JP3544321B2 - 染毛剤組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は染毛剤組成物に関するもので、詳しくは、染毛力及び堅牢性に優れ、さらに染色後の毛髪の感触が良好な染毛剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より染毛剤としては、酸化染料中間体を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤よりなる二剤型の酸化染毛剤が広く利用されている。この染毛剤は無色の低分子の酸化染料中間体を毛髪中に浸透させ、毛髪の中で酸化重合を行なわせることにより色素を生成させ染着させるものである。これらの酸化染毛剤は要望に応じた種々の色調に毛髪を染色することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の酸化染毛剤では、染毛処理によって毛髪が損傷しがちであるため、染毛力、堅牢性及び染色後の毛髪の感触すべてにおいて十分満足できるものは得られていなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記実情を鑑み鋭意検討を重ねた結果、特定の非イオン界面活性剤と特定の4級アンモニウム塩とを組み合わせることにより、染毛力及び堅牢性に優れ、染色後の毛髪の感触が良好である染毛剤組成物が得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
さらに、本発明を液状又は乳液状染毛剤に応用すると、第2剤と混合して増粘させたとき、頭髪への塗布操作に適し、かつ頭髪から垂れ落ちないという好ましい粘性を得ることができる。
【0006】
すなわち、本発明は、使用時に酸化剤と混合して使用される染毛剤組成物であって、(A)不飽和炭化水素鎖を有する非イオン界面活性剤及び/又は分岐炭化水素鎖を有する非イオン界面活性剤、及び(B)次式
【化2】
(式中、R1はラノリン脂肪酸残基又は分岐のアルキル基を示し、R2、R3及びR4はC1〜C3のアルキル基を示し、nは2〜3の整数を示し、Xはハロゲン、エチル硫酸もしくはメチル硫酸を示す。)で示される4級アンモニウム塩を含有し、pH8〜12であることを特徴とする染毛剤組成物を提供するものである。以下、本発明の構成について詳細に説明する。
【0007】
本発明で用いられる成分(A)のうち、不飽和炭化水素鎖を有する非イオン界面活性剤(疎水基である炭化水素鎖に不飽和結合を有するもの)としては、疎水基の炭素数が16〜24、不飽和度が1〜4のものが、分岐炭化水素鎖を有する非イオン界面活性剤(疎水基である炭化水素鎖に分岐の構造を有するもの)としては、炭素数10〜30のものが染毛力、堅牢性及び毛髪の感触の点で良好である。
【0008】
不飽和炭化水素鎖を有する非イオン界面活性剤あるいは分岐炭化水素鎖を有する非イオン界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレン(以下、POEと略す)オレイルエーテル、POEイソデシルエーテル、POEイソラウリルエーテル、POEヘキシルデシルエーテル、POEイソステアリルエーテル、POEオクチルドデシルエーテル、POEデシルペンタデシルエーテル、POEデシルテトラデシルエーテル、モノオレイン酸POEソルビタン、モノイソステアリン酸POEソルビタン、トリオレイン酸POEソルビタン、モノイソステアリン酸POEグリセリン、モノオレイン酸POEグリセリン、テトラオレイン酸POEソルビット、POEヒマシ油、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノイソステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸グリセリン、モノイソステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、POEラノリン、POEラノリンアルコール、POEソルビトールラノリン、水素添加大豆リン脂質、水素添加卵黄リン脂質、オレイン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、POEオレイン酸アミド、ショ糖オレイン酸エステル、オレイルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。
【0009】
本発明では、これらの中から1種又は2種以上を配合することができる。その配合量は0.1〜50重量%であり、0.1重量%より少ないと、十分な染毛力及び堅牢性が得られず、50重量%を超えても、かえって染毛力及び堅牢性が劣り良くない。好ましくは5〜40重量%で、第1剤と第2剤を混合した時の混合性と粘性の点で好適である。
【0010】
また、不飽和炭化水素鎖を有する非イオン界面活性剤と分岐炭化水素鎖を有する非イオン界面活性剤を組み合わせて配合することもできる。このとき、不飽和炭化水素鎖を有する非イオン界面活性剤と分岐炭化水素鎖を有する非イオン界面活性剤の配合比は重量比で10:1〜1:20であり、安定性や、第1剤と第2剤とを混合した時の混合性の点から、1:1〜1:10の範囲が特に好適である。
【0011】
これらの非イオン界面活性剤のHLB(Hydrophile−Lipophile Balance)としては、グリフィンによるHLB値が5〜12の範囲であることが、染毛力の点から好ましい。従って、これらの非イオン界面活性剤を2種以上配合する場合は、そのうち1つのHLB値が上記範囲からはずれても、その合計のHLB値が上記範囲内にあれば好適である。
【0012】
本発明で用いられる成分(B)は次式
【化3】
