JP2929259B2 - コントローラ - Google Patents

コントローラ

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JP2929259B2
JP2929259B2 JP5347221A JP34722193A JP2929259B2 JP 2929259 B2 JP2929259 B2 JP 2929259B2 JP 5347221 A JP5347221 A JP 5347221A JP 34722193 A JP34722193 A JP 34722193A JP 2929259 B2 JP2929259 B2 JP 2929259B2
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    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B13/00Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion
    • G05B13/02Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion electric
    • G05B13/04Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion electric involving the use of models or simulators
    • G05B13/042Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion electric involving the use of models or simulators in which a parameter or coefficient is automatically adjusted to optimise the performance

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はIMC(Internal Model
Control)構造の制御アルゴリズムを用いたコントロー
ラに関し、特に内部モデルの設定が不適当なときに内部
モデルのゲインを自動的に修正して良好な制御を行うこ
とができるコントローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より制御対象プロセスを数式表現し
た内部モデルを組み込んで制御を行うIMC構造の制御
アルゴリズムを用いたコントローラが提案されており、
このIMCコントローラを用いれば制御対象プロセス
(例えばこのコントローラが室内空調機であれば室内環
境に相当する)に大きなむだ時間(空調機から温風が出
てから室内温度が上昇するまでの時間)が存在しても対
応が可能という優れた利点がある。
【0003】図36は従来のIMCコントローラを用い
た制御系のブロック線図である。33は目標値(室内温
度設定値)から後述するフィードバック量を減算する第
1の減算処理部、32は第1の減算処理部33の出力の
変化が急激に伝わらないようにするためのフィルタ部、
34はフィルタ部32の出力に基づいてこのコントロー
ラの出力である操作量(室内空調機から出る温風又は冷
風の温度)を演算する操作部、36は制御対象プロセス
を数式で近似したものであって制御結果である制御量
(室内温度)に相当する参照制御量を出力する内部モデ
ル、38は制御量から内部モデル36からの参照制御量
を減算してフィードバック量を出力する第2の減算処理
部、40は制御対象プロセスである。
【0004】また、F、Gc、Gm、Gpはそれぞれフ
ィルタ部32、操作部34、内部モデル36、制御対象
プロセス40の伝達関数、rは目標値、uは操作量、d
は例えば室内環境に対する室外環境等に相当する外乱、
yは制御量、ymは参照制御量、eはフィードバック量
である。
【0005】次に、このようなIMCコントローラの動
作を説明する。まず、第1の減算処理部33にて目標値
rからフィードバック量eが減算され、この結果がフィ
ルタ部32に出力される。次いで、操作部34にてフィ
ルタ部32の出力から操作量uが演算され、制御対象プ
ロセス40及びコントローラの内部モデル36へ出力さ
れる。そして、第2の減算処理部38にて制御対象プロ
セス40の制御量yから制御対象プロセス40の近似的
な動作をする内部モデル36からの参照制御量ymが減
算され、この結果がフィードバック量eとして第1の減
算処理部33へフィードバックされるフィードバック制
御系が構成されている。
【0006】このようなIMCコントローラの内部モデ
ル36は、制御対象プロセス40と全く同一になるよう
に数式表現されるのが理想的であり、また操作部34
は、内部モデル36の伝達関数の逆特性(1/Gm)に
なるのが理想的であるが、内部モデル36のむだ時間の
要素については逆数化は不可能なので、通常はむだ時間
の要素は無視する。よって、制御量yは、このような構
成により目標値r、外乱dから次式にて求めることがで
きる。 y=F×Gp×Gc×r/{1+F×Gc×(Gp−Gm)} +(1−F×Gm×Gc)×d/{1+F×Gc×(Gp−Gm)} ・・・(1)
【0007】ここで、内部モデル36の伝達関数Gmが
制御対象プロセス40の伝達関数Gpに等しく、操作部
34の伝達関数Gcが内部モデル36の伝達関数の逆数
(1/Gm=1/Gp)に等しい理想的な状態を仮定す
ると、式(1)は次式のようになる。 y=F×r+(1−F)×d ・・・(2)
【0008】更に、目標値rに急激な変化がない理想的
な条件であればフィルタ部32は不要となり、F=1に
できるので、制御量yは目標値rと等しくなり(y=
r)、外乱dの影響が全くない制御を実現できることに
なる。また、外乱dに着目すると、制御対象プロセス4
0と内部モデル36に大きなむだ時間があったとしても
両者は操作量uに対して同じ特性を示すので、第2の減
算処理部38の出力であるフィードバック量eは外乱d
のみとなり、外乱dを抑制できることが分かる。
【0009】このようなIMCコントローラは、通常、
制御対象プロセス40と内部モデル36のモデル同定誤
差が大きくなったときの安定性を示すロバスト安定性、
及び同様に誤差が大きくなったときの性能を示すロバス
ト性能についての設計条件に基づいて設計される。ま
た、このようなモデル同定技術によって内部モデル36
を決定したときに、内部モデル36の制御対象プロセス
40に対するモデル同定誤差はある程度避けられない
が、このモデル同定誤差の見積を誤ったときの制御は想
定通りの動作にならないので、その場合の対策は制御の
知識を有する専門家によって行われる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来のIMCコントロ
ーラは以上のように構成されており、内部モデルが制御
対象プロセスと大きく異なるコントローラにおいて、制
御を過渡状態に移行させる目標値の変更、外乱、又は制
御対象プロセスの特性変化等が発生すると、制御量に振
動が発生してこの制御の不安定化を抑えることができな
くなり、制御の知識を有する専門家以外のオペレータは
IMCコントローラの利用を断念しなければならないと
いう問題点があった。本発明は、上記課題を解決するた
めに、内部モデルの設定が不適当なときに内部モデルの
ゲインを自動的に修正して良好な制御を行うことができ
るIMC構造のコントローラを提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、入力された制
御の目標値を伝達関数が時間遅れの特性で出力する目標
値フィルタ部と、この目標値フィルタ部の出力からフィ
ードバック量を減算する第1の減算処理部と、この第1
の減算処理部の出力を伝達関数が時間遅れの特性で出力
する目標値・外乱フィルタ部と、内部モデルのパラメー
タに基づいてむだ時間の要素を除いた内部モデルの伝達
関数の逆数の特性により目標値・外乱フィルタ部の出力
から操作量を演算して出力する操作部とからなる操作量
演算部と、内部モデルのパラメータを記憶する内部モデ
ル記憶部と、内部モデルのパラメータに基づいて1次遅
れとむだ時間の要素を有する伝達関数の特性により操作
量から参照制御量を演算する内部モデル出力演算部と、
制御対象プロセスの制御量から内部モデル出力演算部か
ら出力された参照制御量を減算してフィードバック量を
出力する第2の減算処理部と、目標値と制御量との差で
ある偏差及びこの偏差の変化量を算出する偏差変化量算
出部と、制御量の変化率及び参照制御量の変化率を算出
する逐次変化率算出部と、目標値変更による制御の過渡
状態を検出すると過渡状態検出信号を出力する第1の過
渡状態検出部と、目標値変更以外の制御の過渡状態を検
出すると過渡状態検出信号を出力する第2の過渡状態検
出部と、過渡状態検出信号が出力されると、制御量に過
渡状態に応じた制御応答が現れ始める応答開始領域を過
渡状態検出後の偏差に基づいて検出し、この応答開始領
域における制御量の変化率を決定すると共に、参照制御
量に過渡状態に応じた制御応答が現れ始める応答開始領
域を過渡状態検出後の参照制御量の変化率の経時変化に
基づいて検出し、この応答開始領域における参照制御量
の変化率を決定する応答開始領域検出部と、応答開始領
域における制御量の変化率及び参照制御量の変化率から
内部モデルの修正ゲインを算出し内部モデル記憶部に記
憶されたパラメータ中のゲインをこの修正ゲインに変更
させるモデルゲイン算出部とを有するものである。
【0012】また、モデルゲイン算出部による内部モデ
ルのゲイン修正後の制御量の変化率に基づいて制御量の
極大値及び極小値を検出し、この検出時点の制御量をピ
ーク制御量とするピーク制御量検出部と、ピーク制御量
に基づいて制御量の振動状態を評価し、振動の減衰が不
十分と判定すると内部モデルのゲイン修正を再度行わせ
るための再実行指示信号を応答開始領域検出部に出力す
る減衰判定部と、偏差変化量算出部から出力された偏差
及び偏差変化量に基づいて制御の整定状態を評価し、整
定状態と判定すると次の過渡状態に備えて過渡状態の検
出を再開させるための初期化信号を第1、第2の過渡状
態検出部に出力する整定判定部とを有するものである。
【0013】また、偏差変化量算出部から出力された偏
差及び偏差変化量に基づいて制御の過剰安定状態を評価
し、過剰安定状態と判定すると修正指示信号を出力する
過剰安定判定部と、この修正指示信号が出力されると、
過剰安定状態を解消するための内部モデルの修正ゲイン
を算出し内部モデル記憶部に記憶されたパラメータ中の
ゲインをこの修正ゲインに変更させる過剰安定ゲイン修
正部とを有するものである。
【0014】また、偏差変化量算出部から出力された偏
差及び偏差変化量に基づいて制御の整定状態を評価し、
