JP2001149108A - 靴用中敷 - Google Patents

靴用中敷

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JP2001149108A
JP2001149108A JP33564399A JP33564399A JP2001149108A JP 2001149108 A JP2001149108 A JP 2001149108A JP 33564399 A JP33564399 A JP 33564399A JP 33564399 A JP33564399 A JP 33564399A JP 2001149108 A JP2001149108 A JP 2001149108A
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Japan
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insole
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rubber
surface layer
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Takahito Murakami
敬人 村上
Hiromi Sakamaki
広美 酒巻
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Sanwa Yushi Co Ltd
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Sanwa Yushi Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 未硬化状態の成分を包含する基材の成分が、
表層部の表面に滲み出すことのない靴用中敷を提供す
る。 【解決手段】 ゴム状弾性体または軟質樹脂からなる基
材と、その靴側表面および/または足底面を覆って密着
した表層部とを含む靴用中敷において、該表層部が、表
布地層、裏布地層およびその間に介在するフィルム層を
含む積層体であることを特徴とする靴用中敷。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、靴用中敷に関し、
さらに詳しくは、優れた装着安定性、使用感および/ま
たは触感を有し、また未硬化状態の成分を包含する基材
の成分が布地表面に滲み出さない、靴用中敷に関する。
【0002】なお、ここで靴とは、サンダル状およびス
リッパ状のものを含めた概念として用いる。また、靴用
中敷の靴側表面とは、靴の底部内面および場合によって
は側部内面の少なくとも一部に対向する該中敷の面をい
い、足底面とは、足裏に対向する面をいう。
【0003】靴の中敷として、履きごこち、衛生的見地
および靴中の足底の高さを任意に変えるために、ゴム状
弾性体または軟質樹脂を基材とする靴用中敷が、しばし
ば用いられている。特に、成形加工が容易であり、適度
の弾性を与えることから、未硬化の状態では流動性を有
し、硬化によってゴム状となる、いわゆる液状ゴムが用
いられている。中でもシリコーンゴム、特に付加反応に
よって硬化するシリコーンゴムは、衛生的に優れ、また
硬化後の弾性が使用中に変化しないことから、靴用中敷
として賞用されている。
【0004】特開平9−98998号公報には、基材と
して硬質ウレタンフォームのような発泡性硬質プラスチ
ックを用い、発汗を防止するための被覆層としてシリコ
ーンゴムを用いる足底板が開示されている。また、特開
平11−178606号公報には、非発泡性の低硬度シ
リコーンゴムからなる足底板が開示されている。しかし
ながら、これらに開示されている足底板は、それに密着
して布地製の表層部を設けることについての記載がな
い。
【0005】このような中敷の表面に、足底の使用感を
よくするために、基材の靴側表面および/または足底面
に、布地のような表層部を密着させることが好ましい。
