JP2891200B2 - 電界放出型冷陰極 - Google Patents

電界放出型冷陰極

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JP2891200B2
JP2891200B2 JP24194696A JP24194696A JP2891200B2 JP 2891200 B2 JP2891200 B2 JP 2891200B2 JP 24194696 A JP24194696 A JP 24194696A JP 24194696 A JP24194696 A JP 24194696A JP 2891200 B2 JP2891200 B2 JP 2891200B2
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    • H01J2329/46Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the electron beams
    • H01J2329/4669Insulation layers

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体の微細加工
技術を用いて作製されるコールドカソードとして知られ
ている電界放出型冷陰極の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】金属または半導体表面に106〜10
7(V/cm)程度の電圧を印加すると、トンネル効果
により電子が障壁を通過して常温でも真空中に電子が放
出される。この現象を電子放出といい、このような原理
で電子を放出する陰極は電界放出型冷陰極と呼ばれてい
る。
【0003】電界放出型冷陰極は、サイズがミクロンオ
ーダーであることから高密度な集積化が可能であり、熱
陰極と比較して高効率、高電流密度などのメリットを有
する。また、放出された電子は真空状態で動作するた
め、固体素子より高速性に優れている。これらの利点を
生かして高増幅素子、高輝度ディスプレイなどへの応用
が期待されている。
【0004】最近では、半導体集積化技術を駆使して作
製された、スピン(Spindt)型と呼ばれるミクロンオー
ダーサイズの電界放出型冷陰極が知られている。この電
界放出型冷陰極は、半導体微細加工技術を用いて作製す
ることにより、円錐状のエミッタコーンとゲート電極と
の距離をサブミクロンとしたもので、エミッタコーンと
ゲート電極間に30〜60Vの電圧を印加することによ
り、エミッタコーン先端から電子を放出させることがで
きる。この場合、各エミッタコーン間のピッチは数ミク
ロンで作製することができるため、数百〜数万個の電界
放出型冷陰極を基板上に設けることができる。
【0005】上記電界放出型冷陰極の一例として、特開
平7-282716号公報には、複数の冷陰極エミッタ群を形成
した矩形状のエミッタ形成領域の外周上を高抵抗体で囲
むことで、放出電流を均一、かつ、高速に応答制御でき
るように構成したものが開示されている。この電界放出
型冷陰極の上面図を図5に、断面図を図6に示す。
【0006】図5および図6において、電界放出型冷陰
極はカソード1とゲート電極2とからなるエミッション
領域を有している。このエミッション領域は、カソード
1の正方形状に型抜きされた領域に、その周縁に沿って
カソード1と比較して遥かに高い抵抗率を有する抵抗体
3がフレーム状に均一な幅をもって形成され、さらにそ
の内周縁に沿って正方形状の導体部4が連続膜として形
成された構成となっている。
【0007】導体部4の表面上には、微小冷陰極である
エミッタコーン5が多数設けられている。これらエミッ
タコーン5は、電子放出材料、例えばモリブデンよりな
り、ほぼ円錐体に形成され、その先端部はゲート電極2
により形成されている電子通過用のゲート開口部2aの
中央にほぼ位置している。ゲート電極2の上部対向面に
は、放出した電子を受けるアノードが真空部を介して形
成されている(不図示)。
【0008】この電界放出型冷陰極では、カソード1と
ゲート電極2との間に所定の電圧を印加することで、エ
ミッタ形成領域16内のエミッタコーン5にその所定の
電圧が印加され、各エミッタコーン5からトンネル効果