(式中、R1はラノリン脂肪酸残基又は分岐のアルキル基を示し、R2、R3及びR4はC1〜C3のアルキル基を示し、nは2〜3の整数を示し、Xはハロゲン、エチル硫酸もしくはメチル硫酸を示す。)で示される4級アンモニウム塩である。
【0013】
成分(B)の4級アンモニウム塩の具体例としては、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノエチルトリエチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノエチルジエチルメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノエチルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルトリエチルアンモニウム、メチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノエチルトリメチルアンモニウム、メチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸イソアルカン酸(14〜20)アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸イソアルカン酸(18〜22)アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸イソステアリン酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸イソノナン酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等が挙げられる。
【0014】
これらの中でも、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノエチルトリエチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノエチルジエチルメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノエチルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルトリエチルアンモニウムが、染毛力及び堅牢性の点で好ましい。
【0015】
成分(B)の配合量は0.01%〜10重量%であり、好ましくは0.05〜5重量%である。0.01重量%より少ないと十分な染毛力、堅牢性及び良好な感触が得られず、10重量%を超えても、それ以上効果は上がらない。
【0016】
成分(B)の4級アンモニウム塩は、特に不飽和炭化水素鎖を有する非イオン界面活性剤と組み合わせることにより、毛髪に良好な感触を付与することができる。
【0017】
また、成分(A)と成分(B)との配合比は、重量比で1:1〜1:0.0001であり、毛髪に良好な感触を付与するという点で、1:0.1〜1:0.001であることが好ましい。
【0018】
本発明に用いられる酸化染料中間体としては、フェニレンジアミン類、アミノフェノール類、ジアミノピリジン類及びそれらの塩類等の1種又は2種以上が挙げられる。塩類としては塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等が挙げられる。これらの中でもp−フェニレンジアミン、p−トルイレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2−(2’−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2−クロロ−p−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、p−メチルアミノフェノール、2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、p−アミノフェニルスルファミン酸、2,5−ジアミノピリジン及びそれらの塩類が効果及び染毛力の点から好ましい。その配合量は通常、第1剤の全重量に対し0.01〜15重量%であり、好ましくは0.1〜10重量%である。
【0019】
カプラーとしては、レゾルシン、ピロガロール、カテコール、m−アミノフェノール、m−フェニレンジアミン、o−アミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、1,2,4−ベンゼントリオール、トルエン−3,4−ジアミン、トルエン−2,4−ジアミン、ハイドロキノン、α−ナフトール、2,6−ジアミノピリジン、3,3’−イミノジフェノール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、5−アミノ−o−クレゾール、ジフェニルアミン、p−メチルアミノフェノール、フロログルシン、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、没食子酸、タンニン酸、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、五倍子、1−メトキシ−2−アミノ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノベンゼン、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール及びそれらの塩等を配合することができる。この配合量は0.01〜10重量%であり、好ましくは0.1〜5重量%である。その他、「医薬部外品原料規格」(1991年6月発行、薬事日報社)に収載されたものも適宜、用いることができる。
【0020】
