JP2900814B2 - エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び製造装置 - Google Patents
エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び製造装置Info
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Description
光型のセグメント表示やマトリックス表示、或いは各種
情報端末機器のディスプレイなどに使用されるエレクト
ロルミネッセンス(Electroluminescence)素子の製造
方法及び製造装置に関する。
ス素子(以下、EL素子という)は、硫化亜鉛(Zn
S)等の螢光体に電界を印加したときに発光する現象を
利用したもので、自発光型の平面ディスプレイを構成す
る素子として注目されている。
構造を示す。同図33に示されるように、EL素子10
は、絶縁性基板であるガラス基板1上に、光学的に透明
なITO膜からなる第1電極2、五酸化タンタル(Ta
2O5)等からなる第1絶縁層3、発光層4、同じく五酸
化タンタル等からなる第2絶縁層5、そしてITO膜か
らなる第2電極6が順次積層されて形成される。
ンジウム(In2 O3 )に錫(Sn)をドープした透明
の導電膜で、低抵抗率であることから、従来より透明電
極として広く使用されている。
S)中の添加物の種類によってその発光色が決まり、例
えば発光中心としてテルビウム(Tb)を添加した場合
には黄緑色、サマリウム(Sm)を添加した場合には赤
橙色、ツリウム(Tm)を添加した場合には青色の発光
色が得られる。
L素子10において、青色発光が得られる発光層4の構
成材料としては例えば、ツリウム(Tm)添加した硫化
亜鉛(ZnS:Tm)やセリウム(Ce)を添加した硫
化ストロンチウム(SrS:Ce)等の採用が検討され
ている。
化亜鉛(ZnS:Tm)を発光層に用いた場合には、発
光輝度が低く、実用上十分な輝度が得られない。また、
上記セリウム(Ce)を添加した硫化ストロンチウム
(SrS:Ce)を用いた場合、発光輝度は比較的高い
ものが得られるものの、・発光色が青緑色となる。した
がって、青色発光を得るためには、例えば500nm以
上の波長をカットするようなフィルターを用いる必要が
ある。・このようなフィルターを用いた場合、その発光
輝度は、元の発光輝度の約1割程度に減少してしまう。
といった理由により、これもやはり、実用上十分な輝度
を得ることのできる青色発光素子としての利用は難しい
ものとなっている。実用上十分な輝度を得るためには自
ずと、高品質のセリウム添加の硫化ストロンチウム(S
rS:Ce)発光層が必要となる。
国際会議技術論文ダイジェスト761頁〜764頁」に
記載されているように、発光層母材として ・4硫化2ガリウムストロンチウム(SrGa2 S4
)、 ・4硫化2ガリウムバリウム(BaGa2 S4 )、或い
は ・4硫化2ガリウムカルシウム(CaGa2 S4 ) を用い、これら発光層母材に、発光中心としてセリウム
(Ce)を添加する発光層の採用が検討されている。こ
れら発光層を用いることにより、発光スペクトルを短波
長側にシフトさせることができ、例えばフィルターを用
いて緑色成分をカットする場合においても、同フィルタ
ーによる発光輝度の損失を大幅に低減することが可能と
なる。
478号公報等にも記載されているように、その製造に
際しては、上記発光層をスパッタリング法で形成するよ
うにしている。そして、同発光層をスパッタリング法で
形成するにあたり、その発光層母材を結晶化させるため
に、発光層成膜後650℃以上の高温による熱処理を必
要としている。
ることとなった。まず、このような温度では、ガラス基
板に歪が生じ、電極についても使用することのできる材
料が制限されてしまう。
ても、ガラス基板や電極等に影響を与えない範囲で熱処
理を行おうとするならば、発光層母材の結晶化があまり
進行せず、結晶性の良い発光層を得ることができなくな
る。そしてひいては、高輝度青色発光を実現することも
できなくなる。
膜組成のズレが生じ易くなる。こうした膜組成のズレ
は、発光輝度に対しても悪影響を及ぼすこととなる。他
方、高品質なEL発光層を形成する方法としては、有機
気相成長(MOCVD)法や原子層エピタキシャル(A
LE)法が知られている。
層においては、これらの方法を用いて、発光輝度の高い
EL素子が得られている。また、上述の青色EL発光層
に関しては、ALE法で成長したセリウム添加の硫化ス
トロンチウム(SrS:Ce)が知られている。
が遅く、発光層の形成に非常に時間がかかるという欠点
がある。そのため一般的には、成長速度の速いMOCV
D法による発光層の形成が望まれている。
ウム添加の硫化ストロンチウム(SrS:Ce)のよう
な、アルカリ土類硫化物を該MOCVD法で成長しよう
とすると、反応炉内の気相中で原料ガスが相互に反応
し、パーティクルや副次生成物が発生する。といった問
題を抱えており、高品質の発光層を得ることはできなか
った。
Ga2 S4 )等の3元系発光層の場合には、こうした問
題も更に複雑となる。そしてこのため、MOCVD法を
用いて4硫化2ガリウムカルシウム(CaGa2 S4 )
等の3元系発光層を形成することは、これまで不可能と
されてきた。
たものであり、2元系発光層であれ3元系発光層であ
れ、高輝度青色発光が得られる品質の高い発光層を形成
することのできるEL素子の製造方法を提供することを
目的とする。
層を気相成長法にて形成する上で望ましいEL素子の製
造装置を提供することを目的とする。
ため、請求項1記載の発明では、絶縁基板の上方に発光
層を具えるエレクトロルミネッセンス素子の製造方法に
おいて、発光層母体材料となるII族元素原料ガス、VI族
元素原料ガス及び発光中心元素原料ガスをそれぞれ反応
炉内に供給し、該反応炉内でこれら原料ガスを反応させ
る気相成長法を用いて前記発光層を形成するに、前記II
族元素原料ガスを前記反応炉の中央から供給し、前記VI
族元素原料ガスをその周囲から供給するようにし、さら
に、前記II族元素原料ガスの前記反応炉内でのガス流速
を前記VI族元素原料ガスの同反応炉でのガス流速よりも
速くする。
求項1記載の製造方法において、前記発光中心元素原料
ガスについてはこれを、前記II族元素原料ガスと混合し
て前記反応炉内に導入するようにする。
または2のいずれかに記載の製造方法において、前記II
族元素の原料及び前記発光中心元素の原料として、それ
ら元素の有機化合物を用いるようにする。
乃至3のいずれかに記載の製造方法において、前記絶縁
基板がガラス基板であるとするとき、前記発光層成膜時
の基板温度を300゜C乃至600゜Cとする。
乃至4のいずれかに記載の製造方法において、前記II族
元素原料ガス及び前記VI族元素原料ガスと独立して、若
しくは前記VI族元素原料ガスと混合して、ハロゲン元素
ガスを前記反応炉内に併せ供給するようにする。
の上方に発光層を具えるエレクトロルミネッセンス素子
の製造方法において、発光層母体材料となるII族元素
原料ガス、III族元素原料ガス、VI族元素原料ガス
及び発光中心元素原料ガスをそれぞれ反応炉内に供給
し、該反応炉内でこれら原料ガスを反応させる気相成長
法を用いて、前記発光層を形成し、さらに前記II族元
素原料ガスを前記反応炉の中央から供給し、前記III
族元素原料ガスをその周囲から供給し、前記VI族元素
原料ガスを更にその周囲から供給するようにする。
項6記載の製造方法において、前記発光中心元素原料ガ
スとして元素が3価に属するものを用い、同発光中心元
素原料ガスについてはこれを、前記III族元素原料ガ
スと混合して前記反応炉内に導入するようにする。
6記載の製造方法において、前記発光中心元素原料ガス
として元素が2価に属するものを用い、同発光中心元素
原料ガスについてはこれを、前記II族元素原料ガスと
混合して前記反応炉内に導入するようにする。
の上方に発光層を具えるエレクトロルミネッセンス素子
の製造方法において、発光層母体材料となるII族元素
原料ガス、III族元素原料ガス、VI族元素原料ガス
及び発光中心元素原料ガスをそれぞれ反応炉内に供給
し、該反応炉内でこれら原料ガスを反応させる気相成長
法を用いて、前記発光層を形成し、さらに前記II族元
素原料ガス、及び前記III族元素原料ガスを前記反応
炉の中央から供給し、前記VI族元素原料ガスをそれら
の周囲から供給するようにする。
求項6または9記載の製造方法において、前記発光中心
元素原料ガスについてはこれを、前記II族元素原料ガ
スまたは前記III族元素原料ガスのうち、同発光中心
元素原料ガスの気化温度に近い気化温度を有する原料ガ
スと混合して前記反応炉内に導入するようにする。
板の上方に発光層を具えるエレクトロルミネッセンス素
子の製造方法において、発光層母体材料となるII族元
素原料ガス、III族元素原料ガス、VI族元素原料ガ
ス及び発光中心元素原料ガスをそれぞれ反応炉内に供給
し、該反応炉内でこれら原料ガスを反応させる気相成長
法を用いて、前記発光層を形成し、さらに前記各原料ガ
スの前記反応炉への供給時、少なくとも前記II族元素
原料ガスの前記反応炉内でのガス流速を前記VI族元素
原料ガスの同反応炉内でのガス流速よりも速くする。ま
た、請求項12記載の発明では、上記請求項6乃至10
のいずれかに記載の製造方法において、前記各原料ガス
の前記反応炉への供給時、少なくとも前記II族元素原
料ガスの前記反応炉内でのガス流速を前記VI族元素原
料ガスの同反応炉内でのガス流速よりも速くする。
求項6乃至12のいずれかに記載の製造方法において、
前記II族元素の原料、前記III 族元素の原料及び前記発
光中心元素の原料として、それら元素の有機化合物を用
いるようにする。
求項6乃至13のいずれかに記載の製造方法において、
前記絶縁基板がガラス基板であるとするとき、前記発光
層成膜時の基板温度を300°C乃至600°Cとす
る。
板の上方に発光層を具えるエレクトロルミネッセンス素
子の製造方法において、発光層母体材料となるII族元
素原料ガス、III族元素原料ガス、VI族元素原料ガ
ス及び発光中心元素原料ガスをそれぞれ反応炉内に供給
し、該反応炉内でこれら原料ガスを反応させる気相成長
法を用いて、前記発光層を形成し、さらに前記発光層成
膜時の前記反応炉内の圧力を20乃至90Torrとす
る。また、請求項16記載の発明では、上記請求項6乃
至14のいずれかに記載の製造方法において、前記発光
層成膜時の前記反応炉内の圧力を20乃至90Torr
とする。
板の上方に発光層を具えるエレクトロルミネッセンス素
子の製造方法において、発光層母体材料となるII族元
素原料ガス、III族元素原料ガス、VI族元素原料ガ
ス及び発光中心元素原料ガスをそれぞれ反応炉内に供給
し、該反応炉内でこれら原料ガスを反応させる気相成長
法を用いて、前記発光層を形成し、さらに前記II族元
素原料ガス、前記III族元素原料ガス及び前記VI族
元素原料ガスと独立して、若しくは前記VI族元素原料
ガスと混合して、ハロゲン元素ガスを前記反応炉内に併
せ供給するようにする。また、請求項18記載の発明で
は、上記請求項6乃至16のいずれかに記載の製造方法
において、前記II族元素原料ガス、前記III族元素
原料ガス及び前記VI族元素原料ガスと独立して、若し
くは前記VI族元素原料ガスと混合して、ハロゲン元素
ガスを前記反応炉内に併せ供給するようにする。
板上に第1電極、第1絶縁層、発光層、第2絶縁層、及
び第2電極を、少なくとも光取り出し側の材料を光学的
に透明なものにて形成して順次積層するエレクトロルミ
ネッセンス素子の前記発光層を気相成長法によって形成
する装置として、反応炉と、該反応炉内に配設されて前
記第1電極及び前記第1絶縁層が積層された絶縁基板を
支持するサセプタと、同反応炉内に発光層母体材料とな
るII族元素原料ガスを供給するための第1のガス供給
管と、同反応炉内に発光層母体材料となるVI族元素原
料ガスを供給するための第2のガス供給管と、同反応炉
内に発光中心元素原料ガスを供給するための第3のガス
供給管と、これら供給されるガスを同反応炉から排気す
るための排気口とを具え、前記第1のガス供給管は、前
記反応炉の中央に、そのガス吹き出し口が前記支持され