によって電子が放出される。ここで、所定の電圧値は、
各エミッタコーン5の円錐体の先端部の電界強度が10
7(V/cm)となる程度の値である。
【0009】上述の構成では、エミッタとカソードとの
間に抵抗層が設けられているが、その理由は次のとおり
である。
【0010】一般的に、電界放出型冷陰極においては、
エミッタコーンの先端とゲート電極との距離がサブミク
ロンという極めて短い距離とされ、基板上には数百〜数
万個のエミッタコーンが形成されることから、製造過程
において塵埃によりエミッタコーンとゲートとが短絡し
てしまうことがある。ゲート電極とエミッタコーンの1
つでも短絡してしまうと、カソードとゲート電極とが短
絡してしまい、すべてのエミッタコーンに電圧が印加さ
れなくなって動作不能となってしまう。
【0011】また、電界放出型冷陰極の初期の動作時に
局部的な脱ガスが生じ、このガスによりエミッタコーン
とゲート電極あるいはアノード間に放電が生じることが
あり、このため大電流がカソードに流れてカソードが破
壊されることがある。
【0012】さらに、複数のエミッタコーンの中には製
造ばらつき等によって電子が放出されやすいものが存在
することがあるため、その電子が放出されやすいエミッ
タコーンから集中して電子が放出され、電流量の変動が
かなりおおきくなってしまう。
【0013】上述の図6に示したようにカソード1とエ
ミッタコーン5との間にエミッタ形成領域16の外周縁
に沿って一定の幅を有する抵抗体3を形成するものにお
いては、エミッタコーン5の中の1つが形状の不均一性
から異常に多い電子を放出し始めると、ゲート電極2と
カソード1間では抵抗体3による電圧降下が生じるよう
になる。この電圧降下により、異常に多い電流を放出し
ようとするとエミッタコーンの印加電圧が放電電流に応
じて下げられるために、電子放出が抑制され、各エミッ
タコーン5では安定した電子放出が行われるようにな
り、カソード1が破壊されることを防ぐことができる。
【0014】上述したミクロンオーダーサイズの電界放
出型冷陰極の他の例として、特開平7-94076号公報に
は、エミッタとカソードとの間に、エミッタとゲートと
の短絡時に溶断される抵抗層の上に絶縁層を設けて、溶
解飛散物が原理的に飛散しないようにしたものが開示さ
れている。この電界放出型冷陰極のカソード導体の部分
形状を図7に示す。
【0015】図7において、カソード1には複数の中抜
き部6が設けられており、各中抜き部6に矩形状の抵抗
体3が配置されている。抵抗体3は周囲に8本の端子部
7を備え、これら端子部7により抵抗体3とカソード1
とが電気的に接続されている。この抵抗体3上には、複
数のエミッタコーン5を有する電界放出型冷陰極が形成
される。
【0016】図8は、図7に示す抵抗体3上に電界放出
型冷陰極が形成された状態のB−B断面図である。同図
では、絶縁基板9の上にカソード1が形成され、このカ
ソード1に形成された中抜き部6の部分に、端部(端子
部7)がカソード1に架かるように抵抗体3が形成され
ている。そして、抵抗体3上には絶縁層10を介してゲ
ート電極2が形成されており、このゲート電極2と絶縁
層10に設けられた複数の開口部8内にはエミッタコー
ン5がそれぞれ形成されている。また、カソード1上に
も絶縁層10を介してゲート電極2が形成されている。
【0017】この電界放出型冷陰極では、エミッタコー
ン5とゲート電極2とが短絡した場合は、抵抗体3の外
周縁に設けられた端子部7を溶断させてエミッタ形成領
域が完全に分離される。このように端子部7がヒューズ
の役目を果たし、複数のエミッタ形成領域に対して一部
分の不具合が発生してエミッタが破壊されても機能する
ものとなっている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の電界放出型冷陰極には、それぞれ以下のような
問題がある。
【0019】(1)特開平7-282716号公報に記載のもの カソードの破壊が生じる電圧(破壊電圧)と抵抗値とは
図9に示すような比例関係にあり、例えば電界放出型冷
陰極の破壊電圧を100V以上確保しようとすると、5
0kΩ以上の抵抗値を得ることが必要となることが実験
的に分かっている。
【0020】しかし、抵抗体の形成に際しては次のよう
な条件がある。放電保護のための抵抗体の寸法条件とし
