JP2893813B2 - 光学活性トリプトファンの晶析法 - Google Patents

光学活性トリプトファンの晶析法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は医薬、飼料等に広い用途のあるトリプトファ
ンの晶析方法に関する。
[従来の技術] L−トリプトファン(以下、L−Trpと略記)の晶析
法としては、L−Trpの水溶液にイソプロピルアルコー
ル等の有機溶剤の添加により色素等の淘汰性良くL−Tr
pが晶析単離されることが知られているが(特開昭59−3
9875号公報(鱗片状晶)、60−30694号公報(鱗片状
晶)、61−12607号公報(鱗片状晶)、63−177796号公
報(鱗片状晶))、これらの場合有機溶剤の回収を要す
るため経済的に有利ではない。
一方、有機溶剤を使用せず水溶液から濃縮によりL−
Trpの晶析を行う場合、析出する結晶は通常微細な鱗片
状の結晶であり、遠心分離機による分離の際積層するた
め母液の分離性が悪く分離に長時間を要す。こうして得
られた結晶は乾燥性も悪く乾燥に長時間を要す。更に、
濃縮晶析の場合、盛んな発泡により濃縮不能になること
があり、この場合消泡剤の添加が必要になる(特開昭60
−237054号公報(鱗片状晶))。晶癖を改善するために
L−Trp水溶液に水溶性セルロース誘導体や水溶性ポリ
ビニル化合物等を添加することにより晶癖の改善と同時
に発泡を防止して濃縮晶析を行ったという報告がある
(特開昭60−237054号公報(球状晶))。しかしなが
ら、このように消泡剤や媒晶剤を添加した場合、それら
が製品中に持ち込まれる危険性がある。
濃縮晶析の代替法としては、L−Trpの酸性またはア
ルカリ性水溶液へのアルカリまたは酸の添加による中和
晶析法が有力であるが、従来知られている中和晶析法は
具体的には例えばL−Trpの酸性またはアルカリ性溶液
全量にpHが中性になるまでアルカリまたは酸を加え撹拌
混合するものであって、この場合通常微細な鱗片状晶が
析出し固液分離性や乾燥性が悪い。
以上のように、不純物を含む水溶液からL−Trpを晶
析分離することは容易ではなく、通常、晶析に先立ち合
成吸着樹脂等により色素等の不純物を除去した後、晶析
が行われることが多い。例えば、弱塩基性アニオン交換
樹脂または両性イオン交換樹脂で処理した後濃縮晶析を
行うという方法も報告されているが(特開平1−112991
号公報(鱗片状晶))、この方法によっても、L−Trp
の晶析処理の場合には樹脂処理による不純物除去の効果
により程度は低くなるとは言え濃縮時の発泡が見られ、
消泡剤の添加なしで大量のL−Trp晶析スラリーを濃縮
することは容易ではない。
一方、上記のような有機溶剤添加晶析及び濃縮晶析以
外の晶析法としては、低温のL−Trp晶析スラリーに高
温のL−Trp飽和溶液を徐々に添加することによって固
液分離性の良い層状凝集晶を得る方法が報告されている
が(特開昭62−265254号公報)、L−Trp溶解度の温度
依存性は他のアミノ酸ほど顕著ではなく(L−Trpの溶
解度は、水100gに0℃で0.82g、25℃で1.14g、40℃で1.
