JPH0789853A - 貼付剤 - Google Patents

貼付剤

Info

Publication number
JPH0789853A
JPH0789853A JP26936993A JP26936993A JPH0789853A JP H0789853 A JPH0789853 A JP H0789853A JP 26936993 A JP26936993 A JP 26936993A JP 26936993 A JP26936993 A JP 26936993A JP H0789853 A JPH0789853 A JP H0789853A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
diclofenac sodium
patch
sodium
added
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26936993A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoichi Ota
陽一 太田
Yukari Nishimura
ゆか里 西村
Yasuo Igarashi
保生 五十嵐
Takashi Suzuki
喬 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shiseido Co Ltd filed Critical Shiseido Co Ltd
Priority to JP26936993A priority Critical patent/JPH0789853A/ja
Publication of JPH0789853A publication Critical patent/JPH0789853A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 経皮吸収性が良好で、安定なジクロフェナク
ナトリウム含有貼付剤を提供する。 【構成】 ジクロフェナクナトリウム、常温で液状の脂
肪酸、クロタミトンを含有するジクロフェナクナトリウ
ム含有貼付剤。 【効果】 経皮吸収性が優れ、製剤的に安定なジクロフ
ェナクナトリウム含有貼付剤が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薬物放出性、皮膚安全
性、製剤的な安定性及び経皮吸収性に優れたジクロフェ
ナクナトリウム含有貼付剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ジクロフェナクナトリウムは、正式には
モノナトリウム 2−(2,6−ジクロルアニリノ)フ
ェニルアセテート[分子量C1410ClNNaO
:318.13」と呼ばれる化合物で、性状は、白色
〜微黄白色の結晶性粉末で、メタノール又はエタノール
に溶けやすく、水又は氷酢酸にやや溶けにくく、エーテ
ルにはほとんど溶けないことが知られている。この化合
物は優れた抗炎症作用及び鎮痛作用を有する非ステロイ
ド系消炎鎮痛剤で、腰痛症、変形性関節痛、慢性関節リ
ュウマチ症、神経痛等の各種炎症疾患に広く使用されて
いる。しかしながら、ジクロフェナクナトリウムを経口
投与した場合は、胃腸障害を始めとして種々の副作用を
示すという問題点がある。かかる副作用を低減下するた
めに腸溶剤や座剤の投与も試みられているが、例えば、
消化性潰瘍や重篤な肝障害、腎障害を持つ患者にはその
使用に制限が行われているのが実情である。
【0003】近年、上記欠点を解決するために、ジクロ
フェナクナトリウムを有効成分とした軟膏剤や貼付剤が
種々開発されており、これらは炎症部位に直接塗布しあ
るいは貼付して経皮吸収させることによって、局所効果
を有し、そして胃腸障害などの副作用の発現を抑制する
ことを目的としている。そして、ジクロフェナクナトリ
ウム含有貼付剤としては、ジクロフェナクナトリウム
と、水と、炭素数3または4のアルキレングリコールの
一種または二種以上の保湿溶解剤と、ゼラチン、ポリビ
ニルアルコール及びポリビニルピロリドンのいずれか一
種または二種以上よりなる基剤とを有することを特徴と
する貼付剤(特開昭61−60608)、ジクロフェナ
クナトリウム及び1,3−ブチレングリコールを分散さ
せた架橋含水ゲルを支持体上に展延してなることを特徴
とする貼付剤(特開昭63−91318)、またジクロ
フェナクナトリウム、1−メントール及びプロピレング
リコールよりなる吸収促進剤、並びに水溶性ポリマーを
主体とする親水性基剤を含有する貼付剤(特開平5−3
