JP3002001U - 射出成形長靴 - Google Patents

射出成形長靴

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JP3002001U JP1994000319U JP31994U JP3002001U JP 3002001 U JP3002001 U JP 3002001U JP 1994000319 U JP1994000319 U JP 1994000319U JP 31994 U JP31994 U JP 31994U JP 3002001 U JP3002001 U JP 3002001U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 射出成形時における裏布材の軟質発泡合成樹
脂層の潰れが解消でき、長靴本体と該樹脂層との接着強
度を向上でき、しかも履き心地が良く、保温性も良好な
防寒用の射出成形長靴を提供する。 【構成】 長靴成形材料Zからなる長靴本体11の内面
に裏布材12が設けられた射出成形長靴10において、
前記裏布材12が、射出成形時の前記長靴成形材料Zの
熱や射出圧により気泡が潰れない、JIS K6401
で定義される密度21.0〜100kg/m3 、JIS
K6401で定義される硬度8.0〜60.0kgの
断熱性を有する軟質発泡合成樹脂層13の表裏面に編布
14,15を積層してなり、かつ長靴成形材料Zが長靴
本体11側に積層された編布15の一部または全部に浸
み込んで、長靴本体11が軟質発泡合成樹脂層13に一
体に接着されている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、保温性に優れた裏布材が設けられた射出成形長靴に関する。
【0002】
【従来の技術】
従前の防寒用の長靴は、靴内面にパイルやボアを接着したものが一般的であっ たが、パイルやボアは手作業で接着するので生産性が低く、この欠点を解消する ものとして大量生産が可能な射出成形の長靴が開発された。 この防寒用の射出成形長靴は、保温層である断熱性のある発泡体層を有する裏 布材を、靴下状に設け靴内面に配置して射出成形により一体成形するものである 。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、このような発泡体層を有する裏布材を靴内面に配置して射出成 形するものは、長靴成形材料が靴内側に浸み出して発泡体層を潰すので、良好な 防寒用の長靴が製造できなかった。 これにより、従来の射出成形による防寒用の長靴にあっては、発泡体層を有す る裏布材を、長靴の射出成形後に靴内面に接着するものが主流であった。しかし 、この作業は前述のパイルやボアの場合と同様に手作業であるので、手間がかか って生産性が悪く、さらに部分的にしか裏布材と長靴本体とが接着していないこ とが現実であり、長期間の使用や靴内が湿った状態で使用すると、裏布材が長靴 本体から剥がれる恐れがあった。
【0004】 また、通常、裏布材用の発泡体層には編布が貼り合わされているが、これらの 発泡体層と編布とは、一般的にフレームラミネートにより貼り合わされているの で、貼り合わせ条件の弱い部分の接着強度が弱くなり、長期間の使用により長靴 本体側の編布が発泡体層から剥離し、引き続いて使用していると発泡体層が破損 する恐れがあった。 しかも、この裏布材は、防寒機能の目的により発泡体層の両面に編布を設けて いるので、結果として積層材となり、通常の編布などの1枚の裏布材に比較して 厚みがあることとなる。このため、射出成形の際、一定の長靴成形空隙内に占め る長靴成形材料の流動層が薄くなり、該長靴成形材料の流れに作用して影響を与 え、カケ(注入不良)、防寒性の欠如などの問題が発生する恐れがあった。
【0005】 さらに、長靴内での足の踵部が長靴の中底踵部接地部に浮いた状態で履用され たとき、長靴の踵部の立ち上がり内壁部や踵上部周辺を踏みつけることになり、 これにより長靴の踵上部が靴が接地する度に折れ曲がって踵部周辺に亀裂が生じ 、外部より雨水などが靴内に侵入して防寒性を損なうという問題点があった。 さらに、裏布材の外面側(長靴本体側)に発泡体層を設けると、発泡体層が常 に露出した状態で裏布材が加工されるので、屑や塵などが発泡体層に付着し、射 出成形時に長靴成形材料により付着した屑などが裏布材の発泡体層の表面から流 れて長靴成形材料内に取り込まれ、これにより屑などが長靴表面から露出して外 観を損ねてしまうという問題点があった。
