JPH05310598A - 経皮投与製剤 - Google Patents
経皮投与製剤Info
- Publication number
- JPH05310598A JPH05310598A JP11210691A JP11210691A JPH05310598A JP H05310598 A JPH05310598 A JP H05310598A JP 11210691 A JP11210691 A JP 11210691A JP 11210691 A JP11210691 A JP 11210691A JP H05310598 A JPH05310598 A JP H05310598A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- menthol
- percutaneous
- drug
- transdermal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Medicinal Preparation (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 経皮吸収性が良く、且つ刺激性が低い経皮投
与製剤を得ようとするものである。 【構成】 メントール又はハツカ油0.1乃至4重量%
グリコール類20乃至60重量%、水30乃至80重量
%及び薬物からなる組成物を、分子鎖にカルボキシル基
を有する水溶性高分子とアルミニウム化合物によりシー
ト状にゲル化した、低刺激性で薬物の経皮吸収が良好な
経皮投与製剤であって、メントールの経皮吸収促進効果
を発揮させる溶媒として「グリコール−水混液」を用い
て、経皮吸収性が良く、且つ刺激性が低い経皮投与製剤
が得られるようにしたものである。図1はその1実施例
の実験データを示すものである。
与製剤を得ようとするものである。 【構成】 メントール又はハツカ油0.1乃至4重量%
グリコール類20乃至60重量%、水30乃至80重量
%及び薬物からなる組成物を、分子鎖にカルボキシル基
を有する水溶性高分子とアルミニウム化合物によりシー
ト状にゲル化した、低刺激性で薬物の経皮吸収が良好な
経皮投与製剤であって、メントールの経皮吸収促進効果
を発揮させる溶媒として「グリコール−水混液」を用い
て、経皮吸収性が良く、且つ刺激性が低い経皮投与製剤
が得られるようにしたものである。図1はその1実施例
の実験データを示すものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は経皮投与製剤に関し、更
に詳しくは、メントールまたはハツカ油、グリコール
類、水、薬物からなる組成物を、分子鎖にカルボキシル
基を有する水溶性高分子とアルミニウム化合物によりシ
ート状にゲル化した、低刺激性で薬物の経皮吸収が良好
な経皮投与製剤に関するものである。
に詳しくは、メントールまたはハツカ油、グリコール
類、水、薬物からなる組成物を、分子鎖にカルボキシル
基を有する水溶性高分子とアルミニウム化合物によりシ
ート状にゲル化した、低刺激性で薬物の経皮吸収が良好
な経皮投与製剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】外用剤として薬物が投与された場合、治
療効果を発揮するためには、薬物が基剤中から放出さ
れ、経皮吸収される必要がある。しかし、皮膚は外部か
らの物質の進入を防ぐバリアーであり、殆どの薬物は容
易には皮膚を透過することが出来ない。このため、経皮
投与製剤においては、薬物の経皮吸収性を高めるために
さまざまな工夫がなされ、ジメチルスルホキシド、AZ
ONE、メントールなどの経皮吸収促進剤を配合する手
段も取られている。
療効果を発揮するためには、薬物が基剤中から放出さ
れ、経皮吸収される必要がある。しかし、皮膚は外部か
らの物質の進入を防ぐバリアーであり、殆どの薬物は容
易には皮膚を透過することが出来ない。このため、経皮
投与製剤においては、薬物の経皮吸収性を高めるために
さまざまな工夫がなされ、ジメチルスルホキシド、AZ
ONE、メントールなどの経皮吸収促進剤を配合する手
段も取られている。
【0003】これら促進剤の中ではメントールが経皮吸
収促進効果が高く、製剤組成物にメントールを約4乃至
10重量%添加すると薬物の経皮吸収性が強化されると
報告され(特開昭60−152413号公報)、また、
エタノール、水混液にメントールやリモネンなどのテル
ペン類を5%程度配合すると、塩酸モルヒネなどの皮膚
透過性が促進されると報告されている(日本薬剤学会6
年会 講演要旨集)。
収促進効果が高く、製剤組成物にメントールを約4乃至
10重量%添加すると薬物の経皮吸収性が強化されると
報告され(特開昭60−152413号公報)、また、
