JP3494311B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP3494311B2
JP3494311B2 JP8035094A JP8035094A JP3494311B2 JP 3494311 B2 JP3494311 B2 JP 3494311B2 JP 8035094 A JP8035094 A JP 8035094A JP 8035094 A JP8035094 A JP 8035094A JP 3494311 B2 JP3494311 B2 JP 3494311B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電磁変換特性、耐久性、
長期保存安定性に優れた磁気記録媒体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、録音用テープ、ビデオ
テープあるいはフロッピーディスクなどとして広く用い
られている。磁気記録媒体は、強磁性粉末が結合剤(バ
インダ)中に分散された磁性層を非磁性支持体上に積層
している。磁気記録媒体は、電磁変換特性、走行耐久性
および走行性能などの諸特性において高いレベルにある
ことが必要とされる。すなわち、音楽録音再生用のオー
ディオテープにおいては、より高度の原音再生能力が要
求されている。また、ビデオテープについては、原画再
生能力が優れているなど電磁変換特性が優れていること
が要求されている。このような優れた電磁変換特性を有
すると同時に、磁気記録媒体は前述のように良好な走行
耐久性を持つことが要求されている。そして、良好な走
行耐久性を得るために、通常研磨剤が磁性層中に添加さ
れている。
【0003】しかしながら、研磨剤によって優れた走行
耐久性を得るためには、その添加量をある程度増加する
必要があり、そのため強磁性粉末の含有量が低下する。
また優れた走行耐久性を得るために粒子径の大きな研磨
剤を使用した場合には、磁性層表面に研磨剤が過度に突
出し易くなる。従って、研磨剤による走行耐久性の改良
は上記の電磁変換特性の劣化をもたらす場合が多く問題
となる。
【0004】また、上記耐久性および電磁変換特性を向
上させるためには、磁性層の主成分の一つである結合剤
も、当然のことながら重要な働きを担っている。従来か
ら用いられている塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹
脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂等では、磁性層の
耐摩耗性が劣り、磁気テープの走行系部材を汚染すると
いう問題があった。このような問題を改善する方法とし
て、硬い結合剤を用いて磁性層の硬度を上げる方法が行
われている。しかし磁性層の硬度を上げることにより磁
性層の脆さが顕著となり、磁気ヘッドとの接触によりド
ロップアウトが発生したり、スチル特性が劣化するとの
問題がある。
【0005】さらに他の方法として、主鎖と直結してい
ない水酸基(アルキル基またはアルキルエステル基を介
して)および極性基を有する塩化ビニル系共重合体から
なり、共重合体成分としてビニルアルコールを含まない
構成を持つ磁気記録媒体が特開昭62−134,819
号公報および特開昭62−208,423号公報に開示
されている。上記共重合体成分であるビニルアルコール
はケン化工程を経て製造されているため、これを含む重
合体は経時的に変化しにくく、磁気記録媒体は経時変化
が少なく、耐久性に優れたものであり、さらに水酸基お
よび極性基を有しているため強磁性粉末の分散性も優れ
電磁変換特性も良好であるとしている。
【0006】しかしながら、上記磁気記録媒体では、磁
性層の強度が高くないこと、磁性層表面の平滑性が十分
でないため、十分に優れた耐久性および電磁変換特性が
得られない。従って、極めて高度な平滑性および優れた
電磁変換特性が要求される、例えばS−VHS用や8m
mビデオ用のテープに対しては、充分に優れた磁気記録
媒体であるということはできない。
【0007】又塗膜の耐久性を向上させるために特公昭
63−55,549号公報には多価OH基とSO3
(Mはアルカリ金属イオン又は第4級アンモニウムイオ
ン)を含む変性ポリウレタン樹脂を磁性塗料組成物とし
て用いることが記載されている。そしてこのような結合
剤を用いることにより、表面光沢度、ブロッキング性、
密着性等が改良されるとしている。
【0008】ポリウレタンからなる結合剤としては、ポ
リオールとしてポリエステルポリオールを用いた−SO
3 Mを有するポリウレタン結合剤について特公昭58−
41,565号公報に記載されおり、ヒドロキシ末端基
含有ポリカーボネートとジイソシアネートとから得られ
るポリウレタン結合剤について特開昭59−198,5
30号に記載されており、カルボキシル基含有のポリカ
プロラクトンを原料としたポリウレタン結合剤が特開昭
62−201,918号公報に記載されている。 ま
た、カルボキシル基含有ポリエーテルを原料としたポリ
ウレタン結合剤が特開昭61−190,717号公報に
記載されている。ところが、これらのポリウレタンから
なる結合剤はポリウレタンの有する優れた特性を発揮す
るものの、強磁性粉末の分散性、長期保存性が不十分で
あり、広範囲の温湿度条件下の耐久性が不十分であると
いう問題があった。
【0009】また特開昭61−104,325号、特開
昭62−121,922号、特開平3−201,211
号がポリエ−テル/ポリエステルポリオ−ルのポリウレ
タンの例として知られている。特開昭61−104,3
25号はポリウレタンの構造として PTMG HO-[(C
H2)4-O-]n-H (ここで1≦n≦50である。)と フェノー
ル系OHにEO、POを付加した分子量が1,000以下のジ
オ−ルおよび芳香族シ゛カルホ゛ン酸(イソフタル酸)の前記と
とから縮合したホ゜リエーテルエステルホ゜リオールとシ゛イソシアネートとで
合成したウレタンである。即ちホ゜リエーテル部はフ゛ロック性を有
するものを含み、会合しやすいが、ホ゜リエステル部はフ゛ロック性
を有さず、会合しにくい。またはn=1のときはホ゜リエステルホ゜
リオールになる。但し実施例はホ゜リエーテルの分子量は650、1,000
でありホ゜リエーテル部はフ゛ロック性を有し、会合しやすいが、ホ゜リ
エステル部はフ゛ロック性を有さない、会合しないものを開示し
ている。
【0010】次に特開昭62−121,922号はホ゜リウ
レタンの構造は特開昭61−104,325号に同じであ
る。さらに特開平3−201,211号はホ゜リウレタンの構
造がOH基末端のホ゜リエーテルウレタンとホ゜リエステルウレタンをシ゛イソシアネート
でつないだフ゛ロック性ホ゜リウレタンの発明であり、ホ゜リエステルウレタン
としてはエーテル結合を内在するホ゜リエステルが中心に記載され
