JP2919205B2 - 帯電方法 - Google Patents

帯電方法

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JP2919205B2
JP2919205B2 JP30605592A JP30605592A JP2919205B2 JP 2919205 B2 JP2919205 B2 JP 2919205B2 JP 30605592 A JP30605592 A JP 30605592A JP 30605592 A JP30605592 A JP 30605592A JP 2919205 B2 JP2919205 B2 JP 2919205B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、帯電方法に関し、例え
ば、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、及びそ
の他画像形成装置に搭載され電子写真被帯電部材を帯電
するための帯電装置の帯電方法に関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆる電子写真方式(カールソン・プ
ロセス)を用いて画像形成する装置に於いて、電子写真
被帯電部材を所望の電位に帯電するものとして、コロナ
放電現象を利用したコロナ帯電装置が一般的に用いられ
て来た。しかし、この方法では放電現象を起こすために
高電圧の電源が必要となるが、この高電圧のために各種
周辺装置機器への電気的ノイズ、或いは、放電時に発生
する多量のオゾンにより周囲の人々に不快感を与えてい
た。そこで、このコロナ帯電装置に替わるものとして、
導電性の樹脂ローラ、或いは、導電性繊維と被帯電部材
との間に電圧を印加し被帯電部材を帯電する方法が提案
されている。しかし、導電性の樹脂ローラを用いた場
合、例えば、帯電されるべき被帯電部材の微小領域の感
光層が剥離し、Al(アルミニウム)等の導電性基体が
露出している場合、ローラからの流れ込み電流がその露
出部分に集中し、被帯電部材の軸方向に延びる筋状の帯
電ムラが生じていた。
【0003】該被帯電体に作像プロセスを適用した場
合、被帯電体の帯電ムラがあると、画像に帯電ムラに応
じたムラが生じるので高品位な画像が得られない。特公
平3−52058号公報における「帯電方法及び同装置
並びにこの装置を備えた電子写真装置」は、被帯電体の
各部を均一に帯電するために導電性のゴム類をローラ状
或いはパッド状に形成した帯電部材と被帯電部材とを接
触させて帯電する接触帯電法をとり、交流(AC)電圧
と直流(DC)電圧との重畳電圧を印加している。この
ときのAC電圧は、帯電開始電圧と同値の放電開始電圧
の2倍以上という比較的大きなAC電圧値を該両者間に
印加し、放電現象を利用して帯電電位の安定化を図ろう
というものである。しかも、環境変化による電位変動を
抑えるというものではなく、同一環境の下での電位の均
一化(斑点状の帯電ムラの抑制)を図ろうというもので
ある。
【0004】また、特開昭60−216361号公報に
おける「ブラシ帯電・転写装置」及び特開昭60−22
0587号公報における「ブラシ帯電装置」には、帯電
部材と被帯電部材とが接触面を有し帯電部材にDC電圧
にAC電圧を重畳する重畳電圧による帯電法が述べられ
ている。
【0005】特公昭60−216361号公報は、一つ
の導電性繊維からなる部材を帯電及び転写部材として使
用するというものであり、重畳する電圧値も転写効率や
帯電の均一性の制約から決定されるものである。即ち、
重畳電圧の200〜2kVという制約は、転写効率の面
から決定されており、例えば、1500Vという非常に
高いDC電圧印加時には、転写効率、帯電均一性からA
C電圧を200〜500Vという小さな値としている。
【0006】特開昭60−220587号公報では、A
C電圧を300VRMSと小さな値としており、かつ、
AC電圧はDC電圧の20%以上という請求範囲である
から、DC電圧は約2000Vという所望の帯電電位を
遥かに越える高い値まで該発明の効果を有するものとし
ている。そのうえ、重畳するAC電圧の周波数を500
Hz以上と限定しており、その目的も導電性繊維からな
る帯電器での繊維の存在しない領域による帯電不良(ス
ジ状の帯電ムラ)を無くすことを目的としている。
【0007】また、特開昭58−40566号公報は、
導電性繊維をローラ状に形成した部材を回転させなが
ら、帯電部材として使用し、かつ、その回転方向、回転
速度を選択するという考えが述べられている。被帯電体
として、酸化亜鉛被帯電部材の円筒とし、この円筒に
は、軸平行に接する帯状の帯電器を用いた場合の低温、
低湿環境下での酸化亜鉛被帯電部材にて現れていた帯電
電位の低下現象、及びそのとき現れるスジ状の画像欠陥
を解決しようというものであり、この問題の原因も導電
性繊維の帯電現象(特開昭58−40566号公報の3
ページ右下コラムにて説明している)によるものである
と説明している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】特公平3−52058
号公報においては、帯電部材を高抵抗のゴム類をローラ
状、或いは、パット状に形成したものに限定しており、
帯電部材と被帯電部材との接触点での電荷の移動は全く
なく、全て放電によって帯電が行われると明言してい
る。このため、帯電開始電圧と同値の放電開始電圧の2
倍以上という比較的大きなAC電圧値を両者間に印加し
ている。放電現像を利用して帯電電圧の安定化を図ろう
