JPH0342268B2 - - Google Patents

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JPH0342268B2
JPH0342268B2 JP14175583A JP14175583A JPH0342268B2 JP H0342268 B2 JPH0342268 B2 JP H0342268B2 JP 14175583 A JP14175583 A JP 14175583A JP 14175583 A JP14175583 A JP 14175583A JP H0342268 B2 JPH0342268 B2 JP H0342268B2
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tryptophan
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、不純物を含有する光学活性トリプト
フアン溶液、即ち、発酵液又は酵素反応液、およ
びそれらの中間工程液から光学活性トリプトフア
ンを回収する際に、そこに含まれる夾雑不純物を
除去して精製をより効果的に行うために、半透膜
処理と晶析法を組み合せた光学活性トリプトフア
ンの回収方法に関するものである。
L−トリプトフアンは、必須アミノ酸の一つで
あり、人体又は家畜の栄養源として有用である。
これらに用いるL−トリプトフアンは、品質の高
いものが要望されている。
トリプトフアンの製造法としては化学合成法、
発酵法、酵素法等が行われている。化学合成法は
ラセミ体の光学分割が必要である。発酵法、酵素
法は直接光学活性トリプトフアンを産生し得る
が、これらのプロス中には、多量の夾雑物及び色
素類を含んでいるために、そこからトリプトフア
ンを回収する工程及び操作は極めて煩雑である。
従来は、これらの夾雑不純物を除去する方法と
して、例えば、トリプトフアンを、陰イオン交換
樹脂に吸着、溶離し、更に陽イオン交換樹脂に吸
着、溶離してから晶析する方法(特開昭53−
111061)、或は、トリプトフアン粗結晶の溶解液
を非イオン交換樹脂に接液処理して不純物を吸着
させたのち、限外濾過膜によつて濾過処理を行つ
てから晶析する方法(特開昭58−895)等がある。
しかしながら、トリプトフアンは分子構造によ
るところの特異な親和力を持つために樹脂と強い
分子吸着を示す性質があるので、着色等の不純物
と共に樹脂に吸・脱着する傾向があつて、これら
の不純物を分離するためには樹脂工程操作が複雑
化したり、或は吸着ロス、溶離残ロスなどの大き
なロスを伴なつてくる。又、樹脂工程では多くの
水、酸、アルカリ、有機溶媒等が使われるために
副原料、廃液処理、エネルギー費が多大になる。
更に晶析においても光学活性トリプトフアン結晶
は着色等の不純物を吸着して結晶形が乱れ易く、
しかも集合晶を形成して結晶の間隙に不純物を多
く包含し易いことなどから樹脂を用いないで高収
率かつ高品質の光学活性トリプトフアンを得る方
法は知られていない。
本発明者らは、イオン交換樹脂等の樹脂工程を
含まない光学活性トリプトフアン回収プロセスを
検討した結果、不純物を多量に含むところの発酵
液又は酵素反応液、およびそれらの中間工程液か
ら光学活性トリプトフアンを回収するに際し、半
透膜濾過を行い、次いでその濾液をアルカリ性下
において、酢酸又は酢酸水溶液中に添加して光学
活性トリプトフアンを晶析することによつて、極
めて収率よく、しかも高品質の光学活性トリプト
フアンを回収できることを見い出した。
即ち、発酵液又は酵素反応液、およびそれらの
中間工程液を半透膜を用いて濾過し、濾液を必要
により濃縮してトリプトフアンのアルカリ水溶液
の状態で酢酸又は酢酸水溶液に徐々に添加しなが
ら中和晶析を行うと、添加の進行にともなつてト
リプトフアンの起晶と結晶成長が徐々に進行し、
光沢のある六角板状の大きな結晶が得られる。
これわ中和晶析によるトリプトフアンの起晶と
結晶成長の過程において高濃度の酢酸の存在が不
純物による起晶および結晶成長の阻害作用を緩和
しているものと考えられる。
これに対して、トリプトフアンのアルカリ水溶
液中に酢酸又は酢酸水溶液を徐々に添加しながら
中和晶析を行うと、微細な結晶の集合晶になり着
色物質等の不純物混入が多い。
例えば、半透膜を用いて濾過した濾液から濃縮
晶析或は、常法による中和晶析等で行つた場合の
トリプトフアン結晶は、微細晶からなる集合粒状
晶となり、褐色をおびて不純物を多く含有し、水
に溶解すると不純物によるにごりを呈する。
また一方、半透膜を用いないで、遠心分離した
上澄液のアルカリ性濃縮液を、酢酸又は酢酸水溶
液中へ添加しながら晶析したトリプトフアン結晶
は、同じ液から常法によつて晶析した場合より純
