JP3084783B2 - 感熱記録シート - Google Patents

感熱記録シート

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JP3084783B2 JP03108637A JP10863791A JP3084783B2 JP 3084783 B2 JP3084783 B2 JP 3084783B2 JP 03108637 A JP03108637 A JP 03108637A JP 10863791 A JP10863791 A JP 10863791A JP 3084783 B2 JP3084783 B2 JP 3084783B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱記録シートに関す
るものであり、さらに詳しくは、感熱記録層中にビス
(p−メチルベンジル)シュウ酸エステルを含有し、抽
出pH(JISP8133の冷水抽出法に基づく。特に
断わりのない限り、以下の文中の抽出pHは、JIS
P8133の冷水抽出法を指すものとする。)が7.0
〜9.0である感熱記録シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】感熱記録に関しては、古くから多くの方
式が知られている。例えば、電子供与性無色染料と電子
受容性化合物を使用した感熱記録体は特公昭43−41
60号公報、特公昭45−14039号公報等に開示さ
れており、近年これらの感熱記録システムは、ファクシ
ミリ、プリンター、ラベル等多分野に応用されニーズが
拡大している。近年、特にファクシミリ分野において、
装置の小型化、高速化に伴い、低エネルギーでの発色
性、即ち高感度化と走行性、及び印字品質の安定性が要
望されている。
【0003】高感度化のためには電子供与性無色染料と
電子受容性化合物との相溶性の良い低融点の化合物、い
わゆる増感剤(特開昭60−82382号公報、特公昭
63−42590号公報)の使用とか、吸油性の高い顔
料の中間層を設ける(特公昭57−52915号公報)
とか、電子供与性無色染料、電子受容性化合物の微粒化
(特開昭58−76293号公報)等が行われる。ま
た、前記の増感剤ビス(p−メチルベンジル)シュウ酸
エステルを使用した場合、高感度でかつカス付着の少な
い感熱記録シートが得られる、しかし、特殊な環境条件
下で感熱記録シートを保存すると増感剤が保存期間中に
昇華や加水分解を起こし発色性の低下を起こすことがあ
り、印字品質を十分満足すべきものではなかった。
【0004】感熱記録シートの高感度化、保存安定性
(退色,地肌カブリ)向上を目的としてビス(p−メチ
ルベンジル)シュウ酸エステルを使用することは、既に
特開昭64−1583号公報,特開平2−25377号
公報等に提案されている。しかしながら、本発明中にあ
るカス付着量の減少、及び、高温高湿状態保存でのビス
(p−メチルベンジル)シュウ酸エステルの加水分解に
起因する発色性悪化防止に関しては全く記載されていな
い。また、特開昭55−14281号公報には感熱記録
シートに用いる支持体の抽出pHを6〜9にすることが
開示されているが、これは感熱記録シートの地肌カブリ
抑制を目的としたものであり、本発明とは目的が異なる
ものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高感度でカ
スの付着が少なく、かつ高温高湿条件下保存における印
字品質の安定性の良い感熱記録シートを提供することで
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、これらの欠
点を改良すべく鋭意研究を行った結果、支持体上に設け
る電子供与性無色ないし淡色染料(以後単に染料と称す
る)と電子受容性化合物(以後、顕色剤と称する)及び
結合剤を主成分とする感熱発色層に、ビス(p−メチル
ベンジル)シュウ酸エステルを含有させ、且つ、感熱記
録シートの抽出pHを7.0〜9.0にすること、好ま
しくは支持体と発色層の間にJIS K5101法によ
る吸油量が50ml/100g以上の無機顔料及び結合
剤を主体とした中間層を設けることによりその目的が達
成された。
【0007】中間層の顔料としては、各種無機顔料、有
機顔料が用いられる。感度、カス付着改良の点からポー
ラスで断熱性の高いJIS K5101法による吸油量
が50ml/100g以上の無機顔料が好ましい。例え
ば焼成カオリン,活性白土,シリカ,炭酸カルシウム,
けいそう土等が主として用いられ、さらにカオリン,タ
ルク等が併用できる。水性接着剤としては、スチレン−
ブタジエンラテックス,アクリル樹脂エマルジョン,ス
チレン−無水マレイン酸共重合体,ポリビニルアルコー
ル,ヒドロキシエチルセルロース,澱粉,澱粉誘導体,
カゼイン,ゼラチン等が挙げられ、その他、分散剤、消
泡剤、滑剤等も添加することができ、一般のコート紙に
用いられるものが使用できる。
【0008】支持体はNBKP,LBKP,NBSP,
LBSPなどの木材パルプ,合成パルプ、及びそれらを
混合して抄造された原紙やポリマーフィルム等が挙げら
れる。填料として炭酸カルシウム,クレー,タルク,シ
リカ,カオリン,焼成カオリン酸化亜鉛,硅酸マグネシ
ウム等、サイズ剤としてロジン,アルキルケテンダイマ
ー,石油樹脂等、定着剤として硫酸バンド,カチオン性
ポリマー,アニオン性ポリマー等、その他各種助剤を必
要に応じて添加することができる。
【0009】支持体或は中間層の上に設けられる感熱発
色層は、電子供与性無色染料及び電子受容性化合物、結
合剤、増感剤(感度向上剤)を主成分とするが、必要に
