JP2545611B2 - 樹脂発泡体層を有する裏材を設けた射出成形靴及びその製造法 - Google Patents
樹脂発泡体層を有する裏材を設けた射出成形靴及びその製造法Info
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- JP2545611B2 JP2545611B2 JP1226905A JP22690589A JP2545611B2 JP 2545611 B2 JP2545611 B2 JP 2545611B2 JP 1226905 A JP1226905 A JP 1226905A JP 22690589 A JP22690589 A JP 22690589A JP 2545611 B2 JP2545611 B2 JP 2545611B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、樹脂発泡体層を含むシート材で構成された
裏材を有する射出成形靴とその製造法に関する。
裏材を有する射出成形靴とその製造法に関する。
(従来の技術) 従来、射出成形法を用いて製造した靴、特に長靴にあ
っては、その履いた足に面する側にメリヤス布等を裁断
縫製して靴下状に構成した裏材を用いるのが一般であっ
た。
っては、その履いた足に面する側にメリヤス布等を裁断
縫製して靴下状に構成した裏材を用いるのが一般であっ
た。
しかし、冬季等のシーズンにおいて、あるいは食堂等
の調理場等のような床面に水気の多い場所において、そ
のような靴を履いた場合は、この程度の裏材だけでは保
温効果が充分でないため、靴下を重ね履きする等して冷
気から足を守らねばならない不都合があった。
の調理場等のような床面に水気の多い場所において、そ
のような靴を履いた場合は、この程度の裏材だけでは保
温効果が充分でないため、靴下を重ね履きする等して冷
気から足を守らねばならない不都合があった。
この保温効果の改良のために、裏材として、メリヤス
布とポリウレタンフォームシートとのラミネート材を靴
下状に裁断縫製したものを用い、射出成形して靴を製造
する方法が考えられた。
布とポリウレタンフォームシートとのラミネート材を靴
下状に裁断縫製したものを用い、射出成形して靴を製造
する方法が考えられた。
(発明が解決しようとする課題) 前記の改良された靴の製造法により得られるもので
は、裏材にポリウレタンフォームシートが含まれている
ため、メリヤス布1枚のみなからなる裏材を用いるもの
より、足の保温性には富む。
は、裏材にポリウレタンフォームシートが含まれている
ため、メリヤス布1枚のみなからなる裏材を用いるもの
より、足の保温性には富む。
しかし、この製造法は、射出成形時に、裏材を構成し
ているポリウレタンフォームシートが、溶融した射出成
形材料に直接に接触し、その熱により溶融や変質が生
じ、同時に射出圧による力が加わるため、その気泡が潰
れたり、消失したりし、あるいは、特にウレタンフォー
ムが連続気泡である場合には、溶融した成形材料が、そ
の気泡中に深く浸透する等して、断熱性能に実質的に寄
与する気泡が滅失し、保温性が期待通りに確保し難いと
いう欠点を有している。
ているポリウレタンフォームシートが、溶融した射出成
形材料に直接に接触し、その熱により溶融や変質が生
じ、同時に射出圧による力が加わるため、その気泡が潰
れたり、消失したりし、あるいは、特にウレタンフォー
ムが連続気泡である場合には、溶融した成形材料が、そ
の気泡中に深く浸透する等して、断熱性能に実質的に寄
与する気泡が滅失し、保温性が期待通りに確保し難いと
いう欠点を有している。
そこで、本発明は、樹脂発泡体層を含むシート材から
なる裏材を用いて射出成形しても、その発泡体層の気泡
の滅失のない射出成形靴とその製造方法を提供すること
を目的としてなされたものである。
なる裏材を用いて射出成形しても、その発泡体層の気泡
の滅失のない射出成形靴とその製造方法を提供すること
を目的としてなされたものである。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために、本発明の樹脂発泡体層を
有する裏材を設けた射出成形靴は、樹脂発泡体層を含む
シート材でラストモールドの外面形状に構成された裏材
と該裏材の外周面に一体に射出成形されて接合した靴主
体とからなり、 該裏材の樹脂発泡体層における該靴主体に臨む側の面
