JP2928348B2 - パイプの複数凸部のバルジ成形方法及びその装置 - Google Patents

パイプの複数凸部のバルジ成形方法及びその装置

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JP2928348B2 JP2201826A JP20182690A JP2928348B2 JP 2928348 B2 JP2928348 B2 JP 2928348B2 JP 2201826 A JP2201826 A JP 2201826A JP 20182690 A JP20182690 A JP 20182690A JP 2928348 B2 JP2928348 B2 JP 2928348B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、パイプの複数凸部のバルジ成形装置及びこ
れを用いた方法に関する。
〔従来の技術〕
自動車の排気管,消音器の内部構造,排気マニホール
ド,吸気管等の各種部品にはパイプが使用されている。
このパイプは加工しないで使用されることもあるが、拡
管加工,バーリング孔開加工等の種々の加工が施されて
使用されたり、また、これに枝管やブラケット等の部品
を溶接して使用される。
例えば、第10図に示すように、パイプ101に、その軸
方向に沿って所定の間隔を隔てて、多数個のバーリング
孔102を形成する場合には、通常バーリング孔開加工が
採用されている。
また、第11図に示すように、パイプ101に、その軸方
向に沿って所定の間隔を隔てて、高さ寸法の大きい枝管
103を2個所突出させる場合には、例えば、バルジ成形
で、凸部を形成した後、凸部の頂部を孔開加工する。こ
こで、パイプ101に突出される枝管103の個数が2個に制
限されているのは、多数(3個以上)の凸部をパイプ10
1に突出させようとしても、その中央部分における凸部
には材料が入り難く、凸部の肉厚が減少し、品質の確保
が困難なためである。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、第12図に示すように、特に、パイプ101
に、その軸方向に沿って所定の間隔を隔てて、高さ寸法
の大きい枝管103を多数個所(3箇所以上)突出させよ
うとする場合(例えばエンジンのシリンダブロックに取
り付けられる排気マニホールドの枝管を成形しようとす
る場合)、上述のように、バーリング孔開加工では高さ
寸法が大きくとれず、成形困難である。また、バルジ成
形では、枝管103の個数が2個以下に制限されており、
従来におけるバーリング孔開加工,バルジ成形加工では
成形困難であった。なお、第12図のパイプ101に設けら
れる多数の枝管103は、先ず、第13図に示すように、バ
ルジ成形で、パイプ101に多数の凸部104を成形した後、
この凸部104の頂部114を孔開け加工することにより得ら
れる。
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたも
ので、その目的は、パイプに、その軸方向に沿って所定
の間隔を隔てて、特に高さ寸法の大きい枝管からなる凸
部を3個所以上に亘ってバルジ成形することができるパ
イプの複数凸部のバルジ成形装置及びこれを用いた方法
を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を達成するために、請求項1記載の発明は、
バルジ成形型を構成する2つ割りの型で形成したパイプ
用孔部内にセットされたパイプの内部に圧力媒体を入れ
て加圧するとともに、該パイプを両端より中央に向かっ
て押圧することにより、パイプに、その軸方向に沿って
所定の間隔を隔てて3個以上の凸部を1つのバルジ成形
型でバルジ成形するものであって、上記凸部のうち、1
または2の凸部からなる最中央帯を中心にその両側に対
称に位置する1対の凸部からなる帯を単位としてパイプ
両管端に向かって対称に1以上の帯に区分した場合にお
ける最中央帯の1または2の凸部に対応する形状の凹部
を、前記型に形成するとともに、最中央帯以外の帯にお
