JP2884320B2 - アクチュエータの製造方法、製造装置およびそのアクチュエータを有する構造体 - Google Patents

アクチュエータの製造方法、製造装置およびそのアクチュエータを有する構造体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カテーテル等に有用
な、先端部の湾曲状態を自在に操作可能な管状体とその
製造方法、製造装置、およびその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】生体内や設備の細部、配管の奥深くに挿
入し、その先端部に付与された種々の機能を手元で操作
可能な、カテーテル等の管状の機器が知られている。こ
のような管状の機器に対して、先端部の湾曲状態を自在
に操作できるような機能を付与することが求められてい
る。そのような要求に対して、ポリマーからなる弾性体
内に、形状記憶合金からなる伸縮体を内蔵してなるアク
チュエータが提案されている。(特願平5−15788
8号「アクチュエータ」参照)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記アクチュエータの
中でも、管状を呈するものは、管壁を形成する樹脂に対
して形状記憶合金からなる伸縮体を良好に埋め込みなが
ら、その樹脂を管状に成形することが必要となる。とこ
ろが、該アクチュエータは、血管内への挿入等を目的と
するような極細なものであって、しかも、伸縮体はコイ
ル状や蛇行状を呈し、さらには、加熱によって形状が変
化するものである。このため、このようなアクチュエー
タを製造することは、技術的に困難であった。
【0004】本発明の目的は、形状記憶合金からなる伸
縮体を樹脂に内蔵してなる管状のアクチュエータの好ま
しい製造方法およびその製造装置を提供することであ
る。また、本発明の他の目的は、上記方法で得られるア
クチュエータを用いて、管状体の先端部の湾曲状態を他
端側から自在に操作しうる首振り構造体を提供すること
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のアクチュエータ
の製造方法は、以下の特徴を有する。 (1)コイル状を呈し形状記憶合金からなる伸縮体を骨子
とし、該骨子に対して流動状の樹脂にて管壁を形成して
なる管状体を、その長手軸を中心として回転させること
によって管壁の形成状態を制御し、樹脂を固相化させる
ことを特徴とするアクチュエータの製造方法。 (2)複数配置された形状記憶合金からなる伸縮体を骨子
とし、該骨子に対して流動状の樹脂にて管壁を形成して
なる管状体を、その長手軸を中心として回転させること
によって管壁の形成状態を制御し、樹脂を固相化させる
ことを特徴とするアクチュエータの製造方法。 (3)管壁の形成が、骨子を流動状の樹脂に浸漬し引き上
げることによってなされるものである (1)または (2)に
記載のアクチュエータの製造方法。 (4)流動状の樹脂が、紫外線によって架橋され固相化す
る性質のものである (1)〜 (3)記載のアクチュエータの
製造方法。
【0006】また、本発明のアクチュエータの製造装置
は、以下の特徴を有する。 (5)流動状の樹脂が収容される槽と、コイル状を呈し形
状記憶合金からなる伸縮体骨子または複数配置された形
状記憶合金からなる伸縮体骨子が槽内の流動状の樹脂に
浸漬され引き上げられてなる管状体を、その長手軸を中
心として回転させる回転手段とを有するアクチュエータ
の製造装置。
【0007】また、本発明の首振り構造体は、以下の特
