JP2904960B2 - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JP2904960B2 JP3168940A JP16894091A JP2904960B2 JP 2904960 B2 JP2904960 B2 JP 2904960B2 JP 3168940 A JP3168940 A JP 3168940A JP 16894091 A JP16894091 A JP 16894091A JP 2904960 B2 JP2904960 B2 JP 2904960B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファクシミリ用、サー
マルプリンター用或いは熱ペン記録用に幅広く用いられ
ている感熱記録材料に関し、特に高感度で高画質の性能
を有する安価な感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来技術】電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物
を使用した記録材料は、感圧記録紙、感熱記録紙、感光
感熱記録紙或いは通電感熱記録紙としてよく知られてお
り、例えば、英国特許第2,140,449号、米国特
許第4,480,052号、同第4,436,920
号、特公昭60−23922号、特開昭57−1798
36号、同60−123556号及び同60−1235
57号等に詳しく記載されている。
【0003】近年、感熱記録材料の用途が拡大するにつ
れて記録機器の高速化と共に低エネルギー化が進んだこ
とから、高感度で、高画質且つ感熱ヘッドへのカス付着
の少ない感熱記録材料の開発が強く要求されている。係
る要求に対して、支持体上にアンダーコート層を設けそ
の上に感熱記録層を設ける事が行われたり、特開平2−
1369号に開示されている如く、塗工方法や、塗液配
合及び塗液濃度等についての提案もされているが、未だ
満足できる結果が得られていないのが現状である。
【0004】又、感熱記録材料のコストにおいては支持
体が大きな割合を占めるが、ステキヒトサイズ度10秒
以下の低サイズ性で低コストの支持体においては、更
に、アンダーコート層の面状悪化に起因する感度や画質
低下の問題が生じ易く、特にブレードコートを用いた場
合にこの傾向が著しい。
【0005】
【発明が解決しょうとする課題】本発明者等は従来の係
る欠点を解決すべく鋭意検討した結果、感熱記録材料の
熱感度や画像品質が支持体の性能に大きく依存するこ
と、及び適当なアンダーコート層を設けることにより、
ステキヒトサイズ度が10秒以下の低コスト支持体を使
用しても充分に熱感度及び画像品質を良好なものとする
ことができることを見出し本発明に到達した。従って本
発明の目的は、低コストの支持体を用いて、高感度で高
画質且つ感熱ヘッドへのカス付着の少ない、高速記録性
を有する感熱記録材料を提供する事にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
ステキヒトサイズ度が5秒以上10秒以下の支持体上に
ブレードコートを用いて吸油性顔料を含むアンダーコー
ト層を設け、次いで該アンダーコート層上に感熱記録層
を設けた感熱記録材料であって、前記アンダーコート層
中にエーテル化度が0.6〜0.8で平均分子量が2
0,000〜200,000のカルボキシメチルセルロ
ースを、前記顔料に対して1〜5重量%用いる事を特徴
とする感熱記録材料により達成された。
【0007】本発明において、支持体のステキヒトサイ
ズ度は、日本工業規格(JIS)P−8122に従って
測定する。本発明に使用する支持体の秤量は35〜60
g/m2 であることが好ましく、特に40〜50g/m
2 であることが好ましい。
【0008】本発明のアンダーコート層はステキヒトサ
イズ度が5秒以上10秒以下の支持体上に設けられる層
であり、特に吸油性顔料とバインダーを主成分とし、且
つ特定のカルボキシメチルセルロースを一定量含有す
る。
【0009】上記吸油性顔料としては、焼成カオリン、
酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウ
ム、非晶質シリカ、焼成ケイソウ土、珪酸アルミニウ
ム、アルミノ珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウム等
を挙げることができるが、中でも吸油量(JIS−K5
101に基づく)が70ml/100g以上のものが好
ましい。
【0010】バインダーとしては、澱粉(変性澱粉を含
む)、カゼイン、ポリビニールアルコール、メチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸
等の水溶性樹脂、SBRやMBR等のラテックスが挙げ
られる。その使用量は塗布層の膜強度や感熱記録層の熱
感度等との兼ね合いで決められるが、通常、吸油性顔料
100部に対して7〜20部の比率で用いられる。
【0011】バインダーが多いとアンダーコート層の空
