JP2809235B2 - エレクトロルミネッセンス表示パネルの発光膜の成膜方法 - Google Patents

エレクトロルミネッセンス表示パネルの発光膜の成膜方法

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JP2809235B2
JP2809235B2 JP3006636A JP663691A JP2809235B2 JP 2809235 B2 JP2809235 B2 JP 2809235B2 JP 3006636 A JP3006636 A JP 3006636A JP 663691 A JP663691 A JP 663691A JP 2809235 B2 JP2809235 B2 JP 2809235B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエレクトロルミネッセン
ス (以下ELという) 表示パネルに発光中心元素を含有
する発光母材からなる発光膜を成膜する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】EL表示パネルは周知のように自己発光
性の特長をもつ軽量のフラットパネルで、最近では多数
の画素をマトリックス配列した可変画像の表示に適する
ものが開発されて単色表示のものから実用化が始まって
いる現状である。このEL発光の原理は一般に第2族元
素と第6族元素の化合物からなる発光母材に発光中心用
の元素として遷移元素や稀土類元素を含有させた発光膜
に絶縁膜を介して電圧を掛けることにより発光させるも
ので、まず図4を参照しながらこの発光膜を組み込んだ
画素数の多いEL表示パネルの構造を以下に簡単に説明
する。
【0003】図4において、EL表示パネル8の透明な
ガラス等の絶縁基板1の上にITO(インジウム錫酸化
物) 等の透明な導電性材料からなるごく薄い表面電極膜
2が図の左右方向に細長なストライプ状パターンで図の
前後方向に数百個並べて配設され、その上に無機材料か
らなる絶縁膜3と5によりふつうは両側から挟まれた発
光膜4が配設され、さらにその上にアルミ等からなる裏
面電極膜6が表面電極膜2と直交するストライプ状パタ
ーンで数百個並べて配設される。表面電極膜2と裏面電
極膜6の各交点に対応する発光膜4の部分が画素であ
り、絶縁膜3と5を介してこれに表示電圧を与えること
によりEL発光させ、表示光Ldとして絶縁基板1側から
取り出す。
【0004】表示パネル8の上述の積層膜構造中の発光
膜4は例えばZnSからなる発光母材中に発光中心元素と
して例えばMnを 0.5重量%程度含有させたEL発光材料
からなる 0.5μm前後の薄膜であり、その成膜に当たっ
ては発光輝度や発光効率等の性能を高めるため発光中心
元素を発光母材中にできるだけ均一に分散させることが
最も大切である。この成膜方法には従来から蒸着法とス
パッタ法があり、それぞれについて発光母材中に発光中
心元素を含有させた蒸発源ないしターゲットを用いる方
法と、発光母材と発光中心用材料とを別個の蒸発源やタ
ーゲットとするいわゆる共蒸着法や共スパッタ法が知ら
れている。以下、この内の発光中心元素の分散が良好な
共スパッタ法の概要を図5を参照して説明する。
【0005】図5の成膜装置50はスパッタ装置であっ
て、その減圧槽51内に1対の電極52aおよび52bとそれ
らに対向する電極53を設け、排気口54から真空系Vによ
り槽内を所定真空度に減圧しかつ高周波電源80から対向
電極間に高周波電圧を印加した状態で発光膜4を成膜す
るものである。
【0006】共スパッタ法により発光膜4を成膜するに
は、発光母材10と発光中心元素22用のターゲットをそれ
ぞれ電極52aと52b上に取り付け、それらに対向する電
極53には図7の基板1上に表面電極膜2と絶縁膜3を積
層したパネル7を取り付け、図の矢印Rの方向に電極53
を回転させてパネル7を電極52aと52bの上に交互に置
きながらパネル7上に発光母材10と発光中心元素22を交
互に堆積させる。この際、発光母材10と比べて発光中心
元素22は 0.5%程度の微量でよいので、図示のように発
光中心材料22の上側に小さな開口58をもつシャッタ57を
設けてパネル7面へのその堆積量を制限する。なお、こ
の共スパッタ法の詳細については例えば特開昭61-10458
5 号公報を参照されたい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のいずれ
の従来方法も成膜された発光膜の発光母材中の発光中心
元素の分散の均一さや含有率の正確さがまだ必ずしも充
分でない問題をそれぞれ抱えている。
【0008】すなわち、発光母材中に発光中心元素を含
