JP2946418B1 - 単結晶SiCおよびその製造方法 - Google Patents

単結晶SiCおよびその製造方法

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Abstract

【要約】 【課題】 高純度であるとともに、不純物の混入による
格子欠陥等の発生もなくて非常に高品質で、かつ、大型
の単結晶SiCを非常に生産性よく製造することができ
るようにする。 【解決手段】 α−SiC単結晶基板1とSi原子及び
C原子により構成されるβ−SiC多結晶板3とを両者
の対向面間に黒鉛層2を介在させて積層させた状態で、
それら両板1,3を不活性ガス雰囲気、かつ、SiC飽
和蒸気圧の雰囲気下で、α−SiC単結晶基板1側が低
温に保たれるような温度勾配を持たせて熱処理すること
により、β−SiC多結晶板2から昇華したSi及びC
原子を黒鉛層2を通して低温のα−SiC単結晶基板1
側に移動させ、α−SiC単結晶基板1の表面で再配列
させてα−SiC単結晶基板1の結晶方位に倣った単結
晶を一体に成長させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単結晶SiCおよ
びその製造方法に関するもので、詳しくは、発光ダイオ
ードやX線光学素子、高温半導体電子素子の基板ウエハ
などとして用いられる単結晶SiCおよびその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】SiC(炭化珪素)は、耐熱性および機
械的強度に優れているだけでなく、放射線にも強く、さ
らに不純物の添加によって電子や正孔の価電子制御が容
易である上、広い禁制帯幅を持つ(因みに、6H型のS
iC単結晶で約3.0eV、4H型のSiC単結晶で
3.26eV)ために、Si(シリコン)やGaAs
(ガリウムヒ素)などの既存の半導体材料では実現する
ことができない高温、高周波、耐電圧、耐環境性を実現
することが可能で、次世代のパワーデバイス用半導体材
料として注目され、かつ期待されている。
【0003】この種のSiC単結晶の成長(製造)方法
として、従来、黒鉛るつぼ内で原料のSiC粉末を昇華
させ、その昇華ガスをるつぼ内の低温部に再結晶させる
昇華再結晶法(レーリー法)や、黒鉛るつぼ内の低温側
に種結晶を配置し、原料となるSiCから昇華したガス
を閉鎖空間内で拡散輸送させて低温に設定されている種
結晶上に再結晶させる改良型昇華再結晶法(改良レーリ
ー法)、さらにSi(シリコン)基板上に化学気相成長
法(CVD法)を用いてエピタキシャル成長させること
により立方晶のSiC単結晶(β−SiC)を成長させ
る高温エピタキシャル方法等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の製造方法のうち、昇華再結晶法や改良型昇華再
結晶法にあっては、単結晶の大形化に困難を伴うばかり
でなく、結晶成長の過程で不純物が混入しやすくて純度
が低い上に、同一結晶内に二つ以上のポリタイプ(結晶
多形)が混在して、そのポリタイプ界面に結晶欠陥が導
入されやすい。近年では、改良型昇華再結晶法の研究開
発の進歩によって、結晶成長速度の進展および単結晶の
大型単結晶成長が可能になってきているものの、マイク
ロパイプ欠陥と呼ばれ半導体デバイスを作製した際の漏
れ電流等の原因となる結晶の成長方向に貫通する直径数
ミクロンのピンホールが100〜1000/cm2 程度
成長結晶中に残存しやすくて、品質的には未だ十分なも
のが得られないという問題がある。また、エピタキシャ
ル方法は、基板温度が高い上に、基板が高温なため再蒸
発量も多く、高純度の還元性雰囲気を作ることも必要で
設備的に非常に困難であり、さらに、エピタキシャル成
長のため結晶成長速度にも自ずと限界があって、単結晶
SiCの生産性が非常に悪いという問題があり、このこ
とが既述のようにSiやGaAsなどの既存の半導体材
料に比べて多くの優れた特徴を有しながらも、その実用
化を阻止する要因になっている。
【0005】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、高純度であるとともに、不純物の混入による格子欠
陥等の発生もなくて非常に高品質であり、かつ、大型の
単結晶SiCと、このような高純度、高品質の単結晶を
非常に生産性よく製造することができ、半導体材料とし
ての実用化を可能とする単結晶SiCの製造方法を提供
することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明に係る単結晶SiCは、表面
