JP2945155B2 - アクリル酸誘導体の製造方法 - Google Patents
アクリル酸誘導体の製造方法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセフェム系抗生物質の合
成中間体、特に7位側鎖の合成中間体として有用なアク
リル酸誘導体式の製造に関する。さらに詳しくは、本発
明は、式VII:
成中間体、特に7位側鎖の合成中間体として有用なアク
リル酸誘導体式の製造に関する。さらに詳しくは、本発
明は、式VII:
【化4】 (式中、Rは水素原子あるいはカルボン酸保護基を表
す)で示される2−アミノオキシアクリル酸誘導体の新
規な製造方法に関する。
す)で示される2−アミノオキシアクリル酸誘導体の新
規な製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】式VIIで示される2−アミノオキシアクリ
ル酸誘導体は、極めて有効なセファロスポリン抗生物質
の製造において重要な中間体である。この誘導体は、従
来、アクリル酸を出発物質として、特開昭61−254
584号公報(A)および英国特許1602725
(B)記載の、2位にアミノオキシ基を導入する方法で
製造されていた。これらの方法は、それぞれ下記反応式
(A)及び(B)で示される。
ル酸誘導体は、極めて有効なセファロスポリン抗生物質
の製造において重要な中間体である。この誘導体は、従
来、アクリル酸を出発物質として、特開昭61−254
584号公報(A)および英国特許1602725
(B)記載の、2位にアミノオキシ基を導入する方法で
製造されていた。これらの方法は、それぞれ下記反応式
(A)及び(B)で示される。
【化5】 しかるに、これら従来方法は、工程が複雑である上、下
記表1に見られるように、生成物(アミノオキシ基が保
護された化合物5)の収率が0.5〜6%と極めて低
く、実用的でないという問題点を有していた。
記表1に見られるように、生成物(アミノオキシ基が保
護された化合物5)の収率が0.5〜6%と極めて低
く、実用的でないという問題点を有していた。
【表1】収率(%) (S)-(1) (1)-(2) (2)-(3) (3)-(4) (4)-(5) 全収率 (A) 85.6 75.0 12.2 76.3 5.966 (B) 80.9 31.1 29.8 14.1 45.3 0.478
【0003】
【発明が解決すべき課題】従って、実用に適した、効率
的かつ種々の誘導体の製造に適用し得る2−アミノオキ
シアクリル酸誘導体の製造方法の開発が強く望まれてい
た。
的かつ種々の誘導体の製造に適用し得る2−アミノオキ
シアクリル酸誘導体の製造方法の開発が強く望まれてい
た。
【課題を解決するための手段】本発明者らは、3位にス
ルフィニル基を有する2−アミノオキシプロピオン酸誘
導体を脱スルフィニル化することにより、目的化合物V
IIを極めて効率よく製造することができることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
ルフィニル基を有する2−アミノオキシプロピオン酸誘
導体を脱スルフィニル化することにより、目的化合物V
IIを極めて効率よく製造することができることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
【0004】即ち、本発明は、式V:
【化6】 (式中、Rは水素原子あるいはカルボン酸保護基、R1
は芳香族または脂肪族基、R2は水素原子あるいはアミ
ノ保護基を表す)で示される3−スルフィニル−2−ア
ミノオキシプロピオン酸誘導体を脱スルフィニル化し、
脱保護することからなる上記の式VIIで示される2−ア
ミノオキシアクリル酸誘導体の製造方法を提供するもの
である。この3−スルフィニル−2−アミノオキシプロ
ピオン酸誘導体は、式IV:
は芳香族または脂肪族基、R2は水素原子あるいはアミ
ノ保護基を表す)で示される3−スルフィニル−2−ア
ミノオキシプロピオン酸誘導体を脱スルフィニル化し、
脱保護することからなる上記の式VIIで示される2−ア
ミノオキシアクリル酸誘導体の製造方法を提供するもの
である。この3−スルフィニル−2−アミノオキシプロ
ピオン酸誘導体は、式IV:
【化7】 (式中、R、R1、R2は上記定義に従う)で示される3
−スルフェニル−2−アミノオキシプロピオン酸誘導体
を既知の方法で酸化することにより容易に製造すること
ができ、本発明方法における有用な出発物質である。
−スルフェニル−2−アミノオキシプロピオン酸誘導体
を既知の方法で酸化することにより容易に製造すること
ができ、本発明方法における有用な出発物質である。
【0005】従って本発明はまた、式IVで示される3
−スルフェニル−2−アミノオキシプロピオン酸誘導体
を酸化し、上記の3−スルフィニル−2−アミノオキシ
プロピオン酸誘導体Vを得、該誘導体Vを脱スルフィニ
ル化した後、脱保護することからなる上記の式VIIで示
される2−アミノオキシアクリル酸誘導体の製造方法を
提供するものである。
−スルフェニル−2−アミノオキシプロピオン酸誘導体
を酸化し、上記の3−スルフィニル−2−アミノオキシ
プロピオン酸誘導体Vを得、該誘導体Vを脱スルフィニ
ル化した後、脱保護することからなる上記の式VIIで示
される2−アミノオキシアクリル酸誘導体の製造方法を
提供するものである。
【0006】式IVおよび式Vで示される化合物は、セ
ファロスポリン誘導体の中間体として有用な2−アミノ
オキシアクリル酸誘導体VIIの重要な製造出発物質であ
り、新規な化合物である。従って、本発明はまた、式V
で示される3−スルフィニル−2−アミノオキシプロピ
オン酸および式IVで示される3−スルフェニル−2−
アミノオキシプロピオン酸誘導体を提供するものであ
る。本発明の化合物の定義に用いた記号等を以下に説明
する。
ファロスポリン誘導体の中間体として有用な2−アミノ
オキシアクリル酸誘導体VIIの重要な製造出発物質であ
り、新規な化合物である。従って、本発明はまた、式V
で示される3−スルフィニル−2−アミノオキシプロピ
オン酸および式IVで示される3−スルフェニル−2−
アミノオキシプロピオン酸誘導体を提供するものであ
る。本発明の化合物の定義に用いた記号等を以下に説明
する。
【0007】Rの定義におけるカルボキシ保護基にはペ
ニシリン、セファロスポリン化学の分野で分子中の他の
部分に不都合な変化を起こすことなく着脱可能のものと
して知られている炭素数19までの反応用カルボキシ保
護基が含まれる。代表例にはエステル形成基である炭素
数1〜8のアルキル(メチル、メトキシメチル、エチ
ル、エトキシメチル、ヨ−ドエチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、エトキシエチル、メチル
チオエチル、メタンスルホニルエチル、トリクロロエチ
ル、t−ブチルなど)、炭素数3〜8のアルケニル(プ
ロペニル、アリル、プレニル、ヘキセニル、フェニルプ
ロペニル、ジメチルヘキセニルなど)、炭素数7〜19
のアラルキル(ベンジル、メチルベンジル、ジメチルベ
ンジル、メトキシベンジル、エトキシベンジル、ニトロ
ベンジル、アミノベンジル、ジフェニルメチル、フェニ
ルエチル、トリチル、ジ−t−ブチルヒドロキシベンジ
ル、フタリジル、フェナシルなど)、炭素数6〜12の
アリール(フェニル、トルイル、ジイソプロピルフェニ
ル、キシリル、トリクロロフェニル、ペンタクロロフェ
ニル、インダニルなど)、炭素数1〜12のアミノ基
(アセトンオキシム、アセトフェノンオキシム、アセト
アルドキシム、N−ヒドロキシこはく酸イミド、N−ヒ
ドロキシフタルイミドなどとのエステルを形成する
基)、炭素数2〜15の1−酸素置換アルキル{直鎖、
分枝、環状または部分環状のアルカノイルオキシアルキ
ル(アセトキシメチル、アセトキシエチル、プロピオニ
ルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、ピバロイル
オキシエチル、シクロヘキサンアセトキシエチル、シク
ロヘキサンカルボニルオキシシクロヘキシルメチルな
ど)、炭素数3〜15のアルコキシカルボニルオキシア
ルキル(エトキシカルボニルオキシエチル、イソプロポ
キシカルボニルオキシエチル、イソプロポキシカルボニ
ルオキシプロピル、t−ブトキシカルボニルオキシエチ
ル、イソペンチルオキシカルボニルオキシプロピル、シ
クロヘキシルオキシカルボニルオキシエチル、シクロヘ
キシルメトキシカルボニルオキシエチル、ボルニルオキ
シカルボニルオキシイソプロピルなど)、炭素数2〜8
のアルコキシアルキル(メトキシメチル、メトキシエチ
ルなど)、炭素数4〜8の2−オキサシクロアルキル
(テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニルなど)
など}、炭素数8〜12の置換アラルキル(フエナシ
ル、フタリジルなど)、炭素数6〜12のアリ−ル(フ
エニル、キシリル、インダニルなど)、炭素数2〜12
のアルケニル(アリル、プレニル、2-オキソ-1,3-ジ
オキソリル-4-イルメチルなど)などがある。これらは
置換基を有していてもよい。
ニシリン、セファロスポリン化学の分野で分子中の他の
部分に不都合な変化を起こすことなく着脱可能のものと
して知られている炭素数19までの反応用カルボキシ保
護基が含まれる。代表例にはエステル形成基である炭素
