JPH10199676A - 薄膜エレクトロルミネッセンス素子の製造方法と装置 - Google Patents

薄膜エレクトロルミネッセンス素子の製造方法と装置

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JPH10199676A
JPH10199676A JP9005286A JP528697A JPH10199676A JP H10199676 A JPH10199676 A JP H10199676A JP 9005286 A JP9005286 A JP 9005286A JP 528697 A JP528697 A JP 528697A JP H10199676 A JPH10199676 A JP H10199676A
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light emitting
thin film
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manufacturing
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JP9005286A
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Yoji Inoue
陽司 井上
Katsu Tanaka
克 田中
Shinji Okamoto
信治 岡本
Kikuo Kobayashi
規矩男 小林
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Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不純物の少ない高品質なアルカリ土類チオガ
レートEL薄膜(青色または緑色発光)を提供する。 【解決手段】 第1絶縁層(24)と第2絶縁層(2
6)により挟まれた発光層(25)からなる薄膜積層体
を、透明な基板上(22)に積層するため少なくとも一
方が透明な下部電極(23)と上部電極(27)との間
に挟持する構造の交流駆動型の薄膜エレクトロルミネッ
センス素子を製造するにあたり、前記発光層(25)を
少なくとも1種の有機金属材料と少なくとも2種の固体
無機材料と硫化水素ガスとを原料とし、分子線エピタキ
シャル法により製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、たとえば各種情
報や画像を表示するディスプレイなどに利用される交流
駆動型薄膜エレクトロルミネッセンス(TFEL)素子
に係わり、TFEL素子の製造方法およびその製造装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】交流駆動型薄膜エレクトロルミネッセン
ス(TFEL)素子は、蛍光体薄膜を五酸化タンタル
(Ta2O5)などの誘電体材料ではさんだ構造の積層膜の両
端に、交流電圧を印加することで蛍光体薄膜が発光する
現象を利用した発光素子であり、薄型で軽量な自発光型
ディスプレイを構成するものとして期待されている。T
FEL素子でフルカラー表示のできるディスプレイが求
められているが、フルカラー表示に必要な三原色のうち
青色発光するTFEL素子の発光輝度が赤色と緑色発光
するTFEL素子の性能に比べて十分でないことから、
高輝度で長寿命の青色発光TFEL素子の製造が期待さ
れている。
【0003】アルカリ土類チオガレート化合物(MGa
2S4、M=Sr, Ca, Ba)に発光中心としてセリウム元素
を添加した蛍光体は、色純度の良い青色の蛍光を発する
ことが報告されていることから青色TFEL素子への応
用が検討されている。そのなかでもセリウム添加ストロ
ンチウムチオガレート蛍光体(SrGa2S4:Ce) は、テレビ
ジョン受像機のブラウン管に用いられている青色蛍光体
の色純度にもっとも近い発光色を有する材料である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】アルカリ土類チオガレ
ート化合物を用いたTFEL素子の製造法として、有機
金属材料を原料に用いた有機金属気相成長(Metal Orga