しかしながら、この場合、基材の成分、特に未硬化ない
し半硬化段階の基材の成分が表層部の表面に滲み出し
て、中敷の外観、装着安定性、使用感、触感などを損な
う。特にこのことは、液状ゴムを基材として用い、未硬
化ないし半硬化の状態の基材に表層部を圧着させる工程
を経て靴用中敷を製造する場合に、顕著である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、この
ような、未硬化状態の成分を包含する基材の成分が、表
層部の表面に滲み出すことのない靴用中敷を提供するこ
と、特に脚部障害者用の靴用中敷を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために検討を重ねた結果、表層部を、布地
層とその間に介在するフィルム層を含む少なくとも3層
の積層構造にすることによって、その目的を達成しうる
ことを見出して、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の靴用中敷は、ゴム状弾
性体または軟質樹脂からなる基材と、その靴側表面およ
び/または足底面を覆って密着した表層部とを含む靴用
中敷において、該表層部が、表布地層、裏布地層および
その間に介在するフィルム層を含む積層体であることを
特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の靴用中敷は、靴を履く際
に、足底の一部または全部の下に位置するように靴に挿
入するものであって、その使用目的は、履きごこち、す
なわち装着安定性、触感などを改良する、基材の汚損を
防止する、むれを防止する、かびや臭気を防止する、足
底の高さを調整する、身体障害者の足の欠損部に充当す
るなど、使用目的は任意である。
【0010】表層部を靴側表面に設けた、本発明の靴用
中敷の代表的な断面概念図を、図1に示す。本発明は、
図1によって限定されるものではない。図1において、
1は基材であり、その少なくとも靴側表面および/また
は足底面に、表層部2が密着して設けられている。該表
層部は、基材側から、裏布地層3、フィルム層4および
表布地層5を含む積層体である。
【0011】本発明の靴用中敷の基材(1)は、該中敷
に適度の弾性を与えるもので、天然もしくは合成のゴム
状弾性体または軟質樹脂からなり、それらの2種以上を
併用してもよい。基材は、スポンジ状でも、非スポンジ
状の充実体でもよい。
【0012】ゴム状弾性体としては、天然ゴム、ポリイ
ソプレン、ブチルゴム、ポリブタジエン、SBR、EP
DM、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムな
どが例示される。各種の任意の形状に容易に成形加工で
きることと、成形の際に未硬化状態で裏布地の繊維の間
に食い込み、表層部との密着を容易にすることから、液
状のベースポリマーまたはプレポリマーを用い、未硬化
状態では流動性を有し、触媒の存在または非存在下に硬
化してゴム状弾性体を形成するタイプの、いわゆる「液
状ゴム」が好ましい。このような液状ゴムとしては、付
加反応または縮合反応によって硬化する液状シリコーン
ゴム、シリル基の脱アルコール反応によって硬化するシ
リル変性ポリエーテル、液状ウレタンゴムなどが例示さ
れる。また、衛生的に無害で、かつ刺激性のない成分の
みで構成することが可能であり、硬化後の弾性が使用中
に変化しないことから、ミラブル型および液状のシリコ
ーンゴムが好ましく、上記の成形加工性を含めて総合的
に評価すると、短時間の加熱で硬化する付加反応型液状
シリコーンゴムが特に好ましい。
【0013】ゴム状弾性体の硬さは、中敷の使用目的に
よって、たとえばアスカーC型硬さ試験機による硬さ4
0から、JIS K6301のA型硬さ試験機による硬
さ80まで、使用目的に応じて任意に選択することがで
きる。
【0014】軟質樹脂としては、軟質塩化ビニル樹脂、
低密度ポリエチレンなどが例示される。
【0015】これらの基材には、基材の種類に応じて、
ベースポリマーまたはプレポリマー、架橋剤、硬化触媒
