JPH056792A - 蛍光体薄膜の製造方法 - Google Patents
蛍光体薄膜の製造方法Info
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- JPH056792A JPH056792A JP3156573A JP15657391A JPH056792A JP H056792 A JPH056792 A JP H056792A JP 3156573 A JP3156573 A JP 3156573A JP 15657391 A JP15657391 A JP 15657391A JP H056792 A JPH056792 A JP H056792A
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- phosphor thin
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高効率の蛍光体薄膜を得ることを目的とす
る。 【構成】 各原料の供給はガス輸送によって行なわれ
る。Zn蒸気とS蒸気を基板10に同時に供給して3〜
100Åの厚みのZnS母体を形成した後、ストップバ
ルブ15を操作してZn蒸気とS蒸気の供給を停止し、
次に塩化マンガン蒸気を供給する。ZnS母体に塩化マ
ンガンを化学吸着させた後、硫化水素ガス14を供給し
て基板表面における化学反応によりMnSとする。上記
工程を繰り返し所定の厚みとする事によって高効率のZ
nS:Mn蛍光体薄膜を製造できる。
る。 【構成】 各原料の供給はガス輸送によって行なわれ
る。Zn蒸気とS蒸気を基板10に同時に供給して3〜
100Åの厚みのZnS母体を形成した後、ストップバ
ルブ15を操作してZn蒸気とS蒸気の供給を停止し、
次に塩化マンガン蒸気を供給する。ZnS母体に塩化マ
ンガンを化学吸着させた後、硫化水素ガス14を供給し
て基板表面における化学反応によりMnSとする。上記
工程を繰り返し所定の厚みとする事によって高効率のZ
nS:Mn蛍光体薄膜を製造できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蛍光体薄膜の製造方
法、特に、薄型で表示の視認性が優れ、OA機器等の端
末ディスプレイとして最適である薄膜EL素子の高輝度
蛍光体薄膜の製造方法に関するものである。
法、特に、薄型で表示の視認性が優れ、OA機器等の端
末ディスプレイとして最適である薄膜EL素子の高輝度
蛍光体薄膜の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、薄膜EL素子の蛍光体薄膜の母体
材料として、硫化亜鉛、硫化カルシウム、硫化ストロン
チウム、セレン化亜鉛、セレン化ストロンチウム等のI
I−VI族化合物半導体が、また、母体材料に添加する
発光中心として、マンガンやテルビウム、サマリウム、
ツリウム、ユーロビウム、セリウム等の希土類元素が知
られている。
材料として、硫化亜鉛、硫化カルシウム、硫化ストロン
チウム、セレン化亜鉛、セレン化ストロンチウム等のI
I−VI族化合物半導体が、また、母体材料に添加する
発光中心として、マンガンやテルビウム、サマリウム、
ツリウム、ユーロビウム、セリウム等の希土類元素が知
られている。
【0003】より高い発光効率の蛍光体薄膜を得るため
には高純度の化合物半導体母体を結晶性や薄膜組成を損
ねる事なく、一般的にはアモルファス構造を有する絶縁
体薄膜の上に堆積させるとともに、これに反し、母体薄
膜の結晶性や薄膜組成を損ねるもとになる所定の構造を
有する高濃度の発光中心を母体薄膜中に添加する必要が
ある。このため、高効率の蛍光体薄膜を得るためには製
造方法に特に工夫を要する。
には高純度の化合物半導体母体を結晶性や薄膜組成を損
ねる事なく、一般的にはアモルファス構造を有する絶縁
体薄膜の上に堆積させるとともに、これに反し、母体薄
膜の結晶性や薄膜組成を損ねるもとになる所定の構造を
有する高濃度の発光中心を母体薄膜中に添加する必要が
ある。このため、高効率の蛍光体薄膜を得るためには製
造方法に特に工夫を要する。
【0004】蛍光体薄膜の製造には従来、電子ビーム蒸
着法、抵抗線加熱蒸着法、スパッタ法に代表される物理
的な薄膜堆積法や気相成長法、原子層エピタキシャル法
に代表される化学的な薄膜堆積法が用いられている。
着法、抵抗線加熱蒸着法、スパッタ法に代表される物理
的な薄膜堆積法や気相成長法、原子層エピタキシャル法