た基板の表面に対向するよう配設され、前記第2のガス
供給管は該第1のガス供給管の周囲に配設され、前記反
応炉内に発光層母体材料となるIII族元素原料ガスを
供給するための第4のガス供給管を更に具え、前記第2
のガス供給管を、該第4のガス供給管の周囲に配設する
構成とする。
項19記載の製造装置において、前記反応炉内に発光層
母体材料となるIII族元素原料ガスを供給するための
第4のガス供給管を更に具え、該第4のガス供給管を、
前記第1のガス供給管の周囲に配設し、前記第2のガス
供給管は、該第4のガス供給管の周囲に配設される構成
とする。
求項19または20記載の製造装置において、前記発光
中心元素として3価に属する元素が用いられるとき、前
記第4のガス供給管は、前記発光中心元素原料ガスを供
給するための第3のガス供給管と共用される構成とす
る。
項19または20記載の製造装置において、前記発光中
心元素として2価に属する元素が用いられるとき、前記
第1のガス供給管は、前記発光中心元素原料ガスを供給
するための第3のガス供給管と共用される構成とする。
項19または20記載の製造装置において、前記発光中
心元素原料の気化温度が前記II族元素原料の気化温度
に近いとき、前記発光中心元素原料ガスを供給するため
の第3のガス供給管は前記第1のガス供給管と共用さ
れ、前記発光中心元素原料の気化温度が前記III族元
素原料の気化温度に近いとき、前記発光中心元素原料ガ
スを供給するための第3のガス供給管は前記第4のガス
供給管と共用される構成とする。
求項19乃至23のいずれかに記載の製造装置におい
て、前記第1のガス供給管は、そのガス吹き出し口が他
のガス供給管のガス吹き出し口に比べて前記支持された
基板の表面に最も近づくように配設される構成とする。
求項19乃至24のいずれかに記載の製造装置におい
て、前記反応炉内にハロゲン元素を含有する元素を供給
するための第5のガス供給管を更に具える構成とする。
求項19乃至25のいずれかに記載の製造装置におい
て、前記排気口は、前記反応炉において前記支持された
基板の裏面に位置するよう配設される構成とする。ま
た、請求項27記載の発明では、上記請求項26におい
て、前記各ガス供給管と、基板と、前記排気口とが略直
線上に配置されている構成とする。
材料となるII族元素原料ガス、VI族元素原料ガス及び発
光中心元素原料ガスをそれぞれ反応炉内に供給し、該反
応炉内でこれら原料ガスを反応させる方法を採ることに
より、それら原料ガスの供給量、並びに供給態様等を各
独立して制御することができるようになる。このため、
2元系発光層を形成する場合であっても同発光層の組成
ズレを良好に防止することができるとともに、発光層中
の発光中心濃度を正確に制御することができるようにな
る。
に、 ・前記II族元素原料ガスを前記反応炉の中央から供給
し、前記VI族元素原料ガスをその周囲から供給する。と
いった原料ガス供給方法を採用することにより、II族元
素原料ガスがVI族元素原料ガスによって反応炉内に拡散
するのを好適に防ぐことができるようになる。すなわ
ち、同II族元素原料ガスを絶縁基板上に確実に到達させ
ることができるようになる。そしてこのため、成膜され
る発光層の膜組成をより均一なものとすることができる
ようになる。
前記反応炉への供給時、前記II族元素原料ガスの前記反
応炉内でのガス流速を前記VI族元素原料ガスの同反応炉
内でのガス流速よりも速くする。方法を採用するため、
反応炉の気相中においてこれらII族元素原料ガスとVI族
元素原料ガスとが相互に反応し難くなり、上記成膜され
る発光層の膜組成も更に安定したものとなる。
族元素原料ガスと混合して前記反応炉内に導入する。と
いった方法を採ることもできる。こうした方法によれ
ば、上記と同等の膜組成を有するEL素子をより簡便に
製造することができるようになる。
前記II族元素の原料及び前記発光中心元素の原料として
は、それら元素の有機化合物を用いることができる。因
みに、上記発光中心元素の原料として、トリジピバロイ
ルメンタン化セリウムなどの有機化合物を用い、上記II
族元素の原料としても、ビスジピバロイルメタン化スト
ロンチウムやビスジピバロイルメタン化カルシウム等の
有機化合物を用いることで、それら元素原料の気化若し
くは昇華温度を下げることができ、上記成膜を容易に且
つ安定して行うことができるようになる。
はセレン、またはこれらの混合物を用いることができ
る。また、請求項4記載の発明によるように、上記絶縁
基板がガラス基板であるとするとき、 ・発光層成膜時の基板温度を300゜C乃至600゜C
とする。といったかたちで温度制御を行うようにすれ
ば、品質の高い発光層膜を安定して成長させることがで
きるようになる。因みに、こうした温度範囲であれば、
ガラス基板に歪が生じるようなことはなく、また電極と
して使用することのできる材料が制限されることもな
い。
立して、若しくは前記VI族元素原料ガスと混合して、ハ
ロゲン元素ガスを前記反応炉内に併せ供給する。といっ
た方法を併せ採用するようにすれば、同EL素子として
の発光輝度を更に向上させることができるようになる。
項6記載の発明によるように、 ・発光層母体材料となるII族元素原料ガス、III 族元素
原料ガス、VI族元素原料ガス及び発光中心元素原料ガス
をそれぞれ反応炉内に供給し、該反応炉内でこれら原料
ガスを反応させる気相成長法を用いて前記発光層を形成
する。といった方法を採用すれば、それら原料ガスの供
給量、並びに供給態様についてもこれを各独立して制御
することができるようになる。このため、従来不可能と
されていた3元系発光層を気相成長法にて形成する場合
であっても、同発光層の組成ズレを良好に防止すること
ができるようになる。そしてこの場合も、発光層中の発
光中心濃度を正確に制御することができるようになる。
項6記載の発明によるように、 ・前記II族元素原料ガスを前記反応炉の中央から供給
し、前記III族元素原料ガスをその周囲から供給し、
前記VI族元素原料ガスを更にその周囲から供給する。
といった原料ガス供給方法を採用することにより、II
族元素原料ガスが反応炉内に拡散するのを好適に防ぎ、
同II族元素原料ガスを絶縁基板上に確実に到達させる
ことができるようになる。そしてこのため、成膜される
発光層の膜組成をより均一なものとすることができるよ
うになる。
ものを用い、同発光中心元素原料ガスについてはこれ
を、前記III族元素原料ガスと混合して前記反応炉内
に導入する。或いは、請求項8記載の発明によるよう
に、 ・前記発光中心元素原料ガスとして元素が2価に属する
ものを用い、同発光中心元素原料ガスについてはこれ
を、前記II族元素原料ガスと混合して前記反応炉内に
導入する。といった方法を採用するようにすれば、同製
造方法によって成膜される発光層の膜組成に何ら悪影響
を与えることなく、原料ガス導入のための装置構成(ノ
ズル構成)を簡略化することができるようになる。
に、請求項9記載の発明によるように、 ・前記II族元素原料ガス、及び前記III族元素原料
ガスを前記反応炉の中央から供給し、前記VI族元素原
料ガスをそれらの周囲から供給する。といった方法を採
用することもできる。こうした方法によっても、同製造
方法によって成膜される発光層の膜組成に何ら悪影響を
与えることなく、原料ガス導入のための装置構成(ノズ
ル構成)を簡略化することができるようになる。
よるように、 ・前記発光中心元素原料ガスについてはこれを、前記I
I族元素原料ガスまたは前記III族元素原料ガスのう
ち、同発光中心元素原料ガスの気化温度に近い気化温度
を有する原料ガスと混合して前記反応炉内に導入する。
といった方法を採用すれば、それら原料ガスを供給する
配管内で原料が分解したり、或いは再固化したりする現
象を好適に防ぐことができるようにもなる。
ように、 ・前記各原料ガスの前記反応炉への供給時、少なくとも
前記II族元素原料ガスの前記反応炉内でのガス流速を
前記VI族元素原料ガスの同反応炉内でのガス流速より
も速くする。といった方法を採用すれば、反応炉の気相
中においてこれらII族元素原料ガスとVI族元素原料
ガスとが相互に反応し難くなり、上記成膜される発光層
の膜組成も更に安定したものとなる。
よるように、前記II族元素の原料、前記III 族元素の原
料及び前記発光中心元素の原料としては、それら元素の
有機化合物を用いることができる。
は、トリジピバロイルメタン化セリウムなどの有機化合
物を用い、上記II族元素の原料としては、ビスジピバロ
イルメタン化ストロンチウムやビスジピバロイルメタン
化カルシウム等の有機化合物を用い、更に上記III 族元
素の原料としても、トリエチルガリウム等の有機化合物
を用いることで、それら元素原料の気化若しくは昇華温
度を下げることができ、上記成膜を容易に且つ安定して
行うことができるようになる。
硫黄、またはセレン、またはこれらの混合物を用いるこ
とができる。そしてここでも、請求項14記載の発明に
よるように、上記絶縁基板がガラス基板であるとすると
き、 ・発光層成膜時の基板温度を300゜C乃至600゜C
とする。といったかたちで温度制御を行うようにすれ
ば、品質の高い発光層膜を安定して成長させることがで
きるようになる。こうした温度範囲であれば、ガラス基
板に歪が生じるようなことはなく、また電極として使用
することのできる材料が制限されることもないことは上
述した。
によるように、 ・前記発光層成膜時の前記反応炉内の圧力を20乃至9
0Torrとする。といった圧力制御を行うようにすれ
ば、発光層の成膜を安定して、且つ、確実に行うことが
できるようになる。
ように、 ・前記II族元素原料ガス、前記III族元素原料ガス
及び前記VI族元素原料ガスと独立して、若しくは前記
VI族元素原料ガスと混合して、ハロゲン元素ガスを前
記反応炉内に併せ供給する。といった方法を採用するよ
うにすれば、その作製されるEL素子としての発光輝度
を更に向上させることができるようになる。
項19記載の発明の上記構成を採用することができる。
同構成によれば、上記第1乃至第3のガス供給管を通じ
て、上記発光層母体材料となるII族元素原料ガス、V
I族元素原料ガス、及び発光中心元素原料ガスが各別に
反応炉内に導入されるため、従来の気相成長において問
題となっていたパーティクルや副次生成物が発生する懸
念もない。
ガス導入用の第1のガス供給管を、反応炉の中央に、そ
のガス吹き出し口が基板の表面に対向するよう配設し、
上記VI族元素原料ガス導入用の第2のガス供給管につい
てはこれを該第1のガス供給管の周囲に配設するように
している。このため、EL素子の2元系発光層として組
成ズレのない、均一な発光層膜を成膜することができる
ようになる。
料ガスを供給するための第4のガス供給管を更に具え、
前記第2のガス供給管は、該第4のガス供給管の周囲に
配設される。或いは、請求項20記載の発明によるよう
に、 ・前記反応炉内に発光層母体材料となるIII族元素原
料ガスを供給するための第4のガス供給管を更に具え、
該第4のガス供給管は、前記第1のガス供給管の周囲に
配設され、前記第2のガス供給管は、該第4のガス供給
管の周囲に配設される。といった構成を採用すれば、そ
の作製されるEL素子の3元系発光層としても、組成ズ
レのない、均一な発光層膜が成膜されるようになる。
るための製造装置構成において、例えば請求項21記載
の発明によるように、 ・前記発光中心元素として3価に属する元素が用いられ
るとき、前記第4のガス供給管は、前記発光中心元素原
料ガスを供給するための第3のガス供給管と共用され
る。といった構成を採用すれば、発光中心元素原料ガス
として元素が3価に属するものが用いられる場合に、同
装置としての配管構成が簡略化されるようになる。勿
論、こうして配管構成が簡略化される場合であっても、
上記成膜される発光層の膜組成には何ら悪影響を及ぼす
ことはない。
構成であれ、或いは3元系発光層を形成するための構成
であれ、例えば請求項22記載の発明によるように、 ・前記発光中心元素として2価に属する元素が用いられ
るとき、前記第1のガス供給管は、前記発光中心元素原
料ガスを供給するための第3のガス供給管と共用され
る。といった構成を採用すれば、発光中心元素原料ガス
として元素が2価に属するものが用いられる場合に、同
装置としての配管構成が簡略化されるようになる。そし