整定状態と判定すると修正指示信号を出力する整定判定
部と、この修正指示信号が出力されると、制御の速応性
を回復するための内部モデルの修正ゲインを算出し内部
モデル記憶部に記憶されたパラメータ中のゲインをこの
修正ゲインに変更させる速応性モデルゲイン修正部とを
有するものである。
【0015】また、偏差変化量算出部から出力された偏
差及び偏差変化量に基づいて制御の整定状態を評価し、
整定状態と判定すると修正指示信号を出力する整定判定
部と、応答開始領域検出部から出力された応答開始領域
の時間情報に基づいて内部モデルのむだ時間誤差を推定
するむだ時間誤差推定部と、修正指示信号が出力される
と、むだ時間誤差に基づいて内部モデルの修正むだ時間
を算出し内部モデル記憶部に記憶されたパラメータ中の
むだ時間をこの修正むだ時間に変更させるモデルむだ時
間修正部とを有するものである。
【0016】
【作用】本発明によれば、偏差変化量算出部にて偏差及
び偏差変化量が算出され、逐次変化率算出部にて制御量
及び参照制御量の変化率が算出される。第1の過渡状態
検出部又は第2の過渡状態検出部によって制御の過渡状
態が検出され過渡状態検出信号が出力されると、応答開
始領域検出部によって応答開始領域が検出され、この応
答開始領域における制御量及び参照制御量の変化率が決
定される。そして、モデルゲイン算出部にて応答開始領
域の制御量及び参照制御量の変化率から内部モデルの修
正ゲインが算出されて内部モデル記憶部に出力されるこ
とにより、内部モデルのゲインが修正される。
【0017】また、ピーク制御量検出部によってゲイン
修正後の制御量の極大値及び極小値が検出されてこの検
出時点の制御量がピーク制御量とされ、減衰判定部によ
って制御量の振動の減衰が不十分と判定されると再実行
指示信号が応答開始領域検出部に出力されることによ
り、モデルゲイン算出部による内部モデルのゲイン修正
が再度実行される。
【0018】また、過剰安定判定部にて過剰安定状態と
判定されると修正指示信号が出力され、修正指示信号の
出力に伴い過剰安定ゲイン修正部によって過剰安定状態
を解消するための内部モデルの修正ゲインが算出され、
内部モデル記憶部に出力されることにより、内部モデル
のゲインが修正される。
【0019】また、整定判定部にて整定状態と判定され
ると修正指示信号が出力され、修正指示信号の出力に伴
い速応性モデルゲイン修正部によって制御の速応性を回
復するための内部モデルの修正ゲインが算出され、内部
モデル記憶部に出力されることにより、内部モデルのゲ
インが修正される。
【0020】また、むだ時間誤差推定部によって内部モ
デルのむだ時間誤差が推定され、整定判定部から修正指
示信号が出力されると、修正指示信号の出力に伴いモデ
ルむだ時間修正部によってむだ時間誤差に基づく内部モ
デルの修正むだ時間が算出され、内部モデル記憶部に出
力されることにより、内部モデルのむだ時間が修正され
る。
【0021】
【実施例】図1は本発明の1実施例を示すIMC構造の
コントローラのブロック図、図2はこのIMC構造のコ
ントローラを用いた制御系のブロック線図である。図1
において、1は図示しないオペレータによって設定され
た目標値rをこのコントローラに入力する目標値入力
部、2は目標値入力部1からの目標値rを伝達関数が1
次遅れの特性で出力する目標値フィルタ部、3は目標値
フィルタ部2の出力からフィードバック量eを減算する
第1の減算処理部、4は後述する内部モデル記憶部から
のパラメータに基づいて第1の減算処理部3の出力から
操作量uを演算する操作量演算部、5は操作量演算部4
から出力された操作量uを図1では図示しない制御対象
プロセスへ出力する信号出力部である。
【0022】また、6aはこのコントローラの内部モデ
ルのパラメータを記憶する内部モデル記憶部、6bは内
部モデル記憶部6aから出力されたパラメータに基づい
て内部モデルとしての演算を行い参照制御量ymを出力
する内部モデル出力演算部、7は制御対象プロセスから
の制御量yをこのコントローラに入力する制御量入力
部、8は制御量入力部7から出力された制御量yから内
部モデル出力演算部6bから出力された参照制御量ym
を減算してフィードバック量eを出力する第2の減算処
理部である。
【0023】また、9は目標値rと制御量yとの差であ
る偏差及び偏差変化量を算出する偏差変化量算出部、1
0は制御量y及び参照制御量ymの変化率を算出する逐
次変化率算出部、11は目標値変更による制御の過渡状
態を検出すると過渡状態検出信号を出力する第1の過渡
状態検出部、12は目標値変更以外の制御の過渡状態を
検出すると過渡状態検出信号を出力する第2の過渡状態
検出部である。
【0024】また、13は過渡状態検出信号が出力され
ると、制御量y及び参照制御量ymに過渡状態に応じた
制御応答が現れ始める応答開始領域を検出し、この応答
開始領域における制御量y及び参照制御量ymの変化率
を決定する応答開始領域検出部、14は応答開始領域に
おける制御量y及び参照制御量ymの変化率から内部モ
デルの修正ゲインを算出し内部モデル記憶部6aに記憶
されたゲインをこの修正ゲインに変更させるモデルゲイ
ン算出部である。
【0025】図2において、4aは操作量演算部4の内
部にあって、第1の減算処理部3の出力を伝達関数が1
次遅れの特性で出力する目標値・外乱フィルタ部、4b
は同じくその内部にあって目標値・外乱フィルタ部4a
の出力から操作量uを演算する操作部、6は内部モデル
記憶部6a及び内部モデル出力演算部6bからなる内部
モデル、F1は目標値フィルタ部2の伝達関数、F2は
目標値・外乱フィルタ部4aの伝達関数である。また、
duは操作量外乱であり、外乱d=Gp×duとするこ
とで制御量外乱dと等価に扱うことができる。
【0026】なお、図2は図1の目標値フィルタ部2、
第1の減算処理部3、操作量演算部4、内部モデル記憶
部6a、内部モデル出力演算部6b、及び第2の減算処
理部8からなるこのIMC構造のコントローラの基本構
成に、制御対象プロセス40、外乱d、及び操作量外乱
duを含めて制御系として書き直したものである。
【0027】次に、このようなコントローラの基本構成
の動作について説明する。目標値rは、このコントロー
ラのオペレータ等によって設定され、目標値入力部1を
介して目標値フィルタ部2に入力される。目標値フィル
タ部2は、目標値rをその時定数をT1とする次式のよ
うな伝達関数F1の特性で出力する。 F1=1/(1+T1×s) ・・・(3)
【0028】そして、時定数T1は、あらかじめ設定さ
れた初期値を除いて後述する内部モデル6のむだ時間L
mの変更に伴い次式のように設定されるようになってい
る。 T1=4×α×Lm ・・・(4) αは比例定数であり、例えばα=0.318である。
【0029】次に、第1の減算処理部3は、この目標値
フィルタ部2の出力から第2の減算処理部8から出力さ
れるフィードバック量eを減算する。操作量演算部4内
の目標値・外乱フィルタ部4aは、第1の減算処理部3
の出力をその時定数をT2とする次式のような伝達関数
F2の特性で出力する。 F2=1/(1+T2×s) ・・・(5)
【0030】そして、時定数T2も目標値フィルタ部2
の時定数T1と同様に初期値を除いてむだ時間Lmの変
更に伴い次式のように変更されるようになっている。 T2=α×Lm ・・・(6) つまり、時定数T1は標準設定として時定数T2の4倍
に設定されている。
【0031】また、同じく操作量演算部4内の操作部4
bは、目標値・外乱フィルタ部4aの出力から操作量u
を演算するが、その伝達関数Gcは内部モデル記憶部6
aから出力された内部モデル6のゲイン及び時定数によ
り次式となり、図36の例と同様にむだ時間Lmの要素
を除いた内部モデル6の伝達関数Gmの逆数となってい
る。 Gc=(1+Tm×s)/Km ・・・(7) ここで、Km、Tmはそれぞれ内部モデル6のゲイン、
時定数である。
【0032】よって、操作量演算部4全体としての伝達
関数は次式となる。 F2×Gc=(1+Tm×s)/{Km×(1+T2×s)}・・・(8) このようにして、第1の減算処理部3の出力から操作量
uが演算されて信号出力部5を介して制御対象プロセス
40へ出力され、また内部モデル出力演算部6bへ出力
される。
【0033】次に、制御対象プロセス40は、1次遅れ
とむだ時間の要素を有するものとしてその伝達関数Gp
を次式のような近似伝達関数で表現できる。 Gp=K×exp(−L×s)/(1+T×s) ・・・(9) ここで、K、L、Tはそれぞれ制御対象プロセス40の
ゲイン、むだ時間、時定数である。
【0034】そして、内部モデル6は、内部モデル記憶
部6aに記憶されたゲインKm、時定数Tm、及びむだ
時間Lmからなるこれらのパラメータによって、上記の
ような制御対象プロセス40を数式表現したものであ
り、内部モデル出力演算部6bにて操作量演算部4から
出力された操作量uから参照制御量ymを演算する。そ
の伝達関数Gmは次式となる。 Gm=Km×exp(−Lm×s)/(1+Tm×s) ・・・(10)
【0035】次に、第2の減算処理部8は、制御量入力
部7を介して入力された制御対象プロセス40からの制
御量yから内部モデル出力演算部6bからの参照制御量
ymを減算してフィードバック量eを出力する。そし
て、このフィードバック量eが上記のように第1の減算
処理部3に入力される。これが、このIMC構造のコン
トローラの基本構成であるフィードバック制御系として
の動作である。
【0036】このような制御系において、偏差変化量算
出部9は、目標値rと制御量yとの差である偏差及びこ
の偏差の変化量を1制御周期ごとに常時算出するが、ま
ず制御量入力部7から出力された制御量yに次式のよう
なダンピング処理を施して制御量yのノイズを低減す
る。 yd(i)={y(i)+Td×yd(i−1)}/(1+Td) ・・・(11)
【0037】ここで、yd(i)は本制御系のサンプリ
ング時刻iにおけるダンピング処理後の制御量y、y
(i)はサンプリング時刻iにおける制御量yである。
また、Tdはダンピング時定数であり、例えばサンプリ
ング周期である制御周期Δtが1秒であればTd=2秒
である。
【0038】このようにローパスフィルタに相当するダ
ンピング処理を施すことにより、制御量yのノイズを低
減することができるが、この制御量yのノイズには、例
えば制御量yを測定し制御量入力部7に出力する図示し
ないセンサによる測定ノイズがある。また、測定ノイズ
が0に近い場合はダンピング時定数Td=0秒としてダ
ンピング処理を施さなくても良い。
【0039】次に、偏差変化量算出部9は、次式のよう
に偏差(ここではダンピング処理しているのでダンピン
グ偏差であるが、以下単に偏差とする)を1制御周期ご
とに算出する。 ed(i)=r(i)−yd(i) ・・・(12) ここで、ed(i)、r(i)はそれぞれ現在のサンプ
リング時刻iにおける偏差、目標値である。