nic Chemical Vapor Deposition :MOCVD)法が検
討されている。MOCVD法においては、一般に容器に
充填した有機金属材料を加熱して発生させた蒸気を不活
性ガスまたは水素ガスをキャリアガスとして成長室内に
輸送する方法がとられる。III 族の有機金属材料とし
て、たとえばトリメチルガリウム(Ga(CH3)3) やトリエ
チルガリウム(Ga(C2H5)3) が一般に用いられており、こ
れらの材料は低温で十分な蒸気圧を有する。それに比べ
II族のアルカリ土類金属元素や希土類元素の有機金属材
料は十分な蒸気圧を持つ材料が現在のところあまり無
い。そのため、「ソサイエテイー・フォア・インフォメ
ーション・ディスプレイ・インターナショナル・シンポ
ジウム・ダイジェスト・オブ・テクニカル・ペーパーズ
(Society for Information Display International Sy
mposium Digest of Technical Papers / Volume XXV
I(1995) ,p728-731) で、ロスアラモス国立研究所の
スミスらが報告しているMOCVD法によるセリウム付
活カルシウムチオガレート(CaGa2S4:Ce) の作製例で
は、カルシウムビスジピバロイルメタナート(Ca(2,2,6,
6-tetramethyl-3,5-heptanedionate)2) およびセリウム
トリスジピバロイルメタナート(Ce(2,2,6,6-tetrameth
yl-3,5-heptanedionate)3)などのβ−ジケトン化合物を
有機金属材料として用いざるを得なかった。
【0005】しかし、TFEL素子の発光輝度と寿命を
向上させるには、不純物とくに水分(H2O)や酸素(O2
の少ない高品質な蛍光体薄膜を製造する必要があるが、
MOCVD法で用いたβ−ジケトン化合物材料は常温で
固体であり、実用的な成長速度を得るために必要な蒸発
量を発生させるには材料加熱温度を高くしなければなら
ない。アルカリ土類チオガレート化合物の製造では成膜
速度がアルカリ土類元素(Sr, Ca, Ba)の供給量によっ
て律速されるため、とくにII族のアルカリ土類金属の
有機金属材料の加熱温度を高くする必要がある。ところ
が、これらの有機金属材料は高温で不安定であり、加熱
温度を高くすることによる材料の分解等が問題となる。
すなわち、有機金属材料が分解することで生じる不純物
が製造した薄膜中に取り込まれ、蛍光体薄膜の品質を劣
化させるという問題である。特にβ−ジケトン化合物は
構成する元素の一つに酸素を含み、材料の分解により生
じた酸素原子がやはり材料に含まれる水素原子と反応す
ることでH2O が生じ蛍光体薄膜に取り込まれる。上記論
文においてもカルシウムチオガレート蛍光体薄膜中に酸
素の不純物濃度が約3パーセントとかなり高く含まれる
ことが示されており、高品質な蛍光体薄膜が得られてい
ない。蛍光体薄膜中の不純物を減らすには、有機金属材
料が分解しない加熱温度で薄膜を製造することがあげら
れるが、Ca元素を多量に供給することは困難であり実用
的な成長速度を得ることができない。また、同様の方法
でストロンチウムチオガレート蛍光体薄膜を製造した場
合にも、高品質な蛍光体薄膜を実用的な成長速度をもっ
て作製できないと予想される。
【0006】本発明の目的は、これらの問題を生じさせ
ることなくTFEL素子を実用的な成長速度で製造する
方法および製造装置を提供するものである。本発明の他
の目的は、不純物の少ない高品質なアルカリ土類チオガ
レート蛍光体薄膜を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】これら目的を達成するた
め、本発明薄膜エレクトロルミネッセンス素子の製造方
法は、第1絶縁層と第2絶縁層により挟まれた発光層か
らなる薄膜積層体を、透明な基板上に積層するため少な
くとも一方が透明な下部電極と上部電極との間に挟持す
る構造の交流駆動型の薄膜エレクトロルミネッセンス素
子を製造するにあたり、前記発光層を少なくとも1種の
有機金属材料と少なくとも2種の固体無機材料と硫化水
素ガスとを原料とし、分子線エピタキシャル法により製
造することを特徴とする。