て勿論、こうして配管構成が簡略化される場合であって
も、上記成膜される発光層の膜組成には何ら悪影響を及
ぼすことはない。
製造装置構成において、請求項23記載の発明によるよ
うに、 ・前記発光中心元素原料の気化温度が前記II族元素原
料の気化温度に近いとき、前記発光中心元素原料ガスを
供給するための第3のガス供給管は前記第1のガス供給
管と共用され、前記発光中心元素原料の気化温度が前記
III族元素原料の気化温度に近いとき、前記発光中心
元素原料ガスを供給するための第3のガス供給管は前記
第4のガス供給管と共用される。といった構成を採用す
れば、上述した配管構成の簡略化に併せて、それら配管
内で原料が分解したり、或いは再固化したりする現象を
も好適に防ぐことができるようになる。
に、請求項24記載の発明によるように、 ・前記第1のガス供給管は、そのガス吹き出し口が他の
ガス供給管のガス吹き出し口に比べて前記支持された基
板の表面に最も近づくように配設される。といった構成
を採用すれば、反応炉の気相中においてII族元素原料
ガスとVI族元素原料ガスとが相互に反応し難くなり、
上記成膜される発光層の膜組成も更に安定したものとな
る。
25記載の発明によるように、 ・前記反応炉内にハロゲン元素を含有する元素を供給す
るための第5のガス供給管を更に具える。といった構成
を採用すれば、その作製されるEL素子として更に発光
輝度の高い素子を製造することができるようになる。な
お、この第5のガス供給管は、VI族元素原料ガスを供
給するための第2のガス供給管と共用して、その構成を
簡略化することもできる。
求項26記載の発明によるように、 ・前記排気口は、前記反応炉において前記支持された基
板の裏面に位置するよう配設される。といった構成を採
用すれば、各配管類と成膜する基板、及び排気口が略直
線上に配置されるようになる。そしてこのため、反応炉
内での原料ガスの流れが制御し易くなり、しかも、高い
成膜速度で高品質の発光層を形成することができるよう
になる。そして、請求項27記載の発明のように、前記
各ガス供給管と、基板と、前記排気口とが略直線上に配
置される。と、反応炉内での原料ガスの流れが制御し易
くなり、しかも、高い成膜温度で高品質の発光層を形成
することができるようになる。
き製造されるEL素子について、その断面構造を模式的
に示す。
に光を取り出すものであり、絶縁性基板であるガラス基
板11上に、以下の各薄膜が順次積層された構成となっ
ている。
化亜鉛(ZnO)からなる第1透明電極(第1電極)1
2が形成され、その上面には光学的に透明な五酸化タン
タル(Ta2 O5 )からなる第1絶縁層13が形成され
ている。
添加した硫化ストロンチウム(SrS)からなる発光層
14が上記第1絶縁層13上に形成され、更に該発光層
14を覆うように、光学的に透明な五酸化タンタル(T
a2 O5 )からなる第2絶縁層15が形成される。
的に透明な酸化亜鉛(ZnO)からなる第2透明電極
(第2電極)16が形成されて、同EL素子が完成され
る。次に、こうした薄膜EL素子100の製造方法につ
いて説明する。
2を成膜する。蒸着材料としては、酸化亜鉛(ZnO)
粉末に酸化ガリウム(Ga2 O3 )を加え混合してペレ
ット状に成形したものを用いる。また、成膜装置として
は、イオンプレーティング装置を用いる。
一定に保持したままイオンプレーティング装置内を真空
に排気する。その後、アルゴン(Ar)ガスを導入して
圧力を一定に保ち、成膜速度が6〜18nm/minの
範囲となるようにビーム電力及び高周波電力を調整す
る。
タンタル(Ta2 O5 )からなる第1絶縁層13をスパ
ッタ法により形成する。具体的には、上記ガラス基板1
1の温度を一定に保持した状態にて、スパッタ装置内に
アルゴン(Ar)と酸素(O2 )の混合ガスを導入し、
1KWの高周波電力で成膜を行う。
に、酸化ストロンチウム(SrS)を母体材料とし、発
光中心としてセリウム(Ce)を添加した硫化ストロン
チウム(SrS:Ce)発光層14を形成する。この発
光層14の形成には、図2に示す有機金属気相成長(M
OCVD:Metal Organic Chemical Vapor Depositio
n)装置を使用する。
発光層14の成膜を実施する。まず、上記第1透明電極
12及び第1絶縁層13が形成されているガラス基板1
1を、反応炉20内の回転数制御可能なサセプタ21に
取り付け、回転制御棒22を介してこれを5rpmで回
転させる。
記サセプタ21を通じて500゜Cの一定温度に保持す
る。また、反応炉20の内部は5Torrの減圧雰囲気
になるように、圧力計23にて監視しつつ、図示しない
圧力調節器にてガスの排気量をコントロールする。ガス
の排気は、ゲートバルブ24、並びにメカニカルブース
ターポンプ25、ロータリーポンプ26を通じて行う。
r)原料ガスとして、(1)アルゴン(Ar)キャリア
ガスを用いたビスジピバロイルメタン化ストロンチウム
(Sr(C11H19O2 )2 )を、またVI族元素の硫黄
(S)原料ガスとして、(2)硫化水素(H2 S)を、
そして発光中心原料ガスとして、(3)アルゴン(A
r)キャリアガスを用いたトリジピバロイルメタン化セ
リウム(Ce(C11H19O2 )3 )を、それぞれ反応炉
20内に導入して、セリウム(Ce)添加の硫化ストロ
ンチウム(SrS:Ce)薄膜14を形成する。
料であるビスジピバロイルメタン化ストロンチウム(S
r(C11H19O2 )2 )と、硫黄(S)の原料である硫
化水素(H2 S)との供給量については、化学量論比
(この場合、1:1)より硫化水素(H2 S)を過剰に
供給する。
ロンチウム(Sr(C11H19O2 )2 )については、固
体原料容器41内に充填した同ビスジピバロイルメタン
化ストロンチウム(Sr(C11H19O2 )2 )を230
゜Cに加熱して昇華させる。そしてこの昇華した原料
を、流量調節器(MFC:Mass Flow Controller)51
にてガス流量1400cc/minに調節したアルゴン
(Ar)ガスを用いて反応炉20内に輸送する。この原
料ガスは、ガス供給管31を通じてガラス基板11(正
確には第1絶縁層13)の表面に供給する。
黄(S)の供給源として用いた同硫化水素(H2 S)を
アルゴン(Ar)を用いて希釈した後、流量調節器52
にてガス流量250cc/minに調節して反応炉20
内に導入する。そして該原料ガスについては、ガス供給
管33を通じてガラス基板11(正確には第1絶縁層1
3)の表面に供給する。
ジピバロイルメタン化ストロンチウム(Sr(C11H19
O 2)2 )のガス流速が、硫化水素(H2 S)のガス流
速より速くなるように、上記ガス供給管31の吹き出し
口面積を、上記ガス供給管33の吹き出し口面積よりも
小さくしている。具体的には、ガス供給管31のガス吹
き出し速度は470mm/secであり、ガス供給管3
3のガス吹き出し速度は2mm/secであった。
(Zn)等のII族元素原料と硫黄(S)等のVI族元素原
料とは気相中で反応しやすいことが発明者によって行わ
れた実験によりわかっている。
原料ガスを反応させるべく、II族元素原料ガスであるビ
スジピバロイルメタン化ストロンチウム(Sr(C11H
19O2 )2 )ガスの供給速度を、VI族元素原料ガスであ
る硫化水素(H2 S)の供給速度よりも高めて供給する
ようにしている。
体原料容器43に充填した同発光中心の原料であるトリ
ジピバロイルメタン化セリウム(Ce(C11H19O2 )
3 )を145゜Cの一定温度に保温する。そして、昇華
した同原料を流量調節器53にてガス流速400cc/
minに調節したアルゴン(Ar)を用いて反応炉20
内に導入する。この発光中心原料ガスについては、ガス
供給管32を通じてガラス基板11(正確には第1絶縁
層13)の表面に供給する。
53とは周知のように、対象となるガスの流量を、図示
しない制御装置に入力された指示流量値に基づいて自動
調節する装置である。
たが、それら流量調節器(MFC)が配設される各原料
供給配管には、例えば図3に例示する態様で、それぞれ
ガス流量調節ラインが設けられており、それらラインに
おけるガス流量を各々調節することによって、設定量の
原料ガスの反応炉20内におけるガス流速を調節するこ
とができるようになっている。したがって、上述したガ
ス流量とは、例えば同図3の構成例によれば、流量調節
器50a〜50cによって調節されるガス流量の和、す
なわち ガス流量=MFCa+MFCb+MFCc となっている。後に説明する変形例、或いは他の実施例
においても、MOCVD装置としてのこうした原料供給
配管の構成は全て、この図3に例示した構成に準じたも
のとなっている。
加の硫化ストロンチウム(SrS:Ce)薄膜14の成
長を行ったところ、11nm/minの成膜速度が得ら
れた。すなわち上記製造方法によれば、従来のALE法
に比べて約10倍の成膜速度が得られることになる。
上に、五酸化タンタル(Ta2 O5)からなる第2絶縁
層15を上述の第1絶縁層13と同様の方法で形成し、
更にその上に、酸化亜鉛(ZnO)膜からなる第2透明
電極16を、上述の第1透明電極12と同様の方法で形
成する。
準として、第1及び第2透明電極12及び16が300
nm、第1及び第2絶縁層13及び15が400nm、
そして発光層14が800nmである。
子を作製した。種々の条件を最適化して作製した試料に
おいて、400Hzの交流電圧を使用したときの発光輝
度と同EL素子に印加する電圧との関係を表したグラフ
を図4に示す。
第1の実施例にかかる上記製造方法にて作製したEL素
子の印加電圧に対する発光輝度を、また特性線Bは、従
来の製造方法にて作製したEL素子の印加電圧に対する
発光輝度をそれぞれ示す。
(Ce)添加の硫化ストロンチウム(SrS:Ce)薄
膜発光層の成膜に、スパッタリング法を用いている。具
体的には、加圧焼成したセリウム添加の硫化ストロンチ
ウム(SrS:Ce)をスパッタリングのターゲットと
して用い、成膜時の圧力を4Pa、印加電力を250W
として、プリスパッタリングを20分行った後に成膜を
行った。このときの発光層形成速度は45nm/min
であり、膜厚は800nmとした。この発光層を用いた
EL素子の構造は、第1の実施例として記載されている
素子構造と同一である。
造方法にてEL素子を作製することにより、従来のEL
素子に比べてその発光輝度を大幅に向上させることがで
きるようになる。
の発光閾値電圧をも低電圧側に移動させることができ、
感度の向上を図ることができるようにもなる。また、発
光層中に含有する発光中心の量を調べてみると、この第
1の実施例の製造方法にかかるEL素子では、従来のも
のに比べて、発光中心含有量の制御性並びに再現性が著
しく向上していることがわかった。
ば、副次生成物によるパーティクルの発生等も無く、信
頼性の高いEL素子を作製することができた。また、図
2に示した同第1の実施例にかかる製造装置では、ガラ
ス基板11の表面直下から上記各原料ガスを導入し、同
ガラス基板11の裏面からガスを排気し、圧力調節を行
っている。
成膜対象となるガラス基板11の表面に均一に供給され
るようになり、しかも、反応炉20内でのこれら原料ガ
スの流れも制御し易くなる。
板11を500゜Cの一定温度に加熱保持するとした
が、実験によれば、同基板の加熱温度が300〜600
゜Cの範囲で、セリウム(Ce)添加の硫化ストロンチ
ウム(SrS:Ce)薄膜14の成長をみることができ
た。しかし、高品質の発光層を形成するためには、同基
板の加熱温度として、好ましくは350〜550゜Cの
範囲を選んで成長を行うことが望ましい。
る製造装置では、上記成膜対象となるガラス基板11を
ヒータ付きのサセプタ21に固定しており、熱電対を用
いたフィードバック制御にて、こうした成膜時の基板温
度を管理している。
とは、上記製造装置の設定温度を表し、実際には、原料
ガスの吹き付け等によって、100〜200°C程度低
下しているものと考えられる。
かる製造装置では、各原料ガス供給管の反応炉20内に
おける配置を、図5に示すように、同反応炉20の気相
中において各元素の原料ガスが相互に反応しないよう
な、且つ、成膜する基板全面にガスが均一に供給できる
ような配置としている。
r)の原料であるビスジピバロイルメタン化ストロンチ
ウム(Sr(C11H19O2 )2 )ガスのガス供給管31