度よく、着色、にごりが少い。
しかるに、半透膜濾過と酢酸又は酢酸水溶液中
へ添加する方式の晶析法を組み合せた場合は、顕
著な晶析性状の向上がみられた。即ち、結晶の成
長性がよくなつて過飽和の解消がスムースに行わ
れるので、過大な過飽和によつて起晶する微細晶
の混入が殆どなくなり、粒度の揃つた厚みのある
六角板状の大きな結晶が得られるようになつた。
その結果、晶析率は向上し、特に晶分離性が極端
に向上したため、トリプトフアン結晶の純度が極
めてよく、着色、およびにごり物質を母液中へ容
易に淘汰できるようになつた。
この現象は、まさに半透膜濾過と、その濾液を
アルカリ性下において、酢酸又は酢酸水溶液中に
添加する方式のトリプトフアン晶析との組み合せ
による相乗効果と考えられる。発酵液等由来の不
純物の中には溶存蛋白、色素、副生物、分解生成
物などを多く含んでおり、これらのうちで晶析阻
害する物質が半透膜濾過で除去されることにによ
つて、酢酸水溶液における中和晶析の過飽和分散
と結晶成長速度が丁度よくバランスして飛躍的な
効果をもたらしたものと推定される。
本発明でいう発酵液又は酵素反応液とは、微生
物を用いて発酵したL−トリプトフアンのプロ
ス、又は酵素もしくは微生物を用いて反応させた
LおよびD−トリプトフアンの反応液をいう。中
間工程液とは、発酵液又は酵素反応液から、光学
活性トリプトフアンを分離取得する間の工程にお
けるトリプトフアン含有溶液であり、例えば除菌
液、濾過処理液、粗結晶母液、粗結晶溶解液、イ
オン交換樹脂処理液等がある。
半透膜とは、限外濾過および逆浸透濾過に使用
される通常の半透膜素材のものでよい。例とし
て、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、セルロ
ーズアセテート、ポリスルホン、ポリベンツイミ
ダゾール系などがある。膜の形式は、チユーブ
状、平膜、スパイラル、中空糸状等が挙げられ
る。分画分子量としては、500〜100000程度でよ
く、特に分画機能が500〜20000の範囲が効果的で
ある。
半透膜濾過を行う際の諸条件は、各々使用する
膜によつて指定されている範囲でよい。特に注意
すべき点としては、温度が高いところで長時間に
わたると、処理液の着色が増大する傾向がみられ
るので、好ましくは60℃以下で常温付近がよい。
また濾過残液中のトリプトフアン量が多いと収率
が下るので、濃縮され濾過残液を水で稀釈して再
濾過を繰り返すとよい。
濾液の濃縮方法は特に問わない。例えば、加熱
による減圧濃縮、冷凍濃縮、逆浸透膜濃縮、或は
これらを組み合せてもよい。その場合のPHは各濃
縮法に適した範囲で行えばよい。等電点(PH5.9)
付近でトリプトフアンの結晶が析出して支障をき
たす場合は、酸又はアルカリの溶液として濃縮し
てもよい。
トリプトフアンのアルカリ水溶液のアルカリは
NaOH、KOH、LiOH、NH4 OH等いずれでも
よく、その量はトリプトフアンを溶解するのに十
分な量があればよい。
トリプトフアンのアルカリ水溶液のトリプトフ
アン濃度は約5〜40%程度でよい。これより濃度
が高いと粘性が増して添加晶析がやりにくい。濃
度が低すぎると晶析液量が多くなつてトリプトフ
アンの晶析率が下るのみならず、晶析液中の酢酸
濃度が低下するために不純物の淘汰性が悪くな
る。
酢酸又は酢酸水溶液の量は多いほどトリプトフ
アン結晶の品質は向上するが、晶析率が下ること
と酢酸消費量が増す点においてあまり得策ではな
い。酢酸水溶液の酢酸濃度は高いほどよい。好ま
しくは30%以上がよい。これより低くなると、ト
リプトフアンは微細な結晶になり品質が低下す
る。また、酢酸又はその水溶液の所要量は、添加
するべきトリプトフアンのアルカリ水溶液の量と
アルカリ濃度とによつて決まるものであり、その
目安としては中和晶析終了時のPHが2〜6程度が
よい。
トリプトフアンのアルカリ水溶液を添加して中
和晶析を行うときの温度は高い方が結晶性状はよ
いが、あまり高温になると晶析液の着色が増加す
る傾向がみられるので好ましくは30〜60℃程度が
よい。
添加速度は結晶成長に見合つた程度が望ましく
1〜5時間程度でよい。
中和を終了したら徐々に冷却晶析を行い常温付
近で熟成したのち分離する。
取得した結晶中の酢酸を除去するには、分離結
晶を水洗浄したのち60〜80℃で約10〜20時間程度
の減圧乾燥すればよい。
以下実施例によつて本発明方法を具体的に述べ
る。
比較例 1 L−トリプトフアン発酵液(特開昭56−92796)
に35%HClをPH3まで加えて遠心分離した除菌液
10に30%NaOH溶液をPH12.5まで加えて濃縮し
た。この濃縮液1600g(トリプトフアン含量10.6
%)中へ、酢酸を添加することにより45℃で2時