2544)が開発されてきた。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら本発明者
らが、従来の方法でジクロフェナクナトリウム含有貼付
剤を調製したところ、ジクロフェナクナトリウムを水溶
性基剤に溶解して貼付剤の膏体中に配合しているため
に、薬物の放出性が悪く、経皮吸収のバリアーである皮
膚の角質層への浸透性が劣るという欠点が判明した。
【0005】そのため、本発明者らは、ジクロフェナク
ナトリウムの放出性及び経皮吸収性に優れたジクロフェ
ナクナトリウム含有貼付剤を開発すべく鋭意検討を行っ
た結果、ジクロフェナクナトリウムを水溶性基剤に溶解
するのではなく、油性基剤に溶解することにより皮膚の
角質層への浸透性が改善されることに着想した。しかし
ながら、ジクロフェナクナトリウムを単独で溶解するよ
うな油性基剤は見出せなかったため、更に本発明者らは
鋭意研究を重ねた結果、ある特定の条件を採用すること
によりジクロフェナクナトリウムを油性基剤に溶解でき
ることを見出した。即ち、ジクロフェナクナトリウム
を、常温で液状の脂肪酸及びクロタミトンを共存させる
ことによって油性基剤に溶解させることができた。この
ようにしてかかる基剤を含有するジクロフェナクナトリ
ウム含有貼付剤を開発し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明に従えば、
ジクロフェナクナトリウム、常温で液状の脂肪酸、クロ
タミトンを含有することを特徴とするジクロフェナクナ
トリウム含有貼付剤が提供される。
【0007】本発明に係わる各成分は、貼付剤としての
性状及び効果を保ちうるような配合量であれば特に限定
されるものではないが、薬効上、そして使用感の上から
は望ましい配合量が存在する。そして得られる貼付剤の
単位面積当たりのジクロフェナクナトリウム含量はその
配合量により決まるが、0.1〜10mg/cm程度
が推奨される。
【0008】本発明に係わるジクロフェナクナトリウム
含有貼付剤におけるジクロフェナクナトリウムの配合量
は、膏体全体に対して、一般的には0.1〜10重量
%、好ましくは0.5〜8重量%、より好ましくは1〜
5重量%である。ジクロフェナクナトリウムの含有量が
少ないと薬理効果がマイルドに表われ、逆に多いとジク
ロフェナクナトリウムを溶解させる脂肪酸及びクロタミ
トンの使用量が多くなり、使用性がよくないため好まし
くないが、適用不可能というわけではないので多く配合
することも可能である。
【0009】本発明のジクロフェナクナトリウム含有貼
付剤に配合される常温で液状の脂肪酸には、例えば、n
−ヘプタン酸、2−エチルヘプタン酸、ペラルゴン酸、
カプリル酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール
酸、リノレン酸等の炭素数6〜18の常温で液状を呈す
る飽和もしくは不飽和の脂肪酸が含まれ、特に好ましく
は、オレイン酸、リノレン酸、イソステアリン酸等が挙
げられる。これらの脂肪酸は単独で用いても、2種以上
を併用してもよい。そして、膏体全体に対して一般的に
は0.2〜20重量%、好ましくは1〜16重量%、よ
り好ましくは2〜10重量%の割合で配合される。かか
る脂肪酸は、ジクロフェナクナトリウムのクロタミトン
に対する溶解補助剤であり、この量が少ないとジクロフ
ェナクナトリウムの溶解性が良くなく、逆に多いと皮膚
刺激性が大きくなる。
【0010】本発明のジクロフェナクナトリウム含有貼
付剤に配合されるクロタミトンは、膏体全体に対して、
一般的には0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜2
0重量%、より好ましくは1〜15重量%の割合で配合
される。クロタミトンはジクロフェナクナトリウムの良
溶媒であり、その配合量が少ないと、ジクロフェナクナ
トリウムが析出しやすくなり、逆に多いと使用性が良く
ない。
【0011】本発明のジクロフェナクナトリウム含有貼
付剤に配合されるジクロフェナクナトリウム、脂肪酸、
クロタミトンの混合比は特に限定されるものではない
が、好ましくは、それらの混合比がジクロフェナクナト
リウムに対して脂肪酸が重量比で1以上が好ましく、特
に好ましいのは1:1.5〜1:4であり、脂肪酸に対
してクロタミトンが重量比で1/10以上が好ましく、
特に好ましいのは1:0.2〜1:3である。
【0012】本発明のジクロフェナクナトリウム含有貼
付剤はかかるジクロフェナクナトリウム、脂肪酸、クロ
タミトンに粘着剤を含ましめた膏体を支持体上に展延し
て調製される。本発明のジクロフェナクナトリウム含有