8g、60℃で2.4g及び80℃で3.4gである。)、このような
冷却晶析によった場合は晶析率が低くなる。晶析率を高
めるためにはL−Trp飽和溶液の温度を80℃程度に高め
る必要があるが、この場合L−Trpの分解が促進される
という問題点が残る。
〔発明が解決しようとする課題〕
消泡剤や媒晶剤の添加や高温加熱を行わず、中和晶析
により遠心分離機による固液分離性の良い光学活性トリ
プトファン結晶を析出させることが本発明の課題であ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者は、上記課題の解決を目指して鋭意研究の結
果、種々の新知見を得、これらの新知見に基き本発明を
完成した。
すなわち、本発明は、光学活性トリプトファンの凝集
晶化を阻害する不純物を含有する光学活性トリプトファ
ンの酸性又はアルカリ性水溶液から該不純物を除去した
光学活性トリプトファンの酸性又はアルカリ性水溶液と
アルカリ又は酸とを混合して光学活性トリプトファンを
中和晶析する方法において、晶析液のpHが3〜8の範囲
に保たれるように該不純物を除去した光学活性トリプト
ファンの酸性又はアルカリ性水溶液とアルカリ又は酸と
を同時中和晶析をさせることにより光学活性トリプトフ
ァンを凝集晶として析出させることを特徴とする光学活
性トリプトファンの晶析法に関する。
本発明で用いる原料としてのトリプトファンは、発酵
法及び合成法のいずれにより製造されたものでも良い。
このうち例えばL−TrpをL−Trp生産菌を使用する発
酵法により製造することは周知であり、発酵液中には通
常L−Trp以外に多くの不純物が含まれているが、それ
らの中にはL−Trpの凝集晶化を阻害する不純物も含ま
れている。このような発酵液からL−Trpを晶析分離す
るに当り、通常、膜ろ過または沈降法などの方法により
除菌するが、このようにして得られる除菌液にはそのよ
うな不純物がそのまま残存している。本発明に言う光学
活性トリプトファンの凝集晶化を阻害する不純物を含有
する光学活性トリプトファンの水溶液の例としては、上
のような除菌液を挙げることができる。
L−Trpの除菌液を酸性(pH1〜3)またはアルカリ性
(pH10〜14)に調整後濃縮した液をそのまま従来の中和
晶析条件を採用する中和晶析処理に付した場合に得られ
るL−Trpの結晶は鱗片状微細晶であり、また本発明の
中和晶析条件(後述)を採用する中和晶析処理に付した
場合でも得られるL−Trpの結晶は鱗片状微細晶であっ
て、本発明により得られる遠心分離機により固液分離性
の良いL−Trpの凝集晶とは異なる。
ところが、本発明者は、このようなL−Trp溶液から
色素等の不純物を除去した酸性又はアルカリ性水溶液を
中和晶析処理する際、本発明の中和晶析条件(後述)を
採用する中和晶析処理に付すると初めて固液分離性の良
いL−Trpの凝集晶の得られることを見出した。本発明
の中和晶析条件を採用しない中和晶析処理で得られるL
−Trpの結晶は鱗片状微細晶である。
L−Trp発酵液の除菌液からの色素等の不純物の除去
は、例えば吸着樹脂を使用して行なうことができる。吸
着樹脂としては、非イオン性多孔質樹脂例えば三菱化成
工業(株)社製ダイヤイオンSP207や、両性イオン交換
樹脂例えは北越炭素工業(株)社製脱色樹脂KS型及びHS
型が適当である。
光学活性トリプトファンの凝集晶化を阻害する不純物
を含有する光学活性トリプトファンの酸性又はアルカリ
性水溶液を吸着樹脂に貫流させ、色素等の不純物を吸着
除去してから中和晶析処理しかも本発明の中和晶析条件
(後述)を採用する中和晶析処理に付するとL−Trpの
結晶成長性が改善され、しかもL−Trpが固液分離性の
よい凝集晶として析出する。吸着樹脂処理は、通常、色
素等不純物の淘汰性の良い酸性側好ましくはpH2〜5の
領域で行なうとよい。すなわち、例えばL−Trp発酵液
の除菌液を、必要によりpH2〜5に調整してから、吸着
樹脂に貫流させる。もちろん、色素等の不純物の少ない
L−Trp溶液であれば吸着樹脂処理は不要であることは
いうまでもない。貫流温度は5〜50℃、また貫流速度は
SV=0.5〜4、好ましくはSV=1〜2が良い。