【0040】また、現在のサンプリング時刻iにおける
偏差ed(i)と1サンプリング前の偏差ed(i−
1)の差である変化量Δed(i)を次式のように算出
する。 Δed(i)=|ed(i)|−|ed(i−1)| ・・・(13) そして、偏差変化量算出部9は、算出した偏差ed
(i)を第2の過渡状態検出部12、応答開始領域検出
部13へ出力し、偏差変化量Δed(i)を第2の過渡
状態検出部12へ出力する。
【0041】また、逐次変化率算出部10は、制御量入
力部7から出力された制御量yの変化率及び内部モデル
出力演算部6bから出力された参照制御量ymの変化率
を1制御周期ごとに常時算出する。図3(a)はこの逐
次変化率算出部10の動作を説明するための制御量yの
変化率を示す図、図3(b)は同様に参照制御量ymの
変化率を示す図であり、i−n+1、i−1、iはサン
プリング時刻、そして○印はそれぞれの時刻における制
御量y及び参照制御量ymである。
【0042】逐次変化率算出部10は、図3(a)に示
すように現時点iを含む過去nサンプリング分の制御量
y(i−n+1)〜y(i)を最小2乗法により分析
し、制御量変化率Ay(i)を1制御周期ごとに常時算
出する。ここで、整数設定値nは例えばn=5とする。
【0043】また、同様に図3(b)に示すように現時
点iを含む過去nサンプリング分の参照制御量ym(i
−n+1)〜ym(i)を最小2乗法により分析し、参
照制御量変化率Aym(i)を1制御周期ごとに常時算
出する。そして、逐次変化率算出部10は、算出した制
御量変化率Ay(i)、参照制御量変化率Aym(i)
を応答開始領域検出部13に出力する。
【0044】次に、第1の過渡状態検出部11、第2の
過渡状態検出部12は、制御量yが目標値rから大きく
離れた後に制御応答によって目標値rに近づくという制
御の過渡状態を以下のように検出する。
【0045】制御が過渡状態になる主な要因としては、
このコントローラのオペレータの操作によって目標値入
力部1に新たな目標値rが入力された目標値rの変更が
ある(以下、このような目標値変更による過渡状態を第
1の過渡状態とする)。また、その他の要因として、外
乱d又は操作量外乱duの発生、制御対象プロセス40
のゲインKの急変動、不適切な制御によって制御量yの
振動が次第に増幅していくような自励振動がある(以
下、これら外乱等の要因による過渡状態を第2の過渡状
態とする)。
【0046】そして、第1の過渡状態検出部11は、制
御が第1の過渡状態にあるかどうかを判定し、第2の過
渡状態検出部12は同じく第2の過渡状態にあるかどう
かを判定する。図4(a)は第1の過渡状態検出部11
の動作を説明するための制御量yの過渡状態を示す図、
図4(b)は同様に第2の過渡状態検出部12の動作を
説明するための制御量yの過渡状態を示す図である。
【0047】図4(a)では目標値rの変更に伴い操作
量演算部4からその変更に応じた操作量uが出力される
ことにより、制御量yが目標値rに向かって変化を始め
る様子が示されている。また、図4(b)では外乱等の
要因により制御量yが下方向に急激に変化し、操作量演
算部4からこの変化に応じた操作量uが出力されること
により、制御量yが目標値rに向かって上方向に戻り始
める様子が示されている。
【0048】第1の過渡状態検出部11は、制御が第1
の過渡状態にあるかどうかを次式によって判定し、第1
の過渡状態になったと判定すると過渡状態検出信号を応
答開始領域検出部13に出力する。 |Δr(i)|=|r(i)−r(i−1)|>θ ・・・(14) Δr(i)は図4(a)に示すように現在のサンプリン
グ時刻iにおける目標値変化量、θは目標値入力検出基
準値であり、例えば制御量yのフルレンジの5%に設定
されている。
【0049】つまり、第1の過渡状態検出部11は、目
標値変化量Δr(i)がしきい値である目標値入力検出
基準値θより大であれば制御が目標値変更による第1の
過渡状態になったと判定する。目標値rの変化について
は、ステップ入力のような急激な変化とランプ入力のよ
うな緩やかな変化があり、ランプ入力についてはゲイン
修正の対象外なので、目標値入力検出基準値θはこれら
を区別できるように設定される。
【0050】また、第2の過渡状態検出部12は、制御
が第2の過渡状態にあるかどうかを次式によって判定
し、第2の過渡状態になったと判定すると過渡状態検出
信号を応答開始領域検出部13に出力する。 |Δed(i)|>ε×exp(−4.8)×Δt ・・・(15) |ed(i)|>ε ・・・(16) εは整定判定基準値であり、例えば制御量yのフルレン
ジの5%に設定されている。
【0051】すなわち、第2の過渡状態検出部12は、
式(15)、(16)が同時に成立すれば制御が外乱等
による第2の過渡状態になったと判定する。外乱等の要
因による第2の過渡状態では、制御量yが目標値rに向
かって変化する前に逆方向の制御量yの急変が生じるの
で、制御量yの変化から目標値変化分を差し引いた偏差
変化量Δed(i)によって検出することができる。ま
た、式(16)を設けているのは制御量yのノイズによ
る誤検出を防ぐためである。
【0052】なお、式(15)におけるε×exp(−
4.8)は制御対象プロセスの開ループステップ応答に
おいて等価1次遅れ時定数の4.8倍の時間が経過した
時点での変化量を整定判定基準値εに基づいて推定した
値であり、過渡状態で検出されるべき最低の変化量の指
標である。
【0053】次に、応答開始領域検出部13は、第1の
過渡状態検出部11又は第2の過渡状態検出部12から
過渡状態検出信号が出力されると動作を開始し、制御量
y及び参照制御量ymの応答開始領域を検出する。この
応答開始領域は、過渡状態中にあり、目標値変更又は外
乱等の発生に応じた操作量uが操作量演算部4から出力
されることにより、制御量y、参照制御量ymに制御応
答が現れ始める領域である。
【0054】まず、応答開始領域検出部13は、応答開
始領域を検出するときに、過渡最大偏差Emaxを以下
のようにして求める。図5はこの過渡最大偏差Emax
を求める応答開始領域検出部13の動作を説明するため
の制御量yの過渡状態を示す図、図6(a)は応答開始
領域を検出する応答開始領域検出部13の動作を説明す
るための制御量yの過渡状態を示す図、図6(b)は同
じく参照制御量ymの過渡状態を示す図であり、図5
(a)、(b)はそれぞれ第1、第2の過渡状態の場合
を示している。
【0055】応答開始領域検出部13は、偏差変化量算
出部9から出力された現在の偏差ed(i)と逐次変化
率算出部10から出力された制御量変化率Ay(i)と
の積が正になるときの偏差ed(i)を過渡最大偏差E
maxとする。 ed(i)×Ay(i)>0 ・・・(17)
【0056】すなわち、過渡最大偏差Emaxは、図5
(a)、(b)に示すように第1の過渡状態検出部11
又は第2の過渡状態検出部12によって制御の過渡状態
が検出された後に、制御応答により制御量yが目標値r
に向かって変化し始めるときの偏差であり、かつ過渡状
態が検出された後から後述するゲイン修正を行うまでの
間における最大偏差である。そして、図5(a)、
(b)のように過渡最大偏差Emaxが検出されたサン
プリング時刻iを制御量yの応答開始領域の開始時点i
1とする。
【0057】また、応答開始領域検出部13は、第1の
過渡状態検出部11又は第2の過渡状態検出部12から
過渡状態検出信号が出力された後に、次式によって検出
するサンプリング時刻iを参照制御量ymの応答開始領
域の開始時点im1とする。 Aym(i)/Aym(i−j)>δ1 ・・・(18) ここで、整数設定値jは例えばj=5であり、開始領域
検出基準値δ1は例えばδ1=2である。
【0058】すなわち、参照制御量ymの応答開始領域
の開始時点im1は、図6(b)に示すようにjサンプ
リング前の参照制御量変化率Aym(i−j)とサンプ
リング時刻iの参照制御量変化率Aym(i)との比が
しきい値であるδ1を超えた時刻iである(図6(b)
ではim1)。
【0059】次に、開始時点i1の検出後に次式によっ
て検出するサンプリング時刻iを制御量yの応答開始領
域の終了時点i2とする。 |ed(i)|≦δ2×|Emax| ・・・(19) 開始領域検出基準値δ2は例えばδ2=0.8である。
【0060】そして、開始時点im1の検出後に次式に
よって検出する1サンプリング前の時刻i−1を参照制
御量ymの応答開始領域の終了時点im2とする。 Aym(i−1)/Aym(i)>δ3 ・・・(20) 開始領域検出基準値δ3は例えばδ3=0.85であ
る。
【0061】すなわち、参照制御量ymの応答開始領域
の終了時点im2は、1サンプリング前の参照制御量変
化率Aym(i−1)と現時点の参照制御量変化率Ay
m(i)との比がしきい値であるδ3を超えたi−1時
点である。そして、応答開始領域検出部13は、このよ
うにして検出した制御量yの応答開始領域の終了時点i
2における制御量変化率Ay(i2)をAy1とし、同
様に終了時点im2における参照制御量変化率Aym
(im2)をAym1とし、これら制御量変化率Ay
1、参照制御量変化率Aym1をモデルゲイン算出部1
4に出力する。
【0062】次に、モデルゲイン算出部14は、制御量
変化率Ay1、参照制御量変化率Aym1に基づいて内
部モデル6の修正ゲインKm1を次式のように算出す
る。 Km1=ρ×Km0×|Ay1/Aym1| ・・・(21) ここで、Km0は現在内部モデル記憶部6aに記憶され
ている内部モデル6のゲインKm、ρは安全係数であり
例えばρ=1.5である。
【0063】そして、モデルゲイン算出部14は、算出
した修正ゲインKm1が次式のように最小値より小さい
ときは安全性の限界を外れたと判断して限界内に収まる
ように修正ゲインKm1を制限する。 Km1<Ld×Km0 ・・・(22)
【0064】Ldは下限比例定数であり、目標値変更に
よる第1の過渡状態の場合でLd=0.3、外乱等によ
る第2の過渡状態の場合でLd=0.7である。そし
て、修正ゲインKm1が上記のように限界を外れたとき
は修正ゲインKm1をKm1=Ld×Km0とする。
【0065】また、同様に算出した修正ゲインKm1が
次式のように最大値より大きいときも限界内に収まるよ
うに修正ゲインKm1を制限する。 Km1>Lu×Km0 ・・・(23) Luは上限比例定数であり、目標値変更による第1の過
渡状態の場合でLu=10、外乱等による第2の過渡状
態の場合でLu=5である。そして、修正ゲインKm1
が上記のように限界を外れたときは修正ゲインKm1を
Km1=Lu×Km0とする。
【0066】このようにして算出された修正ゲインKm
1が内部モデル記憶部6aに出力されることにより、内
部モデル記憶部6aに記憶されている内部モデル6のゲ
イン現在値Km0がこの修正ゲインKm1に更新され
る。このゲインKmの修正は、応答開始領域が終了した
時点で1回行われることになる。
