JPH02239187A - 気相成長方法および装置 - Google Patents

気相成長方法および装置

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JPH02239187A
JPH02239187A JP6181489A JP6181489A JPH02239187A JP H02239187 A JPH02239187 A JP H02239187A JP 6181489 A JP6181489 A JP 6181489A JP 6181489 A JP6181489 A JP 6181489A JP H02239187 A JPH02239187 A JP H02239187A
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JP
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reaction tube
mercury
vertical reaction
substrate
mercury reservoir
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JP6181489A
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Satoshi Fujii
智 藤井
Yukihisa Fujita
恭久 藤田
Toshiyuki Terada
寺田 敏行
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、水銀を含む化合物薄膜の気相成長方法および
装置に関するものである。詳しく述べると本発明は、有
機金属気相成長法によって、大面積の水銀を含む化合物
単結晶薄膜を形成する方法および装置に関するものであ
る。
(従来の技術) 何機金属熱分解気相成長法(Metal  Organ
icChemical Vapor  Deposit
ion :以下、MOCVD法と称する。)は、量産性
と結晶成長層の膜厚、組成比制御性を兼ね備えているこ
とから、近年高性能半導体素子を作製するための重要な
技術となっている。
MOCVD法によるテルル化水銀カドミウム( C d
 X H g 1−x T e :以下、CMTと称す
る。)薄膜成長に関し、例えばジャーナル オブ クリ
スタル グロウス、第55巻(1981年)、第107
頁〜第115頁(Journal of Crysta
lGrowth, vol.55 (1981),. 
pLO7−115)に開示されている。この技術におい
ては、第5図に示すように、薄膜成長は石英製の水平反
応管30内で常圧にて行なわれる。原料としては、ジメ
チルカドミウム(Me2Cd)、ジエチルテルル(Et
2Te)および金属水銀(Hg)が用いられている。
有機金属(MO)であるMe2CdおよびEt2Teは
、水素ガスをギヤリアガスとして、反応管30の一方の
側端部に設けられた原料ガス導入口31より反応管30
内に導入される。また、Hgは、反応管30の底部壁面
上に載置された水銀溜32より供給される。反応管30
のさらに他方の側端部寄りには、底部壁面上に流線形状
を有するカーボンサセプタ33が配置してあり、このカ
ーボンサセプタ33上にはCdTe基板34が載置して
ある。反応管30内に導入されたMOガスは高周波コイ
ル35によって加熱されたカーボンサセプタ34近傍で
熱分解し、一方、水銀溜32よりはHg蒸気が供給され
るため、サセプタ33上に置かれたCdTe基板34面
上にCMT結晶が成長する。典型的な基板温度は420
℃付近である。薄膜の組成比(x)は水銀溜32の温度
により制御され、その温度範囲は240°Cから320
℃である。反応管30は、水銀蒸気が反応管30の管壁
に凝結しないように外部より抵抗ヒータ36で加熱され
る。
このようにして得られたテルル化水銀カドミウムは、赤
外線に対する感度・応答性に優れるものであるため、赤
外線検知素子材料として有望なものであるが、2次元ア
レイ型赤外線検知素子としては、大面積化と同時多数枚
成長が望まれている。
しかしながら、上記したような装置構成においては、反
応管として水平反応管30を用いるために、基板34面
が原料ガスの流れ方向に配置されることとなり、面積が
大きくなると成長薄膜の面内における組成比のバラツキ
および膜厚の不均一さが増すものとなった。また1イン
チ以上の大面積基板を利用する場合、同時処理可能な枚
数は1枚であった。
ところで、テルル化水銀カドミウムの構成物中、水銀の
蒸気圧は極めて高く、このため成長温度が高くなれば、
結晶中に多世の水銀空孔が発生し、目的とした組成比(
X)からズレを生じるという問題点がある。サーフエス
 サイエンス、第104巻(1981年)、第365頁
〜第383頁(Surf’ace  Science 
vol. 104 (1981),p365−383)
によれば、組成比0.2、すなわち、C d o2Hg
.,.Teを150℃以上で加熱した場合、CMT結晶
中からの水銀の蒸発が見られることが報告されている。
また、MOCVD法においては、結晶成長速度は主に原
料ガスの熱分解温度による。Et2TeとMe2Cdの
熱分解温度はそれぞれ400〜500℃および200〜
300℃である。このためCMT結晶の成長温度は、E
t2Teの熱分解温度である400℃以上が必要となる
このようにCMT薄膜成長温度は400℃以上であり、
かつ組成比Xが0.2〜0.3の場合のようにHg組成
が大きい場合、成長膜からのHg蒸発を抑えるために、
基板34近傍の水銀蒸気圧を高く保つ必要があり、実際
に水銀溜31の温度は、300℃以上となる。さらに、
水銀溜31から基板34近傍までの反応管30の管壁に
おいても、金属Hg凝結防止のため300℃以上に加熱
する必要がある。原料ガスが基板34に到達する前にか
かる高温部(300℃以上の水銀溜31、反応管30の
管壁)が存在することにより次のような問題が生じる。
すなわち、Me2Cdの熱分解温度は200℃以上であ
ることから途中で熱分解し、Hg蒸気と気相中で反応を
