JP2927210B2 - 障子の引き寄せロック装置 - Google Patents

障子の引き寄せロック装置

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JP2927210B2
JP2927210B2 JP15732495A JP15732495A JP2927210B2 JP 2927210 B2 JP2927210 B2 JP 2927210B2 JP 15732495 A JP15732495 A JP 15732495A JP 15732495 A JP15732495 A JP 15732495A JP 2927210 B2 JP2927210 B2 JP 2927210B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、引戸を備えた開口部
において、閉じた位置の障子(引戸)を開口枠あるいは
他の障子に押付け、障子と開口枠あるいは他の障子との
間を密封し、かつ、施錠する障子の引き寄せロック装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】引戸では強風時にガタついたり、障子が
撓んで、障子どうしの召し合わせ部や障子と開口枠との
接触部箇所に生じた間隙から雨風が吹き込み易くなる。
このため大きな寸法の障子を有する開口部では、障子の
上部と下部に押圧による引き寄せ装置を配置すると共
に、中間部に引き寄せを兼ねたロック装置を配置し、障
子を片側で3点ないし、4点の引き寄せを行うようにな
っている。
【0003】図4は、このような障子の引き寄せロック
装置の一例で、開口枠1に装着された障子2の竪框3の
内部に装着されており、上下の引寄せ装置4(a,
b)、中間部に配置された2つのロック装置5(a,
b)およびハンドル6を有し、引寄せ装置4とロック装
置5はハンドル6と上下の連動杆7(a,b)で結合さ
れている。図2は、障子2が閉じ位置にあって、ハンド
ル6が手前に引かれ、障子2がすでに引き寄せられて施
錠された状態にある。
【0004】すなわち、この構造ではハンドル6を手前
に引くと、ピニオン8が回動されて上連動杆7aが下方
へ、一方、下連動杆7bが上方へ背反して移動される。
これによって引寄せ装置4の係合爪9は軸10を中心に
回動して破線位置から屋外側に移動し、先端部を開口枠
1の横枠に設けた固定部11に突き当てる。さらにこの
背反移動が進むと、係合爪9は固定部11との接触点を
支点にして障子2を屋内側に移動させる。この移動は、
まず、障子2が開口枠1に接触するまでの寄せ作動と接
触した後、さらに接触を強めるための密着作動で行われ
る。これによって、障子3の上部と下部が開口枠1側に
押付けられ、引き寄せ状態となる。
【0005】同時に、ロック装置5の係合アーム12も
破線位置から実線位置に回動され、係合アーム12先端
の係合部13(ローラー)が、開口枠1に固定された円
弧状の受け具14に接触する。これによって、障子2の
中間部も開口枠1側に引き寄せられ、かつ、係合部13
を介した係合アーム12と受け具14との係合によって
施錠される。
【0006】なお、デザイン上の理由でハンドル6の回
転軸はロック装置5(a,b)の一つと同軸に配置され
ることが多いが、構造が複雑になるので、図2では別に
配置して示している。また、連動杆7(a,b)を上下
に背反運動させる構造もラックとピニオン構造に限らな
い。
【0007】このように、1個のハンドル6を引くだけ
で障子2の引き寄せと施錠が可能となっているのである
が、引寄せ装置4における係合爪9の押圧作動とロック
装置5における係合アーム12の施錠作動との調整が難
しく、寄せ作動が十分に行われる前に係合アーム12先
端の係合部13が受け具14との接触位置に到達したり
すると、係合部13が受け具14の始端部に衝突してそ
れ以上の引き寄せや施錠を不可能にする。この状態にな
っているにかかわらず、無理にハンドル6を回動すると
引寄せ装置4、ロック装置5あるいはハンドル6などの
個所で変形や破損が生じる。
【0008】また、引寄せ装置4によって、障子2はす
でに密着状態にまで引き寄せられているのに、係合アー
ム12の回動の遅れから、ロック装置5の個所において
さらに障子2を引き寄せようとする時も同様に引寄せ装
