JPH0752669B2 - エレクトロルミネッセンス発光膜の気相成長法 - Google Patents
エレクトロルミネッセンス発光膜の気相成長法Info
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- JPH0752669B2 JPH0752669B2 JP63304820A JP30482088A JPH0752669B2 JP H0752669 B2 JPH0752669 B2 JP H0752669B2 JP 63304820 A JP63304820 A JP 63304820A JP 30482088 A JP30482088 A JP 30482088A JP H0752669 B2 JPH0752669 B2 JP H0752669B2
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は薄膜EL(エレクトロルミネッセンス)素子に
使用するエレクトロルミネッセンス発光膜の気相成長法
に関する。
使用するエレクトロルミネッセンス発光膜の気相成長法
に関する。
<従来の技術> 従来、エレクトロルミネッセンス発光膜(本明細書では
以下、発光膜と略す。)の成長方法としては次のような
方法が知られている。すなわち、 ZnSとMnの混合焼結ペレットを材料とする電子ビー
ム蒸着法。
以下、発光膜と略す。)の成長方法としては次のような
方法が知られている。すなわち、 ZnSとMnの混合焼結ペレットを材料とする電子ビー
ム蒸着法。
Zn,Mn,およびSを蒸気の状態で交互に基板上へ供給
して、単原子層ずつ形成する原子層エピタキシー法(AL
E法)。
して、単原子層ずつ形成する原子層エピタキシー法(AL
E法)。
II族元素の有機金属化合物とVI族元素の水素化物を
基板上で熱分解反応させてII−VI族膜を堆積形成する有
機金属気相成長法(MOCVD法)。
基板上で熱分解反応させてII−VI族膜を堆積形成する有
機金属気相成長法(MOCVD法)。
ハロゲン輸送法によって発光中心となる元素をドー
ピングして、発光膜を形成するハライドCVD法である。
ピングして、発光膜を形成するハライドCVD法である。
<発明が解決しようとする課題> しかしながら、上記従来のの電子ビーム蒸着法は、膜
成長の初期段階に3次元的な粒が形成されるため結晶性
が良くない発光膜が形成される。したがって、輝度が低
く、品質が良くないという欠点がある。上記の原子層
エピタキシー法は、2次元的な層状膜成長を行うので、
結晶性が良く高輝度の発光膜を形成することができる
が、成長速度が極めて遅いので量産性に欠ける。また上
記の有機金属気相成長法は、結晶性が良い発光膜を形
成することができるが、大面積のものを得ることができ
ず、かつ量産性に欠ける。上記のハライドCVD法は、
結晶性が良い高品質の発光膜を得ることができ、しかも
大面積化が可能で量産性に優れた方法である。しかし、
膜成長のソース材料として蒸気圧の低い無機固型物を使
用しているので、上記ソース材料を加熱する手段を必要
とし、さらに蒸気圧が低いため輸送量の制御が困難であ
る。このためそれに供する装置は複雑で大がかりなもの
になっている。
成長の初期段階に3次元的な粒が形成されるため結晶性
が良くない発光膜が形成される。したがって、輝度が低
く、品質が良くないという欠点がある。上記の原子層
エピタキシー法は、2次元的な層状膜成長を行うので、
結晶性が良く高輝度の発光膜を形成することができる
が、成長速度が極めて遅いので量産性に欠ける。また上
記の有機金属気相成長法は、結晶性が良い発光膜を形
成することができるが、大面積のものを得ることができ
ず、かつ量産性に欠ける。上記のハライドCVD法は、
結晶性が良い高品質の発光膜を得ることができ、しかも
大面積化が可能で量産性に優れた方法である。しかし、
膜成長のソース材料として蒸気圧の低い無機固型物を使
用しているので、上記ソース材料を加熱する手段を必要
とし、さらに蒸気圧が低いため輸送量の制御が困難であ
る。このためそれに供する装置は複雑で大がかりなもの
になっている。
そこでこの発明の目的は、形成する発光膜が高品質・大
面積化可能・量産性に優れたハライドCVD法の利点を生
かしつつ、ソース材料を加熱する必要がなく、輸送量の
