JP2915741B2 - 染毛剤組成物または脱色剤組成物 - Google Patents

染毛剤組成物または脱色剤組成物

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JP2915741B2
JP2915741B2 JP5092574A JP9257493A JP2915741B2 JP 2915741 B2 JP2915741 B2 JP 2915741B2 JP 5092574 A JP5092574 A JP 5092574A JP 9257493 A JP9257493 A JP 9257493A JP 2915741 B2 JP2915741 B2 JP 2915741B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は乳化組成物の粉末化組成
物に係わり、詳しくは経時変化がなく、水を加えること
により簡単に乳化組成物に戻すことができる粉末状組成
物、およびこれを用いた頭髪化粧品用粉末状組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】乳化組成物は、油性成分を界面活性剤の
両親媒性作用により水中に分散させたものである。該組
成物は、その外観、粘性特性、および使用感のよさから
食品、化粧品、あるいは医薬品の分野で広く用いられて
いる。ところが、この乳化組成物は熱力学的に不安定な
系であるため、保存安定性に問題があり、経時的に粘度
が変化したり分離することがある。特に、高温にさらさ
れたり、凍結後に解凍したり、また輸送中に振動を受け
た場合にこの粘度変化や分離等が生じやすい。これらの
問題を最小限に抑えるためには、乳化組成物の調製にお
いて膨大な数の油性成分および界面活性剤の種類とバラ
ンスの検討が要求される。また、最近では高圧ホモジナ
イザー等を用いて分散粒子径を小さくする方法が試みら
れているが、未だ完全に解決する方法は見いだされてい
ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように乳化組成物
は経時変化を受けやすく、一定の品質を保つことが困難
であると言う問題があり、安定な乳化組成物およびその
簡便な調製方法が望まれていた。
【0004】
【課題を解決する手段および作用】本発明者は上記問題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、乳化組成物に粉末
化剤を加えて乾燥することにより、全く経時変化の問題
が無く、しかも水を含まないため軽量かつコンパクトで
保管、輸送に便利な粉末状組成物が得られることを見い
だした。更に、この粉末状組成物は水を加えることによ
り簡単に乳化組成物が得られ、頭髪化粧品として良好に
使用できることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0005】すなわち、本発明の第1の要旨は、油性成
分、界面活性剤、および水からなる乳化組成物に粉末化
剤を加えて、乾燥により水を除去してなる粉末状組成物
に、染料および/または酸化剤を配合したことを特徴と
する染毛剤組成物または脱色剤組成物に存在する。
【0006】
【0007】第の要旨は、第1の要旨において粉末化
剤がサイクロデキストリン、およびその誘導体、デキス
トリン、およびケイ酸から選ばれる1種または2種以上
であることを特徴とする染毛剤組成物または脱色剤組成
に存在する。
【0008】第の要旨は、第1の要旨において界面活
性剤として少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含
むことを特徴とする染毛剤組成物または脱色剤組成物
存在する。
【0009】第5の要旨は、第1の要旨の粉末状組成物
を配合することを特徴とする染毛剤組成物、または脱色
剤組成物に存在する。
【0010】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
おける油性成分はロウ類、油脂類、炭化水素、エステル
類、高級脂肪酸、高級アルコールなど通常食品、化粧
品、医薬品に用いられるものいずれでも良い。その配合
量は、粉末状組成物に対して5重量%〜80重量%であ
り、好ましくは10重量%〜60重量%である。
【0011】ロウ類としては、例えば、カルナウバロ
ウ、キャンデリラロウ、ラノリンもしくはその誘導体、
ミツロウ、鯨ロウ、あるいはホホバ油等が挙げられる。
【0012】油脂類としては、例えば、ヒマシ油もしく
はその誘導体、硬化ヒマシ油もしくはその誘導体、モク
ロウ、ヤシ油、ミンク油、牛脂、パーシック油、ゴマ
油、オリーブ油、カカオ脂、アボガド油、アルモンド
油、サフラワー油、サザンカ油、大豆油、ツバキ油、ト
ウモロコシ油、ナタネ油、綿実油、落花生油、タートル
油、卵黄油、パーム油、豚脂等が挙げられる。
【0013】炭化水素としては、例えば、パラフィン、
流動パラフィン、流動イソパラフィン、ワセリン、マイ
クロクリスタリンワックス、オゾケライト、セレシン、
ゲル化炭化水素、スクワラン、スクワレン、プリスタン
等が挙げられる。
【0014】エステル類としては、例えば、乳酸ミリス
チル、乳酸セチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシ
ル、オクタン酸セチル、コハク酸エチルヘキシル、ラウ
リン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチ
ン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パル
ミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン
酸デシル、フタル酸ジエチル、酢酸ラノリン、モノステ
アリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸プロピ
レングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール等
が挙げられる。
【0015】高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソ
ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ラノリン酸、
リノール酸、リシノレイン酸、レブリン酸等が挙げられ
る。
【0016】高級アルコールとしては、例えば、セチル
アルコール、オレイルアルコール、ラウリルアルコー
ル、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコー
ル、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコー
ル、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステ
ロール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、
ベヘニルアルコール、バチルアルコール等が挙げられ
る。
【0017】本発明における界面活性剤はアニオン性界
面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤ある
いはカチオン性界面活性剤のいずれでも良い。以下にこ
れらを例示する。その配合量は、粉末状組成物に対して
0.1重量%〜70重量%であり、好ましくは0.5重
量%〜50重量%である。
【0018】アニオン性界面活性剤としては、次のもの
が挙げられる。 1.硫酸エステル塩 1−1)アルキル硫酸エステル塩 ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノール
アミン、ラウリル硫酸アンモニウム、セチル硫酸ナトリ
ウム、ステアリル硫酸ナトリウムなど 1−2)アルキル及びアルキルアリルエーテル硫酸エス
テル塩 ポリオキシエチレン(以下、POEと略す。)ラウリル
エーテル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸
トリエタノールアミン、POEラウリルエーテル硫酸ア
ンモニウム、POEアルキルエーテル硫酸ナトリウム、
POEアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、P
OEアルキルエーテル硫酸ジエタノールアミン、POE
アルキルエーテル硫酸アンモニウムなど 1−3)高級脂肪酸エステル塩の硫酸エステル塩 硬化ヤシ油脂肪酸グリセリル硫酸ナトリウムなど 1−4)高級脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル
塩 1−5)硫酸化油 硫酸化ヒマシ油など 2.リン酸エステル塩 POEラウリルエーテルリン酸、POEオレイルエーテ
ルリン酸、POEセチルエーテルリン酸、POEステア
リルエーテルリン酸、POEアルキルエーテルリン酸、
POEアルキルフェニルエーテルリン酸、およびその塩
(ナトリウム塩、トリエタノールアミン塩)など 3.スルホン酸塩 3−1)α−オレフィンスルホン酸塩 3−2)高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩 3−3)高級脂肪酸アミドのスルホン酸塩 ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウロイルロ
チルタウリンナトリウムなど 3−4)アルキルベンゼンスルホン酸塩 ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミンなど 3−5)スルホコハク酸塩 スルホコハク酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二
ナトリウム、POEスルホコハク酸二ナトリウム、PO
Eスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、スルホコハク
酸POEラウロイルエタノールアミドエステル二ナトリ
ウム、ウンデシレノイルアミドエチルスルホコハク酸二
ナトリウムなど 4.カルボン酸塩 4−1)高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物 ラウロイルサルコシンナトリウムなどのN−アシルサル
コシン塩、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウ
ム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸二ナトリウ
ム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウムな
どN−アシルグルタミン酸塩など 4−2)脂肪酸石鹸 石鹸用素地、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナト
リウムなど 非イオン性界面活性剤としては、次のものが挙げられ
る。 1.POEアルキルエーテル POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、P
OEベヘニルエーテル、POEオレイルエーテル、PO
Eラウリルエーテルなど 2.POEアルキルアリルエーテル POEノニルフェニルエーテル、POEオクチルフェニ
ルエーテルなど 3.POEソルビタン脂肪酸エステル モノオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸P
OEソルビタン、モノパルミチン酸POEソルビタン、
モノラウリン酸POEソルビタン、トリオレイン酸PO
Eソルビタンなど 4.POEグリセリルモノ脂肪酸エステル モノステアリン酸POEグリセリン、モノミリスチン酸
POEグリセリンなど 5.POEソルビトール脂肪酸エステル テトラオレイン酸POEソルビット、ヘキサステアリン
酸POEソルビット、モノラウリン酸POEソルビッ
ト、POEソルビットミツロウなど 6.ヒマシ油、硬化ヒマシ油誘導体 POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油など 7.POE脂肪酸エステル モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリ
ン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチ
レングリコールなど 8.高級脂肪酸グリセリンエステル 親油型モノオレイン酸グリセリン、親油型モノステアリ
ン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリ
ンなど 9.ソルビタン脂肪酸エステル モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタ
ン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソル
ビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸
ソルビタンなど 10.ラノリン誘導体 POEラノリン、POEラノリンアルコール、POEソ
ルビトールラノリンなど 11.アルキロールアミド ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノ
ールアミドなど 12.POE脂肪酸アミド POEステアリン酸
アミドなど 13.ショ糖脂肪酸エステル 14.アルキルアミンオキシド ジメチルラウリルア
ミンオキシドなど
【0019】両性界面活性剤としては、カルボン酸型、
硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型な
ど、例えば、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N
−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリ
ルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ウンデシノイル−カル
ボキシメトキシエチルカルボキシメチルイミダゾリニウ
ムベタインナトリウム、ウンデシルヒドロキシエチルイ
ミダゾリニウムベタインナトリウム、ウンデシル−N−
ヒドロキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニ
ウムベタイン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン
液、ステアリルジヒドロキシエチルベタイン、ステアリ
ルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルベ
タインナトリウム液、ビス(ステアリル−N−ヒドロキ
シエチルイミダゾリン)クロル酢酸錯体、ヤシ油アルキ
ル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミ
ダゾリニウムベタインナトリウム、ヤシ油アルキル−N
−カルボキシエトキシエチル−N−カルボキシエチルイ
ミダゾリニウムジナトリウムヒドロキシド、ヤシ油アル
キル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシ
エチルイミダゾリニウムジナトリウムヒドロキシド、ヤ
シ油アルキル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カ
ルボキシエチルイミダゾリニウムジナトリウムラウリル
硫酸、ヤシ油アルキルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプ
ロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸−N−カルボキシメトキ
シエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムベタ
インナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸トリエタ
ノールアミン、β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリ
ウム、ラウリルN−カルボキシメトキシエチル−N−カ
ルボキシメチルイミダゾリニウムジナトリウムドデカノ