置やロック装置に過大な力が作用する。さらに、引寄せ
装置における寄せ作動、密着作動とロック装置における
ロック作動がタイミング良く行われても、正確なロック
位置でハンドルを停止する事が難しく、正しいロック位
置の手前であったり、行き過ぎた位置であったりするこ
とが多い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、引寄せ装
置とロック装置を有する障子の引き寄せロック装置に関
し、各部の作動に過大な力が作用することなく、破損や
変形の恐れを少なくすること、正確なロック位置でハン
ドル操作を停止できるようにすることを課題とする。ま
た、操作が軽く確実なロック装置の提供を課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】障子の引寄せ装置と障子
のロック装置およびハンドルを備える。引寄せ装置およ
びロック装置はハンドルと連動杆で結合される。連動杆
は上下方向に両端の間隔をd1とした凹部が設けられ、
距離d1 を係合爪の寄せ作動に必要な連動杆の移動距離
とし、凹部の一方の端縁によってロック装置のロック方
向作動が駆動される構成とする。
【0011】引寄せ装置はハンドルによって回動される
係合爪が開口枠を形成する横枠の固定部を支点として障
子を屋内側(枠側)に移動させる寄せ作動と、これに続
き障子を枠に密着させる密着作動を行うものとする。ロ
ック装置はハンドルによって回動される係合アーム先端
の係合部が竪枠または隣接する障子の竪框に固定された
受け具に沿って移動するものとする。ハンドル操作によ
るロック装置のロック方向作動は、引寄せ装置の寄せ作
動の後に行われる配置とする。
【0012】障子のロック装置は、係合アームと受け具
および連動杆とハンドルを備えるものとする。係合アー
ムは障子に回動自在に取り付けられると共に一端に当接
部を他端に係合部を有する。受け具は引寄せ面を有して
竪枠または竪框に取付けられ、連動杆は上下方向の凹部
を有してハンドルと共に障子側に配置される。ハンドル
と係合アームは連動杆で、係合アームの当接部を連動杆
の凹部における両端の端縁間に配置し、他端の係合部を
受け具の引寄せ面に接触させて、結合される。次の構成
を採用することがある。。係合アームの取付け部に、係
合アームの回動範囲を定めるストッパーが設けられ、こ
れによってハンドルの操作範囲が規定されている構成。
【0013】
【作用】引寄せ装置は、障子の上部および下部を開口枠
側に移動させ(引き寄せ)密着させる。ロック装置は、
障子の上下方向中間部を開口枠側に移動させ、かつ、障
子を開口枠に施錠する。ハンドル操作によるロック装置
のロック方向作動を引寄せ装置の寄せ作動の後とした構
成は引寄せ装置による障子の引き寄せが完了する前にロ
ック装置が回動して、引寄せ装置による密着作動とロッ
ク装置によるロック作動のタイミングがずれてしまうこ
とを防止する。
【0014】
【実施例】図1は、障子の引き寄せロック装置の第1の
実施例を示している。図1において、開口枠1に装着さ
れた障子2は閉じ位置にあって(図3)、ハンドル6が
手前に引かれ、障子2がすでに引き寄せられて施錠され
た状態にある。引き寄せロック装置は、障子2の竪框3
の内部に装着されており、上下の引寄せ装置4(a,
b)、上下方向の中間部に配置された2つのロック装置
5(a,b)およびハンドル6を有する。ハンドル6と
引寄せ装置4(a,b)およびロック装置5(a,b)
は上下の連動杆7(a,b)で結合されている。なお、
符号43は竪框3の背面(屋内側)に重合している中柱
(後述)を示している。
【0015】上部の引寄せ装置4aは障子2側の係合爪
9aと開口枠1の固定部11aで構成される。係合爪9
aは全体として円弧状をしたレバーの形をしており、中
央部で軸10により竪框3に軸着され、屋内外方向に回
動可能とされている。係合爪9aの先端は開口枠1から
外周側に突出可能で、下部の屋外側面は連動杆7aの先
端に取り付けたカムローラ15aが当接するカム面とな
っている。係合爪9は、常時は重量バランスによって鎖
線の位置に退避しており、開口枠1の上面から突出して
いないが、カムローラ15aが下方へ直線移動すると係
合爪9aは左に回動されて先端が開口枠1から突出して