ける凸部に対応する部分には、それぞれパイプ用孔部に
連通する第1のシリンダ部を設け、この第1のシリンダ
部内に、パイプの外周面の位置にまで前進するかまたは
所定の後退位置に後退する第1のピストンを設け、さら
に、型内に、上記各第1のシリンダ部に連通してそれぞ
れ第2のシリンダ部を設け、この第2のシリンダ部内
に、パイプの軸線に対して第1のシリンダ部内外に平行
に移動してパイプの最中央帯以外の帯の凸部の頂部に対
応した前進位置に前進するかまたは第1のシリンダ部外
に後退する第2のピストンを設け、この第1のピストン
を、最中央帯の凸部を形成する際には最中央帯以外の帯
の凸部に対応する部分に対して、前進位置に位置させ、
最中央帯以外の帯の凸部が形成されない時のその帯の凸
部に対応する部分の第1のシリンダ部内を第1のピスト
ンにより充填状態にして、最中央帯以外の帯の凸部を形
成する時及び成形後は所定の後退位置に位置させ、一
方、第2のピストンを、第1のピストンが前進している
とき後退させ、第1のピストンが後退している時前進さ
せる制御手段を備えているものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のパイプの複数
凸部のバルジ成形装置において、第2のピストンは凸部
の頂部が形成される平坦面を有するものである。
請求項3記載の発明は、バルジ成形型を構成する2つ
割りの型で形成したパイプ用孔部内にセットされたパイ
プの内部に圧力媒体を入れて加圧するとともに、該パイ
プを両端より中央に向って押圧することにより、パイプ
にその軸方向に沿って所定の間隔を隔てて3個以上の凸
部を1つのバルジ成形型でバルジ成形するパイプの複数
凸部のバルジ成形方法であって、上記凸部のうち、1ま
たは2の凸部からなる最中央帯を中心に、その両側に対
称に位置する1対の凸部からなる帯を単位としてパイプ
を両管端に向って対称に1以上の帯を区分した場合にお
ける最中央帯の1または2の凸部に対応する凹部を、前
記型に形成するとともに、最中央帯以外の帯における凸
部に対応する部分には、それぞれパイプ用孔部に連通す
る第1のシリンダ部を設け、この第1のシリンダ部内
に、パイプの外周面の位置にまで前進するかまたは所定
の後退位置に後退する第1のピストンを設け、さらに、
型内に、上記第1のシリンダ部に連通してそれぞれ第2
のシリンダ部を設け、この第2のシリンダ部内に、凸部
の頂部を平坦にするための平坦面を有するとともに、パ
イプの軸線に対して第1のシリンダ部内外に平行に移動
してパイプの最中央帯以外の帯の凸部の頂部に対応した
前進位置に前進するかまたは第1のシリンダ部外に後退
する第2のピストンを設け、上記第1のピストンを、最
中央帯の凸部を形成する際には最中央帯以外の帯の凸部
に対応した部分に対して、前進位置に位置させ、最中央
帯以外の帯の凸部が形成されない時のその帯の凸部に対
応する部分の第1のシリンダ部内を第1のピストンによ
り充填状態にし、最中央帯以外の帯の凸部を形成する時
及び成形後は所定の後退位置に位置させ、一方、第2の
ピストンを、第1のピストンが前進しているとき後退さ
せ、第1のピストンが後退している時前進させる制御手
段の備えたパイプの複数凸部のバルジ成形装置を用い
て、上記の最中央帯以外の帯における凸部に対応する部
分において、それぞれパイプ用孔部に連通するように設
けられた第1のシリンダ部内の第1のピストンを前進さ
せて上記パイプの外周面の位置に位置させ、この状態を
維持しながら、パイプの内部に圧力媒体を入れて加圧す
ると共に、該パイプを両端より中央に向って押圧して、
最中央帯の1または2の凸部を形成し、次いで、上記第
1のシリンダ部内の第1のピストンを、パイプの外周面
の位置から後退させるとともに、上記第2のピストンを
第1のシリンダ部内の上記の最中央帯以外の帯の凸部の
頂部に対応した前進位置に前進させ、この状態を維持し
ながら、パイプの内部に圧力媒体を入れて加圧するとと
もに、該パイプを両端より中央に向って押圧して、最中
央帯以外の帯の凸部を形成することを特徴とするパイプ
をその軸方向に沿って所定の間隔を隔てて3個以上の凸
