JPH075563B2 - ジスルフイド誘導体およびその製造方法 - Google Patents

ジスルフイド誘導体およびその製造方法

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JPH075563B2
JPH075563B2 JP3103349A JP10334991A JPH075563B2 JP H075563 B2 JPH075563 B2 JP H075563B2 JP 3103349 A JP3103349 A JP 3103349A JP 10334991 A JP10334991 A JP 10334991A JP H075563 B2 JPH075563 B2 JP H075563B2
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聖 玉井
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  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は新規なジスルフイド誘導体に関
し、より詳細には下式(I):
【0002】
【化6】
【0003】式中、X〜は塩形成性陰イオンを表わす、
で示される6,7−ジヒドロ−5H−ピラゾロ[1,2
−a][1,2,4]トリアゾリウム−6−イル−ジス
ルフイドおよびその製造方法に関する。
【0004】本発明で提供される前記式(I)で示され
るジスルフイドはその硫黄−硫黄結合を還元的に開裂す
ることにより下式(III):
【0005】
【化7】
【0006】式中、X〜は前記定義のとおりである、で
示されるメルカプト化合物である6,7−ジヒドロ−6
−メルカプト−5H−ピラゾロ[1,2−a][1,
2,4]トリアゾリウムへ誘導することができる。
【0007】これまでに種々の置換メルカプト側鎖を有
する化合物が医薬、農薬の分野で提案されている。例え
ば、抗生物質の分野においてはセフアロスポリン骨格の
3位に各種ヘテロチオ−メチル基を導入したセフエム系
化合物が提案されており、またカルバペネム骨格の2位
に置換−チオ基を導入したカルバペネム系化合物も数多
く提案されて来ている。本発明者らもこれまでにカルバ
ペネム系抗生物質の検索を行なつて来ており、そのなか
で次式:
【0008】
【化8】
【0009】で示される(1R,5S,6S)−2−
[(6,7−ジヒドロ−5H−ピラゾロ[1,2−a]
[1,2,4]トリアゾリウム−6−イル−)]チオ−
6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−
カルバペネム−3−カルボキシレートが広範囲にわたる
強力な抗菌活性を有するとともに、化学的、物理的安定
性も良く、生体内における腎ジヒドロペプチダーゼに対
しても安定であり、臨床上優れた医薬品となることを見
い出している(特開昭64−25779号公報)。前記
式(IV)で示されるカルバペネム化合物は3位に次式:
【0010】
【化9】
【0011】で示される6,7−ジヒドロ−5H−ピラ
ゾロ[1,2−a][1,2,4]トリアゾリウム−6
−イル−チオ基を有する化合物として特異的なものであ
る。
【0012】本発明者らは、前記式(IV)で示される特
異的カルバペネム化合物の合成に際し、重要なメルカプ
ト化合物である前記式(III)で示される化合物の合成
法を検討して来たが、今回式(I)で示されるジスルフ
イドを用い、その硫黄−硫黄結合を還元的に開裂すれば
目的とする式(III)のメルカプト化合物へ誘導できる
ことを見出し本発明を完成させるに至つた。
【0013】したがつて、本発明はその一態様において
メルカプト化合物(III)の合成に必要なジスルフイド
を提供するものであり、具体的には下式(I):
【0014】
【化10】
【0015】式中、X〜は前記定義のとおりである、で
示される6,7−ジヒドロ−5H−ピラゾロ[1,2−
a][1,2,4]トリアゾリウム−6−イル−ジスル
フイドを提供する。
【0016】また本発明は別の態様において前記式
(I)のジスルフイドの製造方法を提供するものであ
り、具体的には、下式(II)
【0017】
【化11】
【0018】で示されるピラゾリジン−4−イル−ジス
ルフイド、またはその酸付加塩を、次式;
【0019】
【化12】R1OCH=NH式中、Rは低級アルキル基を表
わす、で示されるホルムイミド酸エステル誘導体と反応
させることによる式(I)のジスルフイドの製造方法を
提供し、更には前記式(II)で示されるピラゾリジン−