数1〜8のアルキル(メチル、メトキシメチル、エチ
ル、エトキシメチル、ヨ−ドエチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、エトキシエチル、メチル
チオエチル、メタンスルホニルエチル、トリクロロエチ
ル、t−ブチルなど)、炭素数3〜8のアルケニル(プ
ロペニル、アリル、プレニル、ヘキセニル、フェニルプ
ロペニル、ジメチルヘキセニルなど)、炭素数7〜19
のアラルキル(ベンジル、メチルベンジル、ジメチルベ
ンジル、メトキシベンジル、エトキシベンジル、ニトロ
ベンジル、アミノベンジル、ジフェニルメチル、フェニ
ルエチル、トリチル、ジ−t−ブチルヒドロキシベンジ
ル、フタリジル、フェナシルなど)、炭素数6〜12の
アリール(フェニル、トルイル、ジイソプロピルフェニ
ル、キシリル、トリクロロフェニル、ペンタクロロフェ
ニル、インダニルなど)、炭素数1〜12のアミノ基
(アセトンオキシム、アセトフェノンオキシム、アセト
アルドキシム、N−ヒドロキシこはく酸イミド、N−ヒ
ドロキシフタルイミドなどとのエステルを形成する
基)、炭素数2〜15の1−酸素置換アルキル{直鎖、
分枝、環状または部分環状のアルカノイルオキシアルキ
ル(アセトキシメチル、アセトキシエチル、プロピオニ
ルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、ピバロイル
オキシエチル、シクロヘキサンアセトキシエチル、シク
ロヘキサンカルボニルオキシシクロヘキシルメチルな
ど)、炭素数3〜15のアルコキシカルボニルオキシア
ルキル(エトキシカルボニルオキシエチル、イソプロポ
キシカルボニルオキシエチル、イソプロポキシカルボニ
ルオキシプロピル、t−ブトキシカルボニルオキシエチ
ル、イソペンチルオキシカルボニルオキシプロピル、シ
クロヘキシルオキシカルボニルオキシエチル、シクロヘ
キシルメトキシカルボニルオキシエチル、ボルニルオキ
シカルボニルオキシイソプロピルなど)、炭素数2〜8
のアルコキシアルキル(メトキシメチル、メトキシエチ
ルなど)、炭素数4〜8の2−オキサシクロアルキル
(テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニルなど)
など}、炭素数8〜12の置換アラルキル(フエナシ
ル、フタリジルなど)、炭素数6〜12のアリ−ル(フ
エニル、キシリル、インダニルなど)、炭素数2〜12
のアルケニル(アリル、プレニル、2-オキソ-1,3-ジ
オキソリル-4-イルメチルなど)などがある。これらは
置換基を有していてもよい。
【0008】R1の定義における芳香族基または脂肪族
基としては以下のものを例示できる。脂肪族基は、置換
基を有していてもよい直鎖、分枝、環状または不飽和の
炭素数1〜14までのアルキル基(例えば、メチル、エ
チル、プロピル、ブチル、ペンチル、ブチル、ヘキシ
ル、オクチル、デシル、ドデシル、t−ドデシル、カル
ボキシメチル、ベンジル、ジヒドロキシプロピル、グル
コリル、チオクト酸由来の基など)である。芳香族基
は、置換基を有していてもよく、単環または双環でヘテ
ロ原子を有しうるアリ−ル基(例えば、フェニル、クレ
ゾリル、クロロフェニル、カルボキシフェニル、クロロ
ベンソチアゾリル、ウラシル、グアニルなど)である。
R2の定義におけるアミノ保護基は、好ましくは芳香族
または脂肪族のアシル基であって、例えば脂肪族ジアシ
ル基または芳香族ジアシル基を指す。ジアシル基は炭素
数14までのアシル基、例えば直鎖、分枝、環状で、飽
和または不飽和のアルカンジカルボニル(サクシニル、
ハロゲノサクシニル、ジハロゲノサクシニル、アジドサ
クシニル、メチルサクシニル、ジメチルサクシニル、エ
チルサクシニル、プロピルサクシニル、エチリデンサク
シニル、プロピリデンサクシニル、イソプロピリデンサ
クシニル、メチルエチリデンサクシニル、ハロゲノグル
タリル、ジハロゲノグルタリル、メチルグルタリル、ジ
メチルグルタリル、エチルグルタリル、プロピルグルタ
リル、エチリデングルタリル、プロピリデングルタリ
ル、イソプロピリデングルタリル、メチルエチリデング
ルタリル、マレオイルなど、またはリンゴ酸、クエン酸
のアシル基など)、単環または双環でヘテロ原子を有し
うるアリ−ルジカルボニル(フタリル、メチルフタリ
ル、アミノフタリル、ニトロフタリル、ヒドロキシフタ
リル、ハロゲノフタリル、ジハロゲノフタリル、ピリジ
ンジカルボニルなど)、1価カルボン酸のアシル(直
鎖、分枝または環状のアルカノイル、単環または双環で
ヘテロ原子を有しうるアロイル、アラルカノイル、アリ
ールアルケノイルなど)2個、などである。これらの基
は置換基を有していてもよい。
基としては以下のものを例示できる。脂肪族基は、置換
基を有していてもよい直鎖、分枝、環状または不飽和の
炭素数1〜14までのアルキル基(例えば、メチル、エ
チル、プロピル、ブチル、ペンチル、ブチル、ヘキシ
ル、オクチル、デシル、ドデシル、t−ドデシル、カル
ボキシメチル、ベンジル、ジヒドロキシプロピル、グル
コリル、チオクト酸由来の基など)である。芳香族基
は、置換基を有していてもよく、単環または双環でヘテ
ロ原子を有しうるアリ−ル基(例えば、フェニル、クレ
ゾリル、クロロフェニル、カルボキシフェニル、クロロ
ベンソチアゾリル、ウラシル、グアニルなど)である。
R2の定義におけるアミノ保護基は、好ましくは芳香族
または脂肪族のアシル基であって、例えば脂肪族ジアシ
ル基または芳香族ジアシル基を指す。ジアシル基は炭素
数14までのアシル基、例えば直鎖、分枝、環状で、飽
和または不飽和のアルカンジカルボニル(サクシニル、
ハロゲノサクシニル、ジハロゲノサクシニル、アジドサ
クシニル、メチルサクシニル、ジメチルサクシニル、エ
チルサクシニル、プロピルサクシニル、エチリデンサク
シニル、プロピリデンサクシニル、イソプロピリデンサ
クシニル、メチルエチリデンサクシニル、ハロゲノグル
タリル、ジハロゲノグルタリル、メチルグルタリル、ジ
メチルグルタリル、エチルグルタリル、プロピルグルタ
リル、エチリデングルタリル、プロピリデングルタリ
ル、イソプロピリデングルタリル、メチルエチリデング
ルタリル、マレオイルなど、またはリンゴ酸、クエン酸
のアシル基など)、単環または双環でヘテロ原子を有し
うるアリ−ルジカルボニル(フタリル、メチルフタリ
ル、アミノフタリル、ニトロフタリル、ヒドロキシフタ
リル、ハロゲノフタリル、ジハロゲノフタリル、ピリジ
ンジカルボニルなど)、1価カルボン酸のアシル(直
鎖、分枝または環状のアルカノイル、単環または双環で
ヘテロ原子を有しうるアロイル、アラルカノイル、アリ
ールアルケノイルなど)2個、などである。これらの基
は置換基を有していてもよい。
【0009】本発明方法の出発物質であるスルフェニル
誘導体IVは当業者既知の方法、あるいは文献記載の方
法に従って製造することができる。例えば、以下の方法
で示される反応式に従って製造し得る。
誘導体IVは当業者既知の方法、あるいは文献記載の方
法に従って製造することができる。例えば、以下の方法
で示される反応式に従って製造し得る。
【化8】 (式中、R、R1およびR2は上記定義に従い、X1およ
びX2は脱離基を表す)。上記反応における脱離基として
は、臭素、塩素等のハロゲン原子、メタンスルホニルオ
キシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ等のアルカ
ンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、トル
エンスルホニルオキシ等のアリールスルホニルオキシ等
を挙げることができる。
びX2は脱離基を表す)。上記反応における脱離基として
は、臭素、塩素等のハロゲン原子、メタンスルホニルオ
キシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ等のアルカ
ンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、トル
エンスルホニルオキシ等のアリールスルホニルオキシ等
を挙げることができる。
【0010】上記反応式における出発物質Iは例えば、
アクリル酸のカルボキシ基を保護し、ハロゲン化するこ
とにより得ることができる。 a)脱離反応 化合物Iをジメチルホルムアミド、ジクロロメタン等の
不活性溶媒中、有機または無機脱ハロゲン化水素剤で処
理することにより行う。そのような試薬としては塩基、
例えば三級アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、N−メチルモルホリン、キヌクリジン、トリ(2−
ヒドロキシエチル)アミン、ジメチルアニリン、ビスジ
メチルアミノナフタリン、トリトンBなど)、シッフ塩
基(ジアザビシクロノネン、ジアザビシクロウンデセン
など)、芳香族アミン(ピリジン、ピコリン、ルチジ
ン、キノリン、ニコチンなど)、塩基性陰イオン交換樹
脂(アンバ−ライトIR−45、IR−4B、デュオラ
イトA−4など)を挙げることができる。
アクリル酸のカルボキシ基を保護し、ハロゲン化するこ
とにより得ることができる。 a)脱離反応 化合物Iをジメチルホルムアミド、ジクロロメタン等の
不活性溶媒中、有機または無機脱ハロゲン化水素剤で処
理することにより行う。そのような試薬としては塩基、