に代表される化学的な薄膜堆積法が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
製造法において、物理的な薄膜堆積法では熱的に非平衡
な条件で薄膜が堆積されるために一般に薄膜組成が化学
量論的な組成比からずれやすい課題が、また、化学的な
薄膜堆積法では、一般にハロゲン化物や有機金属に代表
されるように堆積する薄膜を構成する以外の元素を含む
化合物や反応ガスが使用されるために蛍光体薄膜中で発
光に寄与しない不純物となり得る元素が混入し、発光特
性に悪影響を及ぼす課題がある。更に、これまで用いら
れてきた蛍光体薄膜の製造法では蛍光体薄膜のうちの母
体を構成する元素や化合物と発光中心を構成する元素や
化合物が同時に供給されていたために、基板表面や基板
表面以外の様々な場所で複雑で多様な化学反応が生じ、
基板表面で起る蛍光体薄膜の成長に関与する原子種ある
いは分子種が複雑で多様となるために、蛍光体薄膜母体
中に添加された発光中心や電荷補償剤の形状、並びに蛍
光体母体中に添加される位置がばらつく原因になるだけ
でなく、蛍光体母体の結晶性を損ね、組成をずらせる原
因になり、所望とする高効率の発光を示す蛍光体薄膜を
再現性よく得ることが困難となる課題があった。
製造法において、物理的な薄膜堆積法では熱的に非平衡
な条件で薄膜が堆積されるために一般に薄膜組成が化学
量論的な組成比からずれやすい課題が、また、化学的な
薄膜堆積法では、一般にハロゲン化物や有機金属に代表
されるように堆積する薄膜を構成する以外の元素を含む
化合物や反応ガスが使用されるために蛍光体薄膜中で発
光に寄与しない不純物となり得る元素が混入し、発光特
性に悪影響を及ぼす課題がある。更に、これまで用いら
れてきた蛍光体薄膜の製造法では蛍光体薄膜のうちの母
体を構成する元素や化合物と発光中心を構成する元素や
化合物が同時に供給されていたために、基板表面や基板
表面以外の様々な場所で複雑で多様な化学反応が生じ、
基板表面で起る蛍光体薄膜の成長に関与する原子種ある
いは分子種が複雑で多様となるために、蛍光体薄膜母体
中に添加された発光中心や電荷補償剤の形状、並びに蛍
光体母体中に添加される位置がばらつく原因になるだけ
でなく、蛍光体母体の結晶性を損ね、組成をずらせる原
因になり、所望とする高効率の発光を示す蛍光体薄膜を
再現性よく得ることが困難となる課題があった。
【0006】本発明は、前記従来の蛍光体薄膜の製造方
法の課題を考慮し、所望とする良質の蛍光体薄膜を再現
性良く製造できる蛍光薄膜の製造方法を提供することを
目的とする。
法の課題を考慮し、所望とする良質の蛍光体薄膜を再現
性良く製造できる蛍光薄膜の製造方法を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、蛍光体薄膜に
おいて母体薄膜材料の形成と発光中心材料の添加とを個
別に行うものであって、発光中心となり得る元素または
分子を、基板表面に交互に間欠的に供給された2種類以
上の元素または化合物の基板表面に於ける化学反応によ
って形成して、前記母体に添加する。
おいて母体薄膜材料の形成と発光中心材料の添加とを個
別に行うものであって、発光中心となり得る元素または
分子を、基板表面に交互に間欠的に供給された2種類以
上の元素または化合物の基板表面に於ける化学反応によ
って形成して、前記母体に添加する。
【0008】
【作用】本発明は、母体薄膜材料の形成と発光中心材料
の添加とを個別に行い、発光中心となり得る元素または
分子を、基板表面に交互に間欠的に供給した2種類以上
の元素または化合物の基板表面に於ける化学反応によっ
て形成して前記母体に添加する事によって結晶性にすぐ
れ、薄膜組成のずれもない良質の蛍光体母体薄膜が形成
できるとともに、良質の母体薄膜中に望ましい構造を有
する高濃度の発光中心を添加でき、高輝度、高効率の蛍
光体薄膜を再現性よく製造することができる。
の添加とを個別に行い、発光中心となり得る元素または
分子を、基板表面に交互に間欠的に供給した2種類以上
の元素または化合物の基板表面に於ける化学反応によっ
て形成して前記母体に添加する事によって結晶性にすぐ
れ、薄膜組成のずれもない良質の蛍光体母体薄膜が形成
できるとともに、良質の母体薄膜中に望ましい構造を有
する高濃度の発光中心を添加でき、高輝度、高効率の蛍
光体薄膜を再現性よく製造することができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
て説明する。