制御が容易で、しかも小型・簡略な装置で行うことがで
きる気相成長法を提供することにある。
面積化可能・量産性に優れたハライドCVD法の利点を生
かしつつ、ソース材料を加熱する必要がなく、輸送量の
制御が容易で、しかも小型・簡略な装置で行うことがで
きる気相成長法を提供することにある。
<課題を解決するための手段> 上記目的を達成するするために、この発明のエレクトロ
ルミネッセンス発光膜の気相成長法は、反応管内の水素
または不活性ガスの雰囲気下にエレクトロルミネッセン
ス素子用基板を配置して所定温度に保持し、この基板表
面に、II−VI族半導体を構成しうるII族元素またはII族
元素の化合物の系統と、VI族元素またはVI族元素の化合
物の系統と、II−VI族半導体中で発光中心となる発光中
心形成元素またはこの元素の化合物の系統との3系統の
ソースを、各々蒸気の状態で同時に輸送して接触させる
ことにより、上記基板にII−VI族半導体を母体とし、こ
の半導体内部に発光中心となる元素が含有されたエレク
トロルミネッセンス発光膜を成長させるエレクトロルミ
ネッセンス発光膜の気相成長法であって、上記3系統の
ソースのうち少なくとも発光中心形成元素またはこの元
素の化合物の系統のソースを、有機化合物の蒸気の状態
で上記反応管内に導入すると共に、ハロゲン化水素ガス
を上記反応管内に導入し、上記反応管内の上記基板に至
る経路に設けた高温部において、上記有機化合物から、
熱分解反応により、II族元素,VI族元素および発光中心
形成元素のうち少なくとも発光中心形成元素についての
単体または無機化合物を生じさせると共に、上記高温部
において、上記単体または無機化合物と、上記ハロゲン
化水素ガスとを混合して、化学反応により、II族元素,V
I族元素および発光中心形成元素のうち少なくとも発光
中心形成元素についてのハロゲン化物の蒸気を生成し、
上記ハロゲン化物の蒸気を上記基板上へ供給することを
特徴としている。
ルミネッセンス発光膜の気相成長法は、反応管内の水素
または不活性ガスの雰囲気下にエレクトロルミネッセン
ス素子用基板を配置して所定温度に保持し、この基板表
面に、II−VI族半導体を構成しうるII族元素またはII族
元素の化合物の系統と、VI族元素またはVI族元素の化合
物の系統と、II−VI族半導体中で発光中心となる発光中
心形成元素またはこの元素の化合物の系統との3系統の
ソースを、各々蒸気の状態で同時に輸送して接触させる
ことにより、上記基板にII−VI族半導体を母体とし、こ
の半導体内部に発光中心となる元素が含有されたエレク
トロルミネッセンス発光膜を成長させるエレクトロルミ
ネッセンス発光膜の気相成長法であって、上記3系統の
ソースのうち少なくとも発光中心形成元素またはこの元
素の化合物の系統のソースを、有機化合物の蒸気の状態
で上記反応管内に導入すると共に、ハロゲン化水素ガス
を上記反応管内に導入し、上記反応管内の上記基板に至
る経路に設けた高温部において、上記有機化合物から、
熱分解反応により、II族元素,VI族元素および発光中心
形成元素のうち少なくとも発光中心形成元素についての
単体または無機化合物を生じさせると共に、上記高温部
において、上記単体または無機化合物と、上記ハロゲン
化水素ガスとを混合して、化学反応により、II族元素,V
I族元素および発光中心形成元素のうち少なくとも発光
中心形成元素についてのハロゲン化物の蒸気を生成し、
上記ハロゲン化物の蒸気を上記基板上へ供給することを
特徴としている。
<実施例> 以下、この発明の実施例を詳細に説明する。本実施例は
特に、ソース材料としてII族元素Znの有機化合物である
ジメチル亜鉛Zn(CH3)2,VI族元素Sの化合物である硫化
水素H2S,発光中心となる元素(発光中心形成元素)Mn
の有機化合物であるトリカルボニルメチルシクロペンタ
ジエニルマンガン(TCM)を使用して、発光膜ZnS:Mnを
成長する方法である。以下、この実施例を第1図に示す
横型気相成長装置の構成図により説明する。
特に、ソース材料としてII族元素Znの有機化合物である
ジメチル亜鉛Zn(CH3)2,VI族元素Sの化合物である硫化
水素H2S,発光中心となる元素(発光中心形成元素)Mn
の有機化合物であるトリカルボニルメチルシクロペンタ
