JP5134246B2 - 染毛剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、染毛剤組成物に関する。より詳しくは、本発明は、毛髪内に浸透し発色した後、洗髪を繰り返しても色相の変化がほとんどなく、緩やかに退色する色持ちの良い染毛剤組成物に関する。
近年、ヘアカラーの需要が高まり、ヘアカラーブームと呼ばれるようにその市場が拡大し続けている。
しかしながら、使用した染料成分の種類によっては、染毛後の毛髪において、毛髪内で酸化重合した染料化合物群の一部が洗髪により偏った割合で流出することで、色相が変化(変色)していくという問題や、毛髪内で酸化重合した染料化合物が比較的短期間で毛髪内から流出し、毛髪の明度が上がり易く、色持ちが良くない(退色し易い)という問題があった。とくに、このような変退色の問題は、中程度以上の明度を有する色調(たとえば、茶色など)に毛髪を染める場合には顕著であった。
これに対して、従来、特許文献1には、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、1−ナフトール、レゾルシン、m−アミノフェノール等を有効成分として所定量で含有する酸化発色型黒色染色剤が開示され、該黒色染色剤で染色した毛髪について、日光、カリ石鹸、汗に対する変退色堅牢度が検討されている。しかしながら、特許文献1には、白髪を黒色に染毛した場合以外の変退色については検討されておらず、また検討された変退色堅牢度についてもより長期にわたり保証されることが望ましい。
また、特許文献2には、(a)p−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン等から選ばれる1種以上の成分と、(b)o−クロル−p−フェニレンジアミンまたはその水溶性塩と、(c)α−ナフトール等を含有する染毛剤組成物が開示され、さらにレゾルシン、m−アミノフェノール、o−アミノフェノールを任意成分として含んでも良いことが記載されている。しかしながら、α−ナフトールを含む態様として具体的に開示されているのは、2,5,6−トリアミノ−4−ヒドロキシピリミジン硫酸塩とα−ナフトールとからなるか、あるいはこれらとo−クロル−p−フェニレンジアミン硫酸塩とからなる染毛剤組成物であり、該組成物で染毛した毛束の光堅牢性について評価しているものの、洗髪による色相の変化(変色)や退色については何ら言及されていない。
また、非特許文献1には、(a)p−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、p−アミノフェノール、o−クロル−p−フェニレンジアミン等から選ばれる1種以上の染料中間体を0.01〜10重量%、(b)レゾルシン、α−ナフトール等から選ばれる1種以上のカップラーを0.01〜10重量%の量で含む染毛剤組成物であって、該染料中間体(a):カップラー(b)の重量比が1:10〜10:1の染毛剤組成物が開示されている。しかしながら、該染毛剤組成物の堅牢性(変退色)は具体的には何ら検討されていない。
したがって、毛髪内に浸透し発色した後、洗髪を繰り返しても色相の変化がほとんどなく、緩やかに退色していく色持ちの良い染毛剤組成物の出現が依然として強く望まれていた。
特公平2−43722号公報 特開平7−173039号公報 発明協会公開技報 公技番号95−15922号
本発明は、毛髪内に浸透し発色した後、洗髪を繰り返しても色相の変化がほとんどなく、緩やかに退色する色持ちの良い染毛剤組成物を提供することを目的としている。
本発明に係る第1の染毛剤組成物は、
(A)p−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、およびこれらの塩よりなる群から選ばれる1種以上と、(B)α−ナフトールと、(C)レゾルシンとを含有してなる染毛剤組成物(ただしp−アミノフェノールは含まない。)であって、
前記(A)〜(C)成分を、
前記染毛剤組成物中の染料成分全量を100重量%としたときに合計で60〜100重量%の量で、かつ、(A)成分1重量部に対して、(B)成分を0.1〜1重量部、(C)成分を0.45〜1.5重量部の範囲内の量で含有していることを特徴としている。
第1の染毛剤組成物では、前記(A)成分として、少なくともp−フェニレンジアミン及び/またはその塩類を含有することが好ましく、p−フェニレンジアミン及び/またはその塩類と、トルエン−2,5−ジアミン及び/またはその塩類とを、モル比(p−フェニレンジアミン及び/またはその塩類:トルエン−2,5−ジアミン及び/またはその塩類)で0.226:1〜5.65:1の範囲内で含有することがより好ましい。
なお、本発明では、前記第1の染毛剤組成物全量中に、前記(A)〜(C)成分を合計で0.1〜5.0重量%の範囲内の量で含有することが望ましい。
本発明に係る第2の染毛剤組成物は、
(A)p−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、およびこれらの塩よりなる群から選ばれる1種以上と、(B)α−ナフトールと、(C)レゾルシンと、(D)p−アミノフェノールとを含有してなる染毛剤組成物であって、
前記(A)〜(D)成分を、
前記染毛剤組成物中の染料成分全量を100重量%としたときに、合計で60〜100重量%の量で、かつ、(A)成分1重量部に対して、(B)成分を0.1〜1重量部、(C)成分を0.45〜1.5重量部、(D)成分を0.05〜2重量部の範囲内の量で含有していることを特徴としている。