屋外方向に移動する。
【0016】固定部11aは開口枠1における上横枠1
aと一体に内周側に突出して形成されており、係合爪9
aの先端部が突出する位置と対応している。下部の引寄
せ装置4bは、上部の引寄せ装置4aと配置が上下対象
となるが、同様の構造である。同じ機能の部品に付加記
号a,bを付けて区別した同じ符号を用いることとし、
詳細な説明を省略する。
【0017】ハンドル6は竪框3の定位置に回動可能に
軸着されており、この軸16に取付けられた駆動ギア1
7にやはり竪框3の定位置に軸着されたピニオン8に噛
合している。ピニオン8には両側にラック18(a,
b)が噛合され、ハンドル6の回動で上下方向に背反運
動するようになっている。そして、ラック18aに上連
動杆7aが、ラック18bに下連動杆7bがそれぞれ結
合されている。連動杆7(a,b)の途中には凹部19
を設けたスライド板20がそれぞれ取付けられている。
凹部19は上側縁21aと下側縁21bを有し、その間
隔はd1 である。
【0018】上方のロック装置5aは、基板22に受け
具14を一体に設けた固定側金物23と係合アーム12
を備える。固定側金物23は開口枠1または今一つの障
子の召し合わせ側框(固定側部材)の屋内外方向の見込
み方向壁に基板22で固定されており、受け具14は基
板22から半円形に隆起し、円弧周面がカム面となって
いる。係合アーム12は軸24で障子2の竪框3(召し
合わせ框)における屋内外方向の見込み方向壁に回動可
能に軸着されており、屋外側端に当接部25が、また、
屋内側端に係合部13(ローラー)が軸着されている。
この構造は下方のロック装置5bでも同じである。
【0019】今、障子2を閉じた直後の状態でハンドル
6は屋外側に押し込まれ、引き寄せが行われていないと
すると、連動杆7aにおけるスライド板20は図3
(イ)の状態にあり、引寄せ装置4aの係合爪9aはカ
ムローラー15が上方に移動しているので自重により先
端部が破線位置にあって、開口枠1の固定部11から退
避している。また、ロック装置5aにおいて当接部25
は上方へ引上げられて係合アーム12は右回転した状態
にある。下方の連動杆7bにおけるスライド板20と下
方の引寄せ装置4bの係合爪9bおよび下方のロック装
置5bにおける係合アーム12についても方向が異なる
だけで同じ状態である。
【0020】この状態において、ハンドル6を手前に引
くと、ピニオン8が回動されて上連動杆7aが下方へ、
一方、下連動杆7bが上方へ移動される。これによって
上方の引寄せ装置4aの係合爪9aは軸10を中心に回
動して破線位置から屋外側に移動し、先端部を開口枠1
の固定部11aに突き当てる。さらに上連動杆7aが下
方へ、下連動杆7bが上方へ移動されると、係合爪9a
は固定部11との接触点を支点にして障子3を屋内側に
移動させる。この移動は、まず、障子3が開口枠1に接
触するまでの寄せ作動と、接触した後さらに接触を強め
るための密着作動からなる。これによって、障子3の上
部と下部が開口枠1側に押付けられ、引き寄せが行われ
【0021】なお、上連動杆7aによる上部引寄せ装置
4aと上方のロック装置5aの作動と、下連動杆7bに
よる下部引寄せ装置4bと下方のロック装置5bの作動
は、上下で対象となるだけなので、以下、上連動杆7a
による作動を中心に説明する。
【0022】上連動杆7aが下方へ移動されることによ
って同時に、スライド板20も下降し、まず距離d1 だ
け下降して凹部19の上側縁21aが係合アーム12の
当接部25に当接する(図3イ→ロ)。この間に引寄せ
装置4aでは寄せ作動が行われ、終了する。ついで、さ
らに連動杆7aが下方に移動されるとスライド板20の
上側縁21aが当接部25を押し下げ、係合アーム12
を破線位置から実線位置へと左回転させる。すると、係
合アーム12の屋内側端に取り付けた係合部13が受け
具14の引寄せ面に沿って移動し、引寄せ面の円弧状膨
らみによって障子中央部の引き寄せとロックが行われる
(ロック方向作動 図3ロ→ハ)。この間に引寄せ装置
4aでは密着作動が行われ、障子2は全体が開口枠1の
竪枠あるいは隣接する障子の竪框(召し合わせ框)とに
密着される。
【0023】この作動において、ロック装置5aの係合
アーム12が回動されるとき、障子2は上部と下部の引
