JP2905143B2 - シート状材料の送給及び位置決め機構を備えた印刷装置 - Google Patents

シート状材料の送給及び位置決め機構を備えた印刷装置

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JP2905143B2 JP8117941A JP11794196A JP2905143B2 JP 2905143 B2 JP2905143 B2 JP 2905143B2 JP 8117941 A JP8117941 A JP 8117941A JP 11794196 A JP11794196 A JP 11794196A JP 2905143 B2 JP2905143 B2 JP 2905143B2
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    • B41J11/42Controlling printing material conveyance for accurate alignment of the printing material with the printhead; Print registering
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  • Handling Of Continuous Sheets Of Paper (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、シート状材料にグラフィック像
(以下、図柄という)を印刷する装置に関し、より詳細
には、この種の装置において、シート状材料の送給及び
位置決めを行う機構に関する。なお本発明において、グ
ラフィック製品とは、印刷された図柄をシート状材料か
ら裁断加工したものを指す。
【0002】
【従来技術及びその問題点】看板や商品陳列用に、多色
あるいは特殊効果(例えば三次元的効果)を有する図柄
をシート状の材料(以下、シート材という)に印刷する
装置で最も進歩的なものとして、例えば、アメリカ合衆
国コネチカット州ウインザーのガーバー サイエンティ
フィックインコーポレイテッドが生産する「ガーバーエ
ッジ」(TheGERBER EDGE :商標登録)がある。この装
置は、主にビニール製のシート材に、多色あるいは特殊
効果を有する図柄を印刷し、印刷後に図柄の輪郭に沿っ
て裁断して看板や商品陳列用のグラフィック製品として
完成させる。印刷は、印刷機の機枠内に支持された熱転
写印刷ヘッド(以下、印刷ヘッドという)を用いて行
い、印刷後の図柄を裁断機が裁断する。このとき、印刷
する図柄や裁断軌跡を所定のグラフィック製品に一致さ
せるために、印刷と裁断に関する共通データベースを有
するマイクロプロセッサが、印刷ヘッド及び裁断機を制
御する。
【0003】帯状のシート状材料は、両縁部において長
手方向に連続する送給孔(係合孔)を有している。この
送給孔に係合するドライブスプロケット(以下、スプロ
ケットという)の駆動により、該シート材は、上記印刷
ヘッドの下に支持されたローラプラテン(以下、プラテ
ンという)上を送られる。印刷ヘッドの近傍には交換式
インクカセットが支持されていて、該インクカセットか
ら繰り出されるインクリボンが、印刷ヘッドとシート材
の間に位置する。上記マイクロプロセッサの指示に従
い、印刷ヘッドの加熱エレメントは、図柄に応じて上記
インクリボンの任意の部分を選択的に加熱して、該エレ
メント直下のインクリボンからシート材にインクを転写
する。各インクカセットのインクリボンは単色であり、
多色刷りや陰影を有する図柄を印刷する場合は、色数に
応じてインクカセットを交換する。このとき、印刷ヘッ
ドはシート材の長手方向には移動を行わないので、新た
なインクカセットのインクをシート材の所望位置に転写
するために、係合するスプロケットの動作に従ってシー
ト材が印刷作業中にプラテン上を前後に移動される。以
上の「ガーバーエッジ」に関する装置は、本願出願人
が、継続中の米国特許出願第08/007,662号に
より優先権を主張して日本国特許庁に出願した、特願平
5−336792号「シート材を用いたグラフィック製
品作成方法及び装置」に開示されている。本出願は、こ
の先出願と部分的に共通する。
【0004】上記印刷方法に用いられる代表的なインク
リボンは、インクを含有する樹脂及び(又は)ワックス
の層、剥離層、母材、及び印刷ヘッドとの摩擦を軽減す
るバックコート、の順に下(プラテン側)から積層され
た構造である。印刷ヘッドの加熱エレメントが加熱され
ると、該印刷ヘッドに接触するインクリボンのうち、樹
脂(ワックス)の層は、固体から半流体又は粘性体、そ
してもっとも高い温度で粘性のほとんどない液体に状態
変化して、該樹脂層に含有されるインクがシート材に転
写される。インクリボン及びシート材の印刷部分が印刷
ヘッドを通過すると、加熱エレメントは加熱を停止して
インクリボンの被加熱部分は常温に戻り、樹脂層は液体
から固体へ状態変化する。
【0005】このような状態変化の間、シート材、イン
クリボン及び印刷ヘッド間の摩擦係数は様々に変化し、
従ってそれらにかかる駆動力の作用も様々になる。その
結果、シート材表面における、シート材とインクリボン
の相対送給速度が不均一となり、印刷ヘッドの下を通過
するシート材に撓みや変形が発生する。また、この種の
印刷ヘッドは、プラテンの軸方向の一端から他端に亘っ
てインクリボンやシート材との接触領域を有する横長の
ヘッドであることが多いため、駆動力の不均一な伝達は
シート材の幅広い範囲で生じがちである。さらに、ビニ
ール製のシート材は可撓性を有するので、上記常温復帰
のサイクルでシート材と印刷ヘッド間の抵抗が増すと、
シート材のうち、印刷ヘッドに接する部分(中間部)
と、送給孔とスプロケットの係合部分(両縁部)との間
に送給量の差が生じる。シート材の送給に際して、送給
速度の不均一や印刷ヘッドに対する位置ずれが起こる
と、印刷精度の低下を招く。
【0006】また、スプロケットがシート材を送給する
(戻す)主要な駆動源となっているため、印刷ヘッドと
シート材の間にかかる駆動力の増加は、スプロケットと
シート材、即ちスプロケットとそれに係合する送給孔の
間での駆動力の増加に直結する。過度な力が作用すると
ビニール製シート材の送給孔は変形してしまい、該変形
はシート状材料の位置ずれを引き起こすので、印刷ヘッ
ドに対するシート材の位置決め(見当合わせ)を狂わ
せ、ひいては、多色刷りにおける着色ずれ等の印刷精度
の低下を引き起こす。シート材の位置決めは、印刷機内
においては、まずある色に関して所定の印刷領域が転写
されるように印刷ヘッドに対して行い、インクカセット
を交換した場合等は、当該交換色に関して新たに同様の
位置決めがなされる。また、印刷機から裁断機に印刷済
シート材が送給されたときにも、例えば裁断機の裁断器
具に対して、シート材の位置決めが行われる。つまり、
シート材の送給孔が変形してしまうと、異なる色を同一
箇所に転写してしまったり、印刷された図柄の輪郭でな
い部分を裁断してしまうという問題が生じる。こうした
問題は、印刷ヘッドを作動させる回数が多いほど発生し
やすい傾向にあり、印刷の質やグラフィック製品の出来
上がりに悪影響を及ぼす。
【0007】
【発明の目的】本発明は、以上の問題点に鑑みてなされ
たもので、印刷に際してシート状材料の送給及び位置決
めを正確に行うことにより、多色刷りや特殊効果を有す
る図柄を、従来よりも高精度に、かつ安定して印刷する
ことが可能な印刷装置を得ることを目的とする。
【0008】