て図10に示すような抵抗値Rと抵抗長Lの関係があ
り、さらには、抵抗形成の製造条件として図11に示す
ような層抵抗とイオン注入量の関係がある。ここで、図
11に示す不純物濃度は図10に示す抵抗長Lと対応し
ている。
【0021】そのため、50kΩ以上の抵抗値を得よう
とすると、図10および図11から分かるように抵抗長
Lを5μmとする必要があり、この場合には、イオン注
入量が1014cm-2の高抵抗率の高抵抗層領域を用いて
抵抗を形成することになり、不純物濃度の低い、ばらつ
きの多いものとなってしまう。
【0022】なお、イオン注入量が106cm-2の不純
物濃度の高い低抵抗率の低抵抗層領域を用い、抵抗長L
を100μmに延ばして抵抗値を高くすることも考えら
れるが、抵抗体がエミッタ形成領域外周部に外周縁に沿
って一定の幅で形成されるものでは、抵抗体は抵抗長L
の依存性がないので、抵抗長Lを100μmに延ばして
も抵抗値を高くすることはできない。
【0023】(2)特開平7-94076号公報に記載のもの 図8に示す抵抗層四隅に細幅の端子が形成された抵抗体
は、エミッタ形成領域の破壊を防止するためのものでは
なく、ヒューズとして用いられる構成となっている。こ
のような構成では、抵抗体は短絡電流が流れた場合に次
々に溶断させる必要があるため、かなり細い幅にパター
ニングする必要がある。このように細い幅にパターニン
グする必要のある抵抗体を放電保護のために使用する
と、抵抗率の高い抵抗層を用いることが必要になり、抵
抗値の再現性が悪く、安定性のないものになってしま
う。
【0024】本発明の目的は、上記各問題を解決し、低
低効率で高抵抗の抵抗体を形成することにより、破壊保
護やエミッション特性に必要な抵抗値を制御良く、また
再現性良く得る電界放出型冷陰極を提供することにあ
る。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の電界放出型冷陰極は、カソードとなる導電
性基板上に第1の絶縁層を介して抵抗層が形成され、該
抵抗層上に第2の絶縁層を介してゲート電極が形成され
るとともにその一部に複数の開口部が形成され、これら
開口部内の前記抵抗層上にそれぞれ円錐状のエミッタコ
ーンが形成された電界放出型冷陰極であって、前記抵抗
層は前記エミッタコーンが形成されるエミッタ形成領域
と該エミッタ形成領域の外周縁に沿って均等に配置され
た複数の同形状の抵抗体部とからなり、各抵抗体部がそ
れぞれ前記導電性基板と電気的に接続されていることを
特徴とする。
【0026】上記の場合、前記エミッタコーンの最外周
に位置するエミッタコーンの配置が前記抵抗層の各抵抗
体部に対して、各抵抗体部の導電性基板との接続端から
の距離によって決まる抵抗長が均等になるように構成し
てもよい。
【0027】さらに、前記エミッタ形成領域は略十字状
の形状で、それぞれの端部の形状が矩形状をしており、
各端部間の辺部が所定の曲率の曲線を有するものであっ
てもよい。この場合、前記エミッタ形成領域の端部のそ
れぞれに矩形状の抵抗体を形成した構成としてもよい。
さらに、前記矩形状の抵抗体をテーパー状に形成しても
よい。
【0028】さらに、前記エミッタ形成領域は円盤状に
形成され、該エミッタ形成領域の中央を中心として、エ
ミッタコーンが同心円状に形成された構成としてもよ
い。
【0029】さらに、前記エミッタ形成領域は長方形あ
るいは正方形の形状で、該エミッタ形成領域の中央を対
称中心として、対向する各辺に対してエミッタコーンが
対称に配置された構成としてもよい。
【0030】上述のいずれかの電界放出型冷陰極におい
て、前記抵抗層は、不純物のイオン注入量が1016cm
-2以上の低低効率層としてもよい。この場合、前記不純
物が、リン、ボロン、砒素、アンチモンのいずれであっ
てもよい。
【0031】上記のとおりの本発明によれば、破壊保護
やエミッション特性に必要な抵抗層は、エミッタ形成領
域の外周縁に沿って複数の抵抗体部が均等に配置された
構成となっており、抵抗体部の抵抗幅(W)および抵抗
長(L)を変えることにより所望の抵抗を得ることがで
きるので、抵抗層に低低効率で高抵抗のものを使用で
き、破壊保護やエミッション特性に必要な抵抗値が制御
良く、また再現性良く得られる。
【0032】最外周に位置するエミッタコーンの配置が
