JP2896920B2 - ラミネートシート材及びラミネートシート - Google Patents
ラミネートシート材及びラミネートシートInfo
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、身分証明用カード、運転免許証、パスポー
トブックを構成する身分証明用頁等に使用されるシー
ト、特に顔写真等が貼付されているシートを有するラミ
ネートシートまたは複写印刷画像を有するラミネートシ
ートを製造する材料として使用されるラミネートシート
材の改良と、このラミネートシート材を熱圧着して形成
するラミネートシートの改良とに関する。特に、上記の
ラミネートシートが偽造されることができないようにす
る目的をもって改良されたラミネートシート材とこのラ
ミネートシート材を使用してラミネートシートとに関す
る。
トブックを構成する身分証明用頁等に使用されるシー
ト、特に顔写真等が貼付されているシートを有するラミ
ネートシートまたは複写印刷画像を有するラミネートシ
ートを製造する材料として使用されるラミネートシート
材の改良と、このラミネートシート材を熱圧着して形成
するラミネートシートの改良とに関する。特に、上記の
ラミネートシートが偽造されることができないようにす
る目的をもって改良されたラミネートシート材とこのラ
ミネートシート材を使用してラミネートシートとに関す
る。
本明細書におけるラミネートシートとは、身分証明用
カード、運転免許証、パスポートブック中の身分証明用
頁等における身分証明等の表示がなされ、その上、顔写
真等の貼付がなされている身分証明用シートまたは顔写
真と同等のものが複写印刷画像で形成されている身分証
明用シートの少なくとも1面が透明な合成樹脂フィルム
をもってカバーされ、融着されているラミネートシート
を云う。
カード、運転免許証、パスポートブック中の身分証明用
頁等における身分証明等の表示がなされ、その上、顔写
真等の貼付がなされている身分証明用シートまたは顔写
真と同等のものが複写印刷画像で形成されている身分証
明用シートの少なくとも1面が透明な合成樹脂フィルム
をもってカバーされ、融着されているラミネートシート
を云う。
身分証明用カード、運転免許証、パスポートブック中
の身分証明用頁等には、その所持者の氏名等の表示とゝ
に、その所持者の顔写真等が貼付されることまたは顔写
真と同等のものが複写印刷画像で形成されていることが
一般である。そして、これらの表示を改竄したり、写真
または複写印刷画像等を擦り換えたりして、身分証明用
シートを偽造・改竄することを困難にするために、身分
証明用シート特に顔写真または複写印刷画像等の表面の
透光性合成樹脂フィルムをもってカバーするなり、上記
の顔写真等が貼付されている身分証明用シートまたは顔
写真と同等のものが、複写印刷画像で形成されている身
分証明用シートを2枚の透光性合成樹脂フィルムの間に
挟入するなりして、これらフィルムを加熱・加圧して相
互に融着して、上記目的のラミネートシートを製造して
いる。
の身分証明用頁等には、その所持者の氏名等の表示とゝ
に、その所持者の顔写真等が貼付されることまたは顔写
真と同等のものが複写印刷画像で形成されていることが
一般である。そして、これらの表示を改竄したり、写真
または複写印刷画像等を擦り換えたりして、身分証明用
シートを偽造・改竄することを困難にするために、身分
証明用シート特に顔写真または複写印刷画像等の表面の
透光性合成樹脂フィルムをもってカバーするなり、上記
の顔写真等が貼付されている身分証明用シートまたは顔
写真と同等のものが、複写印刷画像で形成されている身
分証明用シートを2枚の透光性合成樹脂フィルムの間に
挟入するなりして、これらフィルムを加熱・加圧して相
互に融着して、上記目的のラミネートシートを製造して
いる。
しかし、上記の構造のラミネートシートは、機械的に
融着面を剥離することが必ずしも不可能ではなく、融着
されていた透光性合成樹脂フィルムの面は、これが剥離
された後も特に損傷を受けず、構造的にも光学的にも全
く剥離前の状態と変わるところがないので、顔写真また