起す。このため気相中で反応により生じたHg−Cc;
lの核が基板34上に落下して付着し、成長表面が悪く
なるというものであった。
さらに、第5図に示すような構成においては、反応管3
0の原料ガス導入口31とサセプタ33上に載置された
基板34との間には、水銀溜32が存在し、原料ガス導
入口31より供給されたMOガスの反応管30内におけ
る流れを、該水銀溜32が妨げるため、基板34上にお
いて成長するCMT結晶の組成が不均一となる問題も生
じるものであった。
(発明が解決しようとする課題) 従って、本発明は、改良された気相成長方法および装置
を提供することを目的とするものである。
本発明はまた大面積の単結晶薄膜の多数枚作成に適する
気相成長方法および装置を提供することを目的とするも
のである。本発明はさらに、大面積の水銀を含む化合物
単結晶薄膜を高い組成比制御性および良好な表面状態を
もって形成する気相成長方法および装置を提供すること
を目的とするものである。本発明はさらに、大面積のC
d−Hg−Te系単結晶薄膜を高い組成比制御性および
良好な表面状態をもって形成する気相成長方法および装
置を提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 」二記諸目的は、有機金属気相成長法により、Hgを含
む化合物単結晶薄膜を成長させる方法において、 反応管として縦型反応管を用い、 この反応管の下部壁面より直立させた軸体に保持され反
応管内部空間に配置された水銀溜を所定の温度に加熱し
て反応管内に水銀蒸気を発生させ、一方、原料ガス導入
系からキャリヤガスに伴送させて反応管内に導入される
1ないしそれ以上の金属有機化合物のうち、少なくとも
低温分解性の金属有機化合物は、前記水銀溜の配置位置
よりも上方において開口するノズルより供給し、これら
の水銀溜およびノズル開口より上方位置に、縦型反応管
の下方を向けた表面を有しかつ所定温度に温度制御され
た基板を配置し、さらにこの基板を縦型反応管の中心軸
に対し回転させることを特徴とする水銀を含む化合物単
結晶薄膜の気相成長方法により達成される。
本発明はまた、有機気相成長法により、Cd−Hg−T
e系単結晶薄膜を成長させる方法において、 反応管として縦型反応管を用い、 この反応管の下部壁面より直立させた軸体に保持され反
応管内部空間に配置された水銀溜を所定の温度に加熱し
て反応管内に水銀蒸気を発生させ、一方、反応管の下部
壁面より挿通されて反応管内に開口するテルルの有機化
合物供給用ノズルと、反応管の下部壁面より挿通されて
反応管内の前記水銀溜の上端開口より上方位置において
開[}するカドミウムの有機化合物供給用ノズルより、
所定量のテルルの有機化合物およびカドミニウムの有機
化合物をそれぞれキャリヤガスに伴送させて反応管内に
導入し、 これらの水銀溜およびノズル開口より上方位置に、縦型
反応管の下方を向けた表面を有しかつ所定温度に温度制
御された基板を配置し、さらにこの基板を縦型反応管の
中心軸に対し回転させることを特徴とするCd−Hg−
Te系単結晶薄膜の気相成長方法を示すものである。本
発明はさらに、テルル化水銀カドミウム(C d − 
H g 1−Te)単結晶薄膜を成長させる気相成長方
法を示すものである。本発明はさらに、水銀溜の温度お
よび原料ガス供給系を制御して、水銀を含まない化合物
半導体、例えばテルル化カドミウム(CdTe)単結晶
薄膜と水銀を含む化合物半導体、例えばテルル化水銀(
HgTe)単結晶薄膜を交互に成長させる気相成長方法
を示すものである。
上記諸目的はまた、水銀を含む化合物単結晶薄膜を成長
させる気相成長装置であって、縦型反応管内にこの縦型
反応管の下部壁面より直立させた輔体により保持して水
銀溜を配置し、この縦型反応管の下部壁面より1ないし
それ以上の金属有機化合物供給用ノズルを挿通し、少な
くとも低温分解性金属有機化合物供給用ノズルは前記水
銀溜の上端開口より上方となるようにして、縦型反応管
内においてそれぞれ開口させ、また縦型反応管内のこれ
らの水銀溜およびノズル開口より上方位置に、縦型反応
管の下方を向けた基板設置面を有しかつ縦型反応管の中
心軸に対し回転する回転機構を備えた基板設置用サセプ
タを縦型反応管の上部側から支持して配置し、さらにこ
の縦型反応管内の排気を行なう排気系を縦型反応管の上
部側に接続した ことを特徴とする水銀を含む化合物単結晶薄膜の気相成
長装置によっても達成される。
本発明はまた、低温分解性金属有機化合物供給用ノズル
が水銀溜保持用軸体を兼ねるものである気相成長装置を
示すものである。本発明はさらに、Cd−Hg−Te系
単結晶薄膜を成長させる気相成長装置であって、縦型反
応管内にこの縦型反応管の下部壁面より直立させた軸体
により保持して水銀溜を配置し、この縦型反応管の下部
壁面よりテルルの有機化合物供給用ノズルおよびカドミ
ウムの有機化合物供給用ノズルを挿通し、少なくともカ
ドミウムの有機化合物供給用ノズルの方は前記水銀溜よ
り上方となるようにして縦型反応管内においてそれぞれ
開口させ、また縦型反応管内のこれらの水銀溜およびノ
ズル開口より上方位置に、縦型反応管の下方を向けた基
板設置面を有しかつ縦型反応管の中心軸に対し回転する
回転機構を備えた基板設置用サセプタを縦型反応管の上
部側から支持して配置し、さらにこの縦型反応管内の排
気を行なう排気系を縦型反応管の上部側に接続したこと
を特徴とするCd−Hg7Te系単結晶薄膜の気相成長
装置を示すものである。本発明はさらに、カドミウムの
有機化合物供給用ノズルが水銀溜保持用軸体を兼ねるも
のである気相成長装置を示すものである。
(作用) CMTなどのような水銀を含む化合物単結晶薄膜を作製
するに際して、単結晶薄膜の大面積化を図る場合、反応
管を縦型のものとして、基板をこの管体の半径方向に基
板を配置することが考えられる。縦型反応管を用いたM
OCVD法は、例えばGaAs系の化合物単結晶作製な
どにおいてはすでに行なわれており、またGaAs系に
おいては、基板に対して下方から原料ガスを供給するタ
イプの縦型反応管、いわゆるチムニー型反応管もすでに
報告されている(例えば、“チムニー型MOCVD成長