【0008】さらに好適な実施態様は、製造された前記
発光層の母体成分がストロンチウムチオガレート(SrGa2
S4) 、カルシウムチオガレート(CaGa2S4) およびバリウ
ムチオガレート(BaGa2S4) のいずれか一種であり、前記
発光層の発光中心となる成分がセリウム(Ce)またはユー
ロピウム(Eu)であることを特徴とする。
【0009】またさらに好適な実施態様は、前記有機金
属材料がトリメチルガリウム(Ga(CH3)3) またはトリエ
チルガリウム(Ga(C2H5)3)であることを特徴とする。
【0010】またさらに好適な実施態様は、前記発光層
の母体成分となる前記固体無機材料が金属ストロンチウ
ム、金属カルシウムおよび金属バリウムのいずれか一種
であり、前記発光層の発光中心となる成分の固体無機材
料が金属セリウム、塩化セリウム(CeCl3) 、フッ化セリ
ウム(CeF3)、金属ユーロピウム(Eu)、塩化ユーロピウム
(EuCl3) およびフッ化ユーロピウム(EuF3)のいずれか一
種であることを特徴とする。
【0011】また本発明薄膜エレクトロルミネッセンス
素子の製造装置は、前記製造方法を実施する装置であっ
て、当該装置が前記エレクトロルミネッセンス素子の発
光層を製造する真空に排気された成長室を具え、該成長
室が前記発光層を成長させるべき基板を保持した基板ホ
ルダーと、成長室に設置された少なくとも2種の固体無
機材料を充填する少なくとも2つのクヌーセンセルとを
備え、ここで該2種の固体無機材料のうち一方は発光層
の母体成分となる原料であり他方は発光層の発光中心と
なる成分の原料であるとともに、前記装置がさらに成長
室に有機金属材料ガスを導入するため配管を介して成長
室に連結される有機金属材料を収容した恒温槽と、成長
室に硫化水素ガスを導入するため配管を介して成長室に
連結された硫化水素ガス供給源とを具えることを特徴と
する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照し実施例によ
り本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明による
TFEL素子の製造の一実施例としてSrGa2S4:Ceを発光
層としたTFEL素子を製造した場合について説明す
る。
【0013】図1は、本発明に関わるTFEL素子の発
光層を製造する分子線エピタキシー装置の模式図を示
す。TFEL素子の発光層であるSrGa2S4:Ce蛍光体薄膜
の製造では、母体を形成する材料として金属ストロンチ
ウム(Sr) 、トリエチルガリウム(Ga(C2H5)3) と硫化水
素(H2S) を用いる。また、発光中心を形成するためのド
ーパント材料として塩化セリウム(CeCl3) を用いる。そ
れぞれの材料を以下の方法によって基板に供給する。
【0014】成長室1に設置したクヌーセンセル(Knud
sen Cell: Kセル)に金属ストロンチウム2と塩化セリ
ウム3を充填し、熱電対によりフィードバック制御され
た調温器によってKセルを加熱し蒸発した蒸気を基板4
に供給する。また、恒温槽5に収容した原料容器6に充
填され加熱蒸発させたトリエチルガリウム原料蒸気は、
マスフロー・コントローラ7により流量を制御され、加
熱された配管を通り成長室に導入される。また、調圧器
により減圧した硫化水素ガス8は、マスフロー・コント
ローラ9により流量制御をおこない、成長室に導入され
た基板に供給される。各原料の供給量は基板位置に移動
した可動式のイオンゲージ10と四重極質量分析器11
により測定した。
【0015】供給された原料が基板に到達するまでに交
じりあって反応しないように成長室は真空ポンプ12に
より排気され1×10-3〜1×10-8パスカルの真空度
に保たれる。また、反応によって生成した不純物や未反
応な原料が取り込まれることなく蛍光体薄膜が作製でき
るように、成長室内部にコールドトラップ13を設置し
ている。
【0016】上記の発光層作製に用いる基板として、図
2に示すTFEL素子構造のうち、素子を保持するため
の透明なガラス基板22、錫添加酸化インジウムITO
から成る下部透明電極23と五酸化タンタルTa2O5 およ
び酸化シリコンSiO2から成る第一絶縁層24を積層した
構造の基板を用いる。基板は図1に示す基板搬入室14
