JP4076306B2 - 染毛剤組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、染毛力に優れ、毛髪への塗布時に垂れ落ちがなく、毛髪への付着性、なじみが良く、毛髪に良好な感触を付与する染毛剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、白髪を目立たなくする、あるいは綺麗に見せるため、様々な剤型の染毛剤が開発されている。それらの中には、酸化染料を用いた酸化染毛剤、酸性染料を用いた酸性染毛料が知られている。酸化染毛剤としては、粉末状、液状、クリーム状のものが知られており、特にリタッチのしやすさやトリートメント効果の高さから、クリームタイプのものが広く使われており、主流になっている。このような酸化染毛剤は、油性成分と界面活性剤による乳化物からなるものである。また、酸性染料を主剤とする酸性染毛料としては、ジェル状、泡状、クリーム状のものが良く知られている。酸性染毛料は毛髪を傷めることなく染毛でき、さらに毛髪に良好な感触を付与するものとして使用されている。しかし、その染毛力は満足のいくものではなく、時には垂れ落ちや飛び散り等があり、改善が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、染毛力に優れ、塗布時に垂れ落ちがなく、毛髪へのなじみが良く、毛髪に良好な感触を付与する染毛剤組成物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記実情を鑑み鋭意検討を重ねた結果、アクリル酸系水分散ポリマーと芳香族アルコール及び/又は低級アルキレンカーボネートを配合することにより、塗布時に垂れ落ちがなく、毛髪に非常に良くなじみ、毛髪を均一に染毛でき、かつ毛髪に良好な感触を付与することのできる染毛剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、(A)アクリル酸系水分散ポリマー、(B)芳香族アルコール及び/又は低級アルキレンカーボネート及び(C)直接染料を含有することを特徴とする染毛剤組成物を提供するものである。以下、本発明の構成について詳細に説明する。
【0006】
本発明で用いられる成分(A)のアクリル酸系水分散ポリマーは、高分子ポリマー粒子が水中に均一に分散した形態のエマルションポリマーであり、一般的には、乳化剤としての界面活性剤の存在下で乳化重合することにより得られる。ここで得られるポリマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸又はそれらのアルキルエステルのホモポリマー又はコポリマーが挙げられ、これらにさらにスチレンや酢酸ビニルを共重合させたアクリル酸−スチレン系コポリマー、アクリル酸−酢酸ビニルコポリマーや、アクリル酸もしくはメタクリル酸にアルキル基以外の官能基、例えばアミド基、グリシジル基、ヒドロキシル基、メチロール基、アミノ基等を持たせ得られるコポリマーも含まれる。具体的には、アクリル酸アルキル共重合体エマルション、ポリアクリル酸エマルション、ポリアクリル酸アルキルエマルション、ポリアクリル酸エチルエマルション、ポリアクリル酸ブチルエマルション、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルション、アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルション、アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル共重合体エマルション、アクリル酸アルキル・イタコン酸ポリオキシエチレンアルキルモノエステル共重合体エマルション等が挙げられる。
【0007】
これらの中でも、アクリル酸アルキル共重合体エマルション、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルション、アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル共重合体エマルション及びアクリル酸アルキル・イタコン酸ポリオキシエチレンアルキルモノエステル共重合体エマルションが好ましい。
【0008】
これらのアクリル酸系水分散ポリマーの配合量は0.01〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%である。0.01重量%より少ないと充分な染毛力が得られず、30重量%を超えると毛髪へのなじみが悪くなる。
【0009】
本発明で用いられる成分(B)のうち、芳香族アルコールとしては、ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、シンナミルアルコール、フェニルプロパノール、α−メチルベンジルアルコール、ジメチルベンジルカルビノール、ベンジルオキシエタノール、フェノキシエタノール、p−アニシルアルコール等が挙げられ、これらの中でも特にベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノールが好ましい。低級アルキレンカーボネートとしては、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等が挙げられる。これらの配合量は0.5〜50重量%で、0.5重量%より少ないと充分な染毛力が得られず、50重量%を超えてもそれ以上の効果は得られない。
【0010】
本発明で用いられる成分(C)の直接染料としては、ニトロ染料、アゾ染料、ニトロソ染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、キノリン染料、アントラキノン染料、インジゴ染料などが挙げられる。具体的には、ニトロパラフェニレンジアミン、パラニトロオルトフェニレンジアミン、パラニトロメタフェニレンジアミン、2−アミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、ピクラミン酸、N1,N4,N4−トリス(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロパラフェニレンジアミン、4−〔(2−ニトロフェニル)アミノ〕フェノール、N1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロパラフェニレンジアミン、2,2’−〔(4−アミノ−3−ニトロフェニル)イミノ〕ビスエタノール、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ニトロアニリン、2−〔〔2−(2−ヒドロキシエトキシ)−4−ニトロフェニル〕アミノ〕エタノール、N1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