さらに、直接染料を配合することにより、種々の色調を得ることができる。直接染料としては、タール系色素や天然色素などの公知のものが使用でき、1種又は2種以上を併用してもよい。その中でも、ニトロ系染料、アゾ染料、ニトロソ染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、キノリン染料、アントラキノン染料、またはインジゴ染料が挙げられる。これらの配合量は、通常0.01〜10重量%である。具体例としては、ニトロ−p−フェニレンジアミン、p−ニトロ−o−フェニレンジアミン、p−ニトロ−m−フェニレンジアミン、2−アミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、ピクラミン酸、それらの塩及び「医薬品等で使用できるタール色素を定める省令」(昭和41年告示、厚生省)により定められた酸性染料で、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号の(1)、赤色105号の(1)、赤色106号、赤色201号、赤色227号、赤色230号の(1)、赤色230号の(2)、赤色231号、赤色232号、赤色401号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色506号、黄色4号、黄色5号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、黄色402号、黄色403号の(1)、黄色406号、黄色407号、橙色205号、橙色207号、橙色402号、緑色3号、緑色204号、緑色205号、緑色401号、緑色402号、褐色201号、紫色401号、青色1号、青色2号、青色202号、青色203号、青色205号、黒色401号等が挙げられる。
【0021】
アルカリ剤としては、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等必要に応じて配合することができる。
【0022】
また、必要に応じて、高級アルコール、高級脂肪酸、前記以外の直鎖飽和炭化水素鎖を有する非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、前記以外の陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤及び溶剤を配合することができる。
【0023】
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、2−デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ラノリンアルコール等が挙げられる。
【0024】
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、アラキン酸、アラキドン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。
【0025】
前記以外の直鎖飽和炭化水素鎖を有する非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、前記以外の陽イオン界面活性剤、あるいは両性界面活性剤としては以下のものが挙げられる。
【0026】前記以外の非イオン性界面活性剤
1.ポリオキシエチレンアルキルエーテル
POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POEラウリルエーテルなど
2.POEアルキルフェニルエーテル
POEノニルフェニルエーテル、POEオクチルフェニルエーテルなど
3.POEソルビタン脂肪酸エステル
モノステアリン酸POEソルビタン、モノパルミチン酸POEソルビタン、モノラウリン酸POEソルビタンなど
4.POEグリセリルモノ脂肪酸エステル
モノステアリン酸POEグリセリン、モノミリスチン酸POEグリセリンなど
5.POEソルビトール脂肪酸エステル
ヘキサステアリン酸POEソルビット、モノラウリン酸POEソルビット、POEソルビットミツロウなど
6.硬化ヒマシ油誘導体
POE硬化ヒマシ油など
7.POE脂肪酸エステル
モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコールなど
8.高級脂肪酸グリセリンエステル
親油型モノステアリン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリンなど
9.ソルビタン脂肪酸エステル
モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタンなど
10.アルキロールアミド
ラウリン酸ジエタノールアミドなど
11.POE脂肪酸アミド
POEステアリン酸アミドなど
12.ショ糖脂肪酸エステル
ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖グリセリド脂肪酸エステルなど
13.アルキルアミンオキシド
ジメチルラウリルアミンオキシドなど
14.アルキルポリグルコシド
アルキル(8〜16)グルコシドなど
【0027】陰イオン界面活性剤
1.硫酸エステル塩
1−1)アルキル硫酸エステル塩
ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、セチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウムなど
1−2)アルキル及びアルキルアリルエーテル硫酸エステル塩
POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリルエーテル硫酸アンモニウム、POEアルキルエーテル硫酸ナトリウム、POEアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、POEアルキルエーテル硫酸ジエタノールアミン、POEアルキルエーテル硫酸アンモニウムなど