に、射出成形材料を遮断するバリヤー手段として、 a)合成樹脂層、 b)靴主体に臨む側の面に布地を層してなる合成樹脂
層、又は c)編布であって、該編布の下記式(I)で求められる
気孔容積が、該編布をバリヤー手段として用いた裏材を
ラストモールドに吊り込んだときに、20〜70%であり、
かつ該編布の靴主体に臨む側の面が射出成形材料との接
着を助長する表面処理剤にて処理されたもの、 W:基布の1m2当たりの重量(g/m2) T:基布の厚さ(mm) S:基布繊維の真比重 が施されたことを特徴とするものである。
有する裏材を設けた射出成形靴は、樹脂発泡体層を含む
シート材でラストモールドの外面形状に構成された裏材
と該裏材の外周面に一体に射出成形されて接合した靴主
体とからなり、 該裏材の樹脂発泡体層における該靴主体に臨む側の面
に、射出成形材料を遮断するバリヤー手段として、 a)合成樹脂層、 b)靴主体に臨む側の面に布地を層してなる合成樹脂
層、又は c)編布であって、該編布の下記式(I)で求められる
気孔容積が、該編布をバリヤー手段として用いた裏材を
ラストモールドに吊り込んだときに、20〜70%であり、
かつ該編布の靴主体に臨む側の面が射出成形材料との接
着を助長する表面処理剤にて処理されたもの、 W:基布の1m2当たりの重量(g/m2) T:基布の厚さ(mm) S:基布繊維の真比重 が施されたことを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するため、本発明の射出成形靴
の製造法は、射出された射出成形材料を遮断するバリヤ
ー手段として上記a),b)又はc)を片面に施した樹脂
発泡体層を含むシート材でラストモールドの外面形状に
沿う形状の裏材を構成し、 この裏材における樹脂発泡体層の前記バリヤー手段を
施した面がそれの反対面に対して表側となるように該裏
材をラストモールドに吊り込み、 このラストモールドとその他の成形用モールドとを組
み合わせて前記裏材の外周面に臨む成形空隙を構成し、 この成形空隙に射出成形材料を射出充填することによ
り、前記裏材と一体に接合した靴主体を射出成形する ことを特徴とするものである。
の製造法は、射出された射出成形材料を遮断するバリヤ
ー手段として上記a),b)又はc)を片面に施した樹脂
発泡体層を含むシート材でラストモールドの外面形状に
沿う形状の裏材を構成し、 この裏材における樹脂発泡体層の前記バリヤー手段を
施した面がそれの反対面に対して表側となるように該裏
材をラストモールドに吊り込み、 このラストモールドとその他の成形用モールドとを組
み合わせて前記裏材の外周面に臨む成形空隙を構成し、 この成形空隙に射出成形材料を射出充填することによ
り、前記裏材と一体に接合した靴主体を射出成形する ことを特徴とするものである。
本発明において、射出成形材料としては、ポリ塩化ビ
ニル樹脂、EVA、オレフィン系コポリマー、ポリウレタ
ン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン
−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、スチレン
−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー等の常用さ
れるエラストマー、熱可塑性ゴム等が使用できる。
ニル樹脂、EVA、オレフィン系コポリマー、ポリウレタ
ン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン
−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、スチレン
−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー等の常用さ
れるエラストマー、熱可塑性ゴム等が使用できる。
裏材を構成する樹脂発泡体層としては、ブロック状に
発泡させた連続気泡性の軟質ポリウレタンフォームを薄
くスライスしたシートを用いるのが好適であり、その他
の例として、PVCフォームやEVAフォーム、独立気泡性の
軟質ポリウレタンフォーム等のシートが使用できる。な
お、PVCフォームやEVAフォームは、架橋したものが、機
械的強度や耐熱性に優れるため、より好ましい。
発泡させた連続気泡性の軟質ポリウレタンフォームを薄