第2の染毛剤組成物では、前記(A)成分として、少なくともp−フェニレンジアミン及び/またはその塩類を含有することが好ましく、p−フェニレンジアミン及び/またはその塩類と、トルエン−2,5−ジアミン及び/またはその塩類とを、モル比(p−フェニレンジアミン及び/またはその塩類:トルエン−2,5−ジアミン及び/またはその塩類)で0.226:1〜5.65:1の範囲内で含有することがより好ましい。
なお、本発明では、前記第2の染毛剤組成物全量中に前記(A)〜(D)成分を合計で、0.1〜5.0重量%の範囲内の量で含有することが望ましい。
本発明の染毛剤組成物によれば、毛髪を染色した後、洗髪を繰り返しても色相の変化がほとんどなく、緩やかに退色していく、色持ちの良い染毛が可能であり、さらに退色した際も毛髪の色相がほとんど変わらないため、退色後の毛髪を同系色に再度染め直す場合にも好都合である。
したがって、本発明の染毛剤組成物は、とくに変退色が顕著である中程度以上の明度を有する色調(たとえば、茶色など)に毛髪を染める場合に有利である。
また、本発明の染毛剤組成物によれば、新生毛部(未染毛部)と既染毛部とを有する毛髪を染毛した場合でも、新生毛部(未染毛部)と既染毛部との色差が比較的少なければ、双方の部位を異なる薬剤で塗り分けることなく、同一の薬剤を用いて同程度に染色できる。
以下、本発明について具体的に説明する。
<染毛剤組成物>
本発明に係る第1の染毛剤組成物は、(A)p−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、およびこれらの塩よりなる群から選ばれる1種以上と、(B)α−ナフトールと、(C)レゾルシンとを含有してなる染毛剤組成物(ただしp−アミノフェノールは含まない。)であって、
前記(A)〜(C)成分を、前記染毛剤組成物中の染料成分全量を100重量%としたときに合計で60〜100重量%の量で、かつ、(A)成分1重量部に対して、(B)成分を0.1〜1重量部、(C)成分を0.45〜1.5重量部の範囲内の量で含有していることを特徴としている。
本明細書中、「染料成分」とは、酸化染料成分、および、直接染料(酸化しなくても発色する染料)の両方を包含する意味である。また、本明細書中、「酸化染料成分」とは、酸化剤によって酸化されて発色する染料中間体(他の酸化染料とカップリングであるいは単独で発色する染料)、および、該染料中間体と組み合わせた場合に発色するいわゆるカップラーの両方を包含する意味である。
したがって、前記(A)(B)(C)成分および後述する(D)成分は、すべて酸化染料成分に属する。
前記第1の染毛剤組成物に使用される成分(A)、すなわち、p−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、およびこれらの塩よりなる群から選ばれる1種以上の成分としては、具体的には、p−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、硫酸−p−フェニレンジアミン、硫酸トルエン−2,5−ジアミン、塩酸−p−フェニレンジアミン、塩酸トルエン−2,5−ジアミンなどが挙げられる。これらは1種単独であるいは2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらのうち、少なくともp−フェニレンジアミン及び/またはその塩類を用いることが好ましく、p−フェニレンジアミン及び/またはその塩類とトルエン−2,5−ジアミン及び/またはその塩類とを組み合わせて用いることがより好ましい。
前記成分(A)として、p−フェニレンジアミン及び/またはその塩類とトルエン−2,5−ジアミン及び/またはその塩類とを組み合わせて用いる場合には、染毛剤組成物全量中にこれらがモル比(p−フェニレンジアミン及び/またはその塩類:トルエン−2,5−ジアミン及び/またはその塩類)で0.226:1〜5.65:1の範囲内の量で含有されるように用いることが好ましく、特に0.565:1〜2.26:1のモル比で含有されるように用いることが好ましい。p−フェニレンジアミン及び/またはその塩類とトルエン−2,5−ジアミン及び/またはその塩類とを上記モル比の量で組み合わせて用いると、染毛した毛髪の色持ちがより向上し、退色の進行を抑制することができる。
なお、上記モル比を決める際のp−フェニレンジアミン及び/またはその塩類のモル数は、p−フェニレンジアミンまたはその塩類をそれぞれ単独で用いる場合にはこれらの各成分のモル数であり、p−フェニレンジアミン及びその塩類を組み合わせて用いる場合にはこれらのモル数の合計である。
同様に、上記モル比を決める際のトルエン−2,5−ジアミン及び/またはその塩類のモル数は、トルエン−2,5−ジアミンまたはその塩類をそれぞれ単独で用いる場合にはこれらの各成分のモル数であり、トルエン−2,5−ジアミン及びその塩類を組み合わせて用いる場合にはこれらのモル数の合計である。
また、本発明の第1の染毛剤組成物は、前記成分(A)とともに、(B)α−ナフトール、(C)レゾルシンを含有し、p−アミノフェノールを含有していない。
前記(B)α−ナフトールおよび(C)レゾルシンは、単独で酸化してもほとんど発色せず、染料中間体と共に酸化することで発色するいわゆるカップラーであるが、これらを前記成分(A)とともに、第1の染毛剤組成物に含まれている染料成分全量中に所定の割合(重量%)を占めるような量で、かつ(A)成分に対して所定の重量比で含まれるように使用することにより、毛髪内に浸透し発色した後に、洗髪を繰り返しても色相の変化がほとんどなく、緩やかに退色する第1の染毛剤組成物を得ることができる。