の全域もしくは一部に黒鉛層を有するSiC単結晶基板
の上にSi原子及びC原子により構成された多結晶板材
を積層させた状態で、大気圧以下の不活性ガス雰囲気、
かつ、SiC飽和蒸気雰囲気下で熱処理することによ
り、上記多結晶板材を構成するSi原子及びC原子を上
記黒鉛層を通して上記SiC単結晶基板側に拡散移動さ
せるとともに該SiC単結晶基板の表面で再配列させて
SiC単結晶基板の結晶方位に倣った単結晶が一体に成
長されていることを特徴とするものであり、また、請求
項5に記載の発明に係る単結晶SiCの製造方法は、S
iC単結晶基板の表面の全域もしくは一部に黒鉛層を形
成し、この黒鉛層を挟んでSiC単結晶基板上にSi原
子及びC原子により構成された多結晶板材を積層させた
後、それらSiC単結晶基板、黒鉛層及び多結晶板材を
大気圧以下の不活性ガス雰囲気、かつ、SiC飽和蒸気
雰囲気下で熱処理することにより、上記多結晶板材を構
成するSi原子及びC原子を上記黒鉛層を通して上記S
iC単結晶基板側に拡散移動させるとともに、それら拡
散移動したSi原子及びC原子を上記SiC単結晶基板
の表面で再配列させて該SiC単結晶基板の結晶方位に
倣った単結晶を一体に成長させることを特徴とするもの
である。
【0007】上記のような構成要件を有する請求項1及
び請求項5に記載の発明によれば、SiC単結晶基板と
Si原子及びC原子により構成された多結晶板材とを、
C原子同志が共有結合され、かつ、層間は弱いファン・
デル・ワールス力で結ばれてC−C原子間に微小隙間が
存在する黒鉛層を介して積層させた状態でそれらをSi
C飽和蒸気雰囲気下で熱処理することによって、(ア)
SiC単結晶基板と多結晶板材との間に基板側が低温と
なるような温度差をもたせて、多結晶板材側から昇華さ
れ平衡状態にあるSiC2 、Si2 C、3Siなる原子
(ガス)が黒鉛層の微小隙間を通してSiC単結晶基板
側に速やかに拡散移動される、(イ)上記黒鉛層が有す
る熱伝導異方性により基板と多結晶板材との界面の温度
差が面全域に亘ってほぼ一様に保たれて上記黒鉛層を通
過したSi及びC原子の共有結合、つまり、 SiC2 (g) +Si2 C(g) →3SiC(s) SiC2 (g) +3Si(g) →2Si2 C(s) が促進される、(ウ)上記のような界面の均熱保持下で
の共有結合に伴い基板の表面全域において該SiC単結
晶基板の結晶方位に倣った均一な単結晶化が進行する、
(エ)熱処理時にSiの放出が抑制されてSiC単結晶
基板及び多結晶板材のやせ細り並びに雰囲気から界面へ
不純物が混入されることを防止する、といった作用が得
られ、これら各作用の相乗により、高純度であるだけで
なく、歪みによる格子欠陥等の発生もない高品質で、か
つ、量的にも安定した大型の単結晶を効率よく一体成長
させることが可能である。
【0008】上記請求項1に記載の発明に係る単結晶S
iC及び請求項5に記載の発明に係る単結晶SiCの製
造方法において、SiC単結晶基板の表面に黒鉛層を介
して積層される多結晶板材としては、請求項2及び請求
項6に記載のように、SiC多結晶板、SiCアモルフ
ァスもしくは高純度焼結体のいずれを使用する場合も、
上記と同様な作用の相乗によって、高純度、高品質で、
かつ大型の単結晶SiCを生産性よく得ることが可能で
ある。
【0009】また、上記請求項2に記載の発明に係る単
結晶SiC及び請求項6に記載の発明に係る単結晶Si
Cの製造方法において、SiC多結晶板としては、熱化
学的蒸着法(以下、熱CVD法と称する)により板状に
製作されたものが好ましいが、これ以外に、例えばイオ
ンプレーティング法、スパッタリング法、プラズマCV
D法により製作されたものであってもよい。特に、請求
項3及び請求項7に記載のように、熱CVD法により製
作されたものを使用することにより、SiC多結晶板自
体が不純物の非常に少ない高純度なものであることか
ら、SiC単結晶基板とSiC多結晶板材との界面に結
晶粒界などを形成しないで、一層品質の高い単結晶Si
Cを得ることができる。
【0010】さらに、上記請求項1ないし3のいずれか
に記載の発明に係る単結晶SiC及び請求項5ないし7
のいずれかに記載の発明に係る単結晶SiCの製造方法
において、上記黒鉛層として、請求項4及び請求項8に
記載のように、SiC単結晶基板の表面層の黒鉛化処理
によって形成されたものを用いることにより、基板と黒
鉛層との間への不純物の混入による純度の低下も全くな
く、純度及び品質をより一層高めることができるととも
に、生産性の向上を図りやすく、単結晶SiCの製造コ
ストの低減効果も図ることができる。