【発明の概要】本発明は、シート状材料に印刷してグラ
フィック製品を作成する印刷装置において、シート状材
料の送給及び位置決めを行う機構に関する。本発明の印
刷装置は、シート状材料を支持し、このシート状材料の
送給方向と直交する軸で回動可能に支持されたローラプ
ラテン;このローラプラテンとの間にシート状材料を挟
着してローラプラテンとシート状材料を摩擦係合させ、
ローラプラテンの回動によってシート状材料の送給を可
能にする印刷位置と、ローラプラテン及びシート状材料
から離間して、上記摩擦係合状態を解除させる非印刷位
置とに移動可能な印刷ヘッド;ローラプラテンを回転駆
動し、印刷ヘッドが印刷位置に位置するとき該ローラプ
ラテンによりシート状材料を送給させるプラテン駆動モ
ータ;シート状材料の両縁部にそれぞれ、送給方向に沿
って形成した複数の係合孔;上記ローラプラテンと平行
な軸で回動可能に支持され、上記シート状材料の両縁部
に形成した係合孔に係合して、該シート状材料の位置決
め及び送給方向調整を行う一対のスプロケット;及び印
刷ヘッドが印刷位置に位置してローラプラテンの駆動力
によってシート状材料が送給されているときは、上記一
対のスプロケットが係合する係合孔に過度な力が作用し
ないように、この一対のスプロケットをローラプラテン
と同期して回動させ、印刷ヘッドが非印刷位置に位置し
てローラプラテンがシート状材料と摩擦係合しないとき
は、上記一対のスプロケットと係合孔の係合関係によっ
てシート状材料が送給されるように該一対のスプロケッ
トを回転駆動するスプロケット駆動手段;を備えたこと
を特徴としている。この構成によれば、印刷作業中は、
シート状材料に対して広い接触領域を有するローラプラ
テンによってシート状材料が送給されるので、シート状
材料に均一な駆動力を与えて座屈や変形を防ぐことがで
き、送給を妨げるような外力が作用しても、シート状材
料、特にスプロケットの係合孔を変形させることがな
い。このとき、シート状材料の位置決め及び方向調整を
行う一対のスプロケットは、送給動作に抵抗を与えない
ように制御されているので、ローラプラテンとの間に送
り量の差が生じても係合孔の変形には至らない。よっ
て、印刷作業に際して、印刷ヘッドに対するシート状材
料の位置ずれを防ぐことができ、さらにスプロケットの
回転位置をモニタしていればシート状材料の正確な移動
位置を得ることができる。また、非印刷作業中には、シ
ート状材料が挟着を受けていないので、スプロケットに
より、軽い駆動力で、しかも係合孔を変形させるおそれ
なく送給動作を行わせることができる。特に、印刷物に
三次元効果等の特殊効果を与えたりや多色刷りを行う場
合には、複数回の印刷作業にわたってシート状材料の厳
密な位置設定が求められるため、以上の構成が有効であ
る。
【0009】スプロケット駆動手段は、上記ローラプラ
テンの駆動力を、すべり手段を介在させて一対のスプロ
ケットに伝達する連動駆動機構を備えた構成とし、印刷
ヘッドが印刷位置にあってローラプラテンによりシート
状材料を送給しているときに、該ローラプラテンとスプ
ロケットの間に所定以上の駆動量の差が生じると、上記
すべり手段にすべりが生じて一対のスプロケットへの駆
動力の伝達が制限され、印刷ヘッドが非印刷位置にある
ときは、シート状材料を送給するために、プラテン駆動
モータを駆動して、上記連動駆動機構を介して一対のス
プロケットが回動されるようにすることができる。この
連動駆動機構は、例えばローラプラテンの回動軸と一対
のスプロケットの回動軸に所定のすべりが可能な状態で
接続された駆動ベルトで構成される。
【0010】スプロケットは、プラテン駆動モータとは
別に設けたスプロケット駆動モータにより駆動されるよ
うに構成してもよい。この場合、スプロケット駆動モー
タの駆動力を、すべり手段を介在させて一対のスプロケ
ットに伝達するモータ出力伝達機構を設け、スプロケッ
ト駆動モータは、印刷ヘッドが印刷位置及び非印刷位置
のいずれにあるときも一対のスプロケットを回転駆動さ
せ、印刷ヘッドが印刷位置にあってローラプラテンによ
りシート状材料を送給しているときに、ローラプラテン
とスプロケットの間に所定以上の駆動量の差が生じる
と、上記すべり手段にすべりが生じてスプロケット駆動
モータから一対のスプロケットへの駆動力の伝達が制限
されるように構成することができる。あるいは、印刷ヘ
ッドが印刷位置にあってローラプラテンによりシート状
材料を送給しているときには、このシート状材料の送給
に同期して一対のスプロケットが回動されるようにスプ
ロケット駆動モータを駆動調整し、印刷ヘッドが非印刷
位置にあるときには、ローラプラテンの動作に関わら
ず、一対のスプロケットによりシート状材料の送給が行
われるようにスプロケット駆動モータを駆動するスプロ
ケット駆動モータ制御手段を設けてもよい。さらに、印
刷ヘッドが印刷位置にあるときには、プラテン駆動モー
タのみを駆動してローラプラテンによりシート状材料の
送給を行わせ、印刷ヘッドが非印刷位置にあるときに
は、スプロケット駆動モータのみを駆動して一対のスプ
ロケットによりシート状材料の送給を行わせるように両
モータを駆動制御する手段を設けた態様も可能である。
【0011】本発明はまた、シート状材料に印刷してグ
ラフィック製品を作成する印刷装置において、シート状
材料を支持し、このシート状材料の送給方向と直交する
軸で回動可能に支持されたローラプラテン;このローラ
プラテンを回転駆動するプラテン駆動モータ;このロー
ラプラテンとの間にシート状材料を挟着してローラプラ
テンとシート状材料を摩擦係合させる印刷位置と、ロー
ラプラテン及びシート状材料から離間してこの摩擦係合
を解除させる非印刷位置とに移動可能な印刷ヘッド;シ
ート状材料の両縁部にそれぞれ、送給方向に沿って形成
した複数の係合孔;上記ローラプラテンと平行な軸で回
動可能に支持され、上記シート状材料の両縁部に形成し
た係合孔に係合して、該シート状材料の位置決め及び送
給方向調整を行う一対のスプロケット;上記印刷ヘッド
が印刷位置にあるときに、上記プラテン駆動モータによ
りローラプラテンを回転駆動させて、このローラプラテ
ンの回転により該ローラプラテンと摩擦係合するシート
状材料を送給するとともに、この送給時に一対のスプロ
ケットによって係合孔に過度な力が作用しないように、
一対のスプロケットをローラプラテンと同期して回動さ
せる印刷時送給制御手段;及び上記印刷ヘッドが非印刷
位置にあるときに、上記一対のスプロケットと係合孔の
係合関係によってシート状材料が送給されるように該一
対のスプロケットを回転駆動する非印刷時送給制御手
段;を備えたことに特徴を有する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図示実施形態を参照して本
発明を説明する。図1は、多色や特殊効果を有する図柄
からなるグラフィック製品を作成する、本発明を適用し
たグラフィック製品作成装置10を概念的に表してい
る。グラフィック製品作成装置10は、印刷や裁断を共
通に制御するデータベースに従って図柄の印刷や裁断を
行い、グラフィック製品を作成することが可能である。
このグラフィック製品作成装置10は、上記グラフィッ
ク製品を作成するため、コンピュータ14が処理可能な
データを入力するデジタル変換器12を有している。デ
ジタル変換器12が入力するデータは、少なくとも図柄
の輪郭を形成するデータであるが、さらに輪郭内部の特
殊効果(例えば三次元的効果)を形成するデータを含ん
でもよい。コンピュータ14は、入力されたデータに基
づいて図柄の輪郭を、入力していれば内側デザインも、
ディスプレー16上に表示する。そして、作成者がキー