くスライスしたシートを用いるのが好適であり、その他
の例として、PVCフォームやEVAフォーム、独立気泡性の
軟質ポリウレタンフォーム等のシートが使用できる。な
お、PVCフォームやEVAフォームは、架橋したものが、機
械的強度や耐熱性に優れるため、より好ましい。
この樹脂発泡体層の厚みは、1.0mm〜10.0mm、好まし
くは2.0〜5.0mmである。
くは2.0〜5.0mmである。
この樹脂発泡体層の片面に施されるa)のバリヤー手
段は、ポリウレタン系、EVA系、オレフィン系、ポリエ
ステル系、ポリアミド系等からなる合成樹脂層である。
段は、ポリウレタン系、EVA系、オレフィン系、ポリエ
ステル系、ポリアミド系等からなる合成樹脂層である。
この合成樹脂層の厚みは、射出成形材料の遮断性能が
あり、かつ該層を含むシート材を裏材として縫製等によ
り構成するときの作業のし易さや、この裏材をラストモ
ールドに吊り込むときの作業のし易さ等を考慮して、20
〜500ミクロンが好適であり、30〜150ミクロンがより好
適である。
あり、かつ該層を含むシート材を裏材として縫製等によ
り構成するときの作業のし易さや、この裏材をラストモ
ールドに吊り込むときの作業のし易さ等を考慮して、20
〜500ミクロンが好適であり、30〜150ミクロンがより好
適である。
この合成樹脂層からなるa)のバリヤー手段は、樹脂
発泡体層を構成する上記のような樹脂発泡体層上に、次
のような方法により施される。
発泡体層を構成する上記のような樹脂発泡体層上に、次
のような方法により施される。
例えば、上記の合成樹脂を、予め、カレンダー法、
押し出し法等でフィルムに成形したものを、樹脂発泡体
層と、接着剤にてドライラミネート法(接着剤としてホ
ットメルトタイプのものを使用する方法)や、ウェット
ラミネート法(接着剤として液状タイプのものを使用す
る方法)等によりラミネートする方法、上記の合成樹
脂を、スプレー法、グラビア法、ドクターナイフ法等に
より樹脂発泡体層上に直接コーティングする方法、上
記の樹脂を、離型性のシート(紙やフィルム等)上にコ
ーティングして言わゆるキャスティングフィルムを成形
し、この上に樹脂発泡体層を接着剤にて上記のドライラ
ミネート法やウェットラミネート法等によりラミネート
し、離型性シートを除去する言わば転写法により施す方
法である。
押し出し法等でフィルムに成形したものを、樹脂発泡体
層と、接着剤にてドライラミネート法(接着剤としてホ
ットメルトタイプのものを使用する方法)や、ウェット
ラミネート法(接着剤として液状タイプのものを使用す
る方法)等によりラミネートする方法、上記の合成樹
脂を、スプレー法、グラビア法、ドクターナイフ法等に
より樹脂発泡体層上に直接コーティングする方法、上
記の樹脂を、離型性のシート(紙やフィルム等)上にコ
ーティングして言わゆるキャスティングフィルムを成形
し、この上に樹脂発泡体層を接着剤にて上記のドライラ
ミネート法やウェットラミネート法等によりラミネート
し、離型性シートを除去する言わば転写法により施す方
法である。
b)のバリヤー手段は、上記の合成樹脂層の靴主体に
臨む側の面に、編布(好ましくは2重編み編布)、織
布、不織布等の布地(好ましくは伸縮性を有する布地)
を積層したものである。
臨む側の面に、編布(好ましくは2重編み編布)、織
布、不織布等の布地(好ましくは伸縮性を有する布地)
を積層したものである。
この布地と合成樹脂層との積層体からなるb)のバリ
ヤー手段は、上記a)のバリヤー手段を上記の方法に
より樹脂発泡体層上に施す際に、該樹脂発泡体層上にコ
ーティングした上記の合成樹脂層が接着性を有している
場合には、この合成樹脂層上に上記の布地をラミネート
することにより、積層体の形成と同時に樹脂発泡体層上
に施すことができる。
ヤー手段は、上記a)のバリヤー手段を上記の方法に
より樹脂発泡体層上に施す際に、該樹脂発泡体層上にコ
ーティングした上記の合成樹脂層が接着性を有している
場合には、この合成樹脂層上に上記の布地をラミネート
することにより、積層体の形成と同時に樹脂発泡体層上
に施すことができる。
また、上記やの方法により上記の合成樹脂を予め
フィルムに成形した上で樹脂発泡体層と接着剤によりラ
ミネートする場合には、該フィルム上に上記の布地を接
着剤等によりラミネートして積層体を形成しておき、こ
れを樹脂発泡体層上に施してもよい。