【0011】なお、上記黒鉛層としては、SiC単結晶
基板の表面層の黒鉛化処理によって形成されたもの以外
に、熱CVD法により成膜されたものであっても、その
他、SiC単結晶基板とは別途に形成された黒鉛層をS
iC単結晶基板の表面全域あるいは部分的に積層しても
よく、いずれの場合も、SiC単結晶基板の表面に対し
てC軸が垂直になるように配置することが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
にもとづいて説明する。図1は本発明に係る単結晶Si
Cの製造に際して使用される素材の説明図であり、この
実施の形態では、SiC単結晶基板として、六方晶系
(6H型)のα−SiC単結晶基板1を使用する。この
六方晶系(6H型)のα−SiC単結晶基板1は、図5
に示すように、アチソン法により作られたα−SiC単
結晶塊1Aから多数の板状SiC単結晶片1Bを切出し
たとき、その切出された板状SiC単結晶片1BのC軸
方向の(0001)面に沿って研磨加工して平滑な表面
に調整された平板状のものを用いる。
【0013】上記平板状のα−SiC単結晶基板1をア
ルゴン(Ar)ガスの雰囲気中において2000〜22
00℃の温度範囲で加熱して、その平滑表面層の約1μ
mを黒鉛化処理することにより、C原子同志が共有結合
され、かつ、層間は弱いファン・デル・ワールス力で結
ばれてC−C原子間に微小隙間が存在する黒鉛層2を形
成する。この黒鉛層2はα−SiC単結晶基板1の表面
に沿い(004)面となって析出されている。
【0014】上記の黒鉛層2を挟んで上記α−SiC単
結晶基板1上に、Si原子及びC原子により構成される
多結晶板材の一例として、CH3 SiCl及びH2 ガス
の雰囲気で1400℃及び50mmbar の温度圧力条件の
熱CVD法により立方晶系のβ−SiC多結晶板3をそ
の(111)面もしくは(220)面が高配向となる5
00μm厚さに成膜して図2に示すような複合体4を得
る。
【0015】この複合体4を、図3に示すように、抵抗
発熱炉(全体図は周知であるため、省略する)内に挿入
して上記α−SiC単結晶基板1及びβ−SiC多結晶
板3を炉内のカーボン支持板5上に共に水平姿勢となる
ように支持させることにより、熱処理時において下側に
位置する上記α−SiC単結晶基板1側がβ−SiC多
結晶板3よりも100℃程度低温に保たれるように配置
し、かつ、複合体4の周囲には小豆ぐらいの大きさのS
iC塊6…を取り囲み配置する。
【0016】この状態で、Arなどの不活性ガス気流を
炉内に1atom程度注入するとともに、炉内温度が210
0〜2400℃、好ましくは、炉内平均温度が2200
℃に達するまで数時間かけて平均速度で昇温させ、か
つ、その2200℃で1時間程度保持させるといったよ
うに、大気圧下の不活性ガス雰囲気、かつ、SiC飽和
蒸気雰囲気下で熱処理を施すことにより、高温側に位置
するβ−SiC多結晶板3側から昇華され平衡状態にあ
るSiC2 、Si2 C、3Siなる原子(ガス)が黒鉛
層2の微小隙間を通して低温側のα−SiC単結晶基板
1側に速やかに拡散移動され、それら拡散移動したSi
及びC原子が上記α−SiC単結晶基板1の表面で、 SiC2 (g) +Si2 C(g) →3SiC(s) SiC2 (g) +3Si(g) →2Si2 C(s) なる共有結合で結ばれる。このとき、それらSi原子及
びC原子の配列が変えられて低温側のα−SiC単結晶
基板1上で該α−SiC単結晶基板1の結晶方位に倣っ
て単結晶化され、その結果、熱処理前にはα−SiC単
結晶基板1とβ−SiC多結晶板3の界面に位置してい
た上記黒鉛層2が、図4に示すように、育成された単結
晶部分1´の表面に徐々に上昇移動し、最終的には上記
β−SiC多結晶板3の多結晶体の全てがα−6H−S
iCに単結晶化される。
【0017】ところで、上記のような熱処理時におい
て、上記α−SiC単結晶基板1とβ−SiC多結晶板
3の界面に位置された黒鉛層2は大きな熱伝導異方性を
有しているため、界面はその面全域に亘ってほぼ一様な
温度差に保たれることになり、このような均熱保持機能
によって上記黒鉛層2を通過したSi及びC原子の上述
した共有結合が促進されて、α−SiC単結晶基板1表
面の全域において急速かち均一な単結晶化を進行させる
ことが可能である。
【0018】また、複合体4の周囲に小豆ぐらいの大き
さのSiC塊6…を取り囲み配置してSiCの飽和蒸気
雰囲気下で熱処理することにより、α−SiC単結晶基
板1及びβ−SiC多結晶板3からのSiの放出が抑制
されて、α−SiC単結晶基板1及びβ−SiC多結晶