有させた蒸発源ないしターゲットを用いる蒸着法やスパ
ッタ法では、発光母材と発光中心元素の蒸発率やスパッ
タ率が互いに異なるので蒸発源やターゲット中の発光中
心元素の濃度が時間の経過とともに変化して、発光膜中
の発光中心元素の膜厚方向の濃度分布が不均一になりや
すい。また、蒸発源やターゲットには蒸着やスパッタ中
の濃度変化を見込んだ量の発光中心元素をあらかじめ含
有させて置く必要があるが、この見込みを付けるのが実
際には容易でないため、発光膜の発光母材中の発光中心
元素の含有量を正確に管理するのは非常に困難である。
【0009】発光母材と発光中心元素とを別の蒸発源な
いしターゲットに分離する共蒸着法や共スパッタ法で
は、発光膜の発光母材中の発光中心元素の濃度分布が膜
厚方向で不均一になる問題は層状分布になる点を除いて
ほぼ解決するが、発光中心元素の量が発光母材に比べか
なり微量なので前述のシャッタ等の手段を用いてもその
発光母材中の含有量を正確にかつ量産時にばらつきなく
安定に管理するのは依然困難なのが実情である。
【0010】本発明はかかる現状に立脚して、発光母材
中に発光中心元素を安定した正確な含有率で均一に分散
させることができる量産に適したEL表示パネルの発光
膜の成膜方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明方法に
よれば、発光中心元素を含有する化合物を気化させて成
膜装置の減圧槽内に所定の流量率で導入し、発光中心元
素とは別個に減圧槽内に装入された発光母材源から発光
膜を成膜すべきパネル面に至る発光母材の飛翔空間内に
プラズマふん囲気を形成してこのふん囲気内で発光中心
元素を含有する化合物を解離させることにより、所定濃
度の発光中心元素を含有する発光母材をパネル面上に成
膜することによって達成される。
【0012】なお、上記の方法による発光膜の成膜には
蒸着法およびスパッタ法のいずれも利用することができ
る。真空蒸着法により成膜する場合は、蒸着装置の減圧
槽内に高周波コイルや高周波電極を組み込んで上記構成
にいう発光母材の飛翔空間内に高周波プラズマふん囲気
を発生させるのが有利であり、かつ発光母材の蒸発源の
加熱には電子ビーム加熱法を利用するのが望ましい。ス
パッタ法により発光膜を成膜する場合は、スパッタ装置
の減圧槽内にアルゴン等のスパッタガスを導入してそれ
を電離したプラズマを発生させる必要が必ずあるので、
上記構成にいう飛翔空間内のプラズマふん囲気としてこ
のスパッタガスふん囲気をそのまま利用することができ
る。
【0013】本発明方法によって成膜する発光膜の発光
母材としては、ZnS,CaS, SrS等を用いることがで
き、それに含有させる発光中心元素としては、EL発光
させるべき色に応じてMn等の遷移元素やTb, Sm, Tm等の
稀土類元素を適宜に用いることができる。発光中心元素
にMnを用いる場合は、それを含有する発光中心元素源用
の固体化合物として例えば二塩化マンガンを用いること
ができ、これを融点近くの温度に加熱して気化させた上
で成膜装置の減圧槽内に導入することができる。また、
Mnを含有する液体化合物として例えばトリカルボニルメ
チルシクロペンタジエニルマンガン (以下、TCMとい
う) を用いることができ、これにキャリアガスをバブリ
ングして気化させるのがよい。
【0014】気化させた発光中心元素を含有する化合物
を成膜装置の減圧槽内に導入する際には、それをキャリ
アガスに乗せて導入するようにしこのガスの流量を制御
するのが発光中心元素を正確な流量率で導入する上で有
利である。化合物として上述の二塩化マンガンを用いる
場合は、このキャリアガスとして水素を用いプラズマふ
ん囲気内で二塩化マンガンが解離する際に発生する塩素
をこれと化合させた上で塩酸の形で減圧槽から排気する
のが望ましい。
【0015】
【作用】本発明は、発光中心元素用に従来のように固体
材料を用いるかわりに、それを含有する化合物を気化さ
せた上でプラズマふん囲気内で解離させれば発光母材中
に発光中心元素を含有する発光膜を成膜できる点に着目
したもので、前項の構成にいうようにこの気化された化
合物を所定流量率で成膜装置の減圧槽に導入して発光母
材の飛翔空間に形成されたプラズマふん囲気内で解離し
た上で発光母材とともに発光膜としてパネル面に堆積さ
せることにより、発光膜中の発光中心元素の含有率を化
合物を減圧槽内に導入する際の流量率によって確実かつ
正確に制御できるようにし、かつ発光中心元素をその化
合物を解離したいわばガスの状態で発光母材に添加する
ことにより発光膜中の発光中心元素の分散を完全にして
その濃度分布を従来より格段に均一化することに成功し
たものである。
【0016】なお、本発明方法では発光母材はもちろん