ボード、マウス等の入力手段を用いて操作すると、図柄
創作及び印刷実行用のメモリー18に内蔵された特殊効
果プログラムによって、ディスプレー16に表示された
図柄の輪郭の内側に所望の特殊効果を加えることができ
る。そして、図柄の輪郭と特殊効果は、メモリー18内
の共通データベースに、相互に関連した状態で記憶され
る。また、特殊効果プログラムには色調を設定可能なプ
ログラム等を特別に追加してもよい。
【0013】グラフィック製品作成装置10のデータベ
ースはさらに、コンピュータ14に入力されたデータか
らグラフィック製品の図柄が決定されている場合におけ
る、図柄全体の字体や色調、あるいは輪郭線も含めた所
定の特殊効果に関する内容を有することが可能である。
また、デジタル変換器12を、図柄の輪郭と裁断軌跡と
いった基本的なデータを入力する独立した入力手段とし
て、特殊効果等の処理はコンピュータ14内で操作して
もよい。なお、ほぼ無数に存在する図柄を創作し、それ
らをグラフィック製品作成装置10で印刷及び裁断する
ためのデータをコンピュータ14に供給する手段は、ス
キャナーやコンパクトディスク等、周知の様々な形態を
利用可能である。
【0014】グラフィック製品のデータが決定される
と、コンピュータ14は、少なくとも一つの印刷プログ
ラムを生成する。この印刷プログラムは、印刷機22を
制御して所定の図柄をシート状材料に印刷させる、コン
トローラ20の作動に関するプログラムである。印刷プ
ログラムに加え、さらに、印刷後にシート材を裁断する
裁断機24の制御を行うコントローラ20の作動に関す
る、裁断プログラムをコンピュータ14が生成してもよ
い。
【0015】本実施形態では、シート材は、感圧接着剤
により剥離可能に母材に接着された、貼付ビニール製の
シートである。この種のビニールシート材は、スリーエ
ムカンパニー(3M Company)の「スコッチカル」(SCOT
CHCAL )の商標で、本出願人が販売している。この他に
も例えば、紙製、あるいはポリビニールクロライド(P
VC)製やポリカーボネート製のポリマーシート等、様
々なシート材の使用が可能である。
【0016】印刷機22がシート材に図柄を印刷する
と、印刷済シート材は、コントローラ20の制御に従っ
て、図柄の輪郭及び内部デザインを自在に裁断する裁断
機24に送られる。裁断は、コンピュータ14が生成し
た裁断プログラムにより行うわれる。そして、裁断機2
4で図柄の周囲や内部の不要な箇所を取り除いた後で、
図柄に沿って裁断されたシート状材料を母材から剥離
し、看板、窓等に貼付する。裁断を行う裁断機として
は、米国特許出願第4,467,525号、第4,79
9,172号及び第4,834,276号に開示されて
いる。これらは、いずれも本出願人による出願である。
【0017】図2は、上記印刷を行う、熱転写方式の印
刷機22を示している。印刷機22は、図柄が作成され
る帯状シート材Sの縁部に所定間隔で形成された送給孔
Hに係合する、一組のスプロケット46(図3)を備え
ている。印刷機22内において、熱転写方式の印刷ヘッ
ド38(同)の下方にはプラテン40(同)が設置され
ており、シート材Sは、印刷ヘッド38とプラテン40
の間を、プラテン40の駆動により前後方向に送給され
る。このときシート材の、印刷ヘッド38に対する位置
決め(見当合わせ)あるいは送給方向の調整を、送給孔
Hに係合するスプロケット46が行う。図示しないが同
様に、裁断機24は送給孔Hに係合する一連のスプロケ
ットを備えており、該スプロケットは、裁断手段に対し
てシート材S上の図柄を位置決めする。裁断機24にお
ける裁断線の位置決めは、スプロケットの回転方向、つ
まり帯状のシート材Sの長手方向へ行われる。これらの
位置決めにおいて、図柄と送給孔Hのシート材S上にお
ける相対位置は、縦、横方向に固定関係にあるので、印
刷及び裁断工程において、送給孔Hはシート材Sに関す
る好適な位置決め手段となる。
【0018】図2に示すように、シート材Sはロール状
に巻かれた状態で、印刷機22の後方の台枠26に上方
に向けて延設した一対の前方アーム26aの軸に回動自
在に支持されている。この台枠26は、ロール状のシー
ト材Sから該シート材Sを折り返して前方に案内するガ
イドローラ28を有し、それを支持する一対の後方アー
ム26bが、上方に向けて延設されている。これによ
り、シート材Sはガイドローラ28に案内されて印刷機
22のハウジング30に導かれる。印刷を行う印刷機2
2を通り抜けたシート材Sは、印刷機22の前方に排出
されるか、又は巻き取りリールに巻き取られる。
【0019】印刷機22は、印刷作業を制御するコント
ローラ20(図1)に接続されているが、図2に示すよ
うに、印刷作業の開始及び停止を操作する制御パネル3
2をハウジング30の外表面に設けてもよい。さらに、
制御パネル32は、印刷作業とは別にシート材Sの送給
を独立して行う操作、又は印刷機22の作動制御に関す
るその他の操作を可能としてもよい。また、コントロー
ラ20の機能を、印刷機22とコンピュータ14の両方
へ部分的に担当させるか、印刷機22かコンピュータ1
4のどちらか一方に集中させるかは任意である。
【0020】印刷機22の上部には、取手36を有する
カバー34が配設され、カバー34を開けて印刷機22
の内部を露出させることができる。以下、図3ないし図
6を用いて、印刷機22の内部構造を詳細に説明する。
【0021】図3は、印刷機22内の印刷機構を詳細に
示す側面図である。同図において、シート材Sは図の右
手方向から印刷機22に入り、左手方向に排出される。
カバー34下方の支持枠80には、破線で示す印刷ヘッ
ド38が支持(懸架)されており、該印刷ヘッド38の
下方には、シート材Sを支持及び送給する略円筒状のプ
ラテン(ローラプラテン)40が、ハウジング30に対
して回動可能に支持されている。また、カバー34内に
は、着脱及び交換可能なインクカセット42が装着され
ており、該インクカセット42は、インクを含有したイ
ンクリボンWを印刷ヘッド38とプラテン40上のシー
ト材Sの間に繰り出している。そして、プラテン40の
回動軸方向(長手方向)に沿って延設された印刷ヘッド
38が、下方のインクリボンW及びシート材Sに向けて
押圧されると、印刷ヘッド38、インクリボンW、シー
ト材S及びプラテン40の間に、シート材Sの送給方向
と直交する(プラテン40の回動軸と平行な)略線状の
接触領域が形成される。印刷ヘッド38は、プラテン4
0の軸方向の一端から他端に亘る該接触領域に沿って、
高密度かつ一様に配設された複数の加熱エレメントを備
えている。
【0022】印刷作業中、プラテン40の回動により、
シート材SとインクリボンWは、印刷ヘッド38とプラ
テン40の間を同期して送給され、印刷ヘッド38の加
熱エレメントが選択的に加熱されると、該加熱エレメン
トの直下のインクがインクリボンWからシート材Sに転
写される。印刷ヘッド38における加熱エレメントの配
設が高密度になるほど、シート材Sに印刷される図柄の
解像度は向上する。このとき、加熱を行う加熱エレメン
トの選択は、メモリー18から読み出された図柄のデー
タに基づき、コントローラ20が制御する。
【0023】図4は、シート材Sの送給機構及び位置決
め機構を正面から示している。略円筒状のプラテン40
の円筒面は、硬質ゴムスリーブ44で同心円状に覆われ
ており、この硬質ゴムスリーブ44が、プラテン40頂
部の長手方向に形成される上記略線状の接触領域でシー
ト材Sに摩擦接触し、シート材Sを送給する。硬質ゴム
スリーブ44は、プラテン40の円筒表面に固い面を形
成するのでシート材Sを安定支持することが可能であ