より具体的には、本発明の第1の染毛剤組成物は、前記(A)成分と、(B)α−ナフトールと、(C)レゾルシンとを、
前記染毛剤組成物中の染料成分全量を100重量%としたときに、前記(A)〜(C)成分の合計で、通常は60〜100重量%、好ましくは75〜100重量%、より好ましくは90〜100重量%の量で、かつ
(A)成分1重量部に対して、通常は(B)成分を0.1〜1重量部(C)成分を0.45〜1.5重量部、好ましくは(B)成分を0.25〜1重量部(C)成分を0.45〜1.5重量部、より好ましくは(B)成分を0.3〜0.7重量部(C)成分を0.5〜1.2重量部の範囲内の量で含有している。
前記染毛剤組成物に含まれる染料成分全量中に占める前記(A)〜(C)成分の合計量(重量%)が上記範囲内の量であり、かつ、前記染毛剤組成物中に(A)成分に対して(B)および(C)成分を上記範囲内の重量比で含有していると、これら成分の相互作用により、これらを含有してなる染毛剤組成物により染色した毛髪は、洗髪を繰り返しても色相の変化がほとんどなく、緩やかに退色する。
また、本発明の第1の染毛剤組成物は、前記(A)成分と、(B)α−ナフトールと、(C)レゾルシンとを合計で、通常は、染毛剤組成物全量中に0.1〜5.0重量%、好ましくは0.5〜3.0重量%の範囲内の量で含有している。
上記所定の重量比率を有する酸化染料成分を合計でこのような量で含有している染毛剤組成物を用いると、例えば、中明度以上の色調に染毛する場合で、染色の対象となる毛髪に新生毛部(未染毛部)や既染毛部や白髪が混ざっていてもこれらをしっかりと染めることができると共に、染毛後に洗髪を繰り返しても色相変化(変色)や退色が少なく、色持ちが向上する。
本発明に係る第2の染毛剤組成物は、
(A)p−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、およびこれらの塩よりなる群から選ばれる1種以上と、(B)α−ナフトールと、(C)レゾルシンと、(D)p−アミノフェノールとを含有してなる染毛剤組成物であって、
前記(A)〜(D)成分を、
前記染毛剤組成物中の染料成分全量を100重量%としたときに、合計で60〜100重量%の量で、かつ、(A)成分1重量部に対して、(B)成分を0.1〜1重量部、(C)成分を0.45〜1.5重量部、(D)成分を0.05〜2重量部の範囲内の量で含有していることを特徴としている。
前記第2の染毛剤組成物は、第1の染毛剤組成物に加え、さらに(D)p−アミノフェノールを配合した態様であり、本発明者らの検討によれば、前記(A)〜(C)成分とともに(D)p−アミノフェノールを、染毛剤組成物中に含まれている染料成分全量中に所定の割合(重量%)を占めるような量で、かつ(A)成分に対して所定の重量比で含まれるように使用することにより、染毛後に洗髪を繰り返しても毛髪の色相変化(変色)および退色をより効果的に抑制することができることが判明した。
前記第2の染毛剤組成物に使用される酸化染料成分(A)〜(C)としては、上述した第1の染毛剤組成物に使用される酸化染料成分(A)〜(C)と同じものが例示される。なお、酸化染料成分(A)については、少なくともp−フェニレンジアミン及び/またはその塩類を用いることが好ましく、p−フェニレンジアミン及び/またはその塩類とトルエン−2,5−ジアミン及び/またはその塩類とを組み合わせて用いることがより好ましい。
前記成分(A)として、p−フェニレンジアミン及び/またはその塩類とトルエン−2,5−ジアミン及び/またはその塩類とを組み合わせて用いる場合には、染毛剤組成物全量中にこれらがモル比(p−フェニレンジアミン及び/またはその塩類:トルエン−2,5−ジアミン及び/またはその塩類)で0.226:1〜5.65:1の範囲内の量で含有されるように用いることが好ましく、特に0.565:1〜2.26:1のモル比で含有されるように用いることが好ましい。p−フェニレンジアミン及び/またはその塩類とトルエン−2,5−ジアミン及び/またはその塩類とを上記モル比の量で組み合わせて用いると、染毛した毛髪の色持ちがより向上し、退色の進行を抑制することができる。
なお、上記モル比を決める際のp−フェニレンジアミン及び/またはその塩類のモル数は、p−フェニレンジアミンまたはその塩類をそれぞれ単独で用いる場合にはこれらの各成分のモル数であり、p−フェニレンジアミン及びその塩類を組み合わせて用いる場合にはこれらのモル数の合計である。
同様に、上記モル比を決める際のトルエン−2,5−ジアミン及び/またはその塩類のモル数は、トルエン−2,5−ジアミンまたはその塩類をそれぞれ単独で用いる場合にはこれらの各成分のモル数であり、トルエン−2,5−ジアミン及びその塩類を組み合わせて用いる場合にはこれらのモル数の合計である。
本発明の第2の染毛剤組成物は、前記(A)成分と、(B)α−ナフトールと、(C)レゾルシンと、(D)p−アミノフェノールとを、
前記染毛剤組成物中に含まれる染料成分全量を100重量%としたときに、前記(A)〜(D)成分の合計で、通常は60〜100重量%、好ましくは75〜100重量%、より好ましくは90〜100重量%の量で、かつ
(A)成分1重量部に対して、通常は(B)成分を0.1〜1重量部、(C)成分を0.45〜1.5重量部、(D)成分を0.05〜2重量部、好ましくは(B)成分を0.25〜1重量部、(C)成分を0.45〜1.5重量部、(D)成分を0.1〜1.5重量部、より好ましくは(B)成分を0.3〜0.7重量部、(C)成分を0.5〜1.2重量部、(D)成分を0.2〜1重量部の範囲内の量で含有している。