【0010】図1は本発明にかかる蛍光体薄膜の製造法
の一実施例に用いられる製造方法及び石英反応管の温度
分布を示す図である。
の一実施例に用いられる製造方法及び石英反応管の温度
分布を示す図である。
【0011】蛍光体薄膜母体として硫化亜鉛を亜鉛蒸気
と硫黄蒸気の化学反応で形成し、発光中心をマンガンの
塩化物蒸気と硫化水素ガスとの化学反応によって形成さ
れる硫化マンガンとして得られる蛍光体薄膜(以下,Z
nS:Mn蛍光体薄膜と記述する。)の場合であって、
輸送ガスをアルゴンガスとする気相成長法を用いた場合
について説明する。
と硫黄蒸気の化学反応で形成し、発光中心をマンガンの
塩化物蒸気と硫化水素ガスとの化学反応によって形成さ
れる硫化マンガンとして得られる蛍光体薄膜(以下,Z
nS:Mn蛍光体薄膜と記述する。)の場合であって、
輸送ガスをアルゴンガスとする気相成長法を用いた場合
について説明する。
【0012】蛍光体薄膜の気相成長のために用いた装置
は、図1(a)に示すように、長さ50cm、内径2c
mの内管1、2を2本有し、内管を含めて4箇所のガス
導入口を有する長さ1m、内径5cmの石英反応管3を
電気炉4に納めた本体と、石英反応管3の内部を真空排
気するための油回転ポンプ5と、石英反応管3の内部の
圧力を調整するための主バルブ6、各々の蒸気を輸送す
るためのアルゴンガスボンベ7とガスの流量を調整する
流量制御器8等を有する。石英反応管3の内部の、流通
させるガスの下流部位には石英製の基板ホルダー9を配
置し、ガラス上に、錫を添加した酸化インジウム薄膜、
酸窒化珪素薄膜を順次堆積させたエレクトロルミネッセ
ンス用の基板10を配置させている。
は、図1(a)に示すように、長さ50cm、内径2c
mの内管1、2を2本有し、内管を含めて4箇所のガス
導入口を有する長さ1m、内径5cmの石英反応管3を
電気炉4に納めた本体と、石英反応管3の内部を真空排
気するための油回転ポンプ5と、石英反応管3の内部の
圧力を調整するための主バルブ6、各々の蒸気を輸送す
るためのアルゴンガスボンベ7とガスの流量を調整する
流量制御器8等を有する。石英反応管3の内部の、流通
させるガスの下流部位には石英製の基板ホルダー9を配
置し、ガラス上に、錫を添加した酸化インジウム薄膜、
酸窒化珪素薄膜を順次堆積させたエレクトロルミネッセ
ンス用の基板10を配置させている。
【0013】上記石英反応管3の内部へ、蛍光体薄膜を
構成する材料蒸気を導入することによって、基板10上
に蛍光体薄膜を形成する。
構成する材料蒸気を導入することによって、基板10上
に蛍光体薄膜を形成する。
【0014】以下、蛍光体薄膜を形成するための材料の
石英反応管3内部への導入方法を説明する。硫黄蒸気
は、蒸発量を安定にするために電気炉4の外部に電気炉
とは独立した加熱手段をもつ硫黄気化装置11を設けA
rキャリアガスを用いることによって石英反応管3内へ
導入する。2本の内管1、2には各々、母体を構成する
金属亜鉛12、発光中心を形成するための塩化マンガン
(MnCl3)粉末13を石英製のボートに仕込んで配
置し、各々を電気炉4によって加熱、蒸気化し、アルゴ
ンガスを流通させることによって基板10へ供給する。
硫化水素ガスは硫化水素ガスボンベ14より供給し、ア
ルゴンガスで10%に希釈して導入口より石英反応管3
内へ導入する。
石英反応管3内部への導入方法を説明する。硫黄蒸気
は、蒸発量を安定にするために電気炉4の外部に電気炉
とは独立した加熱手段をもつ硫黄気化装置11を設けA
rキャリアガスを用いることによって石英反応管3内へ
導入する。2本の内管1、2には各々、母体を構成する
金属亜鉛12、発光中心を形成するための塩化マンガン
(MnCl3)粉末13を石英製のボートに仕込んで配
置し、各々を電気炉4によって加熱、蒸気化し、アルゴ
ンガスを流通させることによって基板10へ供給する。
硫化水素ガスは硫化水素ガスボンベ14より供給し、ア
ルゴンガスで10%に希釈して導入口より石英反応管3
内へ導入する。
【0015】基板10、亜鉛、硫黄、塩化マンガンの加
熱温度は各々500℃、550℃、200℃、750℃
とした。
熱温度は各々500℃、550℃、200℃、750℃
とした。
【0016】石英反応管3の温度分布は図1(b)に示
すようになっているとする。
すようになっているとする。
【0017】上記の気相成長において、まず蛍光体薄膜
の母体を形成する硫化亜鉛薄膜を成長させた。亜鉛の蒸
気を輸送するアルゴンガスの流量を100sccm、硫