を、その周囲に、発光中心原料であるトリジピバロイル
メタン化セリウム(Ce(C11H19O2 )3 )ガスのガ
ス供給管32を配置している。そして、硫黄(S)の原
料として用いた硫化水素(H2 S)については、反応炉
20内に過剰に滞留できるように、同反応炉20の下部
に設置したガス供給管33を通じてこれを導入すること
としている。これは、該硫化水素(H2 S)の供給が、
上記ストロンチウム(Sr)及びセリウム(Ce)の原
料供給の流れを大きく阻害しないようにするための配慮
である。
上記態様に限られるものではない。他に例えば、図6に
示すように、発光中心原料であるトリジピバロイルメタ
ン化セリウム(Ce(C11H19O2 )3 )のガス供給管
32内に、上記ストロンチウム(Sr)の原料であるビ
スジピバロイルメタン化ストロンチウム(Sr(C11H
19O2 )2 )のガス供給管31を複数配置するようにし
てもよい。因みにこの場合には、膜組成がより均一な発
光層を得ることができた。
に形状は、図7、或いは図8に示すような態様とするこ
ともできる。すなわち、上記ストロンチウム(Sr)の
原料であるビスジピバロイルメタン化ストロンチウムム
(Sr(C11H19O2 )2 )のガス供給管31や、上記
発光中心原料であるトリジピバロイルメタン化セリウム
(Ce(C11H19O2 )3 )のガス供給管32について
はこれを、短形状の吹き出し口を持つガス供給管、或い
は複数の吹き出し口を持つガス供給管として構成するこ
とができる。また、硫黄(S)の原料である硫化水素
(H2 S)のガス供給管33についても同様に、これら
ガス供給管31及び32の周囲に配置される短形状の吹
き出し口を持つガス供給管、或いは複数の吹き出し口を
持つガス供給管として構成することができる。
心原料ガスであるトリジピバロイルメタン化セリウム
(Ce(C11H19O2 )3 )ガスを、他の原料ガスと独
立のガス供給管(ガス供給管32)を用いて供給するよ
うにしている。
には、図9に例示するように、該トリジピバロイルメタ
ン化セリウム(Ce(C11H19O2 )3 )ガスをストロ
ンチウム(Sr)の原料、すなわちII族元素の原料であ
るビスジピバロイルメタン化ストロンチウム(Sr(C
11H19O2 )2 )ガスと合流させ、同じガス供給管(ガ
ス供給管31)を通じてガラス基板11(正確には第1
絶縁層13)の表面に供給することもできる。
置並びに形状は、図10、或いは図11に示すような態
様とすることもできる。すなわち、上記ストロンチウム
(Sr)の原料であるビスジピバロイルメタン化ストロ
ンチウムム(Sr(C11H19O2 )2 )及び上記発光中
心原料であるトリジピバロイルメタン化セリウム(Ce
(C11H19O2 )3 )の共通のガス供給管31を、短形
状の吹き出し口を持つガス供給管、或いは複数の吹き出
し口を持つガス供給管として構成する。また、硫黄
(S)の原料である硫化水素(H2 S)のガス供給管3
3についても同様に、ガス供給管31の周囲に配置され
る短形状の吹き出し口を持つガス供給管、或いは複数の
吹き出し口を持つガス供給管として構成する。このよう
な原料ガス供給管の配置並びに形状を採用することによ
り、比較的簡便な構成にて、上述した気相成長装置を実
現することができるようになる。
かる製造装置において、各原料容器等41及び43の配
置は任意である。すなわち、ストロンチウム(Sr)の
原料容器41の方を反応炉20の近くに配置するように
してもよい。
素である硫黄(S)原料ガスとして硫化水素(H2 S)
を用いたが、他に、アルゴン(Ar)キャリアガスを用
いたジエチル硫黄(S(C2 H5 )2 )なども、この硫
黄(S)原料ガスとして同様に用いることができる。
素子を得るために発光中心としてセリウム(Ce)を使
用したが、発光中心として他に、ユーロビウム(Eu)
等を用いることもできる。勿論、該ユーロビウム(E
u)を用いた場合には、発光中心元素の化合物を充填す
るための原料容器としても専用のものを使用する必要が
ある。
ウム(Eu)を同時に発光中心として添加することも可
能である。この場合、添加量を調節することにより白色
発光が得られ、これをフィルタリングすることで青色発
光が得られるようになる。
施例について説明する。この第2の実施例に基づき製造
されるEL素子も、その断面構造は、先の図1に示した
構造と基本的に同じである。
14として、発光中心にセリウム(Ce)を添加した4
硫化2ガリウムカルシウム(CaGa2 S4 :Ce)層
を成膜する。
L素子100の製造方法について説明する。ガラス基板
11上に第1透明電極12を成膜すること、並びにその
成膜方法、及びこの成膜された第1透明電極12上に五
酸化タンタル(Ta2 O5 )からなる第1絶縁層13を
形成すること、並びにその形成方法は、先の第1の実施
例の場合と同様である。
に、4硫化2ガリウムカルシウム(CaGa2 S4 )を
母体材料とし、発光中心としてセリウム(Ce)を添加
した4硫化2ガリウムカルシウム(CaGa2 S4 :C
e)発光層を形成する。この発光層14の形成には、図
12に示すMOCVD装置を使用した。
おいて、先の図2に示したMOCVD装置と同一の要素
には同一の符号を付して示している。すなわち、この第
2の実施例においても、 (イ)上記第1透明電極12及び第1絶縁層13が形成
されているガラス基板11を反応炉20内の回転数制御
可能なサセプタ21に取り付け、回転制御棒22を介し
てこれを5rpmで回転させる。 (ロ)このガラス基板11については、上記サセプタ2
1を通じて一定の温度に保持する。ただしここでは、こ
の保持温度を540゜Cとする。 (ハ)反応炉20の内部は所定圧の減圧雰囲気になるよ
うに圧力計23にて監視しつつ図示しない圧力調節器に
てガスの排気量をコントロールする。ただしここでは、
同圧力が50Torrとなるよう、ガスの排気量をコン
トロールする。 (ニ)ガスの排気は、ゲートバルブ24、並びにメカニ
カルブースターポンプ25、ロータリーポンプ26を通
じて行う。といった操作を同様に行う。
(1)アルゴン(Ar)キャリアガスを用いたビスジピ
バロイルメタン化カルシウム(Ca(C11H19O2 )2
)を、またIII族元素原料ガスとして、(2)アルゴン
(Ar)キャリアガスを用いたトリエチルガリウム(G
a(C2H5 )3 )を、またVI族元素原料ガスとして、
(3)同じくアルゴン(Ar)キャリアガスを用いたジ
エチル硫黄(S(C2 H5 )2 )を、そして発光中心原
料ガスとして、(4)アルゴン(Ar)キャリアガスを
用いたトリジピバロイルメタン化セリウム(Ce(C11
H19O2 )3 )を、それぞれ反応炉20内に導入して、
セリウム(Ce)添加の4硫化2ガリウムカルシウム
(CaGa2 S4 :Ce)薄膜14を形成する。
(C2 H5 )3 )は、ビスジピバロイルメタン化カルシ
ウム(Ca(C11H19O2 )2 )の供給量に対して化学
量論比より過剰のものを供給し、更に硫黄(S)の供給
源であるジエチル硫黄(S(C2 H5 )2 )の供給量に
ついても、化学量論比より過剰量の供給を行うこととす
る(これらこの場合の化学量論比は1:2:4)。
シウム(Ca(C11H19O2 )2 )については、固体原
料容器44内に充填した同ビスジピバロイルメタン化カ
ルシウム(Ca(C11H19O2 )2 )を220゜Cに加
熱して昇華させる。そしてこの昇華した原料ガスを、流
量調節器(MFC)54にてガス流量1000cc/m
inに調節したアルゴン(Ar)ガスを用いて反応炉2
0内に輸送する。この原料ガスは、ガス供給管31を通
じて、ガラス基板11(正確には第1絶縁層13)の表
面に供給する。このとき、ガス供給管31におけるガス
吹き出し速度は330mm/secであった。
5 )3 )については、液体原料容器45に充填した同ト
リエチルガリウム(Ga(C2 H5 )3 )を11°Cの
一定温度に保温して気化させる。そしてこの気化したト
リエチルガリウム蒸気を、流量調節器55にてガス流量
600cc/minに調節したアルゴン(Ar)キャリ
アにて反応炉20内に輸送する。この原料ガスは、ガス
供給管32を通じてガラス基板11(正確には第1絶縁
層13)の表面に供給する。このとき、ガス供給管32
におけるガス吹き出し速度は220mm/secであっ
た。
)については、硫黄(S)の供給源として用いた同ジ
エチル硫黄(S(C2 H5 )2 )を液体原料容器46に
充填し、これを37゜Cに保温して気化させる。そして
この気化した原料を、流量調節器56にてガス流量25
0cc/minに調節したアルゴン(Ar)キャリアを
用いて反応炉20内に導入する。この原料ガスについて
は、ガス供給管33を通じてガラス基板11(正確には
第1絶縁層13)の表面に供給する。
ジピバロイルメタン化カルシウム(Ca(C11H19O2
)2 )のガス流速が、ジエチル硫黄(S(C2 H5 )2
)のガス流速より速くなるように、上記ガス供給管3
1の吹き出し口面積を、上記ガス供給管33の吹き出し
口面積よりも小さくしていることは先の第1の実施例の
場合と同様である。具体的には、このガス供給管33に
おけるガス吹き出し速度は2mm/secである。
うに、II族元素原料(ここではカルシウム等)と硫黄
(S)等のVI族元素原料とは気相中で反応しやすいこと
が実験によりわかっている。
原料ガスを反応させるべく、II族元素原料ガスであるビ
スジピバロイルメタン化カルシウム(Ca(C11H19O
2 )2 )ガスの供給速度を、VI族元素原料ガスであるジ
エチル硫黄(S(C2 H5 )2 )の供給速度よりも高め
て供給するようにしている。
体原料容器43に充填した同発光中心の原料であるトリ
ジピバロイルメタン化セリウム(Ce(C11H19O2 )
3 )を145゜Cの一定温度に保温する。そして、昇華
した同原料を、流量調節器53にてガス流速400cc
/minに調節したアルゴン(Ar)を用いて反応炉2
0内に導入する。この発光中心原料ガスについては、ガ
ス供給管32を通じてガラス基板11(正確には第1絶
縁層13)の表面に供給する。
ム(Ce)を添加した4硫化2ガリウムカルシウム(C
aGa2 S4 :Ce)薄膜(発光層14)を成長させ
る。こうして発光層14を形成した後は、第1の実施例
の場合と同様、その上に、五酸化タンタル(Ta2 O5
)からなる第2絶縁層15を第1絶縁層13と同様の
方法で形成し、更にその上に、酸化亜鉛(ZnO)膜か
らなる第2透明電極16を、第1透明電極12と同様の
方法で形成する。
施例の場合と同様、その中央の部分を基準として、第1
及び第2透明電極12及び16が300nm、第1及び
第2絶縁層13及び15が400nm、そして発光層1
4が800nmである。
子を作製した。この第2の実施例にかかる製造方法の場
合、II族元素、III 族元素およびVI族元素の供給比率に
よっては、母材の4硫化2ガリウムカルシウム(CaG
a2 S4 )以外に硫化カルシウム(CaS)や硫化ガリ
ウム(Ga2 S3 )等の副生成物が形成される。
(CaGa2 S4 )発光層にX線を照射したときの、副
生成物である硫化ガリウム(Ga2 S3 )の回折主ピー
クに対する4硫化2ガリウムカルシウム(CaGa2 S
4 )の回折主ピークの強度比と発光輝度との関係を表し
たグラフである。
シウム(CaGa2 S4 )の主ピーク強度に対して硫化
ガリウム(Ga2S3)の主ピーク強度が小さくなると、
すなわち副生成物である硫化ガリウム(Ga2 S3 )の
割合が減少すると、発光輝度は向上することがわかる。
いて、400Hzの交流電圧を使用したときの発光輝度
と同EL素子に印加する電圧との関係を表したグラフを
図14に示す。
第2の実施例にかかる上記製造方法にて作製したEL素
子の印加電圧に対する発光輝度を、また特性線Bは、従
来の製造方法にて作製したEL素子の印加電圧に対する
発光輝度をそれぞれ示す。
(Ce)添加の4硫化2ガリウムカルシウム(CaGa
2 S4 )薄膜発光層の成膜にスパッタリング法を用い、
成膜後に熱処理を行っている。
4硫化2ガリウムカルシウム(CaGa2 S4 :Ce)
をスパッタリングのターゲットとして用い、成膜時の圧
力を4Pa、印加電力を200Wとして、プリスパッタ