貼付剤は、例えば、パップ剤、プラスター剤、テープ
剤、シート状粘着剤等として用いられる。
【0013】本発明のジクロフェナクナトリウム含有貼
付剤に配合される粘着剤は、膏体のベース成分であり、
当分野において用いられる粘着剤、例えば、親油性粘着
剤、親水性粘着剤の中から適宜用いられる。
【0014】本発明のジクロフェナクナトリウム含有貼
付剤に配合される親油性粘着剤としては、例えば、ポリ
イソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソブチレ
ンゴム、シリコンゴム、スチレン−イソプレン−スチレ
ンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン
ブロック共重合体、ポリアクリル酸エステル系重合体、
天然ゴム、各種合成ゴム等の親油性重合体が挙げられ
る。必要に応じて、テルペン系樹脂、芳香族炭化水素樹
脂、脂肪族炭化水素樹脂、ロジン系樹脂、石油樹脂、エ
ステルガム、油脂性フェノール樹脂等の粘着付与剤や、
ポリブテン、ポリイソブテン、流動パラフィン、スクワ
ラン、シリコン油、オリブ油、大豆油、ナタネ油、ヤシ
油、牛脂、オレイルオレート、イソプロピルミリステー
ト等の軟化剤や、カオリン、タルク、ベントナイト、酸
化チタン、重炭酸カルシウム、硫酸アルミニウム、無水
ケイ酸、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ等の粉体や、BH
T、BHA、トコフェロール、グアヤコールエステル、
ノルジヒドログアイアチン酸等の酸化防止剤を添加配合
することも可能である。これらの親油性粘着剤や添加剤
はそれぞれ単独で用いてもよく、二種以上を併用しても
よい。
【0015】本発明のジクロフェナクナトリウム含有貼
付剤に配合される親水性粘着剤としては、例えば、ポリ
アクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、
ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリル酸モノエタノー
ルアミン、ポリアクリル酸ジエタノールアミン、ポリア
クリル酸トリエタノールアミン、カルボキシメチルセル
ロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カル
ボシキメチルアミロース、ゼラチン、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマ
ー、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム、
アルギン酸プロピレングリコール、カゼイン、カラギー
ナン、アラビアゴム、トラガントゴム、キサンタンゴ
ム、カラヤゴム、ローカストビーンゴム、デキストリ
ン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセル
ロース、寒天、可溶性デンプン、マンナン、ペクチン、
メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、メト
キシエチレン−無水マレイン酸共重合体、アクリル酸−
スチレン共重合体、アクリル酸−メタクリル酸アミド共
重合体、アクリル酸ブチル−メタクリル酸共重合体、ス
チレン−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。必要に
より、保湿剤、例えば、グリセリン、プロピレングリコ
ール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリ
コール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、マン
ニット等の多価アルコール、水等の膨潤剤、保水性、保
形性を保つためのカオリン、タルク、ベントナイト、酸
化チタン、重炭酸カルシウム、無水ケイ酸、酸化亜鉛、
シリカ、アルミナ等の粉体を添加することも可能であ
る。これらの親水性粘着剤や添加剤は、それぞれ単独で
用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
【0016】本発明におけるジクロフェナクナトリウム
含有貼付剤の膏体には、必要に応じて架橋剤としての多
価金属塩が用いられる。例えば、水酸化アルミニウム、
塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウ
ム、酢酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、アルミ