前記染毛剤組成物に含まれる染料成分全量中に占める前記(A)〜(D)成分の合計量(重量%)が上記範囲内の量であり、かつ、前記染毛剤組成物全量中に(A)成分に対して(B)〜(D)成分を上記範囲内の重量比で含有していると、これら成分の相互作用により、これらを含有してなる染毛剤組成物により染色した毛髪は、洗髪を繰り返しても色相の変化がほとんどなく(変色せず)、緩やかに退色する。とくに、第2の染毛剤組成物は、前記(D)成分を含有しているため、変退色の抑制効果がより向上している。
また、本発明の第2の染毛剤組成物は、前記(A)成分と、(B)α−ナフトールと、(C)レゾルシンと、(D)p−アミノフェノールとを合計で、通常は、染毛剤組成物全量中に0.1〜5.0重量%、好ましくは0.5〜3.0重量%の範囲内の量で含有している。
上記所定の重量比率を有する酸化染料成分を合計でこのような量で含有している染毛剤組成物を用いると、例えば、中明度以上の色調に染毛する場合で、染色の対象となる毛髪に新生毛部(未染毛部)や既染毛部や白髪が混ざっていてもこれらをしっかりと染めることができると共に、染毛後に洗髪を繰り返しても色相変化(変色)や退色が少なく、色持ちが向上する。
さらに、本発明の第1の染毛剤組成物および第2の染毛剤組成物は、共にアルカリ成分を含有することが好ましい。該染毛剤組成物中に含まれるアルカリ量は、染毛剤組成物全量(100重量%)中に28重量%アンモニア水を通常0.1〜20重量%、好ましくは1〜15重量%、より好ましくは3〜10重量%含有する場合に相当する量であることが望ましい。
前記アルカリ成分としては、特に限定されるものではないが、たとえば、アンモニア水、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルフォリン、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素グアニジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルギニン、モノイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノールなどを挙げることができ、これらの1種以上を適宜組み合わせて用いることができる。なお、本発明の第1の染毛剤組成物および第2の染毛剤組成物が、アンモニア水以外のアルカリ成分を含有する場合には、染毛剤組成物中のアルカリ量は、0.1規定の塩酸を用いた中和滴定によって測定し、アルカリ成分としてアンモニア水のみを用いた組成物で別途測定して得たアルカリ量の検量線と比較することによって求めることができる。
さらに、本発明の第1の染毛剤組成物および第2の染毛剤組成物は、上述した成分のほかに、通常は水を含有している。水としては、イオン交換水、蒸留水などの精製水を用いることが好ましく、その含有量は、特に限定されず、前記染毛剤組成物に用いられる各成分を充分に溶解または分散できるような量であれば良い。
なお、本発明の第1の染毛剤組成物および第2の染毛剤組成物のpHは、通常は5.0〜11.5、好ましくは8.0〜11.0の範囲内にある。
さらに、本発明の第1の染毛剤組成物および第2の染毛剤組成物は、所望により上述した成分のほか、一般に染毛剤組成物に配合しうる公知の成分を本発明の目的を損なわない範囲内の量で適宜含有してもよい。
配合しうる他の成分としては、たとえば、その他の酸化染料、直接染料、界面活性剤、油剤、湿潤剤、安定化剤、コンディショニング剤、シリコーン、毛髪保護剤、増粘剤、pH調整剤、浸透剤、養毛剤、紫外線吸収剤、色素、パール剤、防腐剤、香料などが挙げられる。
その他の酸化染料としては、上述した酸化染料成分(A)〜(D)以外のものであれば、特に限定されるものではないが、染料中間体としては、前記(A)成分以外のフェニレンジアミン類、前記(D)成分以外のアミノフェノール類、ジアミノピリジン類及びそれらの塩類等が挙げられる。塩類としては塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等が挙げられる。これらの中でもN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2−(2'−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルアミン、2−クロロ−p−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン、o−アミノフェノール、p−メチルアミノフェノール、2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、p−アミノフェニルスルファミン酸、2,5−ジアミノピリジン及びそれらの塩類を配合することができる。
カップラーとしては、ピロガロール、カテコール、m−アミノフェノール、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノール、1,2,4−ベンゼントリオール、トルエン−3,4−ジアミン、トルエン−2,4−ジアミン、ハイドロキノン、2,6−ジアミノピリジン、3,3'−イミノジフェノール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、p−アミノ−o−クレゾール、ジフェニルアミン、フロログルシン、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、没食子酸、タンニン酸、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、五倍子、1−メトキシ−2−アミノ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノベンゼン、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール及びそれらの塩等を配合することができる。その他、「医薬部外品原料規格」(1991年6月発行、薬事日報社)に収載されたものも適宜、用いることができる。