このようにして得られた光学活性トリプトファンの凝
集晶化を阻害する不純物を除去した光学活性トリプトフ
ァンの酸性又はアルカリ性水溶液とアルカリ又は酸とを
混合することにより光学活性トリプトファンを中和晶析
させる。
ここで使用するアルカリ及び酸について言えば、両者
とも経済性の観点から無機系が望ましく、アルカリとし
ては水酸化ナトリウム水溶液、アンモニア水などを挙げ
ることができ、酸としては硫酸、塩酸などを挙げること
ができる。それらの濃度については格別の制限はない。
さて、問題は中和晶析の条件である。本発明者は、中
和晶析の条件によっては凝集晶が析出し、この結晶の遠
心分離機による固液分離性が良いことを見出した。中和
晶析の条件を検討した結果、L−Trpの酸性(又はアル
カリ性)水溶液とアルカリ(又は酸)を晶析液(晶析ス
ラリー)のpHが3〜8に保たれるように混合する。しか
もこのpHの範囲内において適当なpH値が保たれるように
混合するのが好ましい。適当なpH値は収率(晶析率)の
点からL−Trpの溶解度が低くなるL−Trpの等電点(pH
5.9)付近すなわちpH4〜7の範囲である。
晶析液(晶析スラリー)のpHが3〜8に保たれるよう
な、好ましくはこの範囲内の適当な値に保たれるよう
な、L−Trpの酸性(又はアルカリ性)水溶液とアルカ
リ(又は酸)の混合は、L−Trp溶液と中和剤を同時に
少量ずつ晶析缶へ徐々にフィードすること(同時中和晶
析という)により行なうことができる。
同時中和晶析の実際に当っては、先ず晶析原液である
L−Trpの酸性(又はアルカリ性)水溶液のうち1/5〜1/
20量に例えば約30分かけてアルカリ(又は酸)を添加し
て種晶スラリーを作るのが望ましい。もちろん、種晶ス
ラリーは別途得られた本発明のL−Trpの凝集晶を用い
てもよい。
次に、晶析缶内の種晶スラリーに残りの晶析原液と中
和剤を同時中和晶析条件下にフィードする。この際、中
和速度(晶析原液と中和剤の同時フィードに要する時
間)は晶析のスケールにもよるが、速すぎるとバッチ中
和晶析法(L−Trp晶析原液全量に中和剤を一方的に添
加する、又はその逆の晶析方法)に近くなるため長時間
かけたほうが結晶の凝集化に有利であり、10-1〜105
程度のスケールでは1〜4時間が適当である。この範囲
内で凝集晶化に差は認められなかった。
晶析温度は高い方が凝集晶化に有利であるが、高温で
はL−Trpの分解が促進されるため、20〜50℃が好まし
く、30〜40℃が最適である。
晶析原液のL−Trp濃度が30g/l以下であるような低濃
度の場合は、L−Trp晶析母液(晶析スラリーから結晶
を除いた溶液)中のL−Trp残存量が多くなるので、こ
の場合予じめ晶析原液のL−Trp濃度を40g/l以上となる
ように濃度を上げておくのが望ましい。例えば、脱色樹
脂貫流液のpHが2付近でL−Trp濃度が十分に高い場合
にはこの必要は無いが、pHが3以上の場合、L−Trpの
中性付近での溶解度が低いためL−Trpの濃度は高くな
り得ず中和晶析に好ましくないため、脱色樹脂貫流液を
そのまま晶析原液とすることは望ましくなく、これを予
め濃縮することが望ましい。この際、濃縮缶による減圧
濃縮法は発泡のため困難である他、エネルギーコストが
かかり好ましくない。ところが、例えば、脱色樹脂貫流
液をpH2に調整しSK−1B(三菱化成(株)製)などのカ
チオン交換樹脂に通液してL−Trpを吸着させた後、1N
以上(好ましくは2N付近)のアルカリ水溶液を樹脂塔に
循環させることによりL−Trpを溶離すると、高濃度の
L−Trpアルカリ性溶離液が得られる。こうして得られ
たL−Trp高濃度溶液を晶析原液としてこれに酸を前述
の同時中和晶析条件下に添加することによりL−Trpの
凝集晶を高回収率で晶出させることができる。
本発明者は、また本発明の同時中和晶析に際し、晶析
液に水易溶性の有機溶剤を存在させておいて晶析を行な
うと色素等不純物の淘汰性が良く、より高純度のL−Tr
p結晶が得られ、しかも水溶液からの同時中和晶析と同
様に分離性の良い凝集晶が得られることを見出した。晶
析液に水易溶性の有機溶剤を存在させるには、例えば、