は複写印刷画像を擦り換えた後、上記の剥離された合成
樹脂フィルムの膜を再度貼着することができ、そのた
め、身分証明用シートを偽造することが全く不可能と云
い難いと云う欠点を有している。
融着面を剥離することが必ずしも不可能ではなく、融着
されていた透光性合成樹脂フィルムの面は、これが剥離
された後も特に損傷を受けず、構造的にも光学的にも全
く剥離前の状態と変わるところがないので、顔写真また
は複写印刷画像を擦り換えた後、上記の剥離された合成
樹脂フィルムの膜を再度貼着することができ、そのた
め、身分証明用シートを偽造することが全く不可能と云
い難いと云う欠点を有している。
本発明の目的は、、この欠点を解消することにあり、
ラミネートシートを一旦剥離すると、このラミネートシ
ートは、少なくともその面に対接貼着されていた写真ま
たは複写印刷画像の面と一体となり、その表面が破損し
て復元が困難であり、上記の剥離された合成樹脂フィル
ムの膜とこれと組み合わされている記録頁とを使用して
は、身分証明用カード、運転免許証、パスポートブック
中の身分証明用頁等を構成するラミネートシートを偽造
することが困難であるように改良されたラミネートシー
ト材(氏名・身分・住所等が記載され、顔写真等が貼付
されている「ラミネートシート」を製造するために使用
する材料であり、氏名・身分・住所等が未だ記載されて
おらず、顔写真等も未だ貼付されておらず、「ラミネー
トシート」の構成要素であるカバー層と写真または複写
印刷画像・記録保持膜とが、未だ熱圧着されておらない
状態である、『ラミネートシート』製造用半製品であ
る。)とこのラミネートシート材を使用して製造するラ
ミネートシートとを提供することにある。
ラミネートシートを一旦剥離すると、このラミネートシ
ートは、少なくともその面に対接貼着されていた写真ま
たは複写印刷画像の面と一体となり、その表面が破損し
て復元が困難であり、上記の剥離された合成樹脂フィル
ムの膜とこれと組み合わされている記録頁とを使用して
は、身分証明用カード、運転免許証、パスポートブック
中の身分証明用頁等を構成するラミネートシートを偽造
することが困難であるように改良されたラミネートシー
ト材(氏名・身分・住所等が記載され、顔写真等が貼付
されている「ラミネートシート」を製造するために使用
する材料であり、氏名・身分・住所等が未だ記載されて
おらず、顔写真等も未だ貼付されておらず、「ラミネー
トシート」の構成要素であるカバー層と写真または複写
印刷画像・記録保持膜とが、未だ熱圧着されておらない
状態である、『ラミネートシート』製造用半製品であ
る。)とこのラミネートシート材を使用して製造するラ
ミネートシートとを提供することにある。
上記の目的のうち、第1の目的は、下記第1の手段
(貼付第1図に示すとおりの構成)によって達成され
る。
(貼付第1図に示すとおりの構成)によって達成され
る。
その構成は、下記のとおりである。すなわち、 透光性膜(11)と、 この透光性膜(11)の裏面にポリオレフィン樹脂より
なる熱接着剤が塗布・乾燥されてなる、熱接着剤膜(1
2)と、 この熱接着剤膜(12)の少なくとも一部領域に、ポリ
プロピレンとα,βエチレン性不飽和カルボン酸との共
重合体よりなる熱接着剤が塗布・乾燥されて製造された
熱接着剤膜、すなち、写真または複写印刷画像破壊性熱
接着剤膜(13)と よりなるカバー層(1)と このカバー層(1)の縁部一部領域と一部領域とが接
着されてなる、写真または複写印刷画像・記録保持膜
(2)と よりなるラミネートシート材である。
なる熱接着剤が塗布・乾燥されてなる、熱接着剤膜(1
2)と、 この熱接着剤膜(12)の少なくとも一部領域に、ポリ
プロピレンとα,βエチレン性不飽和カルボン酸との共
重合体よりなる熱接着剤が塗布・乾燥されて製造された
熱接着剤膜、すなち、写真または複写印刷画像破壊性熱
接着剤膜(13)と よりなるカバー層(1)と このカバー層(1)の縁部一部領域と一部領域とが接
着されてなる、写真または複写印刷画像・記録保持膜
(2)と よりなるラミネートシート材である。
上記の目的のうち、第2の目的は、下記第2の手段
(貼付第2図に示すとおりの構成)によって達成され
