JP2893327B2 - 電極、及びリチウム二次電池 - Google Patents

電極、及びリチウム二次電池

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lithium secondary
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  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリチウム二次電池に
関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】Thackerayら
によりLiMn2 4 が4vと言う高電位を示すリチウ
ム二次電池用の正極材料としての可能性が示唆されて以
来、多くの研究者により盛んに研究されている。しか
し、LiMn2 4 を正極として用いたリチウム二次電
池は、充・放電を繰り返すと、徐々に容量が低下する欠
点が有る。
【0003】すなわち、LiMn2 4 からLiを離脱
させると、リチウム組成が1/2付近で電位の屈曲が起
き、同時に格子体積が大きく収縮する。逆に、リチウム
組成が小さい領域からリチウムを挿入して行くと、リチ
ウム組成が1/2付近で格子体積の膨張が起きる。この
ように充・放電時に格子体積の膨張・収縮を伴った相転
移が起こり、このことが充・放電サイクルを繰り返した
際の容量劣化の原因と考えられる。
【0004】この充・放電サイクルの繰り返しによる容
量劣化を改善する為、LiMn2 4 のMnの一部を他
の金属イオンで置換したLi〔Mx Mn2-x 〕O4 (M
はCr,Co,Ni,Ti,Fe,Mg,Ba,Zn,
Ge,Nb)やリチウムイオンで置換したLi〔Lix
Mn2-x 〕O4 が試みられた。そして、例えばLiCr
x Mn2-x 4 はスピネルの母構造の安定性が増し、サ
イクル特性が向上した。
【0005】しかし、更なる改善が求められた。従っ
て、本発明が解決しようとする課題は、充・放電サイク
ルを繰り返した際の容量劣化が防止されたリチウム二次
電池を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記本発明の課題は、
iB Mn 2−x−y (<x,0<y,<x+
y<1,MはCr,Fe,Co,Niの群の中から選ば
れる少なくとも一種)で表される材料を用いて構成され
てなることを特徴とする電極によって解決される。
【0007】又、LiAlMn2−x−y
(0<x,0<y,0<x+y<1,MはCr,F
e,Co,Niの群の中から選ばれる少なくとも一種)
で表される材料を用いて構成されてなることを特徴とす
る電極によって解決される。
【0008】尚、上記LiBMn2−x−y
やLiAlMn2−x−yにおいて、x,y
は、0.01≦X<1,0<y<1,0.01<x+y
<1を満たすものが好ましい。特に、xは0.05〜
0.2が好ましい。yは0.05〜0.2が好ましい。
又、前記本発明の課題は、上記の電極からなる正極と、
負極と、電解液とからなることを特徴とするリチウム二
次電池によって解決される。
【0009】尚、上記リチウム二次電池における負極
は、例えばリチウム金属や炭素のようなインターカレー
ション化合物の群の中から選ばれる材料で構成される。
又、上記リチウム二次電池における電解液はリチウム塩
を有機溶媒に溶解した非水系電解液で構成される。そし
て、上記のように構成させた電極は、スピネル型リチウ
ムマンガン酸化物のマンガンの一部を、Mnより原子量
が小さく、酸素との結合エネルギーが強い三価のホウ素
イオンやアルミニウムイオンで置換した構造のものであ
るから、充・放電サイクルを繰り返した際の容量劣化が
効果的に防止される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の電極、特にリチウム二次
電池の正極は、LiBMn2−x−y(0<
x,0<y,0<x+y<1,MはCr,Fe,Co,
Niの群の中から選ばれる少なくとも一種)で表される
材料を用いて構成される。又、LiAlMn
2−x−y(0<x,0<y,0<x+y<1,M
はCr,Fe,Co,Niの群の中から選ばれる少なく
とも一種)で表される材料を用いて構成される。そし
て、特に、x,yは、0.01≦X<1(特に、0.0
5〜0.2),0<y<1(特に、0.05〜0.