【0006】 本考案は、このような従来技術を背景になされたもので、射出成形時における 裏布材の発泡体層の潰れが解消でき、長靴本体と発泡体層との接着強度を向上で き、しかも履き心地が良く、保温性も良好な防寒用の射出成形長靴を提供するこ とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案は、長靴成形材料からなる長靴本体の内面に裏布材が設けられた射出成 形長靴において、裏布材が、射出成形時の長靴成形材料の熱や射出圧により気泡 が潰れない、JIS K6401で定義される密度21.0〜100kg/m3 、JIS K6401で定義される硬度8.0〜60.0kgの断熱性を有する 軟質発泡合成樹脂層の表裏面に編布を積層してなり、かつ長靴成形材料が、長靴 本体側に積層された編布の一部または全部に浸み込んで、軟質発泡合成樹脂層に 一体に接着されていることを特徴とする射出成形長靴を提供するものである。
【0008】
【作用】
本考案の射出成形長靴においては、裏布材を構成するシート材の軟質発泡合成 樹脂層が、密度21.0〜100kg/m3 、硬度8.0〜60.0kgの発泡 合成樹脂により構成されているので、射出成形時に、長靴成形材料が編布より浸 透して軟質発泡合成樹脂層に接触することにより、この樹脂層に熱影響や射出圧 の影響を及ぼしても、それらの影響に抗して軟質発泡合成樹脂層の気泡の押し潰 れや潰滅を生じることがない。これにより、軟質発泡合成樹脂層は、気泡により 断熱性を保持し、設計当初に設定された長靴の保温性が得られる。 また、裏布材の表裏面には編布が配置されているので、裏布材を裁断、縫製加 工する際に屑や塵の付着が少なく、仮に付着しても編布側を軽く叩くことにより 容易に屑などを払い落とすことができるので、裏布材に付着した屑などが射出成 形時に長靴本体の表面から露出するのを原因とした不良品の発生が防止できる。
【0009】 特に、裏布材の長靴本体側(裏面側)に配置された編布が、射出成形時に長靴 成形材料の一部または全部が浸透する素材を用いているので、該編布を通して長 靴成形材料が浸透し、軟質発泡合成樹脂層を溶融する際に、軟質発泡合成樹脂層 と長靴成形材料との接着強度を高めることから、長期間の長靴の使用や、靴内が 湿った状態で使用しても軟質発泡合成樹脂層の損傷が削減できる。また、長靴本 体側の編布は、長靴本体に一部または全部埋め込まれることになるので、踏みつ けによる長靴本体の踵上部の屈曲に対して、埋め込まれた該編布が補強材となり 、長期間使用しても屈曲などによる劣化が少なく、長靴本体の亀裂の発生が起き 難くなることにより、長靴内への雨水などの侵入が防止されて防寒性を維持でき る。
【0010】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 図1は本考案の一実施例の射出成形長靴の断面図であり、実施例の射出成形長 靴10は、長靴本体11の内面に裏布材12が設けられた射出成形長靴である。 同図の部分拡大図に示すように、裏布材12は、射出成形時の長靴成形材料の熱 や射出圧により気泡が潰れない、断熱性を有する軟質発泡合成樹脂層13と、軟 質発泡合成樹脂層13の表裏面に配置された編布14,15とを積層してなる。
【0011】 この軟質発泡合成樹脂層13としては、例えばブロック状に発泡させた軟質ポ リウレタンフォームを薄くスライスしたシートが好適であり、その他にもポリエ チレンフォーム、ポリプロピレンフォームなどのポリオレフィン系フォーム、エ チレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)フォーム、軟質ポリ塩化ビニル樹脂(P VC)フォームなどの軟質発泡フォームが使用でき、PVCフォームやEVAフ ォームなどは、架橋したものであると、機械的強度や耐熱性に優れているのでよ り好ましい。なお、実施例においては、前記軟質ポリウレタンフォームを薄くス ライスしたシートが採用されている。 この軟質ポリウレタンフォームは、軽く、柔軟性に富み、優れたクッション性 、保温性、緩衝性などの性能を有し、しかも熱可塑性のため自己接着性があり、 フレームラミネートにより編布との接着が容易であるので、特に好適である。