る。
(貼付第2図に示すとおりの構成)によって達成され
る。
その構成は、下記のとおりである。すなわち、 透光性膜(11)の裏面にポリオレフィン樹脂よりなる
熱接着剤が塗布・乾燥されてなる熱接着剤膜(12)が形
成され、 この熱接着剤膜(12)の少なくとも一部領域にポリプ
ロピレンとα,βエチレン性不飽和カルボン酸との共重
合体よりなる熱接着剤が塗布・乾燥されている写真また
は複写印刷画像破壊性熱接着剤膜(13)が形成されてな
る、カバー層(1)の前記の写真または複写印刷画像破
壊性熱接着剤膜(13)に対応して、写真または複写印刷
画像(21)が配置され、 前記の写真または複写印刷画像(21)が前記の写真ま
たは複写印刷画像破壊性熱接着剤膜(13)に対応して配
置されてなる前記のカバー層(1)に、写真または複写
印刷画像・記録保持膜(2)が熱圧着されており、 前記の熱接着剤膜(12)と前記の複写印刷画像破壊性
熱接着剤膜(13)とが剥離困難とされ、偽造の防止に有
効にされている ラミネートシートである。
熱接着剤が塗布・乾燥されてなる熱接着剤膜(12)が形
成され、 この熱接着剤膜(12)の少なくとも一部領域にポリプ
ロピレンとα,βエチレン性不飽和カルボン酸との共重
合体よりなる熱接着剤が塗布・乾燥されている写真また
は複写印刷画像破壊性熱接着剤膜(13)が形成されてな
る、カバー層(1)の前記の写真または複写印刷画像破
壊性熱接着剤膜(13)に対応して、写真または複写印刷
画像(21)が配置され、 前記の写真または複写印刷画像(21)が前記の写真ま
たは複写印刷画像破壊性熱接着剤膜(13)に対応して配
置されてなる前記のカバー層(1)に、写真または複写
印刷画像・記録保持膜(2)が熱圧着されており、 前記の熱接着剤膜(12)と前記の複写印刷画像破壊性
熱接着剤膜(13)とが剥離困難とされ、偽造の防止に有
効にされている ラミネートシートである。
上記の写真または複写印刷画像破壊性熱接着剤は、上
記の相互に接着されている透光性膜(11)と写真または
複写印刷画像・記録保持膜(2)とを機械的に融着面で
剥離したとき、上記の写真または複写印刷画像の表層と
上記透光性膜(11)の下面とが相互に接着されて一体と
なり、剥離にあたって上記の写真または複写印刷画像の
表層と上記の透光性膜(11)の下面とが損傷を受け、特
に上記の透光性膜(11)の下面が原状を維持しなくなる
ような機能を有する接着剤を意味する。
記の相互に接着されている透光性膜(11)と写真または
複写印刷画像・記録保持膜(2)とを機械的に融着面で
剥離したとき、上記の写真または複写印刷画像の表層と
上記透光性膜(11)の下面とが相互に接着されて一体と
なり、剥離にあたって上記の写真または複写印刷画像の
表層と上記の透光性膜(11)の下面とが損傷を受け、特
に上記の透光性膜(11)の下面が原状を維持しなくなる
ような機能を有する接着剤を意味する。
そして、その化学的構成は、ポリプロピレンとα,β
エチレン性不飽和カルボン酸との共重合体である。
エチレン性不飽和カルボン酸との共重合体である。
また、その化学的性質の主要点は、下記のとおりであ
る。
る。
イ.軟化点は60〜100℃である。
ロ.重量平均分子量は10,000〜100,000である。
ハ.酸価は10〜200である。
このポリプロピレンとα,βエチレン性不飽和カルボ
ン酸との共重合体は、骨格中にメチル基を多く有するた
め配向にしくゝ、結晶性が崩れることから、写真または
複写印刷画像との接着強度が高い。
ン酸との共重合体は、骨格中にメチル基を多く有するた
め配向にしくゝ、結晶性が崩れることから、写真または
複写印刷画像との接着強度が高い。
なお、上記のポリプロピレンとα,βエチレン性不飽
和カルボン酸との共重合体は、東洋インキ株式会社が、
商品名「FTアンカー・商品番号Z037」をもって、広く市
販しているので、容易に入手可能であるが、このポリプ
ロピレンとα、βエチレン性不飽和カルボン酸との共重
合体を製造するには、ポリプロピレンをα、βエチレン
性不飽和カルボン酸でグラフト重合し、グラフト変性す
ればよいが、具体的には、ポリプロピレンとアクリル
酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、メタクリル酸
等とを混合・撹拌し、約130℃に加熱すればよい。
和カルボン酸との共重合体は、東洋インキ株式会社が、
商品名「FTアンカー・商品番号Z037」をもって、広く市
販しているので、容易に入手可能であるが、このポリプ
ロピレンとα、βエチレン性不飽和カルボン酸との共重
合体を製造するには、ポリプロピレンをα、βエチレン
性不飽和カルボン酸でグラフト重合し、グラフト変性す
ればよいが、具体的には、ポリプロピレンとアクリル
酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、メタクリル酸
等とを混合・撹拌し、約130℃に加熱すればよい。
本発明に係るラミネートシート材またはラミネートシ
ートに使用される写真または複写印刷画像破壊性熱接着
性は、ポリプロピレンとα,βエチレン性不飽和カルボ
ン酸との共重合体を主成分とする熱接着剤であり、この
物質は、上記のとおり、骨格中にメチル基を多く有する
ため配向しにくゝ、結晶性が崩れることから、写真また
は複写印刷画像との接着強度が高いことは明らかであ
る。
ートに使用される写真または複写印刷画像破壊性熱接着
性は、ポリプロピレンとα,βエチレン性不飽和カルボ
ン酸との共重合体を主成分とする熱接着剤であり、この
物質は、上記のとおり、骨格中にメチル基を多く有する
ため配向しにくゝ、結晶性が崩れることから、写真また
は複写印刷画像との接着強度が高いことは明らかであ
る。
そして、このポリプロピレンとα,βエチレン性不飽
和カルボン酸との共重合体が、写真または複写印刷画像
の表層と、極めて強力に接着することは実験的にも確認
されている。
和カルボン酸との共重合体が、写真または複写印刷画像
の表層と、極めて強力に接着することは実験的にも確認
されている。
この写真または複写印刷画像破壊性熱接着剤をもっ
て、少なくとも上記の透光性膜(11)と写真または複写
印刷画像とが接着されているラミネートシートを偽造す
る目的をもって、上記の透光性膜を機械的に剥離する
と、上記の写真または複写印刷画像の表層が上記の透光
性膜に接着されたまゝ剥離されるので、上記の透光性膜
が、特にその接着面が破損し、その原形を保持すること
ができない。そこで、この透光性膜を再度利用しようと
しても、この透光性膜の下面(接着面)には以前前の写
真または複写印刷画像が残存しているから、偽造である
ことが一目瞭然である、その結果、身分証明用カード、
運転免許証、パスポートブックを構成する身分証明用頁
等として使用される顔写真入りのラミネートシートまた
は顔写真と同等の複写印刷画像を形成するラミネートシ
ートの偽造を有効に防止することが可能となる。
て、少なくとも上記の透光性膜(11)と写真または複写
印刷画像とが接着されているラミネートシートを偽造す
る目的をもって、上記の透光性膜を機械的に剥離する
と、上記の写真または複写印刷画像の表層が上記の透光
性膜に接着されたまゝ剥離されるので、上記の透光性膜
が、特にその接着面が破損し、その原形を保持すること
ができない。そこで、この透光性膜を再度利用しようと
しても、この透光性膜の下面(接着面)には以前前の写
真または複写印刷画像が残存しているから、偽造である
ことが一目瞭然である、その結果、身分証明用カード、
運転免許証、パスポートブックを構成する身分証明用頁
等として使用される顔写真入りのラミネートシートまた
は顔写真と同等の複写印刷画像を形成するラミネートシ
ートの偽造を有効に防止することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施例に係るラミネ
ートシート材とラミネートシートとについて説明する。
ートシート材とラミネートシートとについて説明する。
第1実施例 身分証明用カード・運転免許証等を製造するために使用
される請求項1記載のラミネートシート材 第1図参照 図において、11は透光性膜であり、例えば透明なポリ
エステルフィルム等の透光性合成樹脂フィルムである。