ニトロオルトフェニレンジアミンおよびそれらの塩、1,4−ジアミノアントラキノン、「医薬品等に使用することができるタール色素を定める省令」(昭和41年告示、厚生省)により定められた酸性染料である、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号の(1)、赤色105号の(1)、赤色106号、赤色201号、赤色227号、赤色230号の(1)、赤色230号の(2)、赤色231号、赤色232号、赤色401号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色506号、黄色4号、黄色5号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、黄色402号、黄色403号の(1)、黄色406号、黄色407号、だいだい色205号、だいだい色207号、だいだい色402号、緑色3号、緑色204号、緑色205号、緑色401号、緑色402号、紫色401号、青色1号、青色2号、青色202号、青色203号、青色205号、かっ色201号、黒色401号などが挙げられる。これら酸性染料の中では、染毛力の観点より、赤色104号、赤色106号、緑色3号、赤色227号、橙色205号、黄色202号、赤色401号、黄色403号、紫色401号及び黒色401号が好ましい。
【0011】
これら直接染料の配合量は、組成物全量に対して0.001〜5.0重量%の範囲が好ましい。0.001重量%未満では充分な染毛力が得られない。一方、5.0重量%を超えて配合してもそれ以上の染毛力の向上が望めない。また、所望の色合を提供するために、これらの1種又は2種以上を任意に組み合わせて用いることができる。
【0012】
本発明の染毛剤組成物のpHは、使用する染料の種類により適切に調整される。酸性染料を用いる場合は、pH1.5〜4.5に調整するのが良好な染毛力を得るためには不可欠である。pHが1.5より低いと染料の安定性や皮膚への刺激の面から好ましくなく、4.5を超えると充分な染毛力が得られない。pH調整剤としては酸を用いることができる。具体例としては、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グリコール酸、ピロリドンカルボン酸、レブリン酸、フマル酸、コハク酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、マレイン酸、マンデル酸、アスパラギン酸、アジピン酸、ニコチン酸等の有機酸、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸を挙げることができる。その配合量は特に規定されるものではなく、本発明の染毛剤組成物のpHを1.5〜4.5の範囲に調整する量である。また、これらの酸に、その酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩等を組み合わせることによって、緩衝能をもたせることが好ましい。本発明でいう緩衝能は、25℃における染毛剤組成物のpHを1上げるのに必要なアルカリのグラム当量/lで表され、本発明品の緩衝能は、0.001〜20グラム当量/lであることが好ましい。0.001グラム当量/l未満では充分な染毛力が得られず、20グラム当量/lを超えてもそれ以上染毛力は向上せず、染毛後の毛髪の感触も劣り好ましくない。さらに好ましくは0.005〜10グラム当量/lである。
【0013】
また、ニトロ染料のようなその他の直接染料を使用するときには、その染料の染着力が最も有効に発揮される、例えばpH5〜10に調整される。pHは前記のような酸又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノジヒドロキシメチルプロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール等のアルカリにより調整される。いずれにしても、どのpHにおいても、本発明の効果は充分に発揮される。
【0014】
本発明の染毛剤組成物には、更に、操作性及び毛髪への付着性を向上させる目的で(D)水溶性高分子化合物を配合することができる。水溶性高分子化合物としては天然系高分子、半合成系高分子、合成系高分子、無機物系高分子等が挙げられる。
【0015】
天然系高分子の具体例としては、アラビアガム、カラギーナン、ガラクタン、グアーガム、クインスシードガム、ローカストビーンガム、トラガカントガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、デキストラン、ヒアルロン酸、カードラン、ジェランガム、サクシノグルカン、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、タマリンドガム等が挙げられる。
【0016】
半合成系高分子の具体例としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド等のセルロース系高分子;カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン、可溶性デンプン等のデンプン系高分子;アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子;カチオン化グアーガム等のグアーガム系高分子等が挙げられる。
【0017】
合成系高分子の具体例としては、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸アミド、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、4級化ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸ナトリウム等のビニル系高分子;ポリエチレンオキシド;エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体;ビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体のカチオン化物;ジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド・アクリル酸共重合体等の第4級アンモニウム塩重合物誘導体等が挙げられる。
【0018】
無機物系高分子の具体例としては、ベントナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸、合成ケイ酸ナトリウム・マグネシウム等が挙げられる。
本発明においては、これらの水溶性高分子化合物の中から1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%である。
【0019】