り、同時に、シート材Sの母材とは摩擦接触するのでシ
ート材Sを効率的に送給する。シート材Sの両縁部は、
プラテン40の両端部において硬質ゴムスリーブ44と
の接触範囲より突出し、該突出したシート材Sの両縁部
に、それぞれスプロケット46が係合している。略円盤
状のスプロケット46の外周に沿って外向きには、複数
の係合ピン48が植設されており、該係合ピン48をシ
ート材Sの送給孔Hに係合させてシート材Sを案内及び
送給方向調整することで、印刷ヘッド38の下をプラテ
ン40により送給されるシート材Sを正確かつ継続的に
位置決めする。
【0024】シート材Sの両縁部に係合する2つのスプ
ロケット46は、共通のスプロケット回動軸50に支持
されている。スプロケット回動軸50の両端部は、ベア
リングアッセンブリ52を介してハウジング30に回動
可能に支持されている。スプロケット46は、スプロケ
ット回動軸50の回転方向に固定されているので、スプ
ロケット回動軸50の回転に同調して回動を行う。一
方、スプロケット46は、スプロケット回動軸50の回
転軸方向には位置調整可能に支持されているので、異な
る幅を有するシート材Sに対応して、両スプロケット4
6間の幅が調整可能である。
【0025】スプロケット回動軸50の上に、該スプロ
ケット回動軸50と平行方向に隣接しているプラテン4
0は、ベアリングアッセンブリ56を介してハウジング
30に回動可能に支持された、プラテン回動軸54に支
持されている。プラテン回動軸54の一端部には、プラ
テンギア58が固定されており、該プラテンギア58
は、ベアリングアッセンブリ62を介してスプロケット
回動軸50に対して回転自在に装着されたアイドルギア
60に噛合する。また、ハウジング30に固定支持され
た、例えばステップモータであるプラテン駆動モータ6
4は、モータギア66及び該モータギア66に接続する
所望のギア列(一点鎖線で示す)を介して、アイドルギ
ア60に駆動力を伝達する。これにより、プラテン駆動
モータ64が起動すると、アイドルギア60は、スプロ
ケット回動軸50を軸として回転し、プラテンギア58
を介してプラテン回動軸54を回転させる。プラテン駆
動モータ64からプラテン40への駆動力の伝達はギア
方式に限定されるものではなく、駆動ベルト等の任意の
手段を用いることができる。
【0026】以上から、シート材SとインクリボンW
は、印刷ヘッド38によって、プラテン40に対してそ
の軸方向の全長に亘り押圧され、該押圧状態では、プラ
テン駆動モータ64の駆動力を受けたプラテン40の回
動によって送給される。一方、印刷作業中において、ス
プロケット46はシート材Sの送給を積極的に行う手段
ではなく、送給孔Hに係合してシート材Sの案内及び方
向調整を行う。そして、プラテン40による送給でのシ
ート材Sの送給方向のずれを防止することで、シート材
Sの印刷ヘッド38に対する正確な位置決めを継続的に
行う。
【0027】本発明の第1の利点は、プラテン40の接
触領域全体でシート材Sを送給するため、シート材Sの
ほぼ全体幅に均一な駆動(送給)力が作用することにあ
る。作用する駆動力が不均一であると、特にシート材S
の幅が広い場合に、印刷精度の低下を招くシート材Sの
座屈や変形が発生しやすい傾向がある。そのため、幅
広、例えば幅15インチ(約38センチメートル)以上
のシート材Sを用いたグラフィック製品作成に対して、
上記構成は特に有効である。また、シート材Sの送給に
対して何らかの外的な抵抗が作用しても、プラテン40
の駆動力はシート材Sの広い幅に付与されているため、
スプロケット駆動の場合のように、送給孔に力が集中し
て変形してしまうことがない。さらに、印刷作業中にお
いて、インクリボンWが状態変化している最中は駆動力
に対するインクリボンWとシート材S間の抵抗が変動す
るため、上記従来技術の送給装置では、インクリボンの
加熱と冷却を繰り返すほど、シート材Sの座屈や変形が
発生しがちであった。シート材Sのほぼ全体幅に亘りプ
ラテン40の駆動力を均一に作用させることによって、
この問題も解決可能であり、シート材Sの送給速度をシ
ート材Sの全体幅に亘って一定に保つことができる。
【0028】本発明の第2の利点は、プラテン40と印
刷ヘッド38の間を送給されるシート材Sを、スプロケ
ット46が効果的に案内及び方向調整するので、送給方
向に対するシート材Sの横方向へのずれを防止する点で
ある。このとき、2つのスプロケット46の回動軸線
は、印刷ヘッド38とシート材Sが形成する上記略線状
の接触領域と一直線を形成するように、共通のスプロケ
ット回動軸50に支持される。上述のように、両スプロ
ケット46はシート材Sの両縁部に係合しているので、
シート材S両縁部におけるスプロケット46の係合箇所
を結んだ直線も、上記略線状の接触領域と一直線をな
す。これにより、係合ピン48と送給孔Hの間で伝達さ
れる力は僅かとなるため、プラテン40や印刷ヘッド3
8とシート材Sの間に作用する、シート材Sの送給孔H
を変形や方向ずれさせる原因となる力を減殺できる。つ
まりは、送給孔Hの変形を防止でき、印刷ヘッド38に
対するシート材Sの位置決めを、正確かつ継続的に行う
ことができる。続いて、この位置決めについて詳細に説
明する。
【0029】両端部をハウジング30に回動可能に支持
されたスプロケット回動軸50の一端には、ハウジング
30の外側に支持されるセンサ68が接続されている。
このセンサ68は、スプロケット46の回転位置、即ち
スプロケット46に係合するシート材Sの位置を検出す
る位置検出センサであり、図1のコントローラ20に接
続されている。センサ68は、スプロケット回動軸50
の回転方向及び回転位置をコントローラ20に伝える。
つまりはスプロケット回動軸50に支持されるスプロケ
ット46の回転方向及び回転位置がコントローラ20に
伝送されたことになる。このセンサ68は、公知の形態
が利用可能で、例えば、スプロケット46あるいはスプ
ロケット回動軸50の回転方向や回転位置等の情報をデ
ジタルデータに変換して信号を生成する光学エンコーダ
ーなど、適当なレゾルバーやエンコーダーをセンサ68
に用いる。
【0030】上述のように、本発明によるグラフィック
製品作成装置10では送給孔Hの変形が起こらないの
で、センサ68が検出するスプロケット回動軸50の位
置情報は、シート材Sの位置情報に正確に対応する。そ
して、センサ68が伝送するシート材Sの位置信号は図
柄のデータと合成され、それに対応する印刷プログラム
に基づいて、コントローラ20が印刷ヘッド38の加熱
エレメントを選択的に加熱する。このとき、送給孔Hが
シート材Sを印刷ヘッド38に対して正確に位置決めし
ており、かつセンサ68が伝えるシート材Sの位置信号
が送給孔Hに係合するスプロケット46に基づいている
ので、上記印刷プログラムに忠実な形でシート材S上に
図柄が正確に印刷され、従来に比して印刷精度の向上が
期待できる。
【0031】印刷作業中、印刷ヘッド38は、シート材
SとインクリボンWをプラテン40に押圧する。よっ
て、シート材Sを送給するのはプラテン40の駆動力で
ある。このとき、シート材Sに対してスプロケット46
及びスプロケット回動軸50の回動が許されていれば、
シート材Sの効率的な案内や方向ずれ調整のために、ス
プロケット46を積極的に駆動させる必要はない。一
方、シート材Sに対してスプロケット46及びスプロケ
ット回動軸50の回動が許されていない場合、あるい
は、スプロケット46とスプロケット回動軸50がシー
ト材Sの送給の抵抗となる場合には、スプロケット46
を駆動させる必要がある。このときのスプロケット46