4−イル−ジスルフイドをも提供するものである。
【0020】本発明で提供するジスルフイド(I)はこ
れまで文献未記載の新規化合物であり、またその製造方
法もなんら知られていない特異的なものである。
【0021】以下、本発明について詳細に説明する。
【0022】本明細書において使用する置換基の定義
中、「低級」なる語は、この語が付された基又は化合物
の炭素原子数が1〜7個、好ましくは1〜4個であるこ
とを意味する。
【0023】[低級アルキル基」は直鎖状または分岐鎖
状のいずれであつてもよく、好ましくは1〜6個の炭素
原子を有することができ、例えばメチル、エチル、n−
プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、se
c−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチ
ル、n−ヘキシル、イソヘキシル基等が包含される。
「アミノ保護基」は、ペプチド化学の分野においてアミ
ノ基の保護基としてそれ自体既知の任意の保護基である
ことができ、例えば、芳香族アシル基:例えば、フタ
ロイル;ベンゾイル、またはクロロベンゾイル、p−ニ
トロベンゾイル、p−tert−ブチルベンゾイル、トルオ
イルなどのハロゲン、ニトロもしくは低級アルキルで置
換されたベンゾイル;ナフトイル;フエニルアセチル;
フエノキシアセチル;ベンゼンスルホニル、p−tert−
ブチルベンゼンスルホニル、トルエンスルホニルなどの
低級アルキル置換ベンゼンスルホニル等、脂肪族また
はハロゲン化脂肪族カルボン酸アシル基:例えば、カン
フアスルホニル、メタンスルホニル、ホルミル、アセチ
ル、バレリル、カプリリル、n−デカノイル、アクリロ
イル、ピバロイル、ハロゲノアセチル(例、モノクロロ
アセチル、モノブロモアセチル、ジクロロアセチル、ト
リクロロアセチル)等、エステル化されたカルボキシ
基:例えば、エトキシカルボニル、tert−ブチルオキシ
カルボニル、アリルオキシカルボニル、イソボルニルオ
キシカルボニル、フエニルオキシカルボニル、トリクロ
ロエトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、p
−ニトロベンジルオキシカルボニル等、カルバモイル
またはチオカルバモイル基:例えば、メチルカルバモイ
ル、フエニルカルバモイル、ナフチルカルバモイル等も
しくはこれらに対応するチオカルバモイル基等が挙げら
れる。
【0024】また、「酸残基」は、広義にプロトン供与
性分子から水素原子を除いた残りの原子団を意味し、そ
の代表例としては有機酸残基、例えば酢酸、プロピオン
酸、酪酸、トリフルオロ酢酸等の低級脂肪酸;安息香
酸、p−ニトロ安息香酸等の置換または未置換の安息香
酸;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸
等の(ハロ)低級アルキルスルホン酸;ベンゼンスルホ
ン酸、p−ニトロベンゼンスルホン酸、p−ブロモベン
ゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、2,4,6−ト
リイソプロピルベンゼンスルホン酸等の置換または未置
換のアリールスルホン酸;ジフエニルリン酸等の有機リ
ン酸から水素原子を除いた残りの原子団:無機酸残基、
例えば亜硝酸、硝酸、硫酸または塩酸、臭化水素酸、あ
るいはヨウ化水素酸、過塩素酸、ホウフツ化水素酸等の
ハロゲン化水素酸から水素原子を除いた残りの原子団を
例示することができる。
【0025】さらに「塩形成性陰イオン」とは、四級ア
ンモニウムの陽イオンに対応する陰イオンをいい、具体
的にはヒドロキシアニオン;メトキシアニオン、エトキ
シアニオン等のアルコキシアニオン;クロルアニオン、
ブロモアニオン、ヨードアニオン、フツ素アニオン等の
ハロゲンアニオン;または次で述べる「酸アニオン」等
を挙げることができる。なお「酸アニオン」としては広
義にプロトン供与性分子から水素原子を除いた残りの原
子団を意味し、その代表例としては有機酸残基、例えば
酢酸、プロピオン酸、酪酸、トリフルオロ酢酸、トリク
ロロ酢酸等の低級脂肪酸;安息香酸、p−ニトロ安息香
酸等の置換または未置換の安息香酸;メタンスルホン
酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の(ハロ)低級ア
ルキルスルホン酸;ベンゼンスルホン酸、p−ニトロベ
ンゼンスルホン酸、p−ブロモベンゼンスルホン酸、ト
ルエンスルホン酸、2,4,6−トリイソプロピルベン