徴を有する。 (6)上記 (1)〜 (4)のいずれかに記載の製造方法によっ
て製造されたアクチュエータを用いてなり、該アクチュ
エータの伸縮体に沿って熱源が敷設され、熱源が対応す
る伸縮体に対して任意に熱の授受を行なうものであるこ
とを特徴とする首振り構造体。 (7)熱源が、加熱手段または冷却手段に接続された熱伝
導体、または、電源に接続された電気ヒータである (6)
記載の首振り構造体。 (8)上記 (1)〜 (4)のいずれかに記載の製造方法によっ
て製造されたアクチュエータを用いてなり、該アクチュ
エータの任意の伸縮体が通電されて発熱するように、伸
縮体が電源に接続されていることを特徴とする首振り構
造体。
【0008】
【作用】本発明のアクチュエータの製造方法は、形状記
憶合金からなる伸縮体が主体(骨子)であって、これに
樹脂の管壁(膜)を付与する考え方に基づく。即ち、従
来の他の成形品のような、樹脂を主体としてこれに内蔵
部品を型内で同時成形して埋め込む方法とは逆の考え方
と言えるものである。また、管壁の厚みや均一性等、管
壁の形成状態の制御は、この管を空中において長手軸を
中心として回転させることによって行うものであり、樹
脂を成形するための金型は必要としない。
【0009】本発明の製造方法と同様に、その具体的な
製造装置も、伸縮体を骨子としてこれに樹脂の管壁を付
与するための槽と、管状体を空中において長手軸を中心
として回転させるための回転手段とが主な構成要素とな
る。樹脂を固相化させるための方式・装置や自動化のた
めの種々の機構等は、適宜選択によって付与してよい
が、これらは実施例において例示する。
【0010】本発明の製造方法によって得られたアクチ
ュエータは、その伸縮体に沿って熱源を敷設し、その熱
源を個々に操作し該伸縮体に対して熱の授受を行なうこ
とによって、先端部の湾曲や捩じれの動作を手元で自在
に操作できる首振り構造体となる。
【0011】首振り構造体の動作原理を、図1における
骨子1aのように、コイル状を呈するものを単独に用い
る場合を例として、概略的に説明する。伸縮体が、加熱
によって湾曲し、記憶された本来の形状(原形状)に戻
るものとし、樹脂が、加熱によって弾性率の低下するも
のとする。伸縮体が原形状に戻ったとき、湾曲部の樹脂
には曲げ応力が生じているが、加熱によって弾性が低下
しているため、伸縮体の原形状への復帰力には打ち勝つ
ことができず、アクチュエータとしては湾曲の状態が維
持される。しかし、温度が低下すると、伸縮体が原形状
を維持する力は低下するが、樹脂の弾性率は大きくな
り、樹脂が元の形状に戻ろうとする力が打ち勝って、ア
クチュエータとしてはもとの形状に戻る。以上のよう
に、形状記憶合金の原形状への復帰力と、その原形状に
おいて樹脂に生じる応力とのバランスを、温度変化を与
えて操作することで、樹脂の原形状と伸縮体の原形状と
の間での単純な繰り返し運動を行なうことが可能とな
る。
【0012】
【実施例】以下、実施例を挙げてより詳細に説明する。
図1は、本発明のアクチュエータの製造方法を説明する
ために、製造工程の一例を模式的に示した図である。本
発明のアクチュエータの製造方法は、同図の(1)〜
(3)に順に示すように、(1)コイル状を呈し形状記
憶合金からなる伸縮体を管状体の骨子1aとする。また
は、複数配置された形状記憶合金からなる伸縮体の集合
を管状体の骨子1bとする。(2)この骨子1aまたは
骨子1bに対して流動状の樹脂にて管壁2を形成し、管
状体3を得る。(3)この管状体3を、その長手軸xを
中心として回転させることによって、管壁2の形成状態
を制御する。樹脂の固相化は、管状体を回転させながら