1−3)高級脂肪酸エステル塩の硫酸エステル塩
硬化ヤシ油脂肪酸グリセリル硫酸ナトリウムなど
1−4)高級脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩
1−5)硫酸化油硫酸化ヒマシ油など
2.リン酸エステル塩
POEラウリルエーテルリン酸、POEオレイルエーテルリン酸、POEセチルエーテルリン酸、POEステアリルエーテルリン酸、POEアルキルエーテルリン酸、POEアルキルフェニルエーテルリン酸、及びその塩(ナトリウム塩、トリエタノールアミン塩)など
3.スルホン酸塩
3−1)α−オレフィンスルホン酸塩
3−2)高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩
3−3)高級脂肪酸アミドのスルホン酸塩
ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウロイルロチルタウリンナトリウムなど
3−4)アルキルベンゼンスルホン酸塩
ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミンなど
3−5)スルホコハク酸塩
スルホコハク酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、POEスルホコハク酸二ナトリウム、POEスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、スルホコハク酸POEラウロイルエタノールアミドエステル二ナトリウム、ウンデシレノイルアミドエチルスルホコハク酸二ナトリウムなど
4.カルボン酸塩
4−1)高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物
ラウロイルサルコシンナトリウムなどのN−アシルサルコシン塩、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸二ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウムなどN−アシルグルタミン酸塩
4−2)脂肪酸石鹸
オレイン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸などのナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩あるいはアンモニウム塩
【0028】
前記以外の陽イオン界面活性剤としては、例えば、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ミリスチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウムなどが挙げられる。
【0029】
両性界面活性剤としては、グリシン型両性界面活性剤、アミノプロピオン酸型両性界面活性剤、アミノ酢酸型界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。具体例としては、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ウンデシノイルカルボキシメトキシエチルカルボキシメチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ウンデシル−N−ヒドロキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液、ステアリルジヒドロキシエチルベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルベタインナトリウム液、ビス(ステアリル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリン)クロル酢酸錯体、ヤシ油アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ヤシ油アルキル−N−カルボキシエトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムジナトリウムヒドロキシド、ヤシ油アルキル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムジナトリウムヒドロキシド、ヤシ油アルキル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムジナトリウムラウリル硫酸、ヤシ油アルキルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸トリエタノールアミン、β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルN−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムジナトリウムドデカノイルサルコシン、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、ラウリン酸アミドプロピルベタイン液等が挙げられる。
【0030】
溶剤としては、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1、3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、へキシレングリコール、エチルカルビトール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