ゼンスルホン酸等の置換または未置換のアリールスルホ
ン酸;ジフエニルリン酸等の有機リン酸から水素原子を
除いた残りの原子団:無機酸残基、例えば亜硝酸、硝
酸、硫酸または過塩素酸、ホウフツ化水素酸等のハロゲ
ン化水素酸から水素原子を除いた残りの原子団を例示す
ることができる。
【0026】前記した如く、本発明により提供される式
(I)で示されるジスルフイド化合物は、例えば、下式
(II);
【0027】
【化13】
【0028】で示される化合物、またはその酸付加塩
を、次式;
【0029】
【化14】R1OCH=NH 式中、Rは低級アルキル基を表わす、で示されるホル
ムイミド酸エステル誘導体と反応させることによつて製
造することができる。
【0030】反応は、不活性溶媒、例えば水、アルコー
ル、テトラヒドロフラン、あるいはアセトン等から選択
される任意の溶媒中で行なうことができる。特に、式
(II)で示される化合物および/またはホルムイミド酸
エステル誘導体が酸付加塩となつている場合は、反応溶
媒としては水あるいは水−テトラヒドロフランの混合溶
媒が好ましく用いられる。
【0031】使用されるホルムイミド酸エステル誘導体
としては、ホルムイミド酸エチル、ホルムイミド酸メチ
ルあるいはホルムイミド酸ベンジルまたはこれらの塩酸
塩、硫酸塩等の酸付加塩を例示することができる。これ
らホルムイミド酸エステル誘導体の使用量は、式(II)
で示される化合物1モルに対して約4モルないし約20
モルであることができ、好ましくは約6モルないし約1
2モルであることができる。
【0032】反応温度は使用する式(II)の化合物およ
びホルムイミド酸エステルの種類によつて異なり、厳密
に制限されるものではないが、一般的には約−78℃な
いしほぼ室温程度、好ましくは約−20℃ないし約10
℃の比較的低温であり、反応は約5分ないし約1時間で
終わらせることができる。
【0033】なお、式(I)で示されるジスルフイドの
製造に際し使用する式(II)で示される化合物および/
またはホルムイミド酸エステルが酸付加塩である場合に
は反応溶液を予めpHが約6.0ないし約8.0、好ましく
は約6.5ないし約7.5の中性付近に調整することが好
ましく、かかるpH調整のためには例えば炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基を添加
することにより行なうことができる。
【0034】以上の反応によつて、式(I)で示される
ジスルフイド化合物を得ることができるが、反応溶液
に、例えばメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン
酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸
等の有機酸、あるいは塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素
酸、過塩素酸、亜硝酸、ホウフツ化水素酸等の無機酸を
添加することによつて、所望の四級アンモニウム塩へ変
換することができる。
【0035】以上の方法によつて得られる式(I)で示
されるジスルフイド化合物は、それ自体公知の方法、例
えば濃縮、液性変換、クロマトグラフイー等で処理する
ことによつて単離・精製することができる。
【0036】かくして得られる本発明の式(I)のジス
ルフイド化合物の具体例を示せば、以下のとおりであ
る。
【0037】6,7−ジヒドロ−5H−ピラゾロ[1,
2−a][1,2,4]トリアゾリウム−6−イル−ジ
スルフイドの2塩化物、2トリフルオロアセテート、2
メタンスルホネート、2p−トルエンスルホネート、2
臭化物、2ヨウ化物など。
【0038】一方、上記反応で出発原料として用いられ
る式(II)の化合物は、下記反応式(A)で示される方
法によつて合成することができる。
【0039】
【化15】
【0040】式中、Yは酸残基を表わし、RおよびR
はそれぞれ独立に水素原子、又はアミノ保護基(但
し、RとRが同時に水素原子となることはない)を
表わす。
【0041】以下に、上記反応式(A)に従つて、式
(II)で示される化合物の製造方法について説明する。
【0042】工程(a)は、式(V)で示される4−メ
ルカプトピラゾリジン誘導体を酸化して、式(VII)で
示されるピラゾリジン−4−イル−ジスルフイド誘導体
を製造する工程である。
【0043】反応は、クロロホルム、ジクロルメタン等
の不活性有機溶媒中で、適当な酸化剤、例えば過酸化水
素、過酸、塩化第二銅、臭素、ヨウ素、ハロサクシンイ
ミド、空気酸化(塩基存在下)等を用いるそれ自体公知