ジエニルマンガン(TCM)を使用して、発光膜ZnS:Mnを
成長する方法である。以下、この実施例を第1図に示す
横型気相成長装置の構成図により説明する。
第1図において、1は長さ1m,内径5cmの石英製の反応
管、1aは上記反応管1の一端部に設けた枝管、2,3はそ
れぞれ上記反応管1の枝管1a側の端部付近に設けた導入
管である。上記反応管1を電気炉4内に収納し、長手方
向の温度分布を図中に示す通り高温部を600℃に設定し
ている。そして上記反応管1の他端部から反応管1内に
できる反応生成物等を主バルブ17を通して油回転ポンプ
18によって排気するようにしている。そして、上記導入
管2,3の先端と上記他端との間の反応域に基板ホルダ6
を設け、発光膜の下地膜を堆積したガラス製の基板5を
傾斜立脚させている。また、II族元素Znの有機化合物で
あるZn(CH3)2液を入れたバブラ8を恒温槽9内に、発光
中心となる元素Mnの有機化合物であるTCM液を入れたバ
ブラ10を恒温槽11内にそれぞれ収納し、一定温度に保持
している。
管、1aは上記反応管1の一端部に設けた枝管、2,3はそ
れぞれ上記反応管1の枝管1a側の端部付近に設けた導入
管である。上記反応管1を電気炉4内に収納し、長手方
向の温度分布を図中に示す通り高温部を600℃に設定し
ている。そして上記反応管1の他端部から反応管1内に
できる反応生成物等を主バルブ17を通して油回転ポンプ
18によって排気するようにしている。そして、上記導入
管2,3の先端と上記他端との間の反応域に基板ホルダ6
を設け、発光膜の下地膜を堆積したガラス製の基板5を
傾斜立脚させている。また、II族元素Znの有機化合物で
あるZn(CH3)2液を入れたバブラ8を恒温槽9内に、発光
中心となる元素Mnの有機化合物であるTCM液を入れたバ
ブラ10を恒温槽11内にそれぞれ収納し、一定温度に保持
している。
上記横型気相成長装置を用いて、発光膜の成長は次のよ
うにして行う。
うにして行う。
H2ガスボンベ13から出たH2ガスをマスフローコント
ローラ12cで流量制御して、バブラ8内でバブルする。
すなわち、Zn(CH3)2をH2をキャリアガスとしてバブル法
により輸送する。HClガスボンベ14から出たHClガスをマ
スフローコントローラ12bで上記Zn(CH3)2の2倍のモル
供給量になるように流量制御して、これらを混合し、バ
ルブ7cを通して導入管2へ供給する。
ローラ12cで流量制御して、バブラ8内でバブルする。
すなわち、Zn(CH3)2をH2をキャリアガスとしてバブル法
により輸送する。HClガスボンベ14から出たHClガスをマ
スフローコントローラ12bで上記Zn(CH3)2の2倍のモル
供給量になるように流量制御して、これらを混合し、バ
ルブ7cを通して導入管2へ供給する。
H2Sガスを予めH2ガスで希釈したものをガスボンベ1
5から出し、マスフローコントローラ12aで上記Zn(CH3)2
と同じモル供給量になるように流量制御して、バルブ7b
を通して直接に反応管1の枝管1aへ供給する。
5から出し、マスフローコントローラ12aで上記Zn(CH3)2
と同じモル供給量になるように流量制御して、バルブ7b
を通して直接に反応管1の枝管1aへ供給する。
H2ガスボンベ13から出たH2ガスをマスフローコント
ローラ12eで流量制御して、バブラ10内でバブルする。
すなわち、TCMをH2をキャリアガスとしてバブル法によ
り輸送する。HClガスボンベ14から出たHClガスをマスフ
ローコントローラ12dで上記TCMの2倍のモル供給量にな
るように流量制御して、これらを混合し、バルブ7aを通
して導入管3へ供給する。
ローラ12eで流量制御して、バブラ10内でバブルする。
すなわち、TCMをH2をキャリアガスとしてバブル法によ
り輸送する。HClガスボンベ14から出たHClガスをマスフ
ローコントローラ12dで上記TCMの2倍のモル供給量にな
るように流量制御して、これらを混合し、バルブ7aを通
して導入管3へ供給する。
上記のZn(CH3)2およびのTCMは高温で不安定な
材料であって、それぞれ約400℃,約500℃以上になると
熱分解する性質を有している。そのためそれぞれ分解し
て単体のZn,Mnが生じる。この単体Zn,Mnは導入管3,2の