エタノール、水混液にメントールやリモネンなどのテル
ペン類を5%程度配合すると、塩酸モルヒネなどの皮膚
透過性が促進されると報告されている(日本薬剤学会6
年会 講演要旨集)。
【0004】しかし、特開昭60−152413号公報
のように、製剤組成物中にメントールを多量に添加した
り、エタノール−水混液中にメントールを添加すると、
皮膚刺激性が高くなるため、実際に製剤化する場合には
問題がある。
のように、製剤組成物中にメントールを多量に添加した
り、エタノール−水混液中にメントールを添加すると、
皮膚刺激性が高くなるため、実際に製剤化する場合には
問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、経皮吸収性
が良く、且つ刺激性が低い経皮投与製剤を得ようとする
ものである。
が良く、且つ刺激性が低い経皮投与製剤を得ようとする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、メントー
ルは、溶解している組成物と相乗効果をもって皮膚刺激
性を高めていることを見い出した。即ち、成分単独では
皮膚刺激が低くてもエタノール、水、メントールの3者
が共存する場合や、グリコール類にメントールを5%以
上溶解させた場合などにおいては、皮膚刺激性が極端に
強くなった。
ルは、溶解している組成物と相乗効果をもって皮膚刺激
性を高めていることを見い出した。即ち、成分単独では
皮膚刺激が低くてもエタノール、水、メントールの3者
が共存する場合や、グリコール類にメントールを5%以
上溶解させた場合などにおいては、皮膚刺激性が極端に
強くなった。
【0007】そこで、低刺激性で経皮吸収性が良好な経
皮投与製剤を開発するべく鋭意研究の結果、グリコール
類−水混液にメントールまたはハツカ油を添加し、分子
鎖にカルボキシル基を有する水溶性高分子とアルミニウ
ム化合物によりシート状にゲル化すると、低刺激性で薬
物の経皮吸収性を高めることを見い出し、本発明を完成
したもので、その構成は下記の通りである。
皮投与製剤を開発するべく鋭意研究の結果、グリコール
類−水混液にメントールまたはハツカ油を添加し、分子
鎖にカルボキシル基を有する水溶性高分子とアルミニウ
ム化合物によりシート状にゲル化すると、低刺激性で薬
物の経皮吸収性を高めることを見い出し、本発明を完成
したもので、その構成は下記の通りである。
【0008】メントール又はハツカ油0.1乃至4重量
%グリコール類20乃至60重量%、水30乃至80重
量%及び薬物からなる組成物を、分子鎖にカルボキシル
基を有する水溶性高分子とアルミニウム化合物によりシ
ート状にゲル化した、低刺激性で薬物の経皮吸収が良好
な経皮投与製剤。
%グリコール類20乃至60重量%、水30乃至80重
量%及び薬物からなる組成物を、分子鎖にカルボキシル
基を有する水溶性高分子とアルミニウム化合物によりシ
ート状にゲル化した、低刺激性で薬物の経皮吸収が良好
な経皮投与製剤。
【0009】さらに説明すると、本発明に用いられる経
皮吸収促進作用は、グリコール類−水混液にメントール
またはハッカ油を添加すると得られるものであつて、特
開昭60−152413号公報におけるように、製剤組
成物中にメントールを多量に添加する方法、エタノール
−水混液中にメントールを添加する方法とは、経皮吸収
促進機構が異なると思われる新しいタイプの経皮投与製
剤である。
皮吸収促進作用は、グリコール類−水混液にメントール
またはハッカ油を添加すると得られるものであつて、特
開昭60−152413号公報におけるように、製剤組
成物中にメントールを多量に添加する方法、エタノール
−水混液中にメントールを添加する方法とは、経皮吸収
促進機構が異なると思われる新しいタイプの経皮投与製
剤である。
【0010】つまり本発明は、これら3成分を以下に示
す割合で混合することによって優れた薬物経皮吸収促進
効果を奏する経皮投与製剤を得ようとするものである。
す割合で混合することによって優れた薬物経皮吸収促進
効果を奏する経皮投与製剤を得ようとするものである。
【0011】メントールまたはハツカ油の含有量は、
0.1乃至4重量%が好ましい。最大の経皮吸収促進効
果を示すメントール量は、水とグリコール類の配合割合
によって変化するので、皮膚刺激性、経皮吸収促進効果
から適した量を設定する必要がある。例えば薬物に塩酸
モルヒネを用いた場合、水と1,3−ブチレングリコー
ルを1:1に配合すると、メントールが3重量%の時に
最大の透過量を示す。
0.1乃至4重量%が好ましい。最大の経皮吸収促進効
果を示すメントール量は、水とグリコール類の配合割合
によって変化するので、皮膚刺激性、経皮吸収促進効果
から適した量を設定する必要がある。例えば薬物に塩酸
モルヒネを用いた場合、水と1,3−ブチレングリコー
ルを1:1に配合すると、メントールが3重量%の時に