発光中心元素とは別個に減圧槽内に装入されるので、従
来の発光母材中に発光中心元素を含有させた蒸発源ない
しはターゲットを用いる蒸着法やスパッタ法と異なり、
かかる蒸発源やターゲット内で発光中心元素の含有量が
変化する分溜作用は全く発生し得ない。さらに、発光母
材と発光中心用材料を別の蒸発源やターゲットとする共
蒸着法や共スパッタ法のように発光膜中で発光中心元素
が層状に堆積することもない。
【0017】
【実施例】以下、図を参照して本発明の若干の実施例を
説明する。図1と図2は本発明のスパッタ法を利用する
実施例,図3は蒸着法を利用する実施例をそれぞれ示
し、いずれの実施例でも図4のEL表示パネル8の積層
膜構造中の発光膜4用のZnSからなる発光母材に発光中
心元素として 0.5重量%程度のMnを含有する 0.5μm前
後の薄膜が成膜されるものとする。また、前に説明した
図5に対応する部分に同じ符号が付けられている。
【0018】図1の実施例では、発光中心元素であるMn
を含有する化合物として二塩化マンガンを用いる。図の
右半分に示された成膜装置50は通常のスパッタ装置であ
り、本発明は図5の共スパッタ法と異なるのでその減圧
槽51内の電極52は単一電極であり、その上面に発光母材
源10としてZnSのターゲットが取り付けられる。これと
対向する電極53は固定電極でよく、その下面に発光膜4
を成膜すべきパネル7が取り付けられる。このパネル7
は図4のEL表示パネル8用の基板1上に表面電極膜2
と絶縁膜3を配設したものである。減圧槽51には真空系
Vと接続された排気口54と, 後述の発光中心元素用の気
化された化合物およびスパッタガス用の導入管55が設け
られる。対向する電極52と53に対し高周波電源80がキャ
パシタ81を介して接続され、これによるマイクロ波電界
内で減圧槽52内のスパッタガスが電離される。通例のよ
うに、キャパシタ81が接続された方の電極52を陰極側と
し電極53を陽極側として電極52上に取り付けられた発光
母材源10に対してスパッタ作用が発生する。
【0019】このスパッタ作用により発光母材源10から
発光母材がパネル7に向け飛翔して堆積するが、この発
光母材が飛翔する対向する両電極52と53の間が本発明に
いう飛翔空間56であって、この飛翔空間56内の電離され
たスパッタガスのプラズマがこの実施例では発光中心元
素含有化合物20を解離するためのプラズマふん囲気70と
してそのまま利用される。
【0020】この化合物20を減圧槽51に導入するため図
1の左下部に示された発光中心元素供給系30が設けられ
る。この実施例では発光中心元素を含有する化合物20に
固体の2塩化マンガンを用いるのでその気化には 650℃
の融点近くまで加熱する必要があり、これを密閉構造の
容器31内に収納してヒータを備える加熱器32内で加熱し
て気化させる。この気化温度は温度調整装置33によって
例えば 500〜600 ℃の範囲内の一定温度に調整される。
【0021】さらに、この気化した化合物20を減圧槽51
に導入する流量率を正確に設定するにはキャリアガスに
乗せて供給するのが望ましく、この実施例ではキャリア
ガスに水素を用いてこれをボンベ等のキャリアガス源35
から流量調整弁36と流量調整器37を介して一定流量で容
器31に供給し、その中で気化した化合物20を混入した上
で導入管55を介し減圧槽51に供給する。従って、この実
施例における化合物20の流量率は温度調整装置33により
制御される容器31の加熱温度と流量調整器37により制御
されるキャリアガスの流量とにより正確に設定できる。
【0022】なお、この実施例では化合物20用の2塩化
マンガンがプラズマふん囲気70内で解離すると塩素が発
生するので、キャリアガスに水素を用いてこれと反応さ
せて塩酸ガスとして排気口54から排出できるようにした
ものである。
【0023】図1の左上部に示されたスパッタガス供給
系40は例えばアルゴンを導入管55を介して減圧槽51に供
給するもので、図のようにスパッタガス源41と流量調整
弁42と流量調整器43とから構成される。
【0024】上のようにして減圧槽51内に導入された化
合物20は、スパッタガスが電離したプラズマふん囲気70
の中でアルゴンイオン等と衝突して正のマンガンイオン
と負の塩素イオンとに解離ないしは電離する。この内の
マンガンイオンの一部は飛翔空間56内を飛翔する発光母
材のZnSと付着ないしそのSと結合した上で発光膜4と
してパネル7上に堆積される。さらに、マンガンイオン
は正の電荷をもつのでその一部は陰極側である電極52の
方に引き寄せられて発光母材源10のターゲットの表面に
付着するが、この付着と同時にスパッタ作用を受けて発
光母材とともに飛翔してパネル7上に同様に堆積され
る。