GarnP/Ga.Asへテロ構造”栗木博司ら、19
87年秋季 第48回応用物理学会学術講演会 講演予
稿集 第1分冊 第135頁)。しかしながら、このよ
うな縦型反応管をCMTなどのような水銀を含む化合物
単結晶薄膜の作製において適用しようとする場合、水銀
溜を如何にして反応管内に配置するかが問題となる。
また水銀溜が、縦型反応管内の原料ガスの導入部から基
板へ至る途中に配される場合には、上記[,7たごとき
水平反応管を用いた従来技術におけると同様に、低温分
解性原料ガスと水銀との気相中における反応および水銀
溜による原料ガスの流れの乱れなどが起るものとなる。
しかして、本発明においては水銀溜を縦型反応管の下部
壁面より直立させた軸体によって保持し、反応管の中央
部に配置するものであるために、これより上方に位置す
る基板全面に対し均一な水銀蒸気を供給することができ
るものである。
また、本発明においては、基板に対して原料ガスおよび
水銀蒸気を下方から供給するので、縦型反応管内に熱に
よる上昇流が生じても、これらのガスないし水銀ガスの
基板に対する流れはスムーズなものとすることができる
また、本発明の反応装置においては、縦型反応管の下部
壁面より反応管内に挿通された1ないしそれ以上の金属
有機化合物供給用ノズルのうち、少なくとも低温分解性
金属有機化合物供給用ノズル(例えばCd−Hg−Te
系単結晶薄膜の気相成長装置においては、テルルの有機
化合物供給用ノズルおよびカドミウムの有機化合物供給
用ノズルのうち、少なくともカドミウムの有機化合物供
給用ノズルの方)は、前記水銀溜の上端開口よりも上方
において開口している。このため、基板面に至るまでに
存在する高温域(水銀溜および反応管管壁)に低温分解
性金属有機化合物(カドミウムのa機化合物など)等の
原料ガスが曝されることがなくなる。したがって、カド
ミウムの有機化合物などの低温分解性金属有機化合物が
途中で熱分解し、気相中で水銀蒸気と反応して核形成を
起したり、あるいは原料ガスの歩留りが悪くなるといっ
た問題も生じなくなる。
さらに本発明の反応装置においては、これらの水銀溜お
よびノズル開口よりも上方位置に、縦型反応管の下方を
向けた基板設置面を有しかつ縦型反応管の中心軸に対し
回転する回転機構を備えた基板設置用サセプタを縦型反
応管の上部側から支持して配置していることから、この
サセプタの基板設置面上に保持される基板を、成長反応
時に面方向に回転させることができる。このため水平反
応管内に導入されたMOガス(テルルの有機化合物およ
びカドミウムの有機化合物のガス)が、水銀溜の存在あ
るいは各ノズルの開口位置の偏りなどを原因として、基
板近傍において濃度分布に位置的な不均一が生じても、
基板表面の各座標点が回転により変位するために面内に
おける組成比のバラツキが少なくなり、成長結晶の面内
における組成比の均一性が良好なものとなる。また前記
サセプタとして円錐状のサセプタを用い、基板設置面と
なる側面部に基板を設置することにより同時多数枚成長
も可能となる。
以下、本発明を実施態様に基づきより詳細に説明する。
第1図は本発明の気相成長装置の一実施態様であるCd
−Hg−Te系単結晶薄膜気相成長装置の構成を示す模
式図である。
すなわち、第1図に示す実施態様においては、原料とな
るカドミウムの有機化合物としてのMe2Cdおよびテ
ルルの有機化合物としてのEt2Teはそれぞれステン
レス製のバブラー1,2内にあり、それぞれ恒温槽3.
4に納められている。
なお、カドミウムの有機化合物としては、M e 2C
dに代えて、ジエチルカドミウム、ジプロピルカドミウ
ム、ジブチルカドミウム、ジイソブチルカドミウム、ジ
イソアミルカドミウムなどの他のアルキル化カドミウム
等を、またテルルの有機化合物としてはEt2Teに代
えて、ジメチルテルル、ジイソプ口ビルテルル、ジター
シャリブチルテルルなどの他のアルキル化テルル、ジア
リルテルル、ジメチルアリルテルルなどのアルケニル化
テルル、あるいは2.5−ジハイ。ドロテルロフエン等
をそれぞれ用いることも可能である。バブラー1,2内
は適当な蒸気圧で飽和状態にあり、その蒸気圧は恒温槽
3,4の温度で決定する。第2図にMe2CdとEt2
Teの蒸気圧曲線を示す。
これにより例えば恒温槽3.4の温度をそれぞれ30゜
C140℃に設定すれば、蒸気圧はMe2Cdが28m
mHg,Et2 Teが18mm.Hgとなる。なお、
Me2Cdの恒温槽3の温度としては、0〜60゜C,
より好ましくは25〜35゜C程度が、またEt2Te
の恒温槽4の温度としては、10〜60℃、より好まし
くは25〜40℃程度が適当である。
反応管11内に導入される原料ガス量はバブラー1.2
へ送り込まれるH2ガス流量、すなわち、マスフローコ
ントローラ(MFC)5.6とこれらのMOガスをそれ
ぞれ希釈するH2ガス流量、MFC7、8で決定する。
これらのMe2Cdガス供給ラインおよびEt2Teガ
ス供給ラインの先端は、それぞれノズル9.10となり
、それぞれ縦型反応管11の下部壁面を挿通して縦型反
応管1.1内へ伸ばされている。このうち、Et2Te
ガス供給用ノズル10は、I,1通された下部壁面の近
傍において開口するが、一方、Me2Cdガス供給用ノ
ズル9は、縦型反応管11内のかなり上方まで伸ばされ
ており、後述する基板設置用カーボンサセプタ17上に
保持される基板16表面の上部近傍、具体的には例えば
5〜100mm程度、より好ましくは10〜30mm程
度下方において開口している。なお、Me2Cdガス供
給用ノズル9の先端開口部が、5mmより基板16表面
に近いものであると、Me2Cdガスの基板16に対す
る供給が不均一となる虞れが高く、一方、100mmよ
り基板],6表面より遠いものであると、熱分解によっ
て生じたCdが気相中でHgと反応してしまう虞れが高
くなる。
しかして、この実施態様においては、このMe2Cdガ
ス供給用ノズル9が水銀溜12の支持軸体を兼ねるもの
とされている。すなわち、上端部の開口された円筒容器
状の水銀溜12は、該水銀溜12の底面中央部に設けら
れた挿通孔13に、Me2Cdガス供給用ノズル9を挿