隙量が減少し、吸油性顔料を使用する目的の一つでもあ
る断熱性が低下して所望の感度を得ることができない
上、感熱ヘッドのカス付着も多くなるので好ましくな
い。バインダー量が少ないと、塗布層の膜強度が低下し
て、塗布層がはがれる等の欠点が生じる。
【0012】本発明に係るアンダーコート層を形成する
塗液は、上記の如く吸油性顔料とバインダーを主成分と
するが、ブレードコート時の流動性を付与して優れた表
面平滑性及び面状を得るために、エーテル化度が0.6
〜0.8で平均分子量が20,000〜200,000
のカルボキシメチルセルロースを前記顔料に対して1〜
5重量%、好ましくは1〜3重量%添加する。上記のカ
ルボキシメチルセルロースを添加する事によって、ステ
キヒトサイズ度が10秒以下の低サイズ性支持体を感熱
記録材料の支持体として使用することが初めて可能とな
る。
【0013】因みに、上記のカルボキシメチルセルロー
スの添加量が1重量%以下では、吸油性顔料を使用する
ことにより生じる高剪断応力下での流動性が著しく劣
り、ストリークやストラクタイト等の面状トラブルが発
生しやすくなる。これらのトラブルは、本発明で使用す
る上記低サイズ性の支持体を使用する場合には特に発生
しやすい。又、5重量%を越えるような添加量では静的
粘度が高くなって操業性が低下するのみならず、熱ヘッ
ドの電解腐食に影響するNaイオン濃度も高くなるので
好ましくない。
【0014】上記の如く、ステキヒトサイズ度が5秒以
上10秒以下の支持体に特定のカルボキシメチルセルロ
ースを含有する塗液をブレードコートする事によって得
られる本発明のアンダーコート層は、前記のカルボキシ
メチルセルロースを含有しない塗液をブレードコートし
て得られたアンダーコート層とは異なり、優れた表面平
滑性及び面状を有すると共に、吸油性顔料使用による空
隙量も多くなるので、高感度で高画質且つ熱ヘッドへの
カス付着の少ない感熱記録材料の形成に大きく寄与する
ことができる。
【0015】尚、本発明のアンダーコート層にワックス
を含有させると更に優れた効果を発揮させることができ
るので、この態様は本発明における特に好ましい態様で
ある。これは、ワックスを含有させることによりアンダ
ーコート層の上に設ける感熱記録層塗液の保水性が高ま
る結果、均一な感熱記録層が形成される為と考えられ
る。本発明に用いるワックスとしてはパラフィンワック
スが好ましく、含有量は吸油性顔料に対して0.5〜1
0重量%、特に1.5〜5重量%とすることが好まし
い。
【0016】本発明のアンダーコート層用の塗液には、
必要に応じて更に他の顔料や分散剤、各種助剤等を添加
することができるが、添加量は所望の効果を阻害しない
範囲に調整する必要がある。アンダーコート層の塗布量
は特に限定されるものではないが、感熱記録材料の特性
に応じて1〜20g/m2 程度の範囲に調整する事が望
ましい。
【0017】本発明のアンダーコート層を設ける為のブ
レードコートはベベルタイプやベントタイプのブレード
を使用した塗工法に限られるものではなく、ロッドブレ
ード塗工法やビルブレード塗工法等をも含み、又オフマ
シンコーターに限られず、抄紙機に設置したオンマシン
コーターで塗工しても良い。特に、オンマシンコーター
での紙支持体はサイズ性が充分発揮できないうちに塗工
に用いられる為に、本発明における特に好ましい実施態
様の一つである。
【0018】本発明においては、上記の如く形成された
アンダーコート層上に塗布する感熱記録層に含有せしめ
る発色成分の組合せは特に限定されない。例えば電子供
与性染料前駆体と電子受容性化合物の組合せ、ステアリ
ン酸第二鉄等の高級脂肪酸金属塩と没食子酸の如きフェ
ノール類との組合せ、ジアゾニウム化合物とカプラー及
び塩基性物質の組合せの如く、加熱によって互いに接触
して呈色反応を起こすような組合せであれば何れも使用
可能である。
【0019】これらの中でも、本発明においては特に電
子供与性染料前駆体(発色剤)と電子受容性化合物(顕
色剤)の組合せを採用することが熱感度及び画質の点か
ら好ましい。上記発色剤としては各種のものが公知であ
り、例えばトリアリールメタン系化合物、ジフェニール
メタン系化合物、キサンテン系化合物、チアジン系化合
物、スピロピラン系化合物等が例示される。
【0020】更に具体的には、トリアリールメタン系化
合物としては3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(p
−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメ
チルアミノフェニル)−3−(1,3−ジメチルインド
ール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノ
フェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)
フタリド等;ジフェニルメタン系化合物としては4,4
−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリンベンジルエーテ
ル、N−ハロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,
5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等;キサンテ
ン系化合物としてはローダミン−B−アニリノラクタ
ム、ローダミン−(p−ニトリノ)ラクタム、2−(ジ
ベンジルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチ
ル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3
−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリ
ノ−3−メチル−6−N−エチル−N−イソアミルアミ
ノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−メ
チル−N−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−アニ
リノ−3−クロル−6−ジエチルアミノフルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−イソブ
チルフルオラン、2−アニリノ−6−ジブチルアミノフ
ルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−メチル
−N−テトラヒドロフルフリルアミノフルオラン、2−
アニリノ−3−メチル−6−ピペリジノアミノフルオラ
ン、2−(0−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−(3,4−ジクロルアニリノ)−6−
ジエチルアミノフルオラン等;チアジン系化合物として
はベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンジ
ルロイコメチレンブルー等;スピロ系化合物としては3
−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピ
ロ−ジナフトピラン3,3’−ジクロロ−スピロ−ジナ
フトピラン、3−ベンジルスピロ−ジナフトピラン、3
−メチル−ナフト−(3−メトキシ−ベンゾ)−スピロ
ピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピラン等、特
開昭55−227253号に記載されているものを挙げ
ることができる。
【0021】顕色剤も各種のものの中から適宜選択して
使用することができるが、特に地肌カブリを抑制する観
点からフェノール性化合物又はサルチル酸誘導体及びそ
の多価金属塩が好ましい。
【0022】例えば、フェノール性化合物として2,
2’−ビス(4−ヒドロキシフェノール)プロパン(ビ
スフェノールA)、4−t−ブチルフェノール、4−フ
ェニルフェノール、4−ヒドロキシジフェノキシド、
1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン、1,1’−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン、1,1’−ビス(3−クロロ
−4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルブタン、4,
4’−sec−イソオクチリデンジフェノール、4,
4’−sec−ブチリレンジフェノール、4−tert
−オクチルフェノール、4−p−メチルフェニルフェノ
ール、4,4’−メチルシクロヘキシリデンフェノー
ル、4,4’−イソペンチリデンフェノール、p−ヒド
ロキシ安息香酸ベンジル等がある。
【0023】サルチル酸誘導体としては4−ぺンタデシ
ルサルチル酸、3−5−ジ(α−メチルベンジル)サル
チル酸、3,5−ジ(tert−オクチル)サルチル
酸、5−オクタデシルサルチル酸、5−α−(p−α−
メチルベンジルフェニル)エチルサルチル酸、3−α−
メチルベンジル−5−tert−オクチルサルチル酸、
5−テトラデシルサルチル酸、4−ヘキシルオキシサル
チル酸、4−シクロヘキシルオキシサルチル酸、4−デ
シルオキシサルチル酸、4−ドデシルオキシサルチル
酸、4−ペンタデシルオキシサルチル酸、4−オクタデ
シルオキシサルチル酸等及びこれらの亜鉛、アルミニウ
ム、カルシウム、銅、鉛塩等がある。
【0024】顕色剤の使用量は、発色剤の50〜800
重量%であることが好ましく、更に好ましくは100〜
500重量%である。50重量%以下では発色が充分で
なく、又800重量%以上添加してもそれ以上の効果は
期待出来ず好ましくない。
【0025】本発明の感熱記録材料には、その熱応答性
を改良するために熱可融性物質を感熱記録層に含有させ
ることができる。好ましい熱可融性物質の例としてはp
−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β−ナフチル−ベ
ンジルエーテル、ステアリン酸アミド、ステアリル尿