2),0.01<x+y<1を満たすものである。
【0011】又、本発明のリチウム二次電池は、上記の
電極からなる正極と、負極と、電解液とからなる。この
リチウム二次電池における負極は、例えばリチウム金属
や炭素のようなインターカレーション化合物の群の中か
ら選ばれる。又、電解液はリチウム塩を有機溶媒に溶解
した非水系電解液で構成される。以下、更に説明する。
【0012】〔LiBx Mn2-x 4 〕 炭酸リチウム、水酸化リチウム等のリチウム塩;炭酸マ
ンガン、酢酸マンガン、シュウ酸マンガン、水酸化マン
ガン、二酸化マンガン等のマンガン塩あるいはオキシ水
酸化マンガンやマンガン酸化物;ホウ酸、二酸化ホウ素
等のホウ素塩あるいはホウ素酸化物を、Li:B:Mn
=1:x:2−x(元素比)となるよう秤量する。
【0013】秤量した原料をメノウ乳鉢で充分に混合す
る。混合後、空気中あるいは酸素気流中にて450℃で
90分間かけて熱処理する。この後、メノウ乳鉢で粉砕
し、再度、600〜800℃で24時間かけて焼成し、
そして徐冷し、LiBx Mn2-x 4 を得た。 〔LiBx y Mn2-x-y 4 (MはCr,Fe,C
o,Ni)〕 炭酸リチウム、水酸化リチウム等のリチウム塩;炭酸マ
ンガン、酢酸マンガン、シュウ酸マンガン、水酸化マン
ガン、二酸化マンガン等のマンガン塩あるいはオキシ水
酸化マンガンやマンガン酸化物;ホウ酸、二酸化ホウ素
等のホウ素塩あるいはホウ素酸化物;M(MはCr,F
e,Co,Ni)の炭酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩などの
塩、酸化物、水酸化物あるいはオキシ水酸化物などの化
合物を、Li:B:M:Mn=1:x:y:2−x−y
(元素比)となるよう秤量する。
【0014】秤量した原料をメノウ乳鉢で充分に混合す
る。混合後、空気中あるいは酸素気流中にて450℃で
90分間かけて熱処理する。この後、メノウ乳鉢で粉砕
し、再度、600〜800℃で24時間かけて焼成し、
そして徐冷し、LiBx y Mn2-x-y 4 (MはC
r,Fe,Co,Ni)を得た。
【0015】〔LiAlx Mn2-x 4 〕 炭酸リチウム、水酸化リチウム等のリチウム塩;炭酸マ
ンガン、酢酸マンガン、シュウ酸マンガン、水酸化マン
ガン、二酸化マンガン等のマンガン塩あるいはオキシ水
酸化マンガンやマンガン酸化物;水酸化アルミニウム等
のアルミニウム化合物を、Li:Al:Mn=1:x:
2−x(元素比)となるよう秤量する。
【0016】秤量した原料をメノウ乳鉢で充分に混合す
る。混合後、空気中あるいは酸素気流中にて450℃で
90分間かけて熱処理する。この後、メノウ乳鉢で粉砕
し、再度、600〜800℃で24時間かけて焼成し、
そして徐冷し、LiAlx Mn2-x 4 を得た。 〔LiAlx y Mn2-x-y 4 (MはCr,Fe,C
o,Ni)〕 炭酸リチウム、水酸化リチウム等のリチウム塩;炭酸マ
ンガン、酢酸マンガン、シュウ酸マンガン、水酸化マン
ガン、二酸化マンガン等のマンガン塩あるいはオキシ水
酸化マンガンやマンガン酸化物;水酸化アルミニウム等
のアルミニウム化合物;M(MはCr,Fe,Co,N
i)の炭酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩などの塩、酸化物、
水酸化物あるいはオキシ水酸化物などの化合物を、L
i:Al:M:Mn=1:x:y:2−x−y(元素
比)となるよう秤量する。
【0017】秤量した原料をメノウ乳鉢で充分に混合す
る。混合後、空気中あるいは酸素気流中にて450℃で
90分間かけて熱処理する。この後、メノウ乳鉢で粉砕
し、再度、600〜800℃で24時間かけて焼成し、
そして徐冷し、LiAlx y Mn2-x-y 4 (MはC
r,Fe,Co,Ni)を得た。
【0018】上記のようにして得た材料とアセチレンブ