ニウムグリシネート、クロルヒドロキシアルミニウム等
のアルミニウム化合物、水酸化マグネシウム、塩化マグ
ネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硝酸
マグネシウム等のマグネシウム化合物、水酸化カルシウ
ム、炭酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウ
ム、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム、クエン酸
カルシウム、パントテン酸カルシウム等のカルシウム化
合物、カリミョウバン、ナトリウムミョウバン、アルミ
ニウムミョウバン、鉄ミョウバン等のミョウバン類、ア
ルミニウム、マグネシウムを含む制酸剤等が挙げられ、
これらは任意の一種又は二種以上を適宜選択して用いる
ことができる。
【0017】本発明におけるジクロフェナクナトリウム
含有貼付剤には、必要に応じて本発明の効果を損なわな
い範囲で、医薬品、化粧料に用いられる各種成分、即
ち、防腐剤、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、香
料、色剤、水溶性薬剤、油溶性薬剤、吸収促進剤等が適
宜用いられる。
【0018】また本発明におけるジクロフェナクナトリ
ウム含有貼付剤の支持体としては、特に限定されるもの
ではないが、例えば、ネル、リント布のような織布、不
織布および編布さらにはプラスチックフィルム等が挙げ
られる。前記織布、不織布及び編布を構成する繊維は、
木綿のような天然繊維であっても、ポリオレフィン、ポ
リエステル、ポリアミド等の合成繊維であってもよい。
また、プラスチックフィルムの材質としては、例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のオレ
フィン系、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエ
ステル系、ナイロン6やナイロン66のようなポリアミ
ド系、ポリビニルアルコール、塩化ビニリデン、ポリウ
レタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、金属箔、ゴム
等が挙げられる。
【0019】さらに、必要に応じて薬物保持層の水分揮
発等の防止をしたり、また該層を保護する目的でその表
面に適当な材質のライナーを添着してもよい。
【0020】本発明により得られる貼付剤は−5℃〜5
0℃の広い温度範囲において安定であるため、厳寒期に
おいてもこわばりを生じたり、薬物の結晶化が起きるこ
となく、また、盛夏時においてもくずれたり、たれたり
することがない。そして、いかなる環境下においても満
足すべき薬物放出性と経皮吸収性を示す優れた貼付剤で
ある。
【0021】
【実施例】次に実施例に従って本発明を更に詳しく説明
するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するもの
ではないことは言うまでもない。なお、以下の例におい
て「%」は特にことわらない限り「重量%」を示す。
【0022】[実施例1] パップ剤 (処方)
【0023】
【外1】
【0024】(製法)成分(1)に成分(2)、成分
(3)を加えて加熱溶解し、更に成分(4)、成分
(5)を加えて溶解した混合溶液を、成分(18)に成
分(6)、成分(7)、成分(8)、成分(9)、成分
(10)、成分(11)、成分(12)を加えて加熱溶
解した混合溶液に加える。更に、この混合溶液に、成分
(13)に成分(14)を加えて加熱混合した混合物及
び成分(15)に成分(16)、成分(17)を加えて
加熱混合した混合物を加えて、全体が均一になるまで充
分に混合する。得られた膏体を不織布上に1000g/
展延し、シリコン加工したポリエチレンテレフタレ
ート製のライナーを添着し、所望の大きさに裁断する。
これにより、ジクロフェナクナトリウムを1mg/cm
含有するジクロフェナクナトリウム含有貼付剤を得
る。
【0025】[実施例2] パップ剤 (処方)
【0026】
【外2】
【0027】(製法)成分(1)に成分(2)、成分
(3)を加えて加熱溶解し、さらに成分(4)を加えて
溶解した混合溶液を、成分(17)に成分(5)、成分
(6)、成分(7)、成分(8)、成分(9)、成分
(10)を加えて加熱溶解した混合溶液に加える。さら
にこの混合溶液に成分(11)に成分(12)を加えて
加熱混合した混合物及び成分(13)に成分(14)、