同時に樹脂を固相化させるか、または、管状体の回転が
停止した後に樹脂を固相化させるかの、いずれであって
もよい。
【0013】伸縮体を形成する形状記憶合金としては、
Ti−Ni系合金、Ti−Ni−Cu系合金、Ti−N
i−Fe系合金、Ni−Al系合金、Ag−Cd系合
金、Au−Cd系合金、Cu−Al−Ni系合金、Cu
−Zn−Al系合金、In−Tl系合金、In−Cd系
合金等が挙げられる。
【0014】伸縮体からなる骨子は、2つの態様に分け
られる。1つの態様は、図1における骨子1aのよう
に、コイル状を呈するものを単独に用いる態様である。
コイル状の伸縮体1つだけで管状体の骨子とするもので
ある。材料となる形状記憶合金の素線径、素線の断面形
状、コイル径、巻ピッチ等は、求められる変形量や用途
に応じて選択される。
【0015】伸縮体からなる骨子の他の態様は、図1に
おける骨子1bのように、伸縮体が複数配置されたもの
を用いる態様であり、複数の伸縮体が集合し1つの管状
体の骨子を構成するものである。この場合の伸縮体の個
々の形状は、コイル状の他に、蛇行状、ノコギリ波状
等、形状記憶合金が伸縮するための好ましいパターンを
用いてよい。伸縮体の配置は、管状体の骨子を構成しう
るように、1つの仮想の中心線の回りに、この中心線に
平行に、この中心線から好ましくは等しい距離に配置す
る。中心線からの等しい距離は、複数種類あってもよ
い。即ち、伸縮体は管状体の中心線に対して同心円状に
多重に配置されるものであってもよい。また、伸縮体を
多角柱の長手方向の各辺の位置となる様、周方向に等間
隔に配置することが、均等な管状体を形成するためには
好ましい。
【0016】伸縮体に熱が加えられたとき、該伸縮体
が、伸長、収縮、湾曲、ねじれ等を経て、どの様な原形
状に戻るものとするかは、目的に応じて自由に選択す
る。また、図1における骨子1bのように、伸縮体が複
数配置されたものを用いる場合、各伸縮体を個別に加熱
することによって、より複雑で微妙な動作が得られる。
【0017】流動状の樹脂としては、上記骨子に対して
管壁が形成でき、その後、弾性体として固相化させうる
ものであればどのようなものであってもよい。樹脂を、
固相化する際の特徴から例示すると、紫外線・電子線
の照射、加熱等によって架橋され流動状から固相に変化
する樹脂、有機溶剤・水等を溶媒とする溶液状態・エ
マルジョン状態にあって溶媒の揮発・乾燥して固相化す
る樹脂、温度によって流動状から固相に変化する樹
脂、硬化剤の付与によって化学反応し固相化する樹
脂、等が挙げられる。これらの樹脂のなかでも、紫外線
によって架橋され固相化する性質の樹脂は、硬化のため
の操作が容易であり、また、短時間に硬化がなされると
いう点から、好ましい。このような樹脂としては、光重
合性オリゴマーと、光重合性モノマーと、光重合開始剤
とからなる組成物が代表的である。光重合性オリゴマー
としては、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリ
レート等が挙げられ、光重合性モノマーとしては、単官
能アクリレート、多官能アクリレート等が挙げられ、光
重合開始剤としてアセトフェノン系剤、チオキサンリン
系剤等が挙げられる。これらの樹脂には、光重合開始助
剤、熱重合禁止剤、接着付与剤等の添加剤を使用しても
よい。なお、光重合開始助剤としては、トリエチレンテ
トラミン、ジエチルアミノエチルメタクリレート、トリ
エチルアミン等が例示される。流動状での樹脂の粘度
は、骨子に対して後述のように管壁を形成しうる程度の
ものであればよく、常温において50〜20000c.