通し、ノズル9外周面と挿通孔13内周面を接合するこ
とによって、ノズル9に固定されている。ここで、この
水銀溜12の上端開口、すなわち水銀蒸気の発生面は、
後述する基板設置用カーボンサセプタ17上に保持され
る基板16表面の下部近傍でかつノズル9の先端開口よ
り下方に位置するものとされ、具体的には、前記ノズル
9の先端開口位置にも左右されるが、例えば、基板16
表面より10〜120mm程度、より好ましくは30〜
50mm程度離れ、かつノズル9の先端開口より20m
m以上下方に位置するものとされる。すなわち、水銀溜
12の上端開口が、基板16に対して10mmより近い
ものであると、Hg蒸気あるいはEt2Teガスなどの
原料供給が不均一となる虞れが高く、一方、基板16に
対して120mmより遠いものであると、基板16近傍
において十分な蒸気圧が得られない虞れが高くなる。さ
らに、この水銀溜12の上端開口が、ノズル9の先端開
口に20mmより近いものとなると、気相中におけるc
dとHgの反応を制御できないものとなる。
なお、Me2Cdガス供給用ノズル9は、その先端開口
部近傍がこのように水銀溜12内を通るように配置され
るでいるために、少なくともこの先端開口部近傍が断熱
のために2重管構造とされている。
この水銀溜12の外周面には、水銀溜加熱用コイルヒー
タl4が巻かれており、また水銀溜12内には、水銀溜
12の温度をモニターする熱電対15が設けられている
一方、この水銀溜12の直上には、水銀溜12の底面な
いしMe2Cdノズル9先端開口から前記したような所
定の距離だけ離間して基板16を配することができるよ
うに、縦型反応管11の半径方向に下方を向けた基板設
置面を有する円盤状の基板設置用カーボンサセプタl7
が配置されている。この基板設置用カーボンサセプタ1
7は、縦型反応管11の外部より反応管11の上部壁面
を貫通して反応管11内に延長された回転モータ19の
回転軸18により、上部側から支持されている。
なお、この回転軸18が縦型反応管11の管壁を貫通す
る部位においては、メ、カニカルシール等の気密手段が
施されている。
従って、このカーボンサセプタ17上に保持される基板
16は、回転モータ19の駆動によって、例えば60回
/分以下、好ましくは5〜60回/分で面方向に回転さ
せられる。この回転が、例えば0.  2回/分である
ように極端に遅いものであると、基板16表面に成長す
るCMT系結晶の組成比の均一性が向上せず、一方、例
えば100回/分であるように回転が極端に速いもので
あると、装置機横上で種々の問題が生じる虞れが大きく
なるのでいずれも好ましくない。なお、本発明の気相成
長方法において、このような基板16の回転は、必ずし
も一定方向に回転させる必要はなく、所定間隔毎もしく
は所定の回転角度毎に逆転させるようなものとしても構
わない。また、サセプタ17の駆動系としても回転モー
タによるものに限定されるものではない。
基板16としては、結晶方位(1 1 1)面のCdT
e基板を好適なものの1つとして挙げることができるが
、他の面方位、例えば(100)面、さらに、例えばG
aAs,SiS InSb,A12 03などのその他
の基板材料も用いられ得る。
なお、縦型反応管11の外周面には、上記カーボンサセ
プタ17の配置された高さ位置付近において、基板加熱
用RFコイル20が巻かれており、カーボンサセプタ1
7には、基板16の温度をモニターするための熱電対2
1が埋めこまれている。
なお、基板加熱機構としては抵抗ヒータ加熱、ランプ加
熱なども利用できる。
また、縦型反応管11の外周面は、少なくともカーボン
サセプタ17の配置された高さよりも下部域において、
管壁加熱用ヒータ22で覆われている。従って、水銀7
ffI12を加熱して水銀蒸気を発生させた際、この管
壁加熱用ヒータ22を作動させ管壁を所定の設定値まで
加熱することで、反応管11の内壁面へのHgの凝結を
防止できる。
?らに、縦型反応管11の内部において所定の圧力で結
晶成長が行なえるように、縦型反応管11には、例えば
ロータリーポンプとこの排気量を調整する自動コンダク
タンスバルブよりなる排気制御装置23が、縦型反応管
11の上部域(少なくともサセプタ17存在位置より高
い領域)において、接続されている。さらに、縦型反応
管11には、縦型反応管11内を高真空排気するための
例えばターボ式ポンプよりなる高真空排気装置24と、
反応後の排ガスを処理するための排ガス処理装置25と
が、同様の上部域において接続されている。
第1図に示すような構成を有する気相成長装置を用いて
、基板16上にCMT(CdヨH g 1■Te)単結
晶薄膜を成長させるには、例えば以下のようにして行な
う。
まず、バブラー1,2から送出された原料ガスであるM
e2CdおよびEt2Teを、適当な濃度までH2ガス
で希釈してノズル9,10より縦型反応管11内へ送り
込む。例えばMFC7、8をそれぞれ2.5Ω/分、2
.5Ω/分、恒温槽3,4の温度がそれぞれ30℃、4
0°C1またMFC5,6をそれぞれ10ml/分、1
00mlZ分と設定すると、縦型反応管11内のMe2
CdSEt2 Teの濃度は、それぞれ4X10−6m
o 1/42 ,7X10−6mo 1/Ωとなる。な
お、Me2Cdバブラー1に送り込むH2ガス流量とし
ては1〜500ml/分、より好ましくは10〜100
ml/分程度が、Et2Teバブラー2に送り込むH2
ガス流量としては1〜500ml/分、より好ましくは
10〜100ml/分程度が、またそれぞれの原料ガス
に対する希釈H2ガス流量としては0.1〜20Ω/分
、より好ましくは1〜10Ω/分程度がそれぞれ適当で
ある。
一方、これらのMOガスが送り込まれる縦型反応管11
内は、排気制御装置23を作動させることにより10−
3torr 〜1000torr,より好ましくは5t
orr 〜760torrの範囲の所定の圧力に保たれ
ており、また反応管11の管壁は、管壁加熱用ヒータ2
2に通電することで、50〜600℃、より好まし《は
200〜400℃の範囲の所定の設定温度に保持される
。さらに、水銀溜12を、熱電対15によってモニター
しながら、水銀溜加熱用コイルヒータ14で加熱し、5