リングを20分行った後に成膜を行った。このときの発
光層形成速度は55nm/minであり、膜厚は800
nmとした。この発光層を用いたEL素子の構造は、第
2の実施例として記載されている素子構造と同一であ
る。
記第2の実施例にかかる製造方法にてEL素子を作製す
ることによっても、従来のEL素子に比べてその発光輝
度を大幅に向上させることができるようになる。
その発光閾値電圧を低電圧側に移動させることができ、
感度の向上を図ることができるようになる。また、発光
層中に含有する発光中心の量を調べてみると、この第2
の実施例の製造方法にかかるEL素子では0.5原子%
であったが、発光中心の含有量を変えて作製したEL素
子の発光輝度を調べてみると、発光中心濃度が2原子%
程度のEL素子までは、上記従来の製造方法にて作製し
たEL素子の発光輝度を上回ることを確認できた。
については、分析する装置上の問題から測定値に大きな
誤差が生じてしまう。それでも発光中心濃度の下限値を
設定するならば、その測定誤差を含めて、約0.01原
子%程度までは、上記従来の製造方法にて作製したEL
素子の発光輝度を上回ることができるのではないかと考
えられる。
法を用いることによっても、従来の製造方法に比べて高
い輝度の青色発光EL素子を作製することができる。ま
た、図12に示した同第2の実施例にかかる製造装置で
も、ガラス基板11の表面直下から上記各原料ガスを導
入し、同ガラス基板11の裏面からガスを排気し、圧力
調節を行っているため、上記導入される各原料ガスが、
成膜対象となるガラス基板11の表面に均一に供給され
るようになる。そして、反応炉20内でのこれら原料ガ
スの流れも制御し易くなる。
述のように、II族、III 族、及びVI族の各元素原料ガス
を、それぞれ流量調節器(MFC)54、55、及び5
6を介して独立に反応炉20内に導入するようにしてい
る。このため、前記発光層構成元素のガス供給を微妙に
調節することができ、化学量論比に合わせることも比較
的容易になる。実際には、それら流量調節器が配設され
る各原料供給配管に、例えば図3に示される態様でガス
流量調節ラインがそれぞれ設けられていることは前述し
た。
心として添加するセリウム(Ce)が同じ発光層の構成
成分であり且つ同じ価数(3価)であるガリウム(G
a)と置換できるために、ガス供給管32を通じて、上
記III 族元素原料と混合して反応炉20内に供給するよ
うにしている。
原料容器はそれぞれ各構成元素の数だけ必要であるが、
これら元素の原料ガスを反応炉20に供給するためのガ
ス供給管は3系統で済むこととなる。
0内における配置は、図15に示すように、成膜する基
板全面にガスが均一に供給できるように、同反応炉20
の気相中において各元素の原料ガスが相互に反応しない
ような、且つ、成膜する基板全面にガスが均一に供給で
きるような配置としている。
の原料であるビスジピバロイルメタン化カルシウム(C
a(C11H19O2 )2 )ガスのガス供給管31を、その
周囲に、ガリウム(Ga)の原料であるトリエチルガリ
ウム(Ga(C2 H5 )3 )ガスと発光中心原料である
トリジピバロイルメタン化セリウム(Ce(C11H19O
2 )3 )ガスとのガス供給管32を配置している。そし
て、硫黄(S)の原料として用いたジエチル硫黄(S
(C2 H5 )2 )については、反応炉20内に過剰に滞
留できるように、同反応炉20の下部に設置したガス供
給管33を通じてこれを導入することとしている。これ
は、該ジエチル硫黄(S(C2 H5 )2 )の供給が、上
記カルシウム(Ca)やガリウム(Ga)の原料供給の
流れを大きく阻害しないようにするための配慮である。
は上記態様に限られるものではない。他に例えば、図1
6に示すように、上記ガリウム(Ga)の原料であるト
リエチルガリウム(Ga(C2 H5 )3 )と発光中心原
料であるトリジピバロイルメタン化セリウム(Ce(C
11H19O2 )3 )とのガス供給管32内に、上記カルシ
ウム(Ca)の原料であるビスジピバロイルメタン化カ
ルシウム(Ca(C11H19O2 )2 )のガス供給管31
を複数配置するようにしてもよい。因みにこの場合に
は、膜組成がより均一な発光層を得ることができた。
に形状は、図17、或いは図18に示すような態様とす
ることもできる。すなわち、上記カルシウム(Ca)の
原料であるビスジピバロイルメタン化カルシウム(Ca
(C11H19O2 )2 )のガス供給管31や上記ガリウム
(Ga)の原料であるトリエチルガリウム(Ga(C2
H5 )3 )と発光中心原料であるトリジピバロイルメタ
ン化セリウム(Ce(C11H19O2 )3 )とのガス供給
管32についてはこれを、短形状の吹き出し口を持つガ
ス供給管、或いは複数の吹き出し口を持つガス供給管と
して構成することができる。また、硫黄(S)の原料で
あるジエチル硫黄(S(C2 H5 )2 )のガス供給管3
3についても同様に、これらガス供給管31及び32の
周囲に配置される短形状の吹き出し口を持つガス供給
管、或いは複数の吹き出し口を持つガス供給管として構
成することができる。
の装置では上述のように、発光中心として添加するセリ
ウム(Ce)が同じ発光層の構成成分であり且つ同じ価
数(3価)であるガリウム(Ga)と置換できるため
に、ガス供給管32を通じて、上記III 族元素原料と混
合して反応炉20内に供給するようにした。
イルメタン化セリウム(Ce(C11H19O2 )3 )を用
いることにより、その昇華温度は、上述した如く145
°Cと高くなる。
に、該発光中心原料のガス供給管は、気化させるための
温度が高い上記ビスジピバロイルメタン化カルシウム
(Ca(C11H19O2 )2 )等、II族元素原料ガスの供
給管であるのガス供給管31と共通化することもでき
る。こうした配管構成によれば、配管内において原料が
分解したり再固化したりする現象を好適に防止すること
ができるようにもなる。
であるマンガン(Mn)を添加する場合にも、同じ発光
層の構成成分であり且つ同じ価数(2価)であるカルシ
ウム(Ca)の原料と同じガス供給管(ガス供給管3
1)を用いることができるようになる。そしてこれによ
り、マンガン(Mn)とカルシウム(Ca)の置換が促
進されるようにもなる。この場合の製造装置の構成を図
20に示す。
(Mn)の原料にビスシクロペンタジエニルマンガン
(Mn(C5 H5 )2 )を用いている。この原料は固体
であり、昇華温度も高いことから、カルシウム原料と同
一配管(ガス供給管31)を用いても何ら問題はない。
他に、例えばトリカルボニルメチルシクロペンタジエニ
ルマンガン(TCM)等を用いることもできる。そし
て、これら気化温度の低い原料に関しては、III 族元素
原料ガスとそのガス供給管32を共用する構成とするこ
ともできる。
料としてジエチル硫黄(S(C2 H5 )2 )を用いるよ
うにしたが、同VI族元素原料としては他に、アルゴン
(Ar)ガスにて希釈した硫化水素(H2 S)なども用
いることができる。この硫化水素(H2 S)を反応炉2
0内に導入することによっても、セリウム(Ce)添加
の4硫化2ガリウムカルシウム(CaGa2 S4 :C
e)層を成膜することはできる。VI族元素原料として該
硫化水素(H2 S)を用いる場合であれ、上述同様、そ
の供給量を化学量論比よりも過剰量とすることはいうま
でもない。
水素(H2 S)を用いる場合には、その対応する流量調
節器(MFC)にて、硫化水素(H2 S)及びアルゴン
(Ar)の全流量を250cc/minに調節して反応
炉20内に導入する。具体的には、硫化水素(H2 S)
を10cc/min、希釈アルゴン(Ar)ガスを24
0cc/minとする。そして、この原料ガスについて
は、上記ジエチル硫黄(S(C2 H5 )2 )の場合と同
様、ガス供給管33を通じてガラス基板11(正確には
第1絶縁層13)の表面に供給する。このガス供給管3
3におけるガス吹き出し速度も、前述同様、2mm/s
ecである。
素(H2 S)を用いる場合も含め、発光中心元素を添加
するための構成としては、更に図21に例示する装置構
成を採用することもできる。
るように、上記発光中心原料ガスをII族元素原料である
ビスジピバロイルメタン化カルシウム(Ca(C11H19
O2)2 )と共通のガス供給管31を通じてガラス基板
11(正確には第1絶縁層13)の表面に供給するよう
にしている。しかも同装置の場合、先の図19に例示し
た装置とは異なり、III 族元素原料ガスの供給管である
ガス供給管32がこのガス供給管31を取り巻くことな
く、それらガス供給管31及び32が互いに隣り合わせ
となるかたちで反応炉20内に導入される構成を採る。
管の配置並びに形状は、図22に示すように、上記隣り
合わせに配設されるガス供給管31及び32の周囲にVI
族元素原料ガスの供給管であるガス供給管33が配設さ
れるといった比較的簡素な構成にて、上述した気相成長
装置が実現されるようになる。そして、このような簡素
な構成であっても、上述した高い輝度の青色発光EL素
子を作製できることが実験により確認されている。
ス供給管が3系統で済むことは上述した通りであるが、
同ガス供給管についても原料容器と同様、各構成元素の
数だけ用意するようにしても勿論よい。ただしその場合
であれ、その配管構成は、上述した各構成に準じたもの
とする。
板11を540゜Cの一定温度に加熱保持するとした
が、実験によれば、同ガラス基板11の加熱温度とセリ
ウム(Ce)添加の4硫化2ガリウムカルシウム(Ca
Ga2 S4 :Ce)薄膜の成膜速度との関係について、
図23に示されるような結果を得ることができた。
00゜C以下の場合には、上記4硫化2ガリウムカルシ
ウム(CaGa2 S4 )発光層の結晶成長があまり進行
せず、粗悪な薄膜しか得られなかった。
薄膜成長は進行するが、この発光層を用いたEL素子で
は実用的な青色発光輝度を得ることはできなかった。一
方、ガラス基板11の温度の上限は600゜Cであり、
この温度を越えるとガラス基板11に歪みが生じてしま
う。すなわち、この600゜Cという温度は、ガラス基
板11を使用する上での限界温度となる。
黄原料の分解が促進され、化学量論比からずれた硫黄過
剰の発光層が形成される。勿論、発光特性も悪化した。
したがって、高品質の発光層を形成するための同ガラス
基板11の加熱温度としては、300〜600゜Cに限
られる。好ましくは400〜560゜Cの範囲にて発光
層を成形することが望ましい。
かる製造装置でも、上記成膜対象となるガラス基板11
をヒータ付きのサセプタ21に固定しており、熱電対を
用いたフィードバック制御にて、こうした成膜時の基板
温度を管理している。
とは、上記製造装置の設定温度を表し、実際には、原料
ガスの吹き付け等によって、100〜200°C程度低
下しているものと考えられる。なお、ガラス基板11の
加熱温度と発光層薄膜の成膜速度との上述した関係は、
後述する各実施例においても概ね共通する。
内部が50Torrの減圧雰囲気になるようにガスの排
気量をコントロールするとしたが、実験によれば、4硫
化2ガリウムカルシウム(CaGa2 S4 )薄膜を成膜
することのできる圧力範囲は、図24に示されるよう
に、20〜90Torrであった。ただし、90Tor
rのときには、同薄膜を形成することができない場合も
発生した。このため、この成膜圧力としての好適な範囲
は20〜80Torrとなる。また、比較的高速に薄膜
を形成するような場合には、30〜70Torrの圧力
範囲にコントロールされることが望ましい。なお、反応
炉20の内部圧力と発光層薄膜の成膜速度とのこうした
関係も、後述する各実施例において概ね共通する。
る製造装置においても、各原料容器等43〜46の配置
は任意である。図25に、EL素子の発光層を形成する
ためにこれまで一般に用いられてきた従来の有機金属気
相成長(MOCVD)装置の構成を参考までに示す。
VD装置では、ジエチル亜鉛(Zn(C2H5)2)と硫
化水素(H2S)との化合物である硫化亜鉛(ZnS)
に発光中心として例えばジシクロペンタジエニルマンガ
ン(Mn(C5H5)2)を添加したものしか形成するこ
とができなかった。
反応炉200の横に配置されているため、反応炉200
内に供給された原料ガスが排気側に吸引される傾向があ
り、仮に同装置にIII族元素原料ガスの供給管を追加し