この透光性合成樹脂フィルムの裏面には、例えばポリオ
レフィン樹脂よりなる熱接着剤が塗布・乾燥されて、熱
接着剤膜12が形成されている。13は本発明の要旨に係る
写真または複写印刷画像破壊性熱接着剤が塗布・乾燥さ
れて形成された写真または複写印刷画像破壊性熱接着剤
膜である。この写真または複写印刷画像破壊性熱接着剤
の組成は、手段の項に述べたように、ポリプロピレンと
α,βエチレン性不飽和カルボン酸との共重合体であ
り、上記の熱接着剤12の少なくとも一部領域(顔写真等
の写真に対応する領域及び複写印刷画像の顔写真に相当
する領域)において、版深が25μm以上のグラビア印刷
用版で、上記の写真または複写印刷画像破壊性熱接着剤
が塗布・乾燥されている。本実施例においては、上記の
写真または複写印刷画像破壊性熱接着剤は写真または複
写印刷画像の顔写真に相当する部分に対応する熱接着剤
膜12の一部領域とされているが、熱接着剤膜12の全領域
に塗布・乾燥されていてもよい。上記の透光性膜11と熱
接着剤膜12と写真または複写印刷画像破壊性熱接着剤膜
13とをもってカバー層1を構成している。このカバー層
1の縁部の一部領域(縁に沿う線状領域)において、こ
のカバー層1と、身分証明用の記録が記載され顔写真等
の写真が貼付される写真または複写印刷画像・記録保持
膜2とが接着されてラミネートシート材が構成されてい
る。
される請求項1記載のラミネートシート材 第1図参照 図において、11は透光性膜であり、例えば透明なポリ
エステルフィルム等の透光性合成樹脂フィルムである。
この透光性合成樹脂フィルムの裏面には、例えばポリオ
レフィン樹脂よりなる熱接着剤が塗布・乾燥されて、熱
接着剤膜12が形成されている。13は本発明の要旨に係る
写真または複写印刷画像破壊性熱接着剤が塗布・乾燥さ
れて形成された写真または複写印刷画像破壊性熱接着剤
膜である。この写真または複写印刷画像破壊性熱接着剤
の組成は、手段の項に述べたように、ポリプロピレンと
α,βエチレン性不飽和カルボン酸との共重合体であ
り、上記の熱接着剤12の少なくとも一部領域(顔写真等
の写真に対応する領域及び複写印刷画像の顔写真に相当
する領域)において、版深が25μm以上のグラビア印刷
用版で、上記の写真または複写印刷画像破壊性熱接着剤
が塗布・乾燥されている。本実施例においては、上記の
写真または複写印刷画像破壊性熱接着剤は写真または複
写印刷画像の顔写真に相当する部分に対応する熱接着剤
膜12の一部領域とされているが、熱接着剤膜12の全領域
に塗布・乾燥されていてもよい。上記の透光性膜11と熱
接着剤膜12と写真または複写印刷画像破壊性熱接着剤膜
13とをもってカバー層1を構成している。このカバー層
1の縁部の一部領域(縁に沿う線状領域)において、こ
のカバー層1と、身分証明用の記録が記載され顔写真等
の写真が貼付される写真または複写印刷画像・記録保持
膜2とが接着されてラミネートシート材が構成されてい
る。
上記の構成のラミネートシート材を使用して、上記の
写真または複写印刷画像2に証明すべき記録を記載し、
写真または複写印刷画像を貼付した後、上記のカバー層
1と写真または複写印刷画像・記録保持膜2とを積層し
加熱・加圧して、カバー層1と写真または複写印刷画像
・記録保持膜2とを融着してラミネートシートを製造す
る。
写真または複写印刷画像2に証明すべき記録を記載し、
写真または複写印刷画像を貼付した後、上記のカバー層
1と写真または複写印刷画像・記録保持膜2とを積層し
加熱・加圧して、カバー層1と写真または複写印刷画像
・記録保持膜2とを融着してラミネートシートを製造す
る。
このようにして製造されたラミネートシート材を使用
して製造したラミネートシートよりなる身分証明用カー
ド等を偽造する目的をもって、機械的に融着面を剥離す
ると、上記の写真または複写印刷画像破壊性熱接着剤の
強力な接着力によって、上記の写真または複写印刷画像
・記録保持膜2上に貼付された写真または複写印刷画像
の表層が上記の透光性膜1に接着されたまゝ剥離される
ので、この透光性膜1を再利用することはできない。以
前の写真または複写印刷画像の表層が透光性膜に残存し