というもので、同一環境の下での電位の均一化(斑点状
の帯電ムラの抑制)を図ろうというものである。
【0009】また、特開昭60−220587号公報、
特開昭60−216361号公報の両者とも導電性繊維
からなる帯電部材により被帯電部材を帯電させる方法に
ついて述べているが、導電性繊維からなる帯電部材での
被帯電部材と接触点を有する帯電方法における帯電機構
やその帯電機構からくる電位変動の原因、及びその対策
については一切触れておらず、共に2000Vという非
常に高いDC電圧に対し比較的小さいAC電圧を重畳
し、特に特開昭60−220587号公報では、AC電
圧の周波数を500Hz以上と限定している。
【0010】また、導電性繊維を用いた帯電装置の場合
は、繊維を帯状に植毛するものと、繊維をローラ状に植
毛するものと2つの大別することができ、いずれの場合
も、この導電性樹脂ローラにて生じていたような筋状の
帯電ムラはなくなるもの、例えば、該帯電部材にDC電
流を印加した場合、つまり、帯電部材と被帯電部材との
間に直流電界が生じている場合、常温常湿時に比べて高
温高湿時の被帯電部材の帯電電位が増加してしまい、安
定した帯電特性は得られていない。また、該帯電部材に
おいては、使い初めの時点から使用している間に帯電電
位が低下してしまい、経時に伴う変動が大きく実用化に
は至っていなかった。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、帯電部材が要素として有する導電性繊維
を被帯電部材の被帯電面に対し該導電性繊維先端部を被
帯電部材の回転方向下流側に位置させて傾倒させること
により該導電性繊維の長手面と該被帯電面の間に形成さ
れる空隙を被帯電部材の回転方向下流側の被帯電面への
接触部をなす繊維先端部から回転方向上流側の繊維根元
に向け徐々に広げるようにし、帯電動作時この傾倒状態
を維持し続けながら前記帯電部材を前記被帯電部材に対
し前記空隙が広がる方向に向け相対変位させるととも
に、前記帯電部材に直流と交流を重畳した電源電圧を印
加し、前記導電性繊維を介し起こさせる前記空隙におけ
る放電作用と前記接触部相互間における電荷の注入作用
とにより前記被帯電部材を帯電させるとともに、前記直
流と交流を重畳した電源電圧に含まれる直流電圧値を前
記被帯電部材の目標帯電電位に相当する値とし、かつ交
流電圧値をそのピーク間電圧が前記被帯電部材及びその
使用環境によって決定される放電開始電圧の2倍より小
さい値としたものである。
【0012】
【作用】帯電部材の導電性繊維を被帯電部材の被帯電面
に対し傾倒させ繊維の先端部を接触部とし、そこから除
々に広がる空隙を形成し、動作時空隙で放電、その後接
触面で電荷の注入(移動)を起こさせ、こうしたプロセ
スで帯電が行われる。導電性繊維と被帯電体(感光体)
の接触面での電荷注入は、直流電圧に交流電圧を重畳さ
せた重畳電圧により動作されるので、帯電部材から被帯
電体への一方的な電荷の移動だけでなく、交流の効果に
より接触面を通しての両者間の電荷のやり取りを積極的
に行い、被帯電部材上の電荷量を直流電圧により規定
し、帯電電位の安定を図る。
【0013】
【実施例】図1は、本発明における帯電方法が適用され
る画像形成装置の一例を示す図で、図中、1は被帯電部
材(感光体)、2は現像器、3は転写ローラ、4はクリ
ーニングユニット、5は帯電部材(図では導電性繊維を
ローラ状に植毛した場合を示す)、6は書込みヘッド、
7は転写用カセット、8,12は給紙ローラ、9,1
0,13は搬送ローラ、11はレジストローラ、12は
定着装置、15はスタックガイド、16はコントロー
ラ、17はエンジンコントローラである。
【0014】図において、図示されないホストコンピュ
ータから伝送された作像に関するデータは、コントロー
ラ16でデータ処理される。続いて像形成開始の信号が
エンジンコントローラ17に送られる。これよりあらか
じめ決められた工程にしたがって動作が進行する。転写
材カセット7に収納されている転写材は、給紙ローラ8
により一枚づつ引き出され搬送ローラ9,10によりレ
ジストローラ11の手前まで搬送される。被帯電部材1
は、有機材.料系の被帯電部材(OPC)で回動機構
(図示せず)により定速回転する。帯電部材5も、例え
ば、被帯電部材と同一方向に定速回転する。
【0015】図2(a),(b)は、本発明に係る帯電
部材と被帯電部材とを説明するための構成を示す図で、
(a)図は導電性繊維を植毛された帯、(b)図は、
(a)図の導電性繊維の帯をローラ状とし帯電部材で
ある。(b)図の帯電部材5は、半径3mmの導電性の
帯電部材シャフト5cに、例えば、レーヨンにカーボン
の分散量を調整して、その抵抗値を所望の値に調整した
繊維、或いは、その集合体を植毛した導電性繊維布5a
(a)図を帯電部材シャフト5cに巻き付けた物で、こ
の帯電部材5は、ローラ駆動用モータ5b(図示せず)
に接続され回転する。ローラ状の帯電部材である帯電部
材5は、端部の導電性繊維が使用途中にて抜け落ちるの
を防ぐために設けられた幅1mm程度の余白5dを有す
る幅数十mmの帯を金属棒のような導電性シャフト5c
に螺旋状に巻き付けて作成される。これにより、先の余
白5dが隣り合うようになり、幅2mmの新たな余白5
dがローラ状の帯電部材に現れる。余白を切り落として
巻き付けることも可能であるが、使用途中に繊維が抜け
落ちてしまったり、或いは、螺旋状に巻き付ける際どう
しても隣の部分との間の巻き付け間隔が生じ、結果とし
て、余白のある帯を巻き付けた時と同時に、導電性繊維
の植毛されていない部分が存在してしまう。