【0067】こうして、制御量yが目標値rに向かい始
める制御応答の初めにゲイン修正が行われることになる
が、このように内部モデル6のゲインKmを修正するの
は、応答開始領域を含む制御応答の初めにおいて内部モ
デル6と制御対象プロセス40の誤差が小さいことがそ
の安定性にとって重要なことから、式(21)のように
応答開始領域での制御対象プロセス40の制御量yの変
化率と内部モデル6の参照制御量ymの変化率が近づく
ように内部モデル6のゲインKmを修正して制御の安定
性を得るためである。また、修正ゲインKm1の算出に
安全係数ρを用いてより安全な動作が得られるようにな
っている。
【0068】したがって、制御応答動作中に内部モデル
6のゲインKmを自動的に修正するので、内部モデル6
の設定が不適当なコントローラにおいて目標値rの変更
や外乱等が発生しても良好な制御を行うことができる。
また、内部モデル6のモデル同定誤差に関しては、ゲイ
ンKmの誤差、時定数Tmの誤差の両者について対応可
能であり、むだ時間Lmの誤差についても±30%程度
の範囲であれば対応することができる。
【0069】図7は本実施例のコントローラをタンク内
の液面の高さの制御に使用したときの目標値追従性を示
す図、図8は同様に従来のIMCコントローラの目標値
追従性を示す図である。図7、8は0秒にて目標値rを
0から4cmに変更し、その制御結果の液面の高さであ
る制御量yを求めたシミュレーション結果である。ま
た、従来のIMCコントローラは、本実施例のコントロ
ーラにおいて内部モデル6のゲインKmの修正を行わな
いものを用いている。
【0070】ここで、タンク内の液体という制御対象プ
ロセスのゲインKを10、時定数Tを10秒、むだ時間
Lを10秒とし、本実施例のコントローラ及び従来のI
MCコントローラの内部モデル6のゲインKmを5、時
定数Tmを20秒、むだ時間Lmを10秒とする。よっ
て、ゲインKmと時定数Tmにモデル同定誤差が存在す
ることになる。また、これらのコントローラの目標値フ
ィルタ部2の時定数T1を12.72秒、目標値・外乱
フィルタ部4aの時定数T2を3.18秒とし、制御周
期Δtを1秒とする。
【0071】図8から明らかなように、従来のIMCコ
ントローラでは内部モデルの設定が不適当なときに目標
値rの変更が行われると制御量yに振動が発生してこの
振動を抑制することができなくなる。これは通常のPI
Dコントローラでも同様である。これに対して、本実施
例のコントローラでは内部モデル6のゲインKmが18
秒にて13.854に修正されることにより、制御が整
定する。
【0072】図9は本実施例のコントローラを図7の例
と同様にタンク内の液面の高さの制御に使用したときの
目標値追従性を示す図、図10は同様に従来のIMCコ
ントローラの目標値追従性を示す図である。図9、10
は制御量yが0cmという整定状態において、例えばバ
ルブが故障した等の操作量外乱duが加わったときの制
御量yを求めたシミュレーション結果である。また、パ
ラメータは図7、8の例と同様とする。
【0073】図9、10から明らかなように、従来のI
MCコントローラでは内部モデルの設定が不適当なとき
に外乱duが加わると、過剰な操作量uの変更が繰り返
されて発散状態となるが、本実施例のコントローラでは
内部モデル6のゲインKmが27秒にて8.884に修
正されることにより、制御が整定する。
【0074】図11は本実施例のコントローラをタンク
内の液面の高さの制御に使用したときの目標値追従性を
示す図、図12は同様に従来のIMCコントローラの目
標値追従性を示す図である。図11、12は0秒にて
0.1cmという目標値rを入力し、その制御の途中で
制御対象プロセスのゲインKが急変したときの制御量y
を求めたシミュレーション結果である。
【0075】ここで、制御対象プロセスのゲインKは初
め10で100秒にて30に変化したものとする。ま
た、本実施例のコントローラ及び従来のIMCコントロ
ーラの内部モデル6のゲインKmを10とし、その他の
パラメータについては図7、8の例と同様とする。図1
1、12から明かなように、従来のIMCコントローラ
では内部モデルの設定が不適当なときに制御対象プロセ
スのゲインKが急変すると過剰な操作量変更が繰り返さ
れて制御は発散状態となるが、本実施例のコントローラ
では内部モデル6のゲインKmが149秒にて41.9
19に修正されることにより、制御が整定する。
【0076】図13は本実施例のコントローラをタンク
内の液面の高さの制御に使用したときの目標値追従性を
示す図、図14は同様に従来のIMCコントローラの目
標値追従性を示す図である。図13、14は不安定な制
御系において制御量yの振動が徐々に増幅されていくよ
うな自励振動が発生したときのシミュレーション結果で
ある。このときの本実施例のコントローラ及び従来のI
MCコントローラの内部モデル6のゲインKmを2.5
とし、その他のパラメータについては図7、8の例と同
様とする。
【0077】図13、14から明かなように、従来のI
MCコントローラでは不安定な制御系において徐々に発
生した振動現象に対し、過剰な操作量変更が繰り返され
て制御は発散状態となるが、本実施例のコントローラで
は内部モデル6のゲインKmが76秒にて10.714
に修正されることにより、制御が整定する。
【0078】図1の例では内部モデル6の設定が不適当
なコントローラにおいて制御応答中に内部モデル6のゲ
インKmを自動的に修正するので、このゲイン修正が的
確であれば制御は整定するが、制御対象プロセスが極端
に複雑な系である等の場合にはゲイン修正が不的確、あ
るいは不十分になることがある。
【0079】この場合、ゲイン修正を再度実行する必要
があるが、図1のコントローラでは例えばオペレータが
再度の実行を指示するなどの処理が行われない限りゲイ
ン修正が再実行されることはなく、内部モデル6のゲイ
ンKmは修正ゲインKm1のままである。そこで、上記
のような場合に対応するには図1の例とは別の処理が必
要となる。
【0080】図15は本発明の他の実施例を示すIMC
構造のコントローラのブロック図であり、図1と同一の
部分には同一の符号を付してある。9aは図1の例の偏
差変化量算出部9と同様の動作をしダンピング処理後の
制御量yd(i)を出力する偏差変化量算出部、11
a、12aはそれぞれ第1、第2の過渡状態検出部1
1、12と同様の動作をし後述する初期化信号が入力さ
れると過渡状態の検出を再開する第1、第2の過渡状態
検出部、13aは応答開始領域検出部13と同様の動作
をし後述する再実行指示信号が入力されると再度応答開
始領域の検出を行う応答開始領域検出部である。
【0081】また、15はモデルゲイン算出部14によ
る内部モデル6のゲイン修正後の制御量yの変化率に基
づいて制御量yの極大値及び極小値を検出し、この検出
時点の制御量yをピーク制御量とするピーク制御量検出
部、16はピーク制御量に基づいて制御量yの振動状態
を評価し、振動の減衰が不十分と判定すると再実行指示
信号を応答開始領域検出部13aに出力する減衰判定
部、17は偏差変化量算出部9から出力された偏差ed
(i)及び偏差変化量Δed(i)に基づいて制御の整
定状態を評価し、整定状態と判定すると初期化信号を第
1、第2の過渡状態検出部11a、12aに出力する整
定判定部である。
【0082】本実施例においても、目標値入力部1、目
標値フィルタ部2、第1の減算処理部3、操作量演算部
4、信号出力部5、内部モデル記憶部6a、内部モデル
出力演算部6b、制御量入力部7、及び第2の減算処理
部8からなるコントローラの基本構成の動作は図1の例
と全く同じであり、逐次変化率算出部10の動作も全く
同じである。
【0083】そして、第1の過渡状態検出部11a又は
第2の過渡状態検出部12aが制御の過渡状態を検出す
ると過渡状態検出信号を出力し、この信号の出力により
応答開始領域検出部13aが応答開始領域を検出し、モ
デルゲイン算出部14が内部モデル6のゲインKmの修
正を行う動作も図1の例と全く同じである。
【0084】よって、ここではゲイン修正が行われた後
の本実施例のコントローラの動作について説明する。ピ
ーク制御量検出部15は、後述する減衰判定のためにゲ
イン修正が行われた後の制御量yの振動状態を監視し、
制御量yの極大値又は極小値である第1ピーク、第2ピ
ークを検出する。図16はこのピーク制御量検出部15
の動作を説明するための制御量yの振動状態を示す図で
ある。
【0085】まず、ピーク制御量検出部15は、内部モ
デル6のゲインKmの修正が行われた後に、オーバーシ
ュートが発生したかどうかを次式によってチェックす
る。 ed(i)×Emax<0 ・・・(24)
【0086】すなわち、応答開始領域を検出する際に応
答開始領域検出部13aで求められた過渡最大偏差Em
axと偏差変化量算出部9aから出力された現在の偏差
ed(i)との積が負であればオーバーシュートが発生
したと判断する。これは、過渡最大偏差Emaxと偏差
ed(i)の正負が逆転しているかどうかをチェックす
るものであり、図16からも分かるようにゲイン修正実
行後に制御量y(ここではyd)が目標値rを跨いだか
どうかをチェックするものである。このようなオーバー
シュートチェックを行うのは、例えば図11のBに示す
ような制御量yの変化と制御量yの極大値又は極小値と
を区別するためである。
【0087】次いで、オーバーシュートが発生したと判
断すると、ゲイン修正以後の最初の極大値又は極小値で
ある第1ピークを次式によって検出し、検出時点の制御
量変化率Ay(i)を制御量変化率Aye1、同じく検
出時点の制御量yd(i)を第1ピーク制御量ye1と
する。 Ay(i)×Ay1<0 ・・・(25)
【0088】これは、応答開始領域検出部13aで求め
られた応答開始領域の終了時点i2における制御量変化
率Ay1と逐次変化率算出部10から出力された現在の
制御量変化率Ay(i)との積が負、すなわちこれらの
正負が逆転したら制御量yに第1ピークが現れたと判定
するものである。
【0089】次に、ピーク制御量検出部15は、上記の
ような第1ピークを検出した後にオーバーシュートが発
生したかどうかを次式によってチェックする。 ed(i)×Emax>0 ・・・(26) つまり、式(24)と逆に過渡最大偏差Emaxと現在
の偏差ed(i)との積が正であればオーバーシュート
が発生したと判断する。
【0090】オーバーシュートが発生したと判断する
と、第1ピーク後の極大値又は極小値である第2ピーク
を式(25)と同様の次式によって検出し、検出時点の
制御量変化率Ay(i)を制御量変化率Aye2、同じ
く検出時点の制御量yd(i)を第2ピーク制御量ye
2とする。 Ay(i)×Aye1<0 ・・・(27)
【0091】そして、ピーク制御量検出部15は、この
ようにして求めた第1ピーク検出時点における制御量変
化率Aye1、第1ピーク制御量ye1、第2ピーク検