を経由して成長室に導入され、調温器により温度制御さ
れたヒータブロックと基板回転機構により構成された基
板ホルダー15に取り付けられる。
【0017】発光層25の作製後、発光層の上に五酸化
タンタルおよび酸化シリコンから成る第二絶縁層26と
アルミニウムから成る上部電極27を積層して図2の構
造のTFEL素子に加工される。
【0018】次に、上述したTFEL素子の製造手順を
以下に述べる。ITO透明電極23と第一絶縁層24が
形成されたガラス基板22は図1に示すMOMBE装置
の基板搬入室14から搬入される。基板搬入室を真空ポ
ンプ20で1×10-4パスカル以下の真空度まで排気
後、成長室に移送し基板を基板ホルダー15に取り付け
る。成長室を大気に曝すことなく基板を出し入れできる
ことから成長室の真空度は1×10-3〜1×10-8パス
カルの範囲に保つことができる。
【0019】クヌーセンセルに充填された金属ストロン
チウム2と塩化セリウム3を、熱電対によりフィードバ
ック制御された調温器によって加熱し、原料蒸気を基板
に供給する。具体的には、金属ストロンチウムの温度を
400〜600℃の範囲とし、塩化セリウムの温度を5
00〜600℃の範囲とした。それぞれのクヌーセンセ
ルと基板間にはシャッター18,19が設置され、シャ
ッターの開閉により原料の供給を制御する。
【0020】また、トリエチルガリウム原料6は恒温槽
5に収容し所定の温度に加熱する。蒸発した原料蒸気の
流量をマスフロー・コントローラ7により制御し、加熱
された配管を通して成長室に導入する。具体的には、ト
リエチルガリウムの温度を80〜120℃の範囲とし、
流量を0.1 〜3SCCMとした。なお、トリエチルガリ
ウムをアルゴンガスAr、ヘリウムガスHe、窒素ガス
2 、水素ガスH2 などのキャリアガスを用いて成長室
に導入することもできる。また、トリエチルガリウムの
代わりに酸素を含まない有機金属材料のトリメチルガリ
ウム (Ga(CH3)3) を用いても構わず、この場合には原料
容器の温度を10〜50℃の範囲とする。
【0021】また、硫化水素 (H2S)8は調圧器21によ
り減圧した後、マスフロー・コントローラ9により流量
制御し所定量を成長室に供給する。なお硫黄の供給方法
として、ジメチル硫黄(S(CH3)2 )やジエチル硫黄(S
(C2H5)2)などの酸素を含まない有機金属材料を用いて
も構わない。
【0022】基板ホルダーに取り付けた前記基板を45
0〜600℃の温度に保持し、前述の手順によって原料
を基板上に供給することでセリウム添加ストロンチウム
チオガレート蛍光体薄膜を形成し発光層を作製した。さ
らに前記発光層の上に、第二絶縁層26と上部電極27
を形成し、図2のTFEL素子の製造をおこなった。
【0023】上記の方法で作製したセリウム添加ストロ
ンチウムチオガレート蛍光体薄膜の成膜速度と図1のイ
オンゲージ10で測定したストロンチウム材料の分子線
強度との関係を図3に示す。金属ストロンチウム材料を
上記の温度範囲で加熱したときの分子線強度はイオンゲ
ージの値で1×10-6〜2×10-4パスカルの範囲とな
る。このときのセリウム添加ストロンチウムチオガレー
ト蛍光体の成膜速度は0.1 〜5μm/hrとなりTFE
L素子を実用的な成長速度で作製できる。
【0024】図4は、上記TFEL素子の下部透明電極
と上部電極間に交流電圧を印加したときの発光スペクト
ルを示したものである。発光スペクトルのピーク波長は
450nmであり、x=0.14、y=0.15のCIE色度座
標を持つ純粋な青色発光を示すことがわかる。
【0025】本発明による分子線エピタキシー法では、
原料として用いた酸素を含まない有機金属材料を用いて
いるため発光層中の酸素含有量を1%以下に押さえるこ
とができる。その結果、本発明によるEL素子の発光輝
度は図5に示すように従来法で製造したものに比べて著
しく改善することができた。また、発光層中の不純物が
減少したことにより、TFEL素子の寿命も改善され
た。
【0026】本発明によれば、分子量エピタキシー法で
用いた金属ストロンチウムの代わりに金属カルシウムを
固体無機材料とすることで、カルシウムチオガレート蛍
光体薄膜を発光層とするTFEL素子の製造が可能であ
