JPH0794075A - 電界放出カソード素子 - Google Patents

電界放出カソード素子

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JPH0794075A
JPH0794075A JP5260389A JP26038993A JPH0794075A JP H0794075 A JPH0794075 A JP H0794075A JP 5260389 A JP5260389 A JP 5260389A JP 26038993 A JP26038993 A JP 26038993A JP H0794075 A JPH0794075 A JP H0794075A
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JP
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emitter
gate
layer
insulating layer
field emission
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JP5260389A
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Shigeo Ito
茂生 伊藤
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Futaba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エミッタとゲートとの短絡時にエミッタ毎に
分離独立できると共に、短絡時に溶解飛散物が原理的に
飛散しない電界放出カソード素子を提供すること。 【構成】 基板1上には、カソード2および抵抗層3が
形成され、さらに、その上に絶縁層4およびゲート5が
形成されている。そして、ゲート6および絶縁層4に開
口された開口部14内にはエミッタ6が設けられている
が、このエミッタ6と抵抗層3との間にはアルミニウム
からなる通電絶縁層7が設けられている。この通電絶縁
層7はエミッタ6とゲート5との短絡時に、エレクトロ
マイグレーション現象により絶縁状態とされて、短絡さ
れたエミッタのみを絶縁分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコールドカソードとして
知られている電界放出カソードの改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】金属または半導体表面の印加電界を10
9 [V/m]程度にするとトンネル効果により、電子が
障壁を通過して常温でも真空中に電子放出が行われるよ
うになる。これを電界放出(Field Emission)と云い、
このような原理で電子を放出するカソードを電界放出カ
ソード(以下、FECと記す)と呼んでいる。近年、半
導体集積化技術を駆使して、ミクロンサイズのFECを
作ることが可能となり、その一例としてスピント(Spin
dt)型と呼ばれるFECの製造プロセスを図7に示す。
【0003】まず、図7(a)に図示するように、ガラ
ス等の基板101上に、金属層からなるカソード10
2、アモルファスシリコン等からなる抵抗層103、シ
リコンを熱酸化させて形成した絶縁層(SiO2 層)1
04、及び、ニオブ等の金属層からなるゲート105を
蒸着等により順次形成する。さらに、ゲート105上に
フォトレジスト106を塗布した後、同図(b)に示す
ようにパターニングする。このパターニングを行った
後、エッチングを行い、同図(c)に示すようにゲート
105及び絶縁層104に開口部107を形成する。
【0004】次に、フォトレジスト106を除去し、同
図(d)に示すように基板101を回転させながら、基
板面に対して斜め方向からアルミニウムを回転蒸着させ
ることにより剥離層109の蒸着を行う。すると、剥離
層109は開口部107の中には蒸着されずにゲート1
05の表面にのみ選択的に蒸着されるようになる。さら
に、この剥離層109の上から、モリブデンを堆積させ
ると、同図(e)に示すように剥離層109の上に堆積
層110が、エッチングによりあけた開口部107の中
に、エミッタ堆積層111がコーンの形状で堆積する。
この後、ゲート105上の剥離層109及び堆積層11
0をエッチングにより除去すると同図(f)に示すよう
な構造のFECが得られる。
【0005】図7(f)に示すFECは、半導体集積化
技術を用いて製作すると、コーン状のエミッタ111と
ゲート105との距離をサブミクロンとすることが出来
るため、エミッタ111とゲート105間に数10ボル
トの電圧を印加することによりエミッタ111から電子
を放出させることが出来るようになる。なお、基板10