素、p−ベンジルビフェニール、ジ(2−メチルフェノ
キシ)エタン、ジ(2−メトキシフェノキシ)エタン、
β−ナフトール−(p−メチルベンジル)エーテル、α
−ナフチルベンジルエーテル、1,4−ブタンジオール
−p−メチルフェニルエーテル、1,4−ブタンジオー
ル−p−イソプロピルフェニルエーテル、1,4−ブタ
ンジオール−p−tert−オクチルフェニルエーテ
ル、1−フェノキシ−2−(4−エチルフェノキシ)エ
タン、1−フェノキシ−2−(クロロフェノキシ)エタ
ン、1,4−ブタンジオールフェニルエーテル、ジエチ
レングリコールビス(4−メトキシフェニル)エーテル
等が挙げられる。
【0026】これらの熱可融性物質は単独或いは混合し
て用いられ、充分な熱応答性を得る観点から、顕色剤に
対して10〜400重量%使用することが好ましく、特
に50〜250重量%使用することが好ましい。
【0027】本発明においては、発色剤、顕色剤及び熱
可融性物質等の分散は水溶性バインダー中で行われる。
この場合に用いられる水溶性バインダーは25℃の水に
対して5重量%以上溶解する化合物であることが好まし
い。
【0028】具体例としてはポリビニルアルコール、メ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプ
ン類(変性デンプンを含む)、ゼラチン、アラビアゴ
ム、カゼイン、スチレン−無水マレイン酸共重合体のケ
ン化物等が挙げられる。
【0029】これらのバインダーは分散時のみならず、
感熱記録層の塗膜強度を向上させる目的にも使用される
が、この目的に対してはスチレン−ブタジエン共重合
物、酢酸ビニル共重合物、アクリロニトリル−ブタジエ
ン共重合物、アクリル酸メチル−ブタジエン共重合物、
ポリ塩化ビニリデンの如き合成高分子ラテックス系のバ
インダーを併用することもできる。
【0030】上記、発色剤、顕色剤及び熱可融性物質等
の分散は、ボールミル、アトライター、サンドミル等の
攪拌・粉砕機により同時又は別々に分散し、塗液として
調整される。塗液中には、更に必要に応じて各種の顔
料、金属石鹸、ワックス、界面活性剤、帯電防止剤、紫
外線吸収剤、消泡剤及び蛍光染料等を添加しても良い。
【0031】顔料としては炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、リトポン、ロウ石、カオリン、焼成カオリン、非晶
質シリカ及び水酸化アルミニウム等が用いられる。金属
石鹸としては高級脂肪酸金属塩が用いられ、ステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム及びステアリン酸アル
ミニウム等が用いられる。
【0032】ワックスとしてはパラフィンワックス、マ
イクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、メチ
ロールステアロアミド、ポリエチレンワックス、ポリス
チレンワックス及び脂肪酸アミド系ワックス等が単独或
いは混合して用いられる。界面活性剤としてはスルホコ
ハク酸系のアルカリ金属塩及びフッ素含有界面活性剤等
が用いられる。
【0033】又、画像印字部の消色を防止し生成画像を
堅牢化するために、感熱記録層中に消色防止剤を添加す
ることが好ましい。消色防止剤としてはフェノール化合
物、特にヒンダードフェノール化合物が有効であり、例
えば1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ
−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−ト
リス(2−エチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブ
チルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3,5−
ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ
−5−tert−ブチルフェニル)プロパン、2,2’
−メチレン−ビス(6−tert−ブチル−4−メチル
フェノール),2,2’−メチレン−ビス(6−ter
t−ブチル−4−エチルフェノール)4,4’−ブチリ
デン−ビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノ
ール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6−t
ert−ブチルフェノール)等が挙げられる。
【0034】この様なフェノール系化合物の使用量は、
顕色剤に対して1〜200重量%使用する事が好まし
く、特に5〜50重量%使用することが好ましい。これ
らの素材は混合された後支持体に塗布される。塗布方法
は特に限定されず、例えばエアーナイフコーター、ロー
ルコーター、ブレードコーター又はカーテンフローコー
ター等で塗工した後乾燥され、キャレンダー等の平滑化
処理を施して使用に供される。感熱記録層の塗布量につ
いても特に限定されず、通常乾燥重量2〜7g/m2