抵抗層の各抵抗体部に対して抵抗長が均等になるように
構成されたものにおいては、エミッタ形成領域外周に形
成した抵抗に対する中心部と周辺部とのエミッタコーン
の距離差がないので、ゲート電極とカソード間において
抵抗体による電圧降下が生じることもない。このように
ゲート電極とカソード間において抵抗層の全体的な抵抗
のバランスが均等になっているものにおいては、放電電
流により抵抗体が溶断されることはない。
【0033】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0034】図1は本発明の電界放出型冷陰極の一実施
形態を示す平面図で、図2は図1のA−A断面図であ
る。
【0035】カソードとなる例えば単結晶シリコン(S
i)からなる導電性基板11表面には、熱酸化法により
酸化シリコン(SiO2)からなる絶縁層13が形成さ
れ、さらにリソグラフィ技術およびRIE()技術など
のドライエッチング技術によりカソードの給電部12a
となる部分的に酸化していないコンタクト部12bが4
箇所において形成されている。
【0036】絶縁層13およびコンタクト部12bが形
成され面上には、CVD法により例えばポリシリコン
(Poly−Si)からなる抵抗層14が形成されてい
る。この抵抗層14には低抵抗率とするためにリン(も
しくは、ボロン、砒素、アンチモン等でもよい)の不純
物がイオン注入量1016cm-2程度注入されており、層
抵抗は例えば100kΩ/□となっている。また、この
抵抗層14は、絶縁層13上に位置する部分にエミッタ
コーン5が形成されるエミッタ形成領域15を有し、そ
のエミッタ形成領域15の中央を対称中心としてその領
域の外周縁に対向配置された4つの抵抗体15’が形成
されている。エミッタ形成領域15は略十字状の形状
で、端部の形状が矩形状で、各端部間の辺部が所定の曲
率(後述する抵抗長Lの均等配置に応じて決まる)の曲
線を有している。このエミッタ形成領域15の各端部に
は、矩形状の抵抗体15’が形成されている。この十字
状に形成された抵抗層14は、各端部(図1の17)近
傍においてコンタクト部12b(すなわち、電極の供給
部12a)を介して導電性基板11(カソード)に電気
的に接続されている。ここでは、抵抗層14は、50k
Ωの抵抗値となるように例えば抵抗幅Wが5μm、抵抗
長Lが10μmの形状にエッチングによりパターニング
されている。このパターニングの際、エミッタ形成領域
15と抵抗領域17とは同時に形成される。
【0037】抵抗層14が形成された面上には、全面に
CVD法により窒化シリコン(Si xy)または酸化シ
リコン(Six(1-x))からなる絶縁層10が形成され
ており、この絶縁層10上には例えばスパッタ法により
タングステン・シリサイド(WSi)またはタングステ
ン(W)などの導電性材料からなるゲート電極2が形成
されている。これら絶縁層10およびゲート電極2には
抵抗層14の表面まで貫通する円柱状の開口部8が複数
形成されており、これら開口部8内の抵抗層14面上に
蒸着法により例えばモリブデン(Mo)などの高融点金
属または高融点金属混合物からなる円錐状のエミッタコ
ーン5が形成されている。ここで、空洞部8はフォトレ
ジスト技術およびRIEなどのドライエッチング技術ま
たはウェットエッチング技術により形成できる。
【0038】このエミッタコーン5の形成では、最外周
に位置するエミッタコーン5の配置が抵抗層14の各端
部(抵抗体15’)に対して、各端部(抵抗体15’)
のコンタクト部12bとの接続端からの距離(抵抗長
L)が均等になるような配置となっている。このよな配
置に形成することにより、エミッタ形成領域外周に形成
した抵抗に対する中心部と周辺部とのエミッタコーン5
の距離差がなくなり、その結果、電圧降下の影響を除く
ことが可能となる。
【0039】上述のように構成された電界放出型冷陰極
では、前述した従来のものの場合と同様、カソード1と
ゲート電極2との間に所定の電圧を印加することで、エ
ミッタ形成領域内のエミッタコーン5にその所定の電圧
が印加され、各エミッタコーン5からトンネル効果によ
って電子が放出される。
【0040】本形態では、エミッタ形成領域15の外周
縁に形成された抵抗体15’は均等に配置されており、
ゲート電極2とカソード1間において抵抗層14の全体