寄せ装置4(a,b)によって開口枠1側に引き寄せら
れており、係合アーム12の係合部13が受け具14の
端部に衝突したりすることなく、スムーズに引寄せ面に
案内される。一方、引寄せ装置4aにおける係合爪9a
も係合アーム12の係合部13がスムーズに引寄せ面に
案内されることによって、スムーズに密着作動に移行
し、引寄せ装置4やロック装置5あるいはハンドル6に
過大な力が作用することはない。
【0024】障子2の引き寄せロック状態を解除するに
は、屋内側に引いてあるハンドル6を屋外側に押し込
む。すると、連動杆7aは上動し、図3(ハ)の状態か
ら、同(ニ)の状態にスライダー20が距離d1 を移動
する。この間に引寄せ装置4aでは密着解除が行われる
がロック装置5aは駆動されない。さらにハンドル6を
屋外側に移動すると当接部25が押し上げられ、図3
(イ)の状態に戻る。係合アーム12は右回転して係合
部13が受け具14の引寄せ面から外れ、また、連動杆
7a先端のカムローラ15も十分に上方へ移動する。こ
れによって、障子2は開口枠1から自由になり、係合爪
9aは自重で右回転して上横枠1aの固定部11から退
避し、障子2の開閉作動に支障となることはない。
【0025】図5〜図12は、ロック装置5(a,b)
に関する第2の実施例を示す。このロック装置5(a,
b)は、図5及び図6に示すように、スライド板20に
形成される凹部19と、凹部19に嵌合されると共に、
凹部19の端縁に押圧されて回動する当接部25と、当
接部25と共に回動する係合アーム12と、開口枠1側
の屋内外見込み方向壁に取り付けられる受け具23とか
ら構成される。
【0026】スライド板20の屋内側縁に凹部19が形
成され、凹部19の上方及び下方においてスライド板2
0の一側面にガイド突起26,26が形成される。ま
た、凹部19及びガイド突起26,26が形成された部
分においてスライド板20の一側面にガイド板27が重
合され、図5に示すように、ガイド板27に穿設された
ガイド長孔28,28にガイド突起26,26が挿通さ
れている。図7及び図8に示すように、ガイド板27の
上下両端部に抱持部29が折り返して形成され、抱持部
29とガイド板本体27aとの間にスライド板20が上
下方向で摺動自在に挿通される。そして、スライド板2
0が上下動するとガイド突起26がガイド長孔28内を
摺動するようになっている。
【0027】さらに、図6に示すように、ガイド板27
の一側面及び他側面にそれぞれ取り付け板30及び支持
板31が重合され、取り付け板30、支持板31,ガイ
ド板27及びその抱持部29がビス32で接合されてい
る。取り付け板30は、その上下寄りがスライド板20
と逆側に向けて屈曲され、2段の突部とされたこの屈曲
部33,33の頂部にそれぞれ固定孔34が穿設されて
いる。そして、取り付け板30は、屈曲部33を竪框3
の内面に当接すると共に固定孔34を介して固定され
る。このため、スライド板20が摺動しても取り付け板
30、支持板31及びガイド板27は移動することがな
い。
【0028】支持板31は、その高さ方向中央部が取り
付け板30及びガイド板27と逆側に屈曲されて回転板
支持凸部35が形成され、回転板支持凸部35の内部に
回転板36が収納されている。回転板支持凸部35の略
中央に支持孔37が穿設され、この支持孔37に回転板
36の軸24が回動自在に挿通されるようになってい
る。また、回転板支持凸部35の内面において支持孔3
7の上下両側にストッパー38が切り起こして突設さ
れ、該ストッパー38によって回転板36の回動範囲が
規制されるようになっている。
【0029】回転板35は、図9及び図10に示すよう
に、先端部の下縁が大きく斜めに切り欠かれており、そ
のスライド板20側面の軸24寄りに当接部25が設け
られている。そして、回転板36の上下縁が上下のスト
ッパー38に当接するまで回転すると、軸24は略90
度回動するようになっている(図5)。
【0030】回転板36に設けられた当接部25はスラ
イド板20の凹部19内に挿入され、回転板36の上縁
が上方のストッパー38に当接している時は、当接部2
5が凹部19の下側縁21bに当接している。ハンドル
6が操作されてスライド板20が下方に移動し、引寄せ
装置4(a,b)における寄せ作動が終了して凹部19