出時点における制御量変化率Aye2、第2ピーク制御
量ye2を減衰判定部16に出力する。
【0092】次に、減衰判定部16は、ピーク制御量検
出部15から出力された第1、第2ピーク制御量ye
1、ye2に基づいて制御量yの振動状態を評価し、振
動が減衰しているかどうかを1制御周期ごとに判定す
る。図17はこの減衰判定部16の動作を説明するため
の制御量yの振動状態を示す図であり、図17(a)は
制御量yの振動が減衰中であると判定して減衰判定を更
に繰り返す場合であり、図17(b)は減衰が不十分で
あると判定して再度ゲイン修正を行う場合である。
【0093】減衰判定部16は、次式によって制御量y
の振動が減衰しているかどうかを判定する。 |ye1−ye2|<μ×|ye2−yd(i)| ・・・(28) μは減衰判定比例定数であり、例えばμ=1.5であ
る。
【0094】式(28)が成立しない場合は、制御量y
の振動が減衰中であると判定して式(28)による1制
御周期ごとの減衰判定を更に繰り返すが、このような減
衰判定の繰り返しでは図17(a)に示すように制御量
yに第2ピーク後の第3ピークが現れたかどうかを先に
次式によって判定する。 Ay(i)×Aye2<0 ・・・(29)
【0095】すなわち、第3ピークの検出はピーク制御
量検出部15における第1、第2ピークの検出と同様で
あり、1つ前のピークである第2ピークの検出時点にお
ける制御量変化率Aye2と現在の制御量変化率Ay
(i)との積が負になったときを第3ピークの検出時点
とする。そして、式(29)が成立せず第3ピークが検
出されない場合はそのまま式(28)による減衰判定を
行う。
【0096】また、式(29)が成立して第3ピークを
検出したら、この検出時点の制御量変化率Ay(i)を
Aye3とし、制御量yd(i)を第3ピーク制御量y
e3とする。そして、ye1=ye2、ye2=ye
3、Aye2=Aye3、すなわち現在の第2ピーク制
御量ye2を第1ピーク制御量ye1とし、検出した第
3ピーク制御量ye3を第2ピーク制御量ye2とし、
第3ピークの検出時点における制御量変化率Aye3を
第2ピークの検出時点における制御量変化率Aye2と
した後に式(28)による減衰判定を行う。これは、第
1ピーク及び第2ピークをそれぞれ1つずつ後ろにずら
した処理である。
【0097】減衰判定部16は、このようにして式(2
8)が成立しない限り減衰判定を繰り返す。よって、こ
の減衰判定を繰り返している限り内部モデル6のゲイン
Kmは最初にゲイン修正された修正ゲインKm1のまま
であり、この修正ゲインKm1に基づく制御が継続され
ることになる。
【0098】また、減衰判定部16は、式(28)が成
立すると制御量yの振動の減衰が不十分、すなわち内部
モデル6のゲインKmの修正が不的確であると判定し、
応答開始領域検出部13aに対して再実行指示信号を出
力し、再度ゲイン修正を行わせる。再実行指示信号が入
力された応答開始領域検出部13aの動作は、第1の過
渡状態検出部11a又は第2の過渡状態検出部12aか
ら過渡状態検出信号が出力された最初のゲイン修正のと
きと全く同様である。
【0099】そして、モデルゲイン算出部14の動作も
最初のゲイン修正とほぼ同様で、式(21)によって修
正ゲインKm1を算出し、内部モデル記憶部6aに出力
して内部モデル6のゲインKmを変更させる。ここで異
なるのは、修正ゲインKm1の算出時点で式(22)、
(23)によって行われるゲインリミッタにおいて、下
限比例定数LdがLd=1、上限比例定数LuがLu=
5となるだけである。
【0100】したがって、最初の修正ゲインKm1によ
るゲイン修正が不的確なために制御量yの振動の減衰が
不十分な場合には、図17(b)に示すように再度ゲイ
ン修正が実行される。この再度のゲイン修正は、減衰判
定部16によって減衰中と判定されるか、又は後述する
整定判定部17によって整定状態と判定されるまで繰り
返される。
【0101】以上のように、再度のゲイン修正を単純な
時間経過でなく、内部モデル6のゲインKmの修正が的
確に行われたかどうかを減衰判定によって判定して行う
のは以下のような理由による。つまり、時間経過に基づ
き再度のゲイン修正を行う際の指標となるのは内部モデ
ル6の時定数Tmであるが、時定数Tmが実際の制御対
象プロセスの時定数Tより極端に大きいと、不的確なゲ
イン修正により制御量yの発散状態が進行しているにも
拘らず、再度ゲイン修正を実行できる状態にならない。
【0102】また、時定数Tmが制御対象プロセスの時
定数Tより極端に小さいと、ゲイン修正が的確に行われ
たにも拘らず、整定に向かう途中の過渡状態でゲイン修
正が再度行われてしまうことになる。そこで、ゲイン修
正が的確に行われたかどうかを減衰判定により判定して
再度のゲイン修正を行うのである。
【0103】一方、整定判定部17は、ピーク制御量検
出部15及び減衰判定部16の減衰判定の動作とは別に
制御が整定しているかどうかを1制御周期ごとに判定す
る。図18はこの整定判定部17の動作を説明するため
の制御量yの整定状態を示す図であり、εは前述の整定
判定基準値、Cは初期値0の整定判定カウント値、Cn
は整定判定のしきい値となる整定判定基準値である。
【0104】整定判定部17は、偏差変化量算出部9a
から出力された偏差ed(i)、偏差変化量Δed
(i)、応答開始領域検出部13aから出力された過渡
最大偏差Emaxに基づき次式によって制御が整定して
いるかどうかを判定する。 |Δed(i)|<|Emax|×exp(−5.0)×Δt ・・・(30) |ed(i)|<ε ・・・(31)
【0105】式(30)における|Emax|×exp
(−5.0)は制御対象プロセスの開ループステップ応
答において等価1次遅れ時定数の5.0倍の時間が経過
した時点での変化量を過渡最大偏差Emaxに基づいて
推定した値であり、整定状態で維持されるべき最大の変
化量の指標である。
【0106】そして、式(30)、(31)が同時に成
立しない場合は制御が整定状態に向かっていないと判定
し、整定判定カウント値Cを0に初期化する。また、式
(30)、(31)が同時に成立した場合は制御が整定
状態に向かっていると判定して整定判定カウント値Cを
1増加させる。
【0107】整定判定部17は、このような整定判定を
1制御周期ごとに繰り返すが、式(30)、(31)の
成立が連続して図18に示すように整定判定カウント値
Cが次第に増加し、整定判定基準値Cnと等しくなると
整定状態と判定する。整定判定基準値Cnは例えば2×
Tm/Δtの小数点以下を切り下げた整数値である。そ
して、整定状態になったと判定すると、第1の過渡状態
検出部11a、第2の過渡状態検出部12aに対して初
期化信号を出力し、整定判定カウント値Cを1減らす。
【0108】初期化信号が入力された第1の過渡状態検
出部11a、第2の過渡状態検出部12aは、図1の例
で述べた最初の処理に戻り、第1の過渡状態、第2の過
渡状態の検出を再開する。これは、制御が整定したこと
により次の目標値変更や外乱等の発生に備えるためであ
り、ゲイン修正が行われたかどうかに関係なく制御が整
定すれば、次の過渡状態に備えることになる。
【0109】したがって、ピーク制御量検出部15及び
減衰判定部16により振動の減衰が不十分と判定されゲ
イン修正が再度実行された場合には、この再実行によっ
て制御が整定状態に向かうはずなので、この後に整定判
定部17によって制御が整定状態と判定される。以上の
ように、内部モデル6の最初のゲイン修正が不的確であ
ってもゲイン修正を再度実行することにより良好な制御
を行うことができ、また整定判定によって次の目標値変
更や外乱等の発生に備えることができる。
【0110】図19は本実施例のコントローラを図7の
例と同様にタンク内の液面の高さの制御に使用したとき
の目標値追従性を示す図、図20は同様に図1の例のコ
ントローラの目標値追従性を示す図である。図19、2
0は不安定な制御系において制御量yの振動が徐々に増
幅されていくような自励振動が発生したときのシミュレ
ーション結果である。このとき、制御対象プロセスのむ
だ時間Lを13秒とし、本実施例のコントローラ及び図
1の例のコントローラの内部モデル6のゲインKmを
2.5とし、その他のパラメータについては図7、8の
例と同様とする。
【0111】図1の例のコントローラでは内部モデル6
のゲインKmが90秒にて7.157に修正されるが、
むだ時間Lmに誤差が存在するため修正が不十分にな
り、過剰な操作量変更が繰り返されて制御は発散状態と
なる。これに対して、本実施例のコントローラでは、同
様に90秒にてゲインKmを7.157に修正するが、
その後の振動状態の振幅によりゲイン修正が不十分であ
ると判定し、再度のゲイン修正を行う。よって、136
秒にて内部モデル6のゲインKmが23.721に修正
されることにより、制御が整定して整定状態と判定さ
れ、以後の目標値追従や外乱抑制に備える状態となる。
【0112】図1、15の例では内部モデル6の設定が
不適当なコントローラにおいて制御応答中に内部モデル
6のゲインKmを自動的に修正するが、これらの例では
修正ゲインKm1が過剰に大きくなって制御が過剰安定
状態になることがある。過剰安定状態は、制御が基本的
には整定しながら、過剰に大きな修正ゲインKm1が原
因となって制御系の微小な変動に対応すべき制御動作が
不十分になるものであり、過剰安定状態になる主な要因
としては、オペレータの操作による目標値ランプ入力、
緩やかな外乱の発生、制御対象プロセスのゲインKの緩
変動などがある。
【0113】図1、15の例では制御が安定になり過ぎ
た場合の目標値追従性を保証していないので、制御が過
剰安定状態になって制御量yが目標値rから徐々に離れ
ていく現象が発生しても対応することができない。そこ
で、上記のような場合に対応するには図1、15の例と
は別の処理が必要となる。
【0114】図21は本発明の他の実施例を示すIMC
構造のコントローラのブロック図であり、図1と同一の
部分には同一の符号を付してある。18は偏差変化量算
出部9から出力された偏差ed(i)及び偏差変化量Δ
ed(i)に基づいて制御の過剰安定状態を評価し、過
剰安定状態と判定すると修正指示信号を出力する過剰安
定判定部、19はこの修正指示信号が出力されると過剰
安定状態を解消するための内部モデル6の修正ゲインを
算出し、内部モデル記憶部6aに記憶されたゲインKm
をこの修正ゲインに変更させる過剰安定ゲイン修正部で
ある。
【0115】本実施例においても、コントローラの基本
構成の動作は図1の例と全く同じであり、偏差変化量算
出部9、逐次変化率算出部10、第1の過渡状態検出部
11、第2の過渡状態検出部12、応答開始領域検出部
13、モデルゲイン算出部14の動作も図1の例と全く
同じである。
【0116】過剰安定状態においては、過剰に大きな修
正ゲインKm1によって制御量yが目標値rから徐々に