フィルムに成形した上で樹脂発泡体層と接着剤によりラ
ミネートする場合には、該フィルム上に上記の布地を接
着剤等によりラミネートして積層体を形成しておき、こ
れを樹脂発泡体層上に施してもよい。
このb)のバリヤー手段では、樹脂発泡体層が布地に
より被覆されているため、この布地により、樹脂発泡体
層の損傷が防止されるのみならず、手作業により吊り込
み作業もし易く、また縫製等により裏材に構成する際の
作業も容易となる。
より被覆されているため、この布地により、樹脂発泡体
層の損傷が防止されるのみならず、手作業により吊り込
み作業もし易く、また縫製等により裏材に構成する際の
作業も容易となる。
c)のバリヤー手段は、編布であって、該編布の上記
式(I)で求められる気孔容積が、該編布をバリヤー手
段として用いた裏材をラストモールドに吊り込んだとき
に、20〜70%、好ましくは35〜50%であり、かつ該編布
の靴主体に臨む側の面が射出成形材料との接着を助長す
る表面処理剤にて処理されたものである。
式(I)で求められる気孔容積が、該編布をバリヤー手
段として用いた裏材をラストモールドに吊り込んだとき
に、20〜70%、好ましくは35〜50%であり、かつ該編布
の靴主体に臨む側の面が射出成形材料との接着を助長す
る表面処理剤にて処理されたものである。
上記の気孔容積は、小さければ小さい程、射出成形材
料の遮断効果が大きくなるが、この遮断性能を発現する
臨界値が70%であり、これより大きいと遮断性能を発現
することはできない。また、上記の気孔容積は、小さす
ぎると、該バリヤー手段が施された裏材をラストモール
ドに吊り込むときの作業が困難となり、この作業性の臨
界値が20%である。
料の遮断効果が大きくなるが、この遮断性能を発現する
臨界値が70%であり、これより大きいと遮断性能を発現
することはできない。また、上記の気孔容積は、小さす
ぎると、該バリヤー手段が施された裏材をラストモール
ドに吊り込むときの作業が困難となり、この作業性の臨
界値が20%である。
また、本発明では、上記の編布に射出成形材料との接
着を助長する表面所理剤を処理しているため、該編布と
射出成形材料との接合を強固にすることができるのみな
らず、この表面処理剤により一層良好な遮断効果を得る
ことができる。
着を助長する表面所理剤を処理しているため、該編布と
射出成形材料との接合を強固にすることができるのみな
らず、この表面処理剤により一層良好な遮断効果を得る
ことができる。
上記の編布としては、綿、レーヨン、ポリエステル、
ナイロン(ポリアミド)、アクリル等の繊維を単独又は
2種類以上使用したものが使用できる。また、2重編み
のいわゆるダブルトリコットと呼ばれる編布を用いるこ
ともできる。
ナイロン(ポリアミド)、アクリル等の繊維を単独又は
2種類以上使用したものが使用できる。また、2重編み
のいわゆるダブルトリコットと呼ばれる編布を用いるこ
ともできる。
上記の編布を樹脂発泡体層に施すには、フレームラミ
ネート法や接着剤による接合等適宜方法で行えばよい。
ネート法や接着剤による接合等適宜方法で行えばよい。
以上のようにa),b)又はc)のバリヤー手段を施さ
れた樹脂発泡体層には、バリヤー手段と反対側の面、す
なわちラストモールドに接する側の面に、メリヤス等の
編布のような伸縮性のある布地を更に積層してもよい。
れた樹脂発泡体層には、バリヤー手段と反対側の面、す
なわちラストモールドに接する側の面に、メリヤス等の
編布のような伸縮性のある布地を更に積層してもよい。
この場合の積層方法は、上述したフレームラミネート
法、接着剤による接合等適宜選択することができる。
法、接着剤による接合等適宜選択することができる。
このように樹脂発泡体層のバリヤー手段を施された面
と反対側の面に上記のような布地が積層されていれば、
この布地が足に接触することとなるため、布地が無い場
合に比して、保温性や感触が良好となるばかりか、汗等
に対する衛生上も好ましく、しかも樹脂発泡体層の保護
ともなる。
と反対側の面に上記のような布地が積層されていれば、
この布地が足に接触することとなるため、布地が無い場
合に比して、保温性や感触が良好となるばかりか、汗等
に対する衛生上も好ましく、しかも樹脂発泡体層の保護
ともなる。
また、この布地は、この裏材をラストモールドに吊り
込む際、機械的強度の弱い樹脂発泡体層の損傷を防止す
る保護被覆層となる。