る。また、金属ストロンチウムの代わりに金属バリウム
を固体無機材料とすることでバリウムチオガレート蛍光
体を発光層とするTFEL素子の薄膜の製造が可能であ
る。さらに、固体無機材料として金属ストロンチウムと
金属カルシウムを同時に用いることにより、ストロンチ
ウムカルシウムチオガレート(Sr1-x Cax Ga2S4 :Ce
(0<x<1))蛍光体を発光層とするTFEL素子の
製造も可能である。本発明によれば、発光中心として添
加する上記セリウム元素の代わりにユーロピウム元素を
用いることで緑色発光するTFEL素子の製造が可能で
ある。さらにまた、前述のセリウム元素またはユーロピ
ウム元素の代わりにそれらの塩化物:塩化セリウム(Ce
Cl3 ) 、塩化ユーロピウム(EuCl3)、弗化物:フッ化セ
リウム(CeF3)、フッ化ユーロピウム(EuF3) を固体無
機材料として使用してもよい。
【0027】また、本発明薄膜エレクトロルミネッセン
ス素子の製造方法の一形態としてストロンチウム元素と
セリウム元素を固体無機材料として供給し、硫黄元素を
硫化水素の代わりに有機化合物材料、たとえばジメチル
硫黄(S(CH3)2 ) 、ジエチル硫黄(S(C2H5)2)の形で供
給することにより、セリウム付活硫化ストロンチウム
(SrS:Ce) を発光層とする青緑色発光TFEL素子の製
造が可能である。
【0028】また、亜鉛(Zn) 、マンガン(Mn) のいず
れか一種の元素を固体無機材料で供給し(これらの塩化
物でも弗化物でもよい)、他の元素を有機金属材料、例
えばビスシクロペンタジエチルマンガン(Mn(C5H5)2
またはジメチル亜鉛(Zn(CH3)2)かジエチル亜鉛(Zn(C
2H5)2 )で供給し、硫黄元素を有機化合物材料、例えば
ジメチル硫黄(S(CH3)2 )かジエチル硫黄(S(C2H5)2
又は硫化水素で供給することによりマンガン付活硫化亜
鉛(ZnS:Mn)を発光層とするオレンジ色発光TFEL素
子の製造が可能である。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、TFEL素子の発光層
をMBE法で作製する際、原料としてガス化した有機金
属材料と抵抗加熱により蒸発させた固体無機材料を用
い、それぞれを成長室内に導入し加熱した基板上に供給
することで不純物の少ない発光層を製造することができ
る。特に発光層母体成分を構成する原料を有機金属材料
ガスとして供給した場合に十分な蒸気圧が得られない場
合や、有機金属材料としてたとえばβ−ジケトン化合物
のような酸素を含んだ材料しか使用できない場合に固体
無機材料の蒸気にして供給することで、特に酸素などの
不純物が少ない発光層薄膜を基板上に効率良く製造でき
る。発光層薄膜中の不純物を減らしたことで、TFEL
素子の発光輝度と寿命が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わるTFEL素子の発光層
の作製に用いるMOMBE装置の概略図である。
【図2】本発明の実施例に係わるTFEL素子の断面図
を示したものである。
【図3】本発明の実施例に係わるTFEL素子の発光層
の成長速度と原料の供給量との関係を示した図である。
【図4】本発明の実施例に係わるTFEL素子の発光ス
ペクトルを示した図である。
【図5】本発明の実施例に係わるTFEL素子の発光輝
度と印加電圧との関係を示した図である。
【符号の説明】
1 成長室 2 金属ストロンチウム用Kセル 3 塩化セリウム用Kセル 4 基板 5 トリエチルガリウム原料用恒温槽 6 トリエチルガリウム原料容器 7 トリエチルガリウム供給用マスフロー・コントロー
ラ 8 硫化水素容器 9 硫化水素供給用マスフロー・コントローラ 10 イオンゲージ 11 四重極質量分析器 12 成長室排気用真空ポンプ 13 コールドトラップ 14 基板搬入室 15 基板ホルダー 16,17 ゲートバルブ 18,19 シャッタ 20 基板搬入室排気用真空ポンプ 21 硫化水素用調圧器 22 ガラス基板 23 下部透明電極 24 第一絶縁層 25 発光層 26 第二絶縁層 27 上部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05B 33/22 H05B 33/22 (72)発明者 小林 規矩男 東京都世田谷区砧1丁目10番11号 日本放 送協会 放送技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1絶縁層と第2絶縁層により挟まれた