離れていく状態が問題となるので、制御量yの変化から
目標値変化分を差し引いた偏差変化量Δed(i)によ
り検出することができる。そこで、過剰安定判定部18
は、偏差変化量算出部9から出力された偏差ed
(i)、偏差変化量Δed(i)に基づき、制御が過剰
安定状態であるかどうかを1制御周期ごとに次式によっ
て判定する。
【0117】 |Δed(i)|<ε×exp(−4.8)×Δt ・・・(32) |ed(i)|>λ ・・・(33) λは過剰安定判定基準値であり、例えば制御量yのフル
レンジの1%に設定されている。また、式(32)にお
けるε×exp(−4.8)は式(15)と同様で、過
剰安定状態で維持されるべき最大の変化量の指標であ
る。
【0118】過剰安定判定部18は、式(32)、(3
3)が同時に成立しない場合は制御が過剰安定状態では
ないと判定し過剰安定判定カウント値Hを0に初期化す
る。また、式(32)、(33)が同時に成立した場合
は制御が過剰安定状態になりつつあると判定して過剰安
定判定カウント値Hを1増加させる。
【0119】更に、式(32)、(33)が同時に成立
し、かつ次式が成立する場合は制御量yは目標値rに近
づき過剰安定状態ではないと判定して過剰安定判定カウ
ント値Hを1減らす。 Δed(i)=|ed(i)|−|ed(i−1)|<0 ・・・(34) これは、式(34)が成立すれば現時点iのダンピング
制御量yd(i)が1サンプリング前のダンピング制御
量yd(i−1)がよりも目標値rに近づいているから
である。
【0120】過剰安定判定部18は、このような過剰安
定判定を1制御周期ごとに繰り返すが、式(32)、
(33)の成立が連続して図18に示す整定判定のとき
と同様に過剰安定判定カウント値Hが次第に増加し、過
剰安定判定基準値Hnと等しくなると過剰安定状態と判
定する。過剰安定判定基準値Hnは例えば2×Tm/Δ
tの小数点以下を切り下げた整数値である。そして、過
剰安定状態になったと判定すると、過剰安定ゲイン修正
部19に対して修正指示信号を出力し、過剰安定ゲイン
修正を行わせる。
【0121】次に、修正指示信号が入力された過剰安定
ゲイン修正部19は、次式によって修正ゲインKm2を
算出してこの修正ゲインKm2を内部モデル記憶部6a
に出力し、内部モデル記憶部6aに記憶されているゲイ
ン現在値Km0をこの修正ゲインKm2に変更させる。 Km2=Km0−Km0×Δt/(β1×Tm) ・・・(35) β1は過剰安定ゲイン修正量調整係数であり、例えばβ
1=20である。
【0122】式(35)は、ゲインKmの修正量が過剰
安定状態の現象から決定することが困難なため、現在内
部モデル記憶部6aに記憶されている内部モデル6のゲ
イン現在値Km0(以前にゲイン修正が行われていれば
Km1に等しい)を少しずつ減少させるものであり、こ
のゲイン修正後に再び過剰安定判定部18によって過剰
安定状態が検出されれば再び過剰安定ゲイン修正部19
による過剰安定ゲイン修正が繰り返される。
【0123】したがって、制御の過剰安定状態が解消さ
れるまで過剰安定ゲイン修正部19によるゲイン修正が
繰り返されることになるので、最初に設定された内部モ
デル6のゲインKmが過剰に大きいか、又はモデルゲイ
ン算出部14によって算出された修正ゲインKm1が過
剰に大きいことにより、制御が過剰安定状態になっても
制御量yが目標値rから離れていくことを防ぎ、目標値
追従性を保証することができる。
【0124】図22は本実施例のコントローラをタンク
内の液面の高さの制御に使用したときの目標値追従性を
示す図、図23は同様に従来のIMCコントローラの目
標値追従性を示す図を示す図である。図22、23は目
標値rが0cmから緩やかに変化していく目標値ランプ
入力のときの制御量yを求めたシミュレーション結果で
ある。このとき、本実施例のコントローラ及び従来のI
MCコントローラの内部モデルのゲインKmを100、
時定数Tmを10秒とし、その他のパラメータについて
は図7、8の例と同様とする。
【0125】図22、23から明らかなように、従来の
IMCコントローラではランプ入力に対し操作量変更が
不十分な状態が継続し時間の経過と共に制御量yが目標
値rから離れていく状態になる。これは通常のPIDコ
ントローラでも同様である。これに対して、本実施例の
コントローラでは35秒以降過剰安定ゲイン修正によっ
て内部モデル6のゲインKmが53.442に修正さ
れ、偏差が特定の範囲内に維持される。
【0126】図24は本実施例のコントローラをタンク
内の液面の高さの制御に使用したときの目標値追従性を
示す図、図25は同様に従来のIMCコントローラの目
標値追従性を示す図である。図24、25は0秒にて1
cmという目標値rを入力し、その制御の途中で制御対
象プロセスのゲインKが緩やかに変化したときの制御量
yを求めたシミュレーション結果である。制御対象プロ
セスのゲインKは0から500秒の間で20から10に
緩やかに変化したものとし、その他のパラメータについ
ては、図22、23の例と同様とする。
【0127】図24、25から明らかなように、従来の
IMCコントローラでは制御対象プロセスのゲインKの
緩やかな変動に対し、操作量変更が不十分な状態が継続
し時間の経過と共に制御量yが目標値rから離れていく
状態になる。これは通常のPIDコントローラでも同様
である。これに対して、本実施例のコントローラでは3
13秒以降過剰安定ゲイン修正によって内部モデル6の
ゲインKmが64.011に修正され、偏差が特定の範
囲内に維持される。
【0128】図1、15、21の例では内部モデル6の
設定が不適当なコントローラにおいて制御応答中に内部
モデル6のゲインKmを自動的に修正するが、これらの
例におけるゲインKmの修正の主な目的は過渡状態を整
定させることなので、式(21)のように安全係数ρ等
のパラメータの設定は制御の速応性よりも安定性を重視
したものとなっている。そして、これらの例では制御が
整定した後に制御の速応性を回復することができないの
で、速応性を回復するには図1、15、21の例とは別
の処理が必要となる。
【0129】図26は本発明の他の実施例を示すIMC
構造のコントローラのブロック図であり、図1と同一の
部分には同一の符号を付してある。17aは整定判定部
17と同様の動作をし、整定状態と判定すると修正指示
信号を出力する整定判定部、20は修正指示信号が出力
されると制御の速応性を回復するための内部モデル6の
修正ゲインを算出し、内部モデル記憶部6aに記憶され
たゲインKmをこの修正ゲインに変更させる速応性モデ
ルゲイン修正部である。
【0130】本実施例においても、コントローラの基本
構成の動作は図1の例と全く同じであり、偏差変化量算
出部9、逐次変化率算出部10、第1の過渡状態検出部
11、第2の過渡状態検出部12、応答開始領域検出部
13、モデルゲイン算出部14の動作も図1の例と全く
同じである。
【0131】整定判定部17aは、図15の例の整定判
定部17と全く同様に1制御周期ごとに整定判定を行
う。整定判定部17aが整定判定部17と異なるのは、
制御が整定状態になったと判定したときに速応性モデル
ゲイン修正部20に対して修正指示信号を出力し、速応
性ゲイン修正を行わせることである。
【0132】この修正指示信号が入力された速応性モデ
ルゲイン修正部20は、次式によって修正ゲインKm3
を算出してこの修正ゲインKm3を内部モデル記憶部6
aに出力し、内部モデル記憶部6aに記憶されているゲ
イン現在値Km0をこの修正ゲインKm3に変更させ
る。 Km3=Km0−{Km0−(Km1/ρ)}×Δt/(β2×Tm) ・・・(36) β2は速応性モデルゲイン修正量調整係数であり、例え
ばβ2=3である。
【0133】式(36)による速応性ゲイン修正は、モ
デルゲイン算出部14によるゲイン修正を前提、すなわ
ちモデルゲイン算出部14から修正ゲインKm1が出力
されることを前提としているので、修正ゲインKm3を
最初に算出するときのゲイン現在値Km0は修正ゲイン
Km1である。
【0134】整定状態において、内部モデル6のゲイン
Kmを1度に大きく変えると整定状態を乱すことになる
ので、式(36)は整定状態を維持しながら内部モデル
記憶部6aに記憶されている内部モデル6のゲイン現在
値Km0を少しずつ減少させるものである。よって、こ
の速応性ゲイン修正後に再び整定判定部17aによって
整定状態と判定され、速応性モデルゲイン修正部20に
よる速応性ゲイン修正が繰り返される。
【0135】そして、最終的には式(21)において安
全係数ρを乗じなかった場合の値に修正される。以上の
ように、整定状態を維持しながら速応性ゲイン修正を行
うので、制御の安定性を損なわない範囲で速応性を回復
させることができる。
【0136】図27は本実施例のコントローラをタンク
内の液面の高さの制御に使用したときの目標値追従性を
示す図、図28は同様に図1の例のコントローラの目標
値追従性を示す図である。図27、28は0秒にて4c
mという目標値rを入力し、その制御の途中で制御対象
プロセスのゲインKが緩やかに変化したときの制御量y
を求めたシミュレーション結果である。
【0137】ここで、制御対象プロセスのゲインKは0
から500秒の間で50から30に緩やかに変化したも
のとし、本実施例のコントローラ及び図1の例のコント
ローラの内部モデル6のゲインKmを50、時定数Tm
を10秒とし、その他のパラメータについては図7、8
の例と同様とする。
【0138】図1の例のコントローラでは、内部モデル
6のゲインKmが安定性重視の68.930に修正され
制御が整定する。整定後に、制御対象プロセス40のゲ
インKの緩やかな変動に対し、操作量変更が不十分な状
態が継続し時間の経過と共に制御量yが目標値rから離
れていく状態になる。これに対して、本実施例のコント
ローラでは、70秒以降速応性ゲイン修正によりゲイン
Kmが45.953に修正され、制御量yが目標値rか
ら離れていく状態が緩和される。
【0139】図29は本実施例のコントローラをタンク
内の液面の高さの制御に使用したときの目標値追従性を
示す図、図30は同様に図1の例のコントローラの目標
値追従性を示す図である。図29、30は0秒にて4c
mという目標値rを入力し、整定状態にあるときに操作
量外乱duが加わったときの制御量yを求めたシミュレ
ーション結果である。このとき、本実施例のコントロー
ラ及び図1の例のコントローラの内部モデル6のゲイン
Kmを10、時定数Tmを10秒とし、その他のパラメ
ータについては図7、8の例と同様とする。
【0140】図1の例のコントローラでは、内部モデル
6のゲインKmが安定性重視の13.943に修正され
制御が整定する。整定後の300秒における操作量ステ
ップ外乱により制御量yが10.14まで上昇する。こ
れに対して、本実施例のコントローラでは、68秒以降
速応性ゲイン修正によりゲインKmが9.297に修正
され、操作量ステップ外乱による制御量yの上昇は9.