ているから、偽造であることが一目瞭然であるからであ
る。その結果、身分証明用カード等として使用される顔
写真入りのラミネートシートまたは顔写真と同等の複写
印刷画像を形成するラミネートシートの偽造を有効に防
止することが可能となる。
して製造したラミネートシートよりなる身分証明用カー
ド等を偽造する目的をもって、機械的に融着面を剥離す
ると、上記の写真または複写印刷画像破壊性熱接着剤の
強力な接着力によって、上記の写真または複写印刷画像
・記録保持膜2上に貼付された写真または複写印刷画像
の表層が上記の透光性膜1に接着されたまゝ剥離される
ので、この透光性膜1を再利用することはできない。以
前の写真または複写印刷画像の表層が透光性膜に残存し
ているから、偽造であることが一目瞭然であるからであ
る。その結果、身分証明用カード等として使用される顔
写真入りのラミネートシートまたは顔写真と同等の複写
印刷画像を形成するラミネートシートの偽造を有効に防
止することが可能となる。
第2実施例 パスポートブック中の身分証明用頁のように、身分証明
用シート上に透光性膜が密着されている請求項2記載の
ラミネートシート 第2図参照 図において、21は顔写真等の写真または複写印刷画像
であり、その他の記号とその材料・機能等は第1図の場
合と同一であるので冗長を避ける目的から説明を省略す
る。
用シート上に透光性膜が密着されている請求項2記載の
ラミネートシート 第2図参照 図において、21は顔写真等の写真または複写印刷画像
であり、その他の記号とその材料・機能等は第1図の場
合と同一であるので冗長を避ける目的から説明を省略す
る。
本実施例におけるラミネートシートは、パスポートブ
ック中の身分証明用頁等である写真または複写印刷画像
・記録保持膜2の上に、透光性膜11・熱接着剤膜12・写
真または複写印刷画像破壊性熱接着剤膜13より構成され
るカバー層1を載置し、加熱・加圧して、本実施例のラ
ミネートシートを製造する。
ック中の身分証明用頁等である写真または複写印刷画像
・記録保持膜2の上に、透光性膜11・熱接着剤膜12・写
真または複写印刷画像破壊性熱接着剤膜13より構成され
るカバー層1を載置し、加熱・加圧して、本実施例のラ
ミネートシートを製造する。
このようにして製造されたラミネートシートは、第1
実施例の場合と全く同一の理由をもって、偽造防止に極
めて効果的である。
実施例の場合と全く同一の理由をもって、偽造防止に極
めて効果的である。
以上説明したとおり、本発明に係るラミネートシート
材は、透光性膜の裏面に熱接着剤が塗布・乾燥されて熱
接着剤膜が形成されており、この熱接着剤の少なくとも
一部領域(写真または複写印刷画像・記録保持膜に貼付
される写真または複写印刷画像に対応する領域)に写真
または複写印刷画像破壊性熱接着剤(この写真または複
写印刷画像破壊性熱接着剤の組成は、ポリプロピレンと
α,βエチレン性不飽和カルボン酸との共重合体であ
り、その化学的性質は、軟化点は60〜100℃、重量平均
分子量は10,000〜100,000、酸価は10〜200であり、骨格
中にメチル基を多く有するため配向しにくゝ、結晶性が
崩れることから、写真または複写印刷画像との接着強度
が高い。)が塗布・乾燥されて写真または複写印刷画像
破壊性熱接着剤膜が形成されており、これら透光性膜・
熱接着剤膜・写真または複写印刷画像破壊性熱接着剤膜
より構成されるカバー層の縁部一部領域(縁に沿う線状
領域)において写真または複写印刷画像・記録保持膜と
接着されている。
材は、透光性膜の裏面に熱接着剤が塗布・乾燥されて熱
接着剤膜が形成されており、この熱接着剤の少なくとも
一部領域(写真または複写印刷画像・記録保持膜に貼付
される写真または複写印刷画像に対応する領域)に写真
または複写印刷画像破壊性熱接着剤(この写真または複
写印刷画像破壊性熱接着剤の組成は、ポリプロピレンと
α,βエチレン性不飽和カルボン酸との共重合体であ
り、その化学的性質は、軟化点は60〜100℃、重量平均
分子量は10,000〜100,000、酸価は10〜200であり、骨格
中にメチル基を多く有するため配向しにくゝ、結晶性が