例えば三級アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、N−メチルモルホリン、キヌクリジン、トリ(2−
ヒドロキシエチル)アミン、ジメチルアニリン、ビスジ
メチルアミノナフタリン、トリトンBなど)、シッフ塩
基(ジアザビシクロノネン、ジアザビシクロウンデセン
など)、芳香族アミン(ピリジン、ピコリン、ルチジ
ン、キノリン、ニコチンなど)、塩基性陰イオン交換樹
脂(アンバ−ライトIR−45、IR−4B、デュオラ
イトA−4など)を挙げることができる。
【0011】b)メルカプタン付加反応 ハロゲン化アクリル酸誘導体IIにジメチルホルムアミ
ド、ジクロロメタン等の不活性溶媒中、メルカプタン付
加試薬としてチオフェノ−ル等のアリールまたはアルキ
ルメルカプタンを作用させると、3-チオ-2-ハロゲン
化プロピオン酸誘導体IIIが得られる。ここで、触媒と
してトリエチルアミン、DBU等の有機塩基またはNa
H等の無機塩基等の塩基を加えても良い。 c)置換反応 ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン等の不活性溶媒
中、3-チオ-2-ハロゲン化プロピオン酸誘導体IIIの溶
液にN-ヒドロキシフタルイミド等のN−保護ヒドロキ
シルアミンを、トリエチルアミン等の有機または無機塩
基の存在下で例えば室温に一夜放置すると、置換反応が
進行する。次いで反応液を氷水中 に注ぎ、酢酸エチル
等の溶媒で抽出する。抽出液を洗浄、濃縮後、残渣をシ
リカゲルクロマトグラフィ−等で精製すると、所望の出
発物質スルフェニル誘導体IVが得られる。
ド、ジクロロメタン等の不活性溶媒中、メルカプタン付
加試薬としてチオフェノ−ル等のアリールまたはアルキ
ルメルカプタンを作用させると、3-チオ-2-ハロゲン
化プロピオン酸誘導体IIIが得られる。ここで、触媒と
してトリエチルアミン、DBU等の有機塩基またはNa
H等の無機塩基等の塩基を加えても良い。 c)置換反応 ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン等の不活性溶媒
中、3-チオ-2-ハロゲン化プロピオン酸誘導体IIIの溶
液にN-ヒドロキシフタルイミド等のN−保護ヒドロキ
シルアミンを、トリエチルアミン等の有機または無機塩
基の存在下で例えば室温に一夜放置すると、置換反応が
進行する。次いで反応液を氷水中 に注ぎ、酢酸エチル
等の溶媒で抽出する。抽出液を洗浄、濃縮後、残渣をシ
リカゲルクロマトグラフィ−等で精製すると、所望の出
発物質スルフェニル誘導体IVが得られる。
【0012】次いで、本発明方法に従い、スルフェニル
誘導体IVからスルフィニル化合物Vを経て目的の2−
アミノオキシアクリル酸誘導体VIIを製造する。 d)酸化反応 ジクロロメタン等の不活性溶媒中、スルフェニル誘導体
IVに酸化剤を作用する。代表的な酸化剤としては、過
鉱酸(過硫酸など)、過カルボン酸(過酢酸、過フタル
酸、m−クロロ過安息香酸など)、過スルホン酸など工
業的に入手可能な過酸、オゾン、過酸化水素、反応性過
酸化物(過酸化ほう素、過酸化尿素、過酸化ニッケル、
過酸化ソ−ダなど)などを例示できる。これらの酸化
は、要すれば反応促進剤(タングステン酸、リン酸、ポ
リリン酸、リン酸一エステルなど周期律表第V〜VIb
族元素の酸、塩、アルカン酸など)の存在下に、実施で
きる。通常、約−10〜約50℃で混合物を5〜60分
間撹拌すると反応が終了する。反応液を炭酸水素ナトリ
ウム水溶液等で洗浄した後、乾燥し、濃縮することによ
り、対応するスルフィニル化合物Vの粗生成物を得る。
この生成物はスルホキシド基に おける立体異性体の
1:1混合物として得られるが、そのまま次工程に用い
る。
誘導体IVからスルフィニル化合物Vを経て目的の2−
アミノオキシアクリル酸誘導体VIIを製造する。 d)酸化反応 ジクロロメタン等の不活性溶媒中、スルフェニル誘導体
IVに酸化剤を作用する。代表的な酸化剤としては、過
鉱酸(過硫酸など)、過カルボン酸(過酢酸、過フタル
酸、m−クロロ過安息香酸など)、過スルホン酸など工
業的に入手可能な過酸、オゾン、過酸化水素、反応性過
酸化物(過酸化ほう素、過酸化尿素、過酸化ニッケル、
過酸化ソ−ダなど)などを例示できる。これらの酸化
は、要すれば反応促進剤(タングステン酸、リン酸、ポ
リリン酸、リン酸一エステルなど周期律表第V〜VIb
族元素の酸、塩、アルカン酸など)の存在下に、実施で
きる。通常、約−10〜約50℃で混合物を5〜60分
間撹拌すると反応が終了する。反応液を炭酸水素ナトリ
ウム水溶液等で洗浄した後、乾燥し、濃縮することによ
り、対応するスルフィニル化合物Vの粗生成物を得る。
この生成物はスルホキシド基に おける立体異性体の
1:1混合物として得られるが、そのまま次工程に用い
る。
【0013】e)脱離反応 トルエン、ベンゼン等の不活性溶媒中で温度約50〜1
50℃で、約0.5〜約5時間、好ましくは約100℃
で60分間加熱する。反応液を減圧下に濃縮して得られ
る残渣を通常の方法で精製することにより2−保護アミ
ノオキシ−アクリル酸誘導体VIを得る。精製は、エ−
テル/ヘキサン混液等の適当な溶媒中からの再結晶、シ
リカゲル等によるクロマトグラフィー等により行う。
50℃で、約0.5〜約5時間、好ましくは約100℃
で60分間加熱する。反応液を減圧下に濃縮して得られ
る残渣を通常の方法で精製することにより2−保護アミ
ノオキシ−アクリル酸誘導体VIを得る。精製は、エ−
テル/ヘキサン混液等の適当な溶媒中からの再結晶、シ
リカゲル等によるクロマトグラフィー等により行う。
【0014】f)脱保護 上記e)で得た化合物VIを通常の脱保護反応に付すこ
とによりて2−アミノオキシアクリル酸誘導体VIIを得
る。この脱保護反応は、セファロスポリンの化学で通常
用いられている方法を採用することができるが、例えば
ヒドラジン、メチルヒドラジン等のアルキルヒドラジ
ン、ジアルキルヒドラジン等の脱アミド/イミド化剤を
用いるとよい。即ち、ジクロロメタン等の不活性溶媒
中、温度約−20〜50℃でメチルヒドラジンの存在
下、撹拌し、沈殿を濾去した後、反応液を濃縮すると、
粗生成物が得られる。これをさらに溶媒抽出し、沈澱物
を除去し、ろ液を濃縮することにより目的の2−アミノ
オキシアクリル酸誘導体VIIを得る。
とによりて2−アミノオキシアクリル酸誘導体VIIを得
る。この脱保護反応は、セファロスポリンの化学で通常
用いられている方法を採用することができるが、例えば
ヒドラジン、メチルヒドラジン等のアルキルヒドラジ
ン、ジアルキルヒドラジン等の脱アミド/イミド化剤を
用いるとよい。即ち、ジクロロメタン等の不活性溶媒
中、温度約−20〜50℃でメチルヒドラジンの存在
下、撹拌し、沈殿を濾去した後、反応液を濃縮すると、
粗生成物が得られる。これをさらに溶媒抽出し、沈澱物
を除去し、ろ液を濃縮することにより目的の2−アミノ
オキシアクリル酸誘導体VIIを得る。
【0015】本発明の代表的化合物は例えば、下記のR
置換チオ-2-R2置換アミノオキシプロピオン酸(I
V)および対応するスルホキシドであるR置換スルフィ
ニル-2-R2置換アミノオキシプロピオン酸(V)とそ
れらのエステル類である。メチルチオ-2-フタリルアミ
ノオキシプロピオン酸、エチルチオ-2-フタリルアミノ
オキシプロピオン酸、プロピルチオ-2-フタリルアミノ
オキシプロピオン酸、ブチルチオ-2-フタリルアミノオ
キシプロピオン酸、オクチルチオ-2-フタリルアミノオ
キシプロピオン酸、デシルチオ-2-フタリルアミノオキ
シプロピオン酸、ジヒドロキシプロピルチオ-2-フタリ
ルアミノオキシプロピオン酸、ドデシルチオ-2-フタリ
ルアミノオキシプロピオン酸、フェニルチオ-2-フタリ
ルアミノオキシプロピオン酸、トリルチオ-2-フタリル
アミノオキシプロピオン酸、クロロフェニルチオ-2-フ
タリルアミノオキシプロピオン酸、カルボメトキシフェ
ニルチオ-2-フタリルアミノオキシプロピオン酸、グア
ニルチオ-2-フタリルアミノオキシプロピオン酸、ベン
ジルチオ-2-フタリルアミノオキシプロピオン酸、メチ
ルチオ-2-メチルフタリルアミノオキシプロピオン酸、
エチルチオ-2-ニトロフタリルアミノオキシプロピオン
酸、プロピルチオ-2-ヒドロキシフタリルアミノオキシ
プロピオン酸、ブチルチオ-2-クロロフタリルアミノオ
キシプロピオン酸、オクチルチオ-2-ブロモフタリルア
ミノオキシプロピオン酸、デシルチオ-2-ジメチルフタ
リルアミノオキシプロピオン酸、ジヒドロキシプロピル
チオ-2-アミノフタリルアミノオキシプロピオン酸、ド
デシルチオ-2-ジクロロフタリルアミノオキシプロピオ
ン酸、フェニルチオ-2-ピリジンジカルボニルアミノオ
キシプロピオン酸、トリルチオ-2-ジアセチルアミノオ
キシプロピオン酸、クロロフェニルチオ-2-N−ベンゾ
イルアセチルアミノオキシプロピオン酸、カルボメトキ
シフェニルチオ-2-エチルフタリルアミノオキシプロピ
オン酸、グアニルチオ-2-ブロモフタリルアミノオキシ
プロピオン酸、ベンジルチオ-2-メチルフタリルアミノ
オキシプロピオン酸、ブチルチオ-2-サクシニルアミノ
オキシプロピオン酸、ブチルチオ-2-クロロサクシニル
アミノオキシプロピオン酸、ブチルチオ-2-ジクロロサ
クシニルアミノオキシプロピオン酸、ブチルチオ-2-メ
チルサクシニルアミノオキシプロピオン酸、ブチルチオ
-2-プロピリデンサクシニルアミノオキシプロピオン