部を1つのバルジ成形型でバルジ成形するものである。
〔作用〕
請求項1記載の発明においては、1つのバルジ成形型
で、パイプの最中央帯の凸部が最初に成形される。その
際、制御手段により、ピストンは、最中央帯以外の帯の
凸部に対応する部分に対して前進位置に位置している。
これにより、最中央帯以外の帯における凸部は形成され
ず、パイプの最中央帯の凸部に円滑にパイプからなる材
料が流れる。
次いで、最中央帯以外の1つの帯における凸部が、最
中央帯からパイプ両管端に向って1つの帯毎に順々に形
成される。その際、制御手段により、いくつかのピスト
ンは、最中央帯以外の帯の凸部が形成されない時のその
帯の凸部にに対応する部分に対しては前進位置に位置し
ている。これにより、その帯における凸部は成形され
ず、最中央帯以外の帯の成形されるべき凸部に円滑にパ
イプからなる材料が流れる。
また、いくつかのピストンは、最中央帯以外の帯の凸
部を形成する時及び成形後は後退位置に位置している。
最中央帯以外の帯の成形されるべき凸部に円滑にパイプ
からなる材料が流れる。
そして、バルジ成形時には、第2のピストンが最中央
帯以外の帯の凸部の頂部に対応した前進位置に前進して
いるので、凸部の頂部は、第2のピストンに合致する形
状に成形される。
〔実施例〕
以下、図面により本発明の実施例について説明する。
第1図ないし第4図は本発明の第1実施例に係わるパ
イプの複数凸部のバルジ成形装置を示す。
第1図において、1は本実施例に係わるバルジ成形装
置で、第9図に示すパイプ101に、その軸方向に沿って
所定の間隔を隔てて高さ寸法の大きい凸部104A,104B,10
4Cを6個所に亘ってバルジ成形するものである。
バルジ成形装置1は、分離・結合自在の上型2,下型3
からなる1つのバルジ成形型4を有している。上型2,下
型3には、パイプ101をセットするパイプ用孔部5が形
成されている。
パイプ用孔部5の両端側には、パイプ101の両端面101
A,101Aに当接してパイプ101を軸方向に圧縮する一対の
成形押込みパンチ6,6がパイプ用孔部5内に挿入・抜出
し自在に配置されている。一方の成形押込みパンチ6に
は成形水ノズル6Aが形成されている。
第9図に示す上記一対の凸部104A,104B,104Cのうち、
2つの凸部104Aからなる最中央帯105を中心にその両側
に対称に位置する1対の凸部からなる帯を単位としてパ
イプ両管端に向かって対称に1以上の帯106,107に区分
した場合、後述の如く、最中央帯105の2つの凸部104A
が最初に成形され、次いで、最中央帯105の外側に隣接
する第2の帯106における2つの凸部104Bが成形され、
さらに、第2の帯106の外側に隣接する最外側の帯107に
おける2つの凸部104Cが成形されるが、前記上型2に
は、最中央帯105の2つの凸部104A,104Aに対応する形状
の凹部7,7が、形成されている。
そして、最中央帯105の外側に隣接する第2の帯106に
おける凸部104B,104Bに対応する部分には、垂直シリン
ダ部(第1のシリンダ部)8,8が設けられ、この垂直シ
リンダ部8,8は、それぞれパイプ用孔部5に連通してい
る。また、第2の帯106の外側に隣接する最外側の帯107
における凸部104C,104Cに対応する部分には、垂直シリ
ンダ部(第1のシリンダ部)9,9が設けられ、このシリ
ンダ部9,9は、それぞれパイプ用孔部5に連通してい
る。
各垂直シリンダ部8内に、パイプ101の軸線に対して
直角に移動し、パイプ101の外周面101Bの位置にまで前
進するかまたは所定の後退位置に後退する垂直ピストン
(第1のピストン)10が設けられている。
各垂直シリンダ部9内に、パイプ101の軸線に対して
直角に移動し、パイプ101の外周面101Bの位置にまで前
進するかまたは所定の後退位置に後退する垂直ピストン
11が設けられている。垂直ピストン10,11の先端には、
パイプ101の外周面101Bに合致する形状の当接面10A,11A
が形成されている。
上型2内に、上記各垂直シリンダ部8,8に連通してそ
れぞれ、水平シリンダ部(第2のシリンダ部)12,12が