晶析原液に2−プロパノールなどの有機溶剤を例えば対
晶析原液で10〜30v/v%程度添加しておくとよい。有機
溶剤の添加量は色素淘汰性、経済性、安全性などの観点
から選ばれる。
同時中和晶析条件下でL−Trp水溶液(晶析原液)と
中和剤を晶析缶へフィードした後、更に晶析液を冷却す
るのがL−Trpの晶析率を向上せしめる観点から好まし
いことはいうまでもない。
晶析液からその中に析出したL−Trpの結晶は適当な
固液分離法により単離できるが、このL−Trpの結晶が
遠心分離機による固液分離性の良い凝集晶であることか
ら遠心分離機を使用して単離するのが効率的である。
以上に本発明の晶析法をL−Trpに関して説明した
が、D−Trpの晶析にも本発明の晶析法を適用できるこ
とは明らかである。本発明の方法の適用できるD−Trp
の水溶液としては合成法由来のもの(具体的にはDL−ア
セチルトリプトファン光学分割した後残ったD−アセチ
ルトリプトファンを加水分解したD−トリプトファン溶
液等)を例示できる。
(実施例) 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
実施例1 (a)特開昭61−199794号公報記載の方法によるL−Tr
p発酵液を精密過(MF)により除菌した。除菌液のL
−Trp濃度は14g/lであった。
除菌液18.1を濃硫酸でpH3に調整した後、北越炭素
(株)製脱色樹脂KS型塔0.61に室温でSV=1で通液し
た。次に、水11.0lを通液することにより樹脂塔内に残
留するL−Trpを回収した。脱色樹脂貫流液のL−Trp濃
度は7.5g/lであった。
脱色樹脂貫流液29.1を濃硫酸でpH2に調整した後、
1.7lのカチオン交換樹脂SK−1B(三菱化成(株))塔に
通液しL−Trpを吸着させた。2N水酸化ナトリウム水溶
液2.4lを樹脂塔下部より循環通液した後さらに水1.9lを
通液しL−Trpを溶離した。溶離液のL−Trp濃度は49g/
lでpHは13.5であった。
カチオン交換樹脂溶離液のうち250mlを晶析缶へ移し
た後、濃硫酸を加えpH6〜7となるように調整し、L−T
rpの凝集晶を析出させて種晶スラリーとした(所要時間
20分)。
これに40℃で撹拌しながら残りのカチオン交換樹脂溶
離液のうち1.5lを1時間かけて添加すると同時にpHが6
〜7に保たれるような速度で濃硫酸を添加することによ
り中和晶析(同時中和晶析)を行った。晶析液を30℃に
冷却し、この温度で30分間放置した。
析出したL−Trp結晶を遠心分離機にかけ(1700g,5
分)母液を分離した後140mlの水で洗浄し128gの湿結晶
を得た。
この湿結晶を減圧乾燥機により50℃で乾燥した。乾燥
後の重量は60gであった。この乾燥結晶の晶癖はやはり
凝集晶で、その顕微鏡写真(×40)を第1図に示す。
(b)上の実験を種晶スラリーを作成することなく行な
ったところ、晶析液が遠心分離処理に付せられるに適当
な状態(結晶生長及び新たな起晶が観察されなくなった
状態)になるまでに要した時間は実施例1と同様であ
り、得られた結晶は湿潤状態、乾燥状態のいずれにおい
ても、第1図に示したと同様の凝集晶であった。ただし
種晶スラリーを使用しない晶析操作はpH制御が難しかっ
た。
比較例1 実施例1と同じ除菌液1.0lを脱色樹脂で処理すること
なく、かつ、中和晶析を同時中和晶析に代えてバッチ中
和晶析とし、遠心分離の時間を5分に代えて15分とした
こと以外は実施例1(a)と同じ方法で28.8gのL−Trp
湿結晶を得た。
乾燥後の重量は9.5gであった。湿結晶及び乾燥結晶は
ともに鱗片状微細晶であった。乾燥結晶の顕微鏡写真
(×40)を第2図に示す。
実施例1(a)及び比較例1で分離された結晶の品質
と脱色樹脂処理の関係を表1に示した。
実施例2 実施例1記載の方法により得られたL−Trp結晶61gに
水635ml、濃硫酸10mlを加えて作成した溶液(L−Trp濃
度67g/l)を準備した。
これに2−プロパノール/水(容量比1:1)215lを加
え、そのうちの62lに48%水酸化ナトリウム水溶液を同
時中和晶析条件下にpHを4に調整しながら加えてL−Tr