酸、ブチルチオ-2-グルタリルアミノオキシプロピオン
酸、ブチルチオ-2-クロログルタリルアミノオキシプロ
ピオン酸、ブチルチオ-2-ジメチルグルタリルアミノオ
キシプロピオン酸、ブチルチオ-2-ジクロログルタリル
アミノオキシプロピオン酸、ブチルチオ-2-マレオイル
アミノオキシプロピオン酸、ブチルチオ-2-イソプロピ
リデングタリルアミノオキシプロピオン酸、ブチルチオ
-2-サクシニルアミノオキシプロピオン酸。
置換チオ-2-R2置換アミノオキシプロピオン酸(I
V)および対応するスルホキシドであるR置換スルフィ
ニル-2-R2置換アミノオキシプロピオン酸(V)とそ
れらのエステル類である。メチルチオ-2-フタリルアミ
ノオキシプロピオン酸、エチルチオ-2-フタリルアミノ
オキシプロピオン酸、プロピルチオ-2-フタリルアミノ
オキシプロピオン酸、ブチルチオ-2-フタリルアミノオ
キシプロピオン酸、オクチルチオ-2-フタリルアミノオ
キシプロピオン酸、デシルチオ-2-フタリルアミノオキ
シプロピオン酸、ジヒドロキシプロピルチオ-2-フタリ
ルアミノオキシプロピオン酸、ドデシルチオ-2-フタリ
ルアミノオキシプロピオン酸、フェニルチオ-2-フタリ
ルアミノオキシプロピオン酸、トリルチオ-2-フタリル
アミノオキシプロピオン酸、クロロフェニルチオ-2-フ
タリルアミノオキシプロピオン酸、カルボメトキシフェ
ニルチオ-2-フタリルアミノオキシプロピオン酸、グア
ニルチオ-2-フタリルアミノオキシプロピオン酸、ベン
ジルチオ-2-フタリルアミノオキシプロピオン酸、メチ
ルチオ-2-メチルフタリルアミノオキシプロピオン酸、
エチルチオ-2-ニトロフタリルアミノオキシプロピオン
酸、プロピルチオ-2-ヒドロキシフタリルアミノオキシ
プロピオン酸、ブチルチオ-2-クロロフタリルアミノオ
キシプロピオン酸、オクチルチオ-2-ブロモフタリルア
ミノオキシプロピオン酸、デシルチオ-2-ジメチルフタ
リルアミノオキシプロピオン酸、ジヒドロキシプロピル
チオ-2-アミノフタリルアミノオキシプロピオン酸、ド
デシルチオ-2-ジクロロフタリルアミノオキシプロピオ
ン酸、フェニルチオ-2-ピリジンジカルボニルアミノオ
キシプロピオン酸、トリルチオ-2-ジアセチルアミノオ
キシプロピオン酸、クロロフェニルチオ-2-N−ベンゾ
イルアセチルアミノオキシプロピオン酸、カルボメトキ
シフェニルチオ-2-エチルフタリルアミノオキシプロピ
オン酸、グアニルチオ-2-ブロモフタリルアミノオキシ
プロピオン酸、ベンジルチオ-2-メチルフタリルアミノ
オキシプロピオン酸、ブチルチオ-2-サクシニルアミノ
オキシプロピオン酸、ブチルチオ-2-クロロサクシニル
アミノオキシプロピオン酸、ブチルチオ-2-ジクロロサ
クシニルアミノオキシプロピオン酸、ブチルチオ-2-メ
チルサクシニルアミノオキシプロピオン酸、ブチルチオ
-2-プロピリデンサクシニルアミノオキシプロピオン
酸、ブチルチオ-2-グルタリルアミノオキシプロピオン
酸、ブチルチオ-2-クロログルタリルアミノオキシプロ
ピオン酸、ブチルチオ-2-ジメチルグルタリルアミノオ
キシプロピオン酸、ブチルチオ-2-ジクロログルタリル
アミノオキシプロピオン酸、ブチルチオ-2-マレオイル
アミノオキシプロピオン酸、ブチルチオ-2-イソプロピ
リデングタリルアミノオキシプロピオン酸、ブチルチオ
-2-サクシニルアミノオキシプロピオン酸。
【作用】本発明方法によれば、上記の従来法に比較し
て、単純な工程で、はるかに効率良く2−アミノオキシ
アクリル酸誘導体Iを製造することができる。以下に実
施例を挙げ本発明を詳しく説明するが、本発明はこれら
に限定されるものではない。
て、単純な工程で、はるかに効率良く2−アミノオキシ
アクリル酸誘導体Iを製造することができる。以下に実
施例を挙げ本発明を詳しく説明するが、本発明はこれら
に限定されるものではない。
【実施例】実施例1 3−スルフェニル−2−アミノオ
キシプロピオン酸誘導体IV
キシプロピオン酸誘導体IV
【化9】
【0016】1.化合物IV−A(R=ジフェニルメチ
ル、R1=フェニル、R2=フタロイル)の製造 1)化合物2−A 2,3-ジブロモプロピオン酸ジフェニルメチルエステル
(1-A)42.20g(1 06ミリモル)をジメチルホル
ムアミド200mlに溶かし、15℃にてトリエチルアミ
ン15.54ml(111ミリモル)を加え、15〜20
℃で20分間撹拌すると2-ブロモアクリル酸ジフェニ
ルメチルエステル(2-A)が生成する。化合物2−Aの物
性値:NMR δ(CDCl3) ppm : 6.31(d, J=1.8Hz, 1
H), 6.93(s, 1H), 7.06(d, J=1.8Hz, 1H), 7.27〜7.42
(m, 10H)]
ル、R1=フェニル、R2=フタロイル)の製造 1)化合物2−A 2,3-ジブロモプロピオン酸ジフェニルメチルエステル
(1-A)42.20g(1 06ミリモル)をジメチルホル
ムアミド200mlに溶かし、15℃にてトリエチルアミ
ン15.54ml(111ミリモル)を加え、15〜20
℃で20分間撹拌すると2-ブロモアクリル酸ジフェニ
ルメチルエステル(2-A)が生成する。化合物2−Aの物
性値:NMR δ(CDCl3) ppm : 6.31(d, J=1.8Hz, 1
H), 6.93(s, 1H), 7.06(d, J=1.8Hz, 1H), 7.27〜7.42
(m, 10H)]
【0017】2)化合物3−A 化合物2−Aを含む反応溶液を5℃に冷却し、チオフェ
ノ−ル9.86ml(96ミリモル)を加え、5〜10℃
で1時間撹拌すると3-フェニルチオ-2-ブロモプロピ
オン酸ジフェニルメチルエステル(3-A)が生成する。化
合物3−Aの物性値:NMR δ(CDCl3) ppm : 3.33〜
3.62(m, 2H), 4.30(dd.J=5.2Hz, J=11.1Hz, 1H), 6.93
(s, 1H), 7.05〜7.70(m, 15H) 3)化合物4−A 化合物3−Aを含む溶液にN-ヒドロキシフタルイミド
26g(159ミリモル) とトリエチルアミン22ml
(157ミリモル)を加え、室温に一夜放置する。反応
液を氷水1.5リットル中に注ぎ、析出する結晶を濾取
し、水洗する。結晶を ジクロロメタンにとかし、水
洗、乾燥後、濃縮する。残渣をジクロロメタン/エ−テ
ル混液から再結晶して、3-フェニルチオ-2-フタルイ
ミドイルオキシプ ロピオン酸ジフェニルメチルエステ
ル(4−A)40.48gを得る。収率;出発物質(1-A)
からの収率=79.5%。mp.116〜117℃。IR
ν (CHCl3) cm-1 : 1790, 1735。NMR δ (CDCl3) pp
m : 3.40〜3.62(m, 2H), 4.89(dd, J=5.8Hz, J=7.9Hz,
1H), 6.92(s, 1H), 7.18〜7.43(m, 15H), 7.67〜7.79
(m, 4H)。元素分析(C30H23NO5S)計算値:C, 70.71; H,
4.55; N, 2.75; S, 6.29。測定値:C, 70.71; H, 4.68;
N, 2.62; S, 6.16。
ノ−ル9.86ml(96ミリモル)を加え、5〜10℃
で1時間撹拌すると3-フェニルチオ-2-ブロモプロピ
オン酸ジフェニルメチルエステル(3-A)が生成する。化
合物3−Aの物性値:NMR δ(CDCl3) ppm : 3.33〜
3.62(m, 2H), 4.30(dd.J=5.2Hz, J=11.1Hz, 1H), 6.93
(s, 1H), 7.05〜7.70(m, 15H) 3)化合物4−A 化合物3−Aを含む溶液にN-ヒドロキシフタルイミド
26g(159ミリモル) とトリエチルアミン22ml
(157ミリモル)を加え、室温に一夜放置する。反応
液を氷水1.5リットル中に注ぎ、析出する結晶を濾取
し、水洗する。結晶を ジクロロメタンにとかし、水
洗、乾燥後、濃縮する。残渣をジクロロメタン/エ−テ
ル混液から再結晶して、3-フェニルチオ-2-フタルイ
ミドイルオキシプ ロピオン酸ジフェニルメチルエステ
ル(4−A)40.48gを得る。収率;出発物質(1-A)
からの収率=79.5%。mp.116〜117℃。IR
ν (CHCl3) cm-1 : 1790, 1735。NMR δ (CDCl3) pp
m : 3.40〜3.62(m, 2H), 4.89(dd, J=5.8Hz, J=7.9Hz,
1H), 6.92(s, 1H), 7.18〜7.43(m, 15H), 7.67〜7.79
(m, 4H)。元素分析(C30H23NO5S)計算値:C, 70.71; H,
4.55; N, 2.75; S, 6.29。測定値:C, 70.71; H, 4.68;
N, 2.62; S, 6.16。
【0018】2.化合物IV−B(R=ベンジル、R1=
フェニル、R2=フタロイル)の製造 1)化合物2−B 2,3-ジブロモプロピオン酸ベンジルエステル(1-B)
6.44g(20ミリモル )をジメチルホルムアミド8
0mlに溶かし、これに10℃にてトリエチルアミン2.
94ml(21ミリモル)を加え、10℃〜15℃にて2
0分間撹拌すると2-ブロモアクリル酸ベンジルエステ
ル(化合物2−B)が生成する。
フェニル、R2=フタロイル)の製造 1)化合物2−B 2,3-ジブロモプロピオン酸ベンジルエステル(1-B)
6.44g(20ミリモル )をジメチルホルムアミド8
0mlに溶かし、これに10℃にてトリエチルアミン2.