度が好ましい。
【0035】
【発明の効果】本発明の感熱記録材料は、低コストの支
持体を使用しているにもかかわらず高感度で高画質且つ
熱ヘッドへのカス付着が少ないので、消費量の多い高速
記録に最適である。
【0036】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
又、特に断わらない限り実施例中の部及び%は、それぞ
れ重量部及び重量%を示す。
【0037】実施例1.アンダーコート塗液−の調製
【表1】 ─────────────────────────────────── 焼成カオリン(エンゲルハード社製、アンシレックス90: 吸油量75ml/ 100g) 100部 ヘキサメタリン酸ソーダ 1部 酸化デンプン30%水溶液 20部 スチレンブタジエン共重合体ラテックス(48%) 15部 カルボキシメチルセルロース5%溶液(エーテル化度0.65、平均分子量10 0,000) 40部 水 66部 ───────────────────────────────────
【0038】上記表1の組成物を混合分散してアンダー
コート塗液−を調整した。アンダーコート層の形成 調整したアンダーコート塗液−をステキヒトサイズ度
が7秒で坪量45g/m2 の支持体に、ブレードコータ
ーで乾燥後の塗布量が8g/m2 となる様に塗布乾燥し
てアンダーコート層−を形成させた。
【0039】感熱記録層塗液の調製 A液調製
【表2】 ─────────────────────────────────── 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 10部 ポリビニルアルコール5%溶液(PVA−105) 50部 ─────────────────────────────────── 上記表2の組成物をサンドミルで混合し、平均粒子径が
1.0μmの分散液を得た。
【0040】B液調製
【表3】 ─────────────────────────────────── ビスフェノールA 20部 ナフチルベンジルエーテル 20部 ポリビニルアルコール5%溶液 200部 ─────────────────────────────────── 上記表3の組成物をサンドミルで混合し、平均粒子径が
1.0μmの分散液を得た。
【0041】C液調製
【表4】 ─────────────────────────────────── 軽質炭酸カルシウム 40部 ポリアクリル酸ソーダ40%溶液 1部 水 60部 ───────────────────────────────────
【0042】上記表4の組成物をサンドミルで混合し、
平均粒子径が2.0μmの顔料分散液を得た。上記A液
60部、B液240部、C液101部及びステアリン酸
亜鉛21%分散液25部を混合して感熱記録層用塗液を
調製した。
【0043】感熱記録材料の作製 得られた感熱記録層用塗液を前記アンダーコート層上に
塗布量が5.5g/m2 となるようにエアーナイフコー
ターで塗布乾燥し、キャレンダー処理をして感熱記録材
料を得た。
【0044】実施例2.アンダーコート層塗液−の調製
【表5】 ─────────────────────────────────── 焼成カオリン(エンゲルハード社製、アンシレックス90: 吸油量75ml/ 100g) 100部 ヘキサメタリン酸ソーダ 1部 酸化デンプン30%水溶液 20部 スチレンブタジエン共重合体ラテックス(48%) 15部 カルボキシメチルセルロース5%溶液(エーテル化度0.80、平均分子量10 0,000) 40部 水 66部 ─────────────────────────────────── 上記表5の組成物を混合分散してアンダーコート塗液−
を調製した。
【0045】アンダーコート層の形成 調製したアンダーコート塗液−を、ステキヒトサイズ
度7秒で坪量45g/m2 の支持体に、ブレードコータ
ーで乾燥後の塗布量が8g/m2 となる様に塗布乾燥し
てアンダーコート層−を得た。
【0046】感熱記録材料の作製 実施例1で使用したアンダーコート層−の代わりにア
ンダーコート層−を使用した他は、実施例1と同様に
して感熱記録材料を得た。
【0047】実施例3.実施例1で使用した支持体の代
わりにステキヒトサイズ度が5秒で坪量45g/m2
支持体を使用した他は、実施例1と同様にして感熱記録
材料を得た。
【0048】実施例4.実施例1のアンダーコート層塗
布液で使用したエーテル化度0.65、平均分子量1
00,000のカルボキシメチルセルロースの代わり
に、エーテル化度0.65、平均分子量180,000
のカルボキシメチルセルロースを使用した他は実施例1
と全く同様にして感熱記録材料を得た。
【0049】実施例5.実施例1のアンダーコート層塗
液で使用したエーテル化度0.65、平均分子量10
0,000のカルボキシメチルセルロースの代わりに、
エーテル化度0.65、平均分子量30,000のカル
ボキシメチルセルロースを使用した他は実施例1と全く
同様にして感熱記録材料を得た。
【0050】実施例6.