【0025】図2に示す実施例は発光中心元素であるMn
を含有する化合物としてMnと有機物が化学結合した前述
のTCMを用いる点が図1の実施例と異なり、このTC
Mが液体なのでそれに応じて発光中心元素供給系30の構
成が異なって来るだけでそれ以外の部分は前実施例と同
じである。TCMである発光中心元素含有化合物21は図
のように密閉構造の容器34内に収納され、キャリアガス
のバブリングによって気化されそれに乗せられた形で減
圧槽51に導入される。このためのキャリアガスには前実
施例と同じ水素やスパッタガスと同じアルゴン等を用い
ることでよく、そのバブリングによる気化速度を一定に
するために化合物21の温度をできるだけ一定に保って置
くのが望ましい。
【0026】この実施例でも化合物21がプラズマふん囲
気70内で解離され、それに含まれていた発光中心元素と
してのMnが発光母材としてのZnSとともにスパッタリン
グにより発光膜4としてパネル7上に堆積されるのは前
実施例と同じである。なお、図1および図2のいずれの
実施例でも、成膜装置50の減圧槽51内の圧力は通常のス
パッタ時と同様に1〜数mTorrとすることでよい。
【0027】図3にパネル7への発光膜4の成膜に蒸着
法を利用する実施例を示す。なお、この実施例でも発光
中心元素としてのマンガンの含有化合物20にTCMを用
いることができるが、図示の例では2塩化マンガンが用
いられる。
【0028】図3の右半分に示された成膜装置60は真空
蒸着装置であり、台板61上にベル形の減圧槽62が被せら
れた最も簡単な構造で便宜上示されている。この減圧槽
62内の下部には通例のように蒸着源台63が台板61によっ
て支承されており、その上に発光母材源11としてZnSの
ペレットが置かれ、この実施例では電子ビーム源64によ
ってその蒸発温度に電子ビーム加熱される。減圧槽62内
の上部には蒸着台65が支柱65aを介して台板61に支承さ
れ、その下面に発光膜4を成膜すべきパネル7が取り付
けられる。台板61には減圧槽61内を真空Vに引くための
排気口66が開口され、かつ図1と同構成の発光中心元素
供給系30により気化された発光中心元素含有化合物20を
減圧槽61内に導入するための導入管67が取り付けられ
る。
【0029】この成膜装置60では、蒸発源台63と蒸着台
65との間の空間が発光母材源11から発光母材が飛翔する
飛翔空間69であり、この空間内に台板61に支承された高
周波コイル68を配設して高周波電源82により付勢するこ
とにより、導入管67から飛翔空間69に導入される化合物
20とそのキャリアガスを電離して高周波コイル68内にプ
ラズマふん囲気70を形成するようになっている。
【0030】蒸着法によるこの実施例でも、気化された
化合物20はこのプラズマふん囲気70内で解離され、その
際に発生するマンガンイオンはスパッタ法による場合と
同様に飛翔空間69内を発光母材源11からパネル7に向か
って飛翔する発光母材に付着ないし結合して、それとと
もにパネル7上に発光膜4として堆積される。さらにこ
の実施例ではマンガンイオンの利用率を一層向上させる
ため、蒸着台65に対し直流電源83による負の電位を与え
て正の電荷をもつマンガンイオンをパネル7に引き寄せ
て発光膜4内に取り込ませるようにされている。
【0031】以上述べたいずれの実施例でも、気化され
た化合物を減圧槽に導入する流量率を調整して発光膜中
の発光中心元素の含有率を正確に制御することができ、
かつ発光中心元素がその化合物の解離状態で発光母材内
に取り込まれるので発光膜中によく分散されてその濃度
分布が均一化される。
【0032】
【発明の効果】以上のとおり本発明方法では、発光中心
元素を含有する発光母材からなるEL表示パネル用の発
光膜をスパッタ法や蒸着法を利用して成膜するに当た
り、発光中心元素を含有する化合物を気化させて成膜装
置の減圧槽に所定の流量率で導入し、かつ減圧槽内の母
材源からパネル面に至る発光母材の飛翔空間内にプラズ
マふん囲気を形成して、気化された化合物をプラズマふ
ん囲気内で解離させて発光中心元素を発光母材とともに
パネル面上に堆積させることによって、次の効果を上げ
ることができる。
【0033】(a) 発光中心元素含有化合物を気化させた
上で減圧槽に導入するので、実施例で述べたようにその
流量率を流量調整器や温度制御装置を利用して定量的に
正確に調整することにより発光膜の発光母材中の発光中
心元素の含有率を安定にかつ正確に制御でき、EL表示
パネルの量産に当たり発光膜の発光中心元素の含有率を
再現性よくかつ容易に管理することができる。
【0034】(b) 発光中心元素含有化合物をプラズマふ
ん囲気内で解離した発光中心元素がガス状ないしイオン
状態で発光母材に添加されて発光膜内に取り込まれるの