込む際、機械的強度の弱い樹脂発泡体層の損傷を防止す
る保護被覆層となる。
この布地が伸縮性を有すれば、裏材の吊り込みを容易
とする。
とする。
以上のa),b)又はc)のバリヤー手段を施した樹脂
発泡体層を含むシート材は、足の形状をなすラストモー
ルドの複雑な外面形状に沿うように、裁断し、この裁断
片を縫製、熱融着、高周波融着等の手段で結合して靴下
状に構成し、裏材とする。
発泡体層を含むシート材は、足の形状をなすラストモー
ルドの複雑な外面形状に沿うように、裁断し、この裁断
片を縫製、熱融着、高周波融着等の手段で結合して靴下
状に構成し、裏材とする。
なお、上記の裏材は、バリヤー手段を施した面とは反
対側の面が、ラストモールドに接するように構成する。
対側の面が、ラストモールドに接するように構成する。
本発明においては、ラストモールドに吊り込んだ裏材
の外周面に臨む周囲に、サイドモールドやボトムモール
ド等その他の成形用モールドを組み合わせて成形空隙を
構成し、その空隙に射出成形材料を射出して該空隙を充
填することにより、裏材の外周面に一体に接合した靴主
体を成形する。
の外周面に臨む周囲に、サイドモールドやボトムモール
ド等その他の成形用モールドを組み合わせて成形空隙を
構成し、その空隙に射出成形材料を射出して該空隙を充
填することにより、裏材の外周面に一体に接合した靴主
体を成形する。
このような成形用モールドとしては、通常のものが使
用できる。
用できる。
勿論、裏材に樹脂発泡体層を含むので、その厚み分だ
け、成形空隙の厚みを増加しておくのが望ましい。
け、成形空隙の厚みを増加しておくのが望ましい。
なお、本発明は、長靴のみならず、短靴にも適用でき
ることは言うまでもない。
ることは言うまでもない。
(実施例) 以下、本発明の実施例を説明する。これらの実施例
は、本発明を何ら制限するものではない。
は、本発明を何ら制限するものではない。
[実施例1] まず、第1図に示すラストモールド(1)の外面形状
に沿うことのできる裏材(2)を調製する。
に沿うことのできる裏材(2)を調製する。
裏材(2)は第2図に示すような断面構成でなり、こ
の断面に示される層状のシート材(S)を裁断し縫製し
て靴下状に構成したものである。
の断面に示される層状のシート材(S)を裁断し縫製し
て靴下状に構成したものである。
このシート材(S)は、ブロック状に発泡成形された
軟質ポリウレタンフォームを厚さ3.0mmにスライスして
樹脂発泡体層(3)を構成するための材料とし、このポ
リウレタンフォームのラストモールド(1)に接触すべ
き側の面に、スフメリヤス布地(4)をフレームラミネ
ート法により接合一体化してあり、その反対側の面にバ
リヤー手段として、ポリウレタン樹脂層(5)を厚み80
ミクロンとなるようにコーティングし、これにスフメリ
ヤス布地(6)を接着一体化した、ものである。
軟質ポリウレタンフォームを厚さ3.0mmにスライスして
樹脂発泡体層(3)を構成するための材料とし、このポ
リウレタンフォームのラストモールド(1)に接触すべ
き側の面に、スフメリヤス布地(4)をフレームラミネ
ート法により接合一体化してあり、その反対側の面にバ
リヤー手段として、ポリウレタン樹脂層(5)を厚み80
ミクロンとなるようにコーティングし、これにスフメリ
ヤス布地(6)を接着一体化した、ものである。
こうしてなる裏材(2)を第1図のようにラストモー
ルド(1)に吊り込み、これにサイドモールド(7)、
ボトムモールド(8)を組み合わせ、その裏材(2)の
外周面に臨む成形空隙(9)を構成し、これに、ボトム
モールド(8)のランナー(10)より射出成形材料(1
1)としてPVCコンパウンドを射出充填し、靴主体(12)
と裏材(2)とが一体に接合した状態の射出成形長靴を
得た。
ルド(1)に吊り込み、これにサイドモールド(7)、
ボトムモールド(8)を組み合わせ、その裏材(2)の
外周面に臨む成形空隙(9)を構成し、これに、ボトム
モールド(8)のランナー(10)より射出成形材料(1
1)としてPVCコンパウンドを射出充填し、靴主体(12)
と裏材(2)とが一体に接合した状態の射出成形長靴を
得た。
この長靴は、射出成形材料(11)がバリヤー手段とし
てのポリウレタン樹脂層(5)及び布地(6)により遮
断され、その溶融した成形材料(11)がポリウレタンフ
ォームからなる樹脂発泡体層(3)に及ぶことがないた
め、ポリウレタンフォームの気泡は滅失していない。
