JP2913241B2 - 徐放性口腔用軟膏 - Google Patents

徐放性口腔用軟膏

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JP2913241B2
JP2913241B2 JP5032592A JP3259293A JP2913241B2 JP 2913241 B2 JP2913241 B2 JP 2913241B2 JP 5032592 A JP5032592 A JP 5032592A JP 3259293 A JP3259293 A JP 3259293A JP 2913241 B2 JP2913241 B2 JP 2913241B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この出願発明は、口腔内疾患、た
とえば、歯周疾患などの治療を目的とする徐放性口腔用
軟膏に関する。さらに詳しくは、疎水性軟膏基剤、粘着
性物質、アルミニウム化合物およびピリドンカルボン酸
系抗菌剤である薬剤を配合することを特徴とする徐放性
口腔用軟膏に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に口腔内粘膜に塗布する軟膏基剤と
しては、唾液を考慮して疎水性軟膏基剤(ワセリンまた
はプラスチベースなど)に粘着性物質(カルボキシメチ
ルセルロースナトリウムまたはポリアクリル酸ナトリウ
ムなど)を加えたものが広く使用されている[商品名;
口腔用ケナログ(日本スクイブ社製)、商品名;歯科用
(口腔用)アフタゾロン(昭和薬品化工社製)および商
品名;デキサルチン軟膏(日本化薬社製)など]。ま
た、この出願発明者らがさきに出願した特開平4−13
616号には、疎水性軟膏基剤、粘着性物質、多価アル
コールおよび薬剤からなる徐放性口腔用軟膏基剤が記載
されている。しかし、疎水性軟膏基剤、粘着性物質およ
びアルミニウム化合物を配合した軟膏基剤は知られてい
ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】口腔内粘膜、とりわ
け、歯周ポケットに投与でき、かつ、患部で十分な薬剤
濃度を長時間維持しながら、薬剤の利用率(投与した組
成物中の薬剤含量に対する患部での薬剤の放出総量の割
合)を高めた徐放性口腔用軟膏の開発が望まれていた。
この出願発明は、上記の課題を解決するために、新規な
徐放性口腔用軟膏を提供することを目的とするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題に対し
て、この出願発明者らは鋭意検討を重ねた結果、疎水性
軟膏基剤、粘着性物質、アルミニウム化合物およびピリ
ドンカルボン酸系抗菌剤である薬剤を配合した徐放性口
腔用軟膏が上記目的を達成することを見出して、この出
願発明を完成したものである。
【0005】以下に、この出願発明を詳細に説明する。
この出願発明で使用される薬剤は具体的には、一般式
[I]
【化2】 「式中、Rは、置換されていてもよいアルキル、アル
ケニル、シクロアルキル、アリールまたは複素環式基
を;Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
ルコキシ基、保護されていてもよいヒドロキシル、アミ
ノもしくはアルキルアミノ基またはジーアルキルアミノ
基を;Rは、置換されていてもよいシクロアルキル、
ビニルまたは環状アミノ基を;
【外7】 は、
【外8】 または
【外9】 (式中、Xは、水素原子またはハロゲン原子を示
す。)を意味するか、またはRと共に式
【式2】 (式中、Rは、水素原子またはアルキル基を;Dは、
酸素原子または硫黄原子を示す。)で表わされる基を示
し;
【外10】 は、
【外11】 または
【外12】 (式中、Xは、水素原子またはハロゲン原子を示
す。)で表わされる基を示す。」で表わされる化合物ま
たはその塩である。
【0006】なお、この出願明細書において特に断わら
ない限り、ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、
臭素原子またはヨウ素原子を;アルキル基とは、たとえ
ば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n
−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブ
チル、ペンチル、ヘキシルまたはオクチルなどのような
C1−10アルキル基を;アルコキシ基とは、たとえ
ば、−O−アルキル基(アルキル基は、上記したC1−
10アルキル基を示す。)を;アルキルアミノ基とは、
たとえば、メチルアミノ、エチルアミノまたはプロピル
アミノなどのようなC1−10アルキルアミノ基を;ジ
ーアルキルアミノ基とは、たとえば、ジメチルアミノの
ようなジ−C1−10アルキルアミノ基を;アルケニル
基とは、たとえば、ビニル、アリル、1−プロペニルま
たは1−ブテニルなどのようなC2−10アルケニル基
を;シクロアルキル基とは、シクロプロピル、シクロブ
チル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルなどのよう
なC3−10シクロアルキル基を;アリール基とは、た