【0031】
本発明の染毛剤組成物は常法に従って調製でき、その剤型は液状、乳液状、クリーム状、ゲル状、ペースト状、フォーム状等とすることができる。これらの中でも、液状又は乳液状のものが、第1剤と第2剤の混合性が良いという点で好ましい。
【0032】
本発明の染毛剤組成物中には、上記成分の他に、通常化粧品分野で用いられる他の任意成分を本発明の効果を妨げない範囲で加えることができる。このような任意成分としては、コラーゲン、ケラチン、エラスチン、フィブロイン、コンキオリン、大豆蛋白、カゼイン、ゼラチン等の蛋白質を酸、アルカリ、酵素等により加水分解した加水分解物、及びこれらを4級化したカチオン変性蛋白質等のポリペプタイド;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ソルビトール、ヒアルロン酸、尿素等の保湿剤;ヒマシ油、カカオ脂、ミンク油、アボガド油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、オリーブ油等の油脂類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類;ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、乳酸セチル、オレイン酸オレイル、2−エチルヘキサン酸ヘキサデシル、ミリスチン酸オクチルドデシル等の脂肪酸エステル;ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等のシリコーン誘導体;ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、ベンジルオキシエタノール、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、エチレンカーボネート、ポロピレンカーボネート等の染色助剤;流動パラフィン、固形パラフィン、イソパラフィン、スクワラン等の炭化水素類;パラベン等の防腐剤;エデト酸二ナトリウム等のキレート剤;フェナセチン、8−オキシキノリン等の安定化剤;チオグリコール酸、亜硫酸塩、アスコルビン酸等の酸化防止剤;その他、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、色素、香料、顔料、紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0033】
本発明の染毛剤組成物は、使用に際し、通常、過酸化水素、過酸化尿素等を含有する酸化剤(第2剤)と、重量比で1:0.5〜1:5の割合で混合される。ここで、酸化染毛剤組成物のpHとしては8〜12、特に9〜11の範囲が好ましく、pHが8未満では本発明の効果が十分に得られず、12を超えると頭皮への刺激が強く、実用上使用できない。このpHの調整は、例えば塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭水素酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム等の緩衝剤により、適宜行うことができる。
【0034】
なお、本発明の染毛剤組成物に前記の染料を配合しない場合は、脱色剤として用いることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0036】
【実施例】実施例1〜2及び比較例1〜3(液状染毛剤)
表1に示す組成の実施例1〜2及び比較例1〜3の液状染毛剤組成物第1剤と第2剤をそれぞれ常法により調製した。
【0037】
【表1】
【0038】<比較試験1>
実施例1〜2及び比較例1〜3の第1剤と第2剤とをそれぞれ重量比1:1の割合で混合し、パネラー12名の毛髪を頭頂部で左右半分に分けて、片方に実施例1又は2を、もう一方に比較例1〜3のいずれかを塗布した。このとき、塗布液の垂れ(第1剤と第2剤とを混合し、薬液を毛髪に塗布した際の塗布液の垂れ具合)について評価した。その後、室温で20分間放置した後、各パネラーの頭髪を、40℃の温湯で充分洗浄し、乾燥した。この処理を1ヶ月半後にもう一度行い、各回でのプレーンリンス時及びドライ後の感触、及び染毛力について総合的に評価した。さらに、その1ヶ月半後、堅牢性について評価した。評価基準を以下に示す。
【0039】評価基準
<染毛力>
○:良い
△:やや悪い
×:悪い
<堅牢性>
○:良い
△:やや悪い
×:悪い
<プレーンリンス時の感触>
○:きしみ、ごわつきがなく、指通りが良い
△:ややきしみ、ごわつきがある。
×:きしみ、ゴワツキがあり、指通りが悪い
<ドライ時の感触>
○:ごわつかず、櫛通りが良い
△:ややごわつき、やや櫛通りが悪い
×:ごわつき、櫛通りが悪い
<塗布液の垂れ>
○:頭髪に塗布しても、混合粘度の変化がなく、塗布液が垂れない
△:頭髪に塗布すると、混合粘度がやや下がり、僅かに塗布液が垂れる
×:頭髪に塗布すると、混合粘度が下がり、塗布液が垂れる
結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】
表2の結果より、本発明の染毛剤組成物を用いれば、塗布液の垂れもなく、染毛力及び堅牢性に優れ、さらに染色後の毛髪の感触も良好であることがわかる。
【0042】
実施例3(液状染毛剤組成物)
(第1剤) 重量%
POE(20)オレイルエーテル(HLB=17) 5.0
POE(5)ヘキシルデシルエーテル(HLB=7) 10.0
エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピル
エチルジメチルアンモニウム 1.5
イソステアリン酸 8.0
オクチルドデカノール 2.0
イソプロパノール 10.0