のチオールの酸化反応によつて行なうことができ、特に
好ましい方法としては、ヨウ素酸化、鉄を触媒として用
いる空気酸化等を例示することがでる(具体的には、後
記実施例8及び9参照)。
【0044】工程(b)は、式(VI)で示される4−置
換ピラゾリジン誘導体にイオウ化合物を反応させて式
(VII)の化合物を製造する工程である。
【0045】式(VI)で示される化合物の酸残基Yは前
記定義で揚げたものの中から任意に選択することができ
るが、好ましくは、塩素、臭素等のハロゲン原子;メタ
ンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ、トリ
フルオロメタンスルホニルオキシ等のスルホン酸残基が
例示できる。
【0046】これらの式(VI)で示される化合物に、イ
オウ化合物、例えばイオウ、硫化水素、硫化ナトリウム
等を反応させることによつて式(VII)の化合物を得る
ことができる。
【0047】工程(c)は、上記工程(a)又は工程
(b)で得られる式(VII)で示される化合物のアミノ
保護基を脱離させて式(II)で示される化合物を製造す
る工程である。
【0048】保護基の脱離反応は、それ自体既知のアミ
ノ保護基の脱保護基反応によつて行なうことができる。
具体的には、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウム
アルミニウム等の水素化金属化合物を用いる還元反応、
酸化白金、パラジウム−活性炭等を触媒として用いる接
触水素添加、または酸性条件下で行なう加溶媒分解等を
例示することができる。
【0049】なお、本工程によつて得られる式(II)で
示される化合物は、必要に応じ常法に従つて酸で処理す
ることによつて、2酸付加塩、または4酸付加塩とする
こともできる。
【0050】かくして得られる式(II)で示される化合
物の具体例を示せば、以下のとおりである。
【0051】1,2−ピラゾリジン−4−イル−ジスル
フイド、またはその2あるいは4塩酸塩、2あるいは4
臭化水素酸塩、2あるいは4ヨウ化水素酸塩、2あるい
は4過塩素酸塩、2あるいは4トリフルオロ酢酸塩、2
あるいは4トリフルオロメタンスルホン酸塩、2あるい
は4トルエンスルホン酸塩、2あるいは4メタンスルホ
ン酸塩など。
【0052】なお、反応式(A)において出発原料とし
て用いられる式(V)、および(VI)で示される化合物
は、例えば特開平2−67268号公報、および特開平
2−67269号公報に記載された方法に従つて合成す
ることができる。
【0053】かくして得られる式(I)で示される化合
物は、例えば後記参考例に示す方法に従つて還元するこ
とにより、下式(III);
【0054】
【化16】
【0055】式中、X〜は前記定義のとおりである、で
示されるチオール化合物に誘導することができる。この
化合物は前記した如く、カルバペネム系抗生物質を始め
とし生理活性を修飾する目的で種々の化合物の置換基と
して導入することができ、その工業上の有用性は多大な
ものである。
【0056】以下、実施例によつて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの記載によつて何ら限
定されないことはいうまでもない。
【0057】なお、以下の記載中略号で示すものは、そ
れぞれ次の意味を表わす。
【0058】Ac: アセチル z: ベンジルオキシカルボニル
【0059】
【実施例】実施例1:1−ホルミル−2−アセトンヒド
ラゾン(3)
【0060】
【化17】
【0061】抱水ヒドラジン(1)377g(7.54
モル)のエタノール760ml溶液に、氷冷下ギ酸エチル
726ml(9.0モル)を1時間かけて滴下する。氷冷
下30分間撹拌し、さらに室温で14時間撹拌した後、
反応液をアセトン1011ml(15.0モル)に30分
間かけて加え、さらに30分間撹拌する。反応終了後、
反応液を濃縮乾固して、目的化合物(3)を白色固体と
して721g(収率96%)得た。
【0062】1H-NMR(CDCl3)δ; 1.92(3H,s)、 2.00(3H,
s)、8.65(1H,d,J=9.9Hz) 実施例2:1−アリル−1−ホルミル−2−アセトンヒ
ドラゾン(4)
【0063】
【化18】
【0064】化合物(3)20gの酢酸エチル60ml溶
液に、臭化アリル26ml及び炭酸カリウム69gを加え
て室温にて10分間撹拌、続いて80℃で5時間撹拌す
る。反応液を室温まで放冷し、不溶物を濾去した後、溶
媒を減圧下留去する。得られる残渣を減圧下蒸留(約6
0℃/4mmHg)に付いて、目的化合物(4)を無色油状