p、特に1000〜10000c.pが浸漬による膜形
成には好ましい。
【0018】固相化した後の樹脂は、加熱時には形状記
憶合金が原形状に復帰しようとする力よりは小さい応力
であり、それ以外の温度においては該形状記憶合金を変
形させて樹脂自体の原形状に復帰する程度の弾性率を有
することが好ましい。例えば、室温15℃〜25℃にお
ける弾性率が6×108 〜8×108 dyn /cm2
度、50℃〜70℃における弾性率が5×107 〜1×
108 dyn /cm2 程度のものが、形状記憶合金と共に
アクチュエータを形成するうえで好ましい。
【0019】管壁の形成方法は、伸縮体による骨子に対
して、流動状の樹脂を用いて、該骨子に膜を張るように
管壁を形成しうる方法であればよい。例えば、刷毛やロ
ーラを用いた塗布、膜形成可能な特殊な吹きつけ、流動
状の樹脂への浸漬・引き上げ等が挙げられる。これらの
方法の中でも、流動状の樹脂へ浸漬し、引き上げる方法
は、容易に管壁が形成でき、装置が簡単であるという点
から好ましい。
【0020】管壁の形成状態、即ち、管壁の厚み、均一
性、骨子に対する形成位置等は、樹脂が流動状である間
に該管状体の長手軸を中心として回転させることによっ
て制御する。回転時における管状体の長手軸の姿勢は、
鉛直線方向、水平方向、これらの中間の任意の角度等、
用いる樹脂の粘度、管壁の形成状態に与える影響の大
小、目的とする管壁の品質等を考慮して選択すればよ
い。回転速度・回転時間も、これと同様に選択すればよ
い。
【0021】樹脂の固相化に係る工程は、用いる樹脂の
種類に従う。例えば、紫外線の照射によって固相に変化
する樹脂を用いるならば、好ましい紫外線の照射状態を
与える手段を選択して紫外線の照射工程を設け、樹脂を
硬化し固相化させる。また、硬化剤の添加によって固相
に変化する樹脂を用いるならば、固相化までの時間を制
御し管理することが重要な工程となる。樹脂の固相化
は、上記管状体を回転させながらなされるものであって
も、管状体の回転を停止した後になされるものであって
もよい。
【0022】上記製造方法を具体化するための製造装置
を説明する。本発明によるアクチュエータの製造装置
は、図2に模式的に示すように、伸縮体を骨子としてこ
れに樹脂の管壁を付与するための手段Tと、管状体を空
中において長手軸を中心として回転させるための回転手
段Sとを、主要な構成要素として有するものである。骨
子に樹脂の管壁を付与するための手段Tとして、流動状
の樹脂が収容される槽と、該槽内の流動状の樹脂に骨子
を浸漬し引き上げる機構とからなる装置は、構成が簡単
であり効果的な管壁の形成が得られる好ましい装置であ
る。回転手段Sは、流動状の樹脂によって管壁が形成さ
れた管状体をその長手軸を中心として回転させ得る装置
であればよい。回転時における管状体の長手軸の姿勢、
回転速度、回転時間等は、上記製造方法に従って仕様を
決定する。
【0023】上記本発明によるアクチュエータの製造装
置の具体例として、上記主要な構成要素に、付帯的な機
構を加えたものを示す。図3は、本発明によるアクチュ
エータの製造装置の一具体例を模式的に示す図である。
同図において、T1は流動状の樹脂が収容される槽、T
2は該槽内の流動状の樹脂に骨子を浸漬し引き上げるス
ライド機構である。本例の装置では、樹脂に紫外線によ
って固相化するタイプのものを用い、骨子の浸漬・引き
上げ・回転は、全て長手軸を鉛直下向きとする例であ
る。S1は管状体を回転させるためのモータ、S2は骨
子の端部とモータの軸とを同軸状に連結するチャックで
ある。モータS1はスライド機構T2に固定され、骨子
の浸漬・引き上げ・回転を任意に行なうことが可能であ
る。U1は、槽T1内の樹脂に浸漬され引き上げられた
管状体の樹脂に対して照射される紫外線の光源である。
U2は、紫外線の照射をより効率よく行なうための反射
鏡である。先に述べたように、モータS1による管状体
の回転と、U1による紫外線の照射との時間的な前後関