のほか、ゴム状弾性体または軟質樹脂に通常配合される
各種の添加剤を配合してもよい。このような添加剤とし
ては、補強性および非補強性の充填剤、色材、加硫促進
剤、反応抑制剤、加工助剤、可塑剤、軟化剤、帯電防止
剤、カップリング剤、防腐剤、防かび剤、防臭剤などが
例示される。また、基材を柔軟に仕上げるために、ベー
スポリマーと親和性のあるゲル状物や油状物のような硬
さ調整剤を配合してもよく、該ゲル状物は、液状のプレ
ポリマーの形状で配合し、硬化の際にベースポリマーと
ともに反応に関与して、基材の架橋密度を下げてもよ
い。
【0016】ゴム状弾性体の場合、特に通常の液状シリ
コーンゴムの場合は、非常に柔軟なので、注型、プレス
成形、射出成形などの方法によって成形した後、足の形
状に応じて、切削加工、貼りつけ、盛り込みなどの方法
によって整形することが困難である。軽量性を維持しな
がら上記の加工を可能にするには、マイクロバルーンを
配合することが好ましい。
【0017】マイクロバルーンとしては、平均直径が5
00μm以下、好ましくは10〜200μm、かさ密度が
0.1〜0.6g/cm3の、無機質または有機質の材料で
構成された中空体が用いられ、シラスバルーン、パーラ
イトバルーン、ガラスバルーン、シリカバルーン、フラ
イアッシュバルーンのようなケイ酸系バルーンおよびカ
ーボンバルーンのような非ケイ酸バルーンなどの無機質
バルーン;ならびにフェノール樹脂バルーン、エポキシ
樹脂バルーン、尿素樹脂バルーンのような熱硬化性樹脂
バルーン;およびポリ塩化ビニリデンバルーン、ポリス
チレンバルーン、ポリメタクリルエステルバルーン、ビ
ニル樹脂バルーン、ポリアクリロニトリルバルーン、ス
チレン−アクリル共重合体系バルーンのような熱可塑性
樹脂バルーンなどの有機質バルーンが挙げられる。ま
た、熱可塑性樹脂バルーンの外側を熱硬化性樹脂バルー
ンで被覆したものでもよい。マイクロバルーンとして
は、発泡後のバルーンを用いてもよく、発泡剤を含むも
のを配合した後に発泡させて、マイクロバルーンとして
用いてもよい。
【0018】これらのうち、機械的強度が低下しないこ
と、ベースポリマーとのなじみがよいこと、化学的に安
定なこと、および固有の着色がなく、基材の色調を任意
に選択できることから、ガラスバルーンが好ましい。
【0019】マイクロバルーンの配合量は、基材の主成
分の種類によっても異なるが、前記の切削などの加工性
を与え、かつ機械的強度や弾性の低下を防ぐことから、
基材中の3〜20重量%が好ましく、5〜15重量%が
さらに好ましい。
【0020】このようなマイクロバルーンの配合は、単
に標準品の中敷を用いるだけでなく、足の形状に合わせ
て中敷の整形を行う必要のある、脚部障害者用の靴の中
敷として、特に有用である。
【0021】表層部(2)は、表布地層(5)、裏布地
層(3)およびその中間に介在するフィルム層(4)を
含む積層体であり、上述の基材の靴側表面および/また
は足底面を覆って、密着して設けられる。目的に応じ
て、中間にさらなる層が存在してもよく、たとえば複数
のフィルム層が、相互に隣接し、または間に布地層を挟
んで存在してもよい。
【0022】このような表層部は、使用目的に応じて、
靴用中敷の靴側表面に設けても、足底面に設けてもよ
く、その両方に、たとえば縁部の少なくとも一部を含め
て覆うように設けてもよい。表層部を靴側表面に設ける
ことにより、表層部の繊維の効果で、靴の中に該中敷が
安定して、移動することがなく、優れた使用感が得られ
る。また、表層部を足底面に設けることにより、足底面
への基材成分の滲み出しを防止して、足底面の外観およ
び布地の触感を維持するとともに、足底面の滑り、むれ
などを防止することができる。なお、場合によっては、
縁部表面の少なくとも一部に、このような表層部を設け
てもよい。
【0023】表布地層と裏布地層の布地は、たがいに材
質が同一でも異なっていてもよく、それぞれ、織布、ニ
ットおよび不織布のいずれでもよい。材質としては、ナ
イロン、ポリエステル、ポリアクリロニトリルのような
合成繊維;セルロースアセテートのような半合成繊維;