94ml(21ミリモル)を加え、10℃〜15℃にて2
0分間撹拌すると2-ブロモアクリル酸ベンジルエステ
ル(化合物2−B)が生成する。
【0019】2)化合物3−B 化合物2−Bを含む溶液に10℃にてチオフェノ−ル
1.85ml(18ミリモル)を加え、20℃で20分間
撹拌すると3-フェニルチオ-2-ブロモプロピオン酸ベ
ンジルエステル(化合物3−B)が生成する。
1.85ml(18ミリモル)を加え、20℃で20分間
撹拌すると3-フェニルチオ-2-ブロモプロピオン酸ベ
ンジルエステル(化合物3−B)が生成する。
【0020】3)化合物4−B 化合物3−Bを含む溶液にN-ヒドロキシフタルイミド
4.89g(30ミリモル)とトリエチルアミン4.62
ml(33ミリモル)を加え、室温に一夜放置する。反応
液を氷水中 に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。抽出液を
水、炭酸水素ナトリウム水と食塩水で洗い、濃縮する。
残渣をシリカゲルクロマトグラフィ−で精製して、3-
フェニルチオ-2-フタルイミドイルオキシプロピオン酸
ベンジルエステル(化合物4−B) 6. 18gを得る。
収率:出発物質(1−B)からの収率=71.1%。 IR ν (CHCl3) cm-1 : 1790, 1735。 NMR δ (CDCl3) ppm : 3.39〜3.62(m, 2H), 4.76(d
d, J=5.7Hz, J=8.1Hz, 1H), 5.18, 5.15(ABq, J=12.0H
z, 2H), 7.10〜7.48(m, 10H), 7.68〜7.85(m, 4H)。
4.89g(30ミリモル)とトリエチルアミン4.62
ml(33ミリモル)を加え、室温に一夜放置する。反応
液を氷水中 に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。抽出液を
水、炭酸水素ナトリウム水と食塩水で洗い、濃縮する。
残渣をシリカゲルクロマトグラフィ−で精製して、3-
フェニルチオ-2-フタルイミドイルオキシプロピオン酸
ベンジルエステル(化合物4−B) 6. 18gを得る。
収率:出発物質(1−B)からの収率=71.1%。 IR ν (CHCl3) cm-1 : 1790, 1735。 NMR δ (CDCl3) ppm : 3.39〜3.62(m, 2H), 4.76(d
d, J=5.7Hz, J=8.1Hz, 1H), 5.18, 5.15(ABq, J=12.0H
z, 2H), 7.10〜7.48(m, 10H), 7.68〜7.85(m, 4H)。
【0021】3.化合物IV−C(R=t−ブチル、R1=
フェニル、R2=フタロイル)の製造 1)化合物2−C 2,3-ジブロモプロピオン酸t-ブチルエステル(1-C)
43.2g(150ミリモル)をジメチルホルムアミド
400mlに溶かし、これに10℃にてトリエチルアミン
20.9ml(150ミリモル)を加え、−10℃にて2
0分間撹拌すると2-ブロモアクリル酸t-ブチルエステ
ル(化合物2−C)が生成する。2)化合物3−C この化合物2−Cを含む溶液に−60℃でチオフェノ−
ル13.9ml(135ミリモル)のジメチルホルムアミ
ド30ml溶液を加え、同温にて1時間撹拌すると3-フ
ェニルチオ-2-ブロモプロピ オン酸t-ブチルエステル
(化合物3−C)が生成する。
フェニル、R2=フタロイル)の製造 1)化合物2−C 2,3-ジブロモプロピオン酸t-ブチルエステル(1-C)
43.2g(150ミリモル)をジメチルホルムアミド
400mlに溶かし、これに10℃にてトリエチルアミン
20.9ml(150ミリモル)を加え、−10℃にて2
0分間撹拌すると2-ブロモアクリル酸t-ブチルエステ
ル(化合物2−C)が生成する。2)化合物3−C この化合物2−Cを含む溶液に−60℃でチオフェノ−
ル13.9ml(135ミリモル)のジメチルホルムアミ
ド30ml溶液を加え、同温にて1時間撹拌すると3-フ
ェニルチオ-2-ブロモプロピ オン酸t-ブチルエステル
(化合物3−C)が生成する。
【0022】3)化合物4−C 化合物3−Cを含む溶液にN-ヒドロキシフタルイミド
36. 7g(225ミリモル)とトリエチルアミン3
4.5ml(248ミリモル)を加 え、60℃で2時間撹
拌する。反応液を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。
抽出液を水、炭酸水素ナトリウム水と食塩水で洗い、濃
縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ−(n-ヘ
キサン/トルエン(1:1)〜トルエン/酢酸エチ ル
(9:1)混液)で精製して3-フェニルチオ-2-フタ
ルイミドイルオキシプロピオン酸t-ブチルエステル(化
合物4−C)30.0gを得る。収率:出発物質(1−
C)からの収率=50.1%。 NMR δ (CDCl3) ppm : 1.47(s, 9H), 3.35〜3.59
(m, 2H), 4.62(dd, J=5.7Hz, J=8.0Hz, 1H), 7.33〜7.5
0(m, 5H), 7.72〜7.88(m, 4H)。
36. 7g(225ミリモル)とトリエチルアミン3
4.5ml(248ミリモル)を加 え、60℃で2時間撹
拌する。反応液を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。
抽出液を水、炭酸水素ナトリウム水と食塩水で洗い、濃
縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ−(n-ヘ
キサン/トルエン(1:1)〜トルエン/酢酸エチ ル
(9:1)混液)で精製して3-フェニルチオ-2-フタ
ルイミドイルオキシプロピオン酸t-ブチルエステル(化
合物4−C)30.0gを得る。収率:出発物質(1−
C)からの収率=50.1%。 NMR δ (CDCl3) ppm : 1.47(s, 9H), 3.35〜3.59
(m, 2H), 4.62(dd, J=5.7Hz, J=8.0Hz, 1H), 7.33〜7.5
0(m, 5H), 7.72〜7.88(m, 4H)。
【0023】4.化合物IV−D(R=ジフェニルメチ
ル、R1=n−プロピル、R2=フタロイル)の製造 1)化合物2ーD(=化合物2ーA) 2,3-ジブロモプロピオン酸ジフェニルメチルエステル
(1-A)3.98g(10 ミリモル)をジメチルホルムア
ミド40mlに溶かし、これに10℃にてトリエチルアミ
ン1.47ml(10.5ミリモル)を加え、同温にて20
分間撹拌すると2-ブロモアクリル酸ジフェニルメチル
エステル(化合物2ーD)が生成する。
ル、R1=n−プロピル、R2=フタロイル)の製造 1)化合物2ーD(=化合物2ーA) 2,3-ジブロモプロピオン酸ジフェニルメチルエステル
(1-A)3.98g(10 ミリモル)をジメチルホルムア
ミド40mlに溶かし、これに10℃にてトリエチルアミ
ン1.47ml(10.5ミリモル)を加え、同温にて20
分間撹拌すると2-ブロモアクリル酸ジフェニルメチル
エステル(化合物2ーD)が生成する。
【0024】2)化合物3−D(=化合物3−A) 化合物2ーDを含む溶液にn-プロパンチオ−ル0.86
ml(9.5ミリモル)を加え、室温で40分間撹拌する
と3-n-プロピルチオ-2-ブロモプロピオン酸ジフェニ
ルメチルエステル(化合物3−D=化合物3−A)が生成
する。3)化合物4−D 化合物3−Dを含む溶液にN-ヒドロキシサクシンイミ
ド0.86g(7.5ミリモル)とトリエチルアミン1.
12ml(8ミリモル)を加え、室温に一夜放置する。反
応液を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。抽出液を
水、炭酸水素ナトリウム水と食塩水で洗い、濃縮する。
残渣をシリカゲルクロマトグラフィ−で精製すれば、3
-n-プロピルチオ-2-フタルイミドイルオキシプロピオ
ン酸ジフェニルメチルエステル(化合物4−D) 2.64
gを得る。収率:出発物質1−Dからの収率=55.6
%。 IR ν (CHCl3) cm-1 : 1790, 1735。 NMR δ (CDCl3) ppm : 0.93(t, J=7.2Hz, 3H), 4.4
7〜4.64(m,2H), 2.54(t,J=6.9Hz, 2H), 3.13(d, J=6.8H
z, 2H), 4.99(t, J=6.8Hz, 1H), 6.95(s, 1H),7.13〜7.
40(m, 10H), 7.67〜7.79(m, 4H)。
ml(9.5ミリモル)を加え、室温で40分間撹拌する
と3-n-プロピルチオ-2-ブロモプロピオン酸ジフェニ
ルメチルエステル(化合物3−D=化合物3−A)が生成
する。3)化合物4−D 化合物3−Dを含む溶液にN-ヒドロキシサクシンイミ
ド0.86g(7.5ミリモル)とトリエチルアミン1.
12ml(8ミリモル)を加え、室温に一夜放置する。反
応液を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。抽出液を
水、炭酸水素ナトリウム水と食塩水で洗い、濃縮する。
残渣をシリカゲルクロマトグラフィ−で精製すれば、3
-n-プロピルチオ-2-フタルイミドイルオキシプロピオ
ン酸ジフェニルメチルエステル(化合物4−D) 2.64
gを得る。収率:出発物質1−Dからの収率=55.6
%。 IR ν (CHCl3) cm-1 : 1790, 1735。 NMR δ (CDCl3) ppm : 0.93(t, J=7.2Hz, 3H), 4.4
7〜4.64(m,2H), 2.54(t,J=6.9Hz, 2H), 3.13(d, J=6.8H
z, 2H), 4.99(t, J=6.8Hz, 1H), 6.95(s, 1H),7.13〜7.
40(m, 10H), 7.67〜7.79(m, 4H)。
【0025】5.化合物IV−D(R=ジフェニルメチ
ル、R1=フェニル、R2=サクシニル)の製造 1)化合物2−E(=化合物2−A) 2,3-ジブロモプロピオン酸ジフェニルメチルエステル
(1-A)1.99g(5ミ リモル)のジメチルホルムアミ
ド20ml溶液に10℃にてトリエチルアミン0. 74ml
(5.25ミリモル)を加え、20分間撹拌すると2-ブ
ロモアクリル酸ジフェニルメチルエステル(化合物2−
A=化合物2−E) を得る。 2)化合物3−E(=化合物3−A) 化合物2−E含む溶液にチオフェノ−ル0.49ml
(4.75ミリモル)を加え、20℃で20分間撹拌す
ると3-フェニルチオ-2-ブロモプロピオン酸ジフェニ
ルメチルエステル(3−E)を得る。
ル、R1=フェニル、R2=サクシニル)の製造 1)化合物2−E(=化合物2−A) 2,3-ジブロモプロピオン酸ジフェニルメチルエステル
(1-A)1.99g(5ミ リモル)のジメチルホルムアミ
ド20ml溶液に10℃にてトリエチルアミン0. 74ml