イルサルコシン、ラウリルジアミノエチルグリシンナト
リウム、ラウリン酸アミドプロピルベタイン液等が挙げ
られる。
【0020】カチオン性界面活性剤としては、下記に示
す一般式で表わされる。
【0021】
【化1】
【0022】例えば、塩化アルキルトリメチルアンモニ
ウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチ
ルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアン
モニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭
化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルト
リメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモ
ニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジス
テアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチ
ルアンモニウム、塩化ミリスチルジメチルベンジルアン
モニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウ
ムなどが挙げられる。
【0023】更に、本発明の粉末化剤とは常温で粉末状
の化合物であり、サイクロデキストリン、およびその誘
導体、デキストリン、でんぷん、セルロース、ケイ酸、
シリカ、およびナイロンパウダー等が挙げられる。これ
らの中で特に、サイクロデキストリン、およびその誘導
体、デキストリン、およびケイ酸が好適に使用される。
サイクロデキストリン、およびその誘導体としてはα−
サイクロデキストリン、β−サイクロデキストリン、γ
−サイクロデキストリン、グルコシル−β−サイクロデ
キストリン、マルトシル−β−サイクロデキストリン、
メチル−β−サイクロデキストリン、ヒドロキシエチル
−β−サイクロデキストリン等が挙げられる。その配合
量は、粉末状組成物に対して10重量%〜90重量%で
あり、好ましくは20重量%〜70重量%である。10
重量%未満では粉末化できないか、または粉末化できて
も水との混合性が悪く、90重量%を越えると粉末化は
できるが、水と混合した時に良好な乳化組成物が得られ
ず、また、油性成分、界面活性剤の相対量が少なくな
り、商品価値が下がる。
【0024】本発明においては、上記成分のほかに溶剤
およびpH調整剤を配合することができる。
【0025】溶剤としてはエタノール、イソプロパノー
ル、n−プロパノール、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、1,3−ブタンジオール、ベンジルアル
コール、フェネチルアルコール、フェノキシエタノー
ル、グリセリン、N−メチルピロリドン、およびポリエ
チレングリコール等が挙げられる。
【0026】pH調整剤としては硫酸、硝酸、リン酸、
ピロリン酸、酢酸、乳酸、クエン酸、コハク酸、酒石
酸、リンゴ酸、レブリン酸、およびそれらのナトリウ
ム、カリウムおよびアンモニウム塩、炭酸のナトリウ
ム、カリウムおよびアンモニウム塩、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミ
ン、リジン、ヒスチジン、アルギニン等が挙げられる。
これらのpH調整剤は粉末化剤を加えて粉末状にする前
に配合しても良いし、粉末化した後で配合しても良い。
【0027】更に、本発明においては、必要に応じて、
例えば、保湿剤、酸化防止剤、防腐剤、金属封鎖剤、色
素、増粘剤、シリコーンおよびその誘導体、香料等を添
加することができる。
【0028】次に、本発明の粉末状組成物の製造方法に
ついて説明する。通常、乳化組成物は、油性成分および
界面活性剤を加熱溶解させた後、攪拌しながら水を徐々
に加えて乳化する方法、あるいは油性成分、界面活性剤
および水を加熱し、攪拌して乳化する方法により調製さ
れる。本発明の組成物は、この方法において水を加えて
乳化する前、乳化の途中、あるいは乳化後に粉末化剤を
添加して更に攪拌した後、乾燥して水を除去することに
よって製造される。乾燥方法としては、温風乾燥、スプ
レードライ、または凍結乾燥などが挙げられる。乾燥に
より得られる組成物は粉末状で得られる場合もあるし、
また固形状で得られる場合もある。固形状で得られた場
合には粉砕することにより粉末状組成物とすることがで
きる。また、この固形状のものは粉砕条件を調節するこ
とにより細粒状、あるいは顆粒状となすこともできる。
乾燥後の水分残存量は粉末状組成物に対して10重量%
以下、好ましくは2重量%以下である。10重量%を越
えると粉末状組成物の流動性が悪く、また、高温での保
存安定性が低下する。
【0029】そして、この粉末状組成物に染料および/
または酸化剤を配合したものが、本発明の染毛剤組成物
または脱色剤組成物である。染毛剤組成物としては、酸
化染料を含む永久染毛剤と直接染料を含む半永久染毛剤
が挙げられる
【0030】更に、この粉末状組成物中に、界面活性剤
として少なくとも1種のカチオン界面活性剤を用いる
と、使用時にコンディショニング効果に優れた染毛剤組
成物または脱色剤組成物を得ることができる
【0031】永久染毛剤においては、染料を含む液体状
第1剤と酸化剤を含む液体状第2剤からなる2剤式、染
料を含む粉末状第1剤と酸化剤を含む液体状第2剤から