応じ、ワックス類,金属石鹸類,紫外線吸収剤などが添
加され、さらに顔料等が混合されても良い。
【0010】本発明に用いられる電子供与性無色染料と
しては、一般の感圧記録紙、感熱記録紙等に用いられる
ものであれば特に制限されない。具体的な例を挙げれ
ば、 (1) トリアリールメタン系化合物として3,3−ビ
ス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミ
ノフタリド(クリスタル・バイオレット・ラクトン)
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリ
ド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,
2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−
(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルイ
ンドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルア
ミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−
イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルイン
ドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、
3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9
−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミ
ノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−
3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジ
メチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2
−イル)−6−ジメチル−アミノフタリド等。 (2) ジフェニルメタン系化合物として、4,4´−
ビス−ジメチルアミノベンズヒドリンベンジルエーテ
ル、N−ハロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,
5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等。 (3) キサンテン系化合物として、ローダミンB−ア
ニリノラクタム、ローダミンB−p−ニトロアニリノラ
クタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、
3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3
−ジエチルアミノ−7−3,4−ジクロルアニリノフル
オラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリ
ノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−エチル−トリルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−エチル−ト
リルアミノ−6−メチル−7−フェニチルフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フル
オラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン等。 (4) チアジン系化合物として、ベンゾイルロイコメ
チレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブ
ルー等。 (5) スピロ系化合物として、3−メチル−スピロ−
ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラ
ン、3,3´−ジクロロ−スピロ−ジナフトピラン、3
−ベンジルスピロ−ジナフトピラン、3−メチルナフト
−(3−メトキシ−ベンゾ)−スピロピラン、3−プロ
ピル−スピロ−ジベンゾピラン等、或いはこれらの混合
物を挙げることができる。これらは用途及び希望する特
性により決定される。
【0011】本発明に使用される電子受容性化合物とし
ては、フェノール誘導体、芳香族カルボン酸誘導体が好
ましく、特にビスフェノール類が好ましい。具体的に
は、フェノール類として、p−オクチルフェノール、p
−tert−ブチルフェノール、p−フェニルフェノール、
1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチル
−ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−
ジクロロフェニル)プロパンなどが挙げられる。芳香族
カルボン酸誘導体としては、p−ヒドロキシ安息香酸、
p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香
酸ブチル、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3,
5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸及びカルボン酸
においてはこれらの多価金属塩などがあげられる。