ラック等の集電材及びポリテトラフロロエチレン等のバ
インダをメノウ乳鉢で混練し、フィルム状に圧延し、円
形に打ち抜いて電極ペレットとした。そして、この電極
ペレットからなる正極、例えばリチウム金属や炭素のよ
うなインターカレーション化合物の群の中から選ばれる
材料で構成された電極からなる負極、リチウム塩を有機
溶媒に溶解した非水系電解液で構成される電解液とを用
いてリチウム二次電池を構成した。
【0019】
【比較例1】上記発明の実施の形態で説明したようにし
てLiB1/6Mn11/6を得、これを用いて正
極を構成し、金属リチウムを用いて負極を構成し、1m
ol/lの過塩素酸リチウムの炭酸プロピレン溶液で電
解液を構成し、これらによりリチウム二次電池を構成し
た。
【0020】
【比較例2】上記発明の実施の形態で説明したようにし
てLiAl1/6Mn11/6を得、これを用いて
正極を構成し、金属リチウムを用いて負極を構成し、1
mol/lの過塩素酸リチウムの炭酸プロピレン溶液で
電解液を構成し、これらによりリチウム二次電池を構成
した。
【0021】そして、電流密度0.2mA/cm2
4.5vから3.5vの電位範囲で充・放電試験を行
い、放電時の容量密度の変化を調べたので、その結果を
図2に示す。
【0022】
【実施例1】上記発明の実施の形態で説明したようにし
てLiB1/12Cr1/12Mn11/6を得、
これを用いて正極を構成し、金属リチウムを用いて負極
を構成し、1mol/lの過塩素酸リチウムの炭酸プロ
ピレン溶液で電解液を構成し、これらによりリチウム二
次電池を構成した。
【0023】そして、電流密度0.2mA/cm2
4.5vから3.5vの電位範囲で充・放電試験を行
い、放電時の容量密度の変化を調べたので、その結果を
図3に示す。
【0024】
【実施例2】上記発明の実施の形態で説明したようにし
てLiB1/12Fe1/12Mn11/6を得、
これを用いて正極を構成し、金属リチウムを用いて負極
を構成し、1mol/lの過塩素酸リチウムの炭酸プロ
ピレン溶液で電解液を構成し、これらによりリチウム二
次電池を構成した。
【0025】
【実施例3】上記発明の実施の形態で説明したようにし
てLiB1/12Co1/12Mn11/6を得、
これを用いて正極を構成し、金属リチウムを用いて負極
を構成し、1mol/lの過塩素酸リチウムの炭酸プロ
ピレン溶液で電解液を構成し、これらによりリチウム二
次電池を構成した。
【0026】
【実施例4】上記発明の実施の形態で説明したようにし
てLiB1/12Ni1/12Mn11/6を得、
これを用いて正極を構成し、金属リチウムを用いて負極
を構成し、1mol/lの過塩素酸リチウムの炭酸プロ
ピレン溶液で電解液を構成し、これらによりリチウム二
次電池を構成した。
【0027】
【実施例5】上記発明の実施の形態で説明したようにし
てLiAl1/12Cr1/1211/6を得、
これを用いて正極を構成し、金属リチウムを用いて負極
を構成し、1mol/lの過塩素酸リチウムの炭酸プロ
ピレン溶液で電解液を構成し、これらによりリチウム二
次電池を構成した。
【0028】
【実施例6】上記発明の実施の形態で説明したようにし
てLiAl1/12Fe1/12Mn11/6
得、これを用いて正極を構成し、金属リチウムを用いて
負極を構成し、1mol/lの過塩素酸リチウムの炭酸
プロピレン溶液で電解液を構成し、これらによりリチウ
ム二次電池を構成した。
【0029】
【実施例7】上記発明の実施の形態で説明したようにし
てLiAl1/12Co1/12Mn11/6
得、これを用いて正極を構成し、金属リチウムを用いて
負極を構成し、1mol/lの過塩素酸リチウムの炭酸
プロピレン溶液で電解液を構成し、これらによりリチウ
ム二次電池を構成した。
【0030】
【実施例8】上記発明の実施の形態で説明したようにし