内部でそれぞれ共に供給されたHClガスと直ちに反応す
る。次の(1),(2)に示す反応式に従って、より高
い蒸気圧を有するZnCl2,MnCl2が生じる。
材料であって、それぞれ約400℃,約500℃以上になると
熱分解する性質を有している。そのためそれぞれ分解し
て単体のZn,Mnが生じる。この単体Zn,Mnは導入管3,2の
内部でそれぞれ共に供給されたHClガスと直ちに反応す
る。次の(1),(2)に示す反応式に従って、より高
い蒸気圧を有するZnCl2,MnCl2が生じる。
Zn+2HCl→ZnCl2+H2 …(1) Mn+2HCl→MnCl2+H2 …(2) において導入管3,2の内部に生じたZnCl2,MnCl2
蒸気と、において直接に枝管1aに供給したH2Sガス
は、反応管1の他端で排気しているので、上記反応管1
内を上記他端の方へ流れる。これらは上記導入管3,2の
先端と上記他端との間の反応域にて化学反応を起こし、
基板5上に発光膜であるZnS:Mnを堆積させる。
蒸気と、において直接に枝管1aに供給したH2Sガス
は、反応管1の他端で排気しているので、上記反応管1
内を上記他端の方へ流れる。これらは上記導入管3,2の
先端と上記他端との間の反応域にて化学反応を起こし、
基板5上に発光膜であるZnS:Mnを堆積させる。
このようにして、発光膜を成長した場合、II族材料のZn
輸送速度と上記発光膜の成長速度の関係は第2図に示す
ようになる。上記成長速度はZn輸送速度にほぼ比例して
増大しているので、膜成長過程が材料の供給律速に基づ
くものであることを示すと共に、輸送量を調節すること
によって膜厚の制御が容易に行えることを示している。
また、上記Zn輸送量を一定値1×10-4mol/minとした場
合、発光中心となるMnの輸送速度と上記エレクトロルミ
ネッセンス発光膜中のMn濃度との関係は、第3図に示す
ようになる。上記Mn濃度はMn輸送速度5×10-6mol/min
付近から急速に増加し始めている。この原因について
は、質量分析計によるガス組成の測定から、Mn輸送速度
を増大させると、反応管1内に同時に輸送されるHClガ
スの分圧が高くなり、上記基板5上に堆積した発光膜中
のZnが上記HClガスによってエッチングされて、結果的
にMnのドーピング率がMn輸送速度に比例しなくなるため
であることが判明している。
輸送速度と上記発光膜の成長速度の関係は第2図に示す
ようになる。上記成長速度はZn輸送速度にほぼ比例して
増大しているので、膜成長過程が材料の供給律速に基づ
くものであることを示すと共に、輸送量を調節すること
によって膜厚の制御が容易に行えることを示している。
また、上記Zn輸送量を一定値1×10-4mol/minとした場
合、発光中心となるMnの輸送速度と上記エレクトロルミ
ネッセンス発光膜中のMn濃度との関係は、第3図に示す
ようになる。上記Mn濃度はMn輸送速度5×10-6mol/min
付近から急速に増加し始めている。この原因について
は、質量分析計によるガス組成の測定から、Mn輸送速度
を増大させると、反応管1内に同時に輸送されるHClガ
スの分圧が高くなり、上記基板5上に堆積した発光膜中
のZnが上記HClガスによってエッチングされて、結果的
にMnのドーピング率がMn輸送速度に比例しなくなるため
であることが判明している。
薄膜EL素子の発光膜を上記方法によって、Zn輸送速度1
×10-4mol/min,Mn輸送速度8×10-6mol/minにて成長し
て膜厚が0.6μm,Mn濃度0.4at%の場合に、代表的な発光
輝度−印加電圧特性および発光効率−印加電圧特性は第
4図に示すようになる。この場合、発光の開始電圧160
V,最大発光輝度3000Cd/m2,最大発光効率4lm/wである。
従来のハライドCVD法によって発光膜を成長する場合と
同様に良好な特性が得られている。
×10-4mol/min,Mn輸送速度8×10-6mol/minにて成長し
て膜厚が0.6μm,Mn濃度0.4at%の場合に、代表的な発光
輝度−印加電圧特性および発光効率−印加電圧特性は第
4図に示すようになる。この場合、発光の開始電圧160
V,最大発光輝度3000Cd/m2,最大発光効率4lm/wである。
従来のハライドCVD法によって発光膜を成長する場合と
同様に良好な特性が得られている。