たとしても、成膜する条件の違いにより、膜組成の分布
状態は変化してしまう。
にかかるMOCVD装置によれば、従来不可能とされて
いた3元系発光層を気相成長法にて形成する場合であっ
ても、同発光層の組成ズレの少ない均一な発光層を得る
ことができた。
置において、符号201はサセプタ、符号203は圧力
計、符号204はゲートバルブ、符号205はメカニカ
ルブースターポンプ、符号206はロータリーポンプ、
符号301及び302はガス供給管、符号401及び4
03は原料容器、符号501〜503は流量調節器(M
FC)をそれぞれ示している。
L素子を得るために発光中心としてセリウム(Ce)を
使用したが、発光中心としては他に、ユーロビウム(E
u)、マンガン(Mn)、テルビウム(Tb)等を用い
ることもできる。勿論、これら原料を用いる場合には、
発光中心元素の化合物を充填するための原料容器として
もそれぞれ専用のものを使用する必要がある。
て添加することも可能である。この場合も、添加量を調
節することにより白色発光が得られ、これをフィルタリ
ングすることで青色発光が得られるようになる。
施例について説明する。この第3の実施例に基づき製造
されるEL素子も、その断面構造は、先の図1に示した
構造と基本的に同じである。
14の構成材料として、第2の実施例で用いた硫黄
(S)の代わりにセレン(Se)を用い、発光中心とし
てセリウム(Ce)を添加した4セレン化2ガリウムカ
ルシウム(CaGa2 Se 4:Ce)層を成膜する。
L素子100の製造方法について説明する。ガラス基板
11上に第1透明電極12を成膜すること、並びにその
成膜方法、及びこの成膜された第1透明電極12上に五
酸化タンタル(Ta2 O5 )からなる第1絶縁層13を
形成すること、並びにその形成方法は、先の第1或いは
第2の実施例の場合と同様である。
に、4セレン化2ガリウムカルシウム(CaGa2 Se
4 )を母体材料とし、発光中心としてセリウム(Ce)
を添加した4セレン化2ガリウムカルシウム(CaGa
2 Se4 :Ce)発光層を形成する。この発光層14の
形成には、図26に示すMOCVD装置を使用した。
おいても、先の図2或いは図12に示したMOCVD装
置と同一の要素には同一の符号を付して示している。す
なわち、この第3の実施例においても、 (イ)上記第1透明電極12及び第1絶縁層13が形成
されているガラス基板11を反応炉20内の回転数制御
可能なサセプタ21に取り付け、回転制御棒22を介し
てこれを5rpmで回転させる。 (ロ)このガラス基板11については、上記サセプタ2
1を通じて540゜Cの一定温度に保持する。 (ハ)反応炉20の内部は50Torrの減圧雰囲気に
なるように圧力計23にて監視しつつ図示しない圧力調
節器にてガスの排気量をコントロールする。 (ニ)ガスの排気は、ゲートバルブ24、並びにメカニ
カルブースターポンプ25、ロータリーポンプ26を通
じて行う。といった操作を同様に行う。
(1)アルゴン(Ar)キャリアガスを用いたビスジピ
バロイルメタン化カルシウム(Ca(C11H19O2 )2
)を、またIII族元素原料ガスとして、(2)アルゴン
(Ar)キャリアガスを用いたトリエチルガリウム(G
a(C2H5 )3 )を、またVI族元素原料ガスとして、
(3)同じくアルゴン(Ar)キャリアガスを用いたジ
エチルセレン(Se(C2 H5 )2 )を、そして発光中
心原料ガスとして、(4)アルゴン(Ar)キャリアガ
スを用いたトリジピバロイルメタン化セリウム(Ce
(C11H19O2 )3 )を、それぞれ反応炉20内に導入
して、セリウム(Ce)添加の4セレン化2ガリウムカ
ルシウム(CaGa2 Se4 :Ce)薄膜14を形成す
る。
ム(Ga)、及び発光中心であるセリウム(Ce)の供
給方法に関しては、先の第2の実施例にて行った方法と
同様であり、ここでの重複する説明は割愛する。
給する。すなわち、このセレン(Se)の供給方法とし
て、原料にはジエチルセレン(Se(C2 H5 )2 )を
用い、これを液体原料容器47に充填して52°Cに保
温する。そしてこの気化した原料を、流量調節器57に
てガス流量100cc/minに調節したアルゴン(A
r)キャリアを用いて反応炉20内に導入する。この原
料ガスについては、ガス供給管33を通じてガラス基板
11(正確には第1絶縁層13)の表面に供給する。こ
のとき、ガス供給管33におけるガス吹き出し速度は2
mm/secであった。
ム(Ce)を添加した4セレン化2ガリウムカルシウム
(CaGa2 Se4 :Ce)薄膜を成長させる。こうし
て発光層14を形成した後は、先の第1或いは第2の実
施例の場合と同様、その上に、五酸化タンタル(Ta2
O5 )からなる第2絶縁層15を第1絶縁層13と同様
の方法で形成し、更にその上に、酸化亜鉛(ZnO)膜
からなる第2透明電極16を、第1透明電極12と同様
の方法で形成する。
子を作製し、その発光特性を測定した。図27は、国際
照明委員会が提唱する3色表示法に基づくCIE色度座
標を参考までに示すものである。
製したEL素子、すなわち発光中心にセリウム(Ce)
を添加した4硫化2ガリウムカルシウム(CaGa2 S
4 :Ce)発光層を用いたEL素子の場合、この図27
に示すCIE色度座標上での色度が (X,Y)=(0.15,0.20) であるのに対し、この第3の実施例にかかる製造方法に
て作製したEL素子、すなわち発光中心にセリウム(C
e)を添加した4セレン化2ガリウムカルシウム(Ca
Ga2 Se 4:Ce)発光層を用いたEL素子の場合に
は、同図27に示すCIE色度座標上での色度が (X,Y)=(0.12,0.15) となり、より深い青色になった。
元素原料としてジエチルセレン(Se(C2 H5 )2 )
を用いるようにしたが、同VI族元素原料としては他に、
アルゴン(Ar)ガスにて希釈したセレン化水素(H2
Se)なども用いることができる。このセレン化水素
(H2 Se)を反応炉20内に導入することによって
も、セリウム(Ce)添加の4セレン化2ガリウムカル
シウム(CaGa2 Se4:Ce)層を成膜することが
できることが実験により確認されている。
ン化水素(H2 Se)を用いる場合には、その対応する
流量調節器(MFC)にて、セレン化水素(H2 Se)
及びアルゴン(Ar)の全流量を250cc/minに
調節して反応炉20内に導入する。具体的には、セレン
化水素(H2 Se)を10cc/min、希釈アルゴン
(Ar)ガスを240cc/minとする。そして、こ
の原料ガスについても、ガス供給管33を通じてガラス
基板11(正確には第1絶縁層13)の表面に供給す
る。このガス供給管33におけるガス吹き出し速度は上
述同様、2mm/secである。
光中心元素を添加するための構成として他に、図28に
例示する装置構成を採用することができる。すなわちこ
の装置では、同図28に示されるように、上記発光中心
原料ガスをII族元素原料であるビスジピバロイルメタン
化カルシウム(Ca(C11H19O2)2 )と共通のガス
供給管31を通じてガラス基板11(正確には第1絶縁
層13)の表面に供給するようにしている。
も、第3の実施例の装置若しくは製造方法によって得ら
れたEL素子と同等の特性を有するEL素子を得ること
ができた。
施例について説明する。この第4の実施例に基づき製造
されるEL素子も、その断面構造は、先の図1に示した
構造と基本的に同じである。
14の構成材料として、第2の実施例で用いたカルシウ
ム(Ca)の代わりにストロンチウム(Sr)を用い、
発光中心としてセリウム(Ce)を添加した4硫化2ガ
リウムストロンチウム(SrGa2 S4 :Ce)層を成
膜する。
L素子100の製造方法について説明する。ガラス基板
11上に第1透明電極12を成膜すること、並びにその
成膜方法、及びこの成膜された第1透明電極12上に五
酸化タンタル(Ta2 O5 )からなる第1絶縁層13を
形成すること、並びにその形成方法は、先の第1〜第3
の実施例の場合と同様である。
に、4硫化2ガリウムストロンチウム(SrGa2S4)
を母体材料とし、発光中心としてセリウム(Ce)を添
加した4硫化2ガリウムストロンチウム(SrGa2 S
4 :Ce)発光層を形成する。この発光層14の形成に
は、図29に示すMOCVD装置を使用した。
も、先の図2、図12或いは図26に示したMOCVD
装置と同一の要素には同一の符号を付して示している。
すなわち、この第4の実施例においても、 (イ)上記第1透明電極12及び第1絶縁層13が形成
されているガラス基板11を反応炉20内の回転数制御
可能なサセプタ21に取り付け、回転制御棒22を介し
てこれを5rpmで回転させる。 (ロ)このガラス基板11については、上記サセプタ2
1を通じて540゜Cの一定温度に保持する。 (ハ)反応炉20の内部は50Torrの減圧雰囲気に
なるように圧力計23にて監視しつつ図示しない圧力調
節器にてガスの排気量をコントロールする。 (ニ)ガスの排気は、ゲートバルブ24、並びにメカニ
カルブースターポンプ25、ロータリーポンプ26を通
じて行う。といった操作を同様に行う。
(1)アルゴン(Ar)キャリアガスを用いたビスジピ
バロイルメタン化ストロンチウム(Sr(C11H19O2
)2 )を、またIII族元素原料ガスとして、(2)アル
ゴン(Ar)キャリアガスを用いたトリエチルガリウム
(Ga(C2H5 )3 )を、またVI族元素原料ガスとし
て、(3)同じくアルゴン(Ar)キャリアガスを用い
たジエチル硫黄(S(C2 H5 )2 )を、そして発光中
心原料ガスとして、(4)アルゴン(Ar)キャリアガ
スを用いたトリジピバロイルメタン化セリウム(Ce
(C11H19O2 )3 )を、それぞれ反応炉20内に導入
して、セリウム(Ce)添加の4硫化2ガリウムストロ
ンチウム(SrGa2 S4 :Ce)薄膜14を形成す
る。
(S)、及び発光中心であるセリウム(Ce)の供給方
法に関しては、先の第2の実施例にて行った方法と同様
であり、ここでの重複する説明は割愛する。
方法で供給する。すなわち、このストロンチウム(S
r)の供給方法として、原料にはビスジピバロイルメタ
ン化ストロンチウム(Sr(C11H19O2 )2 )を用
い、これを固体原料容器48に充填して230°Cに保
温する。そしてこの昇華した原料を、流量調節器58に
てガス流量1000cc/minに調節したアルゴン
(Ar)キャリアを用いて反応炉20内に導入する。こ
の原料ガスについては、ガス供給管31を通じてガラス
基板11(正確には第1絶縁層13)の表面に供給す
る。なおこのとき、ガス供給管31におけるガス吹き出
し速度は330mm/secであった。
ム(Ce)を添加した4硫化2ガリウムストロンチウム
(SrGa2 S4 :Ce)薄膜を成長させる。こうして
発光層14を形成した後は、先の第1〜第3の実施例の
場合と同様、その上に、五酸化タンタル(Ta2 O5 )
からなる第2絶縁層15を第1絶縁層13と同様の方法
で形成し、更にその上に、酸化亜鉛(ZnO)膜からな
る第2透明電極16を、第1透明電極12と同様の方法
で形成する。
子を作製し、その発光特性を測定した。そして、先の第
2及び第3の実施例にかかるEL素子と比較した。その
結果、発光輝度については、先の第2の実施例にかかる
セリウム(Ce)を添加した4硫化2ガリウムカルシウ
ム(CaGa2 S4 :Ce)を発光層に持つEL素子が
最も高かった。
における青色純度は、この第4の実施例にかかるEL素
子、すなわちセリウム(Ce)を添加した4硫化2ガリ
ウムストロンチウム(SrGa2 S4 :Ce)を発光層
に持つEL素子が最もよく、その座標は、 (X,Y)=(0.13,0.11) であった。
元素原料としてジエチル硫黄(S(C2 H5 )2 )を用
いるようにしたが、同VI族元素原料としても他に、アル
ゴン(Ar)ガスにて希釈した硫化水素(H2 S)など
を用いることができる。この硫化水素(H2 S)を反応
炉20内に導入することによっても、セリウム(Ce)
添加の4硫化2ガリウムストロンチウム(SrGa2 S
4 :Ce)層を成膜することができることが実験により
確認されている。
光中心元素を添加するための構成として他に、図30に
例示する装置構成を採用することができる。すなわちこ