物として21.0g(収率75%)得た。
【0065】1H-NMR(CDCl3)δ; 1.86(3H,s)、 2.13(3H,
s)、4.08-4.24(2H,m)、 5.17-5.37(2H,m)、5.66-5.91(1
H,m)、 7.93-8.07(1H,m) 実施例3:1−アリル−1,2−ジホルミルヒドラジン
(5)
【0066】
【化19】
【0067】化合物(4)21gをギ酸42mlに溶解
し、80℃にて6時間撹拌する。反応液を室温まで放冷
した後、溶媒を減圧下留去して、目的化合物(5)を淡
黄赤色油状物として23g得た。
【0068】1H-NMR(CDCl3)δ; 1.79(1H,brs)、4.1-4.3
(2H,m)、 5.2-5.5(2H,m)、 5.6-6.0(1H,m)7.9-8.4(3H,m) 実施例4:1−(2,3−ジブロモプロピル)−1,2
−ジルミルヒドラジン(6)
【0069】
【化20】
【0070】化合物(5)5.63gのジクロロメタン
30ml溶液に臭化リチウム・1水和物4.54gのメタ
ノール10ml溶液を加える。氷冷下、この溶液に臭素
7.28gのジクロロメタン10ml溶液を加えた後、同
温度にて10分間撹拌する。反応液に炭酸水素ナトリウ
ム14.5g及び水10mlを加えた後、飽和亜硫酸ナト
リウム水溶液10mlを加えて有機層を分離する。水層か
ら不溶物を濾去した後、酢酸エチル20mlで3回抽出
し、得られた有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで
乾燥し、溶媒を減圧下留去して、油状の目的化合物
(6)を11.3g得た。
【0071】1H-NMR(CDCl3)δ; 3.60〜4.50(5H,m)、 8.1
0〜8.30(2H,m) 実施例5:1−ホルミル−4−ブロモピラゾリジン
(7)
【0072】
【化21】
【0073】化合物(6)13gの酢酸エチル65ml溶
液に炭酸カリウム9.94gを加えて、40℃にて6時
間撹拌する。不溶物を濾去した後、溶媒を減圧下留去し
て得られる残渣を酢酸エチル3.5mlに溶解する。この
溶液に、撹拌下、イソプロピルエーテル7mlを10分間
かけて滴下し、更に室温にて1時間撹拌し、析出した結
晶を濾取し真空乾燥して、目的化合物(7)を6.86
g(85%)得る。
【0074】1H-NMR(CDCl3)δ; 1.68(1H,brs)、3.8〜4.
6(5H,m)、 8.50(1H,s) 実施例6:4−アセチルチオ−1−ホルミルピラゾリジ
ン(8)
【0075】
【化22】
【0076】化合物(7)1gの酢酸エチル4ml溶液に
チオ酢酸カリウム0.8gを加えて、40℃で6時間撹
拌する。反応終了後、不溶物を濾去して得られた反応液
の溶媒を減圧下留去する。得られた残渣をカラムクロマ
トグラフイーに付して目的化合物(8)を淡黄色油状物
として0.98g得た。
【0077】1H-NMR(CDCl3)δ; 1.61(1H,brs)、2.37(3
H,s)、 3.4-4.2(5H,m)、 8.42(1H,s) 実施例7:1−ホルミル−4−メルカプト−1,2−ピ
ラゾリジン(9)
【0078】
【化23】
【0079】化合物(8)3.5gの塩化メチレン−メ
タノール(4:1)15ml混合溶液に、氷冷下2規定水
酸化カリウム−メタノール溶液10mlを加え、同温度で
5分間撹拌する。反応終了後、反応液にギ酸0.38ml
を加えた後、溶媒を減圧下留去する。得られた残渣をカ
ラムクロマトグラフイーに付して標記化合物(9)を淡
黄色油状物として2.4g(収率90%)得た。
【0080】1H-NMR(CDCl3)δ; 1.83(1H,d,J=5.3Hz)、
2.8-3.0(2H,m)、 3.2-3.4(2H,m)、 3.9-4.1(1H,m)、 8.45
(1H,s) 実施例8:ジ−(1−ホルミル−1,2−ピラゾリジン
−4−イル)ジスルフイド(10)
【0081】
【化24】
【0082】化合物(9)2.4gを、ギ酸0.72mlと
2規定水酸化カリウム−メタノール溶液10mlの混合溶
液に溶解し、無水塩化第2鉄32mgのメタノール5ml溶
液を加える。この溶液に空気を通気しながら2時間撹拌
した後、不溶物を濾去する。溶媒を減圧下留去して得ら
れた残渣をジクロロメタンに溶解し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去して、目的化合物
(10)を無色油状物として2.4g(収率90%)得
た。
【0083】1H-NMR(CDCl3)δ; 4.0-4.3(2H,m)、 5.2-5.