    発光層からなる薄膜積層体を、透明な基板上に積層する
    ため少なくとも一方が透明な下部電極と上部電極との間
    に挟持する構造の交流駆動型の薄膜エレクトロルミネッ
    センス素子を製造するにあたり、前記発光層を少なくと
    も1種の有機金属材料と少なくとも2種の固体無機材料
    と硫化水素ガスとを原料とし、分子線エピタキシャル法
    により製造することを特徴とする薄膜エレクトロルミネ
    ッセンス素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法において、製造され
    た前記発光層の母体成分がストロンチウムチオガレート
    (SrGa2S4) 、カルシウムチオガレート(CaGa 2S4)および
    バリウムチオガレート(BaGa2S4) のいずれか一種であ
    り、前記発光層の発光中心となる成分がセリウム(Ce)ま
    たはユーロピウム(Eu)であることを特徴とする薄膜エレ
    クトロルミネッセンス素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の方法において、
    前記有機金属材料がトリメチルガリウム(Ga(CH3)3) ま
    たはトリエチルガリウム(Ga(C2H5)3)であることを特徴
    とする薄膜エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1から3いずれか記載の方法にお
    いて、前記発光層の母体成分となる前記固体無機材料が
    金属ストロンチウム、金属カルシウムおよび金属バリウ
    ムのいずれか一種であり、前記発光層の発光中心となる
    成分の固体無機材料が金属セリウム、塩化セリウム(CeC
    l3) 、フッ化セリウム(CeF3)、金属ユーロピウム(Eu)、
    塩化ユーロピウム(EuCl3) およびフッ化ユーロピウム(E
    uF3)のいずれか一種であることを特徴とする薄膜エレク
    トロルミネッセンス素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から4いずれか記載の製造方法
    を実施する装置であって、当該装置が前記エレクトロル
    ミネッセンス素子の発光層を製造する真空に排気された
    成長室を具え、該成長室が前記発光層を成長させるべき
    基板を保持した基板ホルダーと、成長室に設置された少
    なくとも2種の固体無機材料を充填する少なくとも2つ
    のクヌーセンセルとを備え、ここで該2種の固体無機材
    料のうち一方は発光層の母体成分となる原料であり他方
    は発光層の発光中心となる成分の原料であるとともに、
    前記装置がさらに成長室に有機金属ガスを導入するため
    配管を介して成長室に連結される有機金属材料を収容し
    た恒温槽と、成長室に硫化水素ガスを導入するため配管
    を介して成長室に連結された硫化水素ガス供給源とを具
    えることを特徴とする薄膜エレクトロルミネッセンス素
    子の製造装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007153996A (ja) * 2005-12-02 2007-06-21 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> 蛍光体の製造方法およびそれにより製造された蛍光体
JP2008311231A (ja) * 2008-06-26 2008-12-25 Seiko Epson Corp 膜形成装置、電子装置の製造方法及び電気光学装置の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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