の装置では、同図30に示されるように、上記発光中心
原料ガスであるトリジピバロイルメタン化セリウム(C
e(C11H19O2 )3 )をII族元素原料であるビスジピ
バロイルメタン化ストロンチウム(Sr(C11H19O2
)2)と共通のガス供給管31を通じてガラス基板11
(正確には第1絶縁層13)の表面に供給するようにし
ている。
も、第4の実施例の装置若しくは製造方法によって得ら
れたEL素子と同等の特性を有するEL素子を得ること
ができた。
施例について説明する。この第5の実施例に基づき製造
されるEL素子も、その断面構造は、先の図1に示した
構造と基本的に同じである。
14として、発光中心にセリウム(Ce)と塩素(C
l)を添加した4硫化2ガリウムカルシウム(CaGa
2 S4:Ce,Cl)層を成膜する。
L素子100の製造方法について説明する。この第5の
実施例の場合も、ガラス基板11上に第1透明電極12
を成膜すること、並びにその成膜方法、及びこの成膜さ
れた第1透明電極12上に五酸化タンタル(Ta2 O5
)からなる第1絶縁層13を形成すること、並びにそ
の形成方法は、先の第1〜第4の実施例の場合と同様で
ある。
に、4硫化2ガリウムカルシウム(CaGa2 S4 )を
母体材料とし、発光中心としてセリウム(Ce)と塩素
(Cl)を添加した4硫化2ガリウムカルシウム(Ca
Ga2 S4 :Ce,Cl)発光層を形成する。この発光
層の形成には、図31に示すMOCVD装置を使用し
た。
おいても、先の図2、図12、図26、或いは図29に
示したMOCVD装置と同一の要素には同一の符号を付
して示している。
されているガラス基板11を反応炉20内の回転数制御
可能なサセプタ21に取り付け、回転制御棒22を介し
てこれを5rpmで回転させる。 (ロ)このガラス基板11については、上記サセプタ2
1を通じて540゜Cの一定温度に保持する。 (ハ)反応炉20の内部は50Torrの減圧雰囲気に
なるように圧力計23にて監視しつつ図示しない圧力調
節器にてガスの排気量をコントロールする。 (ニ)ガスの排気は、ゲートバルブ24、並びにメカニ
カルブースターポンプ25、ロータリーポンプ26を通
じて行う。といった操作を同様に行う。
(1)アルゴン(Ar)キャリアガスを用いたビスジピ
バロイルメタン化カルシウム(Ca(C11H19O2)2)
を、またIII族元素原料ガスとして、(2)アルゴン
(Ar)キャリアガスを用いたトリエチルガリウム(G
a(C2H5 )3 )を、またVI族元素原料ガスとして、
(3)同じくアルゴン(Ar)キャリアガスを用いたジ
エチル硫黄(S(C2 H5 )2 )を、そして発光中心原
料ガスとして、(4)アルゴン(Ar)キャリアガスを
用いたトリジピバロイルメタン化セリウム(Ce(C11
H19O2 )3 )を、更にハロゲン元素原料ガスとして、
(5)塩化水素(HCl)を、それぞれ反応炉20内に
導入して、セリウム(Ce)並びに塩素(Cl)を添加
した4硫化2ガリウムカルシウム(CaGa2 S4 :C
e,Cl)薄膜14を形成する。
ム(Ga)、硫黄(S)、及び発光中心であるセリウム
(Ce)の供給方法に関しては、先の第2の実施例にて
行った方法と同様であり、ここでの重複する説明は割愛
する。
する。すなわち、この塩素(Cl)の供給方法として、
原料にはアルゴン(Ar)希釈した塩化水素(HCl)
ガスを、流量調節器59にてガス流量1cc/minに
調節して反応炉20内に導入する。この塩化水素(HC
l)ガスについては、他のガス供給管と独立したガス供
給管34を通じてガラス基板11(正確には第1絶縁層
13)の表面に供給する。
構成元素原料とは独立して供給することにより、発光層
中の塩素(Cl)添加量を容易に調節することができる
ようになる。
する上記ガス供給管34は、その腐食を防止するため
に、電界研磨処理を行ったステンレス製のものを使用す
る。こうした方法、並びに装置を用いて、発光中心にセ
リウム(Ce)並びに塩素(Cl)を添加した4硫化2
ガリウムカルシウム(CaGa2 S4 :Ce,Cl)薄
膜を成長させる。
第1〜第4の実施例の場合と同様、その上に、五酸化タ
ンタル(Ta2 O5 )からなる第2絶縁層15を第1絶
縁層13と同様の方法で形成し、更にその上に、酸化亜
鉛(ZnO)膜からなる第2透明電極16を、第1透明
電極12と同様の方法で形成する。
子を作製し、その発光特性を測定した。その結果、発光
層中の塩素(Cl)/セリウム(Ce)の濃度比が0.
1〜3の範囲であるときに、塩素(Cl)を添加しなか
ったEL素子の発光輝度を上回る輝度を得ることができ
た。
するためのガス供給管31〜33の配管は、先の図15
或いは図16に示した配管態様に準じて、中央に1本ま
たは複数本のII族元素原料用ガス供給管31、その周囲
にIII 族元素原料用ガス供給管32、更にその周囲にVI
族元素原料用ガス供給管33とする。
ついてはこれを、図31に示すように、上記III 族元素
原料用ガス供給管32とVI族元素原料用ガス供給管33
との間に設置する。
ついては、種々の位置を検討し実験したが、このような
配管態様を採った場合に、作製されたEL素子の発光効
率が最も向上した。
略化を図る場合には、このハロゲン元素用ガス供給管3
4を、上記VI族元素原料用ガス供給管33にて共用する
こともできる。そしてその場合には、該共用するVI族元
素原料用ガス供給管33として、上記電界研磨処理を行
ったステンレス製のものを使用することとなる。
の製造方法、並びに製造装置(MOCVD装置)が、上
述した第1〜第4の全ての実施例、或いはその各変形例
に対して適用することができることはいうまでもない。
るEL素子の製造装置(MOCVD装置)では何れも、
サセプタ21に取り付けられたガラス基板11の裏面上
方にガスの排気口を設ける構成としたが、同装置がこの
ような構成に限定されるものでないことは勿論である。
かるEL素子の製造装置(MOCVD装置)を代表とし
て図32に示すように、同ガスの排気口は、上記ガラス
基板11の裏面側方に設けられてもよい。
ス基板11の表面直下から供給されて且つ、同基板11
の裏面方向から排気される構成でさえあれば、それら各
原料ガスの基板11表面に対する均一な供給は保たれ、
反応炉20内でのそれらガス流の制御性も良好に維持さ
れる。
中心元素の原料として、トリジピバロイルメンタン化セ
リウム(Ce(C11H19O2 )3 )などの有機化合物を
用い、II族元素の原料としては、ビスジピバロイルメタ
ン化ストロンチウム(Sr(C11H19O2 )2 )やビス
ジピバロイルメタン化カルシウム(Ca(C11H19O2
)2 )等の有機化合物を用い、更にIII 族元素の原料
としても、トリエチルガリウム(Ga(C2 H5 )3 )
等の有機化合物を用いた。このため、それら元素原料の
気化若しくは昇華温度を好適に下げることができ、ひい
ては上述した各製造装置を通じて容易且つ安定した成膜
を実現することに成功しているが、これら各元素の原料
としては他に、それら元素のアルキルハライド化合物な
ども同様に用いることができる。これらアルキルハライ
ド化合物などによっても、それら元素の気化若しくは昇
華温度を下げることはできる。
素として、例えばストロンチウム(Sr)やカルシウム
(Ca)などのアルカリ土類金属を用いたが、その他の
II族元素であっても、上記に準じた態様で、同様に採用
することはできる。
VI族元素原料として、硫黄(S)またはセレン(Se)
の何れか一方のみを使用する場合について示したが、同
VI族元素原料としては、これら硫黄(S)及びセレン
(Se)の混合物を使用することもできる。
て用いるIII 族元素の原料としては、上記トリエチルガ
リウム(Ga(C2 H5 )3 )以外にも、トリメチルガ
リウム(TMG)、トリアルキルガリウム、トリエトキ
シガリウム(Ga(OEt)3 )、トリジピバロイルメ
タン化ガリウム(Ga(C11H19O2 )3 )、及びトリ
アセチルアセトン化ガリウム(Ga(AcAc)3 )等
の有機化合物のうちの少なくとも1種類を用いることが
できる。
ば、2元系発光層であれ3元系発光層であれ、EL素子
の発光層として、高輝度青色発光が得られる品質の高い
発光層を形成することができるようになる。
熱処理を行う必要がないことから、EL素子の製造にか
かる工程を短略化でき、経済的にも、品質の高いEL素
子をより安価に製造することができるようになる。
成膜初期の結晶性の低い層の厚さを著しく減少すること
ができ、発光閾値電圧を低電圧側に移動させることがで
きるようにもなる。
の断面模式図。
機金属気相成長装置)の構成を示す略図。
加電圧−発光輝度特性を示すグラフ。
造を示す平面略図。
略図。
略図。
略図。
示す略図。
造を示す平面略図。
面略図。
構成を示す略図。
線を照射したときの4硫化ガリウムカルシウムの主ピー
ク強度と硫化ガリウムの主ピーク強度との比に対する発
光輝度の関係を示すグラフ。
印加電圧−発光輝度特性を示すグラフ。
示す平面略図。
面略図。
面略図。
面略図。
を示す略図。
構成例を示す略図。
成例を示す略図。
造を示す平面略図。
ルシウム薄膜の成膜速度との関係を示すグラフ。
ルシウム薄膜の成膜速度との関係を示すグラフ。
置(有機金属気相成長装置)の構成を示す略図。
構成を示す略図。
を示す略図。
構成を示す略図。
を示す略図。
構成を示す略図。
代表として、その排気構造の変形例を示す略図。
面模式図。
電極)、3、13…第1絶縁層、4、14…発光層、
5、15…第2絶縁層、6、16…第2透明電極(第2
電極)、10、100…EL素子、20…反応炉、21
…サセプタ、22…回転制御棒、23…圧力計、24…
ゲートバルブ、25…メカニカルブースターポンプ、2
6…ロータリーポンプ、31、32、33、34…原料
ガス供給管、41、43、44、45、46、47、4
8…原料容器、50(50a〜50c)、51、52、
53、54、55、56、57、58、59…流量調節
器(MFC)。
Claims (27)
- 【請求項1】 絶縁基板の上方に発光層を具えるエレク
トロルミネッセンス素子の製造方法において、 発光層母体材料となるII族元素原料ガス、VI族元素
原料ガス及び発光中心元素原料ガスをそれぞれ反応炉内
に供給し、該反応炉内でこれら原料ガスを反応させる気
相成長法を用いて前記発光層を形成するに、 前記II族元素原料ガスを前記反応炉の中央から供給
し、前記VI族元素原料ガスをその周囲から供給し、 さらに、前記II族元素原料ガスの前記反応炉内でのガ
ス流速を前記VI族元素原料ガスの同反応炉内でのガス
流速よりも速くしたことを特徴とするエレクトロルミネ
ッセンス素子の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載のエレクトロルミネッセン
ス素子の製造方法において、 前記発光中心元素原料ガスについてはこれを、前記II
族元素原料ガスと混合して前記反応炉内に導入すること
を特徴とするエレクトロルミネッセンス素子の製造方
法。 - 【請求項3】 前記II族元素の原料及び前記発光中心
元素の原料として、それら元素の有機化合物を用いるこ
とを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエレク
トロルミネッセンス素子の製造方法。 - 【請求項4】 前記絶縁基板はガラス基板であり、前記
発光層成膜時の基板温度を300°C乃至600°Cと
することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載
のエレクトロルミネッセンス素子の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のエレ
クトロルミネッセンス素子の製造方法において、 前記II族元素原料ガス及び前記VI族元素原料ガスと
独立して、若しくは前記VI族元素原料ガスと混合し
て、ハロゲン元素ガスを前記反応炉内に併せ供給するこ
とを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子の製造方
法。 - 【請求項6】 絶縁基板の上方に発光層を具えるエレク
トロルミネッセンス素子の製造方法において、 発光層母体材料となるII族元素原料ガス、III族元
素原料ガス、VI族元素原料ガス及び発光中心元素原料