1上に図7の(f)で示したような構造のFECを多数
集積化する場合に、各エミッタ111間のピッチは5ミ
クロンないし10ミクロンとして製作することが出来る
ため、数万から数10万個のFECを1枚の基板上に設
けることが出来る。このように、面放出型のFECを製
作することが可能となっており、このFEC素子は蛍光
表示装置、CRT、電子顕微鏡や電子ビーム装置に適用
することが提案されている。
【0006】図8に、このような面放出型のFEC素子
の斜視図を示す。この図において、基板101上にカソ
ード102が形成されており、このカソード102の上
には抵抗層103が形成されている。そして、この抵抗
層103上にコーン状のエミッタ111が形成されてい
る。さらに、カソード102上に絶縁層104を介して
ゲ−ト105が設けられており、ゲート105に設けら
れた丸い開口部107からコーン状のエミッタ111の
先端部分が臨んでいる。
【0007】このように形成された面放出型のFECに
おいて、ゲート105とカソード102との間に数十ボ
ルトの駆動電圧VGEを印加すると、エミッタ111から
電子が放出され、エミッタ111から放出された電子
は、ゲート105上に離隔して配置され、アノード電圧
A の印加されたアノード112により捕集される。こ
の場合、アノード112上に蛍光体を設けておくと、ア
ノード112に捕集された電子により蛍光体を発光させ
ることができる。なお、FEC素子は電子の走行が空間
中であるため、その動作は真空の環境中で行われるよう
になされている。
【0008】ところで、エミッタ111とカソード10
2との間に抵抗層102を設ける理由は次の通りであ
る。一般的なFECにおいてはコーン状のエミッタの先
端とゲートとの距離がサブミクロンという極めて短い距
離とされていると共に、数万ないし数十万個のエミッタ
が一枚の基板上に設けられるため、製造の過程において
塵埃等によりエミッタとゲートとが短絡してしまうこと
がある。このように、ゲートとエミッタとのひとつでも
短絡していると、カソードとゲートとが短絡したことに
なるため、すべてのエミッタに電圧が印加されなくなり
動作不能のFEC素子となってしまっていた。
【0009】また、FECの初期の作動時に局部的な脱
ガスが生じ、このガスによりエミッタとゲートあるいは
アノード間が放電を起こすことがあり、このため大電流
がカソードに流れてカソードが破壊されることがあっ
た。さらに、多数のエミッタのうち電子の放出されやす
いエミッタが存在するため、このエミッタから集中して
放出された電子により、画面上に異常に明るいスポット
が発生することもあった。
【0010】そこで、図7,図8に示すように、カソー
ド102とエミッタ111との間に抵抗層103を形成
すると、エミッタ111とゲート105とが短絡した場
合には、ゲート105とカソード102間には抵抗層1
03による電圧降下が生じるようになる。この電圧降下
による電圧は、短絡されていないエミッタを有するゲー
ト105・カソード102間に印加されるようになり、
短絡しているエミッタ以外のエミッタからは、電子を放
出することができるようになる。さらに、抵抗層103
によりカソード102に流れる短絡電流が抑制されるた
め、カソード102が破壊されることがない。
【0011】また、あるエミッタ111に電流が集中し
て流れた場合は、そのエミッタ111に設けられた抵抗
層103の電圧降下が大きくなるため、そのエミッタ電
位が上昇し、そのゲート・カソード間の電圧が下降する
ようになる。そのため、エミッタ電流が低下しエミッタ
電流の集中を防止することができるようになる。したが
って、抵抗層103を設けることにより、FEC素子の
製造上の歩留りの向上および、FEC素子の安定な動作
を確保することができるようになる。しかしながら、図
7,図8に示すFEC素子では抵抗層を基板全面に設け
ているため、エミッタ間を分離独立して動作させること
が困難となり、クロストークを発生しやすくなる。この
クロストークはFEC素子を用いた表示装置において
は、漏れ発光として現れるようになる。
【0012】そこで、短絡時にエミッタ毎に分離独立で
きるFEC素子が図9に示すように提案されている(特
開平4−284324号公報参照)。この図において、
シリコン基板120上に絶縁層121が形成されてお
り、その上には中央に開口部123を有するゲート12
2が複数形成され、このゲート122は挟幅の可溶抵抗
体126を介して、ゲートライン125にそれぞれ接続
されている。また、開口部123内にはコーン状のエミ
ッタ124がそれぞれ形成されている。このように形成
されたFECにおいて、エミッタ124とゲート122
とが短絡すると、短絡電流が可溶抵抗体126に流れ
て、この可溶抵抗体126にジュール熱が発生するた
め、可溶抵抗体126は瞬時に溶断するようになる。従