設けられている。また、上型2内に、上記各垂直シリン
ダ部9,9に対応する部分にそれぞれ、水平シリンダ部
(第2のシリンダ部)13,13が設けられている。
各水平シリンダ部12内に水平ピストン14(第2のピス
トン)が設けられ、各水平シリンダ部13内に水平ピスト
ン15(第2のピストン)が設けられている。
水平ピストン14,15は、凸部104B,104Cの頂部が形成さ
れる平坦面14A,15Aを有し、パイプ101の軸線に対して水
平シリンダ部12,13内外に平行に移動して、パイプ101の
最中央帯105以外の帯105,106の凸部104B,104Cの頂部に
対応した前進位置に前進するかまたは水平シリンダ部1
2,13外に後退する。
制御手段(図示せず)により、上記の垂直ピストン1
0,11及び水平ピストン14,15の順次が以下の如く制御さ
れる。
即ち、第2図に示すように、垂直ピストン10,11は、
最中央帯105の2つの凸部104Aを形成する際には最中央
帯105以外の帯の凸部104B,104C(第9図図示)に対応す
る部分に対して前進位置に位置している。
また、第3図に示すように、垂直ピストン10は最中央
帯105の2つの凸部104Aの成形後に後退位置に位置し、
垂直ピストン11は前進位置に位置している。水平ピスト
ン14は、垂直ピストン10が後退している時前進してお
り、水平ピストン15は、垂直ピストン11が前進している
とき後退している。
さらに、第4図に示すように、垂直ピストン10,11は
後退位置に位置し、水平ピストン14,15は、前進してい
る。
なお、第1図中、16A,16Bは最中央帯105の2つの凸部
104Aの成形を検出する最中央帯の成形完了検出センサ、
17A,17Bは第2の帯106の2つの凸部104Bの成形を検出す
る第2の帯の成形完了検出センサ、18A,18Bは水平ピス
トン15の後退位置を検出する位置検出センサで、各セン
サからの信号は制御手段に伝達される。
しかして、パイプ101の内部に液体からなる圧力媒体
が圧送され、パイプ101を軸方向に圧縮しながら以下の
如くバルジ成形される。
第2図に示すように、最中央帯105の2つの凸部104A
が最初に成形される。凸部104Aは凹部7の形状に合致し
ている。その際、制御手段により、垂直ピストン10,11
には、最中央帯105以外の帯106,107の凸部104B,104Cに
対応する部分に対して前進位置に位置している。これに
より、最中央帯105以外の帯106,107における凸部104B,1
04Cは成形されず、パイプ101の最中央帯105の2つの凸
部104Aに円滑にパイプ101からなる材料が流れる。
次いで、第3図に示すように、最中央帯105の外側に
隣接する第2の帯106の2つの凸部104Bが成形される。
バルジ成形時には、各水平ピストン14が第2の帯106の
2つの凸部104Bの頂部に対応した前進位置に前進してい
るので、凸部104Bの頂部は、水平ピストン14の平坦面14
Aに押圧されて成形され、凸部104Bの頂部が平坦に形成
される。
その際、制御手段により、垂直ピストン11は、最外側
の帯107の2つの凸部104Cが形成されない時のその帯107
の2つの凸部104Cに対応する部分に対しては前進位置に
位置している。これにより、最外側の帯107における2
つの凸部104Cは成形されず、第2の帯106の成形される
べき2つの凸部104Bに円滑にパイプ101からなる材料が
流れる。
さらに、第4図に示すように、第2の帯106の外側に
隣接する最外側の帯107における2つの凸部104Cが成形
される。バルジ成形時には、各水平ピストン15が最外側
の帯107の2つの凸部104Cの頂部に対応した前進位置に
前進しているので、凸部104Cの頂部は、水平ピストン15
の平坦面15Aに押圧されて成形され、凸部104Cの頂部が
平坦に形成される。
その際、制御手段により、最中央帯105の2つの凸部1
04A,第2の帯106の2つの凸部104Bは既に成形されてい
るので、最外側の帯107の2つの凸部104Cに円滑にパイ
プ101からなる材料が流れる。
このようにして、第9図に示すパイプ101に、その軸