ビスコースレーヨンのような再生繊維;および綿、毛、
絹のような天然繊維が例示され、これらの混紡品や混織
品であってもよい。
【0024】表布地(5)は、靴底に中敷を固定でき、
優れた使用感を与えるものが好ましく、脚部障害者用の
中敷として用いる場合などは、パイル状に起毛したもの
がさらに好ましい。裏布地層(3)は、ニットなど、圧
着によって基材が食い込んで、基材と表層部とが密着す
るような構造のものが好ましい。
【0025】フィルム層(4)は、足の触感や使用感に
影響を与えず、柔軟で、かつ充分な機械的強度および基
材成分の滲透を止める効果を得るために、通常10〜1
00μm、好ましくは25〜50μmの厚さのものが用い
られる。フィルムの材質としては、ゴム質または樹脂状
のものが好ましく、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ
エチレンテレフタレートなどが例示され、伸縮性があっ
て、基材の靴側表面の複雑な曲面にも対応して表層部を
容易に固定できることから、ポリウレタンが好ましい。
これらは、あらかじめフィルム状に成形したものを用い
てもよく、ポリウレタンなどの場合、未硬化のプレポリ
マー、架橋剤および硬化触媒を混合したものを、表布地
または裏布地の表面に塗布し、硬化させてフィルムを形
成させてもよい。
【0026】表層部が積層体を構成するために、フィル
ム層の両側の表面に、接着剤を塗布することが好まし
い。このような接着剤層を含めたフィルム層の厚さは、
20〜100μmが好ましく、50〜70μmがさらに好
ましい。また、該フィルム層に、防かび剤、防臭剤のよ
うな添加剤を配合してシーティングするか、それらを表
面に塗布してもよい。
【0027】本発明の靴用中敷は、たとえば次のように
して製造することができる。まず、フィルム層の両面に
接着剤を逐次塗布しては、表布地層および裏布地層と逐
次貼り合わせて接着させる;フィルムを表布地と裏布地
の間に挟んで熱融着させる;フィルムを一方の布地の上
に押出シーティングして、他方の布を圧着するなどの方
法により、表層部を構成する積層体を形成させる。
【0028】ポリウレタンの場合、未硬化のプレポリマ
ー、架橋剤および硬化触媒を混合して配合物を調製し、
表布地または裏布地、好ましくは裏布地の一方の表面に
塗布して、均一で薄い被膜を形成させ、他方の布地を圧
着した状態で硬化させることにより、相互に良好に密着
した表布地層−フィルム層−裏布地層の積層体である表
層部を形成させてもよい。
【0029】ついで、該表層部を設けようとする基材の
表面に、裏布地層を基材側にした該表層部を密着させ
る。この場合、基材表面または裏布地の表面に接着剤を
塗布して両者を接着させてもよく、基材が硬化した液状
ゴムから形成される場合、表布地を型面に向けて表層部
を型に挿入し、未硬化の液状ゴムを注型、プレス成形、
射出成形のような方法によって成形すると同時に、未硬
化の液状ゴムに表層部を圧着して、未硬化ないし半硬化
の液状ゴムを裏布地の少なくとも一部に食い込ませ、つ
いで該液状ゴムを硬化させてもよい。
【0030】後者の方法の例として、付加反応型液状シ
リコーンゴムを基材として用いる場合、該シリコーンゴ
ムのベースポリマーと硬化触媒を充填剤などの他の成分
とともに含む混和物を、ベースポリマーと架橋剤を同様
に他の成分とともに含む混和物と混合して、未硬化の液
状シリコーンゴムを調製し、上記のように、これに表層
部を圧着した状態に成形した後、常温で24時間以上、
好ましくは72時間以上放置するか、60〜150℃の
温度で1分〜2時間加熱することにより、シリコーンゴ
ムを硬化させて、靴用中敷を得る。あるいは、あらかじ
め上記の温度に加熱した型を用いて、成形と硬化を同時
に行ってもよい。このような方法により、他の材料との
接着性が乏しい付加反応型液状シリコーンゴムを基材と
して用いても、表層部との間に充分な密着性が得られ
る。
【0031】上記のようにして作製した、標準的な形状
と寸法を有する靴用中敷を、さらに個人の足の特殊な形
状や欠損に応じて、切削、貼りつけ、盛り込みのような