【0012】ワックス類としては、パラフィンワック
ス,カルナバロウワックス,マイクロクリスタリンワッ
クス,ポリエチレンワックスの他、高級脂肪酸アミド、
例えばステアリン酸アミド,エチレンビスステアロアミ
ド,高級脂肪酸エステル等があげられる。
【0013】金属石ケンとしては、高級脂肪酸多価金属
塩即ち、ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸アルミニウ
ム,ステアリン酸カルシウム,オレイン酸亜鉛等が挙げ
られる。
【0014】感度向上の為の増感剤としては、ビス(p
−メチルベンジル)シュウ酸エステル以外に融点が80
〜140℃のシャープな融点をもち、熱応答性の良好な
ものが用いられる。具体的には、安息香酸やテレフタル
酸のエステル類,ナフタレンスルホン酸エステル類,ナ
フチルエーテル誘導体,アントリルエーテル誘導体,脂
肪族エ―テル系その他フェナントレン,フルオレン等が
挙げられる。又、前記のワックス類も増感剤として併用
することも可能である。
【0015】これらは、バインダー(接着剤)中に分散
して塗布される。バインダーとしては水溶性のものが一
般的であり、ポリビニルアルコール,ヒドロキシエチル
セルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,エチレン
−無水マイレン酸共重合体,スチレン−無水マイレン酸
共重合体,イソブチレン−無水マイレン酸共重合体,ポ
リアクリル酸,デンプン誘導体,カゼイン,ゼラチン等
が挙げられる。また、これらのバインダーに耐水性を付
与する目的で耐水化剤(ゲル化剤、架橋剤)を加えた
り、疎水性ポリマーのエマルジョン、具体的には、スチ
レン−ブタジエンゴムラテックス,アクリル樹脂エマル
ジョン等を加えることもできる。
【0016】中間層及び感熱記録層の塗工に用いる装置
としては、ブレードコーター,エアーナイフコーター,
ロールコーター,ロッドコーター,カーテンコーター等
のコーターヘッドを用いる事が出来る。
【0017】更に、塗工したものの表面平滑性を改良す
るためにマシンカレンダー,スーパーカレンダー,グロ
スカレンダー,ブラッシングなどの装置を利用する事が
出来る。
【0018】中間層を設ける場合、その塗工量は、特に
限定するものではないが、少なすぎるとその効果が少な
く、多すぎると紙の強度が弱くなり、又経済的ではない
ので3〜20g/m2好ましくは5〜10g/m2が適当
である。感熱記録層の支持体への塗工量は限定されるも
のではないが、通常、乾燥重量で3〜15g/m2、好
ましくは4〜10g/m2の範囲である。
【0019】なお、耐溶剤性等の為に感熱記録層の上
に、さらに保護層を設ける事も可能である。
【0020】抽出pHの測定は、JIS P8133法
の冷水抽出法に従って行う。
【0021】
【作用】本発明の方法で得られる感熱記録シートは、電
子供与性染料と該染料を加熱により発色せしめる電子受
容性化合物及び結合剤を主成分とする発色層を設けた感
熱記録体で、該発色層がビス(p−メチルベンジル)シ
ュウ酸エステルを含有し、更に感熱記録シートの抽出p
Hが7.0〜9.0であることを特徴とするものであ
る。該発色層中にビス(p−メチルベンジル)シュウ酸
エステルを含有することにより、感熱記録時の感度の向
上、カスの付着量の減少が成され、感熱記録シートの抽
出pHを7.0〜9.0にすることにより、高温高湿条
件保存後の印字品質の安定なものが得られた。
【0022】これはビス(p−メチルベンジル)シュウ
酸エステルが染料、顕色剤との相溶性が良く、加熱時に
溶融する染料、顕色剤などの溶融量を増加させ、発色作
用を促進し高感度化されるものと考えられる。また中間
層を支持体と発色層の間に設ける事により、中間層の断
熱作用、表面の平滑化による感熱ヘッドへの接触性の向
上により感度,印字品質を一層向上させることができ
る。
【0023】増感剤にビス(p−メチルベンジル)シュ
ウ酸エステルを使用した場合、ビス(p−メチルベンジ
ル)シュウ酸エステルは高温,高湿,高pH条件下に於
て加水分解を起こす特性があり、感熱記録シートの抽出
pHが高い場合、高温高湿条件下で保存するとビス(p
−メチルベンジル)シュウ酸エステルが分解消失し感
度,印字品質の悪化を生じる。しかしながら、感熱記録
シートの抽出pHを7.0〜9.0になるように調整す
る事によりビス(p−メチルベンジル)シュウ酸エステ
ルの加水分解を抑える事ができ、高温高湿条件保存後も
感度,印字品質を維持する事が出来た。抽出pHの調整
が必要とされるのは、感熱記録シート中のアルカリ成分
は湿潤状態に於てシート中を移動することができ、発色
層以外に存在するアルカリ成分でもビス(p−メチルベ
ンジル)シュウ酸エステルの分解に寄与し得ると考えら
れるためである。抽出pHが7.0より低い場合には、
感熱発色層の熱,擦れによるカブリが発生する。また、
抽出pHが9.0より高い場合には高温高湿条件下保存
中にビス(p−メチルベンジル)シュウ酸エステルの加
水分解が発生し、印字品質の悪化を生じる。
【0024】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。尚、以下に示す部及び%は何れも重量基準である。
また塗抹量を示す値は断わりのない限り乾燥後の塗抹量
を示すものとする。
【0025】実施例1 支持体の作成 LBKP 800部 NBKP 200部 タルク 100部 カチオン澱粉 5部 ロジンエマルジョン 3部 硫酸バンド 10部 歩留り向上剤 0.2部 を分散し長網抄紙機で坪量50g/m2の原紙を抄造
し、支持体とした。