また、この発明を実施できるように大面積の発光膜形成
用に設計した縦型ハライドCVD装置を第5図に示す。反
応管1は内径28cm,高さ70cmの石英製であり、上部に原
料導入用細管21a,21b,21cを備えている。基板25設置部
と原料導入用細管21a,21cの箇所に電気炉22,24,23をそ
れぞれ備えている。上記基板25は、最大サイズ9インチ
のものまで設置できるように設計してあり、発光膜成長
中は、ホルダ26にセットして基板回転用モータ27により
終始回転するようにしてある。上記縦型ハライドCVD装
置によって発光膜を成長する場合、反応ガスの流れが上
記基板25に回転対称的であり、しかも基板25は回転して
いるので、膜厚の面内分布・発光輝の分布の均一性を向
上させることができる。すなわち、大面積で特性良好な
発光膜を成長することができる。
用に設計した縦型ハライドCVD装置を第5図に示す。反
応管1は内径28cm,高さ70cmの石英製であり、上部に原
料導入用細管21a,21b,21cを備えている。基板25設置部
と原料導入用細管21a,21cの箇所に電気炉22,24,23をそ
れぞれ備えている。上記基板25は、最大サイズ9インチ
のものまで設置できるように設計してあり、発光膜成長
中は、ホルダ26にセットして基板回転用モータ27により
終始回転するようにしてある。上記縦型ハライドCVD装
置によって発光膜を成長する場合、反応ガスの流れが上
記基板25に回転対称的であり、しかも基板25は回転して
いるので、膜厚の面内分布・発光輝の分布の均一性を向
上させることができる。すなわち、大面積で特性良好な
発光膜を成長することができる。
以上より明らかなように、この実施例はソース材料を蒸
気あるいはガスの状態で供給しているので、ソース材料
を加熱する必要がない。また、これらは常温で十分に蒸
気圧が高いので、輸送途中で凝縮したりするようなこと
がなく、そのためマスフローコントローラによって精密
に流量制御すなわち輸送量制御することができる。した
がって気相成長装置を小型・簡略することができる。
気あるいはガスの状態で供給しているので、ソース材料
を加熱する必要がない。また、これらは常温で十分に蒸
気圧が高いので、輸送途中で凝縮したりするようなこと
がなく、そのためマスフローコントローラによって精密
に流量制御すなわち輸送量制御することができる。した
がって気相成長装置を小型・簡略することができる。
なお、この実施例では、II族元素Znの有機化合物として
Zn(CH3)2を使用したが、これに限るものではなくジエチ
ル亜鉛Zn(C2H5)2でもよい。また上記II族元素Znは他のI
I族元素でもよい。また、発光中心となる元素Mnの有機
化合物としてTCMを使用したが、ジπシクロペンタジエ
ニルマンガンMn(C2H5)2でもよい。また上記発光中心と
なる元素は他の発光中心となる元素でもよく、VI族元素
Sも他のVI族元素でもよい。
Zn(CH3)2を使用したが、これに限るものではなくジエチ
ル亜鉛Zn(C2H5)2でもよい。また上記II族元素Znは他のI
I族元素でもよい。また、発光中心となる元素Mnの有機
化合物としてTCMを使用したが、ジπシクロペンタジエ
ニルマンガンMn(C2H5)2でもよい。また上記発光中心と
なる元素は他の発光中心となる元素でもよく、VI族元素
Sも他のVI族元素でもよい。
また、上記反応管1内の高温部の温度はZnのものは300
〜600℃,Mnのもは500〜700℃、基板の温度は400〜600℃
の範囲が適当である。
〜600℃,Mnのもは500〜700℃、基板の温度は400〜600℃
の範囲が適当である。
ソース材料の輸送速度は反応管の断面積に依存するが、
ZnおよびSの場合は10-5〜10-2mol/min、Mnの場合は10
-6〜10-3mol/minの範囲が適当である。そして、上記発
光膜の成長時間は、その膜厚が0.3〜1μmとなるよう
に成長速度によって調節するのが望ましい。
ZnおよびSの場合は10-5〜10-2mol/min、Mnの場合は10
-6〜10-3mol/minの範囲が適当である。そして、上記発
光膜の成長時間は、その膜厚が0.3〜1μmとなるよう
に成長速度によって調節するのが望ましい。
さらに、上記実施例は、II族元素,VI族元素,発光中心