68に抑制される。
【0141】図1、15、21、26の例では内部モデ
ル6の設定が不適当なコントローラにおいて制御応答中
に内部モデル6のゲインKmを自動的に修正するが、こ
れらの例では内部モデル6のむだ時間Lmの誤差が±3
0%程度の範囲であれば対応することができるが、むだ
時間誤差がそれ以上になると制御特性の劣化を解消する
ことができなくなる。よって、このような場合に対応す
るには別の処理が必要となる。
【0142】図31は本発明の他の実施例を示すIMC
構造のコントローラのブロック図であり、図1と同一の
部分には同一の符号を付してある。13bは応答開始領
域検出部13と同様の動作をし応答開始領域の時間情報
を出力する応答開始領域検出部、17bは整定判定部1
7と同様の動作をし整定状態と判定すると修正指示信号
を出力する整定判定部、21は応答開始領域検出部13
bから出力された応答開始領域の時間情報に基づいて内
部モデル6のむだ時間誤差を推定するむだ時間誤差推定
部、22は修正指示信号が出力されるとむだ時間誤差に
基づいて内部モデル6の修正むだ時間を算出し内部モデ
ル記憶部6aに記憶されたむだ時間Lmをこの修正むだ
時間に変更させるモデルむだ時間修正部である。
【0143】本実施例においても、コントローラの基本
構成の動作は図1の例と全く同じであり、偏差変化量算
出部9、逐次変化率算出部10、第1の過渡状態検出部
11、第2の過渡状態検出部12、応答開始領域検出部
13、モデルゲイン算出部14の動作も図1の例と全く
同じである。
【0144】整定判定部17bは、図15の例の整定判
定部17と全く同様に1制御周期ごとに整定判定を行
う。整定判定部17bが整定判定部17と異なるのは、
制御が整定状態になったと判定したときにモデルむだ時
間修正部22に対して修正指示信号を出力し、むだ時間
修正を行わせることである。
【0145】次に、むだ時間誤差推定部21は、応答開
始領域検出部13bで検出された制御量y、参照制御量
ymの応答開始領域の開始時点i1、im1、内部モデ
ル記憶部6aに記憶されている内部モデル6の時定数T
m、むだ時間Lmに基づき次式によってむだ時間誤差Δ
Lを推定する。 ΔL=(im1−i1)×Δt−Tm/4 ・・・(37)
【0146】そして、むだ時間誤差ΔLがΔL>Rd×
LmのときはΔL=Rd×Lmとし、−ΔL>Rd×L
mのときはΔL=−Rd×Lmとすることによりむだ時
間誤差を制限するリミット処理を行う。なお、Rdは比
例定数であり、例えばRd=0.2である。
【0147】式(37)は参照制御量ymの応答開始領
域の開始時点im1と制御量yの応答開始領域の開始時
点i1の時間差を、むだ時間誤差と制御対象プロセス4
0を1次遅れで近似したことによるものとすることに基
づいている。上記の時間差は応答開始領域の検出方法の
粗さやゲイン誤差、時定数誤差にも起因するので、かな
り粗い推定であることから、むだ時間誤差ΔLを制限す
るリミット処理を行うのである。そして、むだ時間誤差
推定部21は、こうして算出したむだ時間誤差ΔLをモ
デルむだ時間修正部22に出力する。
【0148】次いで、モデルむだ時間修正部22は、応
答開始領域検出部13bによって応答開始領域が検出さ
れモデルゲイン算出部14によって内部モデル6のゲイ
ンKmの修正が行われたことにより、制御が整定し整定
判定部17bから修正指示信号が出力されると、次式の
ように修正むだ時間Lm1を算出して内部モデル記憶部
6aに出力し、内部モデル記憶部6aに記憶されている
むだ時間現在値Lm0をこの修正むだ時間Lm1に変更
させる。 Lm1=Lm0−ΔL1×Δt/(β3×Tm) ・・・(38)
【0149】ここで、β3はモデルむだ時間修正量調整
係数であり、例えばβ3=20である。また、ΔL1は
むだ時間誤差であり、初期値はむだ時間誤差推定部21
で算出されたΔLである。
【0150】整定状態において内部モデル6のむだ時間
Lmを1度に大きく変えると整定状態を乱すことになる
ので、式(38)は整定状態を維持しながら内部モデル
記憶部6aに記憶されている内部モデル6のむだ時間L
m0を少しずつ修正させるものである。よって、このむ
だ時間修正後に再び整定判定部17bによって整定状態
と判定され、モデルむだ時間修正部22によるむだ時間
修正が繰り返される。
【0151】このむだ時間修正の繰り返しにおいて、モ
デルむだ時間修正部22はまず上記のむだ時間誤差ΔL
1を次式のように算出する。 ΔL1=ΔL0−ΔL0×Δt/(β3×Tm) ・・・(39) ここで、ΔL0は現在のむだ時間誤差であり、よって最
初に式(39)の算出が行われるときの初期値はむだ時
間誤差推定部21で算出されたΔLである。そして、む
だ時間誤差ΔL1を算出した後に式(38)によって修
正むだ時間Lm1を算出する。
【0152】以上のようにして、内部モデル記憶部6a
に記憶された内部モデル6のむだ時間Lmの誤差が大き
いときにむだ時間Lmを自動的に修正するので、むだ時
間誤差による制御特性の劣化を解消することができる。
【0153】図32は本実施例のコントローラをタンク
内の液面の高さの制御に使用したときの目標値追従性を
示す図、図33は同様に図1の例のコントローラの目標
値追従性を示す図を示す図である。図32、33は目標
値rを4cmと0cmの間で繰り返し入力し、制御量y
を求めたシミュレーション結果である。このとき、制御
対象プロセスのむだ時間Lを20秒とし、本実施例のコ
ントローラ及び図1の例のコントローラの内部モデル6
のゲインKmを10、時定数Tmを10秒、むだ時間L
mを50秒とし、その他のパラメータについては図7、
8の例と同様とする。
【0154】図1の例のコントローラでは、内部モデル
6のゲインKmが33.89に修正されて制御の発散が
回避され、このゲインKmの維持により応答の緩やかな
目標値追従制御が継続される。これに対して、本実施例
のコントローラでは、ステップ応答の繰り返しにより3
000秒の最終的な段階において内部モデル6のむだ時
間Lmが15.9に修正され理想的な制御応答が得られ
る。
【0155】図34は本実施例のコントローラをタンク
内の液面の高さの制御に使用したときの目標値追従性を
示す図、図35は同様に図1の例のコントローラの目標
値追従性を示す図を示す図である。図34、35は目標
値rを4cmと0cmの間で繰り返し入力し、制御量y
を求めたシミュレーション結果である。このとき、制御
対象プロセスのむだ時間Lを15秒とし、本実施例のコ
ントローラ及び図1の例のコントローラの内部モデル6
のむだ時間Lmを5秒とし、その他のパラメータについ
ては図32、33の例と同様とする。
【0156】図1の例のコントローラでは、内部モデル
6のゲインKmが17.599に修正されて制御の発散
が回避され、このゲインKmの維持により振動傾向の目
標値追従制御が継続される。これに対して、本実施例の
コントローラでは、ステップ応答の繰り返しにより30
00秒の最終的な段階において内部モデル6のむだ時間
Lmが13に修正され理想的な制御応答が得られる。
【0157】
【発明の効果】本発明によれば、内部モデルの設定が不
適当なときに目標値の変更や外乱等が発生して制御量に
振動が発生したり制御応答が遅くなり過ぎる場合であっ
ても、制御応答動作中に内部モデルのゲインを自動的に
修正して良好な制御応答を得ることができるので、精度
と信頼性の高い制御を行うことができ、制御対象プロセ
スの特性変化にも対応することができる。また、制御対
象プロセスの同定誤差によるトラブルの発生を防ぐこと
ができるので、制御の専門的知識のないオペレータの作
業負担を軽減することができる。
【0158】また、ピーク制御量検出部、減衰判定部を
設けることにより、モデルゲイン算出部による内部モデ
ルのゲイン修正が的確かどうかを判定し、不的確であれ
ば再度ゲイン修正を実行させるので、制御対象プロセス
が複雑な系である等の理由により最初のゲイン修正が不
的確であっても良好な制御を行うことができる。また、
整定判定部を設けることにより、整定状態を評価し、整
定状態であれば第1、第2過渡状態検出部に過渡状態の
検出を再開させるので、次の目標値変更や外乱等の発生
による過渡状態に備えることができる。
【0159】また、過剰安定判定部、過剰安定ゲイン修
正部を設けることにより、制御の過剰安定状態を評価
し、過剰安定状態であれば内部モデル記憶部に記憶され
た内部モデルのゲインに過剰安定ゲイン修正を行うの
で、制御が過剰安定状態になっても制御量が目標値から
離れていくことを防ぎ、目標値追従性を保証することが
できる。
【0160】また、整定判定部、速応性モデルゲイン修
正部を設けることにより、整定状態を評価し、整定状態
であればこの整定状態を維持しながら内部モデル記憶部
に記憶された内部モデルのゲインに速応性ゲイン修正を
行うので、制御の安定性を損なわない範囲で速応性を回
復させることができる。
【0161】また、整定判定部、むだ時間誤差推定部、
モデルむだ時間修正部を設けることにより、内部モデル
記憶部に記憶された内部モデルのむだ時間誤差が大きい
ときにむだ時間を自動的に修正するので、むだ時間誤差
による制御特性の劣化を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を示すIMC構造のコントロ
ーラのブロック図である。
【図2】図1のIMC構造のコントローラを用いた制御
系のブロック線図である。
【図3】制御量及び参照制御量の変化率を示す図であ
る。
【図4】制御量の過渡状態を示す図である。
【図5】制御量の過渡状態を示す図である。
