JP2900164B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2900164B2 JP1177446A JP17744689A JP2900164B2 JP 2900164 B2 JP2900164 B2 JP 2900164B2 JP 1177446 A JP1177446 A JP 1177446A JP 17744689 A JP17744689 A JP 17744689A JP 2900164 B2 JP2900164 B2 JP 2900164B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁気記録媒体、更に詳細には極めて高度な分
散性、平滑性を有し、かつ高度な耐久性を有する磁気記
録媒体である。
〔従来の技術〕 磁気記録媒体は、録音用テープ、ビデオテープあるい
はフロッピーディスクなどとして広く用いられている。
磁気記録媒体は、基本的には、強磁性粉末が結合剤(バ
インダ)中に分散された磁性層が非磁性支持体上に積層
されてなるものである。
磁気記録媒体は、電磁変換特性、走行耐久性および走
行性能などの諸特性において高いレベルにあることが必
要とされる。すなわち、音楽録音再生用のオーディオテ
ープにおいては、より高度の原音再生能力が要求されて
いる。また、ビデオテープについては、原画再生能力が
優れているなど電磁変換特性が優れているものであるこ
とが要求されている。
このような優れた電磁変換特性を有すると同時に、磁
気記録媒体は前述のように良好な走行耐久性を持つこと
が要求されている。そして、良好な走行耐久性を得るた
めに、通常研磨材および潤滑剤が磁性層中に添加されて
いる。
しかしながら、研磨材によって優れた走行耐久性を得
るためには、その添加量をある程度増加する必要があ
り、そのため強磁性粉末の含有量が低下する。また優れ
た走行耐久性をえるために粒子径の大きな研磨材を使用
した場合には、磁性層表面に研磨材が過度に突出し易く
なる。従って、研磨材による走行耐久性の改良は上記の
電磁変換特性が劣化をもたらす場合が多く問題となる。
そして、潤滑剤によって上記走行耐久性を向上させる
場合にも、その添加量を多くする必要があり、このため
結合剤が可塑化され易くなり、磁性層の耐久性が低下す
る傾向がある。
また、上記耐久性および電磁変換特性を向上させるた
めには、磁性層の主成分の一つである結合剤も、当然の
ことながら重要な働きを担っている。従来から用いられ
ている塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン
系樹脂、アクリル系樹脂等では、磁性層の耐摩耗性が劣
り、磁気テープの走行系部材を汚染するとの問題があっ
た。
このような問題を改善する方法として、硬い結合剤を
用いて磁性層の硬度を上げる方法が行なわれている。し
かし磁性層の硬度を上げることにより悪影響として、磁
性層の脆さが顕著となり、磁気ヘッドとの接触によりド
ロップアウトが発生したり、スチル特性が劣化するとの
問題がある。
さらに他の方法として、主鎖と直結していない水酸基
(アルキル基またはアルキルエステル基を介して)およ
び極性基を有する塩化ビニル系共重合体からなり、共重
合体成分としてビニルアルコールを含まない構成を持つ
磁気記録媒体が特開昭62−134819号公報および特開昭62
−208423号公報に開示されている。上記共重合体成分で
あるビニルアルコールはケン化工程を経て製造されてい
るため、これを含む重合体は経時的に変化し易い。従っ
て、上記に開示されている磁気記録媒体は経時変化が少
なく、耐久性に優れたものであり、さらに水酸基および
極性基を有しているため強磁性粉末の分散性も優れ電磁
変換特性も良好であるとしている。
しかしながら、上記磁気記録媒体では、磁性層の強度
が高くないこと、磁性層表面の平滑性が十分でないた
め、充分に優れた耐久性および電磁変換特性が得られな
い。従って、極めて高度な平滑性および優れた電磁変換
特性が要求される、例えばS−VHS用や8mmビデオ用のテ
ープに対しては、充分に優れた磁気記録媒体であるとい
うことはできない。
又塗膜の耐久性を向上させるために特公昭63−55549
号公報には多価OH基とSO3M(Mはアルカリ金属又は第4
級アンモニウムイオン)を含む変性ポリウレタン樹脂を