【0016】一方、現像器2では、マグネットローラ2
d上のトナー(現像剤)が所定の濃度になるようにトナ
ータンク2eから供給ローラ2bで、適宜、現像槽2f
に送られミキサーローラ2cで撹拌される。このときト
ナーは、被帯電部材1の帯電電位と同じ極性に帯電され
る。ここでマグネットローラ2dに被帯電部材1の帯電
電位に近い値を印加すると、トナーは露光書き込みヘッ
ド6によって照射された部分に付着し現像される。被帯
電部材1の画像位置に対応するようにレジストローラ1
1でタイミングをとって転写材が搬送される。転写材
は、被帯電部材1と転写ローラ3により挟持搬送され
る。このとき転写ローラ3には、トナーと反対の極性の
電圧が印加される。このため被帯電部材1上のトナー
は、転写材上に転移する。転写材上のトナーは、内部に
ヒータ12cを内包したヒートローラ12aと圧力ロー
ラ12bにて挟持搬送され、この間にトナーは転写材に
溶融定着される。転写材は、搬送ローラ13、排紙ロー
ラ14でスタックガイド15に送られる。一方、被帯電
部材1上の転写されなかったトナーは、クリーニングユ
ニット4のクリーニングブレード4aで被帯電部材1よ
りかきおとされトナースクリュー4bによってトナー廃
棄用(図示せず)の容器に送られる。以上で一連の画像
形成工程を終了する。なお、画像形成を行わず被帯電部
材1の帯電電位を測定する際には、現像槽25の位置に
電位測定プローブ(図示せず)を設置し測定を行う。
【0017】本発明は、導電性の繊維、或は、導電性
の繊維の集合体を利用した帯電部材5に関する電位安定
性に係わる問題点を解決する方法を提案するものである
が、まず、導電性繊維、或いは、その集合体と被帯電部
材1との間に電圧を印加して被帯電部材を帯電する方法
を図3に示す図に従って帯電原理を説明する。
【0018】図3(a),(b)は、本発明の帯電方法
の帯電原理を説明するための帯電部材と被帯電部材との
関係を示す図で、(a)図は帯電部材(帯電ローラ)5
と被帯電部材(感光体)1との相対位置及び印加する電
源電圧を示したもので、(b)図は、(a)図の点線で
囲んだM部拡大図を示し、図中、18は接地線、Eは接
地で、図1,図2と同じ作用をする部分には、図1,図
2と同一の参照番号を付している。
【0019】図3(a)図に示すように、被帯電部材1
は、接地線18で接地Eに接地された導電体のローラ表
面に有機系の被帯電部材を形成した円筒状の回転体で、
帯電部材5の導電性繊維5aと接し乍ら、被帯電部材は
矢印R方向、帯電部材5はR方向で同一方向に異な
る表面速度で回転駆動され、帯電部材5には、帯電部材
シャフト5cを介してDC電圧とAC電圧との重畳電源
が印加されている。図3(b)図に示すように、被帯電
部材1上の任意の点Aが電圧の印加された繊維5aの先
端とある大きさの空隙cを隔てて対峙した場合、その印
加された電圧が被帯電部材と空隙cにより決定される放
電開始電圧(Vth)より大きい時、放電が励起され被
帯電部材1が帯電され始める。そして、帯電電位(Vs
p)が上昇し印加電圧(Vap)と帯電電位(Vsp)
との差が放電開始電圧(Vth)と等しくなったとき放
電は停止する。つまり、被帯電部材の帯電電位の暗減衰
が無視できるとき、(Vsp)=(Vap)−(Vt
h)が成り立つ。その後、点Aは帯電電位(Vsp)を
維持したまま、放電を許す領域を抜け出し、導電性繊維
5aと接触する接触点Bに移動する。この接触点Bでの
導電性繊維5aと被帯電部材1のA点との電位差は、先
に示した通り(Vth)であり、この電位差によって導
電性繊維5cから被帯電部材1の点(A)に電荷が注入
(移動)し、点(A)の帯電電位(Vsp)を更に上昇
させる。つまり、帯電電位(Vsp)は放電現象と電荷
注入現象によって与えられている。
【0020】この内、接触による電荷入量は接触点B
での接触抵抗によって決定され、この接触抵抗は接触面
の状況によって決定されるものと考えることができる。
例えば、高湿中において接触面に水分が付着した場合、
接触抵抗は大きく低下し電荷注入量は増加し、その結果
として帯電電位が上昇するものと考えられる。これが、
先に述べた従来技術での帯電方法によっては帯電電位の
環境特性が安定しないことの主原因と考えられる。ま
た、経時に伴う電位変動は、初期状態から使用に伴い、
接触面での接触状態、接触抵抗が変化し、接触面での電
荷の注入量が変動するためと考えられる。つまり、環境
変化による電位の変動、及び経時に伴う電位変動の原因
の一つを、電荷注入現象を含む帯電機構に求めることが
出来る。
【0021】そこで、本発明では、帯電部材5と被帯電
部材1との間に、直流電圧と交流電圧との重畳電圧を印
加させることにより、帯電部材5から被帯電部材1への
一方的な電荷の移動だけではなく、交流の効果により接
触面を通しての両者間の電荷のやり取りを積極的に行
い、被帯電部材1上の電荷量を直流電圧により規定し、
帯電電位の安定を図ろうと言うものである。
【0022】このために、帯電部材5と被帯電部材1が
接触する接触点Bと微小の空隙cを有して対峙する部分
を有しながら、帯電する方法において、この帯電現象
は、少なくとも放電現象と電荷の注入現象により帯電が
施されるものであった帯電部材5と被帯電部材1との間
に、直流電圧と交流電圧とを印加し、直流電圧と交流電
圧との重畳電圧の絶対値が最小値となる時の該重畳電圧
値と帯電電圧との差の絶対値を、それを取り囲む雰囲気
によって決定される放電開始電圧より小さい値に設定す
る。
【0023】また、本発明は、ローラ状に植毛された導