方向に沿って所定の間隔を隔てて高さ寸法の大きい凸部
104A,104B,104Cを6個所に亘ってバルジ成形される。こ
れらの凸部は、そのまま使用されたり、或いは、凸部の
頂部に孔開加工して枝管として使用される。
以上の如き構成によれば、第1に、パイプ101に、そ
の軸方向に沿って所定の間隔を隔てて、高さ寸法の大き
い凸部104A,104B,104Cを6個所に亘ってバルジ成形する
ことができる。
第2に、1つのバルジ成形型4にパイプをセットした
状態からなる1工程で、連続的に、高さ寸法の大きい凸
部104A,104B,104Cを6個所に亘ってバルジ成形すること
ができる。この場合、この凸部104A,104B,104Cの頂部を
平坦状に形成することができる。
第3に、バルジ成形型4は1個あれば良いので、バル
ジ成形型の4の必要個数を最小限にすることができる。
なお、本実施例においては、垂直ピストン10,11の先
端には、パイプ101の外周面101Bに合致する形状の当接
面10A,11Aが形成されているが、垂直ピストン10,11の先
端はかかる形状に限定されることはない。
また、本実施例においては、水平ピストン14,15は、
凸部104B,104Cの頂部が形成される平坦面14A,15Aを有し
ているが、かかる形状に限定されず種々の形状の面を有
することができる。
さらに、本実施例においては、パイプ101の内部に圧
送される圧力媒体として液体を使用しているが、圧力媒
体として、液体に限定されず、例えば、ゴム,粉体等を
使用することもできる。
そして、本実施例においては、パイプ101に、6箇の
凸部104A,104B,104Cを成形する場合について説明した
が、凸部の数は6箇所に限定されず、3個数以上の凸部
を成形しようとする場合について適用することができ
る。この場合、凸部の数が奇数の場合には、最中央帯の
凸部の数は1個となる。凸部の数が偶数の場合には、最
中央帯の凸部の数は2個となる。
第5図ないし第8図は本発明の第2実施例に係わるパ
イプの複数凸部のバルジ成形装置を示す。
第5図において、21は本実施例に係わるバルジ成形装
置で、第9図に示すパイプ101に、その軸方向に沿って
所定の間隔を隔てて高さ寸法の大きい凸部104A,104B,10
4Cを6箇所に亘ってバルジ成形するものである。
バルジ成形装置21は、分離・結合自在の上型22,下型2
3からなる1つのバルジ成形型24を有している。上型22,
下型23には、パイプ101をセットするパイプ用孔部25が
形成されている。
パイプ用孔部25の両端側には、パイプ101の両端面101
A,101Aに当接してパイプ101を軸方向に圧縮する一対の
成形押込みパンチ26,26がパイプ用孔部25内に挿入・抜
出し自在に配置されている。一方の成形押込みパンチ26
には成形水ノズル26Aが形成されている。
第9図に示す上記一対の凸部104A,104B,104Cのうち、
2つの凸部104Aからなる最中央帯105を中心にその両側
に対称に位置する1対の凸部からなる帯を単位としてパ
イプ両管端に向かって対称に1以上の帯106,107に区分
した場合、後述の如く、最中央帯105の2つの凸部104A
が最初に成形され、次いで、最中央帯105の外側に隣接
する第2の帯106における2つの凸部104Bが成形され、
さらに、第2の帯106の外側に隣接する最外側の帯107に
おける2つの凸部104Cが成形されるが、前記上型22に
は、最中央帯105の2の凸部104A,104Aに対応する形状の
凹部27,27が、形成されている。
そして、最中央帯105の外側に隣接する第2の帯106に
おける凸部104B,104Bに対応する部分には、垂直シリン
ダ部28,28が設けられ、この垂直シリンダ部28,28は、そ
れぞれパイプ用孔部25に連通している。また、第2の帯
106の外側に隣接する最外側の帯107における凸部104C,1
04Cに対応する部分には、垂直シリンダ部29,29が設けら
れ、このシリンダ部29,29は、それぞれパイプ用孔部25
に連通している。
各垂直シリンダ部28内に、パイプ101の軸線に対して
直角に移動し、パイプ101の外周面101Bの位置にまで前
