JP2890876B2 - 感光体 - Google Patents

感光体

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JP2890876B2
JP2890876B2 JP6296491A JP6296491A JP2890876B2 JP 2890876 B2 JP2890876 B2 JP 2890876B2 JP 6296491 A JP6296491 A JP 6296491A JP 6296491 A JP6296491 A JP 6296491A JP 2890876 B2 JP2890876 B2 JP 2890876B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規アゾ顔料を感光層に
含む感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来感光体としては無機光導電性物質を
主成分とする感光層を有するものと、有機光導電性物質
を主成分とする感光層を有するものとが知られている
が、無機系のものは毒性が強い、成膜性が乏しい、可撓
性に欠ける、製造コストが高い等の欠点を有している。
【0003】一方、ポリビニルカルバゾール系化合物に
代表される有機光導電性物質を感光体の感光層に用いる
研究が進み、すでに実用化されている。一般に有機光導
電性物質は無機光導電性物質に比べて透明性がよく、軽
量で成膜性に優れているが、感度、耐久性および環境変
化による安定性の点では劣っていた。そこで光導電性機
能における電荷発生機能と電荷輸送機能とを異なる物質
に個別に分担させるようにした高感度で繰り返し安定
性、耐久性に優れた機能分離型の感光体が開発された。
【0004】代表的な電荷発生材料としてはフタロシア
ニン顔料、シアニン顔料、縮合多環キノン顔料、ペリレ
ン誘導体等の有機顔料が知られている。これらと好適な
電荷輸送材料、例えば、アミン系化合物、ピラゾリン化
合物、オキサジアゾール化合物、カルバゾール化合物、
あるいはヒドラゾン化合物とを組み合わせることによっ
て作製された機能分離型の感光体においても未だ実用上
十分満足のいくものは得られていない。
【0005】近年、電荷発生材料として各種ビスアゾ顔
料を使用する技術が提案されており、例えば、特開昭5
4−79632号公報、特開昭57−176055号公
報には、化2に示されるカップラー成分がナフトール構
造を主体としたナフタル酸イミド系の(ビス)アゾ顔料を
含有する感光層を有する感光体が開示されている。
【0006】
【化2】
【0007】またビスアゾ顔料が電荷発生物質として効
果的に機能するためには螢光を示す構造を有することが
必要であるとされ、特開昭63−172166号公報に
は、下記一般式(II)で表されるような螢光性を有するア
ゾ顔料が開示されている。
【0008】
【化3】
【0009】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、上記
公報に記載の(ビス)アゾ顔料を含有するいずれの感光体
も、感度において必ずしも満足し得るものはなく、一層
の感度向上が望まれるところである。
【0010】したがって、本発明の目的は、有機感光体
用電荷発生材料として高感度の新規アゾ顔料を用いるこ
とにより、光感度に優れた感光体を提供することにあ
る。
【0011】
【問題を解決するための手段】本発明は、導電性支持体
上に感光層を有する感光体において、該感光層が下記一
般式(I)で表される新規のアゾ顔料を含有することを特
徴とする。
【0012】
【化4】
【0013】(式中、Rは 置換基を有してもよい炭化
水素基、Aは芳香族炭化水素の2価基または窒素原子を
環内に含む複素環の2価基を示し、Arは結合基を介し
て結合してもよい芳香族炭化水素基または複素環基を示
し、nは1、2、3または4の数を示す。)本発明に用
いられる一般式(I)のアゾ顔料の製法について以下に述
べる。
【0014】本発明のアゾ化合物は、例えば、下記一般
式(III−a)および(III−b)で表されるカップラー成分
と 一般式 Ar(NH2)n (式中、Arおよびnは前記と同義で表される芳香族をモ
ノ、ジ、トリまたはテトラアミン)のジアゾニウム塩と