【表6】 ─────────────────────────────────── 焼成カオリン(エンゲルハード社製、アンシレックス90:吸油量75ml/1 00g) 100部 ヘキサメタリン酸ソーダ 1部 酸化デンプン30%水溶液 20部 スチレンブタジエン共重合体ラテックス(48%) 15部 カルボキシメチルセルロース5%溶液(エーテル化度0.80、平均分子量10 0,000) 40部 パラフィンワックス(135F゜)30%分散液 10部 水 66部 ───────────────────────────────────
【0051】実施例1で使用したアンダーコート層塗液
の代わりに上記の組成物を混合分散して調製したアン
ダーコート塗液を使用した他は、実施例1と全く同様に
して感熱記録材料を得た。
【0052】比較例1.実施例1のアンダーコート層で
使用したカルボキシメチルセルロースの代わりにエーテ
ル化度0.65、平均分子量300,000のカルボキ
シメチルセルロースを使用した他は実施例1と同様にし
て調製したアンダーコート塗液をステキヒトサイズ度7
秒で坪量45g/m2 の支持体にブレードコーターで乾
燥後の塗布量が8g/m2 となる様に塗布したが、静的
粘度が2,300cpと高く操業性が困難となりアンダ
ーコート層を形成させることができなかった。
【0053】比較例2.実施例1のアンダーコート層塗
液で使用したエーテル化度0.65、平均分子量10
0,000のカルボキシメチルセルロースの代わりに、
エーテル化度0.65、平均分子量15,000のカル
ボキシメチルセルロースを使用した他は実施例1と全く
同様にして感熱記録材料を得た。
【0054】比較例3.実施例1で使用した支持体の代
わりに、ステキヒトサイズ度4秒で坪量45g/m2
支持体を使用した他は実施例1と全く同様にして感熱記
録材料を得た。
【0055】比較例4.実施例1のアンダーコート層塗
液で使用したエーテル化度0.65、平均分子量10
0,000のカルボキシメチルセルロースの代わりに、
エーテル化度0.50、平均分子量100,000のカ
ルボキシメチルセルロースを使用した他は実施例1と全
く同様にして感熱記録材料を得た。
【0056】比較例5.実施例1のアンダーコート層塗
液で使用したエーテル化度0.65、平均分子量10
0,000のカルボキシメチルセルロースの代わりに、
エーテル化度1.0、平均分子量100,000のカル
ボキシメチルセルロースを使用した他は実施例1と全く
同様にして感熱記録材料を得た。
【0057】比較例6.アンダーコート層塗液の調整
【表7】 ─────────────────────────────────── 焼成カオリン(吸油量70ml/100g) 100部 ヘキサメタリン酸ソーダ 1部 酸化デンプン30%水溶液 20部 スチレンブタジェン共重合体ラテックス(48%) 15部 カルボキシメルメチルセルロース5%溶液 40部 (エーテル化度0.65平均分子量100000) 水 66部 ─────────────────────────────────── 上記の組成物を混合分散してアンダーコート塗液−を
調製した。
【0058】アンダーコート層の形成 調製したアンダーコート塗液を、ステキヒトサイズ度4
秒で坪量62g/m2 の支持体に、ブレードコーターを
用いて乾燥後の塗布量が8g/m2 となる様に塗布乾燥
してアンダーコート層−を得たが、ストラクトタイト
が多く発生した。実施例−1において設けたアンダーコ
ート層−の代わりに上記のアンダーコート層を設けた
他は、実施例−1と同様にして感熱記録材料を得た。
【0059】実施例1〜6及び比較例1〜6で得た感熱
記録材料を用いて動的感度、画質、熱ヘッドへのカスの
付着及び面状について、下記の測定方法に従って評価し
た結果は(表8)に示した通りである。
【0060】感度 京セラ株式会社製サーマルヘッド(KTL−2168−
MPD1)、及びヘッド直前に100kg/cm2 の圧
力ロールを有する感熱印字実験装置にてヘッド電圧24
V、パルスサイクル10msの条件で圧力ロールを使用
しながらパルス幅0.8msで印字し、その印字濃度を
マクベス反射濃度計RD−918で測定した。
【0061】画質 上記の印字サンプルを目視評価した。評価基準は以下の
通りである。 ○・・・・・サーマルヘッドのドット再現性が良好で印