なる2剤式、あるいは染料と酸化剤を同時に含む粉末状
の1剤式の酸化染毛剤に好適に使用される。すなわち、
これらの剤型の酸化染毛剤に本発明の粉末状組成物を添
付して使用時に混合する形態、あるいはこれらの剤型の
内、粉末状の製剤を含むものについては、本発明の粉末
状組成物を予め混合した形態で使用することにより、染
毛剤塗布液の性状、および染毛後の毛髪の感触を改善で
き、しかも染毛剤のブリーチ力(メラニン色素の脱色
力)を増強することができる。
【0032】半永久染毛剤においては、液体状またはゲ
ル状の製剤に本発明の粉末状組成物を添付して使用時に
混合することにより、染毛剤塗布液の性状、および染毛
後の毛髪の感触を改善することができる。更に、本発明
の粉末状組成物に直接、直接染料を配合して使用時に水
を加える形態にすれば、溶液状態で安定性の悪い染料を
安定化することもできる。
【0033】次に、脱色剤組成物としては、アルカリ剤
を含む液体状第1剤と酸化剤を含む液体状第2剤と活性
化剤を含む粉末状第3剤からなる3剤式、アルカリ剤と
活性化剤を含む粉末状第1剤と酸化剤を含む液体状第2
剤からなる2剤式、あるいはアルカリ剤、活性化剤、お
よび酸化剤を同時に含む1剤式に好適に使用される。す
なわち、これらの剤型の脱色剤組成物に本発明の粉末状
組成物を添付して使用時に混合する形態、あるいはこれ
らの剤型の内、粉末状の製剤を含むものについては、本
発明の粉末状組成物を予め混合した形態で使用すること
により、脱色剤塗布液の性状、および脱色後の毛髪の感
触を改善でき、しかもブリーチ力を増強することができ
る。
【0034】ここで、上記永久染毛剤の染料としては、
p−フェニレンジアミン、p−トルイレンジアミン、
N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレ
ンジアミン、2,4−ジアミノフェネトール、p−アミ
ノフェノール、m−アミノフェノール、およびそれらの
塩、レゾルシノール等の他、「医薬部外品原料規格」
(1991年6月発行,薬事日報社)に収載されたもの
を用いることができる。永久染毛剤および脱色剤組成物
の酸化剤としては過酸化水素、過炭酸塩、過ホウ酸塩、
硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加
物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物等が挙げられる。
活性化剤としては、過硫酸塩が挙げられる。また、半永
久染毛剤の染料としては、アゾ染料、カルボニウム染
料、インジゴイド染料、ニトロ染料、アントラキノン染
料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、キノリン染
料、フタロシアニン染料、メチン染料、キノンイミン染
料、ニトロソ染料、ナフタルイミド染料、およびペリノ
ン染料等が挙げられる。
【0035】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 製造例1 セトステアリルアルコール 5重量部 2−オクチルドデカノール 3重量部 塩化アルキルトリメチルアンモニウム 3.5重量部 グリセリン 2重量部 クエン酸 0.2重量部 デキストリン 5重量部 ケイ酸 6重量部 β−サイクロデキストリン 3重量部 精製水 86.3重量部 全量を80℃に加熱し、攪拌して乳化した。更に、攪拌
しながら室温まで冷却して乳化組成物を調製した(デキ
ストリン、ケイ酸、β−サイクロデキストリンを配合せ
ずに同様に調製したものを比較例1とした)。この乳化
組成物をトレーに広げ、60℃の温風乾燥機で24時間
乾燥した。得られた固形状組成物を粉砕して粉末状組成
物を調製した。
【0036】製造例2 A部 セトステアリルアルコール 8重量部 流動パラフィン 2重量部 ポリオキシエチレン(10)オレイルエーテル 15重量部 B部 精製水 75重量部 C部 β−サイクロデキストリン 40重量部 A部を80℃に加熱して溶解し、攪拌しながら80℃に
加熱したB部を加える。更に、攪拌しながら室温まで冷
却し、乳化組成物を調製した(比較例2)。得られた乳
化組成物にC部を加えて良く攪拌した後、凍結乾燥によ
り水分を除去して粉末状組成物を調製した。
【0037】製造例3 A部 セチルアルコール 5重量部 ワセリン 5重量部 ステアリン酸 2重量部 ポリオキシエチレン(21)ラウリルエーテル 10重量部 セチル硫酸ナトリウム 2重量部 塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 4重量部 プロピレングリコール 3重量部 エデト酸二ナトリウム 0.1重量部 B部 精製水 68.9重量部 C部 マルトシル−β−サイクロデキストリン 20重量部 ケイ酸 11重量部 A部を80℃に加熱して溶解し、攪拌しながら80℃に
加熱したB部を加える。攪拌しながら室温まで冷却して
乳化組成物を調製した(比較例3)。この乳化組成物に
C部を加えて良く攪拌し、トレー上に広げて70℃で2
4時間乾燥した。得られた固形状組成物を20メッシュ
の篩を通して整粒し、顆粒状組成物を調製した。
【0038】製造例4 A部 セチルアルコール 8重量部 ステアリン酸 2重量部 ベンジルアルコール 4重量部 ラウリル硫酸ナトリウム 0.5重量部 プロピレングリコール 3重量部 乳酸 0.5重量部 B部 精製水 82重量部 C部 メチル−β−サイクロデキストリン 10重量部 マルトシル−β−サイクロデキストリン 15重量部 ケイ酸 3重量部 A部を80℃に加熱して溶解し、攪拌しながら80℃に