電性繊維5a、或いは、その集合体からなる帯電部材5
と被帯電部材1との間に電圧を印加させて、帯電部材5
及び被帯電部材1とを回転させながら、被帯電部材1を
帯電させる帯電方法において、帯電部材5と被帯電部材
1との間には直流電圧と放電開始の2倍より小さいピー
ク間電圧を有する振動電圧の重畳電圧を印加し、かつ、
該帯電部材5と被帯電部材1の表面の移動速度の相対値
を零でない条件に設定することによって、該方法におけ
る電位変動、及び、帯電不良(不均一)を防ぐものであ
る。このような帯電部材5と被帯電部材1との接触帯電
法にて、帯電電位の均一化を図る目的の考え方が、特公
平3−52058号公報にも述べられている。しかし、
該特公平3−52058号公報では帯電部材は、ゴム類
をローラ状、あるいはパッド状に形成したものに限定し
ており、本発明の言及する所の導電性繊維を植毛したも
のについては言及していない。また、当然のことなが
ら、両帯電部材による帯電の機構も異なっている。即
ち、特公平3−52058号公報では、帯電部材に直流
電圧を印加した場合、パッシェンの教える所の放電開始
電圧より帯電が開始されると示していることから、帯電
部材と被帯電部材との接触点での電荷の移動は全く無い
ものとされ、全て放電によって帯電が行われている。こ
のため、帯電開始電圧と同値の放電開始電圧の2倍以上
という比較的大きなAC電圧値を該両者間に印加し、放
電現象を利用して帯電電位の均一化(斑点状の帯電ムラ
の抑制)を図っている。
【0024】これに対して、先に述べたとおり、本発明
の帯電方法は、放電現象と電荷注入現象によって成り立
っているが、本発明の環境変による電位変動は、電荷
注入現象によって引き起こされるものである。即ち、本
発明においては、放電現象による双方向の電荷の移動を
引き起こそうというものではなく、接触点Bでの帯電部
材5と被帯電部材1の双方からの電荷の注入現象(移動
現象)を起こすために、“印加する重畳電圧の絶対値が
最小値をとる時のその印加電圧と被帯電部材1の帯電電
位との差が放電開始電圧以下とする”もので多くの場
合、これを換言すれば、“放電開始電圧の2倍以下の比
較的小さなAC電圧を重畳する”というものである。
尚、ここで、“印加する交流電圧”とは“帯電部材であ
る導電性繊維5aの先端と被帯電部材1との間に印加さ
れる交流電圧”と同値である。
【0025】次に、本発明の効果について、一例を挙げ
て定量的に説明する。今、使用する被帯電部材の比誘電
率;εp、被帯電部材の膜厚;Dpとし、空隙は空気に
て満たされているものと仮定すると、パッシェンの教え
るところの放電特性と空隙に印加される電圧から、
【0026】
【数1】
【0027】一般に有機被帯電部材のεp=3,Dp=
20μm(マイクロメータ)であるため、上式により放
電開始電圧(Vth)は580(V)と決定される。有
機被帯電部材は通常、所望の帯電電位(Vsp)は−5
50(V)〜−650(V)程度である。そこで、帯電
部材5の導電性繊維5aに−950Vの直流電圧のみを
印加した場合、図に示した通り、被帯電部材1上の任
意の点Aにはまず放電現象によって、(−|950V−
580V|)=−370Vまで電位が付与され、接触点
Bでは導電性繊維5aとの間の−580V(被帯電部材
からみた電位差)なる電位差によって帯電部材5から被
帯電部材1への一方向の電荷の注入が起こり、両者間の
電位差を小さくするように被帯電部材1の帯電電位が上
昇する。
【0028】図4は、導電性繊維5aからなる帯電部材
と一般的な有機被帯電部材を用いた常温常湿雰囲気中に
おける、直流印加電圧と帯電電位の相関関係を調べた結
果の一例を示す図で、この図から、下記の,,が
読み取れる、 先に導いた放電開始電圧(Vth)以下の印加電圧
(Vap)においても、帯電電位(Vsp)が観測され
ている。 放電開始電圧(Vth)以上においては、帯電電位
(Vsp)は直線的に上昇し、それは、Vsp=Vap
−Vth+160(V)なる式が成り立っている。 その160(V)なる値は印加電圧(Vap)=放電
開始電圧(Vth)なる時の帯電電位(Vsp)に一致
している。
【0029】このことより、導電性繊維5aからなる帯
電部材5による帯電においては、印加電圧(Vap)が
Vth以下では、接触点Bでの電荷注入(移動)による
帯電電位(Vsp)が観測されており、それ以降では、
放電と放電開始電圧(Vth)との電位差による電荷注
入分(160V)の両者の合計が帯電電位(Vsp)と
して観測されていることが理解できる。この電荷注入分
の160(V)なる電位が環境、経時等により変動し、
結局、帯電電位(Vsp)の変動を引き起こしているの
である。つまり、この帯電系が高温、高湿中に置かれる
と触面に水分が付着し、接触抵抗が著しく低下し、被帯
電部材1への電荷の注入(移動)が進み帯電電位(Vs
p)の上昇を引き起こしていた、ないしは、経時により
接触点Bでの状態が変化し電荷注入分が変化し、結局帯
電電位(Vsp)の変動を引き起こしていた訳である。
【0030】次に帯電部材5に(AC電圧+DC電圧)
の重畳電圧を印加した場合を考える。印加する重畳電圧
のDC電圧を−550V、AC電圧のpeak−pea
k値を800V(±400V)として重畳電圧の最下点
を−950Vとすれば、被帯電部材上の任意の点Aは図
3に示す通り、まず、放電現象によって−370V(−
|950−580|=−370V)まで帯電される。そ
の後、被帯電部材1は放電を許す領域を抜け出し(この
領域を抜け出す時点において帯電電位が−370Vであ
る)、接触点Bに達する。この接触点Bにおいては導電