黄の蒸気を輸送するアルゴンガスの流量を50〜500
sccmとし、同時に基板10に供給する事で硫化亜鉛
薄膜を形成することができた。3〜100Åの厚みの硫
化亜鉛蛍光体母体薄膜を形成した後、ストップバルブ1
5を操作して、亜鉛蒸気と硫黄蒸気の基板10への供給
を停止し、次に塩化マンガン蒸気を供給した。塩化マン
ガンの蒸気を供給するアルゴンガスの流量を0.1〜1
0sccmとし、供給時間を0.1〜10秒として、先
に形成した硫化亜鉛薄膜の表面に塩化マンガンを化学吸
着させた。塩化マンガンの供給を止めた後、塩素成分の
除去と硫化マンガンの形成のために硫化水素ガスを供給
した。上記工程を繰り返し行なうことによって500n
mの厚みの、マンガンが添加された硫化亜鉛蛍光体薄膜
を形成することができた。硫黄ガスの供給量を変えるこ
とによって、ZnS蛍光体母体薄膜の結晶性と組成を、
塩化マンガンの供給量と供給時間を変えることによって
硫化亜鉛薄膜中のマンガンの添加量を制御することがで
きた。また、硫化水素の供給量や供給時間を変えること
によってZnS:Mn蛍光体薄膜中で不純物となる塩素
の混入量を制御する事ができた。
の母体を形成する硫化亜鉛薄膜を成長させた。亜鉛の蒸
気を輸送するアルゴンガスの流量を100sccm、硫
黄の蒸気を輸送するアルゴンガスの流量を50〜500
sccmとし、同時に基板10に供給する事で硫化亜鉛
薄膜を形成することができた。3〜100Åの厚みの硫
化亜鉛蛍光体母体薄膜を形成した後、ストップバルブ1
5を操作して、亜鉛蒸気と硫黄蒸気の基板10への供給
を停止し、次に塩化マンガン蒸気を供給した。塩化マン
ガンの蒸気を供給するアルゴンガスの流量を0.1〜1
0sccmとし、供給時間を0.1〜10秒として、先
に形成した硫化亜鉛薄膜の表面に塩化マンガンを化学吸
着させた。塩化マンガンの供給を止めた後、塩素成分の
除去と硫化マンガンの形成のために硫化水素ガスを供給
した。上記工程を繰り返し行なうことによって500n
mの厚みの、マンガンが添加された硫化亜鉛蛍光体薄膜
を形成することができた。硫黄ガスの供給量を変えるこ
とによって、ZnS蛍光体母体薄膜の結晶性と組成を、
塩化マンガンの供給量と供給時間を変えることによって
硫化亜鉛薄膜中のマンガンの添加量を制御することがで
きた。また、硫化水素の供給量や供給時間を変えること
によってZnS:Mn蛍光体薄膜中で不純物となる塩素
の混入量を制御する事ができた。
【0018】次に蛍光体薄膜の上に、SiON薄膜を金
属珪素をターゲット、窒素と一酸化窒素との混合ガスを
スパッタガスとする反応性スパッタを用いて200nm
の厚さに形成し、最後にAl背面電極をEB蒸着法で付
け、薄膜EL素子を完成した。 本発明の1実施例にか
かる上記薄膜EL素子に於て、発光特性を調べた。周波
数1kHZ、パルス幅30μsの対称パルス電圧を上記
EL素子に印加し、発光輝度並びに発光効率を調べた。
その結果を図2に示した。4000cd/m2、51m
/W以上の高輝度、高効率を得ることができた。さら
に、電圧に対する輝度特性の曲線の傾きも従来の蛍光体
薄膜の製造方法に比較して急峻であり、発光が開始する
電圧も低電圧となり、エレクトロルミネッセンスディス
プレイパネルへの適用に対して好ましい結果となった。
上記の好ましい特性が得られたことは、結晶性が良く組
成のずれもない蛍光体母体薄膜の形成と、母体中で好ま
しい状態のマンガン発光中心が形成された良質の蛍光体
薄膜が得られたことを示している。
属珪素をターゲット、窒素と一酸化窒素との混合ガスを
スパッタガスとする反応性スパッタを用いて200nm
の厚さに形成し、最後にAl背面電極をEB蒸着法で付
け、薄膜EL素子を完成した。 本発明の1実施例にか
かる上記薄膜EL素子に於て、発光特性を調べた。周波
数1kHZ、パルス幅30μsの対称パルス電圧を上記
EL素子に印加し、発光輝度並びに発光効率を調べた。
その結果を図2に示した。4000cd/m2、51m
/W以上の高輝度、高効率を得ることができた。さら
に、電圧に対する輝度特性の曲線の傾きも従来の蛍光体
薄膜の製造方法に比較して急峻であり、発光が開始する
電圧も低電圧となり、エレクトロルミネッセンスディス
プレイパネルへの適用に対して好ましい結果となった。
上記の好ましい特性が得られたことは、結晶性が良く組
成のずれもない蛍光体母体薄膜の形成と、母体中で好ま
しい状態のマンガン発光中心が形成された良質の蛍光体
薄膜が得られたことを示している。
【0019】以上の実施例では、蛍光体薄膜母体材料を