ガスをそれぞれ反応炉内に供給し、該反応炉内でこれら
原料ガスを反応させる気相成長法を用いて、前記発光層
を形成し、さらに前記II族元素原料ガスを前記反応炉
の中央から供給し、前記III族元素原料ガスをその周
囲から供給し、前記VI族元素原料ガスを更にその周囲
から供給することを特徴とするエレクトロルミネッセン
ス素子の製造方法。 - 【請求項7】 請求項6記載のエレクトロルミネッセン
ス素子の製造方法において、 前記発光中心元素原料ガスとして元素が3価に属するも
のを用い、同発光中心元素原料ガスについてはこれを、
前記III族元素原料ガスと混合して前記反応炉内に導
入することを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子
の製造方法。 - 【請求項8】 請求項6記載のエレクトロルミネッセン
ス素子の製造方法において、 前記発光中心元素原料ガスとして元素が2価に属するも
のを用い、同発光中心元素原料ガスについてはこれを、
前記II族元素原料ガスと混合して前記反応炉内に導入
することを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子の
製造方法。 - 【請求項9】 絶縁基板の上方に発光層を具えるエレク
トロルミネッセンス素子の製造方法において、 発光層母体材料となるII族元素原料ガス、III族元
素原料ガス、VI族元素原料ガス及び発光中心元素原料
ガスをそれぞれ反応炉内に供給し、該反応炉内でこれら
原料ガスを反応させる気相成長法を用いて、前記発光層
を形成し、さらに 前記II族元素原料ガス、及び前記I
II族元素原料ガスを前記反応炉の中央から供給し、前
記VI族元素原料ガスをそれらの周囲から供給すること
を特徴とするエレクトロルミネッセンス素子の製造方
法。 - 【請求項10】 請求項6または9記載のエレクトロル
ミネッセンス素子の製造方法において、 前記発光中心元素原料ガスについてはこれを、前記II
族元素原料ガスまたは前記III族元素原料ガスのう
ち、同発光中心元素原料ガスの気化温度に近い気化温度
を有する原料ガスと混合して前記反応炉内に導入するこ
とを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子の製造方
法。 - 【請求項11】 絶縁基板の上方に発光層を具えるエレ
クトロルミネッセンス素子の製造方法において、 発光層母体材料となるII族元素原料ガス、III族元
素原料ガス、VI族元素原料ガス及び発光中心元素原料
ガスをそれぞれ反応炉内に供給し、前記反応炉内でこれ
ら原料ガスを反応させる気相成長法を用いて、前記発光
層を形成し、さらに 前記各原料ガスの前記反応炉への供
給時、少なくとも前記II族元素原料ガスの前記反応炉
内でのガス流速を前記VI族元素原料ガスの同反応炉内
でのガス流速よりも速くしたことを特徴とするエレクト
ロルミネッセンス素子の製造方法。 - 【請求項12】 請求項6乃至10のいずれかに記載の
エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、前
記各原料ガスの前記反応炉への供給時、少なくとも前記
II族元素原料ガスの前記反応炉内でのガス流速を前記
VI族元素原料ガスの同反応炉内でのガス流速よりも速
くしたことを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子
の製造方法。 - 【請求項13】 前記II族元素の原料、前記III族
元素の原料及び前記発光中心元素の原料として、それら
元素の有機化合物を用いることを特徴とする請求項6乃
至12のいずれかに記載のエレクトロルミネッセンス素
子の製造方法。 - 【請求項14】 前記絶縁基板はガラス基板であり、前
記発光層成膜時の基板温度を300°C乃至600°C
とすることを特徴とする請求項6乃至13のいずれかに
記載のエレクトロルミネッセンス素子の製造方法。 - 【請求項15】 絶縁基板の上方に発光層を具えるエレ
クトロルミネッセンス素子の製造方法において、 発光層母体材料となるII族元素原料ガス、III族元
素原料ガス、VI族元素原料ガス及び発光中心元素原料
ガスをそれぞれ反応炉内に供給し、前記反応炉内でこれ
ら原料ガスを反応させる気相成長法を用いて、前記発光
層を形成し、さらに 前記発光層成膜時の前記反応炉内の
圧力を20乃至90Torrとすること を特徴とするエ
レクトロルミネッセンス素子の製造方法。 - 【請求項16】 前記発光層成膜時の前記反応炉内の圧
力を20乃至90Torrとすることを特徴とする請求
項6乃至14のいずれかに記載のエレクトロルミネッセ
ンス素子の製造方法。 - 【請求項17】 絶縁基板の上方に発光層を具えるエレ
クトロルミネッセンス素子の製造方法において、 発光層母体材料となるII族元素原料ガス、III族元
素原料ガス、VI族元素原料ガス及び発光中心元素原料
ガスをそれぞれ反応炉内に供給し、前記反応炉内でこれ
ら原料ガスを反応させる気相成長法を用いて、前記発光
層を形成し、さらに 前記II族元素原料ガス、前記II
I族元素原料ガス及び前記VI族元素原料ガスと独立し
て、若しくは前記VI族元素原料ガスと混合して、ハロ
ゲン元素ガスを前記反応炉内に併せ供給することを特徴
とするエレクトロルミネッセンス素子の製造方法。 - 【請求項18】 請求項6乃至16のいずれかに記載の
エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、 前記II族元素原料ガス、前記III族元素原料ガス及
び前記VI族元素原料ガスと独立して、若しくは前記V
I族元素原料ガスと混合して、ハロゲン元素ガスを前記
反応炉内に併せ供給することを特徴とするエレクトロル
ミネッセンス素子の製造方法。 - 【請求項19】 絶縁基板上に第1電極、第1絶縁層、
発光層、第2絶縁層、及び第2電極を、少なくとも光取
り出し側の材料を光学的に透明なものにて形成して順次
積層するエレクトロルミネッセンス素子の前記発光層を
気相成長法によって形成する装置であって、 反応炉と、 該反応炉内に配設されて、前記第1電極及び前記第1絶
縁層が積層された絶縁基板を支持するサセプタと、 同反応炉内に発光層母体材料となるII族元素原料ガス
を供給するための第1のガス供給管と、 同反応炉内に発光層母体材料となるVI族元素原料ガス
を供給するための第2のガス供給管と、 同反応炉内に発光中心元素原料ガスを供給するための第
3のガス供給管と、 これら供給されるガスを同反応炉から排気するための排
気口と、 を具え、 前記第1のガス供給管は、前記反応炉の中央に、そのガ
ス吹き出し口が前記支持された基板の表面に対向するよ
う配設され、前記第2のガス供給管は該第1のガス供給
管の周囲に配設され、 前記反応炉内に発光層母体材料となるIII族元素原料
ガスを供給するための第4のガス供給管を更に具え、 前記第2のガス供給管は、該第4のガス供給管の周囲に
配設されることを特徴とするエレクトロルミネッセンス
素子の製造装置。 - 【請求項20】 請求項19記載のエレクトロルミネッ
センス素子の製造装置において、 前記反応炉内に発光層母体材料となるIII族元素原料
ガスを供給するための第4のガス供給管を更に具え、 該第4のガス供給管は、前記第1のガス供給管の周囲に
配設され、前記第2のガス供給管は、該第4のガス供給
管の周囲に配設されることを特徴とするエレクトロルミ
ネッセンス素子の製造装置。 - 【請求項21】 前記発光元素として3価に属する元素
が用いられるとき、前記第4のガス供給管は、前記発光
中心元素原料ガスを供給するための第3のガス供給管と
共用されるものである請求項19または20記載のエレ
クトロルミネッセンス素子の製造装置。 - 【請求項22】 前記発光中心元素として2価に属する
元素が用いられるとき、前記第1のガス供給管は、前記
発光中心元素原料ガスを供給するための第3のガス供給
管と共用されるものである請求項19または20記載の
エレクトロルミネッセンス素子の製造装置。 - 【請求項23】 前記発光中心元素原料の気化温度が前
記II族元素原料の気化温度に近いとき、前記発光中心
元素原料ガスを供給するための第3のガス供給管は前記
第1のガス供給管と共用され、前記発光中心元素原料の
気化温度が前記III族元素原料の気化温度に近いと
き、前記発光中心元素原料ガスを供給するための第3の
ガス供給管は前記第4のガス供給管と共用される請求項
19または20記載のエレクトロルミネッセンス素子の
製造装置。 - 【請求項24】 前記第1のガス供給管は、そのガス吹
き出し口が他のガス供給管のガス吹き出し口に比べて前
記支持された基板の表面に最も近づくように配設される
請求項19乃至23のいずれかに記載のエレクトロルミ
ネッセンス素子の製造装置。 - 【請求項25】 請求項19乃至24のいずれかに記載
のエレクトロルミネッセンス素子の製造装置において、
前記反応炉内にハロゲン元素を含有する元素を供給する
ための第5のガス供給管を更に具えることを特徴とする
エレクトロルミネッセンス素子の製造装置。 - 【請求項26】 前記排気口は、前記反応炉において前
記支持された基板の裏面に位置するよう配設されるもの
である請求項19乃至25いずれかに記載のエレクトロ
ルミネッセンス素子の製造装置。 - 【請求項27】 前記額ガス供給管と、基板と、前記排
気口とが略直線上に配置されているものである請求項2
6に記載のエレクトロルミネッセンス素子の製造装置。
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US08/841,334 US6004618A (en) | 1994-04-26 | 1997-04-30 | Method and apparatus for fabricating electroluminescent device |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-88923 | 1994-04-26 | ||
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---|---|
JPH0817575A JPH0817575A (ja) | 1996-01-19 |
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ID=26366558
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---|---|---|---|
JP7028448A Expired - Lifetime JP2900814B2 (ja) | 1994-04-26 | 1995-02-16 | エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び製造装置 |
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---|---|---|---|---|
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JPH02239187A (ja) * | 1989-03-14 | 1990-09-21 | Nippon Steel Corp | 気相成長方法および装置 |
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US5309070A (en) * | 1991-03-12 | 1994-05-03 | Sun Sey Shing | AC TFEL device having blue light emitting thiogallate phosphor |
JP3133829B2 (ja) * | 1992-06-30 | 2001-02-13 | 株式会社デンソー | Elディスプレイ素子の製造方法 |
-
1995
- 1995-02-16 JP JP7028448A patent/JP2900814B2/ja not_active Expired - Lifetime
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