的な抵抗のバランスが均等になるように構成されている
ので、放電電流により抵抗体が溶断されることもない。
【0041】また、抵抗層14はエミッタ形成領域15
と抵抗体15’とからなり、エッチングによるパターニ
ングで形成できることから、低抵抗率の抵抗層を用いて
破壊保護・エミッション特性に必要な高抵抗な抵抗層を
制御良く形成することができる。
【0042】さらに、絶縁層13を熱酸化法により形成
すれば、該絶縁層の厚みが導電性基板11方向に成長す
るので、CVD法などを用いた場合に比べてゲート電極
2を辺単に形成することができる。さらに、平坦化技術
を用いれば、より平坦なゲート電極2を形成できる。
【0043】さらに、図1に示した抵抗体15’を破線
で示すようなテーパー状に形成することにより、さらに
高抵抗な抵抗層14を得ることができる。この場合、テ
ーパー状の形状の範囲を制御することにより、抵抗層1
4の抵抗値を所望の値に設定可能である。
【0044】なお、上述の説明では、エミッタ形成領域
15の外周縁に抵抗体15’を4つ設けた構成のものに
ついて説明したが、エミッタ形成領域15の外周縁に均
等に配置されるのであれば、抵抗体15’の数はこれに
限定されるものではない。すなわち、抵抗体15’は複
数配置としてもよい。
【0045】<他の実施形態>上述の実施形態では、最
外周に位置するエミッタコーン5の配置が抵抗層14の
各端部に対して抵抗長Lが均等になるような配置となっ
ているが、このエミッタコーンの配置を抵抗層14の各
抵抗体に対して対称に配置しても電圧降下の影響を除く
ことが可能である。
【0046】例えば、図3に示すように、エミッタコー
ンを形成するエミッタ形成領域25を円盤状に構成し、
その中央を中心としてエミッタコーンを同心円的に配置
し、そのエミッタ形成領域25の外周縁に沿って4つの
抵抗体25’が均等に配置された構成とすることもでき
る。このような構成とすることにより、CRTの応用と
して集束電極18をエミッタ形成領域25の外周部に形
成した際にエミッタ形成領域25からアノードに向かっ
て放出される電子線の集束性を向上させることができ
る。
【0047】また、図4に示すようにエミッタコーンを
形成するエミッタ形成領域35を長方形あるいは正方形
の形状とし、該エミッタ形成領域35の中央を対称中心
として対向する各辺に対してエミッタコーンを対称に配
置し、その領域35の外周縁に沿って4つの抵抗体3
5’が均等に配置された構成とすることもできる。この
ような構成とすることにより、極薄型のディスプレイ装
置のスクリーン内部の画素領域としても用いることがで
きる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、低
低効率で層抵抗のばらつきの小さい高抵抗の抵抗体を形
成することができるので、破壊保護やエミッション特性
さらには再現性に優れた電界放出型冷陰極を提供でき
る。
【0049】さらに、抵抗層を構成するエミッタ形成領
域と抵抗体部とはエッチングによるパターニングで同時
に所望の形状に形成できることから、高抵抗な抵抗層を
制御良く形成することができ、製造上の歩留りの向上を
図ることができる。
【0050】また、最外周に位置するエミッタコーンの
配置が抵抗層の各抵抗体部に対して抵抗長が均等になる
ように構成されたものにおいては、ゲート電極とカソー
ド間において抵抗体による電圧降下が生じることがな
く、放電電流により抵抗体が溶断されることもないの
で、動作の安定性、信頼性の高い電界放出型冷陰極を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電界放出型冷陰極の一実施形態を示す
平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】他の実施形態を示す平面図である。
【図4】他の実施形態を示す平面図である。
【図5】特開平7-282716号公報に開示された従来の電界
放出型冷陰極の平面図である。
【図6】図5の断面を示す図である。
【図7】特開平7-94076号公報に開示された従来の電界
放出型冷陰極の平面図である。
【図8】図7のB−B断面図である。
【図9】電界放出型冷陰極における破壊電圧と抵抗値の
関係を示す図である。