って、短絡を起こしたゲート122は給電ラインである
ゲートライン125から切り離されるため、その動作は
停止されるが、短絡していない他のFECには給電され
て正常な動作することができるようになる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図9に
示す構造のFECにおいては、可溶抵抗体が溶断したと
きに、溶解飛散物が真空中に放出され、この溶解飛散物
が真空中を飛来して他の正常なFECの開口部に侵入す
ることにより、新たな短絡欠陥を引き起こし易いという
問題点があった。また、前記したようにエミッタとゲー
トとの間隔はサブミクロンオーダとして形成されてお
り、図9に示すようなサブミクロン以下の挟幅の可溶抵
抗体をゲート毎に形成することは技術上極めて困難であ
るという問題点もあった。そこで、本発明はエミッタと
ゲートとの短絡時にエミッタ毎に分離独立できると共
に、短絡時に溶解飛散物が原理的に飛散しない電界放出
カソードを提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明はエミッタとカソードとの間に、エミッタと
ゲートとの短絡時に絶縁状態とされると共に、溶解飛散
物が原理的に飛散しない通電絶縁層を設けるようにした
ものである。
【0015】
【作用】本発明によれば、短絡時にエミッタごとに絶縁
分離することができると共に、エミッタとゲートとの短
絡時に絶縁状態とされる通電絶縁層から、原理的に飛散
物が発生しないため、他の正常な素子を新たに2次破壊
させることを防止することができる。
【0016】
【実施例】本発明の電界放出カソード素子の第1実施例
の断面図を図1に示す。この図に示す電界放出カソード
素子において、基板1上には、カソード2および抵抗層
3が形成され、さらに、その上に絶縁層4およびゲート
5が形成されている。そして、ゲート6および絶縁層4
に開口された開口部14内にはコーン状のエミッタ6が
設けられているが、このエミッタ6と抵抗層3との間に
は通電絶縁層7が設けられている。なお、基板1の材料
としては、ガラス,シリコンあるいはセラミックを用い
ることができ、上記通電絶縁層7は、例えばアルミニウ
ムを材料として形成されているが、銀を材料として形成
してもよい。また、抵抗層3は、例えばアモルファスシ
リコンあるいは酸化タンタル(Ta2O 5)により形成さ
れ、他の部分は従来と同一の材料を用いて形成されてい
る。
【0017】この電界放出カソード素子を製作するに
は、図7に示す従来の製作工程において、剥離層を例え
ばニッケルを材料として形成し、その上に基板垂直方向
からアルミニウムを蒸着する工程を付加すればよい。す
ると。ゲート上および開口部内のカソード上にアルミニ
ウムからなる薄膜層が蒸着されるようになる。そして、
ゲート上に形成されたアルミニウムの薄膜層はニッケル
の剥離層と共に除去されるようになり、カソード上に形
成されたアルミニウムの薄膜層上にはコーン状のエミッ
タが形成される。従って、アルミニウムの薄膜を通電絶
縁層とするFEC素子を製作することができる。
【0018】このようにして、製作したFEC素子の斜
視図を図2に示す。この図に示すように、基板1上にカ
ソード102が形成されており、このカソード2の上に
は抵抗層3が形成されている。そして、この抵抗層3上
に通電絶縁層7を介してコーン状のエミッタ6が形成さ
れている。さらに、カソード2上に絶縁層4を介してゲ
−ト5が設けられており、ゲート5に設けられた丸い開
口部14からコーン状のエミッタ7の先端部分が臨んで
いる。このように形成された面放出型のFECにおい
て、ゲート5とカソード2との間に数十ボルトの駆動電
圧12(VGE)を印加すると、エミッタ6から電子が放
出され、エミッタ6から放出された電子は、ゲート5上
に離隔して配置され、アノード電圧13(VA )の印加
されたアノード11により捕集される。この場合、アノ
ード11上に蛍光体を設けておくと、アノード11に捕
集された電子により蛍光体を発光させることができる。
【0019】なお、FEC素子においては電子は空間中
を走行するため、その空間は真空とされている。このF
EC素子の場合、エミッタ6とゲート5が短絡すると、
上記通電絶縁層7に短絡電流が流れてジュール熱が発生
する。この状態で短絡電流が流れ続けると、通電絶縁層
7を形成するアルミニウムが抵抗層3中にエレクトロマ
イグレーションされるようになる。すると、この通電絶
縁層7中にボイド層が形成されるようになり、通電絶縁
層7と抵抗層3との接触抵抗が急激に上昇するようにな
る。このため、短絡を起こしたエミッタが見かけ上絶縁
分離されるようになり、この欠陥部が他のエミッタの動
作に影響を与えないようになる。このように、第1実施
例による電界放出カソード素子によれば、短絡電流が流
れた時に、原理的に物質が飛散しないため他の正常なF