【0026】発色層の作成 (1) A液の調製 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 35部 5%ヒドロキシエチルセルロース 105部 A液をダイノミル(シンマルエンタープライゼス製)を
用いて体積平均径1.3μmに粉砕した。 (2) B液の調製 ビスフェノールA 40部 ビス(p−メチルベンジル)シュウ酸エステル 55部 5%ヒドロキシエチルセルロース 100部 40%ステアリン酸亜鉛エマルジョン 20部 B液をダイノミル(シンマルエンタープライゼス製)を
用いて体積平均径0.7μmに粉砕した。 (3) C液の調製 軽質炭酸カルシウム 35部 10%ヘキサメタリン酸ソーダ 3.5部 水 63部 A、B、C液を混合し、更に10%PVA液を固形で全
固形の10%になるように添加し発色層塗液とした。
【0027】この発色層塗液を前記支持体にエアーナイ
フコーターにより塗抹量3.5g/m2になるように塗
抹し、カレンダーにてベック平滑度が350〜450秒
になるように仕上げ感熱記録シートを得た。
【0028】実施例2 実施例1の支持体の配合を以下の配合に変えた以外は同
様に行い感熱記録シートを得た。 支持体の作成 LBKP 800部 NBKP 200部 焼成カオリン(アンシレックス エンゲルハード製) 100部 カチオン澱粉 5部 アルキルケテンダイマー 10部 歩留り向上剤 0.2部 を分散し長網抄紙機で坪量50g/m2、の原紙を抄造
し支持体とした。
【0029】実施例3 実施例1の発色層C液の軽質炭酸カルシウムを焼成カオ
リン(アンシレックスエンゲルハード製)に置換した以
外は同様に行い感熱記録シートを得た。
【0030】実施例4 実施例1の支持体と発色層の間に次の配合の中間層を設
けた以外は同様に行い感熱記録シートを得た。 中間層の作成 焼成カオリン(アンシレックス エンゲルハード製 JIS K5101法 による吸油量80ml/100g) 100部 10%ヘキサメタリン酸ソーダ 4部 20%リン酸エステル化澱粉(MS4600 日本食品化工製) 30部 48%スチレンブタジエン系共重合ラテックス 40部 水 90部 を攪拌分散し中間層塗液とし、実施例1の支持体上にブ
レードコーターにて塗抹量8.5g/m2を塗抹した。
【0031】実施例5 実施例4の発色層C液の軽質炭酸カルシウムを焼成カオ
リン(アンシレックスエンゲルハード製)に置換した以
外は同様に行い感熱記録シートを得た。
【0032】比較例1 実施例1の発色層塗液中のB液のビス(p−メチルベン
ジル)シュウ酸エステルを2−ベンジルオキシナフタレ
ンに代えた以外は同様にして感熱記録シートを得た。
【0033】比較例2 実施例2の支持体中のアンシレックスを軽質炭酸カルシ
ウムに変えた以外は同様に行い感熱記録シートを得た。
【0034】比較例3 実施例4の中間層の配合を以下の配合に変えた以外は同
様にして感熱記録シートを得た。 中間層の作成 軽質炭酸カルシウム(JIS K5101法による吸油量150ml/10 0g) 50部 アルミニウムシリケート(JIS K5101法による吸油量110ml/ 100g) 50部 10%ヘキサメタリン酸ソーダ 4部 20%リン酸エステル化澱粉(MS4600 日本食品化工製) 30部 48%スチレンブタジエン系共重合ラテックス 40部 水 90部 を攪拌分散し中間層塗液とし、実施例4の支持体上にブ
レードコーターにて塗抹量が4.5g/m2となるよう
塗抹した。
【0035】次に実施例1〜5、比較例1〜3の感熱記
録シートについて、下記の評価を行い、結果を表1に示
した。
【0036】
【表1】
【0037】抽出pHの測定は、JIS P8133法
の冷水抽出法に従って行う。測定には東亜電波工業
(株)製pHメーター HM−30S型,pH電極はG
ST−5311C型を用いた。
【0038】印字濃度は、保存前と温度40℃,相対湿
度90%の環境条件下で3週間保存後を、大倉電機
(株)製テスト機でヘッド抵抗2816Ωのヘッドを用
い、10ms/Lineで0.2w/ドットのエネルギ
ーで印字し、パルス巾1.6msのところで評価した。
印字濃度はマクベス濃度計で測定し、数値が大きいほど
良い。
【0039】カス付着性のテスト機は松下電送(株)製
UF−32を用い30m印字後の感熱ヘッドのカス付着
量を目視評価した。○がカス付着がほとんど無いレベ
ル、△がカス付着やや有るが実用的に問題のないレベ
ル、×がカス付着が多く実用上問題の有るレベルを表
す。
【0040】再発色率の定義は、温度40度,相対湿度
90%の環境条件下で3週間保存した後の印字濃度を保
存テスト前の印字濃度で除してパーセント表示したもの
で、数値が大きいほど良い。
【0041】
【発明の効果】実施例から明かなように、本発明のもの
は、高感度でカス付着が少なく、かつ高温高湿条件下保
存に於て印字品質の優れたものであった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に電子供与性無色ないし淡色染
    料と該染料を加熱により発色せしめる電子受容性化合物
    及び結合剤を主成分とする発色層を設けた感熱記録シー
    トにおいて、該発色層がビス(p−メチルベンジル)シ
    ュウ酸エステルを含有し、感熱記録シートのJIS P
    8133による冷水抽出pHが7.0〜9.0であるこ
    とを特徴とする感熱記録シート。
  2. 【請求項2】 支持体と発色層の間に、顔料及び結合剤
    を主体とした中間層を設けた請求項1の感熱記録シー
    ト。
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