【0012】 軟質発泡合成樹脂層13の密度は、21.0〜100kg/m3 、好ましくは 22.0〜80kg/m3 であり、21.0kg/m3 未満では、長靴本体側の 編布から浸み出した長靴成形材料が前記軟質発泡合成樹脂層13に浸透し、発泡 気泡を溶融滅失してしまう。一方、100kg/m3 を超えると、長靴本体側か ら浸み出した長靴成形材料による前記軟質発泡合成樹脂層13の溶融が少なくな り、結果として長靴本体との接着強度が低下を来すことになる。実施例では、2 7kg/m3 のものが採用されている。なお、ここで規定する密度は、JIS K6401で定義される。
【0013】 また、軟質発泡合成樹脂層13の硬度は、8.0〜60.0kg、好ましくは 10.0〜40.0kgであり、8.0kg未満では、長靴成形材料の射出圧に よって、該軟質発泡合成樹脂層13が全体的に押し潰されて、保温層としての機 能を失うことになり、また長靴成形材料の充填量が、該軟質発泡合成樹脂層13 が押し潰された分だけ多くなることにより、射出成形長靴の重量が増すことに繋 がる。一方、60kgを超えると、長靴成形材料の射出圧に抗して、該軟質発泡 合成樹脂層13の圧縮がなされないことにより、長靴成形空隙に長靴成形材料の 充填度が充分になされず低いため、カケ(注入不良)を生ずる。なお、実施例で は、11.4kgのものが採用されている。また、ここで規定する硬度とは、J IS K6401で定義される。
【0014】 なお、軟質発泡合成樹脂層13の厚さは、0.5〜10.0mm、好ましくは 1.0〜5.0mmである。0.5mm未満では、長靴本体側の編布15より浸 み出した長靴成形材料による軟質発泡合成樹脂層13への溶融厚が0.5mmで あり、軟質発泡合成樹脂層13の滅失が全体にわたり、保温層が確保できなくな る。一方、10.0mmを超えると、ラストモールドおよびサイドモールドによ って形成する長靴成形空隙の厚みを超えてしまい、裏布材本体自体が収納できず 、成形不可能となる。なお、実施例では、4mmのものを採用している。
【0015】 また、軟質発泡合成樹脂層13は、裏布材12自体が伸張された状態でラスト モールドに吊り込まれるので、JIS K6402で定義される伸びが、好まし くは70〜300%、さらに好ましくは90〜300%のものを用いることが望 ましい。70%未満では、裏布材12のラストモールドへの吊り込み作業性が悪 く、吊り込み時に発泡気泡(フォーム)の破壊を生じ、一方300%を超えると 裏布材12が伸びすぎて、ラストモールドに吊り込まれた該裏布材は、長靴成形 空隙内に射出された長靴成形材料の流れに引きずられ、かつ折れ曲がり、長靴本 体表面に露出することとなり、雨水などが裏布材の露出部より浸入し、防寒性を 損なうこととなる。 さらに、軟質発泡合成樹脂層13は、連続気泡、独立気泡のどちらのものであ ってもよが、独立気泡の方が好ましい。
【0016】 前記編布14,15は、メリヤスなどの伸縮性のある編布ならばどのような品 種のものでも使用でき、編布だけでなくても、裏布材12を後記するラストモー ルド16に吊り込むのに充分な伸縮性があれば織布であっても使用できる。 編布15については、トリコットや、丸編として、平織、ゴム編、パール編、 片畔編、両畔編、テレコ編、テレコタック編、ミラノリブ編、片袋編、アイレッ ト編、横縞(ダブルピケ)、両面編、スムース編、3段両面編、針抜き編、アコ ーディオン編、シングルピケ、テクシイピケ、タックリップル(4/2)、ウエ ルトリップル(3/9)、横縞(タック)、タック編、ジャガード、ツイル、シ ングルジャージイー、はめこみ編、1×1の二重タック編、ランダム編などが好 ましい。
【0017】 編布15の編み構造としては、上記に挙げたものが好ましいが、丸編よりはト リコットの方がさらに好ましい。丸編では、筒状のものを切り開くことになるの で、加工工程が多くなり、かつ部分的に力を加え切開することにより伸ばされ、 部分的な伸びの差、コース数、ウエール数の差を生じやすく、規格外の伸び、コ ース数、ウエール数のものが生産ライン内に入ると、製品不良を発生し易いから である。トリコットでは、切開加工がなく、部分的な伸びの差、コース数、ウエ ール数の差を生じ難く、このような問題が発生し難い。