の駆動には、シート材Sを送給する目的はなく(スプロ
ケット46でシート材Sを送給しようとすると、送給孔
Hの変形の原因となる)、スプロケット46がシート材
Sの送給抵抗とならないようにするため、もしくは、ス
プロケット46やスプロケット回動軸50が、帯状のシ
ート材Sの長手方向への移動を規制しないようにするた
め、シート材Sの送給に従属して行われる駆動である。
また、印刷停止状態では、プラテン40に対する印刷ヘ
ッド38の押圧が解放され、プラテン40に対して印刷
ヘッド38が持ち上げられる。押圧力が作用していない
と、プラテン40はシート材Sを送給できないので、シ
ート材Sに係合するスプロケット46の駆動力を利用し
て、プラテン40上でシート材Sを素早く前後に移動さ
せる。
【0032】つまり、スプロケット46を駆動する目的
は、(1)印刷停止状態(プラテン40がシート材Sを
送給しない)において、シート材Sを前後に移動させる
ため、及び(2)印刷作業中(プラテン40がシート材
Sを送給している)において、スプロケット46の回動
抵抗がシート材Sの送給の抵抗となる状態、もしくは、
スプロケット46が原因でシート材Sの長手方向への移
動を禁止するような状態を防ぐため、である。(1)の
場合は、スプロケット46がシート材Sを送給する駆動
源であり、(2)の場合は、プラテン40が行うシート
材Sの送給を妨げないようにする従属的な駆動であり、
その駆動の目的が異なる。これらの場合には、駆動ベル
ト70を介して、プラテン回動軸54の駆動力がスプロ
ケット回動軸50に伝達され、スプロケット回動軸50
とスプロケット46が駆動される。この場合ではスプロ
ケット46とプラテン40は、シート材に対して接線関
係を保った駆動をする。
【0033】スプロケット46に駆動力を伝達する駆動
ベルト70は、図4に示すように、プラテン回動軸54
に固定支持された第1プーリー72と、スプロケット回
動軸50に固定支持された第2プーリー74とに装着さ
れたV−ベルトである。この駆動ベルト70は、スプロ
ケット回動軸50(第2プーリー74)とプラテン回動
軸54(第1プーリー72)の双方に対して、一定以上
のトルクがかかった場合にすべりが許されたベルトであ
る。これにより、直接にはプラテン回動軸54を駆動さ
せるプラテン駆動モータ64の作動は、駆動ベルト70
を駆動させ、スプロケット回動軸50及びスプロケット
46をシート材Sの動きに同期させる。なお、図示実施
形態では、回動軸50とプラテン回動軸54間の駆動力
伝達にV−ベルトを使用しているが、トルク増大に対し
て限定的なすべりが許されている駆動力伝達機構であれ
ばこれに限定されない。
【0034】印刷停止状態において、プラテン回動軸5
4の駆動力は、通常、駆動ベルト70を介してスプロケ
ット46とシート材Sに伝達される。一方、上述したよ
うに、プラテン40はシート材Sを送給しない。そのた
め、シート材Sは係合するスプロケット46の駆動によ
ってプラテン40上を前後に移動する。このとき、印刷
ヘッド38及びプラテン40は押圧から解放されて離間
しており、シート材Sの長手方向への移動(送給)に重
要な作用を及ぼさない。従って、係合ピン48と送給孔
H間に作用するわずかな駆動力でも、シート材Sをプラ
テン40に対して前後に移動させることができ、送給孔
Hは変形せずに完全な形状を保つので、印刷ヘッド38
に対する位置決めが正確に行える。もし、シート材Sが
詰まったり、シート材Sの送給に抵抗や妨害が作用した
場合、即ち過大なトルクがかかった場合、駆動ベルト7
0は、スプロケット回動軸50及びプラテン回動軸54
に対してすべりが許されているので、スプロケット46
へのプラテン回動軸54の駆動力が遮断され、シート材
Sの送給を停止すると共に送給孔Hの変形を防ぐ。
【0035】印刷状態では、印刷ヘッド38がインクリ
ボンWとシート材Sを押圧しているので、インクリボン
Wとシート材Sはプラテン40によって送給される。こ
の状態では、駆動ベルト70がスプロケット回動軸50
を回動させて、シート材Sの送給に対して抵抗とならな
いように、スプロケット46の回転をシート材Sに同期
させる。駆動ベルト70は、スプロケット回動軸50及
びプラテン回動軸54に対してすべりが許されているの
で、スプロケット46に過大な回転抵抗等が作用した場
合には、駆動ベルト70がすべり、プラテン回動軸54
の駆動力はスプロケット46に対して遮断される。よっ
て、係合ピン48は、送給孔Hを変形させず、印刷ヘッ
ド38に対するシート材Sの位置決めに不都合となるよ
うな支障は生じない。
【0036】ここで再び図3を参照して、上記のシート
材Sの送給機構、位置決め機構の周辺を説明する。スプ
ロケット回動軸50の回転軸を中心として最大中心角1
80°でシート材Sがスプロケット46に充分に係合す
るように、一対の円弧状枠76(手前の一つのみを図示
する)が各スプロケット46の係合ピン48を覆うよう
に配設されている。略C弧状の円弧状枠76は不図示の
ピンによりハウジング30に回動自在に取り付けられて
いる。この構造によれば、円弧状枠76を図の上方に持
ち上げることにより、シート材Sをスプロケット46及
びプラテン40から取り外したり、装着することができ
る。また、不図示の引張ばねによって、円弧状枠76は
シート材Sを確実に押し付けるように保持され、一方で
シート材Sの取り外しや装着を行う場合には、該ばねの
思案点を越えればその引張力で円弧状枠76を容易に持
ち上げることができる。さらに、各円弧状枠76は、シ
ート材Sの送給側及び排出側に、一対の押圧ローラ78
を備えている。この構造によれば、円弧状枠76を持ち
上げれば、シート材Sの送給孔Hをスプロケット46の
係合ピン48に入れることができ、円弧状枠76を引き
下げれば、シート材Sの送給孔Hがスプロケット46に
確実に保持されて、印刷ヘッド38に対してシート材S
の正確な位置決めを継続させることができる。
【0037】また、印刷ヘッド38は支持枠80に支持
されている。支持枠80は、ハウジング30の後端部に
設けた支持枠回動軸82に対して回動可能に支持されて
いる。よって、支持枠80及び印刷ヘッド38は、カバ
ー34の開閉に従って支持枠回動軸82を中心とする回
動を行って、プラテン40との係合位置から離脱する。
印刷ヘッド38を支持枠80に支持又は懸架させる方法
については、前述の継続中である米国特許出願に開示さ
れているので、簡単に説明する。印刷ヘッド38は、不
図示の取り付け板を介して、複数のボルト84により支
持枠80に装着されている。また、各ボルト84は、不
図示の複数のコイルばねを支持枠80と取り付け板の間
に有している。このコイルばねが取り付け板を下方に付
勢しており、印刷ヘッド38をシート材S及びプラテン
40へ押圧して、印刷ヘッド38とシート材S(プラテ
ン40)に略線状の接触領域を形成させる。上述のごと
く、印刷ヘッド38は、該接触領域に沿って高密度に配
設された加熱エレメントを選択的に加熱することで、イ
ンクリボンWのインクをシート材Sに転写する。
【0038】印刷ヘッド38とプラテン40によってイ
ンクリボンWとシート材Sにかかる押圧力を一定にする
ために、支持枠80の支持枠回動軸82と反対の自由端
に接続された押圧制御機構によって、プラテン40に対
する支持枠80の上下動を制御する。この押圧制御機構
は、まず、カム軸88によりハウジング30に対して回
動可能に支持されたカム86を備えている。カム86は
螺旋状のカム溝90を有し、カム溝90内を摺動可能に
嵌っているカムフォロワ92は支持枠80の自由端に接
続されている。また、カム86は、押圧調整用ステップ