進するかまたは凸部104Bの頂部に対応した後退位置に後
退する垂直ピストン30が設けられている。
各垂直シリンダ部29内に、パイプ101の軸線に対して
直角に移動し、パイプ101の外周面101Bの位置にまで前
進するかまたは凸部104Cの頂部に対応した後退位置に後
退する垂直ピストン31が設けられている。垂直ピストン
30,31の先端には、パイプ101の外周面101Bに合致する形
状の当接面30A,31Aが形成されている。
制御手段(図示せず)により、上記の垂直ピストン3
0,31の順次が以下の如く制御される。
即ち、第6図に示すように、垂直ピストン30,31は、
最中央帯105の2つの凸部104Aを形成する際には最中央
帯105以外の帯の凸部104B,104Cに対応する部分に対して
前進位置に位置している。
また、第7図に示すように、垂直ピストン30は、最中
央帯105の2つの凸部104Aの成形後及び第2の帯106の2
つの凸部104Bを成形する際に後退位置に位置し、垂直ピ
ストン31は前進位置に位置している。
さらに、第8図に示すように、垂直ピストン30,31
は、第2の帯106の2つの凸部104Bの成形後及び最外側
の帯107の2つの凸部104Cを成形する際に後退位置に位
置している。
なお、第5図中、32A,32Bは最中央帯105の2つの凸部
104Aの成形を検出する最中央帯の成形完了検出センサ、
33A,33Bは第2の帯106の2つの凸部104Bの成形を検出す
る第2の帯の成形完了検出センサ、34A,34Bは最外側の
帯107の2つの凸部104Cの成形を検出する最外側の成形
完了検出センサで、各センサからの信号は制御手段に伝
達される。
しかして、パイプ101の内部に液体からなる圧力媒体
が圧送され、パイプ101を軸方向に圧縮しながら以下の
如くバルジ成形される。
第6図に示すように、最中央帯105の2つの凸部104A
が最初に成形される。凸部104Aは凸部27の形状に合致し
ている。その際、制御手段により、垂直ピストン30,31
は、最中央帯105以外の帯106,107の凸部104B,104Cに対
応する部分に対して前進位置に位置している。これによ
り、最中央帯105以外の帯106,107における凸部104B,104
Cは成形されず、パイプ101の最中央帯105の2つの凸部1
04Aに円滑にパイプ101からなる材料が流れる。
次いで、第7図に示すように、最中央帯105の外側に
隣接する第2の帯106の2つの凸部104Bが成形される。
その際、制御手段により、垂直ピストン31は、最外側の
帯107の2つの凸部104Cが形成されない時のその帯107の
2つの凸部104Cに対応する部分に対しては前進位置に位
置している。これにより、最外側の帯107における2つ
の凸部104Cは成形されず、第2の帯106の成形されるべ
き2つの凸部104Bに円滑にパイプ101からなる材料が流
れる。
さらに、第8図に示すように、第2の帯106の外側に
隣接する最外側の帯107における2つの凸部104Cが成形
される。その際、制御手段により、垂直ピストン30,31
は、後退位置に位置している。従って、最外側の帯107
の2つの凸部104Cに円滑にパイプ101からなる材料が流
れる。
このようにして、第9図に示すパイプ101に、その軸
方向に沿って所定の間隔を隔てて高さ寸法の大きい凸部
104A,104B,104Cを6個所に亘ってバルジ成形される。こ
れらの凸部は、そのまま使用されたり、或いは、凸部の
頂部に孔開加工して枝管として使用される。
以上の如き構成によれば、第1実施例の第1,第3の効
果と同様の効果を奏するとともに、1つのバルジ成形型
24にパイプをセットした状態からなる1工程で、連続的
に、高さ寸法の大きい凸部104A,104B,104Cを6個所に亘
ってバルジ成形することができる。この場合において、
この凸部104A,104B,104Cの頂部を湾曲状に形成すること
ができる。
なお、本実施例においては、垂直ピストン30,31の先
端には、パイプ101の外周面101Bに合致する形状の当接
面30A,31Aが形成されているが、垂直ピストン30,31の先