のカップリング反応により合成することができる。この
ようなカップリング反応は、公知の方法に従い通常、水
及び/又はN,N−ジメチルホルムアミド等の有機溶媒
中、反応温度30〜25℃以下で1時間ないし10時間
程度反応させる。
【0015】
【化5】
【0016】(式中、AおよびRは前記と同義)前記一
般式(III−a)および(III−b)で表されるカップラー成
分は、例えば、下記に示す反応式(1)に従い、4−(4
−アルコキシフェニル)−5H−ピラン−2,6−ジオン
(IV)と芳香族ジアミン(V)をピリジン等の溶媒中にて加
温し、脱水縮合することにより得られる3−(4−アル
コキシフェニル)−1−オキソ−1H,5H−ピリド[1,
2−a]ベンズイミダゾール(VI)と無水酢酸とにより反
応式(2)に従って得られる(Dyes and Pigments),第4
巻、第35頁(1983)。
【0017】
【化6】
【0018】尚、上記の製法により得られるアゾ顔料は
下記に示す一般式(VII−a)、(VII−b)の異性体の混合
物が得られるが、本発明においてはいずれの異性体も使
用し得る。
【0019】
【化7】
【0020】本発明の感光体は、前記一般式(I)で表さ
れる電荷発生材料としてアゾ顔料を含有する感光層を有
したもので、下記に示すとおり種々の形態をとり得る。
【0021】例えば、導電性支持体上にアゾ顔料をバイ
ンダー樹脂あるいは電荷輸送媒体中に分散させてなる感
光層を設けた単層型感光体や、支持体上にアゾ顔料を主
成分とする電荷発生層を設け、その上に電荷輸送層を設
けた所謂積層型感光体であってもよい。
【0022】本発明の感光体が導電性支持体上に感光層
を形成した分散型の場合は、前記一般式(I)で表される
アゾ顔料を上記感光層中に含有させる。このような感光
体はアゾ顔料を結着剤樹脂とともに適当な溶剤中に溶解
あるいは分散し、必要に応じて電荷輸送材料を添加して
得られる塗布液を導電性支持体上に塗布、乾燥して感光
体を作製する。この時、感光層中におけるアゾ顔料の配
合割合については、少ない場合は十分な感度が得られ
ず、多い場合は帯電不良、成膜性不良等の問題を生じる
ため、光導電層のバインダー樹脂対して0.5〜50重
量%、より好ましくは、0.5〜5重量%配合するのが
好適である。また通常、感光層の膜厚は5〜30μm、
好ましくは6〜20μmとなるようにする。電気電荷輸
送材料の量は感光層中の結着樹脂に対して80重量%以
下、好ましくは25〜75重量%とするのが好適であ
る。
【0023】また、本発明の感光体において、導電性支
持体上に電荷発生層と電荷輸送層とを積層した機能分離
型である場合は、上記電荷発生層に一般式(I)で表され
る本発明のアゾ顔料を含有させる。このような感光体
は、導電性支持体上に、本発明のアゾ顔料を結着剤樹脂
を溶解させた溶液中に分散させて作製した塗布液を塗
布、乾燥して電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送材
料と結着剤樹脂とを適当な溶剤に溶解させた溶液を塗
布、乾燥して電荷輸送層を形成して作製する。この時、
電荷発生層の厚さは0.01〜5μm、好ましくは0.0
5〜2μmであり、アゾ顔料の含有量は電荷発生層の結
着剤樹脂に対して0.5〜50重量%、好ましくは0.5
〜5重量%である。また、電荷輸送層の厚さは2〜10
0μm、好ましくは10〜20μm、電荷輸送材料の量は
電荷輸送層の結着剤樹脂に対して10〜80重量%、好
ましくは25〜75重量%とする。
【0024】本発明の感光体に用いられる電荷輸送性物
質としては、例えば、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化
合物、トリフェニルアミン化合物、オキサジアゾール化
合物、トリフェニルメタン化合物、アントラセン誘導体
のポリエステル化合物等が挙げられる。具体的には、N
−エチルカルバゾール−3−アルデヒドメチルフェニル
ヒドラゾン(MPH)、ジエチルアミノベンズアルデヒド
ジフェニルヒドラゾン(DEH)等が挙げられる。
【0025】尚、電荷輸送材料がそれ自身バインダーと
して使用できる高分子電荷輸送材料である場合は他のバ
インダー樹脂を使用しなくてもよい。
【0026】ここで、上記のような感光体の製造に使用