となる元素のいずれの化合物も蒸気あるいはガス状態の
ソース材料を使用したが、これらのうち一部は他の状態
のものを使用しても良い。
となる元素のいずれの化合物も蒸気あるいはガス状態の
ソース材料を使用したが、これらのうち一部は他の状態
のものを使用しても良い。
<発明の効果> 以上より明らかなように、この発明のエレクトロルミネ
ッセンス発光膜の気相成長方法は、3系統のソースとと
もにハロゲン化水素ガスを反応管内に導入して、基板に
至る経路に設けた高温部で少なくとも発光中心形成元素
についての単体または無機化合物を生じさせ、さらにそ
の高温部で少なくとも発光中心形成元素についてのハロ
ゲン化物を生成し、このハロゲン化物を基板上へ供給す
るので、高品質を示し、大面積・量産性に適するという
ハライドCVD法の本来の利点を生かしつつ、エレクトロ
ルミネッセンス発光膜を、ソース材料を加熱する必要が
なく、輸送量の制御が容易で、しかも小型・簡略な装置
で成長させることができる。
ッセンス発光膜の気相成長方法は、3系統のソースとと
もにハロゲン化水素ガスを反応管内に導入して、基板に
至る経路に設けた高温部で少なくとも発光中心形成元素
についての単体または無機化合物を生じさせ、さらにそ
の高温部で少なくとも発光中心形成元素についてのハロ
ゲン化物を生成し、このハロゲン化物を基板上へ供給す
るので、高品質を示し、大面積・量産性に適するという
ハライドCVD法の本来の利点を生かしつつ、エレクトロ
ルミネッセンス発光膜を、ソース材料を加熱する必要が
なく、輸送量の制御が容易で、しかも小型・簡略な装置
で成長させることができる。
第1図はこの発明の一実施例に使用する横型気相成長装
置の構成図、第2図は上記実施例により形成したエレク
トロルミネッセンス発光膜の成長速度とZn輸送速度との
関係を示す図、第3図は発光膜中のMn濃度とMn輸送速度
との関係を示す図、第4図は上記実施例により形成した
エレクトロルミネッセンス発光膜を使用した薄膜EL素子
の代表的な発光輝度および発光効率の印加電圧依存性を
示す図、第5図は上記実施例に使用する縦型ハライドCV
D装置の構成図である。 1…反応管、1a…枝管、2,3…導入管、4,22,23,24…電
気炉、5,25…基板、6,26…基板ホルダ、7a,7b,7c…バル
ブ、8,10…バブラ、9,11…恒温槽、12a,12b,12c,12d,12
e…マスフローコントローラ、13…H2ガスボンベ、14…H
Clガスボンベ、15…H2希釈のH2Sガスボンベ、16,28…圧
力計、17,29…主バルブ、18,31…油回転ポンプ、21a,21
b,21c…原料導入用細管、27…基板回転用モータ、30…
メカニカルブースタポンプ。
置の構成図、第2図は上記実施例により形成したエレク
トロルミネッセンス発光膜の成長速度とZn輸送速度との
関係を示す図、第3図は発光膜中のMn濃度とMn輸送速度
との関係を示す図、第4図は上記実施例により形成した
エレクトロルミネッセンス発光膜を使用した薄膜EL素子
の代表的な発光輝度および発光効率の印加電圧依存性を
示す図、第5図は上記実施例に使用する縦型ハライドCV
D装置の構成図である。 1…反応管、1a…枝管、2,3…導入管、4,22,23,24…電
気炉、5,25…基板、6,26…基板ホルダ、7a,7b,7c…バル
ブ、8,10…バブラ、9,11…恒温槽、12a,12b,12c,12d,12
e…マスフローコントローラ、13…H2ガスボンベ、14…H
Clガスボンベ、15…H2希釈のH2Sガスボンベ、16,28…圧
力計、17,29…主バルブ、18,31…油回転ポンプ、21a,21
b,21c…原料導入用細管、27…基板回転用モータ、30…
メカニカルブースタポンプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 康一 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 吉田 勝 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 中島 重夫 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−37857(JP,A) 特開 昭61−240592(JP,A) 特開 昭60−221988(JP,A) 特開 昭60−216495(JP,A) 特開 昭60−124394(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】反応管内の水素または不活性ガスの雰囲気