板3のやせ細りを防止すると共に、雰囲気から界面への
不純物の混入も防止することが可能である。
【0019】以上のように、α−SiC単結晶基板1側
がβ−SiC多結晶板3より100℃程度低温に保たれ
るという温度差、その温度差を界面全域に亘ってほぼ一
定にする均熱保持に伴うSi及びC原子の共有結合の促
進、α−SiC単結晶基板1及びβ−SiC多結晶板3
からのSiの放出に伴うやせ細りを防止、雰囲気から界
面への不純物の混入防止、といった各作用の相乗によ
り、高純度であるとともに歪みによる格子欠陥等の発生
もない高品質で、かつ、量的にも安定した大型の単結晶
を効率よく一体成長させることが可能である。
【0020】特に、上記実施の形態では、上記α−Si
C単結晶基板1として、アチソン法により作られたα−
SiC単結晶塊1´から切り出された板状のSiC単結
晶片1AのC軸方向の(0001)面に沿って研磨加工
した平滑表面を持つものを使用し、その平滑表面を黒鉛
化処理して黒鉛層2を形成しており、これによって、基
板1表面の熱エッチングなどによる欠陥の発生がなくな
り、SiC単結晶の品質を一層高めることができる。
【0021】なお、上記実施の形態では、上記α−Si
C単結晶基板1として6H型のものを用いたが、4H型
のものを使用してもよい。
【0022】また、上記実施の形態では、Si原子及び
C原子により構成される多結晶板材として、β−SiC
多結晶板3を用いたもので説明したが、これに代えて、
高純度(1014atm /cm3 以下)のSiCアモルファ
ス板、高純度SiC焼結体を使用しても、上記と同様な
高品位の単結晶SiCを得ることが可能である。
【0023】
【発明の効果】以上のように、請求項1及び請求項5に
記載の発明によれば、SiC単結晶基板とSi原子及び
C原子により構成された多結晶板材との積層界面に、S
i及びC原子の通過移動を阻害することがない微小間隙
及び大きな熱伝導異方性を有する黒鉛層を介在させた状
態で、かつ、SiC飽和蒸気雰囲気下で熱処理すること
により、SiC単結晶基板と多結晶板材との間に基板側
が低温となるような温度差をもたせて熱処理に伴い多結
晶板材側から昇華され平衡状態にあるSiC2 、Si2
C、3Siなる原子をSiC単結晶基板側に速やかに拡
散移動させることができること、その拡散移動したSi
及びC原子の共有結合を面全域に亘ってほぼ一様な温度
差に保たれている界面の均熱保持機能によって促進し、
その共有結合に伴い基板の表面全域において該SiC単
結晶基板の結晶方位に倣った均一な単結晶化を急速に進
行できること、熱処理時にSiの放出を抑制してSiC
単結晶基板及び多結晶板材のやせ細りを防止できるこ
と、並びに、熱処理時に雰囲気から界面への不純物の混
入を防止できること、の相乗により、高純度であるだけ
でなく、歪みによる格子欠陥等の発生もない高品質で、
かつ、量的にも安定した大型の単結晶を効率よく一体成
長させることができる。これによって、Si(シリコ
ン)やGaAs(ガリウムヒ素)などの既存の半導体材
料に比べて高温、高周波、耐電圧、耐環境性に優れパワ
ーデバイス用半導体材料として期待されている単結晶S
iCの実用化を促進することができるという効果を奏す
る。
【0024】特に、Si原子及びC原子により構成され
る板材として、熱CVD法により板状に製作されたもの
を使用する場合は、SiC多結晶板自体として不純物の
非常に少ない高純度なものの使用が可能となり、SiC
単結晶基板とSiC多結晶板材との界面に結晶粒界など
を形成しないで、一層品質の高い単結晶SiCを得るこ
とができる。
【0025】また、上記黒鉛層として、SiC単結晶基
板の表面層の黒鉛化処理によって形成されたものを用い
ることにより、基板と黒鉛層との間への不純物の混入に
よる純度の低下も全くなく、純度及び品質をより一層高
めることができるとともに、生産性の向上を図りやす
く、単結晶SiCの製造コストの低減効果も図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る単結晶SiCの製造に際して使用
される素材の説明図である。
【図2】本発明に係る単結晶SiCの熱処理前の複合体
を示す模式図である。
【図3】本発明に係る単結晶SiCの熱処理状態を示す
模式図である。
【図4】本発明に係る単結晶SiCの熱処理後の状態を
示す模式図である。
【図5】単結晶SiCの製造方法に使用するα−SiC
単結晶基板の作製に際して作られたα−SiC単結晶塊
の概略斜視図である。
【符号の説明】
1 α−SiC単結晶基板 1´ 育成された単結晶部分 2 黒鉛層 3 β−SiC多結晶板(Si原子とC原子により構成