5(2H,m)、 5.6-5.9(1H,m)、 8.0-8.3(2H,m) 実施例9:化合物(10)のワンポツト合成例
【0084】
【化25】
【0085】化合物(8)348mgのメタノール1.5m
l溶液に、氷冷下、2規定水酸化カリウム−メタノール
溶液1mlを5分間かけて滴下する。反応液にギ酸38μ
lを加え、次いで、無水塩化鉄3.2mgのメタノール0.
5ml溶液を加えた後、室温に戻し、2時間、空気を通気
する。溶媒を減圧下留去して得られた残渣をジクロロメ
タンに溶解し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶
媒を減圧下留去して、目的化合物(10)を無色油状物
として236mg(収率90%)得た。
【0086】本品のNMRスペクトルは、実施例8で得
られたものと完全に一致した。
【0087】実施例10:ピラゾリジン−4−イル−ジ
スルフイド・2塩酸塩(11)
【0088】
【化26】
【0089】化合物(10)7.25gを濃塩酸11.4
ml、メタノール103mlの混液に溶解し、室温で6時間
撹拌する。
【0090】反応終了後、析出する固体を集め真空下乾
燥して標記化合物(11)を白色固体として5.08g
(収率85%)得た。
【0091】NMR(D2O)δ; 3.39(4H,dd,J=3.8, 13,0)、
3.59(4H,dd,J=6.76, 13.0)、 3.94-4.02(2H,m) 実施例11:6,7−ジヒドロ−5H−ピラゾロ[1,2
−a][1,2,4]トリアゾリウム−6−イル−ジスル
フイド・二塩化物(12)
【0092】
【化27】
【0093】化合物(11)200gを水5000mlに
溶解し、得られた溶液に炭酸水素カリウム144gを加
えて15分間撹拌する。この溶液を0°〜5℃に冷却し
た後、ホルムギ酸エチル塩酸塩790gを加えて同温度
にて撹拌する。反応終了後、6規定−塩酸水溶液を用い
て反応液をpH3に調整した後、溶媒を減圧下留去す
る。得られた残渣を加温度(40℃)したメタノール
1,000mlに溶解して、析出する固体を濾去した後、
溶媒を減圧下留去する。上記操作をさらに2回繰返して
得られた残渣に、メタノール280mlとエタノール1,
120mlの混合溶液を加えて30分間撹拌する。この溶
液にアセトン1,700mlを滴下して析出する固体を濾
取し、真空下乾燥して、目的化合物(12)を結晶とし
て258g(収率84%)得た。
【0094】1H-NMR(D2O)δ; 4.8〜5.00(4H,m)、 5.00〜
5.16(6H,m)、 9.05(4H,s) 実施例12:1,2−ジベンジルオキシカルボニルピラ
ゾリジン−4−イル−ジスルフイド(14)
【0095】
【化28】
【0096】1,2−ジベンジルオキシカルボニルピラ
ゾリジン−4−イル−チオール(13)1.14gの塩
化メチレン溶液20mlにトリエチルアミン0.56ml、
およびヨウ素508mgを加え、室温にて10分間撹拌す
る。反応液をチオ硫酸ナトリウム水溶液、および飽和食
塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を
減圧下留去する。得られた残渣をカラムクロマトグラフ
イーに付して、目的化合物(14)を淡黄色固体として
939mg(収率85.2%)得た。
【0097】1H-NMR(CDCl3)δ;3.25(m,2H)、 3.40(m,2
H)、 3.70(m,2H)、 4.10(m,4H)、 5.16(s,8H)、 7.30(s,20
H) 実施例13:ピラゾリジン−4−イル−ジスルフイド・
4臭化水素酸塩(15)