0〜500℃、より好ましくは200〜400゜Cの範
囲の所定の設定温度で一定となるようにして、反応管1
1内に所定の蒸気圧の水銀蒸気を供給する。
そして、上記したような回転速度で回転するザセブタ1
7上に下方を向けて保持した基仮16を、熱電対21で
モニターしながら、RFコイル20によって加熱して、
50〜600゜C、より好ましくは250〜450℃の
範囲の所定の設定温度に保持し、加熱された基板16近
傍でMe2CdおよびEt2Teを熱分解させ、基板1
6面上に所定の組成比のCMT結晶を成長させる。
第3図は本発明の気相成長装置の別の実施態様の構成を
示す概略図である。
この気相成長装置において、原料ガスの供給系は、第1
図に示した実施態様におけるものと同様であり、Me2
CdおよびEt2Teはそれぞれバブラー1、2内にあ
り、それぞれ恒温槽3,4に納められている。また縦型
反応管11内に導入される原料ガス量はバブラー1.2
へ送り込まれるH2ガス流量を制御するマスフローコン
トローラ(MFC)5.6とこれらのMOガスを希釈す
るH2ガス流量を制御するMFC7.8で決定する。
これらのMe2Cdガス供給ラインおよびEt2Teガ
ス供給ラインの先端は、それぞれノズル9”,ICIと
なり、それぞれ縦型反応管11の下部壁面を挿通して縦
型反応管11内へ伸ばされている。この実施態様におい
ては、いずれのノズル9−.10−も、縦型反応管11
内のかなり上方まで伸ばされており、後述する基板設置
用カーボンサセプタ17上に下方を向けて保持される基
板16表面の下部側面近傍、具体的には例えば基板16
側端より0〜100mm程度、より好ましくは0〜50
mm程度外方でかつ、基板16表面の0〜100mm程
度、より好ましくは0〜50mm程度下方において開口
{7ている。なお、これらのノズル9−,10−の先端
開口部が、−L記範囲より基板16に近いものであると
、Me2CdガスおよびEt2Teガスの基板16に対
する供給が不均一となる虞れが高く、一方、上記範囲よ
りMe2Cdガスノズル9′が基板16より遠いもので
あると、熱分解によって生じたCdが気相中でHgと反
応してしまう虞れが高くなる。
この実施態様においては、縦型反応管11の下部壁面よ
り、反応管11の中心軸上を通って、支持軸体26が上
方へ垂直に伸ばされており、上端部が開口された円筒容
器状の水銀溜12は、この支持軸体26によって反応管
11内の所定位置に配されている。なお、この水銀溜1
2の底面とこの直−ヒに配置される基板設置用カーボン
サセプタ17上に保持される基板16表面との離間距離
は、第1図に示す実施態様において述べたものと同様の
条件とされる。
また、この第3図に示す実施態様の気相成長装置のその
他の構成に関しては、第1図に示す実施態様において述
べたものと同様であるので、説明を省略する。なお、第
3図において符号の付された各部品ないし部位は、第1
図において同一符号を付された各部分ないし部位とそれ
ぞれ同じものを表わすものである。
さらに、第4図には本発明の気相成長装置の別の実施態
様が示されている。この実施態様と第1図に示された実
施態様とは、水銀溜12の外周面に設置された水銀溜加
熱用コイルヒータ14に代えて、水銀溜加熱・冷却用熱
電変換素子27を水銀溜12の外周面に配置し、また縦
型反応管11の外周面に設置された管壁加熱用ヒータ2
2に代えて、管壁加熱用コイルヒータ28と管壁冷却用
バイプ29を一対として縦型反応管11の外周面に配置
し、さらに、基板設置用カーボンサセプタ17として円
錐状のものを用い、その側面に基板16を配置した以外
は、同様の装置構成を有する。
なお、第4図において符号の付された各部品ないし部位
は、第1図において同一符号を付された各部分ないし部
位とそれぞれ同じものを表わすものである。
このように、第4図に示す実施態様においては、水銀溜
12および反応管11の管壁の温度を加熱方向のみなら
ず冷却方向にも強制的に変化させることのできる手段を
備えているために、例えばHg T e / C d 
T e超格子の作製におけるように水銀を含む化合物単
結晶薄膜と水銀を含まない化合物単結晶薄膜とを交互に
成長積層する場合などにおける反応系の切り換えに際し
て、Hg蒸気の発生の度合を大きく左右する水銀溜12
および反応管11管壁の温度を急激に変化させることが
可能であり、反応系の切換えが迅速になされるものとな
る。なお、この実施態様においては、水銀溜12の壁面
を加熱・冷却する装置として熱電変換素子を、また反応
管11管壁を加熱・冷却する装置としてヒータと流体管
路の組合せを用いたが、これらと同様に機能して水銀溜
12および反応管11管壁を加熱・冷却するものであれ
ば、任意の手段が用いられ得、例えば、水銀溜12の加
熱・冷却手段としてもヒータと流体管路の組合せを用い
ることか可能である。
第4図に示すような横成を有する気相成長装置を用いて
、基板16上にCdTe薄膜とHgTe薄膜とを交互に
成長積層するには、例えば以下のようにして行なわれる
まずCdTe薄膜の成長系においては、バブラー1,2
から送出されたMe2CdおよびEt2Teを、適当な
濃度までH2ガスで希釈し、てノズル9,10より縦型
反応管11,内へ送り込む。例えばMFC7、8をそれ
ぞれ2.51/分、2.5Ω/分、恒温槽3,4の温度
がそれぞれ30℃、40゜C、またMFC5.6をそれ
ぞれ10ml/分、100ml/分と設定すると、縦型
反応管11内のMe2 Cd,Et2 Teの濃度は、
それぞれ4X10−6mo1/Ω、7X10−6mol
/Ωとなる。なお、Me2Cdバブラー1に送り込むH
2ガス流量としては1〜500ml/分、より好ましく
は1. 0 〜1 0 0 rn 1 /分程度が、E
t2Teバブラー2に送り込むH2ガス流量としては1
〜500ml/分、より好ましくは10〜100m1/
分程度が、またそれぞれの原料ガスに対する希釈H2ガ
ス流金としては0.1〜20Ω/分、より好ましくは1
〜101/分程度がそれぞれ適当である。
一方、これらのMOガスが送り込まれる縦型反応管11
の管壁は、管壁冷却用バイプ29に水等の冷却用媒体を