モータ96により駆動される歯状ベルト94に係合す
る。そして、押圧調整用ステップモータ96が起動する
と、歯状ベルト94を介してカム86がカム軸88を中
心とする回動を行う。カム86の回動に伴って、回動す
るカム溝90とカムフォロワ92は相対移動を行い、カ
ム溝90とカムフォロワ92の当接状態に応じて支持枠
80が支持枠回動軸82を軸に上下動する。即ち、支持
枠80に支持(懸架)される印刷ヘッド38は、カム8
6の回転方向及び回転速度に従ってプラテン40に対し
て調節された上下動を行い、シート材Sとインクリボン
Wに対する印刷ヘッド38とプラテン40間における押
圧が調整される。また、カム86を回動させる、押圧力
調整用ステップモータ96はコントローラ20に接続さ
れ、コントローラ20がカム86の回動量及び回動速度
を制御するので、インクリボンWとシート材Sに対して
印刷ヘッド38の正確な押圧力設定が可能となる。
【0039】一方、支持枠80を略直立状態にするよう
な位置にコントローラ20がカム86を回動させたとき
に、カムフォロワ92と支持枠80をカム86から完全
に離脱させるための出口溝98をカム溝90は有してい
る。また、押圧力の調整に加え、インクリボンW及びシ
ート材Sとの印刷ヘッド38の接触及び離脱を、コント
ローラ20の制御の下でカム86を回動させて行う。例
えば、一回の印刷工程が終了した後や、多色刷りで色を
交換する場合、コントローラ20は押圧調整用ステップ
モータ96を起動させて、印刷ヘッド38とプラテン4
0の間の押圧力がゼロになるような状態へカム86を回
動させる。カム86を回動させて印刷ヘッド38をプラ
テン40に対してさらに持ち上げれば、インクリボンW
との接触を生じさせずに、印刷ヘッド38に対してシー
ト材Sを前後に移動させることが可能である。
【0040】さらに、コントローラ20による押圧調整
用ステップモータ96の制御は、印刷に関する様々な要
素に応じて調整される。例えば、使用するシート材Sや
インクリボンWの特質に応じて押圧を制御することで、
インクリボンWからシート材Sへのインクの転写を最適
な具合に調整できる。同様に、押圧の制御によって、シ
ート材Sにかかるプラテン40の駆動力や、図柄の色濃
度や色調を調整することもできる。押圧力レベルの調整
は、事前に印刷プログラムに記憶された印刷情報(特
質)、又は印刷作業中に得られる印刷情報(特質)に基
づいて、印刷作業前又は印刷作業中になされる。
【0041】インクリボンWを保持する、支持枠80に
対して着脱可能なインクカセット42は、図3に破線で
示す位置に設置される。インクカセット42の構造、及
びインクカセット42を支持枠80に設置する機構に関
して好適な形態は、前出の継続中である米国特許出願に
詳細が開示されているので、ここでは簡単に説明する。
このインクカセット42は、例えば、使用済みインクカ
セット42を新しいものに交換したり、他色のインクカ
セット42に交換したい場合、カバー34と支持枠80
を引き上げて全開位置にすると、インクカセット42は
支持枠80に対して着脱が容易に設置されているので、
簡単に交換できる。
【0042】インクカセット42は、2つのエンドレー
ル100と、該エンドレール100間を連結する、モー
ルド成型された2つのサイドレール102から構成され
ており、両エンドレール100と両サイドレール102
に囲繞された中央部には略長方形の開口を有している。
両方のエンドレール100に設けたスプール(不図示)
には、インクリボンWが巻取り及び繰り出し可能な状態
で掛け渡されていて、一方のスプールから繰り出された
インクリボンWは、中央の開口部を通って他方のスプー
ルに巻取られる。印刷ヘッド38は、このインクカセッ
ト42の中央開口部に上方から当接し、インクリボンW
をシート材Sに押圧して略線状の接触領域を形成する。
一方のエンドレール100に設けた送り出し側スプール
にはすべりクラッチ104が接続されており、インクリ
ボンWが該スプールから不用意に引き出されたときに、
スプールに摩擦力をかけて回動を規制することができ
る。なお、すべりクラッチ104は、ドラグブレーキで
もよい。
【0043】巻取りモータ106は、不図示のすべりク
ラッチを介して上記巻取り側スプールに接続されてい
る。この巻取りモータ106は、接続されたコントロー
ラ20によって制御されており、巻取りスプールに作用
するトルクを調節するよう作動するので、インクリボン
Wに一定の張力を提供できる。巻取りモータ106は、
インクリボンWに張力を持たせる目的で印刷作業中のみ
駆動され、かつ巻取りモータ106から伝達される引張
力はすべりクラッチによって制限される。そのため、イ
ンクリボンWの実質的な送給は40の回動により行われ
る。従って、印刷ヘッド38とプラテン40の間で押圧
されるインクリボンWとシート材Sは、印刷作業中、印
刷ヘッド38に対して同期して移動する。一方、印刷停
止中には、コントローラ20の制御の下、インクリボン
Wとシート材Sへの印刷ヘッド38による押圧が解放さ
れ、巻取りモータ106は停止されるので、シート材S
を移動させたとしてもインクリボンWは移動せず、イン
クリボンWは浪費されない。
【0044】続いて、図5を参照して、本発明の異なる
実施形態を説明する。図5において、第一実施形態と共
通な部材には、当該部材を表す符号の先頭に「2」を付
して区別している。この実施形態におけるグラフィック
製品作成装置210の、第一実施形態と異なる主要な特
徴は、スプロケット回動軸250とスプロケット246
は、プラテン240によって接線関係を保った駆動をさ
れるのではなく、スプロケット駆動モータ265によっ
て独立的に駆動される点である。スプロケット駆動モー
タ265はコントローラ220に接続されている。ま
た、スプロケット駆動モータ265の駆動力は、モータ
ギア267と所望のギア列(一点鎖線で示す)を介し
て、スプロケット回動軸250に固定されたスプロケッ
トギア269に伝達される。これにより、スプロケット
駆動モータ265が起動されると、スプロケット回動軸
250及びスプロケット246が、プラテン240とは
独立に回動する。
【0045】印刷ヘッド(図5には図示されない)がプ
ラテン240に対して上方に離脱した印刷停止状態で
は、シート材Sがプラテン240上を移動するように、
コントローラ220がスプロケット駆動モータ265を
制御する。このとき、コントローラ220は、プラテン
駆動モータ264を停止させてもよい。一方、シート材
S及びインクリボンWがプラテン240に送給される印
刷作業中には、スプロケット246が送給孔Hの変形を
招くシート材Sに対する抵抗とならないように、例え
ば、スプロケット駆動モータ265が、シート材Sの送
給に同期する最低限の回動を該スプロケット246に行
わせる。また、この印刷作業中においては、スプロケッ
ト駆動モータ265の駆動力伝達を遮断し(スプロケッ
ト駆動モータ265の動作を停止し)、スプロケット2
46を自由に回動させてもよい。また、スプロケット駆
動モータ265がステップモータ等のポジションモータ
である場合、スプロケット駆動モータ265とスプロケ
ット回動軸250の間にすべりクラッチを設けて、スプ
ロケット回動軸250へのトルク調整を行う。これによ
れば、印刷作業中に、スプロケット駆動モータ265と
スプロケット駆動軸250の間に一定以上のトルクがか
かった場合におけるすべりの許容を該クラッチが制御し
ているので、スプロケット駆動モータ265から過大な
トルクがかかったとしても、プラテン240が行うシー
ト材Sの送給動作への妨害とならないし、スプロケット