最大の透過量を示す。
【0012】グリコール類としては、プロピレングリコ
ール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール等の2
級又は3級の低級グリコールが好ましく、含有量は20
乃至60重量%になるように混合するのが好ましい。薬
物の薬物の経皮吸収性促進効果は、グリコールの種類に
特異性があり、例えば塩酸モルヒネは1,3−ブチレン
グリコールだけが経皮吸収を促進し、ジクロフェナック
ナトリウムはプロピレングリコールと1,3−ブチレン
グリコールが経皮吸収を促進する。このように薬物とグ
リコール類には組み合わせにより経皮吸収促進効果が異
なっているので、薬物に適したグリコール類を選択する
必要がある。
ール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール等の2
級又は3級の低級グリコールが好ましく、含有量は20
乃至60重量%になるように混合するのが好ましい。薬
物の薬物の経皮吸収性促進効果は、グリコールの種類に
特異性があり、例えば塩酸モルヒネは1,3−ブチレン
グリコールだけが経皮吸収を促進し、ジクロフェナック
ナトリウムはプロピレングリコールと1,3−ブチレン
グリコールが経皮吸収を促進する。このように薬物とグ
リコール類には組み合わせにより経皮吸収促進効果が異
なっているので、薬物に適したグリコール類を選択する
必要がある。
【0013】水としては30乃至80重量%が好ましい
が、水の量が多くなると薬物の経皮吸収性が低下する。
また、この傾向を利用して、適した薬効が発現するよう
な薬物量が皮膚を透過するように設定できる。
が、水の量が多くなると薬物の経皮吸収性が低下する。
また、この傾向を利用して、適した薬効が発現するよう
な薬物量が皮膚を透過するように設定できる。
【0014】このような割合の薬物の経皮吸収性の良い
組成物を貼付剤にするには、分子鎖にカルボキシル基を
有する水溶性高分子をアルミニウム化合物によりシート
状にゲル化する方法が適している。分子鎖にカルボキシ
ル基を有する水溶性高分子としては、ポリアクリル酸、
ポリメタアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、カル
ボキシメチルセルロースナトリウムや、水中で加水分解
してカルボキシル基を生成するメトキシエチレン・無水
マレイン酸共重合体などをあげることができる。配合は
これらを単独、または2種以上混合して3乃至15重量
%配合するのが好ましい。また、ポリアクリル酸など酸
性の水溶性高分子を中和するのにトリエタノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミンなどの有機アミンを1乃
至15重量%配合することもある。
組成物を貼付剤にするには、分子鎖にカルボキシル基を
有する水溶性高分子をアルミニウム化合物によりシート
状にゲル化する方法が適している。分子鎖にカルボキシ
ル基を有する水溶性高分子としては、ポリアクリル酸、
ポリメタアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、カル
ボキシメチルセルロースナトリウムや、水中で加水分解
してカルボキシル基を生成するメトキシエチレン・無水
マレイン酸共重合体などをあげることができる。配合は
これらを単独、または2種以上混合して3乃至15重量
%配合するのが好ましい。また、ポリアクリル酸など酸
性の水溶性高分子を中和するのにトリエタノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミンなどの有機アミンを1乃
至15重量%配合することもある。
【0015】さらに必要とあれば、ゲルの強度を補強す
るために、ゼラチン、カルボキシメチルセルロースナト
リウム、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子を1
乃至5重量%配合することもある。
るために、ゼラチン、カルボキシメチルセルロースナト
リウム、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子を1
乃至5重量%配合することもある。
【0016】アルミニウム化合物とは、水溶性の塩化ア
ルミニウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム明ば
んのような塩や難溶性の水酸化アルミニウム、乾燥水酸
化アルミニウムゲル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウ
ム、アルミニウムグリシネート、合成ヒドロタルサイト
を上げることができ、配合量はアルミニウムとして0.