方法で整形することもできる。あるいは、このような加
工を、表層部を圧着する前の基材について行った後、さ
らにその表面に未硬化の液状ゴムを塗布して、表層部を
圧着、硬化させてもよい。このような加工を容易に行う
には、前述のように、マイクロバルーンを配合した液状
ゴムを用いることが好ましい。
【0032】また、本発明の靴用中敷の表層部、特に表
布地層に、バンド、繊維性の雌雄型ファスナーのよう
な、固定具を設けてもよい。このような固定具は、特に
本発明の靴用中敷を、脚部障害者用の靴用中敷として用
いる場合に、特に望ましい。
【0033】
【実施例】以下、実施例によって、本発明をさらに詳細
に説明する。本発明は、これらの実施例によって限定さ
れるものではない。以下の実施例および比較例におい
て、部は重量部を示し、粘度は25℃における粘度を示
す。
【0034】実施例1 片面に接着剤溶液を塗布した厚さ28μmの軟質ポリウ
レタン製フィルムの接着剤塗布面に、ポリエステルニッ
ト製の裏布地を重ねて圧着し、60℃に3分間加熱して
溶媒を揮発させた。ついで、該フィルムの反対面に同様
の接着剤を塗布し、パイル状に起毛したナイロン製の表
布地を重ねて圧着し、同様の処理を行って、表層部とし
て用いる積層体を得た。これを、靴用中敷の形状のキャ
ビティを有し、120℃に加熱した型の靴側表面の位置
に、表布地層を型面に向けて配置した。
【0035】未硬化状態の見掛け粘度が60Pa・sで、ベ
ースポリマー、架橋剤、白金系硬化触媒および充填剤を
含み、ベースポリマーのケイ素原子に結合したビニル基
と架橋剤のSi−H結合との付加反応によって硬化し、
JIS K6301のA型硬さ試験機による硬さ50の
ゴム状弾性体を与える、未硬化の液状シリコーンゴム組
成物90部に、平均粒径55μm、見掛け比重0.36
のガラスマイクロバルーン10部を配合して、均一にな
るまで混合し、脱泡した。これを、上記のように加熱
し、表層部を配置した型を用いて、10分間プレス成形
することにより、表層部の裏布地に基材の一部が食い込
んで一体となった靴用中敷を得た。
【0036】得られた中敷は、表層部と基材が強固に密
着して一体となり、表布地を有するために靴の中で中敷
が移動することなく、装着安定性と使用感が優れてい
た。また、表布地への基材成分、特に未硬化状態の液状
シリコーンゴムの滲み出しが認められず、外観が優れて
いた。
【0037】実施例2 実施例1に用いた付加反応型液状シリコーンゴム組成物
60部、ベースポリマーとして、ケイ素原子に結合した
ビニル基の数が、分子中に平均0.9個であるポリメチ
ルビニルシロキサンを含み、同様の付加反応によってゲ
ル状物を形成する、見掛け粘度が0.7Pa・sの未硬化の
シリコーンゲル組成物30部、および実施例1に用いた
ガラスバルーン10部を配合して、基材を構成させた以
外は、実施例1と同様にして、表層部を有する靴用中敷
を得た。得られた中敷は、実施例1の中敷と同様に装着
安定性と使用感に優れ、また表布地への基材成分の滲み
出しが認められず、外観が優れていた。
【0038】実施例3 実施例1に用いた付加反応型液状シリコーンゴム組成物
のみを用いて基材を構成した以外は、実施例1と同様に
して、表層部を有する靴用中敷を得た。得られた中敷
は、実施例1の中敷と同様に、装着安定性と使用感に優
れ、また表布地への基材成分の滲み出しが認められず、
外観が優れていた。
【0039】比較例1 表層部の代わりに、実施例1で用いた表布地を用い、起
毛面を型の表面に向けて配置し、実施例1に用いた付加
反応型液状シリコーンゴム組成物90部とガラスマイク
ロバルーン10部の混合物を用いた以外は、実施例1と
同様にして、靴側表面に布地を有する靴用中敷を得た。
該中敷は、圧着の際に未硬化状態の液状シリコーンゴム
組成物が表布地の一部に滲み出して硬化し、外観が著し
く劣るものであり、かつ、繊維の使用による使用感も著
しく損なわれた。
【0040】実施例4 表層部を、基材の靴側表面にではなく、足底面に設けた
以外は、実施例1と同様にして、靴用中敷を作製した。
得られた中敷は、表層部と基材が強固に密着して一体と