246が送給孔Hを変形させるおそれもない。また、ス
プロケット駆動モータ265はトルクモータでもよく、
その場合には、スプロケット駆動モータ265自体が上
記と同様にスプロケット回動軸250に作用するトルク
の制御を行って、シート材Sの送給孔の変形や歪みを防
ぐ。
【0046】図6は、本発明のさらに異なる実施形態を
示している。図6に示すグラフィック製品作成装置31
0は、多くの点で図5に示す第二実施形態と共通してお
り、図5における「2」の代わりに「3」を各符号の先
頭に付して、第一及び第二実施形態の部材と区別する。
図6のグラフィック製品作成装置310では、プラテン
モータ364とプラテン回動軸354の間のプラテン駆
動ギア列、及びスプロケット駆動モータ365とスプロ
ケット回動軸350の間のスプロケット駆動ギア列を具
体的に示す。
【0047】まずプラテン駆動ギア列について説明す
る。ハウジング330に固定支持されたモータブラケッ
ト371を介して、プラテンモータ364が支持されて
いる。このプラテンモータ364のモータギア366
が、プラテン駆動ギア列の第1ギア373に噛合してい
る。この第1ギア373の回動軸373aに挿通固定さ
れた第2ギア375が、第3ギア377に噛合し、第3
ギア377の回動軸377aに挿通固定された第4ギア
379が、第5ギア381に噛合している。この第5ギ
ア381の回動軸381aに挿通固定された第6ギア3
83は、アイドルギア360に噛合している。アイドル
ギア360は、ベアリングアッセンブリ362を介して
スプロケット回動軸350に対して回動自在に支持され
ている。また、アイドルギア360の端部に固定された
一対のバックラッシュギア385がプラテンギア358
に噛合している。バックラッシュギア385は、プラテ
ン340とプラテン駆動ギア列と間のバックラッシュを
除去する作用を有している。これにより、プラテンモー
タ364が起動すると、プラテン駆動ギア列を介してプ
ラテン340が駆動され、シート材Sを印刷ヘッド(不
図示)の下方において送給する。
【0048】次にスプロケット駆動ギア列について説明
する。スプロケット駆動モータ365はハウジング33
0に支持されており、該スプロケット駆動モータ365
のモータギア367がスプロケット駆動ギア列の第1ギ
ア387に噛合している。第1ギア387の回動軸38
7aに挿通固定された第2ギア389は、スプロケット
ギア369に噛合する。スプロケットギア369はスプ
ロケット回動軸350の一端部に固定されており、スプ
ロケット回動軸350と同期した回動を行う。図5の第
二実施形態と同様に、プラテンモータ364がステップ
モータ等のポジションモータの場合は、スプロケット駆
動ギア列の所望位置にすべりクラッチを設けてトルクを
制御し、印刷作業中において、スプロケット駆動モータ
365の過大なトルクが、シート材Sの送給動作を妨害
しないようにする。また、プラテンモータ364は、ト
ルクモータであってもよいのは前述した通りである。以
上では、ギア列を用いた駆動力伝達機構を例として説明
したが、同じギア比のギアボックスを用いても構わな
い。
【0049】以上、複数の図示実施形態に基づいて本発
明を説明したが、これらに限定されるものではなく、本
願の範瀑を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能で
ある。
【0050】また、本発明のプラテン駆動機構は、印刷
ヘッドがプラテンの軸方向に移動可能であるので、比較
的幅広のシート材に図柄を印刷するに当たって特に好適
であるが、例えば、上記説明したプラテンの両側にさら
にプラテンを設ければ、さらに幅広のシート材を扱うこ
とが可能である。その際、必要であれば、追加した各プ
ラテンにキャプスタンやピンチローラーを装着して、シ
ート材をプラテンに対して押圧して送給を安定させる。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明の印刷装置によれ
ば、印刷作業時には、印刷ヘッドとの間にシート状材料
を挟着したローラプラテンの駆動力によってシート状材
料を送給し、スプロケットはこの送給動作を妨げないよ
うにシート状材料の位置決め及び方向調整を行い、非印
刷作業中には反対に、ローラプラテンによらずにスプロ
ケットの駆動力でシート状材料を送給する。そのため印
刷時と非印刷時のいずれにおいても、シート状材料、特
にスプロケットの係合孔の変形が起こらず、送給動作及
び位置決めを正確に行うことができる。特に、印刷作業
中には、スプロケットの抵抗以外の原因でシート状材料
の送給が妨げられても、ローラプラテンは比較的広い接
触領域で送給を行うため、シート状材料に致命的な破損
が生じにくい。よって、多色刷りや特殊効果を有する図
柄であっても、高精度で安定した印刷が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による、グラフィック製品作成装置の概
念を示す図である。
【図2】本発明を適用した、熱転写式印刷機の斜視図で
ある。
【図3】図2に示す印刷機の主要機構を示す側面図であ
る。
【図4】図2に示す印刷機の、シート材の送給及び位置
決め機構を、部分的に断面とした正面図である。
【図5】図4とは異なる実施形態を示す、部分的に断面
とした正面図である。
【図6】図4とはさらに異なる実施形態を示す、部分的
に断面とした正面図である。
【符号の説明】
10 グラフィック製品作成装置 12 デジタル変換器 14 コンピュータ 18 メモリー 20 コントローラ 22 印刷機 24 裁断機 30 ハウジング 32 制御パネル 34 カバー 38 印刷ヘッド 40 プラテン40 42 インクカセット 46 スプロケット 48 係合ピン 50 スプロケット回動軸 54 プラテン回動軸 58 プラテンギア 60 アイドルギア 64 プラテン駆動モータ 68 センサ 70 駆動ベルト 72 第1プーリー 74 第2プーリー 76 円弧状枠 80 支持枠 86 押圧カム 90 カム溝 96 押圧調整用ステップモータ 106 巻取りモータ 265 スプロケット駆動モータ 385 バックラッシュギア S シート材 H 送給孔 W インクリボン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−2784(JP,A) 特開 平8−183215(JP,A) 特開 昭60−23070(JP,A) 特開 昭57−44052(JP,A) 特開 昭62−77961(JP,A) 特開 昭63−246264(JP,A) 特開 平7−9689(JP,A) 実開 昭58−147757(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 11/42 B41J 11/04 B41J 11/26 B65H 20/20

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状材料に印刷してグラフィック製
    品を作成する印刷装置において、 シート状材料を支持し、このシート状材料の送給方向と
    直交する軸で回動可能に支持されたローラプラテン; このローラプラテンとの間にシート状材料を挟着してロ
    ーラプラテンとシート状材料を摩擦係合させ、ローラプ
    ラテンの回動によってシート状材料の送給を可能にする
    印刷位置と、ローラプラテン及びシート状材料から離間
    して、上記摩擦係合状態を解除させる非印刷位置とに移
    動可能な印刷ヘッド; ローラプラテンを回転駆動し、印刷ヘッドが印刷位置に