流すことで、0〜80℃、より好ましくは20〜40゜
Cの範囲の所定の設定温度に保持され、さらに、水銀溜
12は、熱電変換素子27に冷却方向に電流を流すこと
によって:−100〜50゜C1より好ましくは−20
〜20℃の範囲の所定の設定温度に保持されている。従
って、反応管11内への水銀蒸気の供給は起らない。ま
た、反応管11内は排気制御装置23を作動させること
により10”3torr 〜1000torr、より好
ましくは5torr〜760torrの範囲の所定の圧
力に保たれている。
そして、上記したような回転速度で回転するサセプタ1
7上に下方を向けて保持した基板16を、熱電対21で
モニターしながら、RFコイル2oによって加熱して、
50〜600℃、より好ましくは250〜450℃の範
囲の所定の設定温度に保持し、加熱された基板16近傍
でMe2CdおよびEt2Teを熱分解させ、基板16
面上にCdTe結晶を成長させる。
所定の膜厚のCdTe薄膜の形成が終了したら、反応装
置をHgTe薄膜の成長系に切り換える。
すなわち、まずMFC5.6の流量を0として反応管内
へのMe2 C d, E t2 T eの供給を止め
、基板16面上への結晶の成長を停止させる。
そして、管壁冷却用パイプ29への冷却媒体の流通を止
めると同時に、管壁加熱用コイルヒータ28へ通電して
反応管11の管壁を加熱し、50〜600°C1より好
ましくは200〜400℃の範囲の所定の設定温変に保
持する。さらに、熱電変換素子27への電流の流れを逆
転させ、熱電対15によってモニターしながら、水銀溜
12を加熱し、50〜500℃、より好ましくは200
〜400℃の範囲の所定の設定温度で一定となるように
して、反応管11内に所定の蒸気圧の水銀蒸気を供給す
る。反応管11内のHg蒸気圧が所定の値で一定となっ
たところで、原料ガスとして、バブラー2よりEt2T
eのみをノズル10より縦型反応管11内へ送り込む。
例えばMFC7、MFC8をそれぞれ2.5Ω/分、恒
温槽4の温度が40℃、またMFC6を100ml/分
と設定すると、縦型反応管11内のEt2Teの濃度は
、7X10−8mol/47となる。なお、Ej2Te
バブラー2に送り込むH2ガス流量としては1〜500
ml/分、より好ましくは10〜100m1/分程度が
、また希釈H2ガス流量としては0.1〜20ρ/分、
より好ましくは1〜10ρ/分程度がそれぞれ適当であ
る。すでに基板16は、加熱・回転状態にあり、Et2
Teの供給開始と同時に基板16面上にH g T e
結晶を成長が始まる。
さらに、所定の膜厚のHgTe@膜の形成が終了した後
、反応装置を前記したCdTe薄膜の成長系に切り換え
、再びCdTe薄膜の形成を行なつ0 すなわち、まずEt2Teの供給を停止させる。
そして、管壁加熱用コイルヒータ28への通電を停止す
ると同時に、管壁冷却用バイプ29への冷却媒体の流通
を再開し、管壁が前記した20〜40℃の範囲の所定の
設定温度となるまで急速に冷却し、さらに熱電変換素子
27への電流の流れを再び冷却方向に切換え、水銀溜1
2を前記したー20〜20℃の範囲の所定の設定温度と
なるまで急速に冷却し、反応管11内への水銀蒸気の供
給を停止する。反応管11内の水銀蒸気圧が0となった
ところで、原料ガスの供給を開始する。すなわち、バブ
ラー1,2よりMe2CdおよびEt2Teを送出し、
前記したような所定の設定濃度までH2ガスで希釈して
ノズル9.10より縦型反応管11内へ送り込む。この
ようにして、すでに加熱され回転状態にある基板面上に
CdTe結晶を成長させる。
その後は、上記のごとく反応装置をCdTe薄膜の成長
系とHgTe薄膜の成長系とに交互に切換え、所定の積
層数となるまで操作を繰返すものである。
以上は、CMT (C d . H g I−x T 
e)およびC d T e / H g T eのごと
きCd−Hg−Te系単結晶薄膜の気相成長を例にとり
、本発明の気相成長方法および気相成長装置を説明した
が、本発明は他の化合物半導体、例えばCdアZn,H
g1−*−y T eおよびC d T e / Z 
n T e / H g T eのごときCd−Zn−
Hg−Te系などの水銀を含む化合物単結晶薄膜成長に
おいても同様に適応でき、高い組成比制御性および良好
な表面状態をもって大面積の薄膜結晶を得ることができ
るものとなる。
(実施例) 以下本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
実施例1 第1図に示すような装置を用い、CMT結晶成長実験を
行なった。
すなわち、H2ガスをキャリアーガスとして、縦型反応
管11内に、Me2CdおよびEt2Teをそれぞれノ
ズル9,10よりIXIO−’mo]/N、IX10−
5mo 1/,Cの流iで送り込ンだ。なお、Me2C
dガス供給用ノズル9の開口は、後述する基板16表面
の直下20mmのところにあった。またこのノズル9に
支持されて反応管11内の基板16の直下に配置された
水銀溜12を水銀溜加熱用ヒータ14により加熱して、
水銀溜12の温度を320゜Cに設定し水銀蒸気を発生
させた。なお、水銀溜12の上端開口は、基板16表面
より40mm下部に位置していた。そして、カーボンサ
セプタ17上に直径2インチのCdTe基板(結晶方位
(1 1 1)面)16を下方を向けて保持し、該基板
16を5回/分の速度で回転させた。サセプタ温度を4
00℃に設定し、反応管内の圧力を150torrとし
て、CdTe基板面上に厚さ5μmのCMT結晶薄膜の
成長を行なった。なお、反応管の管壁は、350℃に設
定された管壁加熱用ヒータ22で加熱されていた。
得られた成長薄膜の組成比をフーリエ変換赤外分光光度
計(FT.IR分光光度計)を用いて評価したところ、
直径2インチの面内における組成比のバラツキは1%以
下であった。
実施例2 第3図に示すような装置を用い、実施例1と同様の原料
ガス供給流世、水銀溜温度、管壁温度、基板回転速度、
成長温度および成長圧力条件において、CdTe基板(
結晶方位(1 1 1)面)上にCMT結晶を成長させ
た。
なお、用いられた装置において、Me2Cdガス供給用