成分(15)を加えて加熱混合した混合物及び成分(1
6)を加えて、全体が均一になるまで充分に混合する。
得られた膏体を不織布上に1000g/m展延し、シ
リコン加工したポリエチレンテレフタレート製のライナ
ーを添着し、所望の大きさに裁断する。これにより、ジ
クロフェナクナトリウムを3mg/cm含有するジク
ロフェナクナトリウム含有貼付剤を得る。
【0028】[実施例3] プラスター剤 (処方)
【0029】
【外3】
【0030】(製法)成分(5)、成分(6)、成分
(7)、成分(8)、成分(9)を150℃に加熱した
ニーダー中で溶融撹拌し、次にこれを120℃に冷却し
て、ここに成分(1)に成分(2)、成分(3)、成分
(4)を加えて加熱溶解した混合溶液を加えて、さらに
練合撹拌した。得られた膏体をポリエステル製離型ライ
ナー上に薬物含有量が0.5mg/cmとなるように
塗布、乾燥して感圧性接着材料層をつくり、これをエチ
レン−酢酸ビニル共重合体フィルムに転着して、本発明
のジクロフェナクナトリウム含有貼付剤を得る。
【0031】[実施例4] プラスター剤 (処方)
【0032】
【外4】
【0033】(製法)成分(6)、成分(7)、成分
(8)、成分(9)、成分(10)、成分(11)を1
50℃に加熱したニーダー中で溶融撹拌し、次にこれを
120℃に冷却して、ここに成分(1)に成分(2)、
成分(3)、成分(4)、成分(5)を加えて加熱溶解
した混合溶液を加えて、さらに練合撹拌した。得られた
膏体をポリエステル製離型ライナー上に薬物含有量が
0.8mg/cmとなるように塗布、乾燥して感圧性
接着材料層をつくり、これをエチレン−酢酸ビニル共重
合体フィルムに転着して、本発明のジクロフェナクナト
リウム含有貼付剤を得る。
【0034】[実施例5] テープ剤 (処方)
【0035】
【外5】
【0036】(製法)成分(6)、成分(7)、成分
(8)を酢酸エチルに溶解し、撹拌を行いながら、窒素
気流下にアゾビスイソブチロニトリルを重合開始剤とし
て加え、70℃、20時間重合反応を行って、接着剤溶
液を得た。得られた接着剤溶液に、成分(1)に成分
(2)、成分(3)を加えて加熱溶解し、さらに成分
(4)、成分(5)を加えて溶解した混合溶液を加え
る。得られた混合溶液を、シリコン剥離紙上に乾燥後の
厚みが40μmとなるように塗工、乾燥し、厚さ20μ
mのポリエチレンテレフタレートフィルムに重ね合わせ
て圧着し、ジクロフェナクナトリウムを0.65mg/
cm含有するジクロフェナクナトリウム含有貼付剤を
得る。
【0037】[比較例1] パップ剤 (処方)
【0038】
【外6】
【0039】(製法)成分(1)に成分(2)を加えて
混合し、これを成分(14)に成分(3)、成分
(4)、成分(5)、成分(6)、成分(7)、成分
(8)を加えて加熱溶解した混合溶液に加える。さら
に、この混合溶液に、成分(9)に成分(10)を加え
て加熱混合した混合物及び成分(11)に成分(1
2)、成分(13)を加えて加熱混合した混合物を加え
て全体が均一になるまで十分に混合する。得られた膏体
を不織布上に1000g/m展延し、シリコン加工し
たポリエチレンテレフタレート製のライナーを添着し、
所望の大きさに裁断する。これにより、ジクロフェナク
ナトリウムを1mg/cm含有するジクロフェナクナ
トリウム貼付剤を得る。
【0040】[比較例2] プラスター剤 (処方)
【0041】
【外7】
【0042】(製法)成分(4)、成分(5)、成分
(6)、成分(7)、成分(8)を150℃に加熱した
ニーダー中で溶融撹拌し、次にこれを120℃に冷却し
て、ここに成分(1)に成分(2)、成分(3)を加え
て混合した混合物を加えて、さらに練合撹拌した。得ら
れた膏体を、ポリエステル製離型ライナー上に薬物含有
量が0.5mg/cmとなるように塗布、乾燥して感
圧性接着材料層をつくり、これをエチレン−酢酸ビニル
共重合体フィルムに添着して、ジクロフェナクナトリウ
ム含有貼付剤を得る。
【0043】
【実験例】次に本発明によるジクロフェナクナトリウム
含有貼付剤が、従来のジクロフェナクナトリウム含有貼
付剤と比較して著しく経皮吸収性が優れていることを、
抗炎症試験および経皮吸収実験により確認したので以下
に記載する。
【0044】[抗炎症作用試験]ラットを用いたカラゲ
ニン足蹠浮腫抑制試験から、基剤の相違により経皮吸収
性に著しく違いのあることを認めた。この試験では、体
重120〜150gのウィスター系ラットを1群8匹と
して用いた。足蹠浮腫容積は、ラット後肢足蹠容積測定
装置KM−357(夏目製作所製)を用いて測定した。
【0045】各ラット右後肢容積を測定した後、右後肢