てLiAl1/12Ni1/12Mn11/6
得、これを用いて正極を構成し、金属リチウムを用いて
負極を構成し、1mol/lの過塩素酸リチウムの炭酸
プロピレン溶液で電解液を構成し、これらによりリチウ
ム二次電池を構成した。
【0031】
【特性】上記各例のリチウム二次電池について、電流密
度0.2mA/cmで4.5vから3.5vの電位範
囲で充・放電試験を行い、放電時の容量密度の変化を調
べたので、幾つかを図1(比較例1)、図2(比較
2)、図3(実施例)に示す。
【0032】これによれば、充・放電サイクルを繰り返
した際の容量劣化が防止されていることが判る。特に、
スピネル型リチウムマンガン酸化物のマンガンの一部を
ホウ素及び/又はアルミニウムと遷移金属とで置換され
た材料LiBx y Mn2-x- y 4 (0<x,0<y,
0<x+y<1,MはCr,Fe,Co,Niの群の中
から選ばれる少なくとも一種)やLiAlx y Mn
2-x-y 4 (0<x,0<y,0<x+y<1,MはC
r,Fe,Co,Niの群の中から選ばれる少なくとも
一種)で表される材料を用いて構成されてなる電極のも
のは、充・放電サイクルを繰り返した際の容量劣化が防
止されていることが判る。
【0033】
【発明の効果】充・放電サイクルを繰り返した際の容量
劣化が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例1のリチウム二次電池の放電時の容量密
度の変化を示すグラフ
【図2】比較例2のリチウム二次電池の放電時の容量密
度の変化を示すグラフ
【図3】実施例上のリチウム二次電池の放電時の容量
密度の変化を示すグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−237970(JP,A) 特開 平5−290846(JP,A) 特開 平2−278661(JP,A) 特開 平4−289662(JP,A) 特開 平5−21067(JP,A) 特開 平3−219571(JP,A) 特開 平8−195200(JP,A) 特開 平9−45324(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01M 4/58 H01M 4/02 H01M 10/40 INSPEC(DIALOG) JICSTファイル(JOIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 LiBMn2−x−y(0<
    x,0<y,0<x+y<1,MはCr,Fe,Co,
    Niの群の中から選ばれる少なくとも一種)で表される
    材料を用いて構成されてなることを特徴とする電極。
  2. 【請求項2】 LiAlMn2−x−y(0
    <x,0<y,0<x+y<1,MはCr,Fe,C
    o,Niの群の中から選ばれる少なくとも一種)で表さ
    れる材料を用いて構成されてなることを特徴とする電
    極。
  3. 【請求項3】 x,yは、0.01≦X<1,0<y<
    1,0.01<x+y<1を満たすものであることを特
    徴とする請求項1又は請求項2の電極。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項いずれかの電極から
    なる正極と、負極と、電解液とからなることを特徴とす
    るリチウム二次電池。
  5. 【請求項5】 負極がインターカレーション化合物の群
    の中から選ばれる材料で構成されたものであることを特
    徴とする請求項のリチウム二次電池。
  6. 【請求項6】 電解液がリチウム塩を有機溶媒に溶解し
    た非水系電解液であることを特徴とする請求項のリチ
    ウム二次電池。
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