重量部を粉砕混合して調製
した。処理後、平均気温25℃の温室内で育成させ、3週
間後に各供試化合物の除草効果を調査した結果を第2表
に示した。ただし、表中に示した広葉とはアゼナ、キカ
シグサ、アゼトウガラシなどを言う。評価は6段階と
し、除草効力の評価は下記のように0〜5の数字で表し
た。
移植イネの薬害に関しては草丈、分けつ数、全重量
(風乾量)の対無処理区比を出し、3つの要因のもっと
も悪いものを5とし、下記の0〜5の6段階で評価し
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は合成例2で得られた化合物(化合物番号
(2))の赤外吸収スペクトル、第2図は同じく合成例
3で得られた化合物(化合物番号(3))の1H−NMRス
ペクトルをそれぞれ示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−68550(JP,A) 特開 平1−156952(JP,A) 特開 昭64−3162(JP,A) 特開 昭63−239264(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 333/34 A01N 43/10 CA(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式、 (式中、X1,X2は同一あるいは異なり、水素原子、ハロ
    ゲン原子、置換もしくは非置換の低級アルキル基、また
    は置換もしくは非置換のフェニル基を示し、R1は置換も
    しくは非置換の低級アルキル基、アルケニル基、アルキ
    ニル基、または置換もしくは非置換のフェニル基を示
    し、R2は置換もしくは非置換の低級アルキル基、または
    置換もしくは非置換のフェニル基を示す。) で表されるN,N−二置換−チエノスルホンアミド誘導体
    を有効成分とする除草剤。
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