足蹠に約2cmの試料片を貼り付け、3時間経過後に
取り除いて、同部位に1%カラゲニン生理食塩液0.1
mlを足蹠皮下に投与し、以降1、2、3、4、5時間
に足蹠の容積を測定した。カラゲニン投与前と投与後の
足蹠容積より浮腫率を算出し、抑制率を求めて比較検討
した。試料群は実施例1及び比較例1の製品を用い、対
象群は無塗布処置とした。
【0046】
【数1】
【0047】上記の試験結果は、図1に示すとおりであ
った。なお、値は全て試料数8の平均値を示している。
この結果から明らかなように、本発明に係わるジクロフ
ェナクナトリウム含有貼付剤は、従来のジクロフェナク
ナトリウム含有貼付剤に比較して抗炎症作用が高く表わ
れることが明らかとなった。
【0048】[経皮吸収実験]薬物の経皮吸収性につい
ては、モルモットを用いたin vivo経皮吸収実験
により確かめた。この試験ではハートレー系雄性モルモ
ット(体重300〜400g)を10匹使用した。各群
5匹とし、試料塗布前日に各動物の背部被毛を電気バリ
カンおよび電気カミソリにて剪毛して使用した。本発明
に従った実施例3および比較例2の貼付剤を、それぞれ
5cm×6cmに裁断し、モルモット背部皮膚に貼り、
経時的に(1、2、4、6、8時間)採血を行った。血
漿中の薬物濃度は常法により血液を処理した後、高速液
体クロマトグラフ法により定量した。これらの試験結果
を図2に示す。なお、値は全て試料数5の平均値を示し
ている。この結果から、本発明に係わるジクロフェナク
ナトリウム含有貼付剤は、従来のジクロフェナクナトリ
ウム含有貼付剤に較べて、明らかに薬物の経皮吸収性に
優れることが見だされた。さらに、モルモットの貼付部
位の皮膚には腫れや爛れも見られることなく、皮膚安全
性にも優れていることが確認された。
【0049】
【発明の効果】本発明に係わるジクロフェナクナトリウ
ム含有貼付剤は従来のジクロフェナクナトリウム含有貼
付剤に比較してジクロフェナクナトリウムの経皮吸収性
が著しく改善されているばかりか、皮膚安全性と製剤的
な安定性も優れているという利点を有している。また、
この経皮吸収性が持続しているので長時間にわたって高
いレベルの薬効を持続することができるという利点を有
している。まず、製剤的な安定性については、経時的に
も、温度変化にも安定である。例えば、本発明に従った
上記実施例1〜5のジクロフェナクナトリウム含有貼付
剤は、調製後1年を経過した後でも極めて安定で、剥離
性、粘着性、柔軟性、保形性、糊残り等の変化が認めら
れなかった。また、−5℃および50℃の苛酷条件下、
2ヶ月間経過した貼付剤についても偏光顕微鏡による観
察でジクロフェナクナトリウムの結晶析出は見られず、
剥離性、粘着性、柔軟性、保形性、糊残りについても変
化が認められなく、極めて安定であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1と比較例1のジクロフェナクナトリウ
ム含有貼付剤の抗炎症作用を示す図である。
【図2】実施例3と比較例2のジクロフェナクナトリウ
ム含有貼付剤の経皮吸収性を示す図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/12 G E 47/16 G E (72)発明者 鈴木 喬 神奈川県横浜市金沢区福浦2丁目12番1号 株式会社資生堂第二リサーチセンター内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジクロフェナクナトリウム、常温で液状
    の脂肪酸、クロタミトンを含有することを特徴とするジ
    クロフェナクナトリウム含有貼付剤。
JP26936993A 1993-09-24 1993-09-24 貼付剤 Pending JPH0789853A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26936993A JPH0789853A (ja) 1993-09-24 1993-09-24 貼付剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26936993A JPH0789853A (ja) 1993-09-24 1993-09-24 貼付剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0789853A true JPH0789853A (ja) 1995-04-04

Family

ID=17471437