の上側縁が当接部25に当接した時点から回転板36が
回転を開始する。回転板36の下縁が下方のストッパー
38に当接して停止すると、この時点で引寄せ装置4
(a,b)の密着作動は終了しており、凹部19の上端
縁が当接部25に当接してスライド板20の摺動が停止
する。
【0031】軸24は矩形断面を有し、回転板36の上
下縁が上下両側のストッパー38に当接している時、軸
24の対向する一対の側面がスライド板20の軸方向と
平行になるよう、すなわち高さ方向に沿うように配置さ
れている。軸24は、ガイド板27、取り付け板30及
び竪框3の内周側面を貫通し、竪框3の外部において中
空のケース39の内部に収納されている(図11)。ケ
ース39は取り付けフランジ40で竪框3の内周側面に
固定されている。ケース34の内部に複数枚(図に示す
実施例では6枚)の板バネ41が軸24を挟むように配
置され、軸24が90°の回転毎に板バネ41によって
その位置が保持され安定するようにされている。
【0032】竪框3の外部において、軸24の先端部に
引き寄せロックアーム42の基端が一体に接合される。
引き寄せロックアーム42は、回転板36が上方のスト
ッパー38に当接するとき垂直姿勢とされ、回転板36
が下方のストッパー38に当接するとき水平姿勢となる
ように、回転板36の長手方向軸線に対して約135°
の角度をもって固定配置されている。また、引き寄せロ
ックアーム42の先端には、係合部13が装着される。
すなわち、回転軸36と引き寄せロックアーム42は軸
24を介して一体とされており、係合アーム12を構成
している(図11)。
【0033】固定側金物23は、開口部1の嵌殺し部を
区画する中柱43(図2)の屋内外方向の見込み方向壁
面に基板22で取り付けられており、半円形の受け具1
4を有している。第2の実施例の他の構成は第1の実施
例の場合とほぼ同様であって、障子の引き寄せロックに
関する作動もほぼ同様なので説明を省略する。
【0034】以上は実施例であり、本発明は図示された
具体的構成に限定されない。ロック装置5(a,b)
は、斜面を備えた回転爪の係合によって引き寄せとロッ
クを行うクレセント型のものでも良い。ロック装置5
(a,b)の係合アーム12を竪框3の内部に配置し、
ハンドル6によって、竪框3の屋内側面に設けた窓孔か
ら出没させる様にしても良い。また、この際、受け具1
4を有する固定側金具23も開口枠1側の中空部材(中
柱43)の内部に収めてロック装置5(a,b)を外部
から目立たない様にすることもできる。
【0035】障子2の上下方向で中間に配置するロック
装置5(a,b)は一個の場合もあれば2個以上のこと
もある。一枚の引戸(障子)を中央にして両側を嵌殺し
とした開口部について説明したが、可動の障子を備えた
他の形態の開口部のこともある。
【0036】ロック装置5(a,b)における係合アー
ム12の軸24とハンドル6の回転軸の位置を異ならせ
たものについて説明したが、係合アーム12の回転を遅
らせるカム機構を配置することによって、両軸を同心の
二重軸として構成することもできる。この場合、ハンド
ル6の位置とロック装置5a(または5b)の位置が一
致するので、開口部のデザインをすっきりとしたものに
できる。
【0037】
【発明の効果】請求項1に記載の構成によれば、引寄せ
装置による寄せ作動の後にロック装置のロック作動が行
われるので、引寄せ装置による密着作動およびロック作
動への移行が滑らかで、引寄せ装置やロック装置および
これらを駆動するためのハンドル部分に変形や破損の生
じることがほとんどない。障子の上部および下部に設け
た引寄せ装置による引き寄せと障子の上下方向中間部に
設けた引き寄せ機能を有するロック装置によって、上下
寸法の大きな障子であっても強風時のガタや隙間の発生
を防止することができる。
【0038】連動杆に凹部を形成することによって、引
寄せ装置の寄せ作動の後にロック装置のロック作動を行
わせるための作動遅延機構を簡単な構造で得ることがで
きる。ロック状態を解除するとき、凹部の寸法d1 によ
って、引寄せ装置による密着状態の解除をロック装置の
ロック解除作動に対して先行させ、密着状態の解除とロ
ック解除作動が重なるためにハンドル操作が重くなるこ
とを避けることができる。