するバインダー樹脂は電気絶縁性であり、単独で測定し
て1×1014Ω・cm以上の体積抵抗を有することが望ま
しい。具体的には、飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド
樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、スチレ
ン−ブタジエンブロック共重合体、ポリカーボネート、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロースエステ
ル、ポリイミド等の熱可塑性結着剤;エポキシ樹脂、ウ
レタン樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミ
ン樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、熱硬化性アク
リル樹脂等の熱硬化性結着剤;光硬化性樹脂;ポリ−N
−カルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアント
ラセン等の光導電性樹脂等があるが、これらに限定され
るものではない。
【0027】尚、本発明の感光体は導電性支持体上に電
荷輸送層と電荷発生層とをこの順序で積層したものであ
ってもよい。
【0028】また感光体の感光層表面に表面保護層を設
けたものや、導電性支持体上に中間層を設けたものであ
ってもよい。
【0029】ところで、一般式(I)においてRは置換基
を有してもよい炭化水素残基であるが、具体的にはメチ
ル基、エチル基、直鎖状ないしは分岐状のプロピル基、
ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基のようなアルキル
基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、ア
ルコキシカルボニルアルキル基、アシロキシアルコキシ
アルキル基、ヒドロキシアルコキシアルキル基、アルコ
キシアルコキシアルキル基、アリールオキシアルキル
基、アシロキシアルキル基、シアノアルキル基、アミノ
アルキル基、N'N−ジアルキルアミノアルキル基、ア
ルキルアミノアルキル基、ハロゲン化アルキル基、カル
ボキシアルキル基、モルホリノアルキル基、アルキルチ
オアルキル基、アリールチオアルキル基などのような置
換基を有するアルキル基、シクルロヘキシル基のような
シクロアルキル基、ベンジル基、フェネチル基のような
アラルキル基、フェニル基、クロルフェニル基、メトキ
シフェニル基、ニトロフェニル基、トリル基、キシリル
基、アルキルアミノフェニル基などのようなアリール基
が挙げられる。
【0030】一般式(I)中、Aは芳香族炭化水基2価
基、または、窒素原子を環内に含む複素環の2価基を表
す。芳香族炭化水の2価基としては、例えば、o −フェ
ニレン基等の単環式芳香族炭化水素の2価基、o −ナフ
チレン基、peri−ナフチレン基、1,2−アントラキノ
ニレン基、9,10−フェナントリレン基等の縮合多環
式芳香族炭化水素の2価基等が挙げられる。
【0031】また、窒素原子を環内に含む複素環に2価
基としては、例えば、3,4−ピラゾールジイル基、2,
3−ピリジンジイル基、4,3−ピリミジンジイル基、
6,7−イミダゾールジイル基、5,6−ベンズイミダゾ
ールジイル基、6,7−キノリンジイル基等の5〜10
員環の窒素原子を環内に含む複素環の2価基等が挙げら
れる。
【0032】感度、分光感度、繰り返し安定性等を考慮
した場合、アリール基、特にフェニル基、ナフチル基が
好ましい。本発明においてこれらの芳香族炭化水素の2
価基および窒素原子を環内に含む複素環の2価基は置換
基を有していてもよい。このような置換基としては、例
えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、n−ブチル基、i−ブチル基、n−ヘキシル基等の
アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、
ブトキシ基等のアルコキシ基;ヒドロキシ基;ニトロ
基;シアノ基;フッソ原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ
素原子等のハロゲン原子;カルボキシル基、エトキシカ
ルボニル基等のアルコキシカルボニル基;カルバモイル
基;フェノキシ等のアリーロキシ基;ベンジルオキシ基
等のアルアルコキシ基;フェニロキシカルボキシキ等の
アリーロキシカルボニル基等が挙げられる。中でもアル
キル基、アルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子、ヒド
ロキシ基、カルボキシル基、特に、メチル基、メトキシ
基、ニトロ基、塩素原子、ヒドロキシ基が好適である。
【0033】一般式(I)において、Arは1〜4価の結
合基を介して結合していてもよい芳香族炭化水素または
複素環基を示す。
【0034】芳香族炭化水素としては、例えば、フェニ
ル基、ナフチル基、1−ビニレン基、2−アントリル
基、5−アセナフテニル基等の単環式または縮合多環式
芳香族炭化水素の1価基;フェニレン基、1,3−また
は1,4−ナフチレン基、2,6−アントラキノレン基、
2,7−フルオレニレン基、ピレニレン基等の単環式ま
たは縮合多環式芳香族炭化水素の2価基;その他ビフェ
ニレン基等の2価基が挙げられる。結合基を介して結合
してもよい芳香族炭化水素基としては、下記一般式で(V
III)で表されるビスフェニレン基等の2価基;その他ト
リフェニルアミン、トリフェニルメタン、9−フェニル
フルオレン等から導かれた3価基等が挙げられる。
【0035】
【化8】
【0036】また複素環基としては、ナフトイレンベン
ズイミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンザオキ
サゾリル基、カルバゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キ
ノリル基等の9〜20員環の複素環の1価基;カルバゾ
ールジイル基、ベンゾチオフェンジイル基、ジベンゾキ
ノンジイル基、ジベンゾチオフェンジイル基、ベンゾチ
オフェンオキサイドジイル基等の9〜20員環の複素環
の2価基;N−フェニルカルバゾールトリイル基等の3
価基等が挙げられる。
【0037】本発明において、これら芳香族炭化水素基
および複素環基は置換基を有していてもよい。具体的に
は、ニトロ基;シアノ基、塩素原子、臭素原子等のハロ
ゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブ
チル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基等のアルコキシ基;フェニル基等のアリール
基;フェニルアミン基等のアリールアミノ基;フェノキ
シ基等のアリールオキシ基;スチリル基、ナフチルビニ
ル基等のアリールビニル基等が挙げられる。中でもニト
ロ基、シアノ基、メチル基、塩素原子、特にニトロ基、
シアノ基が好ましい。
【0038】次に本発明に用いられるビスアゾ顔料の代
表的な合成例を示す。
【0039】
【合成例】クエン酸25重量部を濃硫酸75重量部に室
温で30分程度良く撹拌した後、ゆっくり昇温し70℃
にて10〜15分程度反応させた。その際多量のCO2
が発生する。反応後室温に冷却し、アニソール10重量
部を加え室温にて2時間反応させた。反応液を150cc
の蒸留水に注下し、析出した結晶を濾取、冷蒸留水にて
pH〜7になるまで良く洗浄した後、蒸留水にて再結晶後
乾燥した。得られた結晶は淡黄色針状晶で175〜17
6℃で分解した。元素分析値および赤外吸収スペクトル
よりこの結晶は4−(4−メトキシフェニル)−グルタコ
ン酸であることがわかった。収量は3重量部、元素分析
値は下記の通りであった。
【0040】
【表1】
【0041】前記4−(4−メトキシフェニル)−グルタ
コン酸5重量部を無水酢酸15重量部に溶解撹拌し、無
水酢酸沸点下で25分間反応させた。反応後、室温に冷
却し、析出した結晶を濾取し、乾燥エーテルでよく洗浄
した後乾燥した。得られた結晶は淡黄褐色針状晶で16
0℃で融解した。元素分析値および赤外吸収スペクトル
よりこの結晶は4−(4−メトキシフェニル)−5H−ピ
ラン−2,6−ジオンであることがわかった。収量は4
重量部、元素分析値は下記の通りであった。
【0042】
【表2】
【0043】前記4−(4−メトキシフェニル)−5H−
ピラン−2,6−ジオン2重量部およびo−フェニレン