    位置するとき該ローラプラテンによりシート状材料を送
    給させるプラテン駆動モータ; シート状材料の両縁部にそれぞれ、送給方向に沿って形
    成した複数の係合孔; 上記ローラプラテンと平行な軸で回動可能に支持され、
    上記シート状材料の両縁部に形成した係合孔に係合し
    て、該シート状材料の位置決め及び送給方向調整を行う
    一対のスプロケット;及び 印刷ヘッドが印刷位置に位置してローラプラテンの駆動
    力によってシート状材料が送給されているときは、上記
    一対のスプロケットが係合する係合孔に過度な力が作用
    しないように、この一対のスプロケットをローラプラテ
    ンと同期して回動させ、印刷ヘッドが非印刷位置に位置
    してローラプラテンがシート状材料と摩擦係合しないと
    きは、上記一対のスプロケットと係合孔の係合関係によ
    ってシート状材料が送給されるように該一対のスプロケ
    ットを回転駆動するスプロケット駆動手段; を備えたことを特徴とするシート状材料の送給及び位置
    決め機構を備えた印刷装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の印刷装置において、スプ
    ロケット駆動手段は、上記ローラプラテンの駆動力を、
    すべり手段を介在させて一対のスプロケットに伝達する
    連動駆動機構を有し、 印刷ヘッドが印刷位置にあってローラプラテンによりシ
    ート状材料を送給しているときに、該ローラプラテンと
    スプロケットの間に所定以上の駆動量の差が生じると、
    上記すべり手段にすべりが生じて一対のスプロケットへ
    の駆動力の伝達が制限され、 印刷ヘッドが非印刷位置にあるときは、シート状材料を
    送給するために、プラテン駆動モータを駆動して、上記
    連動駆動機構を介して一対のスプロケットが回動される
    印刷装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の印刷装置において、スプ
    ロケット駆動手段は、上記プラテン駆動モータとは別に
    設けたスプロケット駆動モータと;このスプロケット駆
    動モータの駆動力を、すべり手段を介在させて一対のス
    プロケットに伝達するモータ出力伝達機構と;を有し、 スプロケット駆動モータは、印刷ヘッドが印刷位置及び
    非印刷位置のいずれにあるときも一対のスプロケットを
    回転駆動させ、 印刷ヘッドが印刷位置にあってローラプラテンによりシ
    ート状材料を送給しているときに、ローラプラテンとス
    プロケットの間に所定以上の駆動量の差が生じると、上
    記すべり手段にすべりが生じてスプロケット駆動モータ
    から一対のスプロケットへの駆動力の伝達が制限される
    印刷装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の印刷装置において、スプ
    ロケット駆動手段は、上記プラテン駆動モータとは別に
    設けたスプロケット駆動モータと; 印刷ヘッドが印刷位置にあってローラプラテンによりシ
    ート状材料を送給しているときには、このシート状材料
    の送給に同期して一対のスプロケットが回動されるよう
    にスプロケット駆動モータを駆動調整し、印刷ヘッドが
    非印刷位置にあるときには、ローラプラテンの動作に関
    わらず、一対のスプロケットによりシート状材料の送給
    が行われるようにスプロケット駆動モータを駆動するス
    プロケット駆動モータ制御手段と; を有している印刷装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の印刷装置において、スプ
    ロケット駆動手段は、 上記プラテン駆動モータとは別に設けたスプロケット駆
    動モータと; 印刷ヘッドが印刷位置にあるときには、プラテン駆動モ
    ータのみを駆動してローラプラテンによりシート状材料
    の送給を行わせ、印刷ヘッドが非印刷位置にあるときに
    は、スプロケット駆動モータのみを駆動して一対のスプ
    ロケットによりシート状材料の送給を行わせるモータ制
    御手段と; を有している印刷装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5いずれか1項記載の印
    刷装置において、さらに、 上記一対のスプロケットの回動位置信号を生成する信号
    生成手段と; この信号生成手段により生成された信号に従って、シー
    ト状材料に対する印刷ヘッドの印刷作業を制御する印刷
    制御手段と; を備えている印刷装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6いずれか1項記載の印
    刷装置において、印刷ヘッドとローラプラテンは、シー
    ト状材料の送給方向に対して直交する方向の線状の領域
    で該シート状材料を挟着し、シート状材料の両縁部にお
    ける係合孔と一対のスプロケットの係合位置は、シート
    状材料の送給方向に対して直交する方向においてこの線
    状の挟着領域の延長上に位置している印刷装置。
  8. 【請求項8】 請求項2記載の印刷装置において、上記
    連動駆動機構は、ローラプラテンの回動軸と一対のスプ
    ロケットの回動軸に所定のすべりが可能な状態で接続さ
    れた駆動ベルトである印刷装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8いずれか1項記載の印
    刷装置において、印刷ヘッドは熱転写ヘッドである印刷
    装置。
  10. 【請求項10】 シート状材料に印刷してグラフィック
    製品を作成する印刷装置において、 シート状材料を支持し、このシート状材料の送給方向と
    直交する軸で回動可能に支持されたローラプラテン; このローラプラテンを回転駆動するプラテン駆動モー
    タ; このローラプラテンとの間にシート状材料を挟着してロ
    ーラプラテンとシート状材料を摩擦係合させる印刷位置
    と、ローラプラテン及びシート状材料から離間してこの
    摩擦係合を解除させる非印刷位置とに移動可能な印刷ヘ
    ッド; シート状材料の両縁部にそれぞれ、送給方向に沿って形
    成した複数の係合孔; 上記ローラプラテンと平行な軸で回動可能に支持され、
    上記シート状材料の両縁部に形成した係合孔に係合し
    て、該シート状材料の位置決め及び送給方向調整を行う
    一対のスプロケット; 上記印刷ヘッドが印刷位置にあるときに、上記プラテン
    駆動モータによりローラプラテンを回転駆動させて、
    のローラプラテンの回転により該ローラプラテンと摩擦
    係合するシート状材料を送給するとともに、この送給時
    に一対のスプロケットによって係合孔に過度な力が作用
    しないように、一対のスプロケットをローラプラテンと
    同期して回動させる印刷時送給制御手段;及び 上記印刷ヘッドが非印刷位置にあるときに、上記一対の
    スプロケットと係合孔の係合関係によってシート状材料
    が送給されるように該一対のスプロケットを回転駆動す
    る非印刷時送給制御手段; を備えたことを特徴とするシート状材料の送給及び位置
    決め機構を備えた印刷装置。
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