ている。この発明の実施例はホ゜リエステルホ゜リウレタンとしてはホ゜
リカフ゜ロラクトン系ホ゜リエステルを用いるものである。これらのこと
から発明は加水分解性を防止することが主とした狙いで
あり、実施例の効果も耐加水分解性向上が唱われてい
る。ホ゜リエステル成分として芳香族カルホ゛ン酸を使用することは
羅列的に詳細な説明に挙げられているが高いTgの発現
を発明の根幹とするものではなかった。
【0011】ポリエーテルポリウレタンはPEG(ホ゜リエ
チレンク゛リコール)、PPG(ホ゜リフ゜ロヒ゜レンク゛リコール)、PTMG
(ホ゜リテトラメチレンク゛リコール)などを長鎖ホ゜リオール原料として用
い、耐加水分解性に優れる。しかし熱変形温度(Tg)が低
く、力学強度が低いという欠点があった。特開平3−2
01,211号ではポリエーテルポリオールとポリエス
テルポリオールを長鎖ポリオールとして用いたポリウレ
タンが開示されているが、このポリエステルポリオール
では脂肪族のポリエステルポリオールを用いておりT
g、力学強度は不十分であり、これらの物性の改良が必
要であった。特開平3−201,211号はポリウレタ
ンの耐加水分解性の改良を主とした目的であり、このま
までは磁気記録媒体としての総合特性を満足するもので
はなく、使用に耐えるものではなかった。
【0012】ポリエ−テルウレタンの耐熱性、Tgを改
良するためにポリエ−テルポリオールを芳香族のジカル
ボン酸でエステル化した長鎖ジオールを用いたポリウレ
タンがある。ホ゜リエーテル部はフ゛ロック性を有するが、ホ゜リエステル部
はフ゛ロック性を有しない。この方法では耐熱性・Tgは改良
されるものの、破断伸びは小さくなり、脆いという欠点
が生じ磁気記録媒体の耐久性を発揮するものではなく実
用上不十分なものであった。即ち磁性層が脆くなるた
め、VTR走行中にテ−プのエッジ部分から磁性層がモ
ロケ粉落ちが生じてDO(ドロップアウト)が発生しや
すくなったり、テ−プのスリット工程で磁性層のテ−プ
エッジ部分にクラックが発生し、粉落ち、DOが起きや
すいのである。
【0013】また潤滑剤を磁性層中に添加することによ
って上記走行耐久性を向上させることが検討されている
がこれらの場合には、その添加量を多くする必要があ
り、このため結合剤が可塑化され易くなり、磁性層の耐
久性が低下する傾向がある。例えば前記の特開昭61−
104,325号では潤滑剤は実施例の中でミリスチン
酸、パルミチン酸、ブチルステアレ−トを使用してい
る。また特開昭57−158,030号ではエステル系
添加剤を用い、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、
即ちホ゜リエチレンク゛リコール、ホ゜リフ゜ロヒ゜レンク゛リコール、ホ゜リエチレンフ゜ロヒ゜レ
ンク゛リコール、などのホ゜リオキシアルキレンク゛リコールと脂肪酸とのモノエ
ステル化物を開示し、実施例ではホ゜リオキシエチレンオレイン酸エステル
(日本油脂社製ニッサンノニオンOー6を用いている。この効果
としては脂肪酸と併用したとき強磁性粉末の分散性が良
くなること、磁性層の粉落ちが少なくなること及びブリ
ードアウト現象が抑止され走行性(出力低下)、テープ
鳴きが良くなることを挙げている。しかしながら初期出
力CNが低く、スチル耐久性や保存後のスチル耐久性が
十分でなく、初期DO、走行後のDO、保存後のDOも
かなり改良はされているがまだ十分ではなかった。
【0014】また特開昭59−227,030号ではエ
ステル系添加剤として次の式の添加剤を用いている。R
1COO[CH(R3)CH(R4)O]nR2 ここで
1は炭素数8〜22、R2は炭素数1〜12、R3とR4
はHまたはCH3、nは2以上を示す。この効果として
高温(40゜C)での耐久性(スチル)、分散性が改良され
るとしている。しかしながら初期出力CNが低く、スチ
ル耐久性や保存後のスチル耐久性が十分でなく、初期D
O、走行後のDO、保存後のDOもかなり改良はされて
いるがまだ十分ではなかった。本発明者らはこれら強磁
性粉末、潤滑剤さらには結合剤の構造や種類等について
鋭意検討した結果、特定の強磁性粉末と特定の潤滑剤さ
らにはポリウレタンを組み合わせることにより、顕著に
電磁変換特性、耐久性、長期保存安定性に優れた磁気記
録媒体が得られることがわかり本発明に至った。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、分散性が極
めて高く、平滑性、電磁変換特性に優れ、耐久性、硬化
性に優れ、長期保存性に優れた磁気記録媒体を提供する
ことを目的とする。特にテープ特性としては初期、繰り
返し使用、保存でのDO増加が少なく、テ゛シ゛タル記録では
エラーレートが低く、なおかつ破断伸びが大きく脆くないので
耐久性に優れ、高速回転での回転ヘッドをもつβカム、
D2、D3等のシステム用の磁気記録媒体の走行性、耐
久性に優れ、スリット時のエッジ部のクラックの発生もな
く、DOが少ない磁気記録媒体を提供することを目的と
する。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は非磁
性支持体上に強磁性粉末と結合剤と潤滑剤からなる磁性
層を有する磁気記録媒体において、前記強磁性粉末は結
晶子サイズが120A〜250AでCo含有量が5〜4
0atm%であるFeを主成分とする強磁性金属粉末であ
り、前記結合剤はポリエーテルポリオールとポリエステ
ルポリオールから誘導され、かつTgを少なくとも2つ
有し、一方が−250〜0℃で他方が40〜130℃で
あるポリウレタンを含み、前記潤滑剤はプロピレングリ
コール残基を有するエステル系潤滑剤を含むことを特徴
とする磁気記録媒体によって達成できる。
【0017】本発明の好ましい態様は以下の通りであ
る。 (1)前記潤滑剤は以下の式で示されるプロピレングリ
コール残基を有するエステル系潤滑剤である磁気記録媒
体。 R1COO[CH(CH3)CH2O]nR2 及び R1COO[CH2CH(CH3)O]nR2 これらの式においてR1は炭素数13〜23の分岐又は
直鎖の飽和または不飽和の炭化水素基を示し、R2は炭
素数4〜20の分岐又は直鎖の飽和または不飽和の炭化
水素基を示し、nは1〜10の整数を示す。 (2)前記結合剤はポリエーテル成分を含むポリウレタ
ンを含有する磁気記録媒体
【0018】()前記ポリウレタンは分子中に、−S
3M、−OSO3M、−COOM、−PO32、−OP
32、−NR2、−N+3 - ただし、Mは水素原
子、Li、K、Naから選ばれたアルカリ金属イオン、
アンモニウムイオン、Rは炭素数1〜12のアルキル基
であり、Xはハロゲン原子を示す)から選ばれた少なく
とも1種の極性基を1×10-3〜1×10-6eq/g含有す
るポリウレタンからなる磁気記録媒体。 ()前記強磁性粉末はσsが110〜170emu/
g、及びHcが1,500〜2,600Oeである磁気
記録媒体。 ()前記結合剤は前記ポリウレタン以外に分子中に、
−SO3M、−OSO3M、−COOM、−PO32、−
OPO32、−NR2、−N+3 - ただし、Mは水素
原子、Li、K、Naから選ばれたアルカリ金属イオ
ン、アンモニウムイオン、Rは炭素数1〜12のアルキ
ル基であり、Xはハロゲン原子を示す)から選ばれた少
なくとも1種の極性基を1×10-6〜1×10-3eq/g含
み、かつエポキシ基を1×10-4〜5×10-3eq/g含む
塩化ビニル系樹脂を含有する磁気記録媒体。
【0019】即ち本発明は磁気記録密度向上のため強磁
性粉末の改良が重要であることに鑑み、粒子サイズを微
粒子化したり、強磁性粉末の抗磁力・磁束密度を高める
ため微量の常磁性金属(Co、CrあるいはNi)を強磁性メタ
ル粉末に加えることが必要であることを見出した。この
ような強磁性粉末は一般的に耐久性が劣るが、本発明の
耐久性良好な潤滑剤および結合剤との組み合わせによっ
て、耐久性の改良が図られたものである。本発明の潤滑
剤および結合剤と上記の強磁性粉末を組み合わせた時初
めて磁気記録密度の高い、しかも耐久性の大幅に向上し
た磁気記録媒体を実現できたのである。特に強磁性粉末
のCo含有量を5atm%以上含有する強磁性粉末とプロ
ピレングリコール残基を有するエステル系潤滑剤とを用
いることにより電磁変換特性、耐久性等が向上した。
【0020】これは本発明のプロピレングリコール残基
を有するエステル系潤滑剤を用いることによって、潤滑
剤が磁性層表面に存在し易く、かつ前記潤滑剤が磁性層
バインダーに適度に親和し、かつ本発明の強磁性粉末と
適度に相互作用を起こして耐久性が向上したものと推定
される。更に本発明はポリエーテル含有ウレタン結合剤
と併用したとき、バインダーが強磁性粉末に吸着し本発
明のプロピレングリコール結合を有するエステル系潤滑
剤との相互作用による相溶性が適度になって耐久性が飛
躍的に向上したものと推定される。本発明の強磁性粉
末、潤滑剤さらに本発明のホ゜リエーテルエステルウレタンとの組み合
わせで耐久性が向上するとともに、脆さを改良できたこ
とにより、スリット時のエッジ部のクラックも改良さ
れ、初期DOが減少し、走行中のDO増加やヘッド汚れも
改良できたのである。
【0021】本発明のエステル潤滑剤はエステル基近傍
に置換基があるため耐加水分解性に優れ、また本発明で
併用できるポリエーテルエステルポリウレタンは長鎖ポ
リオールとしてPEG(ホ゜リエチレンク゛リコール)、PPG(ホ゜リ
フ゜ロヒ゜レンク゛リコール)、PTMG(ホ゜リテトラメチレンク゛リコール)など
のポリエーテルポリオールを用いているので更に耐加水
分解性に優れた磁気記録媒体を提供できる。この結果磁
気記録媒体の長期間保存性に優れ、高い磁気記録特性を
保持できるものである。また一般にポリエーテルエステ
ルウレタンは熱変形温度(Tg)が低く、力学強度が低いと
いう欠点があり、特開平3−201,211号では脂肪
族のポリエステルポリオールを用いておりTg、力学強
度は不十分であるが、本発明のポリエーテルウレタンは
これらの物性をも改良できる。本発明のポリウレタンは
ホ゜リエーテル部がフ゛ロック性を有するのみならず、ホ゜リエステル部もフ゛
ロック性を有するので、耐熱性・Tgは改良されるのみなら
ず、破断伸びは大きくなり、脆いという欠点も改良さ
れ、磁気記録媒体として十分な耐久性を発揮するもので
ある。即ち磁性層が脆さが改良されたため、VTR走行
中にテ−プのエッジ部分から磁性層がモロケ粉落ちが生
じることもなく、DO(ドロップアウト)が発生が防止
され、テ−プのスリット工程で磁性層のテ−プエッジ部
分にクラックが発生したり、粉落ち、DOが起きること
もなくなった。
【0022】さらに本発明のポリウレタンは低分子エス
テル系潤滑剤との相溶性が低いと言う特徴がある。この
ことから磁性層に添加したエステル系潤滑剤はバインダ
−に溶け込むこともなく、磁性層表面に出やすくなる。
エステル系潤滑剤の添加量を減らして磁性層表面のエス
テル系潤滑剤の量を減少することにより、磁性層のバイ
ンダーがエステル系潤滑剤によって可塑化されたり、磁
性層表面が削れやすくなったり、耐久性が低下するとい
う問題が生じることもなくなった。エステル系潤滑剤は
一般に液体の流体潤滑性があり磁気記録媒体ではスチル
耐久性のような高速で比較的低加重で接触する摺動に対
する摩擦低減効果がある。従ってポリエーテル成分を含
むポリウレタンを通常のブチルステアレ−トのようなエ
ステル系潤滑剤と組み合わせた磁性層ではスチル耐久性
に欠点が生じるが、本発明の潤滑剤ではこのような問題
がなく特に極めて高速で回転するヘッドを有する、例え
ばハイビジョン或いはデジタルVTRシステム用の磁気
記録媒体としてもスチル耐久性はまったく問題とはなら
ない。
【0023】このように本発明の潤滑剤を用いると特に
ポリエーテル成分を有するポリウレタンに対して相溶性
が低く少量添加で磁性層表面に出やすく、ポリウレタン
を可塑化しにくいためスチル耐久性、走行耐久性が著し
く優れることが分かった。さらに本発明のポリウレタン
は、ポリエーテルポリオールとポリエステルポリオール
から誘導されるポリウレタンによって耐熱性、Tgを改
良し、なおかつ大きな破断伸びを維持でき、前述の耐久
性を大きく向上させポリエーテルポリウレタンの持つ上
記欠点を克服できる。また結合剤のTgをあげると一般
的にカレンダーでの平滑化が困難になったり硬化性
が悪化したりするがホ゜リエーテルフ゛ロック部分の流動できる相が
あるためカレンダ−成形性は低下することが無いしまた
硬化性が不良になったりしない。これによっても電磁変
換特性が高く、しかも耐久性が良好な磁気記録媒体が得
られた。 磁性層の硬化性は、ポリウレタンの分岐OH
基を増やすことによって更に向上させることができる。
【0024】上述のように本発明の強磁性粉末、潤滑
剤、バインダーを選択することにより高記録密度でしか
も 耐加水分解性、耐熱性、耐保存粘着性、走行耐久
性、スチル耐久性、特に磁気記録密度向上のためビデオ
ヘッドの回転が1800回転/分のVHS、8mmVTRで改良
されるだけでなく、更に高速回転(3600、5400、7200、9000
回転/分さらにこれ以上)したハイヒ゛シ゛ョンVTRやテ゛シ゛タルVTRな
どの次期記録システムでも走行耐久性が大幅に改良できた。
強磁性粉末の分散性は本発明の強磁性粉末にCoが5〜
40atm%含まれるのでハ゛インタ゛ーの吸着性が高く非常に良
好である。SO3M、PO3M2、COOM(Mは水素原子、アルカリ金
属イオンまたはアンモニウムイオン)等の極性基をハ゛インタ
゛ーに導入することによってこの分散性を更に向上でき
る。
【0025】先ず本発明において使用する強磁性粉末に
ついて述べる。強磁性粉末としては結晶子サイズは12
0A〜250Aであり、好ましくは130A〜220A
であり、特に好ましくは140A〜200Aである。長
軸長は0.05〜0.25μmであり、好ましくは0.
07〜0.20μmであり、特に好ましくは0.07〜
0.20μmである。SBETは50〜80m2/gであり、好ま
しくは55〜70m2/gである。Co含有量が5〜40atm%
であり、好ましくは8〜30atm%であり、更に好まし
くは9〜25atm%含有することであり、Feを主成分
とする強磁性金属粉末である。更に微量のCr,Ni,
Mn,Zn、Sr,Nd、等の金属を含んでも良い。飽
和磁化(σs)は好ましくは100〜170emu/g
であり、好ましくは110〜150emu/gであり、
特に好ましくは120〜140emu/gである。
【0026】本発明の強磁性粉末のHcは1,500〜
2,600Oeであり、好ましくは1,700〜2,5
00Oeであり、特に好ましくは1,800〜2,30
0Oeである。長軸長/短軸長比 は2〜12であり、
好ましくは4〜10であり、特に好ましくは5〜8であ
る針状強磁性粉末が好ましい。 この範囲より大きくな
ると平滑性が低下し電磁変換特性が低下する。また特に
本発明のバインダ−を組み合わせたときの耐久性が低下
する。
【0027】次に本発明のプロピレングリコール残基を
有するエステル系潤滑剤について述べる。即ち本発明の
潤滑剤は以下の式で示されるプロピレングリコ−ル残基
を有するエステル系潤滑剤であることが好ましい。 R1COO[CH(CH3)CH2O]nR2 及び R1COO[CH2CH(CH3)O]nR2 これらの式においてR1は炭素数13〜23の分岐又は
直鎖の飽和または不飽和の炭化水素基を示し、R2は炭
素数4〜20の分岐又は直鎖の飽和または不飽和の炭化
水素基を示し、nは1〜10、好ましくは1〜4の整数
を示す。R1、R2の鎖長の総和が短いと揮発しやすく、
保存後のスチル耐久性が低下する。R1、R2の鎖長の総
和が長すぎると粘度が高くなり、流体潤滑性が低下する
ためスチル耐久性が低下するので好ましくない。nが1
0を超えるとやはり粘度が高くなりスチル耐久性が低下
する。
【0028】これらの潤滑剤の具体例としては次のよう
なものが挙げられる。 (1)C1735COOCH(CH3)CH2OC49 (2)C1735COO[CH(CH3)CH2O]24
9 (3)C1735COO[CH(CH3)CH2O]34
9 (4)C1735COO[CH(CH3)CH2O]44
9 (5)C1735COOCH(CH3)CH2OC613 (6)C1735COO[CH(CH3)CH2O]2CH2
CH(C25)C49 (7)C1531COOCH(CH3)CH2OC49 (8)C1327COO[CH(CH3)CH2O]24
9 (9)C1939COO[CH(CH3)CH2O]34
9 (10)C1735COO[CH(CH3)CH2O]4
2CH2OC49 (11)C817CH=CHC714COOCH(C
3)CH2OC613 (12)C817CH=CHC714COO[CH(CH
3)CH2O]2817 (13)C1735COOCH(CH3)CH2OCH2
H(C25)C49 (14)C1327COO[CH(CH3)CH2O]10
49 (15)C2347COOCH(CH3)CH2OC49 (16)C1327COOCH(CH3)CH2OC2041 (17)C1123COO[CH(CH3)CH2O]23
7 (18)C2347COOCH2CH(CH3)OC2245 (19)C1735COO[CH(CH3)CH2O]11
49 (20)C1735COO[CH2CH(CH3)O]24
9 (21)C1735COO[CH2CH(CH3)O]34
9 (22)C1735COO[CH2CH(CH3)O]44
9 (23)C1735COOCH2CH(CH3)OC613 (24)C1735COO[CH2CH(CH3)O]2
2CH(C25)C49 (25)C1531COOCH2CH(CH3)OC49 (26)C1327COO[CH2CH(CH3)O]24
9 (27)C1939COO[CH2CH(CH3)O]34
9 (28)C1735COO[CH2CH(CH3)O]4
2CH2OC49 (29)C817CH=CHC714COOCH2CH
(CH3)OC613 (30)C817CH=CHC714COO[CH2CH
(CH3)O]2817 (31)C1735COOCH2CH(CH3)OCH2
H(C25)C49 (32)C1327COO[CH2CH(CH3)O]10
49 (33)C2347COOCH2CH(CH3)OC49 (34)C1327COOCH2CH(CH3)OC2041 (35)C1123COO[CH2CH(CH3)O]23
7 (36)C1735COO[CH2CH(CH3)O]11
49 比較潤滑剤 (37)C1735COOC49 (38)C1735COOCH2CH2OC49
【0029】これらの潤滑剤の好ましい添加量は強磁性
粉末100重量部に対して0.1〜10重量部であり、
好ましくは0.2〜8重量部であり、さらに好ましくは
0.5〜5重量部である。
【0030】本発明において使用できるポリウレタンは
以下の特性を有する。即ちポリウレタンの降伏応力が2
〜15Kg/mm2であり、好ましくは3〜12Kg/mm2であ
り、特に好ましくは4〜10Kg/mm2である。また破断伸
びは100〜2,000%であり、好ましくは200〜
1,500%であり、特に好ましくは300〜1,00
0%である。ポリウレタンはOH基を一分子あたり2〜
20個含み、好ましくは3.5〜10個含み、特に好ま
しくは4〜6個含むことである。このOH基の数が少な
いと硬化性が低くなり、耐久性が不良となる。ポリウレ
タンに用いるポリエーテルポリオールの構造としては組
成がPPG、PTMG、PEG、ビスフェノールAにP
O及び/またはEOを付加したもの、およびこれらの混
合物を用いることが好ましい。特にPPG、PTMGが
好ましい。
【0031】本発明において使用できるポリウレタンの
ガラス転移温度(Tg)は-250〜0゜C、分子量は5
00〜5,000が好ましく、さらに好ましくは800
〜3,000である。 ポリエーテルポリオールとして
はポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイ
ド、ポリテトラメチレングリコール、などの脂肪族ポリ
エーテルだけでなく、ビスフェノ−ルAなどの芳香族グ
リコールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド
などを付加して得られる芳香族を含むポリエーテルなど
がある。ポリエーテルポリオールの分子量の好ましい範
囲は500〜3,000である。この範囲より小さいと
非磁性支持体との密着力が低下し、大きいと分散性が低
下する。ポリエ−テルポリオ−ルがあることによりPE
T(ポエチレンテレフタレ−ト)、PEN(ポリエチレ
ンナフタレ−ト)などの非磁性支持体との親和性が増す
ため密着力が向上する。
【0032】ポリウレタンに用いるポリエステルポリオ
ールの構造は組成が特開平3−201,211号に記載
のモノマー原料のなかで環状構造(芳香族、脂環族)を
もつモノマ−及び分岐構造をもつものを含む事が好まし
い。具体的には 酸成分はイソフタル酸、テレフタル酸
が挙げられ、アルコール成分はネオペンチルグリコール、シ
クロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、
ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールAなどが好
ましい。分子量は500〜5,000が好ましく、さら
に好ましくは800〜3,000である。ポリウレタン
に用いる鎖延長剤等の低分子ジオールは特開平3−20
1,211号に記載のものが用いられる。3官能以上の
アルコールたとえばトリメチロールプロパン、などを併
用して分岐構造を有するポリウレタンにしてもよい。
【0033】本発明のポリウレタンとしてはポリエーテ
ルポリオールとポリエステルポリオールからなるジオ−
ル成分とポリイソシアネ−ト成分を主成分としたポリウ
レタンが使用されるが、ポリイソシアネートには、MD
I(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)、
2,4-TDI(トリレンジイソシアネート)、2,6-TD
I、1,4-XDI(キシリレンジイソシアネート)、1,3-
XDI、4,4'-シ゛フェニルエ-テルシ゛イソシアネート、2-ニトロジフェニ
ル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジフェニ
ルプロパンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフ
ェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’
−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレ
ンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネー
ト、ナフタレン−1,4− ジイソシアネート、ナフタレン
−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジ
フェニル−4,4’−ジイソシアネート、等の芳香族の
ポリイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシ
アネート、等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネ−ト(IPDI)、水素添加トリレンジイソ
シアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネー
ト等の脂環式シイソシアネートが用いられる。ポリオレ
フィンポリオールのセグメントは柔らかいので、芳香族
ジイソシアネートの方が物性の調整がしやすい。ポリウ
レタンのジイソシアネートとしてはTDI、MDI、IP
DI、水添MDIなどの芳香族または脂環式ジイソシア
ネートが好ましい。
【0034】ポリオールとポリイソシアネートに加えて
鎖延長剤等の添加剤を加えることができるが、鎖延長剤
にはエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、
2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコ−ル、ビ
スフェノールAのジヒドロキシエチルエーテル、ハイド
ロキノンジヒドロキシエチルエーテル等のグリコール類
やジフェニルメタンジアミン、m−フェニレンジアミン
等のジアミン等を用いることができる。ポリウレタンの
分子の末端は、OH基末端が好ましい。OH基は、磁性
層中のイソシアネート硬化剤と反応架橋して磁性層塗膜
強度を強くする。
【0035】本発明のポリウレタンからなる結合剤には
−SO3M、−OSO3M、−COOM、−PO32、−
OPO32、−NR2、−N+3 - ただし、Mは水素
原子、Li、K、Naから選ばれたアルカリ金属イオ
ン、アンモニウムイオン、Rは炭素数1〜12のアルキ
ル基であり、Xはハロゲン原子を示す)から選ばれた少
なくとも1種の極性基を含むことが好ましく、これらの
極性基の量は1×10-3〜1×10-6eq/g含み、好まし
くは1×10-5〜5×10-4eq/g含み、特に好ましくは
2×10-5〜2×10-4eq/g含有することである。1×
10-3eq/gより多いと粘度が上昇し、分散性が低下しや
すく1×10-6eq/gより少ないと分散性が低下しやす
い。
【0036】ポリウレタンの分子量は重量平均で、1〜
20万であり、好ましくは2〜15万であり、特に好ま
しくは3〜10万である。これよりも大きいと粘度が高
く分散性が低下し、これよりも小さいと機械的な強度が
低く耐久性が悪化する。
【0037】本発明に使用するポリウレタン化合物はポ
リオ−ル成分(ポリエステルポリオールとポリエーテル
ポリオールの混合物)、鎖延長剤(例えばネオペンチル
グリコ−ル、1,4,−ブタンジオ−ルなど)、スルフ
ォン酸含有ジオ−ル化合物(例えば5−ナトリウムスル
フォイソフタルサンジ(β−ヒドロキシエチル)等)を
トルエン、シクロヘキサノン、ジメチルアセトアミドな
ど、あるいは其の混合物等の溶媒中に溶解し、60〜9
0℃に加熱、溶解しておき、これに触媒(例えばジ−n
−ブチルスズジラウレ−ト)を添加後、ポリイソシアネ
−ト成分(例えばMDI、TDIなど)を前記の触媒に
溶解した溶液を加えてウレタン化反応を行なうことによ
り合成することができる。
【0038】本発明の結合剤を磁性層に用いる場合に
は、本発明のポリウレタンに塩化ビニル系の合成樹脂ま
たは以下に述べる合成樹脂を併用しても良い。併用する
ことができる塩化ビニル系樹脂としては重合度は200
〜1,000で、更に好ましくは250〜500であ
る。極性基は分子中に、−SO3M、−OSO3M、−C
OOM、−PO32、−OPO32、−NR2、−N+
3 - ただし、Mは水素原子、Li、K、Naから選ば
れたアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、Rは
素数1〜12のアルキル基であり、Xはハロゲン原子を
示す)から選ばれた少なくとも1種の極性基を1×10
-6〜1×10-3eq/g含み、好ましくは1×10-5〜5×
10-4eq/g含み、特に好ましくは2×10-5〜2×10
-4eq/g含有することである。この範囲より多いと粘度が
高く分散性が低下する。少ないと分散性が低下する。エ
ポキシ基量は好ましくは1×10-4〜5×10-3eq/gで
あり、特に好ましくは5×10-4〜2×10-3eq/gであ
る。例えばMR110は7.6×10-4eq/gである。塩化ビニル系
樹脂はビニル系モノマー、例えば酢酸ビニル、ビニルア
ルコール、塩化ビニリデン、アクリロニトリルなどを共
重合させたものでもかまわない。そのほか塩化ビニルに
共重合可能なモノマーは(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル、カルボン酸ビニルエステル、アリルエーテル、
スチレン、グリシジル(メタ)アクリレート等のビニル
モノマーである。
【0039】本発明のポリウレタンは塩化ビニル系樹脂
の他に、各磁性層の形成には各種の合成樹脂を併用する
ことができる。例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合
体、ニトロセルロース樹脂などのセルロース誘導体、ア
クリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブ
チラール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂である。
これらは、単独でも組み合わせでも使用することができ
る。本発明のポリウレタンと併用する上記の樹脂にも上
記の極性基が導入されている事が好ましい。
【0040】他の合成樹脂を併用する場合には、磁性層
に含まれる本発明のポリウレタンは、結合剤中に10〜
90重量%を含有されていることが好ましく、さらに好
ましくは20〜70重量%の量である。特に好ましくは
25〜60重量%の量である。また塩化ビニル系樹脂
は、結合剤中に10〜80重量%含有されていることが
好ましく、さらに好ましくは20〜70重量%の量であ
る。特に好ましくは30〜60重量%の量である。
【0041】また、本発明の結合剤とともに、ポリイソ
シアネート化合物等の硬化剤を使用することができる。
ポリイソシアネート化合物の例としては、トリレンジイ
ソシアネート3モルとトリメチロールプロパン1モルと
の反応成生物(例、デスモジュールL−75(バイエル
社製))、キシリレンジイソシアネートあるいはヘキサ
メチレンジイソシアネートなどのジイソシアネート3モ
ルとトリメチロールプロパン1モルとの反応生成物、ヘ
キサメチレンジイソシアネート3モルとのビューレット
付加化合物、トリレンジイソシアネート5モルのイソシ
アヌレート化合物、トリレンジイソシアネート3モルと
ヘキサメチレンジイソシアネート2モルのイソシアヌレ
ート付加化合物、イソホロンジイソシアネートおよびジ
フェニルメタンジイソシアネートのポリマーを挙げるこ
とができる。磁性層に含まれるポリイソシアネート化合
物は、結合剤中に10〜50重量%の範囲で含有されて
いることが好ましく、さらに好ましくは20〜40重量
%の範囲である。
【0042】また、電子線照射による硬化処理を行う場
合には、反応性二重結合を有する化合物(例、ウレタン
アクリレート)を使用することができる。樹脂成分と硬
化剤との合計(すなわち結合剤)の重量は、強磁性粉末
100重量部に対して、通常15〜40重量部の範囲内
にあることが好ましく、さらに好ましくは20〜30重
量部である。
【0043】上記の樹脂成分、硬化剤および強磁性粉末
を、通常磁性塗料の調製の際に使用されているメチルエ
チルケトン、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチ
ル等の溶剤と共に混練分散して磁性塗料とする。混練分
散は通常の方法に従って行うことができる。
【0044】なお、磁性塗料中には、上記成分以外に、
α−Al23 、Cr23 等の研磨剤、カーボンブラ
ック等の帯電防止剤、脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコ
ーンオイル等の潤滑剤、分散剤など通常使用されている
添加剤あるいは充填剤を含むものであってもよい。以上
の材料により調製した磁性塗料を非磁性支持体上に塗布
して磁性層を形成する。本発明は上層磁性層と下層磁性
層または下層非磁性層よりなる複数の層を設けた磁気記
録媒体についても使用することが出来、其の各層の構
成、強磁性粉末、結合剤、研磨剤、潤滑剤、帯電防止剤
等の素材については特開昭63−146,210号公
報、特開昭63−187,418号公報等に記載してあ
るものが使用できる。
【0045】本発明の磁気記録媒体の製造方法は例え
ば、走行下にある非磁性支持体の表面に磁性層塗布液を
好ましくは磁性層の乾燥後の層厚が0.05〜10μm
の範囲内、より好ましくは0.2〜5.0μmになるよ
うに塗布する。ここで多層構成の場合は複数の磁性塗料
を逐次あるいは同時に重層塗布してもよい。上記磁性塗
料を塗布する塗布機としては、エアードクターコート、
ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナ
イフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロ
ールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコ
ード、キスコート、キャストコート、スプレイコート、
スピンコート等が利用できる。これらについては例えば
株式会社「総合技術センタ−」発行の「最新コ−テイン
グ技術」(昭和58年5月31日)を参考にできる。
【0046】本発明を二層以上の構成の磁気記録媒体に
適用する場合、塗布する装置、方法の例として以下を提
案できる。 (1)磁性塗料の塗布で一般的に適用されるグラビア塗
布、ロ−ル塗布、ブレ−ド塗布、エクストル−ジョン塗
布装置等により、まず下層を塗布し、下層がウエット状
態のうちに特公平1−46,186号公報、特開昭60
−238,179号公報、特開平2−265,672号
公報に開示されている支持体加圧型エクストル−ジョン
塗布装置により、上層を塗布する。 (2)特開昭63−88,080号公報、特開平2−1
7,971号公報、特開平2−265,672号公報に
開示されているような塗布液通液スリットを二つ内蔵す
る一つの塗布ヘッド二より、上下層をほぼ同時に塗布す
る。 (3)特開平2−174,965号公報に開示されてい
るバックアップロ−ル付エクストル−ジョン塗布装置に
より、上下層をほぼ同時に塗布する。
【0047】本発明で用いる非磁性支持体の磁性塗料が
塗布されていない面にバック層(バッキング層)が設け
られていてもよい。通常バック層は、非磁性支持体の磁
性塗料が塗布されていない面に、研磨剤、帯電防止剤な
どの粒状成分と結合剤とを有機溶剤に分散したバック層
形成塗料を塗布して設けられた層である。なお、非磁性
支持体の磁性塗料およびバック層形成塗料の塗布面に接
着剤層が設けられいてもよい。
【0048】塗布された磁性塗料の塗布層は、磁性塗料
の塗布層中に含まれる強磁性粉末を磁場配向処理を施し
た後に乾燥される。このようにして乾燥された後、塗布
層に表面平滑化処理を施す。表面平滑化処理には、たと
えばスーパーカレンダーロールなどが利用される。表面
平滑化処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によ
って生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率
が向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得
ることができる。
【0049】本発明の磁気記録媒体は、表面の中心線平
均粗さが、カットオフ値0.25mmにおいて0.5〜
4nm、好ましくは1〜3nmの範囲という極めて優れ
た平滑性を有する表面であることが好ましい。その方法
として、例えば上述したように特定の強磁性粉末と結合
剤を選んで形成した記録層を上記カレンダー処理を施す
ことにより行われる。カレンダー処理条件としては、カ
レンダーロールを温度を60〜100℃の範囲、好まし
くは70〜100℃の範囲、特に好ましくは80〜10
0℃の範囲である。圧力は100〜500kg/cmの
範囲、好ましくは200〜450kg/cmの範囲、特
に好ましくは300〜400kg/cmの範囲の条件で
作動させることによって行われる。このようにして硬化
処理された積層体を次に所望の形状にする。裁断はスリ
ッターなどの通常の裁断機などを使用して通常の条件で
行うことができる。
【0050】
【作用】本発明は高密度磁気記録媒体提供のため強磁性
粉末を微粒子化したり、磁性体の抗磁力、磁束密度を高
めるため微量の常磁性金属(Co、Cr、Ni特にCo)をFeに微量
加えることが有効であるが、このような強磁性粉末は一
般的に耐久性が劣り、本発明の潤滑剤および強磁性粉末
を組み合わせた時初めて磁気記録密度の高い、しかも耐
久性の大幅に向上した磁気記録媒体を実現できたのであ
る。これは本発明のプロピレングリコール結合を有する
エステル系潤滑剤と本発明の強磁性粉末と相互作用を起
こし耐久性が向上したことと推定される。また本発明の
ポリエーテル含有ウレタン結合剤を併用することによ
り、さらに驚くべきことに飛躍的に耐久性が向上した。
強磁性粉末に吸着した本発明のポリウレタンが本発明の
プロピレングリコール結合を有するエステル系潤滑剤と
の間に適度な相互作用を持ち、両者の相溶性が適度にな
って耐久性が飛躍的に向上したものと推定される。
【0051】また 本発明の潤滑剤は保存性改良にも効
果的であるが、これは本発明の潤滑剤は結合剤への溶解
性が小さく、このため本発明のエステル系潤滑剤が磁性
層表面に出やすい。そのため磁性層表面ににじみでたエ
ステル系潤滑剤が磁性層表面を覆い、良好な潤滑特性を
示すものと考えられる。しかも潤滑剤自身が加水分解し
にくい構造であることも保存性、耐久性に効果的に作用
しているものと推定される。 これによって高い磁気特
性をもつ本発明の強磁性粉末を保護し長期間高い電磁変
換特性を示すのであると考えられる。また、本発明の潤
滑剤は磁性層表面に出易いので、カレンダ−処理工程で
の磁性層によるロール汚れが著しく少なくなり、生産性
も向上した。またスチル等の耐久性が飛躍的に向上した
と考えている。
【0052】また本発明のウレタンを併用した場合は更
に保存性が良好である。従来のポリエステルウレタンの
場合の保存性、加水分解性の問題も本発明のポリエーテ
ルウレタンにより向上し、保存後のスチル耐久性が向上
した。従来技術では耐加水分解性のみ良くても高記録密
度用途の実用に耐えられなかったが、ポリエーテルエス
テルウレタンが本発明の強磁性粉末と潤滑剤と組み合わ
せることにより初めて十分実用に耐えうる耐久性と保存
性を両立できた。さらに本発明のポリエーテルウレタン
のなかでもポリエーテルとポリエステルから誘導された
ポリウレタンを用いると更に力学強度が強くなり走行に
よる磁性層の破壊が起きにくくドロップアウトの増加を
低く抑えることが出来た。また走行後のヘッド汚れも改
良することが出来た。
【0053】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示し、本発明をさ
らに詳細に説明する。実施例中の「部」の表示は「重量
部」を示す
【0054】実施例及び比較例 強磁性合金粉末(組成:Fe 90atm%、Co 10atm%、Hc 1800
Oe、σs 130emu/g 結晶子サイス゛165A、長軸長0.12μm)
100部 をオーフ゜ンニータ゛ーで10分間粉砕し、次いで日本ゼオン
製の塩化ビニル系樹脂 MR110(極性基SO3M(MはN
a、K)とエホ゜キシ環を含む)8部 及びメチルエチルケトン40
部で60分間混練し、次いで ポリウレタン(表1記載) 8部(固形分) 研磨剤 (Al2O3 粒子サイス゛0.3μm 2部 カーホ゛ンフ゛ラック (粒子サイス゛ 40nm) 2部 メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1 200部 を加えてサント゛ミルで120分間分散した。これに ホ゜リイソシアネート(日本ホ゜リウレタン製 コロネート3041) 4部(固形分) エステル系潤滑剤 1部 ステアリン酸アミト゛ 1部 メチルエチルケトン 50部 を加え、さらに20分間攪拌混合したあと、1μmの平均孔
径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性塗料を調製し
た。 得られた磁性塗料を乾燥後の厚さが2μmになるよ
うに、厚さ8μmのアラミト゛支持体の表面にリハ゛ースロールを用い
て塗布し、下記のハ゛ック液を0.5μ厚で塗布乾燥した。磁
性塗料が塗布された非磁性支持体を、磁性塗料が未乾燥
の状態で3000カ゛ウスの磁石で磁場配向を行ない、さらに乾
燥後、金属ロールと金属ロールの組み合せによる5段のカレンタ゛ー
処理を(速度100m/min、線圧300kg/cm、温度90゜C)で行な
った後200m/minでスリットし、ヒ゛テ゛オテーフ゜を作成した。
【0055】 (バック液組成) カーボンブラック(粒径18nm) 100部 ニトロセルロース(ダイセル社製RS1/2H) 60部 ポリウレタン(日本ポリウレタン社製N-2301) 60部 ポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製コロネートL) 20部 メチルエチルケトン 1000部 トルエン 1000部
【0056】実施例、比較例に使用した強磁性粉末は表
1に、ホ゜リウレタンの詳細は表2、表3に示し、用いたエステル
系潤滑剤および得られた評価結果は表4〜表7に示し
た。表2と表3の中でDEISは−SO3Na含有のジ
オ−ルである。
【0057】 表1 強磁性合金粉末 組成: Fe Co Hc σs 結晶子サイス゛ 長軸長 針状比 (atm%) (atm%) (Oe) (emu/g) (A) (μm) (a) 90 10 1800 130 165 0.12 8 (b) 96 4 1800 125 165 0.12 7 (c) 95 5 1800 128 165 0.12 7 (d) 92 8 1800 130 165 0.12 7 (e) 65 35 1820 141 165 0.12 7 (f) 50 50 1830 143 165 0.12 7 (g) 90 10 1800 130 250 0.16 8 (h) 90 10 1810 129 280 0.16 6 (i) 90 10 1810 130 100 0.08 8 (j) 90 10 1800 131 120 0.08 7 (k) 90 10 1800 130 180 0.11 8
【0058】用いたポリウレタンは表2と3の通りであ
る。
【0059】 表2 ポリウレタン組成 A B C D ポリオ−ル1 組成 PPG PTMG iPA/NPG/ PPG (モル比) PCL=1/1/8 分子量 2000 2000 2000 2000 Tg(℃) -75 -84 8 -75 モル 0.023 0.023 0.046 0.046 ポリオ−ル2 組成 iPA/NPG/EG iPA/NPG/CHM − − (モル比) 5/5/0.1 4.9/4/1.1 分子量 2000 2000 Tg(℃) 55 62 モル 0.023 0.023 鎖延長剤 NPG XDI NPG NPG (モル) 0.06 0.06 0.06 0.06 DEIS (モル) 0.009 0.009 0.009 0.009 ジイソシアネ−ト MDI XDI MDI MDI (モル) 0.1 0.1 0.1 0.1 重量平均分子量 3.5 5.8 3.5 3.5 (×10000) ウレタンのTg 62、-17 68、-25 32 -48 (℃) 表3 ポリウレタン組成 E F ポリオ−ル1 組成 PTMG/BPA-EO PPG/NPG/PCL (モル比) /PCL=7/3/3.2 分子量 2000 2000 Tg(℃) 31 40 モル 0.046 0.023 ポリオ−ル2 組成 - PCL/NPG/MDI (モル比) 1/4/4.8 分子量 - 2000 Tg(℃) -26 モル 0.023 鎖延長剤 NPG NPG (モル) 0.06 0.06 DEIS (モル) 0.009 0.009 ジイソシアネ−ト MDI MDI (モル) 0.1 0.1 重量平均分子量 5.3 1.95 (×10000) ウレタンのTg 61 -6 (℃)
【0060】表2と表3において組成の略称は以下の通
りである。 iPA: イソフタル酸 NPG:ネオペンチル
グリコ−ル EG: エチレングリコ−ル CHM:シクロヘキサ
ンジメタノ−ル PCL: ポリカプロラクトン BD: ブタンジオ−
ル PPG: プロピレングリコ−ル PTMG:ポリテトラメ
チレングリコ−ル BPA-EO:ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド2付加
物 MDI: ジフェニルメタンジイソシアネ−ト XDI:キシリレンジイソシアネ−ト DEIS:スルホイソフタル酸ナトリウムのエチレンオキサ
イド2付加物
【0061】 表4 強磁性 潤滑剤 ホ゜リウ 初期 表面 スチル耐久性 走行後の 粉末 レタン 出力 粗さ 保存後 エッシ゛観察 種類 dB nm 実施例1 (a) (1) A 0.0 3 O O 変化無し 実施例2 (a) (2) B 0.1 3 O O 変化無し 実施例3 (a) (13) A 0.0 3 O O 変化無し 実施例4 (a) (12) B 0.2 3 O O 変化無し 実施例5 (a) (14) A 0.0 3 O O 変化無し 実施例6 (a) (15) B 0.1 3 O O 変化無し 実施例7 (a) (16) A 0.1 3 O O 変化無し 実施例8 (a) (17) B -0.2 4 △ O 変化無し 実施例9 (a) (18) A -0.2 4 △ △ 変化無し 実施例10 (a) (18) B -0.1 4 △ △ 変化無し 比較例1 (a) (37) A -0.8 5 X X 変化無し比較例2 (a) (1) D -0.2 4 O O 汚れ僅か比較例3 (a) (1) E -0.3 4 O O 汚れ僅か比較例4 (a) (1) F -0.4 5 O O 汚れ僅か比較例5 (a) (1) C -0.5 4 O O 汚れあり
【0062】 表5 強磁性 潤滑剤 ホ゜リウ 初期 表面 スチル耐久性 走行後の 粉末 レタン 出力 粗さ 保存後 エッシ゛観察 種類 dB nm 比較例 (a) (37) D -1.2 6 X X 汚れあり 比較例 (a) (38) E -2.1 5 X X もろけあり 比較例 (a) (38) F -2.8 5 X X 変化無し 比較例 (a) (37) C -2.0 5 X X もろけあり 比較例10 (b) (1) A -3.0 7 △ X 変化無し 実施例11 (c) (1) A -1.5 5 O △ 汚れ僅か 実施例12 (d) (1) A -1.2 4 O O 変化無し 実施例13 (e) (1) A +0.4 3 O O 変化無し 比較例11 (f) (1) A -0.9 5 X X 変化無し 実施例14 (g) (1) A -0.5 4 O O 変化無し 比較例12 (h) (1) A -3.4 8 X X 変化無し 比較例13 (i) (1) A -2.1 6 X X 汚れあり 実施例15 (j) (1) A +0.9 4 O O 変化無し 実施例16 (k) (1) A -0.6 3 O O 変化無し 比較例潤滑剤 (37):C1735COOC49 (38):C1735COOCH2CH2OC49 表6 強磁性 潤滑剤 ホ゜リウ 初期 走行後の 保存後 カレンタ゛ 粉末 レタン DO DO ヘット゛ のDO ロール 種類 コ/min コ/min 汚れ コ/min 汚れ 実施例1 (a) (1) A 6 9 O 8 O 実施例2 (a) (2) B 5 8 O 9 O 実施例3 (a) (13) A 7 9 O 11 O 実施例4 (a) (12) B 5 9 O 10 O 実施例5 (a) (14) A 5 10 O 8 O 実施例6 (a) (15) B 6 8 O 9 O 実施例7 (a) (16) A 7 11 O 10 O 実施例8 (a) (17) B 8 12 O 13 O 実施例9 (a) (18) A 5 8 O 9 O 実施例10 (a) (18) B 5 8 O 10 O 比較例1 (a) (37) A 6 25 X 48 X比較例2 (a) (1) D 29 54 △ 32 O比較例3 (a) (1) E 76 98 △ 80 O比較例4 (a) (1) F 47 72 △ 25 △比較例5 (a) (1) C 30 73 △ 75 O 表7 強磁性 潤滑剤 ホ゜リウ 初期 走行後の 保存後 カレンタ゛ 粉末 レタン DO DO ヘット゛ のDO ロール 種類 コ/min コ/min 汚れ コ/min 汚れ 比較例 (a) (37) D 167 389 X 365 X 比較例 (a) (38) E 186 450 X 210 X 比較例 (a) (38) F 122 348 X 289 X 比較例 (a) (37) C 215 389 X 211 △ 比較例10 (b) (1) A 20 38 O 21 O 実施例11 (c) (1) A 8 17 O 18 O 実施例12 (d) (1) A 8 13 O 15 O 実施例13 (e) (1) A 9 15 O 12 O 比較例11 (f) (1) A 14 32 O 25 O 実施例14 (g) (1) A 10 28 O 20 O 比較例12 (h) (1) A 20 35 O 30 △ 比較例13 (i) (1) A 40 120 △ 80 △ 実施例15 (j) (1) A 12 23 O 18 O 実施例16 (k) (1) A 11 19 O 16 O 比較例潤滑剤 (37):C1735COOC49 (38):C1735COOCH2CH2OC49
【0063】〔評価方法〕 電磁変換特性:試料テーフ゜にD2方式ヒ゛テ゛オテーフ゜レコータ゛ー
(Sony(株)製:DVR10)を用いて32MHzの信号を記
録し、再生した。基準テープ(実施例1)に記録した32M
Hzの再生出力を 0dBとしたときのテーフ゜の相対的な再生
出力を測定した。 表面粗さRa:テ゛シ゛タルオフ゜チカルフ゜ロフィメーター(WYKO社製)によ
る光干渉法により、カットオフ0.25mmの条件で中心線平均粗
さRaとして求めた。 スチル耐久性:と同じVTRで23゜C8%RH環境
下でスチルモードで出力が3dB低下するまでの時間を
測定した。48hr以上を○、24hr〜48hrを△、24
hr未満を×とした。
【0064】保存後のスチル耐久性:60゜C 90%
RHの保存環境にM64カセットで7日間保管したのち、
23゜C8%RH環境でと同じ方法を用いてスチル耐
久性を評価した。、 繰り返し走行性:上記VTRを用いて、64分長のテーフ゜
を100回連続繰り返し走行させ、DO増加を測定すると共
にヒ゛テ゛オヘット゛の汚れを観察し、また走行後のエッジを観
察した。ヒ゛テ゛オヘット゛ 汚れ ○・・・・・汚れが全く観察されなかった
もの ○△・・・10%以下の面積が汚れていたもの △・・・・・30%以下の面積が汚れていたもの X・・・・・30%以上の面積が汚れていたもの ドロップアウト:上記VTRを用いて初期値、繰り
返し走行後のテープを走行させ5μsec以上の出力低下
数をト゛ロッフ゜アウトカウンターで測定した。 保存後のドロップアウト:60゜C 90%RHの保存環
境にM64カセットで7日間保管し、23゜Cで上記VTR
を用いてドロップアウトを測定した。 (11)カレンダ−ロール汚れ:テープサンプル長200m
を上記条件でカレンダ−処理した後、磁性層面が接触し
た金属ロールをガ−ゼで拭き取りそのガーゼのよごれを
見た。比較例6を△としこれより汚れの多い物を×、少
ない物を○とした。 (12)Tg:20μm厚のハ゛インタ゛ー樹脂単独の膜を形成し、ハ
゛イフ゛ロン(オリエンテック社製)でE"のヒ゜ーク温度で調べた。
【0065】表4〜表7の結果より明かなごとく、本発
明のサンプルは初期出力、表面粗さ、スチル耐久性、保
存後のスチル耐久性、走行後のエッジ観察、初期ドロッ
プアウト(DO)、走行後のDO、走行後のヘッド汚
れ、保存後のDO、カレンダ−汚れのすべての評価項目
で優れた特性を示した。強磁性粉末またはエステル系潤
滑剤が本発明の範囲外であると前記評価項目の多くが劣
化することがわかった。
【0066】
【発明の効果】本発明は非磁性支持体上に強磁性粉末と
結合剤と潤滑剤からなる磁性層を有する磁気記録媒体に
おいて、前記強磁性粉末は結晶子サイズが120A〜2
50AでCo含有量が5〜40atm%であるFeを主成
分とする強磁性金属粉末であり、前記結合剤はポリウレ
タンであり、前記潤滑剤はプロピレングリコ−ル残基を
有するエステル系潤滑剤を含むことにより初期出力、表
面粗さ、スチル耐久性、保存後のスチル耐久性、走行後
のエッジ観察、初期ドロップアウト(DO)、走行後の
DO、走行後のヘッド汚れ、保存後のDO、カレンダ−
汚れが同時に改良された磁気記録媒体が得られた。
フロントページの続き (72)発明者 村山 裕一郎 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富士写真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−182173(JP,A) 特開 平4−98614(JP,A) 特開 昭62−89224(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/62

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤と
    潤滑剤からなる磁性層を有する磁気記録媒体において、
    前記強磁性粉末は結晶子サイズが120A〜250Aで
    Co含有量が5〜40atm%であるFeを主成分とする
    強磁性金属粉末であり、前記結合剤はポリエーテルポリ
    オールとポリエステルポリオールから誘導され、かつT
    gを少なくとも2つ有し、一方が−250〜0℃で他方
    が40〜130℃であるポリウレタンを含み、前記潤滑
    剤はプロピレングリコール残基を有するエステル系潤滑
    剤を含むことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記潤滑剤は以下の式で示されるプロピ
    レングリコール残基を有するエステル系潤滑剤であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。 R1COO[CH(CH3)CH2O]nR2 及び R1COO[CH2CH(CH3)O]nR2 これらの式においてR1は炭素数13〜23の分岐又は
    直鎖の飽和または不飽和の炭化水素基を示し、R2は炭
    素数4〜20の分岐又は直鎖の飽和または不飽和の炭化
    水素基を示し、nは1〜10の整数を示す。
  3. 【請求項3】 前記結合剤はポリエーテル成分を含むポ
    リウレタンを含有することを特徴とする請求項1記載の
    磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記ポリウレタンは分子中に、−SO3
    M、−OSO3M、−COOM、−PO32、−OPO3
    2、−NR2、−N+3 - ただし、Mは水素原子、
    Li、K、Naから選ばれたアルカリ金属イオン、アン
    モニウムイオン、Rは炭素数1〜12のアルキル基であ
    り、Xはハロゲン原子を示す)から選ばれた少なくとも
    1種の極性基を1×10-3〜1×10-6eq/g含有するポ
    リウレタンからなることを特徴とする請求項1記載の磁
    気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記強磁性粉末はσsが110〜170
    emu/g、及びHcが1,500〜2,600Oeで
    あることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記結合剤は前記ポリウレタン以外に分
    子中に、−SO3M、−OSO3M、−COOM、−PO
    32、−OPO32、−NR2、−N+3 - ただし、
    Mは水素原子、Li、K、Naから選ばれたアルカリ金
    属イオン、アンモニウムイオン、Rは炭素数1〜12の
    アルキル基であり、Xはハロゲン原子を示す)から選ば
    れた少なくとも1種の極性基を1×10-6〜1×10-3
    eq/g含み、かつエポキシ基を1×10-4〜5×10-3eq
    /g含む塩化ビニル系樹脂を含有することを特徴とする請
    求項1記載の磁気記録媒体。
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