【0018】 また、編布15の構成糸は、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、アセテート 、スパンデックス、ポリウレタン、ポリ尿素、ビニロン、アクリルなどからなる 繊維が用いられる。なかでも、編布15の構成糸については、長靴本体に埋め込 まれ、補強材となるため、強度が強く、かつ湿潤時の物性の低下が少ない、ナイ ロン、ポリエステル、スパンデックス、ポリウレタン、ポリ尿素からなる繊維が 好ましい。
【0019】 一方、長靴を履いたときに足に接する側の編布14は、伸縮性のある編布であ ればどのようなものであってもよく、トリコットに限定されることなく、丸編で ある平編、ゴム編、パール編、片畔編、両畔編、テレコ編、テレコタック編、ミ ラノリブ編、片袋編、アイレット編、横縞(ダブルピケ)、両面編、スムース編 、3段両面編、針抜き編、アコーディオン編、シングルピケ、テクシイピケ、タ ックリップル(4/2)、ウエルトリッピル(3/9)、横縞(タック)、タッ ク編、裏毛編、立毛編、ジャガード、ツイル、シングルジャージイー、はめこみ 編、1×1の二重タック編、ランダム編などのほか、パイルなどを適宜用いるこ とができる。 また、編布14の構成糸は、上記編布15の構成糸と同様のもののほか、綿、 羊毛、絹なども用いることができる。 なお、実施例では、編布14,15として、ナイロントリコットが採用されて いる。
【0020】 長靴本体側の編布15のウエール数は、好ましくは25〜45/インチ、さら に好ましくは30〜45/インチである。25/インチ未満では、編布の強度が 弱くなり、踵部の踏みつけによる屈曲により、長靴本体に亀裂が生じやすくなり 、雨水などの浸入により防寒性を確保できなくなる。一方、45/インチを超え ると、編布糸間が小さすぎて、長靴成形材料の浸透がし難くなり、結果として編 布が長靴本体にほとんど埋め込まれず、履用により編布が長靴本体から剥がれて 、踵部の屈曲に対して亀裂を生じさせ、雨水などの浸入により防寒性の確保がで きなくなる。実施例では、ウエール数38/インチのものが採用されている。
【0021】 また、編布15のコース数は、好ましくは20〜90インチ、さらに好ましく は23〜70/インチである。20/インチ未満では、編布の強度が弱くなり、 踵部の踏みつけによる屈曲により、長靴本体に亀裂が生じやすくなり、雨水など の浸入により防寒性を確保できなくなる。一方、90/インチを超えると、編布 糸間が小さすぎて、長靴成形材料の浸透がし難くなり、結果として編布が長靴本 体にほとんど埋め込まれず、履用により編布が長靴本体から剥がれて、踵部の屈 曲に対して亀裂を生じさせ、雨水などの浸入により防寒性の確保ができなくなる 。実施例では、コース数32/インチのものが採用されている。
【0022】 さらに、長靴本体側の編布15に用いられる糸のデニール数は、好ましくは1 0〜300de、さらに好ましくは15〜200deである。10de未満では 、強度不足となり長靴踵部の屈曲による破損切損や履用中の足との摩耗滅損を来 たし、結果として長靴本体の亀裂に繋がり、長靴内への雨水などが浸入し、防寒 性を損なうものとなる。一方、300deを超えると、射出成形長靴の裏布材の 構成である編布によっては、その長靴本体との素材構成の組み合わせ上、長靴本 体である長靴成形材料の充填容積が相対的に少なくなり、長靴本体の厚みが薄く 、本体強度が弱くなるので、結果として履用中の屈曲によって亀裂を来たし、長 靴内への雨水などの浸入を許し、防寒性を損なうことになる。実施例では、フロ ント30de、バック20deのものが採用されている。
【0023】 なお、本体側の編布15は、射出成形された熱可塑性合成樹脂からなる長靴成 形材料Zを一部または全部浸透させるため、JIS L1018で定義される伸 びが、好ましくは50〜250%、さらに好ましくは100〜250%のものを 用いることが望ましい。50%未満では、ラストモールドへの吊り込み作業がで きず、一方250%を超えると、ラストモールドにフィットしないため、射出成 形時に裏布材12が長靴成形材料Zに流され、シワが発生し、長靴表面に露出し 水漏れが発生することがある。
【0024】 ここでいう一部に浸み込むとは、長靴成形材料が長靴本体側の編布に浸み込ん だ際、編布内に浸透はするが編布全体を長靴成形材料が包み込むまでに至らない 状態をいう。また、全部に浸み込むとは、長靴成形材料が編布全体に浸透すると ともに、編布全体を包み込んでしまう状態をいう。なお、浸み込まないというこ とは、長靴成形材料が編布に浸透できず、編布内部に入り込まず、長靴本体側の 編布表面に長靴成形材料が接している状態である。