とえば、フェニルまたはナフチルなどを;アルコキシカ
ルボニル基とは、たとえば、−COO−アルキル基(ア
ルキル基は、上記したC1−10アルキル基を示す。)
を;ヒドロキシアルキル基とは、たとえば、ヒドロキシ
メチル、ヒドロキシエチルまたはヒドロキシプロピルな
どのようなヒドロキシ−C1−10アルキル基を;アミ
ノアルキル基とは、たとえば、アミノメチル、アミノエ
チルまたはアミノプロピルなどのようなアミノ−C1−
10アルキル基を;アルキルアミノアルキル基とは、た
とえば、メチルアミノメチル、エチルアミノメチルまた
はエチルアミノエチルなどのようなC1−10アルキル
アミノ−C1−10アルキル基を;ジ−アルキルアミノ
アルキル基とは、たとえば、ジメチルアミノメチルまた
はジエチルアミノメチルなどのようなジ−C1−10ア
ルキルアミノ−C1−10アルキル基を;環状アミノ基
とは、たとえば、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホ
リニルまたは1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オ
クチルなどのような4−10員環状アミノ基を;環状ア
ミノアルキル基とは、たとえば、1−ピペラジニルメチ
ル、1−ピロリジニルメチル、1−アゼチジニルメチル
または1−モルホリニルメチルなどのような4−6員環
状アミノ−C1−10アルキル基を;アシルアミノ基と
は、たとえば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、プロ
ピオニルアミノまたはブチリルアミノなどのようなC1
−10アシルアミノ基を;アシルオキシ基とは、たとえ
ば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、プロピオニルオ
キシまたはブチリルオキシなどのようなC1−10アシ
ルオキシ基を;トリハロゲノーアルキル基とは、たとえ
ば、トリクロロメチルまたはトリフルオロメチルなどの
ようなトリハロゲノ−C1−10アルキル基を;複素環
式基とは、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ば
れる1つ以上の異項原子を含む5員もしくは6員または
それらの縮合環、たとえば、フリル、ピロリル、チエニ
ル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、1−ピ
ロリジニル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ビリジ
ル、キノリル、ピリミジニルまたはモルホリニルなどの
ような基を、それぞれ意味する。
【0007】一般式[I]の化合物またはその塩におい
て、R1の各基は、ハロゲン原子、シアノ基、保護され
ていてもよいカルボキシル基、保護されていてもよいヒ
ドロキシル基、保護されていてもよいアミノ基、アルキ
ル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリー
ル基、シクロアルキル基、アシルアミノ基、アシルオキ
シ基、アルケニル基、トリハロゲノーアルキル基、アル
キルアミノ基またはジ−アルキルアミノ基などから選ば
れる一つまたは二つ以上の置換基で置換されていてもよ
く、また、R3の各基は、ハロゲン原子、アルキル基、
保護されていてもよいカルボキシル基、保護されていて
もよいヒドロキシル基、保護されていてもよいアミノ
基、保護されていてもよいアルキルアミノ基、保護され
ていてもよいアミノアルキル基、保護されていてもよい
アルキルアミノアルキル基、保護されていてもよいヒド
ロキシアルキル基、ジ−アルキルアミノ基、ジ−アルキ
ルアミノアルキル基または環状アミノアルキル基などか
ら選ばれる一つまたは二つ以上の置換基で置換されてい
てもよい。
【0008】カルボキシル保護基としては、たとえば、
生体内において容易に脱離するエステル形成基のような
薬学的に許容されるカルボキシル保護基が挙げられる。
【0009】また、アミノ基、アミノアルキル基、アル
キルアミノ基およびアルキルアミノアルキル基の保護基
としては、たとえば、生体内において容易に脱離する薬
学的に許容されるアミノ保護基が挙げられる。
【0010】さらに、ヒドロキシル基およびヒドロキシ
アルキル基の保護基としては、たとえば、生体内におい
て容易に脱離する薬学的に許容されるヒドロキシル基の
保護基などが挙げられる。
【0011】この出願発明で使用される薬剤の好ましい
化合物としては、具体的に、ナフチリジンもしくはキノ
リンの7位またはベンゾオキサジンもしくはベンゾチオ
キサジンの10位に塩基性基が結合する化合物、たとえ
ば、以下の化合物を挙げることができる。 ・1−エチル−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−
オキソ−7−(1−ピペラジニル)−1,8−ナフチリ
ジン−3−カルボン酸 ・7−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−1−エチル
−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,