性繊維5aには、当然−150〜−950Vの電位が印
加されている訳であるから、放電開始電圧以上の電位差
が点Aと導電性繊維5aの間には存在しないことが分か
る。つまり接触点付近の微小空隙付近の空隙cでは放
電現象を起こすことない。換言すれば、印加されている
重畳電圧の絶対値が最小値をとる−150Vと帯電電位
との差は220Vであって、被帯電部材1から帯電部材
5への放電現象による電荷の移動は起こり得ない。
【0031】しかし、接触点での両者の電位差は、この
時点において被帯電部材からみて−580V〜+220
Vの非対称の電位差が存在しており、正負対称形の±4
00Vとなるように、接触点Bでの両者間の双方向の電
荷移動が引き起こされ、更には、AC電圧による接触点
Bのインピーダンス低下効果により電荷移動が促進され
帯電電位(Vsp)は印加したDC電圧の値である−5
50V付近に落ち着く。更には、この帯電電位(Vs
p)は上記の説明により接触点Bでの電荷のやり取り
(双方間の電荷の移動)が許される限りにおいて、環境
変化が生じても変動せず安定した特性を示すことは自明
である。
【0032】もちろん、以上の説明だけから判断する
と、特公平3−52058号公報にて指定する放電開
電圧の2倍以上のピーク間電圧のAC電圧を重畳しても
同様の効果があるものと考えられる。しかし、本発明者
が鋭意実験を進めたところ、導電性繊維からなる帯電部
材と一般的な有機被帯電部材を用いて放電開始電圧の2
倍を越えるAC電圧を印加すると、従来技術において
は、帯電電位は、DC電位に律せられることなくピー
ク間電圧に従って大きくなっている。つまり、帯電電位
をDC電圧により制御することはできない。これに対し
て、本発明におけるピーク電圧を放電開電圧の2倍
以下の一定の値に設定することにより、帯電電位をDC
電圧にそろえることが可能となる。また、従来技術にお
いては、市販のプリンターにこの帯電系を搭載し、画
出しを行った所、紙の進行方向に垂直に走る縞模様が現
れていた。つまり、帯電電位の均一化は成し得ていな
い。これに対して、本発明においては、上記の縞模様
はピーク間電圧を放電開始電圧の2倍の値より小さい値
にすることにより解消することが出来た。
【0033】このように、導電性繊維からなる部材を帯
電部材として用いた本発明の開示する内容は、樹脂材の
ローラあるいはパッドよりなる部材を帯電器とし用いた
特公平3−52058号公記載の技術内容と大きく異な
り、印加するAC電圧のピーク間電圧を放電開始電圧の
2倍以下に設定することによって、初めて本発明の開示
する効果が発揮されるものであることが理解できる。こ
の振動電界の周波数については、電荷のやり取りが行わ
れる接触面において、一周期分の振動電界を受ける必要
がある。さもなければ、点Aには正負対称の電位差を受
けず、帯電電位に振動電圧の周期がそのまま乗ってしま
い、DC電圧値に落ち着かないのは上記の説明より明白
である。
【0034】図5は、本発明における帯電方法の交流電
圧の振動周波数を説明するための図で、図において、例
えば、φ=30mm、回転速度50mm/sec.の被
帯電部材1と、φ=12mmのローラ状に植毛された導
電性繊維5aからなる帯電部材5を用いて、帯電部材5
と被帯電部材1との中心間距離を20mmと設定する場
合、被帯電部材1が一回転する間に、導電性接維5aと
の接触時間は0.13sec.であって、これより用い
るべき周波数は7〜8Hz以上であることが分かる。
【0035】また、導電性繊維をローラ状に植毛する場
合、図2(b)に示す通り細い幅の帯状の導電性繊維5
aを給電シャフト5cに巻き付けるため、どうしても導
電性繊維5aの無い巻き付け間隔が生じてしまう。も
し、ここでこの帯電部材5と被帯電部材1が同速度(相
対速度が0)で回転すると、ローラと被帯電部材1は常
に同じ面が向かい合って対峙するため、先の巻き付け間
隔と対峙することとなる被帯電部材1上の点は帯電を受
けることができないこととなる。このため、帯電部材5
を導電性繊維5aをローラ状に構成する場合は、ローラ
と被帯電部材1の周速度は異なる値(相対速度が0でな
い)とすることが望ましい。
【0036】図6は、フラット状である帯状帯電部材の
振動方向を説明するための図で、図中、51は帯状帯電
部材で、短冊状の絶縁材の基板5fに導電性繊維5aを
帯状に植毛した帯電体で、導電性繊維5aをフラット状
に植毛する場合、帯電に植毛された導電性繊維5aロー
ラ状にして回転する場合に比べて機構は簡単であるが、
導電性繊維5aの同一の部分が常に被帯電部材1と接触
しているため、導電性繊維5aが摩耗したり、導電性繊
維5aの先端部に現象材が付着し、導電性繊維5aの寿
命を短くしたりしてしまうため、図6のように被帯電部
材1の回転方向Rに対して垂直となるように矢印方向の
振動Vで振動させる。
【0037】上述のように、導電性繊維5a、或いは、
導電性繊維5aの集合体からなる帯電部材5と被帯電部
材1との間に電圧を印加して被帯電部材1を帯電する方
法としては、先に述べた通りに、図6に示すような導電
性繊維5aを帯状に植毛し、固定して帯電する方法と、
図8のように操電性繊維をローラ状に植毛して、これを
回転させて帯電する方法が提案されている。
【0038】図8は、従来のローラ状帯電部材と被帯電
部材を説明するための図で、回転軸21cを軸とする被
帯電部材ドラム21bの感光面21aと、該被帯電部材
ドラム21bと軸平行で導電円筒25b外周面へ導電性
繊維25aを植毛した帯電部材25を、被帯電部材ドラ
ム21bの回転軸21cと、帯電部材25の回転軸25