(5.25ミリモル)を加え、20分間撹拌すると2-ブ
ロモアクリル酸ジフェニルメチルエステル(化合物2−
A=化合物2−E) を得る。 2)化合物3−E(=化合物3−A) 化合物2−E含む溶液にチオフェノ−ル0.49ml
(4.75ミリモル)を加え、20℃で20分間撹拌す
ると3-フェニルチオ-2-ブロモプロピオン酸ジフェニ
ルメチルエステル(3−E)を得る。
【0026】3)化合物4−E 化合物3−E) を含む溶液にN-ヒドロキシサクシンイ
ミド0.86g(7.5ミリモル)とトリエチルアミン
1. 12ml(8ミリモル)を加え、室温に一夜放置す
る。反応液を氷水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。抽
出液を水、炭酸水素ナトリウム水と食塩水で洗い、乾燥
後、減圧濃縮し、残渣として3-フェニルチオ-2-サク
シンイミドイルオキシプロピオン酸ジフェニルメチルエ
ステル(化合物4−E) 1.81gを得る。収率:出発物
質(化合物1−A) からの収率=78.5%。 IR ν (CHCl3) cm-1 : 1790, 1728。 NMR δ (CDCl3) ppm : 2.24〜2.56(m, 4H), 3.36〜
3.57(m, 2H), 4.84(dd,J= 6 Hz, J=7.8Hz, 1H), 6.88
(s, 1H), 7.15〜7.41(m, 15H)。
ミド0.86g(7.5ミリモル)とトリエチルアミン
1. 12ml(8ミリモル)を加え、室温に一夜放置す
る。反応液を氷水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。抽
出液を水、炭酸水素ナトリウム水と食塩水で洗い、乾燥
後、減圧濃縮し、残渣として3-フェニルチオ-2-サク
シンイミドイルオキシプロピオン酸ジフェニルメチルエ
ステル(化合物4−E) 1.81gを得る。収率:出発物
質(化合物1−A) からの収率=78.5%。 IR ν (CHCl3) cm-1 : 1790, 1728。 NMR δ (CDCl3) ppm : 2.24〜2.56(m, 4H), 3.36〜
3.57(m, 2H), 4.84(dd,J= 6 Hz, J=7.8Hz, 1H), 6.88
(s, 1H), 7.15〜7.41(m, 15H)。
【0027】実施例2 3ースルフィニル−2−アミノ
オキシプロピオン酸誘導体V
オキシプロピオン酸誘導体V
【化10】 1.化合物V−A(R=ジフェニルメチル、R1=フェニル、
R2=フタロイル)の製造 実施例1−1.で調製した3-フェニルチオ-2-フタル
イミドイルオキシプロピオン酸ジフェニルメチルエステ
ル(4−A) 1.64g(3.22ミリモル)のジクロロ
メタン10ml溶液に、氷冷下に80%m-クロロ過安息
香酸694mg(3.22ミリモル)のジクロロメタン8m
l溶液を加え、混合物を15分間撹拌する。反応液を炭
酸水素ナトリウム水と水で洗い、乾燥後、濃縮すれば、
粗3-フェニルスルフィニル-2-フタルイミドイルオキ
シプロピオン酸ジフェニルメチルエステル(5−A)
(スルホキシド基における立体異性体の1:1混合物)
1.66gを得る。収率:98.3%。この混合物は精製
せずに、次工程に付すことができる。 IR ν (CHCl3) cm-1 : 1790, 1735。 NMR δ (CDCl3) ppm : 3.20〜3.63(m, 2H), 5.14(dd,
J=5.8Hz, 7.0Hz, 0.5H),5.45(dd, J=3.1Hz, 9.2Hz, 0.5
H), 6.86(s, 0.5H), 6.95(s, 0.5H), 7.16〜7.85(m, 19
H)。
R2=フタロイル)の製造 実施例1−1.で調製した3-フェニルチオ-2-フタル
イミドイルオキシプロピオン酸ジフェニルメチルエステ
ル(4−A) 1.64g(3.22ミリモル)のジクロロ
メタン10ml溶液に、氷冷下に80%m-クロロ過安息
香酸694mg(3.22ミリモル)のジクロロメタン8m
l溶液を加え、混合物を15分間撹拌する。反応液を炭
酸水素ナトリウム水と水で洗い、乾燥後、濃縮すれば、
粗3-フェニルスルフィニル-2-フタルイミドイルオキ
シプロピオン酸ジフェニルメチルエステル(5−A)
(スルホキシド基における立体異性体の1:1混合物)
1.66gを得る。収率:98.3%。この混合物は精製
せずに、次工程に付すことができる。 IR ν (CHCl3) cm-1 : 1790, 1735。 NMR δ (CDCl3) ppm : 3.20〜3.63(m, 2H), 5.14(dd,
J=5.8Hz, 7.0Hz, 0.5H),5.45(dd, J=3.1Hz, 9.2Hz, 0.5
H), 6.86(s, 0.5H), 6.95(s, 0.5H), 7.16〜7.85(m, 19
H)。
【0028】2.化合物V−B(R=ベンジル、R1=フェ
ニル、R2=フタロイル)の製造 実施例1−2.で調製した3-フェニルチオ-2-フタル
イミドイルオキシプロピオン酸ベンジルエステル(4−
B)6.18g(14.27ミリモル)をジクロロメタン
50mlにとかし、氷冷下 に80%m-クロロ過安息香酸
3.07g(14.27ミリモル)のジクロロメタン60
ml溶液を加え、20分間撹拌する。反応液を炭酸水素ナ
トリウム水と水で洗浄、減圧濃縮すれば、残渣として3
-フェニルスルフィニル-2-フタルイミドイルオキシプ
ロピオン酸ベンジルエステル(5−B) 6.41g(収
率:100%; スルホキシド基における立体異性体の
1:1混合物)を得る。 IR ν (CHCl3) cm-1 : 1790, 1735。 NMR δ (CDCl3) ppm : 3.22〜3.96(m, 2H), 4.97〜5.3
5(m, 3H), 7.16〜7.99(m,14H)。
ニル、R2=フタロイル)の製造 実施例1−2.で調製した3-フェニルチオ-2-フタル
イミドイルオキシプロピオン酸ベンジルエステル(4−
B)6.18g(14.27ミリモル)をジクロロメタン
50mlにとかし、氷冷下 に80%m-クロロ過安息香酸
3.07g(14.27ミリモル)のジクロロメタン60
ml溶液を加え、20分間撹拌する。反応液を炭酸水素ナ
トリウム水と水で洗浄、減圧濃縮すれば、残渣として3
-フェニルスルフィニル-2-フタルイミドイルオキシプ
ロピオン酸ベンジルエステル(5−B) 6.41g(収
率:100%; スルホキシド基における立体異性体の
1:1混合物)を得る。 IR ν (CHCl3) cm-1 : 1790, 1735。 NMR δ (CDCl3) ppm : 3.22〜3.96(m, 2H), 4.97〜5.3
5(m, 3H), 7.16〜7.99(m,14H)。
【0029】3.化合物V−C(R=t−ブチル、R1=フ
ェニル、R2=フタロイル)の製造 実施例1−3.で調製した3-フェニルチオ-2-フタル
イミドイルオキシプロピオン酸t-ブチルエステル(4−
C)30.0g(75.19ミリモル)をジクロロメタン
300mlにとかし、氷冷下に80%m-クロロ過安息香
酸16.22g(75.2ミリモル)を加え、30分間撹
拌する。反応液を炭酸水素ナトリウム水と食塩水で洗
浄、減圧濃縮する。残渣をトルエン/ヘキサン混液から
再結晶すれば、3-フェニルスルフィニル-2-フタルイ
ミドイルオキシプロピオン酸t-ブチルエステル(5−
C) 31.2g(収率:100%、スルホキシド基にお
ける立体異性体の1:1混合物)を得る。 NMR δ (CDCl3) ppm:1.43(s, 4.5H), 1.50(s, 4.5H),
3.18〜3.60(m, 2H),4.49(t, J=5.8Hz, 0.5H), 5.19(dd,
J=8.1Hz, J=2.8Hz, 0.5H), 7.48〜7.93(m,9H)。
ェニル、R2=フタロイル)の製造 実施例1−3.で調製した3-フェニルチオ-2-フタル
イミドイルオキシプロピオン酸t-ブチルエステル(4−
C)30.0g(75.19ミリモル)をジクロロメタン
300mlにとかし、氷冷下に80%m-クロロ過安息香
酸16.22g(75.2ミリモル)を加え、30分間撹
拌する。反応液を炭酸水素ナトリウム水と食塩水で洗
浄、減圧濃縮する。残渣をトルエン/ヘキサン混液から
再結晶すれば、3-フェニルスルフィニル-2-フタルイ
ミドイルオキシプロピオン酸t-ブチルエステル(5−
C) 31.2g(収率:100%、スルホキシド基にお
ける立体異性体の1:1混合物)を得る。 NMR δ (CDCl3) ppm:1.43(s, 4.5H), 1.50(s, 4.5H),
3.18〜3.60(m, 2H),4.49(t, J=5.8Hz, 0.5H), 5.19(dd,
J=8.1Hz, J=2.8Hz, 0.5H), 7.48〜7.93(m,9H)。
【0030】4.化合物V−D(R=ジフェニルメチル、
R1=n-プロピル、R2=フタロイル)の製造 実施例1−4.で調製した3-n-プロピルチオ-2-フタ
ルイミドイルオキシプロピオン酸ジフェニルメチルエス
テル(4−D) 2.60g(5.47ミリモル)をジクロ
ロメタン20mlにとかし、氷冷下に80%m-クロロ過
安息香酸1.18g(5.47ミリモル)のジクロロメタ
ン20ml溶液を加え、20分間撹拌する。反応液を炭酸
水素ナトリウム水と水で洗い、減圧濃縮すれば、結晶性
残渣として3-フェニルスルフィニル-2-フタルイミド
イルオキシプロピオン酸ジフェニルメチルエステルのス
ルホキシド基における立体異性体の1:1混合物(5−
D)2.61g(収率:97.2%)を得る。 IR ν (CHCl3) cm-1 : 1788, 1732。 NMR δ (CDCl3) ppm : 1.02〜1.12(m, 3H), 1.61〜1.9
7(m, 2H), 2.73〜3.94(m, 4H), 5.30〜5.44(m, 1H), 6.
94(s, 1H), 7.20〜7.40(m, 10H), 7.69〜7.82 (m, 4H)。
R1=n-プロピル、R2=フタロイル)の製造 実施例1−4.で調製した3-n-プロピルチオ-2-フタ
ルイミドイルオキシプロピオン酸ジフェニルメチルエス
テル(4−D) 2.60g(5.47ミリモル)をジクロ
ロメタン20mlにとかし、氷冷下に80%m-クロロ過
安息香酸1.18g(5.47ミリモル)のジクロロメタ
ン20ml溶液を加え、20分間撹拌する。反応液を炭酸
水素ナトリウム水と水で洗い、減圧濃縮すれば、結晶性
残渣として3-フェニルスルフィニル-2-フタルイミド
イルオキシプロピオン酸ジフェニルメチルエステルのス
ルホキシド基における立体異性体の1:1混合物(5−
D)2.61g(収率:97.2%)を得る。 IR ν (CHCl3) cm-1 : 1788, 1732。 NMR δ (CDCl3) ppm : 1.02〜1.12(m, 3H), 1.61〜1.9
7(m, 2H), 2.73〜3.94(m, 4H), 5.30〜5.44(m, 1H), 6.