また、直接染料としては、タール系色素や天然色素などの公知のものが使用できる。その中でも、ニトロ系染料、アゾ染料、ニトロソ染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、キノリン染料、アントラキノン染料、またはインジゴ染料が挙げられる。具体例としては、ニトロ−p−フェニレンジアミン、p−ニトロ−o−フェニレンジアミン、p−ニトロ−m−フェニレンジアミン、2−アミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、ピクラミン酸、N1,N4,N4−トリス(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロパラフェニレンジアミン(HC Blue#2)、4−〔(2−ニトロフェニル)アミノ〕フェノール(HC Orange#1)、N1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロパラフェニレンジアミン(HC Red#3)、2,2’−〔(4−アミノ−3−ニトロフェニル)イミノ〕ビスエタノール(HC Red#13)、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロアニリン(HC Yellow#2)、2−〔〔2−(2−ヒドロキシエトキシ)−4−ニトロフェニル〕アミノ〕エタノール(HC Yellow#4)、N1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ニトロオルトフェニレンジアミン(HC Yellow#5)、それらの塩及び「医薬品等で使用できるタール色素を定める省令」(昭和41年告示、厚生省)により定められた酸性染料で、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号の(1)、赤色105号の(1)、赤色106号、赤色201号、赤色227号、赤色230号の(1)、赤色230号の(2)、赤色231号、赤色232号、赤色401号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色506号、黄色4号、黄色5号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、黄色402号、黄色403号の(1)、黄色406号、黄色407号、橙色205号、橙色207号、橙色402号、緑色3号、緑色204号、緑F205号、緑色401号、緑色402号、褐色201号、紫色401号、青色1号、青色2号、青色202号、青色203号、青色205号、黒色401号等が挙げられる。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤および両性界面活性剤のいずれを用いてもよい。
非イオン性界面活性剤としては、たとえば以下のものが挙げられる。具体的には、たとえば、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレンイソセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル、ポリオキシエチレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキシルデシルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンデシルペンタデシルエーテル、ポリオキシエチレンデシルテトラデシルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシアルキルフェニルエーテル類;
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類;
モノステアリン酸プロピレングリコール等の多価アルコール脂肪酸エステル類;
モノミリスチン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル類、モノラウリン酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル類;
モノパルミチン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類;
モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類;
トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類;
モノステアリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル類;
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド等のアルキルアルカノールアミド類;