更に、系の安定化と染毛力の向上を目的として、成分(B)以外の有機溶剤(E)を用いることができる。このような有機溶剤としては、例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等の一価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ジプロピレングリコール等の多価アルコール、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、N−オクチルピロリドン、N−ドデシルピロリドン等のN−アルキルピロリドン類、エチルカルビトール等が挙げられる。本発明においては、これらの有機溶剤の中から1種又は2種以上を任意に組み合わせて用いることができ、その配合量は0.05〜25重量%である。また、成分(B)と成分(E)の配合量の比が、重量比で(E)/(B)=0.1〜1.5の範囲になるように配合すると、系の安定化と染毛力の向上を両立させることができ、一方この範囲を外れると、いずれかの効果を達することが困難になる。系が不安定になると、薬液の垂れ落ちの一因となることがある。
【0020】
さらに、感触及び均染性を向上させる目的で(F)油剤、及び/又は(G)陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤を配合することができる。
【0021】
本発明で用いることができる成分(F)の油剤としては、炭化水素、動植物油、高級アルコール、高級脂肪酸、エステル類、シリコーン類等が挙げられ、具体的には、パラフィン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、ワセリン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、プリスタン等の炭化水素、オリーブ油、ツバキ油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、牛脂、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アルモンド油、アボガド油、カロット油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、ミンク油、卵黄油等の油脂、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン等のロウ類、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ラノリンアルコール等の高級アルコール、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等の高級脂肪酸、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、セバシン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸トリイソデシル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸2−エチルへキシル、乳酸ラウリル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸オクチルドデシル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ラノリン誘導体等のエステル類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン等のシリコーン類が挙げられる。
【0022】
本発明においては、これらの油剤の中から1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜3重量%である。
【0023】
本発明で用いることができる成分(G)の界面活性剤のうち、陰イオン界面活性剤としては、以下のようなものが挙げられる。
1.硫酸エステル塩
1−1)アルキル硫酸エステル塩
ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、セチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウムなど
1−2)アルキル及びアルキルアリルエーテル硫酸エステル塩
ポリオキシエチレン(以下、POEと略す)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリルエーテル硫酸アンモニウム、POEアルキルエーテル硫酸ナトリウム、POEアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、POEアルキルエーテル硫酸ジエタノールアミン、POEアルキルエーテル硫酸アンモニウムなど
1−3)高級脂肪酸エステル塩の硫酸エステル塩
硬化ヤシ油脂肪酸グリセリル硫酸ナトリウムなど
1−4)高級脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩
1−5)硫酸化油硫酸化ヒマシ油など
2.リン酸エステル塩
POEラウリルエーテルリン酸、POEオレイルエーテルリン酸、POEセチルエーテルリン酸、POEステアリルエーテルリン酸、POEアルキルエーテルリン酸、POEアルキルフェニルエーテルリン酸、及びその塩(ナトリウム塩、トリエタノールアミン塩)など
3.スルホン酸塩
3−1)α−オレフィンスルホン酸塩
3−2)高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩
3−3)高級脂肪酸アミドのスルホン酸塩
ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウロイルロチルタウリンナトリウムなど
3−4)アルキルベンゼンスルホン酸塩
ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミンなど
3−5)スルホコハク酸塩
スルホコハク酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、POEスルホコハク酸二ナトリウム、POEスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、スルホコハク酸POEラウロイルエタノールアミドエステル二ナトリウム、ウンデシレノイルアミドエチルスルホコハク酸二ナトリウムなど
4.カルボン酸塩
4−1)高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物
ラウロイルサルコシンナトリウムなどのN−アシルサルコシン塩、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸二ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウムなどN−アシルグルタミン酸塩