下にエレクトロルミネッセンス素子用基板を配置して所
定温度に保持し、この基板表面に、II−VI族半導体を構
成しうるII族元素またはII族元素の化合物の系統と、VI
族元素またはVI族元素の化合物の系統と、II−VI族半導
体中で発光中心となる発光中心形成元素またはこの元素
の化合物の系統との3系統のソースを、各々蒸気の状態
で同時に輸送して接触させることにより、上記基板にII
−VI族半導体を母体とし、この半導体内部に発光中心と
なる元素が含有されたエレクトロルミネッセンス発光膜
を成長させるエレクトロルミネッセンス発光膜の気相成
長法であって、 上記3系統のソースのうち少なくとも発光中心形成元素
またはこの元素の化合物の系統のソースを、有機化合物
の蒸気の状態で上記反応管内に導入すると共に、ハロゲ
ン化水素ガスを上記反応管内に導入し、 上記反応管内の上記基板に至る経路に設けた高温部にお
いて、上記有機化合物から、熱分解反応により、II族元
素,VI族元素および発光中心形成元素のうち少なくとも
発光中心形成元素についての単体または無機化合物を生
じさせると共に、 上記高温部において、上記単体または無機化合物と、上
記ハロゲン化水素ガスとを混合して、化学反応により、
II族元素,VI族元素および発光中心形成元素のうち少な
くとも発光中心形成元素についてのハロゲン化物の蒸気
を生成し、 上記ハロゲン化物の蒸気を上記基板上へ供給することを
特徴とするエレクトロルミネッセンス発光膜の気相成長
法。
Priority Applications (3)
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---|---|---|---|
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US07/442,634 US5087531A (en) | 1988-11-30 | 1989-11-29 | Electroluminescent device |
US07/779,235 US5356657A (en) | 1988-11-30 | 1991-10-18 | Method of manufacturing an electroluminescent device |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63304820A JPH0752669B2 (ja) | 1988-11-30 | 1988-11-30 | エレクトロルミネッセンス発光膜の気相成長法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH02152191A JPH02152191A (ja) | 1990-06-12 |
JPH0752669B2 true JPH0752669B2 (ja) | 1995-06-05 |
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ID=17937647
Family Applications (1)
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JP63304820A Expired - Fee Related JPH0752669B2 (ja) | 1988-11-30 | 1988-11-30 | エレクトロルミネッセンス発光膜の気相成長法 |
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-
1988
- 1988-11-30 JP JP63304820A patent/JPH0752669B2/ja not_active Expired - Fee Related
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