ノズル9′およびEt2Teガス供給用ノズル10′の
開口は、直径2インチの基板16の端部より10mm程
度外方でかつ基板16表面より2 0 rn m程度下
部のところに設置されていた。
また支持軸体26に支持されて基板16の直下に配置さ
れた水銀溜12の上端開口は、基板16表面より40m
m下部に位置していた。
傳られた成長薄膜の組成比を実施例1と同様にFTIR
分先光度計を用いて評価したところ、直径2インチの面
内における組成比のバラッキは1%以下であった。
比較例1 比較のために、第5図に示すような構成を有する水平反
応管を用いて、カーボンサセプタ33上に直径1インチ
のCdTe基板(結晶方位(111)面)を配置し、実
施例1と同様の原料ガス供給流量、水銀溜温度、管壁温
度、成長温度および成長圧力条件において、CMT結晶
を成長させた。
得られた成長薄膜の糺成比を実施例1と同様にFTIR
分光光度計を用いて評価したところ、直径 インチの面
内における組成比のバラッキは最大30%にも達した。
さらに、同様の成長条件で、直径2インチのCdTe基
板にもCMT結晶を成長させようとしたが、基板上にお
ける結晶成長部位に偏りが生じ、実質的に直径2インチ
の単結晶薄膜の成長は不可能であった。
実施例3 第4図に示すような装置を用い、CdTe基板上にCd
Te薄膜、HgTe薄膜、CdTe薄膜の順に連続的に
成長させた。用いられた装置において、Me2Cdガス
供給用ノズル9の開口は、後述する基板16表面の直下
20mmのところにあった。またこのノズル9に支持さ
れて反応管11内の基板16の直下に配置された水銀溜
12の上端開口は、基板16表面より40mm下部に位
置していた。基板設置用カーボンサセプタ17としては
頂角60″の円錐状のものを用い、先端部分を反応管下
方に向け、側面に2インチCdTe基板を3枚取付けた
まず第1層としてのCdTe薄膜を成長させるために、
熱電変換素子27に冷却方向の電流を流して水銀溜12
を0℃に冷却し、また縦型反応管11の管壁を管壁冷却
用パイプ28に水を流して0℃に冷却した。この縦型反
応管11内に、H2ガスをキャリアーガスとして、Me
2CdおよびEt2Teをそれぞれノズル9.10より
1×10”6mO 1/’J2、IX10−5rno 
1/ρの流ffiテ送り込んだ。そして、円錐カーボン
サセプタ17」二に直径2インチのCdTe基板(結晶
方位(111)面)16を3枚下方を向けて保持し、該
基板16を5回/分の速度で回転させた。サセプタ温度
を360℃に設定し、反応管内の圧力を100torr
として、CdTe基板面上に厚さ1μmのCdTe薄膜
を成長を行なった。
次いで、第2層としてのHgTe薄膜を成長させるため
に、熱電変換素子27に流れる電流の方向を切替えて水
銀溜12を320℃に加熱し、また管壁冷却用パイプ2
8系による冷却を停止し、管壁加熱用コイルヒータ29
に通電して反応管1]管壁を380℃まで加熱して、反
応管11内に水銀蒸気を供給した。この水平反応管11
内に、H2ガスをキャリアーガスとして、Et2Teを
ノズル10より1、X 1 0’ mo 1 /(lの
流量で送り込んだ。そして、反応管内圧力IQQtor
rで、すでに5回/分の速度で回転し、基板温度360
゜Cである基板16面上に連続して厚さ1μmのHgT
e薄膜の成長を行なった。
さらに、第3層としてのCdTe薄膜を成長させるため
に、熱電変換素子27に流れる電流の方向を再度冷却方
向に切替えて水銀溜12を0゜Cに冷却し、また管壁加
熱用コイルヒータ28を切り、管壁冷却用パイプ29に
再度水を流して反応管11管壁を0°Cに冷却し、H2
ガスをキャリアーガスとして、Me2CdおよびEt2
Teをそれぞれノズル9,10よりIXIO−’mol
/,&、IXIO−5mol/Ωの流量で送り込んだ。
そして、反応管内圧力IQQtorrで、すでに5回/
分の速度で回転し、基板温度を360゜Cである基板1
6面上に連続して膜厚1μmのCdTe薄膜を成長を行
なった。
得られた積層体の各層における膜厚を各基板ごとにその
断面の走査電子fIR微@(SEM)観察から評価した
ところ、いずれも直径2インチの面内における各層膜厚
のバラツキは1%以下であった。
さらに得られた積層体をXMA (X−ray  Mi
cro  Analizer )により分析したところ
、第1層および第3層は完全なCdTeであり、Hgの
混入は認められなかった。加えて、この反応装置におけ
る反応系の切換えは非常に迅速に行なうことができ、第
2層のHgTeの反応系から第3層のCdTeの反応系
の切換えは、反応管の冷却を行なうにもかかわらず、わ
ずか3分程度であった。
(発明の効果) 以上述べたように、本発明によれば縦型反応管用いて基
板上に結晶成長を行なうために成長する水銀を含む化合
物単結晶の大型化および多数枚同時処理が可能であり、
また基板に対して原料ガスおよび水銀蒸気を下方から供
給するので反応管内に熱による上昇流が生じてもこれら
のガスの流れはス,ムーズなものとすることができ、ま
た少なくとも低温分解性原料ガスは水銀溜よりも基板に
近い位置から供給するため反応管内における気相中での
低温分解性原料ガスと水銀蒸気との反応を防止すること
ができ、さらに基板を回転させて原料ガスの流れの不均
衡性に影響を受けないように基板を配置することができ
るために、極めて高い組成比均一性、制御性および良好
な表面状態をもって水銀を含む化合物単結晶薄膜を形成
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の気相成長装置の一実施態様の構成を
示す模式図、第2図はMe2 C d, E t2Te
の蒸気圧曲線を示すグラフ、第3図は本発明の気相成長
装置の別の実施態様の構成を示す模式図、第4図は本発
明のさらに別の実施態様の構成を示す模式図であり、ま
た第5図は従来の気相成長装置の一例の構成を示す模式
図である。 ],2・・・バブラー  3,4・・・恒温槽、5.6
・・・原料{jt 給fi FJ整用マスフローコン1
・ローフ、 7.8・・・希釈流量調整用マスフローコントローラ、
9.9″・・・Me2Cdガス{共給用ノズル、10.