p結晶を起晶させて種晶スラリーとした後、樹脂処理液
の残りと48%水酸化ナトリウム水溶液をpH4に保たれる
ように35℃で1時間かけて徐々に添加した(同時中和晶
析)。
添加終了後晶析液を10℃に冷却し、この温度で1時間
放置した後結晶を遠心分離し、74gの湿結晶を得た。こ
の湿結晶は実施例1で得られたと同様の凝集晶であっ
た。
比較例2 実施例2と同じ方法で得たL−Trp結晶溶解液610mlに
2−プロパノール/水(容量比1:1)130mlを加えた後、
25%水酸化ナトリウム水溶液22mlを一方的に添加し(バ
ッチ中和晶析)、pH4.1、37℃に保ち1時間撹拌した。
これを10℃に冷却し、さらに1時間放置した後結晶を遠
心分離し43gの湿結晶を得た。この湿結晶は鱗状微細晶
であった。
実施例2及び比較例2で得られた結晶の品質と中和晶
析法との関係を表2にまとめた。
(発明の効果) 上に詳述したように、本発明の方法によれば、消泡剤
や媒晶剤の添加や高温加熱を行わず、同時中和晶析によ
り遠心分離機による固液分離性の良い光学活性トリプト
ファン結晶を析出させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1(a)により得られたL−Trpの凝集
晶の顕微鏡による結晶構造の写真(×400)であり、第
2図は比較例1により得られたL−Trpの鱗片状微細晶
の顕微鏡による結晶構造の写真(×40)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−4168(JP,A) 特開 昭60−34196(JP,A) 特開 昭60−105498(JP,A) 特開 平1−112991(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 209/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学活性トリプトファンの凝集晶化を阻害
    する不純物を含有する光学活性トリプトファンの酸性又
    はアルカリ性水溶液から該不純物を除去した光学活性ト
    リプトファンの酸性又はアルカリ性水溶液とアルカリ又
    は酸とを混合して光学活性トリプトファンを中和晶析す
    る方法において、該不純物を除去した光学活性トリプト
    ファンの酸性又はアルカリ性水溶液とアルカリ又は酸と
    を晶析液のpHが3〜8の範囲に保たれるように同時中和
    晶析をさせることにより光学活性トリプトファンを凝集
    晶として析出させることを特徴とする光学活性トリプト
    ファンの晶析法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の晶析法において、光学活性
    トリプトファンを凝集晶として析出させるために、該不
    純物を含有する光学活性トリプトファンの酸性又はアル
    カリ性水溶液を吸着樹脂に通液貫流させることにより該
    不純物を除去することを特徴とする光学活性トリプトフ
    ァンの晶析法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の晶析法において、中
    和晶析に付すべき光学活性トリプトファン水溶液の濃度
    が低い(光学活性トリプトファン濃度が30g/l以下)場
    合、該トリプトファン水溶液を予めカチオン交換樹脂に
    通液して光学活性トリプトファンを吸着させた後高濃度
    (1N以上)のアルカリで溶離することにより中和晶析に
    適した高濃度(40g/l以上)の光学活性トリプトファン
    のアルカリ性水溶液としておくことを特徴とする光学活
    性トリプトファンの晶析法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3記載のいずれかの晶析法にお
    いて、晶析液に水易溶性の有機溶剤を存在せしめること
    を特徴とする光学活性トリプトファンの晶析法。
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