01乃至5重量%配合するのが好ましい。
ルミニウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム明ば
んのような塩や難溶性の水酸化アルミニウム、乾燥水酸
化アルミニウムゲル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウ
ム、アルミニウムグリシネート、合成ヒドロタルサイト
を上げることができ、配合量はアルミニウムとして0.
01乃至5重量%配合するのが好ましい。
【0017】本発明により経皮吸収を促進できる薬物と
しては、全身麻酔剤、催眠鎮痛剤、抗てんかん剤、解熱
鎮痛消炎剤、筋弛緩剤、精神神経用剤、抗ヒスタミン
剤、不整脈用剤、利尿剤、血圧降下剤、血管拡張剤、副
腎ホルモン剤、抗悪性腫瘍剤、麻薬、合成麻薬及びその
他薬理的に活性な薬物である。これらの薬物添加量は、
経皮吸収組成物中からの放出持続時間、経皮吸収速度、
代謝速度及び有効血中濃度によって決められるものであ
って、薬物毎に設定される。
しては、全身麻酔剤、催眠鎮痛剤、抗てんかん剤、解熱
鎮痛消炎剤、筋弛緩剤、精神神経用剤、抗ヒスタミン
剤、不整脈用剤、利尿剤、血圧降下剤、血管拡張剤、副
腎ホルモン剤、抗悪性腫瘍剤、麻薬、合成麻薬及びその
他薬理的に活性な薬物である。これらの薬物添加量は、
経皮吸収組成物中からの放出持続時間、経皮吸収速度、
代謝速度及び有効血中濃度によって決められるものであ
って、薬物毎に設定される。
【0018】
【作用】本発明によれば、経皮投与製剤からの薬物の経
皮吸収性は著しく高められ、持続的に皮膚を透過し、さ
らに低刺激性である。
皮吸収性は著しく高められ、持続的に皮膚を透過し、さ
らに低刺激性である。
【0019】
【実施例】以下、実施例に従って本発明を更に説明する
が、本発明の技術的範囲を以下の実施例に限定するもの
でない。
が、本発明の技術的範囲を以下の実施例に限定するもの
でない。
【0020】実施例 1 (塩酸モルヒネ) 塩酸モルヒネ1部、1−メントール3部、ジイソプロパ
ノールアミン5部、酒石酸0.5部を1,3−ブチレン
グリコール43部、水40部の混液に溶解し、乾燥水酸
化アルミニウムゲル0.5部を分散させる。さらにポリ
アクリル酸7部を撹拌しながら加え均一になるまで撹拌
する。不透湿性のフィルムに展延して剥離性プラスチッ
クフィルムを貼合わせた後、所定の面積に切断してシー
ト状の経皮投与製剤を得た。
ノールアミン5部、酒石酸0.5部を1,3−ブチレン
グリコール43部、水40部の混液に溶解し、乾燥水酸
化アルミニウムゲル0.5部を分散させる。さらにポリ
アクリル酸7部を撹拌しながら加え均一になるまで撹拌
する。不透湿性のフィルムに展延して剥離性プラスチッ
クフィルムを貼合わせた後、所定の面積に切断してシー
ト状の経皮投与製剤を得た。
【0021】実施例 2 (ジクロフェナックナトリウ
ム) ジクロフェナックナトリウム1部、ハッカ油2部、ポリ
アクリル酸ナトリウム5部、カルボキシメチルセルロー
スナトリウム3部、アルミニウムグリシネート0.3部
をグリセリン40部に分散させ、グリセリン分散液を調
製する。別にゼラチン3部、酒石酸0.5部を60℃の
温水45.2部に溶解し、グリセリン分散液に加え均一
になるまで撹拌する。不織布に展延して剥離性プラスチ
ツクフィルムを貼合わせた後、所定の面積に切断してシ
ート状の経皮投与製剤を得た。
ム) ジクロフェナックナトリウム1部、ハッカ油2部、ポリ
アクリル酸ナトリウム5部、カルボキシメチルセルロー
スナトリウム3部、アルミニウムグリシネート0.3部
をグリセリン40部に分散させ、グリセリン分散液を調
製する。別にゼラチン3部、酒石酸0.5部を60℃の
温水45.2部に溶解し、グリセリン分散液に加え均一
になるまで撹拌する。不織布に展延して剥離性プラスチ
ツクフィルムを貼合わせた後、所定の面積に切断してシ
ート状の経皮投与製剤を得た。
【0022】実施例 3 (ダントロレンナトリウム) ダントロレンナトリウム0.3部、ハツカ油3部、ジイ
ソプロパノールアミン4部、カルボキシメチルセルロー
スナトリウム2部、合成ヒドロタルサイト1部をプロピ
レングリコール40部に分散させた後、ゼラチン3部、
ポリビニルアルコール2部を溶解した温水39.7部を
加え均一になるまで撹拌する。さらにポリアクリル酸5
部を撹拌しながら加え、均一になるまで撹拌する。不透
湿性のフィルムに展延して剥離性プラスチツクフィルム
を貼合わせた後、所定の面積に切断してシート状の経皮
投与製剤を得た。
ソプロパノールアミン4部、カルボキシメチルセルロー