4−2)脂肪酸石鹸
オレイン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸などのナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩あるいはアンモニウム塩
【0024】
両性界面活性剤としては、グリシン型両性界面活性剤、アミノプロピオン酸型両性界面活性剤、アミノ酢酸型界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。例えば、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ウンデシノイルカルボキシメトキシエチルカルボキシメチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ウンデシル−N−ヒドロキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液、ステアリルジヒドロキシエチルベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルベタインナトリウム液、ビス(ステアリル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリン)クロル酢酸錯体、ヤシ油アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ヤシ油アルキル−N−カルボキシエトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムジナトリウムヒドロキシド、ヤシ油アルキル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムジナトリウムヒドロキシド、ヤシ油アルキル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムジナトリウムラウリル硫酸、ヤシ油アルキルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸トリエタノールアミン、β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルN−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムジナトリウムドデカノイルサルコシン、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、ラウリン酸アミドプロピルベタイン等が挙げられる。
【0025】
非イオン性界面活性剤としては以下のものが挙げられる。
1.POEアルキルエーテル
POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、 POEオレイルエーテル、POEラウリルエーテル、POE2級アルキルエーテル、POEオクチルドデシルエーテル、POEヘキシルデシルエーテル、POEイソステアリルエーテル、POEデシルペンタデシルエーテル、POEデシルテトラデシルエーテルなど
2.POEアルキルフェニルエーテル
POEノニルフェニルエーテル、POEオクチルフェニルエーテルなど
3.POEソルビタン脂肪酸エステル
モノオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノパルミチン酸POEソルビタン、モノラウリン酸POEソルビタン、トリオレイン酸POEソルビタンなど
4.POEグリセリルモノ脂肪酸エステル
モノステアリン酸POEグリセリン、モノミリスチン酸POEグリセリンなど
5.POEソルビトール脂肪酸エステル
テトラオレイン酸POEソルビット、ヘキサステアリン酸POEソルビット、モノラウリン酸POEソルビット、POEソルビットミツロウなど
6.ヒマシ油、硬化ヒマシ油誘導体
POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油など
7.POE脂肪酸エステル
モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコールなど
8.高級脂肪酸グリセリンエステル
親油型モノオレイン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリンなど
9.ソルビタン脂肪酸エステル
モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタンなど
10.ラノリン誘導体
POEラノリン、POEラノリンアルコール、POEソルビトールラノリンなど
11.アルキロールアミド
ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドなど
12.POE脂肪酸アミド
POEステアリン酸アミドなど
13.ショ糖脂肪酸エステル
14.アルキルアミンオキシド
ジメチルラウリルアミンオキシドなど
15.POEメチルグルコシド
16.レシチン誘導体
水素添加大豆レシチン、水素添加卵黄レシチンなど
【0026】
本発明においては、上記の陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤の中から1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。その配合量は、0.01〜40重量%、好ましくは0.1〜30重量%である。
【0027】
また、本発明の毛髪染色剤組成物中には、通常化粧品分野で用いられる他の任意成分を本発明の効果を妨げない範囲で加えることができる。このような任意成分としては、コラーゲン、ケラチン、エラスチン、フィブロイン、コンキオリン、大豆蛋白、カゼイン、ゼラチン等の蛋白質を酸、アルカリ、酵素等により加水分解した加水分解物、及びこれらを4級化したカチオン変性蛋白質等のポリペプタイド;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ソルビトール、ヒアルロン酸、尿素等の保湿剤;パラベン等の防腐剤;ヒドロキシエタンジホスホン酸、エデト酸二ナトリウム等のキレート剤;チオグリコール酸、亜硫酸塩、アスコルビン酸等の酸化防止剤;その他、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、色素、香料、顔料、紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0028】