cとを、各々の軸に取り付けられたプーリ21d,25
dに巻回されたベルト25eにより導電性繊維25aが
感光面21aに接するように駆動される。しかし、図6
のように帯状だと導電性繊維5aの先端部に現像剤等の
異物が付着し、繊維5aの導電特性を損なうか、或い
は、被帯電部材との間の異常放電の原因となり、その結
果帯電不良、不均一を生じ、これが最終画像の欠陥とし
て現れていた。これに対して、図8のようにローラ状に
植毛して回転させる帯電部材5の場合は、帯状の時のよ
うな異物の付着による帯電不良は飛躍的に減少さすこと
が可能であったが、条件を揃えないと新たな形の帯電不
良、帯電ムラ(不均一)、及び環境変化に伴う帯電電位
の変動が生じていた。
【0039】今、図3において、導電性繊維5aのロー
ラ状帯電線5と被帯電部材1が矢印R方向に回転してい
る場合の帯電方法について考える。帯電体5と被帯電部
材1が回転し、導電性繊維5aの先端と被帯電部材1表
面が近付き、パッシェンの放電特性が教えるところの放
電開始電圧(Vth)を越えた電圧が導電性繊維5の先
端と被帯電部材1表面との空隙cに印加されると、放電
が開始し被帯電部材1上の任意の点Aに電荷が乗り被帯
電部材1が帯電し始める。被帯電部材1の帯電電位(V
sp)が上昇し空隙の電圧が放電開始電圧(Vth)よ
り小さい値となったときに放電は停止する。つまり、被
帯電部材の帯電電位(Vsp)の暗減衰が無視できると
き、Vsp=Vap(導電性繊維への印加電圧)−(V
th)が成り立つ。
【0040】その後、点Aは帯電電位(Vsp)を保持
したまま、放電を許す領域を抜け出し、導電性繊維5a
と接触する接触面Bに移動する。この接触面Bでの導電
性繊維5aの先端と接触する被帯電部材1上の点Aとの
電位差はVthであることは言うまでもなく、この電位
差によって導電性繊維5aから被帯電部材1上へ電荷が
移動(注入)し帯電電位(Vsp)は更に上昇する。つ
まり、帯電電位(Vsp)は放電現象と電荷移動(注
入)現象から成り立っていることが分かる。
【0041】この放電現象において、空隙cに印加され
ることとなる電圧(Vg)は、 Vg=Vap*Dair(Dp/kp+Dair) と表すことが出来る。ここで、Dair=空隙距離、D
p被帯電部材の層厚、kp=被帯電部材の比誘電率であ
る。先に示した通り、この電圧(Vg)が放電開始電圧
(Vth)を越えた時放電が許される訳であるから、あ
る印加電圧(Vap)値に対して放電が許される領域
は、ある決まった空隙距離(Dair)を満たす限られ
た領域であることは容易に理解できる。また、電荷注入
現象も当然、帯電部材5と被帯電部材1が接触する領域
にて起こる訳であるから、被帯電部材1上のA点が帯電
部材5から帯電を受ける領域はごく限られた領域に過ぎ
ないことが理解できる。
【0042】ここで、本発明が解決しようとする帯電不
均一の問題に立ち戻ると、放電開始電圧(Vth)に対
して十分大きな電圧が印加され、しかも、寸分の隙間も
なく導電性繊維5aが巻き付けられ(植毛され)ている
ローラ状の帯電部材の場合は、被帯電部材1表面の点A
は必ず、先の放電開始電圧(Vth)以上の電圧を許す
空隙cを隔てて導電性繊維5aの先端と向かい合い、か
つ、接触点Bにても導電性繊維5cの先端と接触するこ
とが可能であり、その結果として、被帯電部材1上の全
ての点は均一に帯電されることとなる。図7(a),
(b),(c)は、帯電部材と被帯電部材との回転の様
子を説明するための図で、図中、Rは右廻り、Lは左廻
りを示す。しかし、現実には先に述べた通りローラ状の
帯電部材5では、どうしても導電性繊維5aの植毛され
ていない部分が存在する。もし、帯電部材5と被帯電部
材1が図7(a)に示す通り、連れ回り方向にて同じ周
速度Rで回転している場合、被帯電部材1上の点Yは先
の放電を許す領域において、常に同じ帯電部材上の点と
対峙するため、帯電部材5の繊維が植毛されていない部
分Xと対峙することとなった被帯電部材1上の点は帯電
部材5aから電荷を受ける機会を失なってしまう。これ
が、導電性繊維5aをローラ状に巻き付けて作成した帯
電部材5で生じていた帯電不良、帯電不均一の原因と考
えられる。
【0043】そこで、帯電部材5と被帯電部材1との回
転の周速度Rを異なる値に設定する(両者の周速度の相
対値をゼロとせず)ことによって、帯電を許す領域にお
いて被帯電部材1上の全ての点が必ず帯電部材5の導電
性繊維5aの植毛されている部分と対峙し、均一に電荷
を受け取ることを可能とする。ここで、帯電部材5と被
帯電部材1との回転の周速度Rの相対値をゼロとしない
ということは、 (a)図7(b)に示す通り、両者の回転方向を同じに
する(連れ回り逆方向)場合。この時には、それぞれの
周速度は問わない。 (b)図7(a)に示す通り、両者の回転方向を逆(連
れ回り方向)に設定する場合であって、それぞれの周速
度が異なる場合。の両者を意味するものである。
【0044】次に、上述の本発明における帯電方法と、
従来の帯電方法での試験結果の比較を以下に述べる。 (環境変動に関して) (従来法での結果1)先に述べた導電性のカーボン粒子
をレーヨン繊維中に分散することによって導電性を有す
る繊維(ユニチカ社製、商品名レック)を布に植毛し導
電性の接着剤を介して電圧が印加される金属シャフトに
巻付けられ、図3,5に示すようにローラ状に形成した
帯電部材5を繊維の先端が被帯電部材1に接するように
設置して被帯電部材を帯電させた場合の電位を、常温常
湿(25度、55%)と高温高字(35度、85%)に