【0025】 なお、裏布材12を構成する表面側の編布14としては、ウエール数20〜5 0/インチ、コース数15〜100/インチ、糸のデニール数が5〜300de 、伸びが5〜250%程度のものが用いられるが、特に限定されるものではない 。
【0026】 裏布材12は、これらのシート状の軟質発泡合成樹脂層13と、編布14,1 5とを、例えばフレームラミネート法、ドライラミネート法、ウエットラミネー ト法などの接着手段の適宜の積層方法で製造される。
【0027】 そののち、製造されたシート状の裏布材12を裁断して図2に示す裁断片12 aとし、これを縫製、熱融着または高周波融着などにより靴下状に設ける(図3 参照)。なお、実施例では、ロックミシンによる縫製が採用されている。また、 裏布材12は、必要により底部材をフェルト、ボアなどの別部材をさらに貼着ま たは縫着して構成してもよい。
【0028】 次いで、図4に示すように、裏布材12をラストモールド16に吊り込み、さ らにボトムモールド17、サイドモールド18を嵌合し、内部形成された長靴成 形空隙19内に、例えばポリ塩化ビニル樹脂コンパウンド、熱可塑性ゴムコンパ ウンド、反応性の樹脂(ポリウレタンなど)の長靴成形材料Zを射出して裏布材 12と一体化した長靴本体11を射出成形することにより防寒用の射出成形長靴 10が製造される。なお、この実施例では、長靴成形材料Zにポリ塩化ビニル樹 脂コンパウンドを用いている。
【0029】 この射出成形の際に、軟質発泡合成樹脂層13が密度21.0〜100kg/ m3 、硬度8.0〜60.0kgの発泡合成樹脂により構成されているので、長 靴成形材料Zが編布15より浸透して軟質発泡合成樹脂層13に接触することに より、この樹脂層13に熱影響や射出圧の影響を及ぼしても、それらの影響に抗 して軟質発泡合成樹脂層13の気泡の押し潰れや潰滅が生じず、軟質発泡合成樹 脂層13は気泡により断熱性を保持し、設計当初に設定された射出成形長靴10 の保温性が得られる。
【0030】 また、裏布材12の表裏面には編布14,15が配置されているので、裏布材 12を裁断、縫製加工する際に屑や塵の付着が少なく、仮に付着しても軽く叩く ことにより容易に屑などを払い落とすことができる。これにより、裏布材12に 付着した屑などが射出成形時に長靴本体11の表面から露出することを原因とし た不良品の発生が防止できる。
【0031】 しかも、裏布材12の裏面側(長靴本体側)に配置された編布15が、射出成 形時に長靴成形材料が浸透する素材、具体的にはウエール数25〜45/インチ 、コース数20〜90/インチを用いているので、長靴成形材料Zが浸透し、軟 質発泡合成樹脂層13を溶融する際に、軟質発泡合成樹脂層13と長靴成形材料 Zとの接着強度を高めることから、長期間の長靴10の使用や、靴内が湿った状 態で使用しても軟質発泡合成樹脂層13の損傷が削減できる。また、長靴本体1 1側の編布15は、長靴本体11に一部または全部埋め込まれることになるので 、踏み付けによる長靴本体11の踵上部の屈曲に対して、埋め込まれた編布15 が補強材となり、長期間の使用しても裏布材12の摩擦などによる劣化が少なく 、長靴本体11の亀裂の発生が起き難くなることにより、長靴10内への雨水な どの侵入が防止されて防寒性を維持できる。
【0032】 以上、本考案の実施例を説明したが、本考案はこの実施例に限定されるもので はなく、要旨を逸脱しない範囲での設計変更などがあっても本考案に含まれる。 例えば、実施例では、防寒用の射出成形長靴を例に説明したが、これに限定しな くても本考案の技術思想は、防寒用の射出成形ブーツや射出成形靴にも適用でき る。
【0033】
【考案の効果】
本考案の射出成形長靴は、このように裏布材の軟質発泡合成樹脂層が、密度2 1.0〜100kg/m3 、硬度8.0〜60.0kgの断熱性を有する発泡合 成樹脂からなるので、射出成形時の長靴成形材料の熱や射出圧により気泡が押し 潰されたり、潰滅されないので、保温性および断熱性が良好である。 また、裏布材は、伸縮性に富む軟質発泡合成樹脂層や編布により構成されてい るので、ラストモールドへの吊り込みが良く、作業性が良好である。