てのポリウレタン樹脂層(5)及び布地(6)により遮
断され、その溶融した成形材料(11)がポリウレタンフ
ォームからなる樹脂発泡体層(3)に及ぶことがないた
め、ポリウレタンフォームの気泡は滅失していない。
したがって、この長靴は、保温性が良好であり、また
本例では連続気泡性のポリウレタンフォームを使用した
ため、通気性もよく、靴のむれが防止される。
本例では連続気泡性のポリウレタンフォームを使用した
ため、通気性もよく、靴のむれが防止される。
また、バリヤー手段としてポリウレタン樹脂層(5)
の上に更に布地(6)をラミネートしたものを使用して
いるため、裏材(2)の強度を向上させることができる
とともに、裏材(2)をラストモールド(1)に吊り込
む作業が容易で、作業能率の向上を図ることもできた。
の上に更に布地(6)をラミネートしたものを使用して
いるため、裏材(2)の強度を向上させることができる
とともに、裏材(2)をラストモールド(1)に吊り込
む作業が容易で、作業能率の向上を図ることもできた。
[実施例2] 本実施例に用いる裏材(2)は、第3図に示す断面の
シート材(S)から、その裁断片を縫製して靴下状に構
成される。
シート材(S)から、その裁断片を縫製して靴下状に構
成される。
このシート材(S)の樹脂発泡体層(3)と布地
(4)は、実施例1と同様のもので、バリヤー手段は、
樹脂発泡体層(3)にポリウレタンエラストマーからな
るフィルム(5)を接着剤により接着一体化したもので
ある。
(4)は、実施例1と同様のもので、バリヤー手段は、
樹脂発泡体層(3)にポリウレタンエラストマーからな
るフィルム(5)を接着剤により接着一体化したもので
ある。
この裏材(2)を用いる以外は、実施例1と同様にし
て、該裏材(2)と靴主体(12)とが接合一体化した状
態の射出成形長靴を得た。
て、該裏材(2)と靴主体(12)とが接合一体化した状
態の射出成形長靴を得た。
この長靴は、実施例1で得られた長靴と同様、樹脂発
泡体層(3)の気泡の滅失はなく、保温性、通気性の優
れるものであった。
泡体層(3)の気泡の滅失はなく、保温性、通気性の優
れるものであった。
[実施例3] 本実施例に用いる裏材(2)は、第4図に示す断面の
シート材(S)から、その裁断片を縫製して靴下状に構
成される。
シート材(S)から、その裁断片を縫製して靴下状に構
成される。
このシート材(S)は、樹脂発泡体層(3)として架
橋したPVCフォーム(厚さ2.5mm)を用い、これにバリヤ
ー手段として、ナイロン繊維からなる2重編みのいわゆ
るダブルトリコット布(5)を接着剤でラミネートし、
このダブルトリコット布の表面に成形材料(11)と接着
性のよい表面処理剤をコーティングし、更にこの反対面
に、スフメリヤス布地(4)を接着剤でラミネートした
ものである。
橋したPVCフォーム(厚さ2.5mm)を用い、これにバリヤ
ー手段として、ナイロン繊維からなる2重編みのいわゆ
るダブルトリコット布(5)を接着剤でラミネートし、
このダブルトリコット布の表面に成形材料(11)と接着
性のよい表面処理剤をコーティングし、更にこの反対面
に、スフメリヤス布地(4)を接着剤でラミネートした
ものである。
なお、上記のダブルトリコット布は、裏材(2)をラ
ストモールド(1)に吊り込んだときの気孔容積が35〜
40%を示すものであった。
ストモールド(1)に吊り込んだときの気孔容積が35〜
40%を示すものであった。
この裏材(2)を用いる以外は、実施例1と同様にし
て、該裏材(2)と靴主体(12)とが結合一体化した状
態の射出成形長靴を得た。
て、該裏材(2)と靴主体(12)とが結合一体化した状
態の射出成形長靴を得た。
この長靴は、実施例1,2の長靴と同様に、射出成形材
料(11)はバリヤー手段であるダブルトリコット布
(5)によって遮断され、樹脂発泡体層(3)の気泡の
滅失はなく、優れた保温性、通気性を有するものであっ
た。
料(11)はバリヤー手段であるダブルトリコット布
(5)によって遮断され、樹脂発泡体層(3)の気泡の
滅失はなく、優れた保温性、通気性を有するものであっ
た。
また、ダブルトリコット布の表面にコーティングした
表面処理剤の作用により、裏材(2)と靴主体(12)と
の接合一体化は、より強固となっていた。
表面処理剤の作用により、裏材(2)と靴主体(12)と
の接合一体化は、より強固となっていた。