ECに2次欠陥を引き起こすことが防止される。
【0020】次に、本発明の電界放出カソード素子の第
2実施例を図3に示す。この図に示す電界放出カソード
素子において、基板1上には、カソード2および抵抗層
3が形成され、さらに、その上に絶縁層4およびゲート
5が形成されている。そして、ゲート5および絶縁層4
に開口された開口部14内にはエミッタ6が設けられて
いるが、このエミッタ6と抵抗層3との間には2酸化マ
ンガン(MnO2 )層8が設けられている。なお、基板
1の材料としては、ガラス,シリコンあるいはセラミッ
クを用いることができる。また、抵抗層3は、例えばア
モルファスシリコンあるいは酸化タンタル(Ta2O 5
により形成され、他の部分は、従来と同一の材料を用い
て形成されている。
【0021】この電界放出カソード素子を製作するに
は、図7に示す従来の製作工程において、剥離層を形成
した後、その上から2酸化マンガン層を形成する工程を
付加すればよい。すると、剥離層上および開口部内のカ
ソード上に2酸化マンガン層からなる薄膜層が形成され
るようになる。そして、剥離層上に形成された薄膜層は
剥離層と共に除去されるようになり、カソード上に形成
された薄膜層上にはコーン状のエミッタが形成される。
従って、2酸化マンガン層の上にエミッタの形成された
FEC素子を製作することができる。
【0022】このようにして、製作したFEC素子の斜
視図を図4に示す。この図に示すように、基板1上にカ
ソード102が形成されており、このカソード2の上に
は抵抗層3が形成されている。そして、この抵抗層3上
に2酸化マンガン層8を介して、コーン状のエミッタ6
が形成されている。さらに、カソード2上に絶縁層4を
介してゲ−ト5が設けられており、ゲート5に設けられ
た丸い開口部7からコーン状のエミッタ7の先端部分が
臨んでいる。
【0023】このように形成された面放出型のFECに
おいて、ゲート5とカソード2との間に数十ボルトの駆
動電圧12(VGE)を印加すると、エミッタ6から電子
が放出され、エミッタ6から放出された電子は、ゲート
5上に離隔して配置され、アノード電圧13(VA )の
印加されたアノード11により捕集される。この場合、
アノード11上に蛍光体を設けておくと、アノード11
に捕集された電子により蛍光体を発光させることができ
る。なお、FEC素子においては電子は空間中を走行す
るため、その空間は真空とされている。
【0024】この場合、エミッタ6とゲート5とが短絡
すると、短絡電流が2酸化マンガン層8に流れるように
なり、ジュール熱が発生されるため、2酸化マンガンが
分解して酸素を放出するようになる。この酸素は、その
周囲を酸化して絶縁体とするため、短絡したエミッタは
見かけ上絶縁分離されるようになり、この欠陥部が他の
エミッタの動作に影響を与えないようになる。このよう
に、第2実施例による電界放出カソード素子においては
2酸化マンガン層が通電絶縁層とされ、短絡電流が流れ
た時に、原理的に物質が飛散しないため他の正常なFE
Cに2次欠陥を引き起こすことが防止される。
【0025】さらに、本発明の電界放出カソード素子の
第3の実施例を図5に示す。この図に示す電界放出カソ
ード素子において、基板1上には、カソード2および抵
抗層3が形成され、さらに、その上に絶縁層4およびゲ
ート5が形成されている。そして、ゲート5および絶縁
層4に開口された開口部14内にはエミッタ6が設けら
れているが、このエミッタ6はP型セレン層9およびN
型セレン層10を介して抵抗層3の上に形成されてい
る。なお、基板1の材料としては、ガラス,シリコンあ
るいはセラミックを用いることができる。また、抵抗層
3は、例えばアモルファスシリコンあるいは酸化タンタ
ル(Ta2O 5)により形成され、他の部分は、従来と同
一の材料を用いて形成されている。
【0026】この電界放出カソード素子を製作するに
は、図7に示す従来の製作工程において、剥離層を形成
した後、その上からカドミウムやビスマス等を混合また
は共蒸着したN型セレン層を形成する。さらに、その上
にP型セレンの半導体を形成すると、剥離層上および開
口部内のカソード上にセレンのP−N接合が形成される
ようになる。そして、剥離層上に形成されたP−N接合
は剥離層と共に除去されるようになり、カソード上に形
成されたP−N接合上にはコーン状のエミッタが形成さ
れるようになる。従って、セレンのP−N接合の上にエ
ミッタの形成されたFEC素子を製作することができ
る。
【0027】このようにして、製作したFEC素子の斜
視図を図2に示す。この図に示すように、基板1上にカ
ソード102が形成されており、このカソード2の上に
は抵抗層3が形成されている。そして、この抵抗層3上
にN型セレン層10およびP型セレン層9からなるP−
N接合層が形成され、この上にコーン状のエミッタ6が