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンコレステロール、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンコレスタノール、ポリオキシエチレンフィトスタノール等が挙げられる。
また、陰イオン性界面活性剤としては、たとえば以下のものが挙げられる。具体的には、たとえば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、セチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウムなどのアルキル硫酸塩;
ポリオキシエチレン(以下、POEと略す。)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリルエーテル硫酸アンモニウム、POEアルキルエーテル硫酸ナトリウム、POEアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、POEアルキルエーテル硫酸アンモニウム、POEノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキル/アルキルアリルエーテル硫酸塩;スルホコハク酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、POEスルホコハク酸二ナトリウム、POEスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、スルホコハク酸POEラウロイルエタノールアミドエステル二ナトリウム、ウンデシレノイルアミドエチルスルホコハク酸二ナトリウムなどのスルホコハク酸塩;
ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウムなどのN−アシルスルホン酸塩;
ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミンなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩;
テトラデセンスルホン酸ナトリウムなどのα−オレフィンスルホン酸塩;
ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸二ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウムなどのN−アシルアミノ酸塩;
POEラウリルエーテルリン酸などのPOEアルキルエーテルリン酸およびその塩等が挙げられる。
また、陽イオン性界面活性剤としては、たとえば以下のものが挙げられる。具体的には、たとえば、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩などの4級アンモニウム塩;
脂肪酸アミドアミン塩、アルキルトリアルキレングリコールアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、ベンゼトニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。
さらに、両性界面活性剤としては、たとえば以下のものが挙げられる。具体的には、たとえば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ココアミドプロピルベタイン、オレアミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ココベタイン、オレイルベタイン、ラウリルベタイン、セチルベタイン、スルホベタインなどのベタイン型;
2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ二ナトリウム塩、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどのイミダゾリン型;
グリシン型、アミノプロピオン酸型等のアミノ酸型等が挙げられる。
油剤としては、たとえば、以下のものを挙げることができる。具体的には、たとえば、パラフィン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、ワセリン、スクワラン、マイクロクリスタンワックス、セレシン、プリスタンなどの炭化水素;
オリーブ油、ツバキ油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、牛脂、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アルモンド油、アボガド油、カロット油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、ミンク油、卵黄油などの油脂;
ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリンなどのロウ類;
ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール等の高級アルコール;
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸等の高級脂肪酸;
ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ラノリン誘導体等のエステル類等が挙げられる。
湿潤剤としては、たとえば、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