端はかかる形状に限定されることはない。
また、本実施例においては、パイプ101の内部に圧送
される圧力媒体として液体を使用しているが、圧力媒体
として、液体に限定されず、例えば、ゴム,粉体等を使
用することもできる。
さらに、本実施例においては、パイプ101に、6箇の
凸部104A,104B,104Cを成形する場合について説明した
が、凸部の数は6箇所に限定されず、3個数以上の凸部
を成形しようとする場合について適用することができ
る。この場合、凸部の数が奇数の場合には、最中央帯の
凸部の数は1個となる。凸部の数が偶数の場合には、最
中央帯の凸部の数は2個となる。
〔発明の効果〕
以上述べたように、請求項1ないし請求項3記載に係
る発明によれば、バルジ成形型は1個あれば良いので、
バルジ成形型の必要個数を最小限にすることができると
共に、第2のピストンが設けられているので、凸部の頂
部を、第2のピストンに沿った形状に成形することがで
きるという効果を奏する。第2のピストンが設けられて
いるので、凸部の頂部を、第2のピストンに沿った形状
に成形することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例に係わるパイプの複数凸部
のバルジ成形装置の断面図である。 第2図ないし第4図は同実施例の作用状態説明図であ
る。 第5図は本発明の第2実施例に係わるパイプの複数凸部
のバルジ成形装置の断面図である。 第6図ないし第8図は同実施例の作用状態説明図であ
る。 第9図は上記実施例でバルジ成形されるべき高さ寸法の
大きい凸部を多数個有するパイプの一部断面側面図であ
る。 第10図は高さ寸法の小さい枝管を多数個有するパイプの
一部断面側面図である。 第11図は高さ寸法の大きい枝管を2個有するパイプの一
部断面側面図である。 第12図は高さ寸法の大きい枝管を多数個有するパイプの
一部断面側面図である。 第13図は高さ寸法の大きい凸部を多数個有するパイプの
一部断面側面図である。 〔主要な部分の符号の説明〕 1…バルジ成形装置 2…上型 3…下型 4…バルジ成形型 5…パイプ用孔部 7…凹部 21,9…垂直シリンダ部(第1のシリンダ部) 10,11…垂直ピストン(第1のピストン) 12,13…水平シリンダ部(第2のシリンダ部) 14,15…水平ピストン(第2のピストン) 104A,104B,104C…凸部 105…最中央帯 106…第2の帯 107…最外側の帯。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バルジ成形型を構成する2つ割りの型で形
    成したパイプ用孔部内にセットされたパイプの内部に圧
    力媒体を入れて加圧するとともに、該パイプを両端より
    中央に向かって押圧することにより、パイプに、その軸
    方向に沿って所定の間隔を隔てて3個以上の凸部を1つ
    のバルジ成形型でバルジ成形するものであって、上記凸
    部のうち、1または2の凸部からなる最中央帯を中心に
    その両側に対称に位置する1対の凸部からなる帯を単位
    としてパイプ両管端に向かって対称に1以上の帯に区分
    した場合における最中央帯の1または2の凸部に対応す
    る形状の凹部を、前記型に形成するとともに、最中央帯
    以外の帯における凸部に対応する部分には、それぞれパ
    イプ用孔部に連通する第1のシリンダ部を設け、この第
    1のシリンダ部内に、パイプの外周面の位置にまで前進
    するかまたは所定の後退位置に後退する第1のピストン
    を設け、さらに、型内に、上記各第1のシリンダ部に連
    通してそれぞれ第2のシリンダ部を設け、この第2のシ
    リンダ部内に、パイプの軸線に対して第1のシリンダ部
    内外に平行に移動してパイプの最中央帯以外の帯の凸部
    の頂部に対応した前進位置に前進するかまたは第1のシ
    リンダ部外に後退する第2のピストンを設け、この第1
    のピストンを、最中央帯の凸部を形成する際には最中央
    帯以外の帯の凸部に対応する部分に対して、前進位置に