【図10】電界放出型冷陰極に使用される抵抗体の抵抗
値と抵抗長の関係を示す図である。
【図11】電界放出型冷陰極に使用される抵抗体の層抵
抗値とイオン注入量の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 カソード 2 ゲート電極 3,15’,25’,35’ 抵抗体 4 導体部 5 エミッタコーン 6 中抜き部 7 端子部 8 開口部 9 絶縁基板 10,13 絶縁層 11 導電性基板 12a 給電部 12b コンタクト部 14 抵抗層 15,16,25,35 エミッタ形成領域 17 抵抗端部 18 集束電極

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カソードとなる導電性基板上に第1の絶
    縁層を介して抵抗層が形成され、該抵抗層上に第2の絶
    縁層を介してゲート電極が形成されるとともにその一部
    に複数の開口部が形成され、これら開口部内の前記抵抗
    層上にそれぞれ円錐状のエミッタコーンが形成された電
    界放出型冷陰極であって、 前記抵抗層は前記エミッタコーンが形成されるエミッタ
    形成領域と該エミッタ形成領域の外周縁に沿って均等に
    配置された複数の同形状の抵抗体部とからなり、各抵抗
    体部がそれぞれ前記導電性基板と電気的に接続されてい
    ることを特徴とする電界放出型冷陰極。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電界放出型冷陰極にお
    いて、 前記エミッタコーンの最外周に位置するエミッタコーン
    の配置が前記抵抗層の各抵抗体部に対して、各抵抗体部
    の導電性基板との接続端からの距離によって決まる抵抗
    長が均等になるように構成されたことを特徴とする電界
    放出型冷陰極。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の電界放出型冷陰極にお
    いて、 前記エミッタ形成領域は略十字状の形状で、それぞれの
    端部の形状が矩形状をしており、各端部間の辺部が所定
    の曲率の曲線を有することを特徴とする電界放出型冷陰
    極。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の電界放出型冷陰極にお
    いて、 前記エミッタ形成領域の端部のそれぞれに矩形状の抵抗
    体を形成したことを特徴とする電界放出型冷陰極。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の電界放出型冷陰極にお
    いて、 前記矩形状の抵抗体をテーパー状に形成したことを特徴
    とする電界放出型冷陰極。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の電界放出型冷陰極にお
    いて、 前記エミッタ形成領域は円盤状に形成され、該エミッタ
    形成領域の中央を中心として、エミッタコーンが同心円
    状に形成されていることを特徴とする電界放出型冷陰
    極。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の電界放出型冷陰極にお
    いて、 前記エミッタ形成領域は長方形あるいは正方形の形状
    で、該エミッタ形成領域の中央を対称中心として、対向
    する各辺に対してエミッタコーンが対称に配置されたこ
    とを特徴とする電界放出型冷陰極。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載
    の電界放出型冷陰極において、 前記抵抗層は、不純物のイオン注入量が1016cm-2
    上の低低効率層であることを特徴とする電界放出型冷陰
    極。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の電界放出型冷陰極にお
    いて、 前記不純物が、リン、ボロン、砒素、アンチモンのいず
    れかであることを特徴とする電界放出型冷陰極。
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