て比較したところ、以下の結果を得た。なお、帯電部材
5に印加される電圧はDC=−1.05KVである。
【0045】
【表1】
【0046】このようにして、従来法での直流電圧のみ
を印加する場合は、環境の変化によって帯電電位が81
(V)も上昇してしまい変化してしまい、実用化できな
いことがこの時点にて判明した。実際、この従来法にて
市販されているプリンターにて画像を作成したところ、
やはり環境変化に伴い画像濃度変動を引き起こしてい
た。
【0047】(経時変化について) (従来法での結果2)先に述べた従来法(DC電圧のみ
を印加)と全く同じ条件にて、全く使用していない帯電
部材5による帯電電位の経時変化を調べた結果を下表に
記す。
【0048】
【表2】
【0049】このように、経時に伴い帯電電位が徐々に
低下し、10分ほど後においても安定していないことが
分かる。
【0050】(本発明を実施した結果1)前項にて述べ
た帯電部材5と全く同じ帯電部材5を用い、かつ、同じ
機械的条件で、印加する電圧としてDC(直流電圧)=
−650V、ACp-p(交流電圧のP-P値)=950
V(放電開始電圧の2倍以下の値である)、周波数=1
00Hzと変化させて、前項と同様の検討を行った。結
果を下表に記す。
【0051】
【表3】
【0052】このように、放電開始電圧の2倍以下のA
Cp-p値を重畳した場合において、環境変化による電
位変動をほぼ実用可能な領域に抑えることが可能であっ
た。実際、この条件にて市販されているプリンターにて
画像を作成したところ、環境変化に対しても画像濃度変
化を引き起こなさいことが可能であった。
【0053】(本発明を実施した結果2)DC(直流電
圧)=−650V、ACp-p(交流電圧のP-P値)=
950V、周波数=10Hzと変化させたこと以外には
(本発明を施した結果1)と同様の環境変化の電位変動
を調べたところ、
【0054】
【表4】
【0055】このように、前項にての結果と同等の結果
が得られたものの、電位の被帯電部材周方向に振動(リ
ップル)が乗っていることが読み取れた。そこで、市販
されているプリンターにて画像を出力したところ、被帯
電部材1の周速度とAC周期とから算出できる値に間隔
に一致する間隔にて発生しているスジ状の画像ムラが存
在していることが判明した。この点からも帯電部材と被
帯電部材が接触する時間内に、重畳される交流電圧の少
なくとも一周期分を印加できるような周波数を設定する
必要があることが明らかとなった。
【0056】(本発明を施した結果)先の(本発明を実
施した結果1)項にて記載した条件にて、全く使用して
いない帯電部材による帯電電位の経時変化を調べた結果
を下表に記す。
【0057】
【表5】
【0058】このように、電位が安定しており、本発明
の開示するところの効果が発揮されていることが明確で
ある。
【0059】また、導電性繊維5aをローラ状に植毛し
た帯電部材5の回転と被帯電部材1との関係については
下記の試験結果が得られた。
【0060】(従来例)導電性のカーボン粒子をレーヨ
ン繊維中に分散することによって導電性を付与された繊
維(ユニチカ製化品名レック)を幅十数mmの布に植毛
し、これを電圧が印加される金属シャフト5cに螺旋状
に巻き付けた帯電部材5を用意した。この帯電部材5と
被帯電部材との機械的な位置関係は図1に示す通りであ
る。両者の回転方向は連れ回り方向、周速は52mm/
secにそろえ、帯電部材への印加電圧をDC=−1.
05KVに設定し、市販されているレーザ・プリンター
を利用し画像及び帯電電位の両特性を調べた。 (画像特性)図10に示すように、プリンター内の紙の
進行方向に対して斜めに走る画像ムラが発生していた。
このムラの間隔を測定したところ、ローラ帯電部材の導
電性繊維が植毛されていない巻き目部分の間隔に一致
し、両者の因果関係が明白となった。 (帯電電位特性)常温・常湿(25度、50〜60%R
H)に対して、高温・高湿(35度、85%RH)での
帯電電位を比較したところ、後者にて80〜90(V)
程高くなっており、環境変化に対する電位の安定性に欠
けていることが分かった。
【0061】(本発明の実施例) (画像特性)常温・常湿(25度、50〜60%RH)
において、ローラ状帯電部材の回転方向、或いは、回転
周速度を変化させたこと以外は全く従来法と同様に画像
特性を調べた。この結果を下表に記す。
【0062】
【表6】
【0063】上記試験結果のように、ローラ状帯電部材
9と被帯電部材1とを(連れ回り方向の同周速度条件)
から外すことに画像ムラ消去の効果があり、特に、連れ
回り逆方向とすることにその効果が顕著であることが明
白となった。ただし、環境変化に対する電位の変動抑制
の面においては、この回転方向、回転周速度を選択する
ことに全く効果がないことも同時に判明した。
【0064】(帯電特性)ローラ状帯電部材を被帯電部
材との連れ回り逆方向の52mm/secの周速にて回
転させ、印加電圧としてDC=500V、ACp-p
(ACのピーク間電圧値)=1000V(今回使用した
被帯電部材の膜厚=20μm、比誘電率=3.13であ
るため、放電開始電圧は574Vと計算でき、このピー
ク間電圧は放電開始電圧の2倍以下であることが理解で
きる)、周波数100Hzに設定し、(従来例)に記載
と同方法にて帯電特性を調べたところ、常温・常湿(2
5度、50〜60%RH)に対する高温・高湿(35
度、85%RH)での電位変動を5Vで押さえることが
できた。これより、帯電部材への印加電圧を、所望の帯
電電位に一致させたDC電圧と放電開光電圧の2倍以下
のピーク間電圧のAC電圧とを重畳させた値に設定する