    位置させ、最中央帯以外の帯の凸部が形成されない時の
    その帯の凸部に対応する部分の第1のシリンダ部内を第
    1のピストンにより充填状態にし、最中央帯以外の帯の
    凸部を形成する時及び成形後は所定の後退位置に位置さ
    せ、一方、第2のピストンを、第1のピストンが前進し
    ているとき後退させ、第1のピストンが後退している時
    前進させる制御手段を備えていることを特徴とするパイ
    プの複数凸部のバルジ成形装置。
  2. 【請求項2】第2のピストンは凸部の頂部が形成される
    平坦面を有することを特徴とする請求項1記載のパイプ
    の複数凸部のバルジ成形装置。
  3. 【請求項3】バルジ成形型を構成する2つわりの型で形
    成したパイプ用孔部内にセットされたパイプの内部に圧
    力媒体を入れて加圧するとともに、該パイプを両端より
    中央に向って押圧することにより、パイプにその軸方向
    に沿って所定の間隔を隔てて3個以上の凸部を1つのバ
    ルジ成形型でバルジ成形するパイプの複数凸部のバルジ
    成形方法であって、 上記凸部のうち、1または2の凸部からなる最中央帯を
    中心に、その両側に対称に位置する1対の凸部からなる
    帯を単位としてパイプを両管端に向って対称に1以上の
    帯を区分した場合における最中央帯の1または2の凸部
    に対応する凹部を、前記型に形成するとともに、最中央
    帯以外の帯における凸部に対応する部分には、それぞれ
    パイプ用孔部に連通する第1のシリンダ部を設け、この
    第1のシリンダ部内に、パイプの外周面の位置にまで前
    進するかまたは所定の後退位置に後退する第1のピスト
    ンを設け、さらに、型内に、上記第1のシリンダ部に連
    通してそれぞれ第2のシリンダ部を設け、この第2のシ
    リンダ部内に、凸部の頂部を平坦にするための平坦面を
    有するとともに、パイプの軸線に対して第1のシリンダ
    部内外に平行に移動してパイプの最中央帯以外の帯の凸
    部の頂部に対応した前進位置に前進するかまたは第1の
    シリンダ部外に後退する第2のピストンを設け、上記第
    1のピストンを、最中央帯の凸部を形成する際には最中
    央帯以外の帯の凸部に対応した部分に対して、前進位置
    に位置させ、最中央帯以外の帯の凸部が形成されない時
    のその帯の凸部に対応する部分の第1のシリンダ部内を
    第1のピストンにより充填状態にし、最中央帯以外の帯
    の凸部を形成する時および成形後は所定の後退位置に位
    置させ、一方、第2のピストンを、第1のピストンが前
    進しているとき後退させ、第1のピストンが後退してい
    る時前進させる制御手段の備えたパイプの複数凸部のバ
    ルジ成形装置を用いて、 上記の最中央帯以外の帯における凸部に対応する部分に
    おいて、それぞれパイプ用孔部に連通するように設けら
    れた第1のシリンダ部内の第1のピストンを前進させて
    上記パイプの外周面の位置に位置させ、この状態を維持
    しながら、パイプの内部に圧力媒体を入れて加圧すると
    ともに、該パイプを両端より中央に向って押圧して、最
    中央帯の1または2の凸部を形成し、 次いで、上記第1のシリンダ部内の第1のピストンを、
    パイプの外周面の位置から後退させるとともに、上記第
    2のピストンを第1のシリンダ部内の上記の最中央帯以
    外の帯の凸部の頂部に対応した前進位置に前進させ、こ
    の状態を維持しながら、パイプの内部に圧力媒体を入れ
    て加圧すると共に、該パイプを両端より中央に向って押
    圧して、最中央帯以外の帯の凸部を形成することを特徴
    とするパイプをその軸方向に沿って所定の間隔を隔てて
    3個以上の凸部を1つのバルジ成形型でバルジ成形する
    パイプの複数凸部のバルジ成形方法。
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