形成されている。さらに、カソード2上に絶縁層4を介
してゲ−ト5が設けられており、ゲート5に設けられた
丸い開口部7からコーン状のエミッタ7の先端部分が臨
んでいる。
【0028】このように形成された面放出型のFECに
おいて、ゲート5とカソード2との間に数十ボルトの駆
動電圧12(VGE)を印加すると、エミッタ6から電子
が放出され、エミッタ6から放出された電子は、ゲート
5上に離隔して配置され、アノード電圧13(VA )の
印加されたアノード11により捕集される。この場合、
アノード11上に蛍光体を設けておくと、アノード11
に捕集された電子により蛍光体を発光させることができ
る。なお、FEC素子においては電子は空間中を走行す
るため、その空間は真空とされている。
【0029】この場合、エミッタ6とゲート5とが短絡
すると、過大な短絡電流がセレンのP−N接合9,10
に流れるようになり、このP−N接合が破壊される。す
ると、セレンのP−N接合の破壊部分に絶縁層が形成さ
れるようになるため、短絡したエミッタは見かけ上絶縁
分離されるようになり、この欠陥部が他のエミッタの動
作に影響を与えないようになる。このように、第3実施
例による電界放出カソード素子においてはセレンのP−
N接合が通電絶縁層とされ、短絡電流が流れた時に、原
理的に物質が飛散しないため他の正常なFECに2次欠
陥を引き起こすことが防止される。
【0030】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、短
絡時にエミッタごとに絶縁分離することができると共
に、エミッタとゲートとの短絡時に絶縁状態とされる通
電絶縁層から、原理的に飛散物が発生しないため、他の
正常な素子を新たに2次破壊させることを防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の電界放出カソード素子の
断面図である。
【図2】本発明の第1実施例の電界放出カソードの斜視
図である。
【図3】本発明の第2実施例の電界放出カソード素子の
断面図である。
【図4】本発明の第2実施例の電界放出カソードの斜視
図である。
【図5】本発明の第3実施例の電界放出カソード素子の
断面図である。
【図6】本発明の第3実施例の電界放出カソードの斜視
図である。
【図7】スピント型電界放出カソードの製作工程を示す
図である。
【図8】スピント型電界放出カソードの斜視図である。
【図9】従来の電界放出カソードの斜視図である。
【符号の説明】
1,101 基板 2,102 カソード 3,103 抵抗層 4,104,121 絶縁層 5,105,122 ゲート 6,111,124 エミッタ 7 通電絶縁層 8 2酸化マンガン層 9 P型セレン層 10 N型セレン層 11,112 アノード 12,114 駆動電圧 13,113 アノード電圧 14,107,123 開口部 108 回転軸 109 剥離層 110 堆積層 120 シリコン基板 125 ゲートライン 126 可溶抵抗体

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カソード電極上に抵抗層を介して円錐状の
    エミッタを形成したスピント型の電界放出カソードにお
    いて、 前記エミッタとゲートとの短絡時に流れる短絡電流によ
    り絶縁状態とされる通電絶縁層が、前記抵抗層と前記エ
    ミッタとの間に形成されていることを特徴とする電界放
    出カソード素子。
  2. 【請求項2】前記通電絶縁層が、エレクトロマイグレー
    ション現象を引き起こす物質により形成されていること
    を特徴とする請求項1記載の電界放出カソード素子。
  3. 【請求項3】前記通電絶縁層が、エミッタ毎に分離して
    形成されていることを特徴とする請求項1あるいは2記
    載の電界放出カソード素子。
  4. 【請求項4】前記抵抗層が、アモルファスシリコンもし
    くは酸化タンタルにより形成されていることを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の電界放出カソー
    ド素子。
  5. 【請求項5】前記通電絶縁層がアルミニウムあるいは銀
    により形成されていることを特徴とする請求項1ないし
    4のいずれかに記載の電界放出カソード素子。
  6. 【請求項6】前記通電絶縁層が2酸化マンガンにより形
    成されていることを特徴とする請求項1,3,4のいず
    れかに記載の電界放出カソード素子。
  7. 【請求項7】前記通電絶縁層がセレンのp−n接合によ
    り形成されていることを特徴とする請求項1,3,4の
    いずれかに記載の電界放出カソード素子。
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