崩れることから、写真または複写印刷画像との接着強度
が高い。)が塗布・乾燥されて写真または複写印刷画像
破壊性熱接着剤膜が形成されており、これら透光性膜・
熱接着剤膜・写真または複写印刷画像破壊性熱接着剤膜
より構成されるカバー層の縁部一部領域(縁に沿う線状
領域)において写真または複写印刷画像・記録保持膜と
接着されている。
また、本発明に係るラミネートシートは、上記のラミ
ネートシート材と同様にして製造された透光性膜・熱接
着剤膜・写真または複写印刷画像破壊性熱接着剤膜より
なるカバー層と写真または複写印刷画像・記録保持膜と
が熱圧着されている。
ネートシート材と同様にして製造された透光性膜・熱接
着剤膜・写真または複写印刷画像破壊性熱接着剤膜より
なるカバー層と写真または複写印刷画像・記録保持膜と
が熱圧着されている。
以上のような構成を有するので、本発明に係るラミネ
ートシート材を使用して製造された、本発明に係るラミ
ネートシート(身分証明用カード、運転免許証、パスポ
ートブック中の身分証明用頁等)を、偽造の目的をもっ
て機械的に接着面を剥離すると、上記の写真または複写
印刷画像破壊性熱接着剤の強力な接着力によって、上記
の写真または複写印刷画像・記録保持膜に貼付された写
真または複写印刷画像の表層が上記の透光性膜に接着さ
れたまゝ剥離されるので、この透光性膜を再利用すれ
ば、以前の写真または複写印刷画像の表層が透光性膜に
残存しているから、偽造であることが明瞭である。この
結果,本発明に係るラミネートシート材またはラミネー
トシートは、身分証明用カード、運転免許証、パスポー
トブック中の身分証明用頁等の偽造を効果的に防止する
ことができる。
ートシート材を使用して製造された、本発明に係るラミ
ネートシート(身分証明用カード、運転免許証、パスポ
ートブック中の身分証明用頁等)を、偽造の目的をもっ
て機械的に接着面を剥離すると、上記の写真または複写
印刷画像破壊性熱接着剤の強力な接着力によって、上記
の写真または複写印刷画像・記録保持膜に貼付された写
真または複写印刷画像の表層が上記の透光性膜に接着さ
れたまゝ剥離されるので、この透光性膜を再利用すれ
ば、以前の写真または複写印刷画像の表層が透光性膜に
残存しているから、偽造であることが明瞭である。この
結果,本発明に係るラミネートシート材またはラミネー
トシートは、身分証明用カード、運転免許証、パスポー
トブック中の身分証明用頁等の偽造を効果的に防止する
ことができる。
第1図は、本発明の第1実施例に係るラミネートシート
材の断面図である。 第2図は、本発明の第2実施例に係るラミネートシート
の断面図である。 1……カバー層、 11……透光性膜、 12……熱接着剤膜、 3……写真または複写印刷画像破壊性熱接着剤膜、 2……写真または複写印刷画像・記録保持膜、 21……写真または複写印刷画像。
材の断面図である。 第2図は、本発明の第2実施例に係るラミネートシート
の断面図である。 1……カバー層、 11……透光性膜、 12……熱接着剤膜、 3……写真または複写印刷画像破壊性熱接着剤膜、 2……写真または複写印刷画像・記録保持膜、 21……写真または複写印刷画像。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大谷 浩二 東京都中央区京橋2丁目3番13号 東洋 インキ製造株式会社内 (72)発明者 大藤 幸雄 東京都中央区京橋2丁目3番13号 東洋 インキ製造株式会社内 (56)参考文献 特開 昭49−113880(JP,A) 特開 平1−96276(JP,A) 特開 平1−167388(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 27/32 B42D 15/10
Claims (2)
- 【請求項1】透光性膜(11)と、 該透光性膜(11)の裏面にポリオレフィン樹脂よりなる
熱接着剤が塗布・乾燥されてなる、熱接着剤膜(12)
と、 該熱接着剤膜(12)の少なくとも一部領域に、ポリプロ
ピレンとα,βエチレン性不飽和カルボン酸との共重合
体よりなる熱接着剤が塗布・乾燥されてなる、写真また