安定化剤としては、たとえば、亜硫酸塩、アスコルビン酸、エリソルビン酸、チオグリコール酸塩、システイン、エデト酸塩、エチドロン酸塩、フェナセチン、サリチル酸等が挙げられる。
コンディショニング剤としては、たとえば、カチオン化セルロース、カチオン化グァガム、カチオン化ポリマー、カチオン化樹脂、天然水溶性高分子類などが挙げられる。
シリコーンとしては、たとえば、ポリシロキサン、メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等が挙げられる。
毛髪保護剤としては、たとえば、タンパク質、ポリペプチド、アミノ酸等が挙げられる。
増粘剤としては、カルボキシエチルセルロース、キサンタンガム、カルボキシビニルポリマー、エチレン/アクリル酸共重合体等が挙げられる。
pH調整剤としては、リン酸、クエン酸、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。
<染毛剤セット>
上述した本発明の第1の染毛剤組成物および第2の染毛剤組成物は、これらのいずれかからなる第1剤と、過酸化水素などの酸化剤を含有する第2剤とからなる染毛剤セットの形態で使用してもよい。
このようなセットの形態であると、使用しない際には第1剤と第2剤とを別途保存でき、使用に際しては、予め調製されている第1剤と第2剤とを混合し毛髪に塗布することにより毛髪を染色することができるため、長期保存性に優れ便宜である。
第2剤は、好ましくは過酸化水素および水を含有し、第1剤中の酸化染料成分を発色させることができる組成物であればよい。
具体的には、第2剤を構成する配合原料としては、特に限定されるものではないが、過酸化水素水、水、界面活性剤、油脂、湿潤剤、pH調整剤、安定化剤などが挙げられる。第2剤に配合することのできる、水、界面活性剤、油脂、湿潤剤および安定化剤としては、それぞれ、上述した本発明の第1の染毛剤組成物および第2の染毛剤組成物で例示したものと同様のものを用いることができる。
過酸化水素は、第2剤の全量を100重量%としたときに、通常は、0.35〜6重量%の量で含有されるように用いることができ、たとえば、35重量%の濃度の過酸化水素水を1〜17重量%の量で用いることができる。
第1剤および第2剤の剤状は、液状、クリーム状、乳液状、ゲル状など、どのような剤状であってもよいが、毛髪に塗布する際のたれ落ちを防止し、効率的に塗布できる点からはクリーム状が好ましい。
前記染毛剤セットは、毛髪に塗布する直前に、第1剤と第2剤とを混合して使用する。この際に特に限定されるものではないが、第1剤と第2剤とは、重量比(第1剤:第2剤)で通常は1:3〜3:1、好ましくは1:2〜2:1の範囲で混合して用いる処方とするのが好ましく、1:1で混合して用いる処方とするのが特に好ましい。
なお、この際、第1剤と第2剤とを混合して調製された酸化染毛剤組成物のpHは、4.0〜11.0の範囲にあることが望ましい。
該染毛剤セットを用いて染毛する方法としては、上記第1剤と、第2剤とを混合して酸化染毛剤を調製し、該酸化染毛剤を毛髪に塗布し、所定時間経過後に洗浄する、通常の染毛方法が挙げられる。
なお、染毛しようとする毛髪が、新生毛部(未染毛部)と既染毛部とを有する毛髪である場合には、新生毛部(未染毛部)と既染毛部との色差が比較的少なければ、双方の部位を異なる酸化染毛剤で塗り分けることなく、同一の酸化染毛剤を塗布し、ついで洗浄することで双方の部位を同程度に染色できるが、既染毛部のダメージが気になる場合には、第2剤の過酸化水素濃度を低減し、たとえば、新生毛部(未染毛部)に用いる過酸化水素濃度を6重量%とする一方、既染毛部に用いる第2剤の過酸化水素濃度を3重量%とした2種の第2剤を用意し、これらの第2剤と上記第1剤とを混合し、2種の酸化染毛剤を調製しそれぞれの部位に塗り分けても良い。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例A1]
<本発明の第1の染毛剤組成物(第1剤)の調製>
撹拌機つき反応容器に、セタノール、流動パラフィン、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムおよびポリエチレングリコールを添加し、85℃で加温溶解した。これに撹拌しながら、p−フェニレンジアミン、α−ナフトール、レゾルシン、p−アミノ−o−クレゾール、亜硫酸ナトリウムを85℃にて精製水に溶解したものを徐々に加え、さらに撹拌しながら30℃まで冷却し、次いで28重量%アンモニア水を加えて、クリーム状の第1剤を得た。なお、各成分の配合割合(重量%)は、表1に記載のとおりである。
<第2剤の調製>
表2に記載した配合割合の各原料を用いて、常法により、過酸化水素含有量が6重量%のクリーム状の第2剤を調製した。
<染毛および評価>
(1)染毛施術
上記で調製した第1剤と第2剤とを、第1剤:第2剤=1:1の重量比で混合して酸化染毛剤を調製し、これを市販(ビューラックス(株)製)のブリーチ毛(17レベル)に塗布して室温で30分間放置した後、市販のシャンプーで洗浄し、市販のトリートメント剤でリンス処理をした後、水で洗浄し、乾燥させた。このとき得られた毛束を「染色直後」の毛束とした。
上記「染色直後」の毛束の色(L***表色系)を、色彩色差計(CR-200;ミノルタカメラ株式会社製)を用いて測定した。9回測定した測定値の平均値を結果として表1に示す。
(2)退色度合いの評価