磁性塗料組成物として用いることが記載されている。そ
してこのような結合剤を用いることにより、表面光沢
度、ブロッキング性、密着性等が改良されるとしてい
る。しかしながら、このような結合剤を用いると塗液粘
度が高くなり、それに伴って分散性が低下し、目詰り、
出力低下等の問題を生じた。
そこで本発明者らはこれら結合剤について鋭意検討し
た結果、特定の構造の塩化ビニル樹脂、ポリウレタンと
ポリイソシアネート化合物を用いることにより顕著に前
記問題が解決されることを見出し本発明に至った。
〔発明の目的〕
本発明の第1の目的は極めて高度な分散性、平滑性を
有し、かつ高度な耐久性を有する磁気記録媒体を提供す
ることにある。
本発明の第2の目的は塗布液粘度を低下させ、短時間
で高度な分散性を有する磁気記録媒体を提供することに
ある。
〔発明の構成〕
すなわち本発明の上記目的は非磁性支持体と強磁性粉
末を結合剤中に分散してなる磁性層を設けてなる磁気記
録媒体において、前記結合剤がアクリル性OH基又はメタ
アクリル性OH基を有し、アルキルアクリレート又はアル
キルメタアクリレートを全モノマー成分の5〜40重量%
を有し、かつ極性基を有する塩化ビニル系樹脂(A)と
極性基及び分子中に3個以上のOH基を有するポリウレタ
ンであって、前記ポリウレタンは両末端イソシアネート
を有し、且つTgが0℃以上の極性基含有ポリエーテルポ
リウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエス
テルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレ
タンから選ばれた1種のポリウレタンの該両末端イソシ
アネート基にTgが−30℃以上以上で分岐を有する多価ア
ルコール化合物と結合させて得られたポリウレタン
(B)とポリイソシアネート化合物(C)よりなること
を特徴とする磁気記録媒体によって達成できる。特に好
ましくは前記塩化ビニル系樹脂(A)は前記アクリル性
OH基又はメタルアリル性OH基をポリマー1g当たり10×10
-5〜100×10-5当量含みかつ前記極性基が−SO3M、−OSO
3M、−PO3M2、−OPO3M2、−COOM、−NR2(ここでMは水素、アルカリ金属、アンモニウムであ
り、Rはアルキル基、Xはハロゲン原子を示す)である
ことを特徴とする磁気記録媒体によって達成することが
できる。すなわち本発明の塩化ビニル系樹脂(A)には
アクリル性OH基又はメタアクリル性OH基を有し、ポリウ
レタン(B)には分子中に3個以上のOH基を有し、かつ
これらのOH基はイソシアネート基ときわめて反応性が高
いためにポリイソシアネート化合物(C)と強固な網状
結合を形成し、硬化性が向上し、それに伴って耐久性が
向上するものである。更に塩化ビニル系樹脂(A)とポ
リウレタン(B)に含まれる極性基は強磁性粉末と吸着
しやすく、高度な分散性を発揮する。
又本発明において一番特徴的なことは塩化ビニル系樹
脂(A)のモノマーとしてアルキルアクリレート又はア
ルキルメタアクリレートを全モノマー成分の5〜40重量
%含有することにより塗液粘度が顕著に低下し、分散速
度が上り、高度の分散性が得られる。
本発明に用いられる塩化ビニル系樹脂(A)は下記一
般式(I)で示されるアクリル性OH基又はメタアクリル
性OH基を含む。
R1はH又はCH3を示し、 R2は炭素数が1〜20のアルキレン又はポリアルキレン
グリコールを示す。
このアクリル性OH基又はメタアクリル性OH基を有する
モノマーは全モノマー中2〜10重量%(wt%)が好まし
い。10wt%より多いと分散性が低下しやすく、2wt%よ
り少ないと力学強度が低下しやすい。
又本発明に用いられる塩化ビニル系樹脂は下記一般式
(II)で示されるアルキルアクリレート又は、アルキル
メタアクリレートを含む。
R1はH又はCH3を示し R3は炭素数が1〜20のアルキル基を示す。このアルキ
ルアクリレート又はアルキルメタアクリレートは全モノ
マー中の5〜40重量%(wt%)が好ましい。40wt%より
多いと力学強度が低下しやすく、5wt%より少ないと粘
度減少効果が現われにくく、かつ分散性、配向性も低下
しやすい。
本発明の塩化ビニル系樹脂には−SO3M、−OSO3M、−P
O3M2、−OPO3M2、−COOM、−NR2エポキシ基より選ばれた少なくとも1種の極性基を含