スナトリウム2部、合成ヒドロタルサイト1部をプロピ
レングリコール40部に分散させた後、ゼラチン3部、
ポリビニルアルコール2部を溶解した温水39.7部を
加え均一になるまで撹拌する。さらにポリアクリル酸5
部を撹拌しながら加え、均一になるまで撹拌する。不透
湿性のフィルムに展延して剥離性プラスチツクフィルム
を貼合わせた後、所定の面積に切断してシート状の経皮
投与製剤を得た。
【0023】実施例 4 (ジアゼパム) ジアゼパム1部、1−メントール2部、ジイソプロパノ
ールアミン5部、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
0.3部を1,3−ブチレングリコール42.4部に分
散させた後、ゼラチン2部、酒石酸0.3部を溶解した
温水40部を加え、均一になるまで撹拌する。さらにポ
リアクリル酸5部を撹拌しながら加え均一になるまで撹
拌する。綿ネルに展延して剥離性プラスチツクフイルム
を貼合わせた後、所定の面積に切断してシート状の経皮
投与製剤を得た。
ールアミン5部、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
0.3部を1,3−ブチレングリコール42.4部に分
散させた後、ゼラチン2部、酒石酸0.3部を溶解した
温水40部を加え、均一になるまで撹拌する。さらにポ
リアクリル酸5部を撹拌しながら加え均一になるまで撹
拌する。綿ネルに展延して剥離性プラスチツクフイルム
を貼合わせた後、所定の面積に切断してシート状の経皮
投与製剤を得た。
【0024】(皮膚透過試験方法)ヘアレスラツトの背
部摘出皮膚を35℃に保ったフランツセル(接触面積
3.14cm2 )に挾み、角質層側に直径2cmの円形に切
断した経皮投与製剤を貼付し、真皮側にpH7.4の等
張リン酸緩衝液を入れ、経時的に真皮側の溶液をサンプ
リングし、高速液体クロマトグラフにより透過した薬物
量を測定した。対照には実施例と同濃度の水溶液を用い
た。
部摘出皮膚を35℃に保ったフランツセル(接触面積
3.14cm2 )に挾み、角質層側に直径2cmの円形に切
断した経皮投与製剤を貼付し、真皮側にpH7.4の等
張リン酸緩衝液を入れ、経時的に真皮側の溶液をサンプ
リングし、高速液体クロマトグラフにより透過した薬物
量を測定した。対照には実施例と同濃度の水溶液を用い
た。
【0025】実施例1、2、3、及び、4の試験結果
を、それぞれ図1、2、3、及び、4に示した。水溶液
では各薬物の透過性は認められないか或いは低いものだ
ったが、本発明による経皮投与製剤からの透過性は顕著
に促進された。各薬物の6時間後の透過量を対照と比較
すると、実施例の1のモルヒネは約140μg/cm2 透
過して水溶液の約20倍、実施例2のジクロフェナック
ナトリウムは約250μg/cm2 透過して水溶液の約2
50倍、実施例4のジアゼパムは約40μg/cm2 透過
して水溶液の約10倍透過した。実施例3のダントロレ
ンナトリウムは水溶液では透過しなかつたが、本発明に
よる経皮投与製剤を用いれば約17μg/cm2 透過し
た。
を、それぞれ図1、2、3、及び、4に示した。水溶液
では各薬物の透過性は認められないか或いは低いものだ
ったが、本発明による経皮投与製剤からの透過性は顕著
に促進された。各薬物の6時間後の透過量を対照と比較
すると、実施例の1のモルヒネは約140μg/cm2 透
過して水溶液の約20倍、実施例2のジクロフェナック
ナトリウムは約250μg/cm2 透過して水溶液の約2
50倍、実施例4のジアゼパムは約40μg/cm2 透過
して水溶液の約10倍透過した。実施例3のダントロレ
ンナトリウムは水溶液では透過しなかつたが、本発明に
よる経皮投与製剤を用いれば約17μg/cm2 透過し
た。
【0026】また、どの薬物も約2時間後から薬物が透
過し始め、6時間以上にわたって直線的に増加している
ので、一定速度で皮膚を透過していることが示された。
過し始め、6時間以上にわたって直線的に増加している
ので、一定速度で皮膚を透過していることが示された。
【0027】(ドレイズ法による皮膚刺激性試験)体重
2kg前後のニュージーランドホワイトウサギを用い、実
験前日に背部を電気バリカン及びカミソリで剪毛し、ア
イランドスキンの無いものを選んで実験を行なった。被
験物質は試験液1(メントール:水:1、3−ブレチン
グリコール=3:57)、試験液2(メントール:水:
エタノール=3:57:40)、5%SDS(5%ラウ
リル硫酸Na水溶液)を用いた。直径1.6cmのリント