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26936993A Pending JPH0789853A (ja) 1993-09-24 1993-09-24 貼付剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0789853A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999003461A1 (fr) * 1997-07-18 1999-01-28 Teikoku Seiyaku Co., Ltd. Timbres huileux pour usage externe contenant du diclofenac sodium
WO2005102306A1 (ja) * 2004-04-23 2005-11-03 Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. 消炎鎮痛貼付剤
JP2005314328A (ja) * 2004-04-30 2005-11-10 Hisamitsu Pharmaceut Co Inc 消炎鎮痛外用剤
WO2011049058A1 (ja) 2009-10-23 2011-04-28 帝國製薬株式会社 ジクロフェナクナトリウム含有水性貼付剤
US8114434B2 (en) 2001-05-23 2012-02-14 Tokuhon Corporation Diclofenac sodium patches for topical treatment of pain
WO2013012000A1 (ja) * 2011-07-21 2013-01-24 帝國製薬株式会社 水性貼付剤
US20140336306A1 (en) * 2011-12-09 2014-11-13 Dow Global Technologies Llc Method for providing modified cement compositions, dry mortars and cement-free mixtures
JP2019055928A (ja) * 2017-09-22 2019-04-11 帝國製薬株式会社 貼付剤

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100540821B1 (ko) * 1997-07-18 2006-01-12 데이고꾸세이약꾸가부시끼가이샤 디클로페낙 나트륨 함유 유성 외용 첩제
AU708584B2 (en) * 1997-07-18 1999-08-05 Teikoku Seiyaku Co., Ltd External oil patches containing diclofenac sodium
US6262121B1 (en) 1997-07-18 2001-07-17 Teikoku Seiyaku Co., Ltd. Oily patches for external use containing diclofenac sodium
WO1999003461A1 (fr) * 1997-07-18 1999-01-28 Teikoku Seiyaku Co., Ltd. Timbres huileux pour usage externe contenant du diclofenac sodium
US8114434B2 (en) 2001-05-23 2012-02-14 Tokuhon Corporation Diclofenac sodium patches for topical treatment of pain
JP4764337B2 (ja) * 2004-04-23 2011-08-31 久光製薬株式会社 消炎鎮痛貼付剤
WO2005102306A1 (ja) * 2004-04-23 2005-11-03 Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. 消炎鎮痛貼付剤
JP4584620B2 (ja) * 2004-04-30 2010-11-24 久光製薬株式会社 消炎鎮痛外用剤
JP2005314328A (ja) * 2004-04-30 2005-11-10 Hisamitsu Pharmaceut Co Inc 消炎鎮痛外用剤
US9168235B2 (en) 2009-10-23 2015-10-27 Teikoku Seiyaku Co., Ltd. Aqueous patches containing diclofenac sodium