8−ナフチリジン−3−カルボン酸 ・7−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−1−シクロ
プロピル−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキ
ソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸 ・7−(3−アミノ−4−メチル−1−ピロリジニル)
−1−シクロプロピル−6−フルオロ−1,4−ジヒド
ロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン
酸 ・1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(3−メチ
ルアミノ−1−ピロリジニル)−1,4−ジヒドロ−4
−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸 ・7−(3−アミノ−3−メチル−1−ピロリジニル)
−1−シクロプロピル−6−フルオロ−1,4−ジヒド
ロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン
酸 ・1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(1−ピペ
ラジニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−
ナフチリジン−3−カルボン酸 ・7−(シス−3−アミノメチル−4−クロロ−1−ピ
ロリジニル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−
1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン
−3−カルボン酸 ・7−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−1−(2,
4−ジフルオロフェニル)−6−フルオロ−1,4−ジ
ヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カル
ボン酸(トスフロキサシン)
【0012】・1−エチル−6−フルオロ−7−(1−
ピペラジニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリ
ン−3−カルボン酸 ・1−エチル−6,8−ジフルオロ−7−(3−メチル
−1−ピペラジニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ
キノリン−3−カルボン酸 ・1−(2−フルオロエチル)−6,8−ジフルオロ−
7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−1,4−ジヒ
ドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸 ・5−アミノ−1−シクロプロピル−7−(3,5−ジ
メチル−1−ピペラジニル)−6,8−ジフルオロ−
1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン
酸 ・7−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−1−シクロ
プロピル−6,8−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−4
−オキソキノリン−3−カルボン酸 ・7−(3−アミノメチル−1−モルホリノ)−1−シ
クロプロピル−6,8−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ
−4−オキソキノリン−3−カルボン酸 ・1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(1−ピペ
ラジニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−
3−カルボン酸 ・1−シクロプロピル−6−フルオロ−5−メチル−7
−(3−メチル−1−ピペラジニル)−1,4−ジヒド
ロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸 ・6−フルオロ−1−(2,4−ジフルオロフェニル)
−7−(3−メチル−1−ピペラジニル)−1,4−ジ
ヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸 ・5−アミノ−1−シクロプロピル−7−(3−エチル
アミノメチル−1−ピロリジニル)−6,8−ジフルオ
ロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カル
ボン酸 ・1−シクロプロピル−7−(3−エチルアミノメチル
−1−ピロリジニル)−5,6,8−トリフルオロ−
1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン
酸 ・1−エチル−6−フルオロ−7−(4−メチル−1−
ピペラジニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリ
ン−3−カルボン酸 ・1−シクロプロピル−7−(3,5−ジメチルピリジ
ン−1−イル)−6−フルオロ−4−オキソキノリン−
3−カルボン酸
【0013】・9−フルオロ−3−メチル−10−(4
−メチル−1−ピペラジニル)−7−オキソ−2,3−
ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,
4]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸 ・10−(1−アミノシクロプロピル)−9−フルオロ
−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−
ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾオキサジ
ン−6−カルボン酸 ・(S)−9−フルオロ−3−メチル−10−(4−メ
チル−1−ピペラジニル)−7−オキソ−2,3−ジヒ
ドロ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベ
ンゾオキサジン−6−カルボン酸 ・(S)−10−(1−アミノシクロプロピル)−9−
フルオロ−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ
−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾ
オキサジン−6−カルボン酸 なお、薬剤の使用量は、口腔疾患の治療に用いられる量
であり、適宜選択することができる。
【0014】この出願発明で使用される疎水性軟膏基剤
としては、プラスチベースのようなゲル化炭化水素、ワ
セリン、パラフィンおよびシリコンなどがあり、プラス
チベースのようなゲル化炭化水素が好ましい。これらの
疎水性軟膏基剤は、単独でもよく、また、二種以上を併
用してもよい。疎水性軟膏基剤の使用量は、特に限定さ
れないが、全軟膏に対して、50〜95重量%、好ましく
は、75〜90重量%である。
【0015】この出願発明で使用される粘着性物質とし
ては、アルギン酸プロピレングリコールエステルのよう
なアルギン酸誘導体;ヒドロキシプロピルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロースもしくはメチルセ
ルロースなどのようなセルロース誘導体;ポリビニルア
ルコールもしくはポリビニルピロリドンなどのような合
成高分子化合物;並びにプルランなどがあり、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体
が好ましい。これらの粘着性物質は、単独でもよく、ま
た、二種以上を併用してもよい。粘着性物質の使用量
は、特に限定されないが、全軟膏に対して、5〜50重量
%、好ましくは、10〜15重量%である。
【0016】この出願発明で使用されるアルミニウム化
合物としては、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、
酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニ
ウムカリウム、硫酸アルミニウムナトリウムもしくは硫
酸アルミニウムアンモニウムなどのようなアルミニウム
の無機化合物および乳酸アルミニウムのようなアルミニ
ウムとカルボン酸との塩があり、硫酸アルミニウムカリ
ウムあるいは乳酸アルミニウムが好ましい。これらのア
ルミニウム化合物は、単独でもよく、また、二種以上を
併用してもよい。アルミニウム化合物の使用量は、特に
限定されないが、全軟膏に対して、0.1〜10重量%、好
ましくは、0.2〜4.0重量%である。
【0018】この出願発明の徐放性口腔用軟膏は、この
出願発明に悪影響を及ぼさない限り、公知の添加剤、た
とえば、香料、矯味料、着色剤および界面活性剤などを
加えてもよい。また、この出願発明の徐放性口腔用軟膏
は、公知の口腔用軟膏の投与方法をそのまま利用でき、
たとえば、歯周ポケットに注入したり、または患部に直
接塗布することができる。
【0019】この出願発明の徐放性口腔用軟膏の製法
は、特に限定されないが、当該分野で通常用いられる方
法またはそれらを適宜組み合わせることにより製造する
ことができる。具体的には、処方成分である疎水性軟膏
基剤、粘着性物質、アルミニウム化合物および薬剤を単
に混合するだけで調製することができる。
【0020】つぎに、この出願発明の徐放性口腔用軟膏
の溶出試験について述べる。 [溶出試験]この出願発明の徐放性口腔用軟膏の徐放性
を確認する為、図1に示す試験器具を使用して試験を行
った。具体的には、徐放性口腔用軟膏試料約0.5gを試験
器具の軟膏塗布用底部1の上面に直径29mmの円盤状2に
ひろげた後、軟膏上面にスクリーン3およびO−リング
4を乗せ、さらに液貯留用の円筒蓋部5をかぶせ固定す
る。液貯留用の円筒中に溶出液を5ml/hrの割合で注入
し、37±0.5゜Cで試験を行った。試験開始後1〜7時間ま
では1時間毎にデカンテーションにより液交換し、吸光
度測定法で薬剤の濃度を測定した。7〜24時間では17時
間分の85mlの液、それ以後は24時間毎に120mlの液と交
換し、同様に薬剤濃度を測定した。7時間以降は容器ご
と液に浸し、試験を行った。溶出液には人工唾液(pH7.