布に250μl塗布して用い、各々皮膚に貼付しアルミ
片で被い、粘着シート及び伸縮性ネット包帯で固定して
24時間閉鎖貼付した。尚、24時間適用中、ウサギは
首枷式固定器に固定した。適用24時間後に被験物質を
除去し、直後(1時間)、24時間、48時間及び72
時間後に皮膚の紅斑、痂皮及び浮腫について肉眼で観察
し、Draizeらの基準(下記評点表)に従って判定した。
一次刺激性インデックス(P.I.I.)は被験物質除
去直後及び48時間後における紅斑及び浮腫の平均評価
点を求め、その合計を2で割って算出した。
2kg前後のニュージーランドホワイトウサギを用い、実
験前日に背部を電気バリカン及びカミソリで剪毛し、ア
イランドスキンの無いものを選んで実験を行なった。被
験物質は試験液1(メントール:水:1、3−ブレチン
グリコール=3:57)、試験液2(メントール:水:
エタノール=3:57:40)、5%SDS(5%ラウ
リル硫酸Na水溶液)を用いた。直径1.6cmのリント
布に250μl塗布して用い、各々皮膚に貼付しアルミ
片で被い、粘着シート及び伸縮性ネット包帯で固定して
24時間閉鎖貼付した。尚、24時間適用中、ウサギは
首枷式固定器に固定した。適用24時間後に被験物質を
除去し、直後(1時間)、24時間、48時間及び72
時間後に皮膚の紅斑、痂皮及び浮腫について肉眼で観察
し、Draizeらの基準(下記評点表)に従って判定した。
一次刺激性インデックス(P.I.I.)は被験物質除
去直後及び48時間後における紅斑及び浮腫の平均評価
点を求め、その合計を2で割って算出した。
【0028】評点表(Draize法、1959年FDA) 紅斑及び痂皮形成 0:紅斑なし 1:ごく軽度の紅斑(やっと認められる程度) 2:明かな紅斑 3:中等度から強い紅斑 4:深紅色の強い紅斑に軽い痂皮形成(障害は深部に) 浮腫形成 0:浮腫なし 1:ごく軽度の浮腫(やっと認められる程度) 2:明かな浮腫(周囲と明らかに区分可能) 3:中等度の浮腫(1mm程盛り上がっている) 4:強い浮腫(1mm以上盛り上がり、周囲にも広がる)
【0029】各試験液のP.I.I.は、本発明の基本
構成である試験液1が2.1、エタノールを配合した試
験液2が3.8、5%SDSが4.5であった。この結
果より判断すると、エタノールを含まない試験液1は、
多少刺激はあるものの、配合しない時よりも低刺激性で
あった。
構成である試験液1が2.1、エタノールを配合した試
験液2が3.8、5%SDSが4.5であった。この結
果より判断すると、エタノールを含まない試験液1は、
多少刺激はあるものの、配合しない時よりも低刺激性で
あった。
【0030】
【発明の効果】今までは、メントールの経皮吸収促進効
果を補助する溶媒としてエタノールを必要としていた
が、本発明によれば、メントールの経皮吸収促進効果を
発揮させる溶媒として「グリコール−水混液」を用いる
ようにしたので、エタノールの製剤中に存在することに
よる皮膚刺激性、製剤困難性の問題を解決することがで
きた。また、数々の薬物を薬効を発現するのに充分と思
われる量を長時間一定速度で皮膚を透過させることがで
き、なおかつ低刺激性であるので、数々の薬物の経皮吸
収製剤を開発することが可能になった。
果を補助する溶媒としてエタノールを必要としていた
が、本発明によれば、メントールの経皮吸収促進効果を
発揮させる溶媒として「グリコール−水混液」を用いる
ようにしたので、エタノールの製剤中に存在することに
よる皮膚刺激性、製剤困難性の問題を解決することがで
きた。また、数々の薬物を薬効を発現するのに充分と思
われる量を長時間一定速度で皮膚を透過させることがで
き、なおかつ低刺激性であるので、数々の薬物の経皮吸
収製剤を開発することが可能になった。
【図1】本発明による経皮投与製剤の実施例1(塩酸モ
ルヒネ)の試験データを示す図である。
ルヒネ)の試験データを示す図である。
【図2】本発明による経皮投与製剤の実施例2(ジクロ
フェナックナトリウム)の試験データを示す図である。
フェナックナトリウム)の試験データを示す図である。
【図3】本発明による経皮投与製剤の実施例3(ダント
ロレンナトリウム)の試験データを示す図である。
ロレンナトリウム)の試験データを示す図である。
【図4】本発明による経皮投与製剤の実施例4(ジアゼ
パム)の試験データを示す図である。
パム)の試験データを示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/02 Z 7433−4C 47/10 E 7433−4C 47/32 F 7433−4C 47/38 F 7433−4C