JP2011088862A (ja) * 2009-10-23 2011-05-06 Teikoku Seiyaku Co Ltd ジクロフェナクナトリウム含有水性貼付剤
AU2010309050B2 (en) * 2009-10-23 2014-04-17 Teikoku Seiyaku Co., Ltd. Aqueous Patches Containing Diclofenac Sodium
WO2011049058A1 (ja) 2009-10-23 2011-04-28 帝國製薬株式会社 ジクロフェナクナトリウム含有水性貼付剤
WO2013012000A1 (ja) * 2011-07-21 2013-01-24 帝國製薬株式会社 水性貼付剤
US20140171555A1 (en) * 2011-07-21 2014-06-19 Teikoku Seiyaku Co., Ltd. Water-Based Plaster
JPWO2013012000A1 (ja) * 2011-07-21 2015-02-23 帝國製薬株式会社 水性貼付剤
US9120956B2 (en) 2011-07-21 2015-09-01 Teikoku Seiyaku Co., Ltd. Water-based plaster
US20140336306A1 (en) * 2011-12-09 2014-11-13 Dow Global Technologies Llc Method for providing modified cement compositions, dry mortars and cement-free mixtures
US9505658B2 (en) * 2011-12-09 2016-11-29 Dow Global Technologies Llc Method for providing modified cement compositions, dry mortars and cement-free mixtures
JP2019055928A (ja) * 2017-09-22 2019-04-11 帝國製薬株式会社 貼付剤
JP2022078273A (ja) * 2017-09-22 2022-05-24 帝國製薬株式会社 貼付剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4181232B2 (ja) ジクロフェナクナトリウム含有油性外用貼付製剤
JP3541849B2 (ja) 消炎鎮痛貼付剤
KR100201424B1 (ko) 용해제 및 이 용해제를 함유하는 외용제제
JP3238409B2 (ja) 外用貼付剤
WO1996004902A1 (fr) Composition pour preparation a usage externe
JP3466305B2 (ja) 溶解剤および該溶解剤を含有する外用製剤
KR100215278B1 (ko) 경고제
JP5622410B2 (ja) ケトプロフェン含有水性貼付剤
CA2718755A1 (en) Ketoprofen lysine salt-containing aqueous patch
JPH0789853A (ja) 貼付剤
WO1993009783A1 (fr) Emplatre anti-inflammatoire et analgesique
JP2920451B2 (ja) 消炎鎮痛貼付剤
JPH0662401B2 (ja) ケトプロフエン含有パツプ剤
JPH10109945A (ja) 可塑剤および該可塑剤を含有する貼付剤
JP5684441B2 (ja) インドメタシン含有貼付剤
JPH05201879A (ja) 経皮投与製剤
CA2380128C (en) Plasters containing 4-biphenylacetic acid
WO2005102306A1 (ja) 消炎鎮痛貼付剤
JPH04217925A (ja) 新規な解熱消炎鎮痛剤組成物
JP2005145931A (ja) 非ステロイド系消炎鎮痛剤を含有するテープ剤
WO2009125667A1 (ja) 塩酸ブテナフィン含有水性貼付剤
JPH0656660A (ja) ジクロフェナクナトリウム含有貼付剤
JP2001302503A (ja) 貼付剤
JP2004043512A (ja) 消炎鎮痛貼付剤
JP3477211B2 (ja) ケトロラック含有リザーバー型貼付剤

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20040506

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070402