【0034】 さらに、射出された長靴成形材料は、裏布材の長靴本体側の編布より浸透して 軟質発泡合成樹脂層の表面を溶融させるので、軟質発泡合成樹脂層と長靴本体と の接着強度は充分であり、踏みつけによる長靴本体の踵上部の屈曲に対して亀裂 の発生が起き難く、雨水などの浸入が防止され、防寒性が維持できるとともに、 長期間の使用に耐えるものとなる。 さらにまた、両面に編布が配置された裏布材を用いるので、裏布材を加工する 際に屑などの付着が少なく、射出成形された長靴の表面に屑などが露出すること が低減でき、外観の優れた長靴を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の射出成形長靴の断面図であ
る。
【図2】本考案の一実施例に使用される裏布材の展開図
である。
【図3】本考案の一実施例に使用される裏布材の縫製状
態を示す平面図である。
【図4】本考案の一実施例の射出成形長靴の製造工程を
示す断面図である。
【符号の説明】
10 射出成形長靴 11 長靴本体 12 裏布材 13 軟質発泡合成樹脂層 14 編布 15 編布 16 ラストモールド 17 ボトムモールド 18 サイドモールド 19 長靴成形空隙 Z 長靴成形材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/30 101 8115−4F 27/40 7016−4F // B29K 27:06 75:00 105:04 105:20 B29L 9:00 4F 31:50 4F

Claims (13)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長靴成形材料からなる長靴本体の内面に
    裏布材が設けられた射出成形長靴において、裏布材が、
    射出成形時の長靴成形材料の熱や射出圧により気泡が潰
    れない、JIS K6401で定義される密度21.0
    〜100kg/m3 、JIS K6401で定義される
    硬度8.0〜60.0kgの断熱性を有する軟質発泡合
    成樹脂層の表裏面に編布を積層してなり、かつ長靴成形
    材料が、長靴本体側に積層された編布の一部または全部
    に浸み込んで、軟質発泡合成樹脂層に一体に接着されて
    いることを特徴とする射出成形長靴。
  2. 【請求項2】 長靴成形材料が塩化ビニル樹脂コンパウ
    ンドからなる請求項1記載の射出成形長靴。
  3. 【請求項3】 軟質発泡合成樹脂層が軟質ポリウレタン
    フォームからなる請求項1記載の射出成形長靴。
  4. 【請求項4】 軟質発泡合成樹脂層のJIS K640
    2で定義される伸びが70〜300%である請求項1ま
    たは3記載の射出成形長靴。
  5. 【請求項5】 軟質発泡合成樹脂層の表裏面の編布がト
    リコット(経編布)からなる請求項1記載の射出成形長
    靴。
  6. 【請求項6】 軟質発泡合成樹脂層の表裏面の編布が緯
    編布(丸編)からなる請求項1記載の射出成形長靴。
  7. 【請求項7】 軟質発泡合成樹脂層の表裏面の編布がナ
    イロン編織糸からなる請求項1、5または6記載の射出
    成形長靴。
  8. 【請求項8】 軟質発泡合成樹脂層の表裏面の編布がポ
    リエステル編織糸からなる請求項1、5または6記載の
    射出成形長靴。
  9. 【請求項9】 軟質発泡合成樹脂層の表裏面の編布がレ
    ーヨン編織糸からなる請求項1、5または6記載の射出
    成形長靴。
  10. 【請求項10】 軟質発泡合成樹脂層の表裏面の編布が
    ナイロン、ポリエステルおよびレーヨンの群から選ばれ
    た少なくとも2種の混合糸から構成される編織糸である
    請求項1、5または6記載の射出成形長靴。
  11. 【請求項11】 長靴本体側(裏面)の編布がウエール
    数25〜45/インチ、コース数20〜90/インチで
    ある請求項1記載の射出成形長靴。
  12. 【請求項12】 長靴本体側(裏面)の編布に用いられ
    る糸のデニール数が10〜300deである請求項1記
    載の射出成形長靴。
  13. 【請求項13】 長靴本体側(裏面)の編布のJIS
    L1018で定義される伸びが50〜250%である請
    求項1記載の射出成形長靴。
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