ポリエチレングリコール 20.0
p−トルイレンジアミン 3.0
レゾルシン 1.0
p−アミノフェノール 0.5
m−アミノフェノール 0.6
亜硫酸ナトリウム 0.5
チオグリコール酸ナトリウム 0.5
28%アンモニア水 pH10.0とする量
精製水 適 量
【0043】
上記組成の実施例3の液状染毛剤組成物(第1剤)を常法により調製し、表1に示す第2剤と重量比1:1の割合で混合し、実施例1と同様の試験を行ったところ、実施例1と同様の良好な結果が得られた。
【0044】
実施例4(クリーム状染毛剤組成物)
(第1剤) 重量%
POE(5)イソステアリルエーテル(HLB=7) 7.0
POE(20)セチルエーテル(HLB=17) 5.0
エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピル
エチルジメチルアンモニウム 0.05
セチル硫酸ナトリウム 2.0
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0
プロピレングリコール 3.0
セタノール 5.0
N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)
−p−フェニレンジアミン二塩酸塩 7.0
2−クロル−p−フェニレンジアミン 0.3
レゾルシン 0.5
4N−o−フェニレンジアミン 0.2
アスコルビン酸 0.5
エデト酸二ナトリウム 0.5
28%アンモニア水 pH9.0とする量
精製水 適 量
【0045】
上記組成の実施例4のクリーム状染毛剤組成物(第1剤)を常法により調製し、表1に示す第2剤と重量比1:2の割合で混合し、実施例1と同様の試験を行ったところ、実施例1と同様の良好な結果が得られた。
【0046】
実施例5(液状染毛剤組成物)
(第1剤) 重量%
POE(25)デシルペンタデシルエーテル(HLB=13) 5.0
POEアルキル(12〜14)エーテル(3E.O)(HLB=8)30.0
エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピル
エチルジメチルアンモニウム 1.0
オレイン酸 3.0
POEラウリルエーテルリン酸 5.0
デシルテトラデカノール 10.0
プロピレングリコール 5.0
p−トルイレンジアミン 3.0
レゾルシン 1.0
p−アミノフェノール 0.5
m−アミノフェノール 0.6
亜硫酸ナトリウム 0.5
エデト酸二ナトリウム 0.5
28%アンモニア水/モノエタノールアミン pH10.0とする量
精製水 適 量
【0047】
上記組成の実施例5の液状染毛剤組成物(第1剤)を常法により調製し、表1に示す第2剤と重量比1:1の割合で混合し、実施例1と同様の試験を行ったところ、実施例1と同様の良好な結果が得られた。
【0048】
実施例6(フォーム状染毛剤組成物)
(第1剤) 重量%
POE(5)オクチルドデシルエーテル(HLB=6) 2.0
POE(20)ヘキシルデシルエーテル(HLB=11) 2.0
エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピル
エチルジメチルアンモニウム 0.4
セタノール 2.0
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1.0
グリセリン 10.0
p−フェニレンジアミン 3.0
レゾルシン 0.6
m−アミノフェノール 0.4
亜硫酸ナトリウム 0.5
エデト酸二ナトリウム 0.5
28%アンモニア水 pH9.5とする量
精製水 適 量
この第1剤(乳液状)を原液(pH9.0、粘度1000cps)とし、原液と噴射剤(LPG;5.0kg/cm3,25℃)とを重量比95:5の割合でエアゾール容器に充填し、フォーム状染毛剤組成物第1剤を得た。
(第2剤) 重量%
過酸化水素水(35%) 15.0
セタノール 2.0
ラウリル硫酸ナトリウム 0.5
プロピレングリコール 5.0
POE(20)オレイルエーテル 0.9
フェナセチン 0.1
エデト酸二ナトリウム 0.5
精製水 適 量
この第2剤を原液とし、原液と噴射剤(LPG;5.0kg/cm3,25℃)とを重量比95:5の割合でエアゾール容器に充填し、フォーム状染毛剤組成物第2剤を得た。
【0049】
上記の実施例6のフォーム状染毛剤組成物第1剤及び第2剤とを重量比1:1の割合で混合し、実施例1と同様の試験を行ったところ、実施例1と同様の良好な結果が得られた。
【0050】
実施例7(ゲル状脱色剤組成物)
(第1剤) 重量%
POE(20)デシルテトラデシルエーテル(HLB=12) 8.0
POE(2)オレイルエーテル(HLB=5) 10.0
POE(5)ラウリルエーテル 8.0
エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピル
トリエチルアンモニウム 0.05
イソステアリン酸 10.0
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 5.0
1,3−ブタンジオール 10.0
28%アンモニア水 pH10とする量
精製水 適 量
【0051】
上記組成の実施例7のゲル状脱色剤組成物(第1剤)を常法により調製し、表1に示す第2剤と重量比1:1の割合で混合し、実施例1と同様の試験を行ったところ、脱色効果に優れ、脱色後の毛髪の感触も良好であった。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、染毛力及び堅牢性に優れ、さらに染色後の毛髪の感触が良好である染毛剤組成物が得られる。
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