ジアミン1重量部を酢酸30重量部に溶解撹拌し、酢酸
沸点下で30分反応させた。反応後室温に冷却し析出し
た結晶を濾取し、メタノールで洗浄した後乾燥した。得
られた結晶は淡黄色板状晶で310℃で融解した。元素
分析値および赤外吸収スペクトルよりこの結晶は3−
(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−1H,5H−ピ
リド[1,2−a]ベンズイミダゾールであることがわか
った。収量は2.2重量部、元素分析値は下記の通りで
あった。
【0044】
【表3】
【0045】前記3−(4−メトキシフェニル)−1−オ
キソ−1H,5H−ピリド[1,2−a]ベンズイミダゾー
ル3重量部、および溶融酢酸ナトリウム3重量部を無水
酢酸30重量部に溶解撹拌し、無水酢酸沸点下で2時間
反応させた。反応後室温に冷却し、濾取した粗結晶を乾
燥後無水エタノールにて再結晶した。得られた結晶は、
無色針状晶で196℃で融解した。元素分析値および赤
外吸収スペクトよりこ結晶は2−アセチル−3−(4−
メトキシフェニル)−1−オキソ−1H,5H−ピリド
[1,2−a]ベンズイミダゾール、および4−アセチル
−3−(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−1H,5
H−ピリド[1,2−a]ベンズイミダゾールであること
がわかった。収量は2.4重量部、元素分析値は下記の
通りであった。
【0046】
【表4】
【0047】前記2−アセチル−3−(4−メトキシフ
ェニル)−1−オキソ−1H,5H−−ピリド[1,2−
a]ベンズイミダゾールおよび4−アセチル−3−(4−
メトキシフェニル)−1−オキソ−1H,5H−ピリド
[1,2−a]ベンズイミダゾール2.9重量部とジクロロ
ベンジジンのテトラフルオロボレート2.5重量部をN,
N−ジメチルホルムアミド(DMF)200mlに溶解し、
これに酢酸ナトリウム3gを水50mlに溶解した溶液を
10〜20℃にて約30分間で滴下した。滴下収量後室
温にて更に3時間撹拌した後析出した結晶を濾取した。
得られた粗結晶ケークをDMF400ml分散し、室温で
3時間撹拌した後再び濾取し、更にこの操作を2回繰り
返した後、結晶を水洗、乾燥した。得られた固体は濃紫
色を呈しており、300℃以下では分解しなかった。元
素分析値および赤外吸収スペクトルよりこのものは目的
のビスアゾ顔料と同定された。収量は2.0重量部、元
素分析値は下記の通りであった。
【0048】
【表5】
【0049】以下に本発明を実施例により具体的に説明
するがこれにより本発明の実施態様が限定されるもので
はない。
【0050】
【実施例】以後の実施例において用いられる本発明のア
ゾ顔料は上記合成例またはこれと類似の方法により合成
を行った。
【0051】実施例1〜16
【0052】
【化9】
【0053】上記一般式(IX)に相当する構造を有し、A
およびRが表1に示す1〜16であるような16通りの
ビスアゾ顔料を合成した。
【0054】上記のビスアゾ顔料0.45重量部、ポリ
エステル樹脂(東洋紡績社製、商標バイロン−200)
0.45重量部をシクロヘキサノン50重量部とともに
サンドグラインダーにより分散させた。得られたビスア
ゾ顔料の分散液を厚さ100μmのアルミ化マイラー上
にフィルムアプリケーターで乾燥膜厚が0.3g/m2とな
るように塗布した後乾燥し電荷発生層を形成した。この
上にジエチルアミノベンズアルデヒドジフェニルヒドラ
ゾン70重量部およびポリカーボネート樹脂(帝人化成
社製、商標K−1300)70重量部を1,4−ジオキサ
ン400重量部に溶解した溶液を、乾燥膜厚が16μm
になるように塗布して電荷輸送層を形成した。
【0055】このようにして作製した16種の感光体を
まず暗所で−6.5KVのコロナ放電により帯電させ、
次いで照度5Luxの白色光で露光し表面電位が初期表面
電位の半分に減衰するために必要な露光量(半減露光量
(E1/2))を測定し、表6および表7に示す。
【0056】実施例1の感光体の半減露光量は1.9Lux
・secであり、前記一般式(II)において実施例1と同一の
AおよびRを有したアゾ顔料を用いて作製された後述す
る比較例1の感光体の半減露光量と比べて、約55%の