なり、表布地を有するために優れた触感を有していた。
また、表布地への基材成分、特に未硬化状態の液状シリ
コーンゴムの滲み出しが認められず、外観が優れてい
た。
【0041】比較例2 表層部の代わりに、実施例1で用いた表布地を用い、起
毛面を型の表面に向けて配置し、実施例1に用いた付加
反応型液状シリコーンゴム組成物90部とガラスマイク
ロバルーン10部の混合物を用いた以外は、実施例4と
同様にして、足底面に布地を有する靴用中敷を得た。該
中敷は、圧着の際に未硬化状態の液状シリコーンゴム組
成物が表布地の一部に滲み出して硬化し、外観が著しく
劣るものであり、かつ、上記の滲み出し部分において、
繊維の使用による触感が著しく損なわれた。
【0042】実施例5 表層部を、基材の靴側表面と足底面の両方に設けた以外
は、実施例1と同様にして、靴用中敷を作製した。靴側
表面、足底面ともに、基材成分の滲み出しは認められ
ず、触感、装着安定性および使用感がともに優れてい
た。
【0043】実施例6、7 実施例1および実施例2で得られた靴用中敷を、それぞ
れ電動やすりにより切削加工を行って、脚部に障害のあ
る個人用に整形した靴用中敷を得た。切削加工はきわめ
て容易で、精度よく整形が可能であった。
【0044】
【発明の効果】本発明によって、ゴム状弾性体または軟
質樹脂からなる基材、特に液状ゴムを硬化させて得られ
る基材に、表層部を完全に密着させて、表布地を有する
表面を与え、しかも、未硬化ないし半硬化状態の液状ゴ
ムやそのベースポリマーまたはプレポリマー、架橋剤な
どをはじめ、基材成分として配合された反応抑制剤、加
工助剤、可塑剤、軟化剤のような基材の成分が表面に滲
み出すことのない靴用中敷が得られる。したがって、本
発明の靴用中敷は、このような成分の表面への滲み出し
に伴って、外観、触感、装着安定性および使用感を損な
うことを防止できる。
【0045】さらに、本発明によって、切削などの加工
により、個人の足の形状に合わせた靴用中敷を得ること
ができる。
【0046】本発明の靴用中敷は、通常の靴の中敷とし
て有用なだけでなく、運動用の靴の中敷や、特に脚部障
害者用の靴の中敷として、きわめて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】表層部を靴側表面に設けた、本発明の靴用中敷
の断面概念図である。
【符号の説明】
1 基材 2 表面部 3 裏布地層 4 フィルム層 5 表布地層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F050 AA01 AA06 EA04 EA10 EA11 EA13 EA19 HA18 HA26 HA28 HA30 HA39 HA53 HA63 HA67 HA82 HA84 HA91 HA96 JA27

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム状弾性体または軟質樹脂からなる基
    材と、その靴側表面および/または足底面を覆って密着
    した表層部とを含む靴用中敷において、該表層部が、表
    布地層、裏布地層およびその間に介在するフィルム層を
    含む積層体であることを特徴とする靴用中敷。
  2. 【請求項2】 該表層部が、靴側表面を覆う、請求項1
    記載の靴用中敷。
  3. 【請求項3】 該基材が、硬化させた液状ゴムである、
    請求項1または2記載の靴用中敷。
  4. 【請求項4】 該液状ゴムが、付加反応硬化型液状シリ
    コーンゴムである、請求項3記載の靴用中敷。
  5. 【請求項5】 該基材が、充填剤としてマイクロバルー
    ンを含む、請求項1〜4のいずれか1項記載の靴用中
    敷。
  6. 【請求項6】 脚部障害者用である、請求項1〜5のい
    ずれか1項記載の靴用中敷。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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