加熱したB部を加える。攪拌しながら室温まで冷却して
乳化組成物を調製した(比較例4)。この乳化組成物に
C部を加えて良く攪拌した後、400重量部の精製水を
加えてスプレー液とし、熱風入温度130℃、排気温度
85℃、スプレー液送り量8g/秒の条件でスプレード
ライにより粉末状組成物を調製した。製造例1〜4の粉
末または顆粒状組成物、および比較例1〜4の乳化組成
物に関して安定性試験を行い、結果を表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】(注)○…良好(変化なし〜ほとんど変化
なし) ×増粘…粘度の上昇が認められる。 ×分離…分離が認められる。 製造例1〜4の組成物は、適量の水を加えて混合するこ
とにより簡単に乳化組成物を得ることができた。また、
表1に示した条件で保存したものについても同様の方法
で乳化組成物を得ることができ、得られた乳化組成物は
保存前のものとなんら相違は認められなかった。
【0041】
【0042】実施例 粉末1剤式酸化染毛剤 製造例2の粉末状組成物を用いて次の粉末1剤式酸化染
毛剤を調製した。 過ホウ酸ナトリウム 32g 塩化アンモニウム 10g 硫酸p−フェニレンジアミン 8g 硫酸m−アミノフェノール 2g レゾルシン 3g 製造例2の粉末状組成物 40g エデト酸二ナトリウム 1g カルボキシメチルセルロースナトリウム 4g 合計100g 上記組成物30gに水100gを加えて混合し、染毛剤
塗布液を調製した。この塗布液を白髪混じりの人毛毛束
に塗布し、室温で20分間放置後洗浄した。得られた塗
布液は、クリーム状であり、伸びが良く、白髪を黒色に
染めることができた。
【0043】実施例 粉末2剤式酸化染毛剤 下記粉末染毛剤を調製した。 過炭酸ナトリウム 50g リン酸一水素アンモニウム 15g 硫酸p−トルイレンジアミン 3g 硫酸p−アミノフェノール 0.5g 硫酸o−アミノフェノール 1g グアガム 24g ラウリル硫酸ナトリウム 5g エデト酸 0.5g 香料 1g 合計100g 上記組成物15gに製造例3の顆粒状組成物10gを加
え、これに水100gを添加して染毛剤塗布液を調製し
た。
【0044】比較例5 実施例の粉末染毛剤15gにカルボキシメチルセルロ
ースナトリウム3gを加え、これに水100gを添加し
て染毛剤塗布液を調製した。
【0045】比較試験 白髪が30〜50%の5名のパネラーの頭髪を頭頂部で
左右に二分割し、一方に実施例を、もう一方に比較例
5を塗布した。塗布後、櫛を通して塗布液を均一に伸ば
し、室温で30分間放置した。放置後、各パネラーの頭
髪を40℃の温湯で充分に洗浄し、乾燥した。評価項目
および結果を表2に示した。
【0046】
【表2】
【0047】このように実施例は比較例5と比べて、
塗布液の性状に優れ、塗布後の櫛通りも良く、染毛時の
操作性に優れることが明かである。また、脱色力が増強
されるため、白髪と黒髪が均一に染まり、染め上がりも
優れている。
【0048】実施例 半永久染毛剤 製造例4の粉末状組成物を用いて次の粉末状半永久染毛
剤を調製した。 製造例4の粉末状組成物 46g 黒色401号 0.5g 橙色205号 0.4g 紫色401号 0.1g 合計47g
【0049】比較例6 比較例4の乳化組成物を用いて次のクリーム状半永久染
毛剤を調製した。 比較例4の乳化組成物 100g 黒色401号 0.5g 橙色205号 0.4g 紫色401号 0.1g 合計101g
【0050】比較試験 実施例および比較例6に関して保存試験を行い、保存
前後の染毛効果を比較することにより、染料の安定性を
比較した。但し、実施例については使用時に82gの
水と混合してから染毛した。染毛条件としては、ヤギ毛
および白髪混じり人毛を用い、室温で20分間染毛し
た。結果を表3に示した。
【0051】
【表3】
【0052】このように実施例は比較例6と比べて、
染料の安定性に優れ、長期間保存してもなんら染毛効果
の低下を示さなかった。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、経時変化を受けること
がなく、また水を含まないため軽量かつコンパクトであ
り、使用時に水を加えるだけで簡単に乳化組成物を得る
ことができる粉末状組成物を、染毛剤組成物または脱色
剤組成物に用いることにより、ブリーチ力を増強した
り、染料を安定化させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 7/00 - 7/50

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油性成分、界面活性剤、および水からな
    る乳化組成物に粉末化剤を加えた後、乾燥により水を除
    去してなる粉末状組成物に、染料および/または酸化剤
    を配合したことを特徴とする染毛剤組成物または脱色剤
    組成物
  2. 【請求項2】 粉末化剤がサイクロデキストリン、およ
    びその誘導体、デキストリン、およびケイ酸から選ばれ
    る1種または2種以上であることを特徴とする請求項1
    記載の染毛剤組成物または脱色剤組成物
  3. 【請求項3】 界面活性剤として少なくとも1種のカチ
    オン活性剤を含むことを特徴とする請求項1または2
    載の染毛剤組成物または脱色剤組成物
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