は複写印刷画像破壊性熱接着剤膜(13)と よりなるカバー層(1)と、 該カバー層(1)の縁部一部領域と一部領域とが接着さ
れてなる、写真または複写印刷画像・記録保持膜(12)
と よりなることを特徴とするラミネートシート材。 - 【請求項2】透光性膜(11)の裏面にポリオレフィン樹
脂よりなる熱接着剤が塗布・乾燥されてなる熱接着剤膜
(12)が形成され、該熱接着剤膜(12)の少なくとも一
部領域にポリプロピレンとα,βエチレン性不飽和カル
ボン酸との共重合体よりなる熱接着剤が塗布・乾燥され
てなる写真または複写印刷画像破壊性熱接着剤膜(13)
が形成されてなる、カバー層(1)の前記写真または複
写印刷画像破壊性熱接着剤膜(13)に対応して、写真ま
たは複写印刷画像(21)が配置され、 前記写真または複写印刷画像(21)が前記写真または複
写印刷画像破壊性熱接着剤膜(13)に対応して配置され
てなる前記カバー層(1)に、写真または複写印刷画像
・記録保持膜(2)が熱圧着されてなり、 前記熱接着剤膜(12)と前記複写印刷画像破壊性熱接着
剤膜(13)とが剥離困難であり、偽造の防止に有効であ
る ことを特徴とするラミネートシート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2119901A JP2896920B2 (ja) | 1990-05-11 | 1990-05-11 | ラミネートシート材及びラミネートシート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2119901A JP2896920B2 (ja) | 1990-05-11 | 1990-05-11 | ラミネートシート材及びラミネートシート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0418348A JPH0418348A (ja) | 1992-01-22 |
JP2896920B2 true JP2896920B2 (ja) | 1999-05-31 |
Family
ID=14773023
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2119901A Expired - Fee Related JP2896920B2 (ja) | 1990-05-11 | 1990-05-11 | ラミネートシート材及びラミネートシート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2896920B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6908527B2 (en) * | 2002-03-06 | 2005-06-21 | Transilwrap Company, Inc. | Identification card |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS563186B2 (ja) * | 1973-03-05 | 1981-01-23 | ||
JPH0196276A (ja) * | 1987-10-09 | 1989-04-14 | Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd | 易開封性シール材料 |
JP2548254B2 (ja) * | 1987-12-24 | 1996-10-30 | 三井東圧化学株式会社 | 積層物用接着剤 |
-
1990
- 1990-05-11 JP JP2119901A patent/JP2896920B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0418348A (ja) | 1992-01-22 |
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Legal Events
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