94(s, 1H), 7.20〜7.40(m, 10H), 7.69〜7.82 (m, 4H)。
【0031】5.化合物V−E(R=ジフェニルメチル、R
1=フェニル、R2=サクシニル)の製造 実施例1−5.で調製した3-フェニルチオ-2-サクシ
ンイミドイルオキシプロピオン酸ジフェニルメチル エ
ステル(4−E) 1.75g(3.80ミリモル)のジク
ロロメタン25ml溶液に、氷冷下に80%m-クロロ過
安息香酸820mg(3.80ミリモル)のジクロロメタ
ン10ml溶液を加え、混合物を20分間撹拌する。反応
液を炭酸水素ナトリウム水と水で洗い、乾燥後、減圧濃
縮すれば、粗3-フェニルスルフィニル-2-サ クシンイ
ミドイルオキシプロピオン酸ジフェニルメチルエステル
(5−E)(スルホ キシド基における立体異性体の1:
1混合物)1.81gを得る。収率:99.8%。 IR ν (CHCl3) cm-1 : 1780, 1725。 NMR δ (CDCl3) ppm : 2.24〜2.56(m, 4H), 3.16〜3.6
2(m, 2H), 5.18(t, J=5.7Hz, 0.5H), 5.34(dd, J=3.0H
z, 8.3Hz, 0.5H), 6.80(s, 0.5H), 6.92(s, 0.5H), 7.1
5〜7.70(m, 15H)。
1=フェニル、R2=サクシニル)の製造 実施例1−5.で調製した3-フェニルチオ-2-サクシ
ンイミドイルオキシプロピオン酸ジフェニルメチル エ
ステル(4−E) 1.75g(3.80ミリモル)のジク
ロロメタン25ml溶液に、氷冷下に80%m-クロロ過
安息香酸820mg(3.80ミリモル)のジクロロメタ
ン10ml溶液を加え、混合物を20分間撹拌する。反応
液を炭酸水素ナトリウム水と水で洗い、乾燥後、減圧濃
縮すれば、粗3-フェニルスルフィニル-2-サ クシンイ
ミドイルオキシプロピオン酸ジフェニルメチルエステル
(5−E)(スルホ キシド基における立体異性体の1:
1混合物)1.81gを得る。収率:99.8%。 IR ν (CHCl3) cm-1 : 1780, 1725。 NMR δ (CDCl3) ppm : 2.24〜2.56(m, 4H), 3.16〜3.6
2(m, 2H), 5.18(t, J=5.7Hz, 0.5H), 5.34(dd, J=3.0H
z, 8.3Hz, 0.5H), 6.80(s, 0.5H), 6.92(s, 0.5H), 7.1
5〜7.70(m, 15H)。
【0032】実施例3 化合物VIの製造
【化11】 1.化合物VI−A(R=ジフェニルメチル、R1=フェニ
ル、R2=フタロイル)の製造 実施例2−1.で調製した3-フェニルスルフィニル-2
-フタルイミドイルオキシプロピオン酸ジフェニル メチ
ルエステルのスルホキシド基における立体異性体の1:
1混合物(5−A) 1. 79g(3.41ミリモル)をト
ルエン30mlにとかし、1.5時間加熱還流する。反応
液を減圧濃縮して得られる残渣をエ−テル/ヘキサン混
液から再結晶すれば、2-フタルイミドイルオキシアク
リル酸ジフェニルメチルエステル(6−A) 1.09g
を得る。収率:(4-A) から85.0%。mp175〜17
7℃。 IR ν (CHCl3) cm-1 : 1790, 1735, 1640。 NMR δ (CDCl3) ppm : 5.14(d, J=3.8Hz, 1H), 5.79
(d, J=3.8Hz, 1H), 7.05(s, 1H), 7.15〜7.47(m, 10H),
7.76〜7.94(m, 4H)。 2.化合物VI−B(R=ベンジル、R1=フェニル、R2=フ
タロイル)の製造 実施例2−2.で調製した3-フェニルスルフィニル-2
-フタルイミドイルオキシプロピオン酸ベンジルエステ
ル(5−B)6.41g(14.27ミリモル)をトルエ
ン100mlにとかし、2時間加熱還流する。反応液を減
圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルクロマトグラフィ
−で精製すれば、2-フタルイミドイルオキシアクリル
酸ベンジルエステル(6−B)2.71gを得る。収率:
(4−B)から58.8%。 IR ν (CHCl3) cm-1 : 1793, 1738, 1640。 NMR δ (CDCl3) ppm : 5.09(d, J=3.7Hz, 1H), 5.32
(s, 2H),5.73(d, J=3.7Hz,1H), 7.32〜7.48(m, 5H), 7.
79〜7.95(m, 4H)。
ル、R2=フタロイル)の製造 実施例2−1.で調製した3-フェニルスルフィニル-2
-フタルイミドイルオキシプロピオン酸ジフェニル メチ
ルエステルのスルホキシド基における立体異性体の1:
1混合物(5−A) 1. 79g(3.41ミリモル)をト
ルエン30mlにとかし、1.5時間加熱還流する。反応
液を減圧濃縮して得られる残渣をエ−テル/ヘキサン混
液から再結晶すれば、2-フタルイミドイルオキシアク
リル酸ジフェニルメチルエステル(6−A) 1.09g
を得る。収率:(4-A) から85.0%。mp175〜17
7℃。 IR ν (CHCl3) cm-1 : 1790, 1735, 1640。 NMR δ (CDCl3) ppm : 5.14(d, J=3.8Hz, 1H), 5.79
(d, J=3.8Hz, 1H), 7.05(s, 1H), 7.15〜7.47(m, 10H),
7.76〜7.94(m, 4H)。 2.化合物VI−B(R=ベンジル、R1=フェニル、R2=フ
タロイル)の製造 実施例2−2.で調製した3-フェニルスルフィニル-2
-フタルイミドイルオキシプロピオン酸ベンジルエステ
ル(5−B)6.41g(14.27ミリモル)をトルエ
ン100mlにとかし、2時間加熱還流する。反応液を減
圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルクロマトグラフィ
−で精製すれば、2-フタルイミドイルオキシアクリル
酸ベンジルエステル(6−B)2.71gを得る。収率:
(4−B)から58.8%。 IR ν (CHCl3) cm-1 : 1793, 1738, 1640。 NMR δ (CDCl3) ppm : 5.09(d, J=3.7Hz, 1H), 5.32
(s, 2H),5.73(d, J=3.7Hz,1H), 7.32〜7.48(m, 5H), 7.
79〜7.95(m, 4H)。
【0033】3.化合物VI−C(R=t−ブチル、R1=フ
ェニル、R2=フタロイル)の製造 実施例2−3.で調製した3-フェニルスルフィニル-2
-フタルイミドイルオキシプロピオン酸t-ブチルエステ
ル(5−C) 31.2g(75.18ミリモル)をトルエ
ン500mlにとかし、4時間加熱還流する。反応液を減
圧濃縮して得られる残渣をエ−テル/ヘキサン混液から
再結晶すれば、2-フタルイミドイルオキシアクリル酸
t-ブチルエステル(6−C) 15.86gを得る。収
率:73.0%。 NMR δ (CDCl3) ppm: 1.56(s, 9H), 4.96(d, J=3.4Hz,
1H),5.58(d, J=3.4Hz,1H), 7.78〜7.98(m, 4H)。
ェニル、R2=フタロイル)の製造 実施例2−3.で調製した3-フェニルスルフィニル-2
-フタルイミドイルオキシプロピオン酸t-ブチルエステ
ル(5−C) 31.2g(75.18ミリモル)をトルエ
ン500mlにとかし、4時間加熱還流する。反応液を減
圧濃縮して得られる残渣をエ−テル/ヘキサン混液から
再結晶すれば、2-フタルイミドイルオキシアクリル酸
t-ブチルエステル(6−C) 15.86gを得る。収
率:73.0%。 NMR δ (CDCl3) ppm: 1.56(s, 9H), 4.96(d, J=3.4Hz,
1H),5.58(d, J=3.4Hz,1H), 7.78〜7.98(m, 4H)。
【0034】4.化合物VI−D(R=ジフェニルメチ
ル、R1=n−プロピル、R2=フタロイル)の製造 実施例2−4.で調製した3-n-プロピルスルフィニル
-2-フタルイミドイルオキシプロピオン酸ジフェニルメ
チルエステル(5−D) 2.61g(5.32ミリモル)
をトルエン50mlにとかし、2時間加熱還流する。反応
液を減圧濃縮して得られる残渣をエ−テル/ヘキサン混
液から再結晶すれば、2-フタルイミドイルオキシアク
リル酸ジフェニルメチルエステル(6−A) 1.72gを
得る。収率:81.1%。 IR ν (CHCl3) cm-1 : 1790, 1735, 1640。 NMR δ (CDCl3) ppm : 5.14(d, J=3.8Hz, 1H), 5.79
(d, J=3.8Hz, 1H), 7.05(s, 1H), 7.15〜7.47(m, 10H),
7.76〜7.94(m, 4H)。
ル、R1=n−プロピル、R2=フタロイル)の製造 実施例2−4.で調製した3-n-プロピルスルフィニル
-2-フタルイミドイルオキシプロピオン酸ジフェニルメ
チルエステル(5−D) 2.61g(5.32ミリモル)
をトルエン50mlにとかし、2時間加熱還流する。反応
液を減圧濃縮して得られる残渣をエ−テル/ヘキサン混
液から再結晶すれば、2-フタルイミドイルオキシアク
リル酸ジフェニルメチルエステル(6−A) 1.72gを
得る。収率:81.1%。 IR ν (CHCl3) cm-1 : 1790, 1735, 1640。 NMR δ (CDCl3) ppm : 5.14(d, J=3.8Hz, 1H), 5.79
(d, J=3.8Hz, 1H), 7.05(s, 1H), 7.15〜7.47(m, 10H),
7.76〜7.94(m, 4H)。
【0035】5.化合物VI−E(R=ジフェニルメチ
ル、R1=フェニル、R2=サクシニル)の製造 実施例2−5.で調製した3-フェニルスルフィニル-2
-サクシンイミドイルオキシプロピオン酸ジフェニルメ
チルエステルのスルホキシド基における立体異性体の
1:1混合物(5−E) 1.82g(3.82ミリモル)
をトルエン40mlにとかし、1.5時間加熱還流す る。
反応液を減圧濃縮して得られる残渣をトルエン/ヘキサ
ン混液から再結晶すれば、2-サクシンイミドイルオキ
シアクリル酸ジフェニルメチルエステル(6−E) 0.9
9gを得る。収率:(4-E) から74.2%。mp145〜
146℃。 IR ν (CHCl3) cm-1 : 1784, 1735, 1638。 NMR δ (CDCl3) ppm : 2.79(s, 4H), 5.01(d, J=3.8H
z, 1H), 5.78(d, J=3.8Hz, 1H), 7.01(s, 1H), 7.28〜
7.41(m, 10H)。
ル、R1=フェニル、R2=サクシニル)の製造 実施例2−5.で調製した3-フェニルスルフィニル-2
-サクシンイミドイルオキシプロピオン酸ジフェニルメ
チルエステルのスルホキシド基における立体異性体の
1:1混合物(5−E) 1.82g(3.82ミリモル)
をトルエン40mlにとかし、1.5時間加熱還流す る。
反応液を減圧濃縮して得られる残渣をトルエン/ヘキサ
ン混液から再結晶すれば、2-サクシンイミドイルオキ
シアクリル酸ジフェニルメチルエステル(6−E) 0.9
9gを得る。収率:(4-E) から74.2%。mp145〜
146℃。 IR ν (CHCl3) cm-1 : 1784, 1735, 1638。 NMR δ (CDCl3) ppm : 2.79(s, 4H), 5.01(d, J=3.8H
z, 1H), 5.78(d, J=3.8Hz, 1H), 7.01(s, 1H), 7.28〜
7.41(m, 10H)。
【0036】実施例4 脱保護による2−アミノオキシ
アクリル酸誘導体VIIの製造
アクリル酸誘導体VIIの製造
【化12】 1.化合物VII−A(R=ジフェニルメチル、R2=フタロ
イル)の製造 実施例3−1.で調製した2-フタルイミドイルオキシ
アクリル酸ジフェニルメチルエステル(6−A) 200m
g(0.50ミリモル)をジクロロメタン4mlにとかし、
-10℃でメチルヒドラジン0.027ml(0.51ミリ
モル)を加え、-10℃で20分間撹拌する。生じる沈
殿を濾去した反応液を濃縮すれば、油状残渣として粗製
の2-アミノオキシアクリル酸ジフェニルメチルエステ
ル(7−A)132mgを得る。収率:98.5 %。 IR ν (CHCl3) cm-1 : 3310, 1720, 1632。 NMR δ (CDCl3) ppm : 5.35(d, J=1.7Hz, 1H), 5.53
(d, J=1.7Hz, 1H), 5.81(brs, 2H), 6.98(s, 1H), 7.22
〜7.40(m, 10H)。
イル)の製造 実施例3−1.で調製した2-フタルイミドイルオキシ
アクリル酸ジフェニルメチルエステル(6−A) 200m
g(0.50ミリモル)をジクロロメタン4mlにとかし、
-10℃でメチルヒドラジン0.027ml(0.51ミリ
モル)を加え、-10℃で20分間撹拌する。生じる沈
殿を濾去した反応液を濃縮すれば、油状残渣として粗製
の2-アミノオキシアクリル酸ジフェニルメチルエステ
ル(7−A)132mgを得る。収率:98.5 %。 IR ν (CHCl3) cm-1 : 3310, 1720, 1632。 NMR δ (CDCl3) ppm : 5.35(d, J=1.7Hz, 1H), 5.53
(d, J=1.7Hz, 1H), 5.81(brs, 2H), 6.98(s, 1H), 7.22
〜7.40(m, 10H)。
【0037】2.化合物VII−B(R=ベンジル、R2=フ
タロイル)の製造 実施例3−2.で調製した2-フタルイミドイルオキシ
アクリル酸ベンジルエステル(6−B) 2.00g(6.