硫化亜鉛、発光中心材料をマンガンとし、アルゴンガス
を輸送ガスとした気相成長法を用いて蛍光体薄膜を形成
した場合について記述したが、本発明は、蛍光体薄膜に
おいて、母体薄膜の形成と発光中心の添加とを個別に行
い、発光中心となり得る元素または分子を、間欠制御し
て基板表面に供給された2種類以上の元素または化合物
の基板表面に於ける化学反応によって形成して前記母体
に添加することを特徴とした蛍光体薄膜の製造方法に関
する。従って、蛍光体薄膜母体材料の形成と、発光中心
の添加とが個別に行われ、発光中心が基板表面に交互に
間欠的に供給された2種類以上の元素または化合物の基
板表面に於ける化学反応によって形成されて蛍光体母体
薄膜に添加されておれば良く、蛍光体薄膜母体材料や発
光中心材料、さらには蛍光体薄膜母体材料や発光中心材
料を形成するための原材料について、さらには、蛍光体
薄膜母体材料と発光中心材料の形成原理について、特に
制限されるものではない。例えば上記方法において、発
光中心を形成する材料を塩化マンガンに代えて希土類元
素のハロゲン化物、硫化水素ガスに代えて水素化燐や水
素のカルコゲン化合物とする事によって、硫化亜鉛蛍光
体母体中に希土類元素の燐化物やハロゲンカルコゲン化
物を添加することができる。発光中心を形成するための
ハロゲン化物蒸気は発光中心を構成する金属をハロゲン
化ガスの流通雰囲気下で加熱することでも供給できるこ
とは言うまでもない。また、亜鉛に代えてアルカリ土類
金属やアルカリ土類金属化合物とすることによって、上
記発光中心のうちの1種類以上の発光中心を添加した硫
化カルシウムや硫化ストロンチウムを蛍光体薄膜母体と
する蛍光体薄膜も形成することができる。
硫化亜鉛、発光中心材料をマンガンとし、アルゴンガス
を輸送ガスとした気相成長法を用いて蛍光体薄膜を形成
した場合について記述したが、本発明は、蛍光体薄膜に
おいて、母体薄膜の形成と発光中心の添加とを個別に行
い、発光中心となり得る元素または分子を、間欠制御し
て基板表面に供給された2種類以上の元素または化合物
の基板表面に於ける化学反応によって形成して前記母体
に添加することを特徴とした蛍光体薄膜の製造方法に関
する。従って、蛍光体薄膜母体材料の形成と、発光中心
の添加とが個別に行われ、発光中心が基板表面に交互に
間欠的に供給された2種類以上の元素または化合物の基
板表面に於ける化学反応によって形成されて蛍光体母体
薄膜に添加されておれば良く、蛍光体薄膜母体材料や発
光中心材料、さらには蛍光体薄膜母体材料や発光中心材
料を形成するための原材料について、さらには、蛍光体
薄膜母体材料と発光中心材料の形成原理について、特に
制限されるものではない。例えば上記方法において、発
光中心を形成する材料を塩化マンガンに代えて希土類元
素のハロゲン化物、硫化水素ガスに代えて水素化燐や水
素のカルコゲン化合物とする事によって、硫化亜鉛蛍光
体母体中に希土類元素の燐化物やハロゲンカルコゲン化
物を添加することができる。発光中心を形成するための
ハロゲン化物蒸気は発光中心を構成する金属をハロゲン
化ガスの流通雰囲気下で加熱することでも供給できるこ
とは言うまでもない。また、亜鉛に代えてアルカリ土類
金属やアルカリ土類金属化合物とすることによって、上
記発光中心のうちの1種類以上の発光中心を添加した硫
化カルシウムや硫化ストロンチウムを蛍光体薄膜母体と
する蛍光体薄膜も形成することができる。
【0020】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、蛍光体母
体薄膜の形成と発光中心の形成や添加を独立に制御する
ことが可能であり、良質の母体薄膜に好ましい形状の発
光中心の添加を可能とし、高輝度、高効率の蛍光体薄膜
を製造することができ、実用的価値は大きい。
体薄膜の形成と発光中心の形成や添加を独立に制御する
ことが可能であり、良質の母体薄膜に好ましい形状の発
光中心の添加を可能とし、高輝度、高効率の蛍光体薄膜
を製造することができ、実用的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における蛍光体薄膜の製造方
法に用いれらる装置の模式的断面図である。
法に用いれらる装置の模式的断面図である。
【図2】本発明の一実施例における発光特性の図であ
る。
る。
1、2 内管
3 石英反応管
4 電気炉
5 油回転ポンプ
6 主バルブ
7 アルゴンガスボンベ
8 流量制御器
9 基板ホルダー
10 基板
11 硫黄気化装置