【0098】
【化29】
【0099】化合物(14)742mgを臭化水素の2
5%酢酸溶液3.1gに溶解し、室温下4時間撹拌す
る。反応終了後、反応液に酢酸エチル10mlを加えて析
出する固体を濾取し、これを酢酸エチル10mlで洗浄す
る。次いで、この固体をメタノールに溶解した後溶媒を
減圧下留去し、目的化合物(15)をかつ色固体として
420mg(収率79%)得た。
【0100】1H-NMR(D2O)δ; 3.50(4H,m)、 3.53-3.85(6
H,m) 実施例14:6,7−ジヒドロ−5H−ピラゾロ[1,
2−a][1,2,4]トリアゾリウム−6−イル−ジ
スルフイド・2トリフルオロ酢酸塩(17)
【0101】
【化30】
【0102】化合物(15)568mgを水30mlに溶
解し、氷冷下炭酸水素カリウム858.2mgを徐々に加
え、水溶液のpHを7.10に調整する。次いでホルムイ
ミド酸エチル塩酸塩2.112gを加えて同条件下にて
10分間撹拌する。反応終了後1N−塩酸にて水溶液の
pHを5.5に調整し、次いで反応液を酢酸エチル50ml
にて洗浄する。水層を減圧下濃縮乾固し、メタノール3
0mlを加えて析出物を濾去する。メタノールを減圧留去
して得られる残渣をSP−207カラムクロマト(SP
−207、100ml、水)にて精製し、化合物(12)
を得る。得られた化合物(12)を凍結乾燥し、メタノ
ール10ml、トリフルオロ酢酸1mlを加え、反応終了後
溶媒を減圧留去し化合物(17)を白色結晶として31
7.2mg(58.3%)得た。
【0103】1H-NMR(D2O)δ; 4.80-5.00(4H,m)、 5.00-
5.16(6H,m)、9.05(4H,s) 参考例:6,7−ジヒドロ−5H−ピラゾロ[1,2−
a][1,2,4]トリアゾリウム−6−イル−チオー
ル・トリフルオロ酢酸塩(18)
【0104】
【化31】
【0105】化合物(17)112mgの水−テトラヒ
ドロフラン(1:1)混合溶液6mlに、氷冷下n−トリ
ブチルリン0.082mlを加えて、同温にて1時間撹拌
する。反応終了後、反応液に水10mlを加えて、塩化メ
チレン、および酢酸エチルで水層を順次洗浄する。得ら
れた水層を凍結乾燥して標記化合物(18)を白色固体
として102.2mg(収率90.9%)得た。
【0106】1H-NMR(D2O)δ; 4.50-4.70(2H,m)、5.0
0−5.20(3H,m)、 9.00(2H,s)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下式(I); 【化1】 式中、X〜は塩形成性陰イオンを表わす、で示される
    6,7−ジヒドロ−5H−ピラゾロ[1,2−a]
    [1,2,4]トリアゾリウム−6−イル−ジスルフイ
    ド。
  2. 【請求項2】 下式(II); 【化2】 で示されるピラゾリジン−4−イル−ジスルフイド、ま
    たはその酸付加塩。
  3. 【請求項3】 下式(II); 【化3】 で示されるピラゾリジン−4−イル−ジスルフイド、ま
    たはその酸付加塩を、次式; 【化4】R1OCH=NH 式中、Rは低級アルキル基を表わす、で示されるホル
    ムイミド酸エステル誘導体と反応させることを特徴とす
    る下式(I); 【化5】 式中、X〜は塩形成性陰イオンを表わす、で示される
    6,7−ジヒドロ−5H−ピラゾロ[1,2−a]
    [1,2,4]トリアゾリウム−6−イル−ジスルフイ
    ドの製造方法。
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