で、発光中心元素が発光母材中にほぼ理想的によく分散
されてその濃度分布の均一性が格段に向上する。
【0035】(c) 成膜装置として従来のスパッタ装置や
真空蒸着装置に発光中心元素供給系を追加するだけで本
発明方法を実施できるので、安価で実用的な成膜装置を
利用して表示パネルを量産することができる。
【0036】このように本発明方法は、従来の問題点を
解決してEL表示パネルの発光膜の品質を向上し、量産
性を高め、かつ工程管理を容易にする特長を備え、本発
明を実施することによりEL表示パネルの性能と経済性
を一層向上させてその実用化と普及に貢献することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法のスパッタ法を利用する実施例を発
光中心元素含有化合物に固体の化合物を用いる場合につ
いて示す成膜設備の構成図である。
【図2】本発明方法のスパッタ法を利用する実施例を発
光中心元素含有化合物に液体の化合物を用いる場合につ
いて示す成膜設備の構成図である。
【図3】本発明方法の蒸着法を利用する実施例を示す成
膜設備の構成図である。
【図4】本発明方法が対象とするEL表示パネルの概要
を示すその断面図である。
【図5】従来技術による共スパッタ法を示す成膜装置の
概要構成図である。
【符号の説明】
4 発光膜 7 発光膜を成膜すべきパネル 8 EL表示パネル 10 スパッタ用の発光母材源 11 蒸着用の発光母材源 20 固体の発光中心元素含有化合物 21 液体の発光中心元素含有化合物 30 発光中心元素供給系 35 発光中心元素用のキャリアガス源 50 スパッタ用の成膜装置 56 飛翔空間 60 蒸着用の成膜装置 69 飛翔空間 70 プラズマふん囲気
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−56897(JP,A) 特開 昭64−38996(JP,A) 特開 昭63−6776(JP,A) 特開 平1−289091(JP,A) 特開 平2−152191(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05B 33/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エレクトロルミネッセンス表示パネルの積
    層膜構造中の発光膜として発光中心元素を含有する発光
    母材からなる薄膜を成膜する方法であって、発光中心元
    素を含有する化合物を気化させて発光母材をパネル面上
    に堆積させる成膜装置の減圧槽内に所定の流量率で導入
    し、減圧槽内の母材源からパネル面に至る発光母材の飛
    翔空間内にプラズマふん囲気を形成してこのふん囲気内
    で発光中心元素を含有する化合物を解離させることによ
    り、所定濃度の発光中心元素を含有する発光母材からな
    る発光膜をパネル面上に成膜するようにしたことを特徴
    とするエレクトロルミネッセンス表示パネルの発光膜の
    成膜方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方法において、発光膜の
    成膜がスパッタ法によりなされ、プラズマふん囲気がス
    パッタガスふん囲気であることを特徴とするエレクトロ
    ルミネッセンス表示パネルの発光膜の成膜方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の方法において、発光膜の
    成膜が真空蒸着法によりなされることを特徴とするエレ
    クトロルミネッセンス表示パネルの発光膜の成膜方法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の方法において、発光中心
    元素がマンガンであり、その含有する化合物として二塩
    化マンガンを用い加熱により気化させることを特徴とす
    るエレクトロルミネッセンス表示パネルの発光膜の成膜
    方法。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の方法において、発光中心
    元素がマンガンであり、その含有する化合物としてトリ
    カルボニルメチルシクロペンタジエニルマンガンを用い
    キャリアガスのバブリングにより気化させることを特徴
    とするエレクトロルミネッセンス表示パネルの発光膜の
    成膜方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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