10−”E t2 Teガス供給用ノズル、11・・・
縦型反応管、 12・・・水銀溜、]3・・・挿通孔、
 14・・・水銀溜加熱用ヒータ、15・・・水銀溜温
度モニタ用熱電対、16・・・基板、17・・・基板装
着用カーボンサセプタ、18・・・回転軸、19・・・
回転モータ、20・・・基板加熱用RFコイル、 21・・・基板温度モニタ用熱電対、 22・・・管壁加熱用ヒータ、 23・・・排気装置、
24・・・高真空排気装置、 25・・・排ガス処理装
置、26・・・水銀溜支持軸体、 27・・・水銀溜加熱・冷却用熱電変換素子、28・・
・管壁加熱用コイルヒー夕、 2つ・・・管壁冷却用パイプ、 30・・・水平反応管、 31・・・ガス導入口1、3
2・・・水銀溜、 33・・・カーボンサセプタ、34
・・・基板、 35・・・基板加熱用高周波コイル、3
6・・・管壁加熱用抵抗加熱ヒータ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)有機金属気相成長法により、Hgを含む化合物単
    結晶薄膜を成長させる方法において、反応管として縦型
    反応管を用い、 この反応管の下部壁面より直立された軸体に支持され反
    応管内部空間に配置された水銀溜を所定の温度に加熱し
    て反応管内に水銀蒸気を発生させ、一方、原料ガス導入
    系からキャリヤガスに伴送されて反応管内に導入される
    1ないしそれ以上の金属有機化合物のうち、少なくとも
    低温分解性の金属有機化合物は、前記水銀溜の上端開口
    よりも上方において開口するノズルより供給し、 これらの水銀溜およびノズル開口より上方位置に、縦型
    反応管の下方を向けた表面を有しかつ所定温度に温度制
    御された基板を配置し、さらにこの基板を縦型反応管の
    中心軸に対し回転させることを特徴とする水銀を含む化
    合物単結晶薄膜の気相成長方法。
  2. (2)有機気相成長法により、Cd−Hg−Te系単結
    晶薄膜を成長させる方法において、 反応管として縦型反応管を用い、 この反応管の下部壁面より直立された軸体に保持され反
    応管内部空間に配置された水銀溜を所定の温度に加熱し
    て反応管内に水銀蒸気を発生させ、一方、反応管の下部
    壁面より挿通されて反応管内に開口するテルルの有機化
    合物供給用ノズルと、反応管の下部壁面より挿通されて
    反応管内の前記水銀溜の上端開口より上方において開口
    するカドミウムの有機化合物供給用ノズルより、所定量
    のテルルの有機化合物およびカドミニウムの有機化合物
    をそれぞれキャリヤガスに伴送させて反応管内に導入し
    、 これらの水銀溜およびノズル開口より上方位置に、縦型
    反応管の下方を向けた表面を有しかつ所定温度に温度制
    御された基板を配置し、さらにこの基板を縦型反応管の
    中心軸に対し回転させることを特徴とするCd−Hg−
    Te系単結晶薄膜の気相成長方法。
  3. (3)テルル化水銀カドミウム(Cd_xHg_1_−
    _xTe)単結晶薄膜を成長させる請求項1または2に
    記載の気相成長方法。
  4. (4)水銀溜の温度および原料ガス供給系を制御して、
    テルル化カドミウム(CdTe)単結晶薄膜とテルル化
    水銀(HgTe)単結晶薄膜を交互に成長させる請求項
    1または2に記載の気相成長方法。
  5. (5)水銀を含む化合物単結晶薄膜を成長させる気相成
    長装置であって、 縦型反応管内にこの縦型反応管の下部壁面より直立され
    た軸体により保持して水銀溜を配置し、この縦型反応管
    の下部壁面より1ないしそれ以上の金属有機化合物供給
    用ノズルを挿通し、少なくとも低温分解性金属有機化合
    物供給用ノズルは前記水銀溜の上端開口より上方となる
    ようにして、縦型反応管内においてそれぞれ開口させ、 また縦型反応管内のこれらの水銀溜およびノズル開口よ
    り上方位置に、縦型反応管の下方を向けた基板設置面を
    有しかつ縦型反応管の中心軸に対し、回転する回転機構
    を備えた基板設置用サセプタを縦型反応管の上部側から
    支持して配置し、さらにこの縦型反応管内の排気を行な
    う排気系を縦型反応管の上部側に接続した ことを特徴とする水銀を含む化合物単結晶薄膜の気相成
    長装置。
  6. (6)低温分解性金属有機化合物供給用ノズルが水銀溜
    保持用軸体を兼ねるものである請求項5に記載の気相成
    長装置。
  7. (7)Cd−Hg−Te系単結晶薄膜を成長させる気相
    成長装置であって、縦型反応管内にこの縦型反応管の下
    部壁面より直立させた軸体により保持して水銀溜を配置
    し、この縦型反応管の下部壁面よりテルルの有機化合物
    供給用ノズルおよびカドミウムの有機化合物供給用ノズ
    ルを挿通し、少なくともカドミウムの有機化合物供給用
    ノズルの方は前記水銀溜の上端開口より上方となるよう
    にして縦型反応管内においてそれぞれ開口させ、また縦
    型反応管内のこれらの水銀溜およびノズル開口より上方
    位置に、縦型反応管の半径方向に下方を向けた基板設置
    面を有しかつこの面方向に回転する回転機構を備えた基
    板設置用サセプタを縦型反応管の上部側から支持して配
    置し、さらにこの縦型反応管内の排気を行なう排気系を
    縦型反応管の上部側に接続したことを特徴とするCd−
    Hg−Te系単結晶薄膜の気相成長装置。
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JPH0817575A (ja) * 1994-04-26 1996-01-19 Nippondenso Co Ltd エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び製造装置
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