0)を使用し、試料としては、実施例1、2、3、4お
よび対照例1、2の徐放性口腔用軟膏を用いた。その結
果を、それぞれ、図2および図3に示す。
【0021】以上の結果に示されるように、この出願発
明の徐放性口腔用軟膏は、薬剤の溶出性が良く、また、
薬剤を長時間にわたり放出するという優れた効果があ
る。また、この出願発明の徐放性口腔用軟膏は、アルミ
ニウム化合物を添加しない対照例と比べると、高い濃度
で薬剤を放出し、薬剤の利用率が向上するという点で優
れている。
【0022】つぎに、この出願発明の徐放性口腔用軟膏
の製造法を、具体的に実施例を挙げて説明するが、この
出願発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】
【実施例】
実施例1 プラスチベース16.56gにトスフロキサシン トシレート
0.80g、硫酸アルミニウムカリウム0.64gおよびヒドロキ
シプロピルメチルセルロース2.00gを均一に混和し、徐
放性口腔用軟膏を得た。
【0024】実施例2 プラスチベース16.90gにトスフロキサシン トシレート
0.80g、乾燥硫酸アルミニウムカリウム0.35gおよびヒド
ロキシプロピルメチルセルロース2.00gを均一に混和
し、徐放性口腔用軟膏を得た。
【0025】実施例3 プラスチベース16.80gにトスフロキサシン トシレート
0.80g、乳酸アルミニウム0.40gおよびヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース2.00gを均一に混和し、徐放性口腔
用軟膏を得た。
【0026】実施例4 実施例2のトスフロキサシン トシレートの代わりに
(S)−10−(1−アミノシクロプロピル)−9−フル
オロ−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7
H−ピリド[1,2,3-de][1,4]ベンゾオキサジ
ン−6−カルボン酸0.80gを用い、実施例2と同様に調
製し、徐放性口腔用軟膏を得た。
【0027】対照例1 プラスチベース16.20gにトスフロキサシン トシレート
0.80gおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース3.00g
を均一に混和し、徐放性口腔用軟膏を得た。
【0028】対照例2 プラスチベース17.20gに(S)−10−(1−アミノシク
ロプロピル)−9−フルオロ−3−メチル−7−オキソ
−2,3−ジヒドロ−7H−ピリド[1,2,3-de]
[1,4]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸0.80gおよ
びヒドロキシプロピルメチルセルロース2.00gを均一に
混和し、徐放性口腔用軟膏を得た。
【0029】
【発明の効果】この出願発明の徐放性口腔用軟膏は、薬
剤の溶出性が良く、また、薬剤を長時間にわたり放出
し、薬剤の利用率がきわめて高い製剤であり、また、歯
周ポケットにも投与できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶出試験用器具を示した説明図である。
【図2】実施例1、2、3および対照例1で得られた徐
放性口腔用軟膏の溶出試験の結果(溶出濃度の測定結
果)を示す。
【図3】実施例4並びに対照例2で得られた徐放性口腔
用軟膏の溶出試験の結果(溶出濃度の測定結果)を示
す。
【符号の説明】
1 軟膏塗布用の底部 2 被験軟膏 3 スクリーン 4 O−リング 5 液貯留用の円筒蓋部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/47 ADZ A61K 31/47 ADZ 31/505 31/505 45/00 45/00 47/02 47/02 C (56)参考文献 特開 平4−13616(JP,A) 特開 昭63−79817(JP,A) 特開 平5−310598(JP,A) 特開 平5−117157(JP,A) 特開 平3−66612(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 9/06 A61K 31/435 A61K 31/47 ADZ A61K 31/505 A61K 45/00 A61K 47/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水性軟膏基剤、粘着性物質、アルミニ
    ウム化合物および一般式 【化1】 「式中、R は、置換されていてもよいアルキル、アル
    ケニル、シクロアルキル、アリールまたは複素環式基
    を;R は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
    ルコキシ基、保護されていてもよいヒドロキシル、アミ
    ノもしくはアルキルアミノ基またはジ−アルキルアミノ
    基を;R は、置換されていてもよいシクロアルキル、
    ビニルまたは環状アミノ基を; 【外1】 は、 【外2】 または 【外3】 (式中、X は、水素原子またはハロゲン原子を示
    す。)を意味するか、またはR と共に式 【式1】 (式中、R は、水素原子またはアルキル基を;Dは、
    酸素原子または硫黄原子を示す。)で表わされる基を示
    し; 【外4】 は、 【外5】 または 【外6】 (式中、X は、水素原子またはハロゲン原子を示
    す。)で表わされる基を示す。」で表わされる化合物を
    配合することを特徴とする徐放性口腔用軟膏。
  2. 【請求項2】アルミニウム化合物が、塩化アルミニウ
    ム、硫酸アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化アル
    ミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウ
    ムナトリウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、乳酸ア
    ルミニウムである請求項1に記載の徐放性口腔用軟膏。
  3. 【請求項3】アルミニウム化合物が、硫酸アルミニウム
    カリウムあるいは乳酸アルミニウムである請求項1また
    は2に記載の徐放性口腔用軟膏。
  4. 【請求項4】粘着性物質が、セルロース誘導体である請
    求項1〜3に記載の徐放性口腔用軟膏。
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