(発明の効果) 以上述べたように、本発明においては、裏材を構成す
る樹脂発泡体層に施されたバリヤー手段により、射出成
形材料が遮断されるので、樹脂発泡体層の気泡の滅失が
なくなり、該層の断熱性能が阻害されることはない。し
たがって、本発明によれば、保温性や通気性等の優れた
靴を提供することができる。
る樹脂発泡体層に施されたバリヤー手段により、射出成
形材料が遮断されるので、樹脂発泡体層の気泡の滅失が
なくなり、該層の断熱性能が阻害されることはない。し
たがって、本発明によれば、保温性や通気性等の優れた
靴を提供することができる。
第1図は、本発明の実施例1ないし実施例3における靴
の製造状態を示す断面説明図、第2図ないし第4図はそ
れぞれ実施例1ないし実施例3における靴の要部の一部
拡大断面図である。 (1)……ラストモールド (2)……裏材 (3)……樹脂発泡体層 (4)……布地 (5)……バリヤー手段 (6)……バリヤー手段の一部としての布地 (7)……サイドモールド (8)……ボトムモールド (9)……射出成形空隙 (11)……射出成形材料 (12)……靴主体 (S)……シート材
の製造状態を示す断面説明図、第2図ないし第4図はそ
れぞれ実施例1ないし実施例3における靴の要部の一部
拡大断面図である。 (1)……ラストモールド (2)……裏材 (3)……樹脂発泡体層 (4)……布地 (5)……バリヤー手段 (6)……バリヤー手段の一部としての布地 (7)……サイドモールド (8)……ボトムモールド (9)……射出成形空隙 (11)……射出成形材料 (12)……靴主体 (S)……シート材
Claims (6)
- 【請求項1】樹脂発泡体層を含むシート材でラストモー
ルドの外面形状に構成された裏材と該裏材の外周面に一
体に射出成形されて接合した靴主体とからなり、 前記裏材の樹脂発泡体層における該靴主体に臨む側の面
に、射出成形材料を遮断するバリヤー手段として、 a)合成樹脂層、 b)靴主体に臨む側の面に布地を層してなる合成樹脂
層、又は c)編布であって、該編布の下記式で求められる気孔容
積が、該編布をバリヤー手段として用いた裏材をラスト
モールドに吊り込んだときに、20〜70%であり、かつ該
編布の靴主体に臨む側の面が射出成形材料との接着を助
長する表面処理剤にて処理されたもの、 W:基布の1m2当たりの重量(g/m2) T:基布の厚さ(mm) S:基布繊維の真比重 が施されたことを特徴とする樹脂発泡体層を有する裏材
を設けた射出成形靴。 - 【請求項2】上記b)の合成樹脂層に層される布地が、
編布、織布、又は不織布である請求項1記載の樹脂発泡
体層を有する裏材を設けた射出成形靴。 - 【請求項3】上記c)の編布が、2重編み編布である請
求項1,2記載の樹脂発泡体層を有する裏材を設けた射出
成形靴。 - 【請求項4】射出された射出成形材料を遮断するバリヤ
ー手段として、 a)合成樹脂層、 b)靴主体に臨む側の面に布地を層してなる合成樹脂
層、又は c)編布であって、該編布の下記式で求められる気孔容
積が、該編布をバリヤー手段として用いた裏材をラスト
モールドに吊り込んだときに、20〜70%であり、かつ該
編布の靴主体に臨む側の面が射出成形材料との接着を助
長する表面処理剤にて処理されたもの、 W:基布の1m2当たりの重量(g/m2) T:基布の厚さ(mm) S:基布繊維の真比重 を片面に施した樹脂発泡体層を含むシート材でラストモ
ールドの外面形状に沿う形状の裏材を構成し、 この裏材における樹脂発泡体層の前記バリヤー手段を施
した面がそれの反対面に対して表側となるように該裏材
をラストモールドに吊り込み、 このラストモールドとその他の成形用モールドとを組み
合わせて前記裏材の外周面に臨む成形空隙を構成し、 この成形空隙に射出成形材料を射出充填することによ
り、前記裏材と一体に接合した靴主体を射出成形する ことを特徴とする射出成形靴の製造法。 - 【請求項5】上記b)の合成樹脂層に層される布地が、
編布、織布、又は不織布である請求項4記載の射出成形
靴の製造法。 - 【請求項6】上記c)の編布が、2重編み編布である請