12 金属亜鉛
13 塩化マンガン
14 硫化水素ガスボンベ
15 ストップバルブ
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 松岡 富造
大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器
産業株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 化合物半導体である蛍光体母体薄膜の形
成と、化合物半導体中で蛍光体の発光中心となり得る元
素または分子の添加とを個別に行う蛍光体薄膜の製造方
法であって、前記発光中心となり得る元素または分子
を、基板表面に交互に間欠的に供給された2種類以上の
元素または化合物の基板表面に於ける化学反応によっ
て、前記蛍光体薄膜母体に添加することを特徴とする蛍
光体薄膜の製造方法。 - 【請求項2】 化合物半導体である蛍光体薄膜母体を、
化学反応の結果母体を形成し得る元素または化合物の蒸
気を基板表面に供給して形成し、発光中心を、化学反応
の結果発光中心を形成し得る元素または化合物の蒸気を
前記基板表面に供給する事によって形成することを特徴
とする請求項1記載の蛍光体薄膜の製造方法。 - 【請求項3】 蛍光体薄膜母体と発光中心とを、水素ま
たは不活性ガスを輸送ガスとした気相成長法によって形
成することを特徴とする請求項2記載の蛍光体薄膜の製
造方法。 - 【請求項4】 化合物半導体である蛍光体薄膜母体を、
化学反応の結果母体を構成する元素の蒸気を基板表面に
供給して形成し、発光中心を、化学反応の結果発光中心
を形成し得る元素のハロゲン化物蒸気と水素のカルコゲ
ン化合物とを前記基板表面に供給する事によって形成す
ることを特徴とする請求項1記載の蛍光体薄膜の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3156573A JPH056792A (ja) | 1991-06-27 | 1991-06-27 | 蛍光体薄膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3156573A JPH056792A (ja) | 1991-06-27 | 1991-06-27 | 蛍光体薄膜の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH056792A true JPH056792A (ja) | 1993-01-14 |
Family
ID=15630724
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3156573A Pending JPH056792A (ja) | 1991-06-27 | 1991-06-27 | 蛍光体薄膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH056792A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001072402A (ja) * | 1999-08-05 | 2001-03-21 | Patent Treuhand Ges Elektr Gluehlamp Mbh | 酸化物ナノクリスタルを製造するための方法及び装置、その使用及び照射装置用の蛍光体 |
JP2001244507A (ja) * | 1999-09-27 | 2001-09-07 | Lumileds Lighting Us Llc | 薄膜の燐光変換発光ダイオードデバイス |
-
1991
- 1991-06-27 JP JP3156573A patent/JPH056792A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001072402A (ja) * | 1999-08-05 | 2001-03-21 | Patent Treuhand Ges Elektr Gluehlamp Mbh | 酸化物ナノクリスタルを製造するための方法及び装置、その使用及び照射装置用の蛍光体 |
JP2001244507A (ja) * | 1999-09-27 | 2001-09-07 | Lumileds Lighting Us Llc | 薄膜の燐光変換発光ダイオードデバイス |
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