Claims (2)
- 【請求項1】 メントール又はハツカ油0.1乃至4重
量%、グリコール類20乃至60重量%、水30乃至8
0重量%、薬物を添加することを特徴とする経皮投与製
剤。 - 【請求項2】 分子鎖にカルボキシル基を有する水溶性
高分子とアルミニウム化合物によりシート状にゲル化し
てなる請求項1記載の経皮投与製剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11210691A JPH05310598A (ja) | 1991-04-18 | 1991-04-18 | 経皮投与製剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11210691A JPH05310598A (ja) | 1991-04-18 | 1991-04-18 | 経皮投与製剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05310598A true JPH05310598A (ja) | 1993-11-22 |
Family
ID=14578301
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11210691A Pending JPH05310598A (ja) | 1991-04-18 | 1991-04-18 | 経皮投与製剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05310598A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06227964A (ja) * | 1993-01-29 | 1994-08-16 | Toyama Chem Co Ltd | 徐放性口腔用軟膏 |
EP0748629A4 (en) * | 1994-03-11 | 1997-08-20 | Sekisui Chemical Co Ltd | PERCUTANEOUS ABSORPTION PLATTER COMPRISING A MORPHINE ACID ADDED SALT |
WO2002096465A1 (fr) * | 2001-05-31 | 2002-12-05 | Saitama Daiichi Pharmaceutical Co., Ltd. | Compositions medicinales pour absorption percutanee |
ES2222817A1 (es) * | 2003-07-25 | 2005-02-01 | Luis Ucelay Sanz | Gel frio. |
WO2017040991A1 (en) * | 2015-09-02 | 2017-03-09 | Sekisui Specialty Chemicals America, Llc | Stabilizer for aggressive chemicals packaging |
WO2020262057A1 (ja) | 2019-06-24 | 2020-12-30 | 帝國製薬株式会社 | 水性貼付剤 |
-
1991
- 1991-04-18 JP JP11210691A patent/JPH05310598A/ja active Pending
Cited By (9)
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US9796870B2 (en) | 2015-09-02 | 2017-10-24 | Sekisui Specialty Chemicals America, Llc | Stabilizer for aggressive chemicals packaging |
CN108137958A (zh) * | 2015-09-02 | 2018-06-08 | 积水精细化工美国有限公司 | 用于侵蚀性化学品包装的稳定剂 |
JP2018534377A (ja) * | 2015-09-02 | 2018-11-22 | セキスイ スペシャルティ ケミカルズ アメリカ リミテッド ライアビリティ カンパニー | 腐食性化学物質のパッケージング用安定剤 |
WO2020262057A1 (ja) | 2019-06-24 | 2020-12-30 | 帝國製薬株式会社 | 水性貼付剤 |
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