【0039】請求項2に記載の構成によれば、連動杆に
設けた凹部によって、ハンドル操作の当初抵抗が小さ
く、ハンドルを軽快に、かつ、確実に操作することがで
きる。また、連動杆の端部に引寄せ装置を付けると、一
度のハンドル操作で障子の引寄せとロックを同時に行う
ことができる。請求項3に記載の構成によれば、ストッ
パーによって、ハンドルの操作範囲が規定されるので、
開口枠に対する障子のロック状態および解除状態を常に
正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】機構的に示した障子の引き寄せロック装置(第
1の実施例)。
【図2】開口部の外部から見た正面図。
【図3】(イ)(ロ)(ハ)(ニ)は要部の作動を順次
に示した正面図。
【図4】機構的に示した障子の引き寄せロック装置(従
来例)。
【図5】要部の正面図(第2の実施例)。
【図6】軸を省略して示す側面図。
【図7】ガイド板の平面図。
【図8】ガイド板の側面図。
【図9】回転板の正面図。
【図10】回転板の側面図。
【図11】一部を断面で示すロック装置の平面図。
【図12】ロック装置の正面図。
【符号の説明】 1 開口枠 2 障子 3 竪框 4 引寄せ装置 5 ロック装置 6 ハンドル 7 連動杆 8 ピニオン 9(a,b) 係合爪 10 軸 11(a,b) 固定部 12 係合アーム 13 係合部 14 受け具 15(a,b) カムローラー 16 軸 17 駆動ギア 18 ラック 19 凹部 20 スライド板 21a 上側縁 21b 下側縁 22 基板 23 固定側金物 24 軸 25 当接部 26 ガイド突起 27 ガイド板 28 ガイド長孔 29 抱持部 30 取付け板 31 支持板 32 ビス 33 屈曲部 34 固定孔 35 回転支持凸部 36 回転板 37 支持孔 38 ストッパー 39 中空ケース 40 取付けフランジ 41 板バネ 42 引き寄せロックアーム 43 中柱

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 障子の引寄せ装置と障子のロック装置お
    よび障子に取り付けられる連動杆とハンドルを備え、引
    寄せ装置はハンドルと連動杆で結合され、ハンドル操作
    によって回動自在に障子に取り付けられる係合爪を備
    え、係合爪が横枠を支点として障子を室内側に移動させ
    る寄せ作動とこれに続き障子を枠の室内側面に密着させ
    る密着作動を行うものであり、ロック装置はハンドルと
    連動杆で結合され、ハンドル操作によって回動自在に障
    子に取付けられると共に一端に当接部を他端に係合部を
    有する係合アームと、竪枠または隣接障子の竪框に取付
    けられる受け具を備え、係合アーム先端の係合部が受け
    具に係合自在に設けられるものであり、連動杆は開口の
    間隔をd1とした上下方向に開口した凹部を有し、ハン
    ドル操作によるロック装置のロック方向作動は、連動杆
    が係合爪の寄せ作動に相当する距離d1を移動したのち
    凹部を形成する側壁の一方が当接部を押動することによ
    り、引寄せ装置の寄せ作動の後に行われることを特徴と
    した障子の引き寄せロック装置。
  2. 【請求項2】 係合アームと受け具および連動杆とハン
    ドルを備え、係合アームは障子に回動自在に取り付けら
    れると共に一端に当接部を他端に係合部を有し、受け具
    は竪枠または隣接障子の竪框に取付けられ、連動杆は上
    下方向に開口した凹部を有しててハンドルと共に障子に
    取り付けられ、ハンドルと係合アームは連動杆で結合さ
    れており、係合アームの当接部を連動杆に設けた側壁で
    押動し、他端の係合部を受け具に係合自在にしたことを
    特徴とした障子のロック装置。
  3. 【請求項3】 係合アームの取付け部に係合アームの回
    動範囲を定めるストッパーが設けられ、これによってハ
    ンドルの操作範囲が規定されていることを特徴とした請
    求項1に記載の障子の引き寄せロック装置または請求項
    2に記載の障子のロック装置。
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