【図6】制御量及び参照制御量の過渡状態を示す図であ
る。
【図7】図1のコントローラの目標値追従性を示す図で
ある。
【図8】従来のIMCコントローラの目標値追従性を示
す図である。
【図9】図1のコントローラの目標値追従性を示す図で
ある。
【図10】従来のIMCコントローラの目標値追従性を
示す図である。
【図11】図1のコントローラの目標値追従性を示す図
である。
【図12】従来のIMCコントローラの目標値追従性を
示す図である。
【図13】図1のコントローラの目標値追従性を示す図
である。
【図14】従来のIMCコントローラの目標値追従性を
示す図である。
【図15】本発明の他の実施例を示すIMC構造のコン
トローラのブロック図である。
【図16】制御量の振動状態を示す図である。
【図17】制御量の振動状態を示す図である。
【図18】制御量の整定状態を示す図である。
【図19】図15のコントローラの目標値追従性を示す
図である。
【図20】図1のコントローラの目標値追従性を示す図
である。
【図21】本発明の他の実施例を示すIMC構造のコン
トローラのブロック図である。
【図22】図21のコントローラの目標値追従性を示す
図である。
【図23】従来のIMCコントローラの目標値追従性を
示す図である。
【図24】図21のコントローラの目標値追従性を示す
図である。
【図25】従来のIMCコントローラの目標値追従性を
示す図である。
【図26】本発明の他の実施例を示すIMC構造のコン
トローラのブロック図である。
【図27】図26のコントローラの目標値追従性を示す
図である。
【図28】図1のコントローラの目標値追従性を示す図
である。
【図29】図26のコントローラの目標値追従性を示す
図である。
【図30】図1のコントローラの目標値追従性を示す図
である。
【図31】本発明の他の実施例を示すIMC構造のコン
トローラのブロック図である。
【図32】図31のコントローラの目標値追従性を示す
図である。
【図33】図1のコントローラの目標値追従性を示す図
である。
【図34】図31のコントローラの目標値追従性を示す
図である。
【図35】図1のコントローラの目標値追従性を示す図
である。
【図36】従来のIMCコントローラを用いた制御系の
ブロック線図である。
【符号の説明】
9、9a 偏差変化量算出部 10 逐次変化率算出部 11、11a 第1の過渡状態検出部 12、12a 第2の過渡状態検出部 13、13a、13b 応答開始領域検出部 14 モデルゲイン算出部 15 ピーク制御量検出部 16 減衰判定部 17、17a、17b 整定判定部 18 過剰安定判定部 19 過剰安定ゲイン修正部 20 速応性モデルゲイン修正部 21 むだ時間誤差推定部 22 モデルむだ時間修正部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−363703(JP,A) 特開 平6−274203(JP,A) 特開 平7−182012(JP,A) Manfred Morari、外1 名、「Robust Process Cotrol」、米国、Prentic e Hall,Inc.、平成元年、 P.130−131 古田勝久、「最新のプロセス制御理論 の動向」、オートメーション、日刊工業 新聞社、平成2年12月1日、第35巻、第 12号、P.77−83 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G05B 13/00 - 13/04 JICSTファイル(JOIS)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御の目標値から制御対象プロセスに出
    力する操作量を演算し、制御対象プロセスを1次遅れと
    むだ時間の要素を有する伝達関数で表現した内部モデル
    にて制御結果である制御対象プロセスの制御量に相当す
    る参照制御量を演算し、制御量と参照制御量との差をフ
    ィードバックすることにより制御を行うIMC構造のコ
    ントローラにおいて、 入力された制御の目標値を伝達関数が時間遅れの特性で
    出力する目標値フィルタ部と、 この目標値フィルタ部の出力からフィードバック量を減
    算する第1の減算処理部と、 この第1の減算処理部の出力を伝達関数が時間遅れの特
    性で出力する目標値・外乱フィルタ部と、内部モデルの
    パラメータに基づいてむだ時間の要素を除いた前記内部
    モデルの伝達関数の逆数の特性により前記目標値・外乱
    フィルタ部の出力から操作量を演算して出力する操作部
    とからなる操作量演算部と、 前記内部モデルのパラメータを記憶する内部モデル記憶
    部と、 前記内部モデルのパラメータに基づいて1次遅れとむだ
    時間の要素を有する伝達関数の特性により前記操作量か
    ら参照制御量を演算する内部モデル出力演算部と、 制御対象プロセスの制御量から前記内部モデル出力演算
    部から出力された参照制御量を減算して前記フィードバ
    ック量を出力する第2の減算処理部と、 前記目標値と制御量との差である偏差及びこの偏差の変
    化量を算出する偏差変化量算出部と、 前記制御量の変化率及び参照制御量の変化率を算出する
    逐次変化率算出部と、 目標値変更による制御の過渡状態を検出すると過渡状態
    検出信号を出力する第1の過渡状態検出部と、 前記目標値変更以外の制御の過渡状態を検出すると過渡
    状態検出信号を出力する第2の過渡状態検出部と、 前記過渡状態検出信号が出力されると、前記制御量に過
    渡状態に応じた制御応答が現れ始める応答開始領域を過
    渡状態検出後の偏差に基づいて検出し、この応答開始領
    域における制御量の変化率を決定すると共に、前記参照
    制御量に過渡状 態に応じた制御応答が現れ始める応答開
    始領域を過渡状態検出後の参照制御量の変化率の経時変
    化に基づいて検出し、この応答開始領域における参照制
    御量の変化率を決定する応答開始領域検出部と、 前記応答開始領域における制御量の変化率及び参照制御
    量の変化率から内部モデルの修正ゲインを算出し前記内
    部モデル記憶部に記憶されたパラメータ中のゲインをこ
    の修正ゲインに変更させるモデルゲイン算出部とを有す
    ることを特徴とするコントローラ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のコントローラにおいて、 モデルゲイン算出部による内部モデルのゲイン修正後の
    制御量の変化率に基づいて制御量の極大値及び極小値を
    検出し、この検出時点の制御量をピーク制御量とするピ
    ーク制御量検出部と、 前記ピーク制御量に基づいて制御量の振動状態を評価
    し、振動の減衰が不十分と判定すると前記内部モデルの
    ゲイン修正を再度行わせるための再実行指示信号を応答
    開始領域検出部に出力する減衰判定部と、 偏差変化量算出部から出力された偏差及び偏差変化量に
    基づいて制御の整定状態を評価し、整定状態と判定する
    と次の過渡状態に備えて過渡状態の検出を再開させるた
    めの初期化信号を第1、第2の過渡状態検出部に出力す
    る整定判定部とを有することを特徴とするコントロー
    ラ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のコントローラにおいて、 偏差変化量算出部から出力された偏差及び偏差変化量に
    基づいて制御の過剰安定状態を評価し、過剰安定状態と
    判定すると修正指示信号を出力する過剰安定判定部と、 この修正指示信号が出力されると、過剰安定状態を解消
    するための内部モデルの修正ゲインを算出し内部モデル
    記憶部に記憶されたパラメータ中のゲインをこの修正ゲ
    インに変更させる過剰安定ゲイン修正部とを有すること
    を特徴とするコントローラ。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のコントローラにおいて、 偏差変化量算出部から出力された偏差及び偏差変化量に
    基づいて制御の整定状態を評価し、整定状態と判定する
    と修正指示信号を出力する整定判定部と、 この修正指示信号が出力されると、制御の速応性を回復
    するための内部モデルの修正ゲインを算出し内部モデル
    記憶部に記憶されたパラメータ中のゲインをこの修正ゲ
    インに変更させる速応性モデルゲイン修正部とを有する
    ことを特徴とするコントローラ。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のコントローラにおいて、 偏差変化量算出部から出力された偏差及び偏差変化量に
    基づいて制御の整定状態を評価し、整定状態と判定する
    と修正指示信号を出力する整定判定部と、 応答開始領域検出部から出力された応答開始領域の時間
    情報に基づいて内部モデルのむだ時間誤差を推定するむ
    だ時間誤差推定部と、 前記修正指示信号が出力されると、前記むだ時間誤差に
    基づいて内部モデルの修正むだ時間を算出し内部モデル
    記憶部に記憶されたパラメータ中のむだ時間をこの修正
    むだ時間に変更させるモデルむだ時間修正部とを有する
    ことを特徴とするコントローラ。
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