本発明の染毛剤組成物は、常法によって調製することができ、ローション状、クリーム状、泡沫状、ジェル状、スプレー状等、種々の形態をとることができる。泡沫状とする際には、主に噴射剤を配合するが、噴射剤としてはLPG、DME、ヘキサン及びイソペンタン等が挙げられる。また、泡沫状は、ノンガスタイプのフォームも含む。
【0029】
【発明の実施の形態】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】
表1に示す実施例1〜6及び比較例1〜4の染毛剤組成物を常法により調製した。
【0031】
【表1】
【0032】
<染毛試験>
白髪混じりの人毛毛束に実施例1〜6及び比較例1〜4の染毛剤組成物を塗布し、45℃で10〜15分放置し、さらに室温で5〜10分放置後、通常のシャンプーにて洗浄、乾燥させた。この毛束の染まり具合を、目視にて評価した。さらに、実施例1〜6及び比較例1〜4の組成物を男女20名に使用してもらい、付着性、毛髪の感触及び垂れ落ちについて官能評価を行った。評価基準は以下に示す通りである。
・染毛力
◎:非常によく染まる
○:良く染まる
△:ふつう
×:あまり染まらない
・付着性
◎:非常に良い
○:良い
△:比較的良い
×:あまり良好でない
・感触
◎:非常に良い
○:良い
△:比較的良い
×:あまり良くない
・垂れ落ち
○:垂れ落ちがみられない
△:わずかに垂れ落ちがある
×:垂れ落ちしやすい
結果を表1に示す。
【0033】
表1の結果より、実施例1〜6の染毛剤組成物は、いずれも染毛性に優れ、付着性、感触が良く、垂れ落ちのないものであることがわかる。
【0034】
実施例7〜9
以下に示す実施例7〜9の染毛剤組成物を常法により調製し、実施例1と同様の試験を行ったところ、実施例1と同様の良好な結果が得られた。なお、実施例7の組成物の緩衝能は0.015グラム当量/l、実施例8の組成物の緩衝能は0.025グラム当量/l、実施例9の組成物の緩衝能は0.02グラム当量/lであった。
【0035】
実施例7 重量%
アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・ポリオキシ
エチレン(20)ステアリルエーテル共重合体エマルション 4.0
2−ベンジルオキシエタノール 10.0
ヒドロキシエチルセルロース 2.0
ピロリドンカルボン酸/ピロリドンカルボン酸ナトリウム pH3に調整
N−メチルピロリドン 5.0
黒色401号 0.3
紫色401号 0.1
橙色205号 0.2
精製水 適 量
【0036】
実施例8 重量%
アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルション 5.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3.0
炭酸エチレン 15.0
グリコール酸/グリコール酸アンモニウム pH3に調整
ジメチルポリシロキサン 1.0
1,3−ブチレングリコール 4.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
水素添加大豆リン脂質 0.5
黒色401号 0.3
紫色401号 0.1
橙色205号 0.2
精製水 適 量
【0037】
実施例9 重量%
アクリル酸アルキル・イタコン酸ポリオキシエチレンアルキル
モノエステル共重合体エマルション 5.0
炭酸プロピレン 10.0
ベンジルアルコール 5.0
プロピレングリコール 5.0
乳酸 pH3に調整
ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド 0.5
ジメチルラウリルアミンオキシド 1.0
ポリオキシエチレンラノリン 0.5
ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル 0.5
セタノール 0.2
黒色401号 0.3
紫色401号 0.1
橙色205号 0.2
精製水 適 量
【0038】
実施例10〜11
以下に示す実施例10〜11の染毛剤組成物を常法により調製し、実施例1と同様の試験を行ったところ、実施例1と同様の結果が得られた。
【0039】
実施例10 重量%
アクリル酸アルキル共重合体エマルション 5.0
2−ベンジルオキシエタノール 10.0
炭酸エチレン 5.0
ヒドロキシエチルセルロース 2.0
ポリアクリル酸ナトリウム 0.5
ニトロパラフェニレンジアミン 1.0
1,4−ジアミノアントラキノン 1.5
エタノール 15.0
ミリスチン酸オクチルドデシル 0.2
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 0.3
モノエタノールアミン pH8に調整
精製水 適 量
【0040】
実施例11 重量%
アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルション 4.0
ベンジルアルコール 5.0
炭酸プロピレン 5.0
キサンタンガム 2.0
ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピル
トリメチルアンモニウムクロリド 0.5
ニトロパラフェニレンジアミン 1.5
パラニトロオルトフェニレンジアミン 0.5
イソプロパノール 8.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 5.0
チオグリコール酸モノエタノールアミン 1.0
モノエタノールアミン pH9に調整
精製水 適 量
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、毛髪への塗布時に垂れ落ちがなく、染毛性に優れ、毛髪への付着性、なじみが良く、毛髪に良好な感触を付与する染毛剤組成物を提供することができる。
Claims (4)
- (A)アクリル酸系水分散ポリマー、(B)芳香族アルコール及び/又は低級アルキレンカーボネート及び(C)直接染料を含有し、更に(E)有機溶剤(ただし、成分(B)を除く)を含有し、成分(B)と成分(E)の重量比が、(E)/(B)=0.1〜1.5であることを特徴とする染毛剤組成物。
- (C)直接染料が酸性染料であり、pHが1.5〜4.5であり、緩衝能が0.001〜20グラム当量/lであることを特徴とする請求項1記載の染毛剤組成物。
- 更に、(D)水溶性高分子化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の染毛剤組成物。
- 更に、(F)油剤、及び/又は(G)陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤及び非イオン界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の染毛剤組成物。
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