画文字が鮮明に判読できる。 △・・・・・ドット再現が不均一で部分部分に印画カス
レがあり、判読がやや困難。 ×・・・・・ドット再現性が非常に劣り、印画文字のカ
スレが多く、判読は非常に困難。
【0062】熱ヘッドへのカス付着 上記感度測定で使用した感熱印字実験装置を用い、黒率
100%のテストパターンを2m記録印字し、ヘッドに
付着したカスの量を目視評価した。その評価基準は以下
の通りである。 ○・・・・・サーマルヘッドへのカス付着が微量で印画
に対する影響なし。 △・・・・・サーマルヘッドへのカス付着が多く、印画
に対する影響あり。 ×・・・・・カス付着が著しく、印画障害が発生して実
用に耐えない。
【0063】面状 塗工後の面状の評価として、ストリーク、ストラクタイ
トの条跡トラブルの程度及び塗工操業性を含めて判断し
た。〇・・・・・画状に異常がなく、均一な塗布が出来てい
る。 △・・・・・塗布筋(ストリーク)及びストラクトタイ
ト(ブレード刃に異物付着)による未塗布部分がところ
どころに発生。2〜3時間で塗布も困難となる。 ×・・・・・塗布筋(ストリーク)及びストラクトタイ
ト(ブレード刃に異物付着)による未塗布部分が著し
く、操業不可能となる。
【0064】
【表8】 ───────────────────────────────── 感 度 画 質 カス付着 面 状 ───────────────────────────────── 実施例1 1.36 ○ ○ ○ ───────────────────────────────── 実施例2 1.35 ○ ○ ○ ───────────────────────────────── 実施例3 1.33 ○ ○ ○ ───────────────────────────────── 実施例4 1.34 ○ ○ ○ ───────────────────────────────── 実施例5 1.35 ○ ○ ○ ───────────────────────────────── 実施例6 1.38 ○ ○ ○ ───────────────────────────────── 比較例1 ──── ─── ─── 塗工不可 ───────────────────────────────── 比較例2 1.28 ○ △ △ ───────────────────────────────── 比較例3 1.20 × △ × ───────────────────────────────── 比較例4 1.26 ○ △ △ ───────────────────────────────── 比較例5 1.21 △ △ △ ───────────────────────────────── 比較例6 1.16 × △ × ───────────────────────────────── 表8の結果から明らかなように、本発明の感熱記録材料
は、感度、画質に優れ且つ熱ヘッドのカス付着の少ない
記録材料であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/28 - 5/34

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステキヒトサイズ度が5秒以上10秒以
    下の支持体上にブレードコートを用いて吸油性顔料を含
    むアンダーコート層を設け、次いで該アンダーコート層
    上に感熱記録層を設けた感熱記録材料であって、前記ア
    ンダーコート層中にエーテル化度が0.6〜0.8で平
    均分子量が20,000〜200,000のカルボキシ
    メチルセルロースを、前記顔料に対して1〜5重量%用
    いる事を特徴とする感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 アンダーコート層中に、吸油性顔料に対
    して0.5〜10重量%のパラフィンワックスを含有せ
    しめた請求項1に記載の感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 支持体の坪量が35〜60g/m2 であ
    る請求項1又は2に記載の感熱記録材料。
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