感度向上がみられた。さらに実施例2〜16の感光体に
ついても同様に、特開昭63−172166号公報に記
載の感光体と比較するとそれぞれ20〜50%の感度の
向上が確認された。
【0057】
【表6】
【0058】
【表7】
【0059】実施例17〜33
【0060】
【化10】
【0061】上記一般式(X)に相当する構造を有しCp
およびArが表2に示す17〜33であるような17通
りのビスアゾ顔料を合成した。これらのビスアゾ顔料を
実施例1のビスアゾ顔料に代えて用いた以外は実施例1
と同様の方法で17種の感光体を作製した。各々の感光
体について実施例1と同一の条件下で半減露光量(E1/
2)を測定し、この結果を表8および表9に示す。
【0062】実施例17の感光体の半減露光量は1.7L
ux・secであり、前記一般式(II)において実施例1と同一
のAおよびRを有したアゾ顔料を用いて作製された後述
する比較例2の感光体の半減露光量と比べて、約57%
の感度向上がみられた。さらに実施例18〜33の感光
体についても同様に比較するとそれぞれ25〜65%の
感度の向上が確認された。
【0063】
【表8】
【0064】
【表9】
【0065】実施例34〜49 電荷発生材料として実施例1〜16で用いたアゾ顔料と
電荷輸送材料としてN−エチルカルバゾール−3−アル
デヒドメチルフェニルヒドラゾンとを用いて、実施例1
と同様の方法で16種の感光体を作製した。また各々の
感光体について、感度として半減露光量(E1/2)の値を
測定し表10および表11に示す。
【0066】実施例34の感光体の半減露光量は2.2L
ux・secであり、前記一般式(II)において実施例1と同一
のAおよびRを有したアゾ顔料を用いて作製された後述
する比較例2の感光体の半減露光量と比べて、約61%
の感度向上がみられた。さらに実施例35〜49の感光
体についても同様に比較するとそれぞれ30〜60%の
感度の向上が確認された。
【0067】
【表10】
【0068】
【表11】
【0069】比較例1
【0070】
【化11】
【0071】実施例1のビスアゾ顔料に代えて、電荷発
生材料として特開昭63−172167号公報に記載の
上記ビスアゾ顔料(XI)を用いた以外は実施例1と同様の
方法で感光体を作製した。この感光体を用いて実施例1
と同一条件下で感度を測定した結果、半減露光量は4.
2Lux・secであった。
【0072】比較例2
【0073】
【化12】
【0074】実施例17のビスアゾ顔料に代えて、電荷
発生材料として特開昭63−172167号公報に記載
の上記ビスアゾ顔料(XII)を用いた以外は実施例1と同
様の方法で感光体を作製した。この感光体を用いて実施
例17と同一条件下で感度を測定した結果、半減露光量
は4.0Lux・secであった。
【0075】比較例3
【0076】
【化13】
【0077】実施例33のビスアゾ顔料に代えて、電荷
発生材料として特開昭63−172167号公報に記載
の上記ビスアゾ顔料(XI)を用いた以外は実施例1と同様
の方法で感光体を作製した。この感光体を用いて実施例
34と同一条件下で感度を測定した結果、半減露光量は
5.6Lux・secであった。
【0078】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように、本発明
の感光体においては新規アゾ顔料を含有する感光層を有
することによって、感光体自身の光感度を向上させるこ
とができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/06 367 G03G 5/06 340 CA(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、一般式(I)であらわ
    されるアゾ顔料を含有する感光層を有することを特徴と
    する感光体。 【化1】 (式中、Rは 置換基を有してもよい炭化水素基、Aは
    芳香族炭化水素の2価基または窒素原子を環内に含む複
    素環の2価基を示し、Arは結合基を介して結合しても
    よい芳香族炭化水素基または複素環基を示し、nは1、
    2、3または4の数を示す。)
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