間かけて、PH5.9まで中和晶析した。これを25℃
まで冷却してから遠心分離した結晶上に、水500
mlを散布して洗浄した。これを70℃で減圧乾燥し
てL−トリプトフアン結晶148gを得た。純度
90.6%、収率79.2%、透過率10%、0.3μミリポア
濾過して43%(透過率測定条件:C=1、水、
430nm)。
比較例 2 比較例1で得た除菌液1に30%NaOH溶液
を12.5まで加えて濃縮した。この濃縮液123g
(トリプトフアン含量13.7%)を酢酸40ml中へ添
加することにより45℃で2時間かけて中和晶析し
たのち25℃まで冷却した。析出結晶を遠心分離し
たのち、結晶上に少量の水を噴霧して洗浄した。
これを70℃で減圧乾燥してL−トリプトフアン結
晶16.0gを得た。純度92.8%、収率88.1%、透過
率23%、0.3μミリポア濾過して77%(比較例1と
同一条件で測定)。
比較例 3 比較例1で得た除菌液10を、旭化成工業(株)限
外濾過モジユール ACL−1010(分画分子量
13000)を用い、35℃、圧力2Kg/cm2において濾
過を行い、濾液が約9得られたところで、濾過
残液に水6を加えて稀釈し、これを濾過して全
濾液量15.7を得た。
この濾液2に30%NaOH溶液をPH12.5まで加
えて濃縮した濃縮液202g(トリプトフアン含量
10.4%)中へ、酢酸を添加することにより45℃で
2時間かけてPH5.9まで中和晶析した。これを25
℃まで冷却してから遠心分離した結晶上に少量の
水を噴霧して洗浄した。これを70℃で減圧乾燥し
て、L−トリプトフアン結晶18.1gを得た。純度
93.7%、収率80.8%、透過率34%、0.3μミリポア
濾過して62%(比較例1と同一条件で測定)。
実施例 1 比較例3で得た限外濾過液2に30%NaOH
溶液をPH12.5まで加えて濃縮した濃縮液130g
(トリプトフアン含量16.1%)を酢酸50ml中へ添
加することにより比較例2と同様に晶析して得た
トリプトフアン結晶は19.9gであつた。純度99.1
%、収率94.2%、透過率90%(比較例1と同一条
件で測定)。
比較例 4 比較例1で得たL−トリプトフアン粗結晶50g
を水4.5に溶解し、帝人(株)逆浸透チユーブラー
モジユール PBIL、TL−215(ROミニテスター
N−型)を用い、35℃、圧力20Kg/cm2におい
て濾過を行い、濾液が約4得られたところで、
濾過残液に水2.5を加えて稀釈し、これを濾過
して全濾液量6.4を得た。
この濾液3に30%NaOH溶液をPH12.5まで加
えて濃縮した濃縮液186g(トリプトフアン含量
11.0%)中へ、酢酸を添加することにより45℃で
2時間かけてPH5.9まで中和晶析した。これを25
℃まで冷却してから遠心分離した結晶上に少量の
水を噴霧して洗浄した。これを70℃で減圧乾燥し
て、L−トリプトフアン結晶17.2gを得た。純度
98.4%、収率82.8%、透過率62%、0.3μミリポア
濾過して71%(比較例1と同一条件で測定)。
実施例 2 比較例4で得た逆浸透濾過液3に30%
NaOH溶液をPH12.5まで加えて濃縮した濃縮液
148g(トリプトフアン含量14.1%)を50%酢酸
水溶液120ml中へ添加することにより比較例2と
同様に晶析して得た結晶は19.7gであつた。純度
99.6%、収率93.8%、透過率96%(比較例1と同
一条件で測定)。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 不純物を含有する光学活性トリプトフアン溶
    液から光学活性トリプトフアンを回収するに際
    し、半透膜を用いて濾過を行い、濾液をアルカリ
    性下において、酢酸又は酢酸水溶液中に添加して
    晶析分離することを特徴とする光学活性トリプト
    フアンの回収方法。
JP14175583A 1983-08-02 1983-08-02 光学活性トリプトファンの回収方法 Granted JPS6034196A (ja)

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JPS6034196A JPS6034196A (ja) 1985-02-21
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0813801B2 (ja) * 1989-06-27 1996-02-14 三井東圧化学株式会社 トリプトファンの精製方法
JPH0489479A (ja) * 1990-08-01 1992-03-23 Ajinomoto Co Inc 光学活性トリプトファンの回収方法

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