19ミリモル)をジクロロメタン40mlにとかし、-1
0℃でメチルヒドラジン 0.33ml(6.19ミリモ
ル)を加え、同温で20分間撹拌する。生じる沈殿を濾
去した反応液を減圧濃縮する。残渣にトルエン/ヘキサ
ン(1:1)混液10mlを加え、生成する結晶を濾去し
た濾液を濃縮すれば、残渣として2-アミノオ キシアク
リル酸ベンジルエステル(7−B)1.19gを得る。収
率:99.5%。 IR ν (CHCl3) cm-1 : 3320, 1720, 1633。 NMR δ (CDCl3) ppm : 5.25(s, 2H), 5.32(d, J=1.7H
z, 1H),5.45(d, J=1.7Hz,1H), 5.60〜5.99(m, 2H), 7.3
3〜7.48(m, 5H)。
タロイル)の製造 実施例3−2.で調製した2-フタルイミドイルオキシ
アクリル酸ベンジルエステル(6−B) 2.00g(6.
19ミリモル)をジクロロメタン40mlにとかし、-1
0℃でメチルヒドラジン 0.33ml(6.19ミリモ
ル)を加え、同温で20分間撹拌する。生じる沈殿を濾
去した反応液を減圧濃縮する。残渣にトルエン/ヘキサ
ン(1:1)混液10mlを加え、生成する結晶を濾去し
た濾液を濃縮すれば、残渣として2-アミノオ キシアク
リル酸ベンジルエステル(7−B)1.19gを得る。収
率:99.5%。 IR ν (CHCl3) cm-1 : 3320, 1720, 1633。 NMR δ (CDCl3) ppm : 5.25(s, 2H), 5.32(d, J=1.7H
z, 1H),5.45(d, J=1.7Hz,1H), 5.60〜5.99(m, 2H), 7.3
3〜7.48(m, 5H)。
【0038】3.化合物VII−C(R=t-ブチル、R2=フ
タロイル)の製造 実施例3−3.で調製した2-フタルイミドイルオキシ
アクリル酸t-ブチルエステル(6−C)16.5g(5
7ミリモル)をジクロロメタン170mlにとかし、-5
5℃でメチルヒドラジン 3.35ml(63ミリモル)を
加えた後、室温に戻し、同温で50分間撹拌する。生じ
る沈殿を濾去した反応液を減圧濃縮する。残渣をトルエ
ン/ヘキサン(1:1)混液10mlにとかし、副成物で
あるフタルヒドラジド誘導体の結晶を濾去した濾液を濃
縮すれば、2-アミノオキシアクリル酸t-ブチルエステ
ル(7−C)9.6gを得る。これを無水メタノ−ル10
0mlに溶解し、2-(2-t-ブトキシカルボニルアミノ-
4-チアゾリル)-グリオキザル酸14.75g(54ミ
リモル)を加え、室温で1時間撹拌する。反応液を減圧
濃縮して得られる泡状残渣をエチルエ−テル/トルエン
混液から再結晶すれば、2-(2-t-ブトキシカルボニ
ルアミノ-4-チアゾリル)-2-(1-t-ブトキシカルボ
ニルビニルオキシイミノ)酢酸(7−C)20.0gを
得る。収率:89.8%。mp. 142〜145℃。 NMR δ (CDCl3+CD3OD) ppm : 1.52(s, 9H), 1.55(s, 9
H), 5.53(d, J=1.8Hz,1H), 5.57(d, J=1.8Hz, 1H), 7.3
7(s, 2H)。
タロイル)の製造 実施例3−3.で調製した2-フタルイミドイルオキシ
アクリル酸t-ブチルエステル(6−C)16.5g(5
7ミリモル)をジクロロメタン170mlにとかし、-5
5℃でメチルヒドラジン 3.35ml(63ミリモル)を
加えた後、室温に戻し、同温で50分間撹拌する。生じ
る沈殿を濾去した反応液を減圧濃縮する。残渣をトルエ
ン/ヘキサン(1:1)混液10mlにとかし、副成物で
あるフタルヒドラジド誘導体の結晶を濾去した濾液を濃
縮すれば、2-アミノオキシアクリル酸t-ブチルエステ
ル(7−C)9.6gを得る。これを無水メタノ−ル10
0mlに溶解し、2-(2-t-ブトキシカルボニルアミノ-
4-チアゾリル)-グリオキザル酸14.75g(54ミ
リモル)を加え、室温で1時間撹拌する。反応液を減圧
濃縮して得られる泡状残渣をエチルエ−テル/トルエン
混液から再結晶すれば、2-(2-t-ブトキシカルボニ
ルアミノ-4-チアゾリル)-2-(1-t-ブトキシカルボ
ニルビニルオキシイミノ)酢酸(7−C)20.0gを
得る。収率:89.8%。mp. 142〜145℃。 NMR δ (CDCl3+CD3OD) ppm : 1.52(s, 9H), 1.55(s, 9
H), 5.53(d, J=1.8Hz,1H), 5.57(d, J=1.8Hz, 1H), 7.3
7(s, 2H)。
【0039】
【効果】上記の実施例1〜3における各生成物(IVお
よびVI)の収率を表2にまとめて示す。
よびVI)の収率を表2にまとめて示す。
【表2】収率(%)(S→Iの収率は略定量的) I→IV IV→VI I→VI A R=BH,R1=フェニル,R2=フタロイル 79.5 85.0 67.57 B R=Bzl,R1=フェニル,R2=フタロイル 71.1 58.8 41.80 C R=t-Bu,R1=フェニル,R2=フタロイル 50.1 73.0 36.57 D R=BH,R1=プロピル,R2=フタロイル 55.6 97.2 54.04 E R=BH,R1=フェニル,R2=サクシニル 78.5 74.2 58.24 表2を前記の表1と比較すると、本発明方法における出
発物質IからVIの収率は最低でも約37%であり、最
高約68%に達し、従来法よりも収率が著しく高いこと
が分かる。従って、本発明によれば、簡便な方法で高収
率に2ーアミノオキシアクリル酸誘導体を製造すること
ができる。
発物質IからVIの収率は最低でも約37%であり、最
高約68%に達し、従来法よりも収率が著しく高いこと
が分かる。従って、本発明によれば、簡便な方法で高収
率に2ーアミノオキシアクリル酸誘導体を製造すること
ができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 239/20 C07C 317/46 C07C 323/52 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (3)
- 【請求項1】 式V: 【化1】 (式中、Rは水素原子またはカルボン酸保護基、R1は
芳香族または脂肪族基、R2は水素原子あるいはアミノ
保護基を表す)で示される3−スルフィニル−2−アミ
ノオキシプロピオン酸誘導体を脱スルフィニル化し、脱
保護することからなる式VII: 【化2】 (式中、Rは水素原子あるいはカルボン酸保護基を表
す)で示される2−アミノオキシアクリル酸誘導体の製
造方法。 - 【請求項2】 式IV: 【化3】 (式中、Rは水素原子あるいはカルボン酸保護基、R1
は芳香族または脂肪族基、R2は水素原子あるいはアミ
ノ保護基を表す)で示される3−スルフェニル−2−ア
ミノオキシプロピオン酸誘導体を酸化して請求項1の3
−スルフィニル−2−アミノオキシプロピオン酸誘導体
Vを得、この3−スルフィニル−2−アミノオキシプロ
ピオン酸誘導体Vを脱スルフィニル化し、脱保護するこ
とにより2−アミノオキシアクリル酸誘導体VIIを製造
する請求項1の方法。 - 【請求項3】 式V: 【化13】 (式中、Rは水素原子、またはペニシリンおよびセファ
ロスポリン化学の分野で分子中の他の部分に不都合な変
化を起こすことなく着脱可能のものとして知られている
炭素数19までの反応用カルボキシ保護基、R1はフェ
ニル、クレゾリル、クロロフェニル、カルボキシフェニ
ル、クロロベンソチアゾリル、ウラシル、グアニル、置
換基を有していてもよい直鎖、分枝、環状または不飽和
の炭素数1〜14までのアルキル基、R2は水素原子、
または芳香族および脂肪族のアシル基から選択されるア
ミノ保護基を表す)で示される3−スルフィニル−2−
アミノオキシプロピオン酸誘導体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3078947A JP2945155B2 (ja) | 1991-04-11 | 1991-04-11 | アクリル酸誘導体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3078947A JP2945155B2 (ja) | 1991-04-11 | 1991-04-11 | アクリル酸誘導体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04312567A JPH04312567A (ja) | 1992-11-04 |
JP2945155B2 true JP2945155B2 (ja) | 1999-09-06 |
Family
ID=13676086
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3078947A Expired - Fee Related JP2945155B2 (ja) | 1991-04-11 | 1991-04-11 | アクリル酸誘導体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2945155B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6810036B2 (ja) | 2015-07-17 | 2021-01-06 | 大日本住友製薬株式会社 | 2−アセチル−4H,9H−ナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製造方法 |
-
1991
- 1991-04-11 JP JP3078947A patent/JP2945155B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04312567A (ja) | 1992-11-04 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |