JP2898913B2 - 樹脂発泡体層を有する裏材を設けた射出成形靴及びその製造法 - Google Patents

樹脂発泡体層を有する裏材を設けた射出成形靴及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂発泡体層を含むシ
ート材で構成された裏材を有する射出成形靴とその製造
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、射出成形法を用いて製造した靴、
特に長靴にあっては、その履いた足に面する側にメリヤ
ス布等を裁断縫製して靴下状に構成した裏材を用いるの
が一般であった。しかし、冬季等のシーズンにおいて、
あるいは食堂等の調理場等のような床面に水気の多い場
所において、そのような靴を履いた場合は、この程度の
裏材だけでは保温効果が充分でないため、靴下を重ね履
きする等して冷気から足を守らねばならない不都合があ
った。この保温効果の改良のために、裏材として、メリ
ヤス布とポリウレタンフォームシートとのラミネート材
を靴下状に裁断縫製したものを用い、射出成形して靴を
製造する方法が考えられた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記の改良された靴の
製造法によれば、裏材にポリウレタンフォームシートが
含まれているため、メリヤス布1枚のみからなる裏材を
用いるものより、足の保温性には富む。しかし、この製
造法は、射出成形時に、裏材を構成しているポリウレタ
ンフォームシートが、溶融した射出成形材料に直接に接
触し、その熱により溶融や変質が生じ、同時に射出圧に
よる力が加わるため、その気泡が潰れたり、消失したり
し、あるいは、特にウレタンフォームが連続気泡である
場合には、溶融した成形材料が、その気泡中に深く浸透
する等して、実質的に断熱性能に寄与する気泡が滅失す
るため、その靴の保温性を期待通りに得にくいという欠
点を有している。
【0004】そこで、本発明は、樹脂発泡体層を含むシ
ート材からなる裏布を用いて射出成形しても、その発泡
体層の気泡の滅失のない射出成形靴とその製造方法を提
供することを目的としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の樹脂発泡体層を有する裏材を設けた射出成
形靴は、樹脂発泡体層を含むシート材でラストモールド
の外面形状に構成された裏材と該裏材の外周面に一体に
射出成形されて接合した靴主体とからなり、該裏材の樹
脂発泡体層における該靴主体に臨む側の面に、射出成形
材料を遮断するバリヤー手段として、編布であって、該
編布の下記式(I)で求められる気孔容積が、該編布を
バリヤー手段として用いた裏材をラストモールドに吊り
込んだときに、20〜70%であるもの、 W:基布の1m当たりの重量(g/m) T:基布の厚さ(mm) S:基布繊維の真比重 が施されたことを特徴とするものである。
【0006】また、上記目的を達成するため、本発明の
射出成形靴の製造法は、射出された射出成形材料を遮断
するバリヤー手段として上記の編布を、片面に施した樹
脂発泡体層を含むシート材でラストモールドの外面形状
に沿う形状の裏材を構成し、この裏材における樹脂発泡
体層の前記バリヤー手段を施した面がそれの反対面に対
して表側となるように該裏材をラストモールドに吊り込
み、このラストモールドとその他の成形用モールドとを
組み合わせて前記裏材の外周面に臨む成形空隙を構成
し、この成形空隙に射出成形材料を射出充填することに
より、前記裏材と一体に接合した靴主体を射出成形する
ことを特徴とするものである。
【0007】本発明において、射出成形材料としては、
ポリ塩化ビニル樹脂、EVA、オレフィン系コポリマ
ー、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル
樹脂、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリ
マー、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリ
マー等の常用されるエラストマー、熱可塑性ゴム等が使
用できる。
【0008】裏材を構成する樹脂発泡体層としては、ブ
ロック状に発泡させた連続気泡性の軟質ポリウレタンフ
ォームを薄くスライスしたシートを用いるのが好適であ
り、その他の例として、PVCフォームやEVAフォー
ム、独立気泡性の軟質ポリウレタンフォーム等のシート
が使用できる。なお、PVCフォームやEVAフォーム
は、架橋したものが、機械的強度や耐熱性に優れるた
め、より好ましい。この樹脂発泡体層の厚みは、1.0
mm〜10.0mm、好ましくは2.0〜5.0mmで
ある。
【0009】この樹脂発泡体層の片面に施されるバリヤ
ー手段は、編布であって、該編布の上記式(I)で求め
られる気孔容積が、該編布をバリヤー手段として用いた
裏材をラストモールドに吊り込んだときに、20〜70
%、好ましくは35〜50%であるものである。
【0010】上記の気孔容積は、小さければ小さい程、
射出成形材料の遮断効果が大きくなるが、この遮断性能
を発現する臨界値が70%であり、これより大きいと遮
断性能を発現することはできない。また、上記の気孔容
積は、小さすぎると、射出成形材料の浸透が少なくなり
すぎて射出成形材料のアンカー効果による靴本体と裏材
との充分な接着性が得られないばかりか、該バリヤー手
段が施された裏材をラストモールドに吊り込むときの作
業が困難となり、この接着性と作業性の臨界値が20%
である。
【0011】上記の編布としては、綿、レーヨン、ポリ
エステル、ナイロン(ポリアミド)、アクリル等の繊維
を単独又は2種類以上使用したものが使用できる。ま
た、2重編みのいわゆるダブルトリコットと呼ばれる編
布を用いることもできる。
【0012】上記の編布を樹脂発泡体層に施すには、フ
レームラミネート法や接着剤による接合等適宜方法で行
えばよい。
【0013】以上のようにバリヤー手段を施された樹脂
発泡体層には、バリヤー手段と反対側の面、すなわちラ
ストモールドに接する側の面に、メリヤス等の編布のよ
うな伸縮性のある布地を更に積層してもよい。この場合
の積層方法は、上述したフレームラミネート法、接着剤
による接合等適宜選択することができる。
【0014】このように樹脂発泡体層のバリヤー手段を
施された面と反対側の面に上記のような布地が積層され
ていれば、この布地が足に接触することとなるため、布
地が無い場合に比して、保温性や感触が良好となるばか
りか、汗等に対する衛生上も好ましく、しかも樹脂発泡
体層の保護ともなる。また、この布地は、この裏材をラ
ストモールドに吊り込む際、機械的強度の弱い樹脂発泡
体層の損傷を防止する保護被覆層となる。この布地が伸
縮性を有すれば、裏材の吊り込みを容易とする。
【0015】以上のバリヤー手段を施した樹脂発泡体層
を含むシート材は、足の形状をなすラストモールドの複
雑な外面形状に沿うように、裁断し、この裁断片を縫
製、熱融着、高周波融着等の手段で結合して靴下状に構
成し、裏材とする。なお、上記の裏材は、バリヤー手段
を施した面とは反対側の面が、ラストモールドに接する
ように構成する。
【0016】本発明においては、ラストモールドに吊り
込んだ裏材の外周面に臨む周囲に、サイドモールドやボ
トムモールド等のその他の成形用モールドを組み合わせ
て成形空隙を構成し、その空隙に射出成形材料を射出し
て該空隙を充填することにより、裏材の外周面に一体に
接合した靴主体を成形する。このような成形用モールド
としては、通常のものが使用できる。勿論、裏材に樹脂
発泡体層を含むので、その厚み分だけ、成形空隙の厚み
を増加しておくのが望ましい。
【0017】なお、本発明は、長靴のみならず、短靴に
も適用できることは言うまでもない。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。これらの
実施例は、本発明を何ら制限するものではない。
【0019】[実施例1] まず、図1に示すラストモールド(1)の外面形状に沿
うことのできる裏材(2)を調製する。裏材(2)は図
2に示すような断面構成でなり、この断面に示される層
状のシート材(S)を裁断し縫製して靴下状に構成した
ものである。
【0020】このシート材(S)は、架橋したPVCフ
ォーム(厚さ2.5mm)を樹脂発泡体層(3)を構成
するための材料とし、この架橋PVCフォームのラスト
モールド(1)に接触すべき側の面に、スフメリヤス布
地(4)をフレームラミネート法により接合一体化して
あり、その反対側の面にバリヤー手段(5)として、ナ
イロン繊維からなる2重編みのいわゆるダブルトリコッ
ト布を接着剤でラミネートしたものである。
【0021】また、このバリヤー手段(5)であるダブ
ルトリコット布は、この裏材(2)をラストモールド
(1)に吊り込んだときの気孔容積が35〜40%を示
すものであった。
【0022】この裏材(2)を図1のようにラストモー
ルド(1)に吊り込み、これに、サイドモールド
(7)、ボトムモールド(8)を組み合わせ、その裏材
(2)の外周面に臨む成形空隙(9)を構成し、これ
に、ボトムモールド(8)のランナー(10)より射出
成形材料(11)としてPVCコンパウンドを射出充填
し、靴主体(12)と裏材(2)とが一体に接合した状
態の射出成形長靴を得た。
【0023】この長靴は、射出成形材料(11)がバリ
ヤー手段(5)としてのダブルトリコット布により遮断
され、その溶融した成形材料(11)が架橋PVCフォ
ームからなる樹脂発泡体層(3)に及ぶことがないた
め、架橋PVCフォームの気泡は滅失していない。した
がって、この長靴は、保温性が良好であり、通気性もよ
く、靴のむれが防止される。
【0024】[実施例2] 樹脂発泡体層(3)として、ブロック状に発泡成形され
た連続気泡性の軟質ポリウレタンフォームを厚さ3.0
mmにスライスしたものを用いる以外は、実施例1と同
様にして射出成形長靴を得た。この長靴は、実施例1で
得られた長靴と同様、樹脂発泡体層(3)の気泡の滅失
はなく、保温性、通気性の優れるものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における靴の製造状態を示す断
面説明図である。
【図2】本発明の実施例における靴の要部の一部拡大断
面図である。
【符号の説明】 (1) ラストモールド (2) 裏材 (3) 樹脂発泡体層 (4) 布地 (5) バリヤー手段 (7) サイドモールド (8) ボトムモールド (9) 射出成形空隙 (11) 射出成形材料 (12) 靴主体 (S) シート材

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂発泡体層を含むシート材でラストモ
    ールドの外面形状に構成された裏材と該裏材の外周面に
    一体に射出成形されて接合した靴主体とからなり、 前記裏材の樹脂発泡体層における該靴主体に臨む側の面
    に、射出成形材料を遮断するバリヤー手段として、 編布であって、該編布の下記式で求められる気孔容積
    が、該編布をバリヤー手段として用いた裏材をラストモ
    ールドに吊り込んだときに、20〜70%であるもの、 W:基布の1m当たりの重量(g/m) T:基布の厚さ(mm) S:基布繊維の真比重 が施されたことを特徴とする樹脂発泡体層を有する裏材
    を設けた射出成形靴。
  2. 【請求項2】 上記の編布が、2重編み編布である請求
    項1記載の樹脂発泡体層を有する裏材を設けた射出成形
    靴。
  3. 【請求項3】 射出された射出成形材料を遮断するバリ
    ヤー手段として、 編布であって、該編布の下記式で求められる気孔容積
    が、該編布をバリヤー手段として用いた裏材をラストモ
    ールドに吊り込んだときに、20〜70%であるもの、 W:基布の1m当たりの重量(g/m) T:基布の厚さ(mm) S:基布繊維の真比重 を片面に施した樹脂発泡体層を含むシート材でラストモ
    ールドの外面形状に沿う形状の裏材を構成し、 この裏材における樹脂発泡体層の前記バリヤー手段を施
    した面がそれの反対面に対して表側となるように該裏材
    をラストモールドに吊り込み、 このラストモールドとその他の成形用モールドとを組み
    合わせて前記裏材の外周面に臨む成形空隙を構成し、 この成形空隙に射出成形材料を射出充填することによ
    り、前記裏材と一体に接合した靴主体を射出成形するこ
    とを特徴とする射出成形靴の製造法。
  4. 【請求項4】 上記の編布が、2重編み編布である請求
    項3記載の射出成形靴の製造法。
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