される板材の一例)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 Chem.abstr.,Vol. 78,No.18,7 May 1973(Co lumbus,OH,USA),pag e 337,column2,the a bstract No.116269j,Be rman,I.et al.,’Inf luence of annealin g on thin films of beta SiC,’U.S.Air Force Cambridge R es.Lab.,Phys.Sci.R es.Pap.1972,No.516,11 pp.(Eng). Chem.abstr.,Vol. 81,No.24,16 Dec.1974(Co lumbus,OH,USA),pag e 462,column1,the a bstract No.160152b,Be rman,I.et al.,’Ann ealing of sputterd β−silicon carbid e,’Silicon Carbid e,Proc.Int.Conf.,3 rd 1973(Pub.1974),42−50 (Eng). (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C30B 28/00 - 35/00 C30B 1/00 - 1/12 CA(STN)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面の全域もしくは一部に黒鉛層を有す
    るSiC単結晶基板の上にSi原子及びC原子により構
    成された多結晶板材を積層させた状態で、大気圧以下の
    不活性ガス雰囲気、かつ、SiC飽和蒸気雰囲気下で熱
    処理することにより、上記多結晶板材を構成するSi原
    子及びC原子を上記黒鉛層を通して上記SiC単結晶基
    板側に拡散移動させるとともに該SiC単結晶基板の表
    面で再配列させてSiC単結晶基板の結晶方位に倣った
    単結晶が一体に成長されていることを特徴とする単結晶
    SiC。
  2. 【請求項2】 上記多結晶板材が、SiC多結晶板、S
    iCアモルファスもしくは高純度SiC焼結体の中から
    選択された一種である請求項1に記載の単結晶SiC。
  3. 【請求項3】 上記SiC多結晶板として、熱化学的蒸
    着法により板状に製作されたものを使用している請求項
    2に記載の単結晶SiC。
  4. 【請求項4】 上記黒鉛層が、上記SiC単結晶基板の
    表面層の黒鉛化処理によって形成されたものである請求
    項1ないし3のいずれかに記載の単結晶SiC。
  5. 【請求項5】 SiC単結晶基板の表面の全域もしくは
    一部に黒鉛層を形成し、この黒鉛層を挟んでSiC単結
    晶基板上にSi原子及びC原子により構成された多結晶
    板材を積層させた後、 それらSiC単結晶基板、黒鉛層及び多結晶板材を大気
    圧以下の不活性ガス雰囲気、かつ、SiC飽和蒸気雰囲
    気下で熱処理することにより、上記多結晶板材を構成す
    るSi原子及びC原子を上記黒鉛層を通して上記SiC
    単結晶基板側に拡散移動させるとともに、 それら拡散移動したSi原子及びC原子を上記SiC単
    結晶基板の表面で再配列させて該SiC単結晶基板の結
    晶方位に倣った単結晶を一体に成長させることを特徴と
    する単結晶SiCの製造方法。
  6. 【請求項6】 上記多結晶板材として、SiC多結晶
    板、SiCアモルファスもしくは高純度SiC焼結体の
    中から選択された一種を使用する請求項5に記載の単結
    晶SiCの製造方法。
  7. 【請求項7】 上記SiC多結晶板として、熱化学的蒸
    着法により板状に製作されたものを使用する請求項6に
    記載の単結晶SiCの製造方法。
  8. 【請求項8】 上記黒鉛層が、上記SiC単結晶基板の
    表面層の黒鉛化処理によって形成されたものである請求
    項5ないし7のいずれかに記載の単結晶SiCの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 上記熱処理温度は、2100〜2400
    ℃の範囲に設定されている請求項5ないし8のいずれか
    に記載の単結晶SiCの製造方法。
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