上記(1)で得た「染色直後」の毛束を、さらに市販のシャンプーで洗浄し、市販のトリートメント剤でリンス処理をし、水で洗浄後、乾燥させる操作を7回繰り返したものを「退色後」として、「染色直後」と「退色後」の毛束の色の差を下記の評価基準に基づいて、パネラー10名による目視で評価を行い、その平均値を結果とした。結果を表1に示す。
(評価基準)5段階評価;
染色直後と退色後との色の差がほとんどない; 5点
染色直後と退色後との色の差が少ない ; 4点
染色直後と退色後との色の差が中程度 ; 3点
染色直後と退色後との色の差が大きい ; 2点
染色直後と退色後との色の差が非常に大きい; 1点
(3)変色度合いの評価
上記(1)で得た「染色直後」の毛束を、さらに市販のシャンプーで洗浄し、市販のトリートメント剤でリンス処理をし、水で洗浄後、乾燥させる操作を7回繰り返したものを「変色後」として、「染色直後」と「変色後」の毛束の色相の変化を下記の評価基準に基づいて、パネラー10名による目視で評価を行い、その平均値を結果とした。結果を表1に示す。
(評価基準)5段階評価;
染色直後と変色後の色相の変化がほとんどない ; 5点
染色直後と変色後との色相の変化が少ない ; 4点
染色直後と変色後との色相の変化が中程度 ; 3点
染色直後と変色後との色相の変化が大きい ; 2点
染色直後と変色後との色相の変化が非常に大きい; 1点
[実施例A2〜A11]
実施例A1の第1剤の調製において、使用する成分およびその配合割合(重量%)を表1に従い変更したほかは、実施例A1と同様にして、それぞれ第1剤を調製した。
得られた各第1剤と、実施例A1と同様に調製した第2剤とを用いて、実施例A1と同様に染毛施術を行い、同様に評価した。
結果を表1にまとめて示す。
[実施例B1〜B12]
<本発明の第2の染毛剤組成物(第1剤)の調製>
実施例A1の第1剤の調製において、使用する成分およびその配合割合(重量%)を表3に従い変更したほかは、実施例A1と同様にして、本発明の第2の染毛剤組成物である第1剤をそれぞれ調製した。
<第2剤>
第2剤は、実施例A1と同様に調製した。
<染毛および評価>
得られた各第1剤と、第2剤とを用いて、実施例A1と同様に染毛施術を行い、同様に評価した。結果を表3にまとめて示す。
[比較例1〜13]
実施例A1の第1剤の調製において、使用する成分およびその配合割合(重量%)を表4に従い変更したほかは、実施例A1と同様にして、それぞれ第1剤を調製した。
得られた各第1剤と、実施例A1と同様に調製した第2剤とを用いて、実施例A1と同様に染毛施術を行い、同様に評価した。
結果を表4にまとめて示す。
Figure 0005134246
Figure 0005134246
Figure 0005134246
Figure 0005134246
表1、表3および表4から、比較例に比べ、実施例A群および実施例B群では、洗髪後の毛髪の退色および変色の双方が有効に抑制されていることがわかる。さらに、実施例B群は、実施例A群よりもさらに退色および変色が抑制されており、とくに変色の抑制が顕著であることがわかる。
以上のように、本発明の染毛剤組成物は、毛髪を染めるのに好適であり、染毛剤組成物の製造業ならびに理容業・美容業に有用である。

Claims (6)

  1. (A)p−フェニレンジアミン及び/またはその塩類ならびにトルエン−2,5−ジアミン及び/またはその塩類と、(B)α−ナフトールと、(C)レゾルシンとを含有してなる染毛剤組成物(ただしp−アミノフェノールは含まない。)であって、
    前記(A)〜(C)成分を、
    前記染毛剤組成物中の染料成分全量を100重量%としたときに合計で60〜100重量%の量で、かつ、(A)成分1重量部に対して、(B)成分を0.1〜1重量部、(C)成分を0.45〜1.5重量部の範囲内の量で含有していることを特徴とする染毛剤組成物。
  2. 前記(A)成分として、p−フェニレンジアミン及び/またはその塩類と、トルエン−2,5−ジアミン及び/またはその塩類とを、モル比(p−フェニレンジアミン及び/またはその塩類:トルエン−2,5−ジアミン及び/またはその塩類)で0.226:1〜5.65:1の範囲内で含有することを特徴とする請求項に記載の染毛剤組成物。
  3. 前記染毛剤組成物全量中に、前記(A)〜(C)成分を合計で0.1〜5.0重量%の範囲内の量で含有することを特徴とする請求項1または2に記載の染毛剤組成物。
  4. (A)p−フェニレンジアミン及び/またはその塩類ならびにトルエン−2,5−ジアミン及び/またはその塩類と、(B)α−ナフトールと、(C)レゾルシンと、(D)p−アミノフェノールとを含有してなる染毛剤組成物であって、
    前記(A)〜(D)成分を、
    前記染毛剤組成物中の染料成分全量を100重量%としたときに合計で60〜100重量%の量で、かつ、(A)成分1重量部に対して、(B)成分を0.1〜1重量部、(C)成分を0.45〜1.5重量部、(D)成分を0.05〜2重量部の範囲内の量で含有していることを特徴とする染毛剤組成物。
  5. 前記(A)成分として、p−フェニレンジアミン及び/またはその塩類と、トルエン−2,5−ジアミン及び/またはその塩類とを、モル比(p−フェニレンジアミン及び/またはその塩類:トルエン−2,5−ジアミン及び/またはその塩類)で0.226:1〜5.65:1の範囲内で含有することを特徴とする請求項に記載の染毛剤組成物。
  6. 前記染毛剤組成物全量中に前記(A)〜(D)成分を合計で、0.1〜5.0重量%の範囲内の量で含有することを特徴とする請求項4または5に記載の染毛剤組成物。
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