ことによって、帯電電位を安定させることができること
が明白となった。
【0065】(周波数の選択)AC電圧の周波数を10
Hzに変更したこと以外は前項の(帯電特性)に記述し
た条件と同一にして、帯電電位(Vsp)の環境依存性
を調べたところ、100Hz同様の効果があることが分
かった。しかし、この条件にて画像特性を調べたとこ
ろ、図9のように紙の進行方向に対して直角に走る画像
ムラが発生していた。このスジの間隔より計算できる周
期を計算したところ、印加したAC電圧の10Hzと一
致し、このAC電圧が帯電電位に乗ってしまっているこ
とが判明した。被帯電部材の一回転の帯電部材と接触す
る時間内で、少なくとも印加するAC電圧の1周期分以
上の電位を被帯電部材は受ける必要があることが理論的
にも理解でき、この実験結果はこの理論の正当性を支持
するものである。
【0066】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によると、帯電部材の導電性繊維を被帯電部材の被帯電
面に対し傾倒させ繊維の先端部を接触部とし、そこから
除々に広がる空隙を形成し、空隙で放電、その後接触面
で電荷の注入(移動)が行われ、更に、帯電部材に印加
する電圧をDC電圧にAC電圧を重畳した重畳電圧とし
たので接触面でのインピーダンスが低下し注入による
荷移動が促進され、被帯電面の帯電電圧は目標値として
設定し得るDC電圧に近づくため、重畳電圧のピーク間
電圧を放電開始電圧の2倍以下の電圧に設定することが
でき、この電圧であっても均一な帯電を図ることができ
る。 しかも、本発明は、導電性繊維を感光体に対して傾
倒させた状態で接触させ(図3(b)参照)この傾倒状
態を維持しながら、放電を経て注入を行うというプロセ
スで帯電を行うため、接触部の導電性繊維の先端以後に
おいて放電現象が生じず、放電現象による帯電電位の変
動をなくすことができるので、従来のローラによる帯電
に比べてもより均一な帯電が可能となる。 上記の結果
して、温度、湿度等の環境変化に対しても帯電電位が安
定し、この安定な帯電電位が長期間変化しない効果が得
られる。また、重畳電圧の交流電圧は、ピーク電圧の大
きさも被帯電部材とそれを取り囲む雰囲気によって決定
される放電開始電圧の2倍以下の小さい電圧でよいから
電源部及び周辺部のコストが低減される。また、帯電部
材に印加する電圧を上記重畳電圧としてこの帯電部材と
被帯電部材との表面移動速度を相対値が零でない値とし
たので、画像に不なスジの発生のない高品質な画像が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における帯電方法が適用される画像形成
装置の一例を示す図である。
【図2】本発明に係る帯電部材と被帯電部材とを説明す
るための構成を示す図である。
【図3】本発明の帯電方法の帯電原理を説明するための
帯電部材と被帯電部材との関係を示す図である。
【図4】導電性繊維からなる帯電部材と一般的な有機被
帯電部材を用いた常温常湿雰囲気中における、直流印加
電圧と帯電電位の相関関係を調べた結果の一例を示す図
である。
【図5】本発明における帯電方法の交流電圧の振動周波
数を説明するための図である。
【図6】フラット状である帯状帯電部材の振動方向を説
明するための図である。
【図7】帯電部材と被帯電部材との回転の様子を説明す
るための図である。
【図8】従来のローラ状帯電体と被帯電部材を説明する
ための図である。
【図9】従来のピーク電圧を放電開始電圧の2倍以上と
した場合の画像を説明するための図である。
【図10】従来の巻回間隔による画像ムラを説明するた
めの図である。
【符号の説明】
1…被帯電部材、2…現像器、3…転写ローラ、4…ク
リーニングユニット、5…帯電部材、6…書込みヘッ
ド、7…転写用カセット、8,12…給紙ローラ、9,
10,13…搬送ローラ、11…レジストローラ、12
…定着装置、15…スタックガイド、16…コントロー
ラ、17…エンジンコントローラ。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 13/02 G03G 15/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯電部材が要素として有する導電性繊維
    を被帯電部材の被帯電面に対し該導電性繊維先端部を被
    帯電部材の回転方向下流側に位置させて傾倒させること
    により該導電性繊維の長手面と該被帯電面の間に形成さ
    れる空隙を被帯電部材の回転方向下流側の被帯電面への
    接触部をなす繊維先端部から回転方向上流側の繊維根元
    に向け徐々に広げるようにし、帯電動作時この傾倒状態
    を維持し続けながら前記帯電部材を前記被帯電部材に対
    し前記空隙が広がる方向に向け相対変位させるととも
    に、前記帯電部材に直流と交流を重畳した電源電圧を印
    加し、前記導電性繊維を介し起こさせる前記空隙におけ
    る放電作用と前記接触部相互間における電荷の注入作用
    とにより前記被帯電部材を帯電させるとともに、前記直
    流と交流を重畳した電源電圧に含まれる直流電圧値を前
    記被帯電部材の目標帯電電位に相当する値とし、かつ交
    流電圧値をそのピーク間電圧が前記被帯電部材及びその
    使用環境によって決定される放電開始電圧の2倍より小
    さい値とした帯電方法。
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