む。
この極性基の量はポリマー1g当り1×10-5〜50×10-5
当量含むことが好ましい。
50×100-5当量より多いと粘度が上昇し、且つ分散性
が低下しやすく1×10-5当量より少なくと分散性が低下
しやすい。
又塩化ビニル系樹脂(A)の重合度は200〜600が好ま
しく、250〜450が特に好ましい。塩化ビニル系樹脂
(A)には上記以外のビニル系モノマー、例えば酢酸ビ
ニル、ビニルアルコール、塩化ビニリデン、アクリロニ
トリルなどを共重合させたものでもかまわない。
本発明に用いる極性基及び分子中に3個以上のOH基を
有するポリウレタン(B)は重量平均分子量Mwは2万〜
10万が好ましく、4万〜6万が特に好ましい。極性基は
−SO3M、−SOS3M、−PO3M、−OPO3M2、−COOM、−NR2より選ばれた少なくとも1種の極性基であることが好ま
しい。ここでM、R、Xは前記と同じである。ポリウレ
タン(B)の骨格はポリエステルポリウレタン、ポリエ
ーテルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタンで
あることが好ましい。
ポリウレタン(B)のガラス転移温度(Tg)は−30℃
〜70℃が好ましく、0゜〜70℃が特に好ましい。OH基は
1分子当り3個以上が好ましく、3〜10個が特に好まし
い。
ポリウレタン(B)はTgが0℃以上の極性基含有末端
イソシアネートのポリウレタンとTgが−30℃以上で分岐
を有する多価アルコール化合物と反応させたポリウレタ
ンであることが特に好ましい。
上記塩化ビニル系樹脂(A)およびポリウレタン
(B)の他に、各磁性層形成に使用する結合剤用樹脂に
特に制限はない。例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、ニトロセルロース樹脂などのセルロース誘導体、ア
クリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブ
チラール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂である。
これらは、単独でも組み合わせでも使用することがで
きる。
ただし、磁性層に含まれる上記特定の塩化ビニル系樹
脂(A)は、結合剤中に20〜80重量%の範囲で含有され
ていることが好ましく、さらに好ましくは30〜70重量%
の範囲である。また上記特性のポリウレタン(B)は、
結合剤中に20〜80重量%の範囲で含有されていることが
好ましく、さらに好ましくは30〜70重量%の範囲であ
る。
また、本発明は磁性層はポリイソシアネート化合物
(C)が用いられる。ポリイソシアネート化合物(C)
としては、通常ポリウレタン系樹脂等の硬化剤成分とし
て使用されているもののなかから選択される。ポリイソ
シアネート化合物の例としては、トリレンジイソシアネ
ート3モルとトリメチロールプロパン1モルとの反応性
生物(例、デスモジュールL−75(バイエル社製))、
キシリレンジイソシアネートあるいはヘキサメチレンジ
イソシアネートなどのジイソシアネート3モルとトリメ
チロールプロパン1モルとの反応生成物、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート3モルのビューレット付加化合物、
トリレンジイソシアネート5モルのイソシアヌレート化
合物、トリレンジイソシアネート3モルとヘキサメチレ
ンジイソシアネート2モルのイソシアヌレート付加化合
物、イソホロンジイソシアネートおよびジフェニルメタ
ンジイソシアネートのポリマーを挙げることができる。
磁性層に含まれる上記ポリイソシアネート化合物は、
結合剤中に10〜50重量%の範囲で含有されていることが
好ましく、さらに好ましくは20〜40重量%の範囲であ
る。
また、電子線照射による硬化処理を行なう場合には、
反応性二重結合を有する化合物(例、ウレタンアクリレ
ート)を使用することができる。
本発明のように、活性水素を有する有機基を持つ塩化
ビニル系共重合体(好ましくはポリウレタン系樹脂を併
用)が硬化剤としてポリイソシアネート化合物を使用す
る場合、該塩化ビニル系共重合体(好ましくは加えてポ
リウレタン系樹脂)とポリイソシアネート化合物との配
合重量比は、通常1:0.1〜1:2(好ましくは1:0.3〜1:1.
5)の範囲内に設定される。このようにすることにより
硬度の低い強磁性金属微粉末を使用した場合にも、ポリ
ウレタン系樹脂を使用することに伴なう結合剤の軟化を
有効に防止することができるようになる。
樹脂成分と硬化剤との合計(すなわち結合剤)の重量
は、強磁性粉末100重量部に対して、通常15〜40重量部
の範囲内にあることが好ましく、さらに好ましくは20〜
30重量部である。
本発明の磁気記録媒体に使用される強磁性粉末は、強
磁性酸化鉄、Co含有(被着、ドープ)強磁性酸化鉄又は
強磁性合金粉末でSBET比表面積が40m2/g以上(好ましく
は50m2/g以上)、結晶子サイズは350Å以下好ましくは2
50Å以下である。強磁性合金粉末としてはFe、Ni、Fe−
Co、Fe−Ni、Co−Ni、Co−Ni−Fe)であり、該金属分の
20重量%以下の範囲内での他の成分(例、Al、Si、S、
Sc、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、S
n、Sb、B、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、P、La、C
e、Pr、Nd、Te、Bi)を含むことのある合金を挙げるこ
とができる。また、上記強磁性金属分が少量の水、水酸
化物または酸化物を含むものなどであってもよい。
これらの強磁性粉末の製法は既に公知であり、本発明
で用いる強磁性粉末についても公知の方法に従って製造
することができる。
強磁性粉末の形状に特に制限はないが、通常は針状、
粒状、サイコロ状、米粒状および板状のものなどが使用
される。特に針状の強磁性粉末を使用することが好まし
い。
上記の樹脂成分、硬化剤および強磁性粉末を、通常磁
性塗料の調製の際に使用されている溶剤(例えば、メチ
ルエチルケトン、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸
エチル)と共に混練分散して磁性塗料とする。混練分散
は通常の方法に従って行なうことができる。
なお、磁性塗料中は、上記成分以外に、研磨材(例、
α−Al2O3、Cr2O3)、帯電防止材(例、カーボンブラッ
ク)、潤滑剤(例、脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコー
ンオイル)、分散剤など通常使用されている添加剤ある
いは充填材(剤)を含むものであってもよいことは勿論
である。
塗設は、以上の材料により調製した磁性塗料を非磁性
支持体上に下記の方法にて塗布する。磁性層用の樹脂成
分および強磁性粉末並びに所望により配合される硬化剤
などの磁性層形成成分を溶剤と共に混練分散して磁性層
用塗布液を調製する。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は例えば、走行下に
ある非磁性支持体の表面に磁性層用塗布液を好ましくは
磁性層の乾燥後の層厚が0.5〜10μmの範囲内(好まし
くは1.5〜7.0μm)になるように塗布する。ここで複数
の磁性塗料を逐次あるいは同時に重層塗布しててよい。
上記磁性塗料を塗布する塗布機としては、エアードク
ターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコ
ート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コー
ト、リバースロールコート、トランスファーロールコー
ト、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、ス
プレイコート、スピンコート等が利用できる。
本発明で用いる非磁性支持体の磁性塗料が塗布されて
いない面にバック層(バッキング層)が設けられていて
もよい。通常バック層は、非磁性支持体の磁性塗料が塗
布されていない面に、研磨材、帯電防止材などの粒状成
分と結合剤とが有機溶剤に分散してなるバック層形成塗
料を塗布して設けられた層である。
なお、非磁性支持体の磁性塗料およびバック層形成塗
料の塗設面に接着剤層が付設されていてもよい。
通常、塗布された磁性塗料の塗布層は、磁性塗料の塗
布層中に含まれる強磁性粉末を配向させる処理、すなわ
ち磁場配向処理を施した後、乾燥される。
このようにして乾燥された後、塗布層に表面平滑化処
理を施す。表面平滑化処理には、たとえばスーパーカレ
ンダロールなどが利用される。表面平滑化処理を行なう
ことにより、乾燥時の溶剤の除去によって生じた空孔が
消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向上するので、
電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得ることができる。
本発明の磁性層は、表面の中心線平均粗さが、カット
オフ値0.25mmにおいて4nm以下(好ましくは3〜1nmの範
囲)という極めて優れた平滑性を有する表面であること
が好ましい。その方法として、例えば上述したように特
定の強磁性粉末と結合剤を選んで形成した記録層を上記
カレンダー処理を施すことにより行なわれる。カレンダ
ー処理条件としては、カレンダーロールを温度を60〜10
0度の範囲、圧力を100〜400kg/cmの範囲の条件で作動さ
せることによって行なわれることが好ましい。
このようにして硬化処理された積層体を次に所望の形
状にする。
裁断はスリッターなどの通常の裁断機などを使用して
通常の条件で行なうことができる。
〔発明の効果〕
本発明の塩化ビニル系樹脂(A)にはアクリル性OH基
又はメタアクリル性OH基を有し、ポリウレタン(B)に
は分子中に3個以上のOH基を有し、かつこれらのOH基は
イソシアネート基ときわめて反応性が高いためにポリイ
ソシアネート化合物(C)と強固な網状結合を形成し、
硬化性が向上し、それに伴って耐久性が向上するもので
ある。更に塩化ビニル系樹脂(A)とポリウレタン
(B)に含まれる極性基は強磁性粉末と吸着しやすく、
高度な分散性能を発揮する。
又本発明において一番特徴的なことは塩化ビニル系樹
脂(A)のモノマーとしてアルキルアクリレート又はア
ルキルメタアクリレートを全モノマー成分の5〜40重量
%含有することにより塗液粘度が顕著に低下し、分散速
度が上り、高度の分散性が得られる。すなわちアルキル
アクリレート又はアルキルアクリレート成分は溶剤に対
する塩化ビニル系樹脂(A)の溶解性を向上させ、その
結果、磁性塗液の粘度を顕著に低下させる。塗液粘度が
低下すると分散速度が上り分散性が向上する。又塗液粘
度が低下すると強磁性粉末の配向性が向上し又塗布適性
も良化する。このように本発明の磁気記録媒体は用いる
結合剤に特定の機能を付与すると共に、それぞれの樹脂
が相乗的に機能して、高度な分散性、平滑性を有し、か
つ高度な耐久性を発揮するものと考えられる。
〔実施例〕
次に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明する。
各例において、『部』は特に指定しない限り『重量部』
を意味する。
〔実施例1〕 上記塗料の各成分のうちポリイソシアネート化合物、
ステアリン酸、オレイン酸を除いてボールミルを用いて
第1表に記載の時間混練分散させた。得られた分散液に
ポリイソシアネート、ステアリン酸、オレイン酸を加
え、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過
し、磁性層形成用の塗布液を調製した。
得られた磁性層用塗布液を、厚さ10μmのポリエチレ
ンテレフタレート支持体を60m/分の速度で走行させなが
ら、乾燥後の厚さが3μmになるようにドクターブレー
ドを用いて塗布し、磁性層が湿潤状態にあるうちにコバ
ルト磁石により配向させ、100℃で1分間乾燥後スーパ
ーカレンダー処理(温度100℃、圧力300kg/cm)を行な
い、その後60℃4日間熱処理して8mm幅にスリットし、8
mビデオテープを製造した。
第2表における評価項目の測定方法は以下の通りであ
る。
1)塗液粘度:25℃B型粘度計を用いて測定した。
2)Bm(最大磁束密度):テープサンプルをVSMで測定
した。
3)SQ(角型比):テープサンプルをVSMで測定した。
4)Y S/N:8mmVTR FUJIX−8(富士写真フイルム
(株)製)を用いて信号を記録し、S/Nメーターにて測
定した。
5)目詰まり:上記の8mmVTRで23℃30%RHの環境でビデ
オ信号を記録した30分長テープを繰返し100回走行さ
せ、再生信号のビデオ出力が3dB以上低下した回数を調
べた。
6)出力低下:5)の繰り返し走行前後での平均ビデオ出
力の低下分を調べた。
第1表、第2表の結果より明らかな如くアクリル性OH
基、アルキル(メタ)アクリレート及び極性基含有の塩
化ビニル系樹脂と、分子中に3コ以上のOH基及び極性基
を含有するポリウレタンとポリイソシアネートにより塗
液粘度が低く且つ分数時間の短い条件でも分散性高く、
高S/Nが実現でき、更に繰り返し走行での目詰まり回数
を抑え、出力低下を抑えられることがサンプルNo.1〜
5、7〜15、17、18、21、23よりわかる。本発明の範囲
に入らないサンプルNo.6、16、19、20、22、24、25につ
いてはBmが低く、SQ、YS/Nも低く目詰まりが発生しやす
く、出力低下を生じやすいことがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沖田 務 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富士写真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−146432(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体と強磁性粉末を結合剤中に分
    散してなる磁性層を設けてなる磁気記録媒体において、
    前記結合剤がアクリル性OH基又はメタアクリル性OH基を
    有し、アルキルアクリレート又はアルキルメタアクリレ
    ートを全モノマー成分の5〜40重量%有し、かつ極性基
    を有する塩化ビニル系樹脂(A)と極性基及び分子中に
    3個以上のOH基を有するポリウレタンであって、前記ポ
    リウレタンは両末端イソシアネートを有し、且つTgが0
    ℃以上の極性基含有ポリエーテルポリウレタン、ポリカ
    ーボネートポリウレタン、ポリエステルポリウレタン、
    ポリエーテルポリエステルポリウレタンから選ばれた1
    種のポリウレタンの該両末端イソシアネート基にTgが−
    30℃以上以上で分岐を有する多価アルコール化合物と結
    合させて得られたポリウレタン(B)とポリイソシアネ
    ート化合物(C)よりなることを特徴とする磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】前記塩化ビニル系樹脂(A)は前記アクリ
    ル性OH基又はメタアクリル性OH基をポリマー1g当たり10
    ×10-5〜100×10-5当量含みかつ前記極性基が−SO3M、
    −OSO3M、−PO3M2、−OPO3M2、−COOH、−NR2、−N+R3X
    -(ここでMは水素、アルカリ金属、アンモニウムであ
    り、Rはアルキル基、Xはハロゲン原子を示す)である
    ことを特徴とする請求項(1)の磁気記録媒体。
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