求項4,5記載の射出成形靴の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1226905A JP2545611B2 (ja) | 1989-08-31 | 1989-08-31 | 樹脂発泡体層を有する裏材を設けた射出成形靴及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1226905A JP2545611B2 (ja) | 1989-08-31 | 1989-08-31 | 樹脂発泡体層を有する裏材を設けた射出成形靴及びその製造法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7354802A Division JP2898913B2 (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 樹脂発泡体層を有する裏材を設けた射出成形靴及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0386102A JPH0386102A (ja) | 1991-04-11 |
JP2545611B2 true JP2545611B2 (ja) | 1996-10-23 |
Family
ID=16852437
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1226905A Expired - Lifetime JP2545611B2 (ja) | 1989-08-31 | 1989-08-31 | 樹脂発泡体層を有する裏材を設けた射出成形靴及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2545611B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20180050106A (ko) * | 2016-11-04 | 2018-05-14 | 동명대학교산학협력단 | 하이브리드 메디컬 슈 제조방법 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH057501A (ja) * | 1991-07-04 | 1993-01-19 | Honma Shoji Kk | 防寒性射出成形ブーツとその製造方法 |
DE19900623C1 (de) * | 1999-01-11 | 1999-12-09 | Binder Gottlieb Gmbh & Co | Verfahren zum Herstellen eines Schaumkörperteiles, insbesondere eines Polsterschaumteiles für einen Flug- oder Fahrgastsitz |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3823493A (en) * | 1969-06-11 | 1974-07-16 | Freudenberg C | Foam polyurethane boot with lining |
JPS5835684B2 (ja) * | 1980-06-23 | 1983-08-04 | 広島化成株式会社 | ボア−裏布を有する射出成型ブ−ツの製造法 |
JPS5922501A (ja) * | 1982-07-28 | 1984-02-04 | アキレス株式会社 | 防寒性射出成形ブ−ツの製造方法 |
JPS61203902A (ja) * | 1985-03-07 | 1986-09-09 | 株式会社アサヒコーポレーション | 長靴の射出成形法 |
JPS62268502A (ja) * | 1986-05-19 | 1987-11-21 | 株式会社 ミツウマ | 射出成形ブ−ツの製造方法 |
-
1989
- 1989-08-31 JP JP1226905A patent/JP2545611B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20180050106A (ko) * | 2016-11-04 | 2018-05-14 | 동명대학교산학협력단 | 하이브리드 메디컬 슈 제조방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0386102A (ja) | 1991-04-11 |
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