係は、同時であっても、回転が停止した後に照射するも
のであってもよい。
【0024】本発明の製造方法によって得られたアクチ
ュエータは、そのままの状態であっても周囲の温度変化
によって動作することが可能であるが、好ましい態様と
しては、図4に示すように、伸縮体1に沿って熱源4を
敷設し、この熱源をコントロールして、各伸縮体に対し
て任意に熱の授受を行なう構成や、伸縮体自体が通電さ
れて自在に発熱するように電源に接続された構成等が挙
げられる。このような構成によって、十分に長い管状体
を呈するアクチュエータであっても、その先端部の複雑
で微妙な動作を、反対側の手元操作端部において、自在
にコントロールすることができる。このようなアクチュ
エータの中でも、先端部が自在に繰り返し湾曲・回転す
るもの、所謂、首振り構造体は、設備や医療等、産業上
広く応用され得る好ましいものである。
【0025】敷設される熱源としては、発熱体であって
も発熱能力のない熱伝導体であってもよい。発熱体とし
ては、電気エネルギーによって発熱するヒータや、温度
降下する素子が制御性の点で好適である。熱伝導体とし
ては、熱伝導性の良好な銀、銅、アルミニウム、鉄、タ
ングステン、ステンレス鋼等の金属線が好ましい。熱伝
導体は、加熱手段や冷却手段に接続されることで、加熱
・冷却の両方に用いられる。また、カテーテル等への応
用において、先端部分だけを湾曲させる場合、湾曲が必
要な部分だけに伸縮体と熱伝導体とを設け、手元側の端
部から熱伝導体までに光ファイバを敷設し、該光ファイ
バを用いてレーザ光を熱伝導体に照射し加熱する方法が
挙げられる。伸縮体に対して熱源を敷設する態様として
は、伸縮体と熱源との間で効率よく熱の授受が行われる
ものであればよい。例えば、図4(1)(2)に模式的
に示すように、伸縮体の湾曲や伸縮を妨害しない程度
に、伸縮体の全長に沿って近接して敷設される態様が挙
げられる。特に、図4(2)のように伸縮体が複数あ
り、その中でも伸縮体がコイル状のものに対しては、コ
イルの中心に熱源を挿通する態様等が挙げられる。ま
た、熱源を敷設する態様は、伸縮体と共に樹脂に覆われ
る態様であっても、伸縮体が樹脂で覆われた後に樹脂の
外部表面に敷設されるものであっても、これらの中間の
状態であってもよい。
【0026】〔製造例1〕コイルの中心線が湾曲状態と
なるように形状記憶処理されたNi−Tiからなるコイ
ル状の形状記憶合金(コイル内径φ2mm)を、コイル
の中心線が直線状態となるように室温下で矯正し、加熱
によって湾曲状態に戻る伸縮体を1本作成した。この伸
縮体の素線全長に対してスパイラル状に沿うように熱伝
導のためのアルミニウム線を付帯させ、これを骨子とし
て、図3に示す製造装置のチャックS2に装着してモー
タS1に連結した。この状態で、スライド機構T2を作
動させ、槽T1内に収容された流動状の紫外線硬化型樹
脂組成物(ウレタンアクリレート、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、ベンゾフェノン及び添加剤)に
浸漬し引き上げ、この流動状の樹脂によって骨子に膜を
張り、管壁とした。次に、モータS1を回転させて管壁
の均一性を整えながら、同時に光源U1から波長250
〜450nmの紫外線を照射し硬化させた。この結果、
形状記憶合金からなる伸縮体と熱伝導線とが2条巻きの
コイルを形成した構造を骨子として内蔵する、外径φ
3.5mm、内径φ1.8mmの首振り構造体が得られ
た。得られた首振り構造体の熱伝導線の末端を加熱手段
に接続し、熱を伝導させたところ、一定方向に自在に湾
曲することが確認できた。
【0027】〔製造例2〕Ni−Tiからなるコイル状
の形状記憶合金(コイル内径φ0.3mm)の両端を室
温下で引っ張り、加熱によって収縮する伸縮体を8本作
成した。この伸縮体の各々のコイル内部に熱伝導のため
の銅線を挿通し、これらを図1(1)に示すように、治
具にセットし、回転軸の回りに伸縮体が8本配置された
ピッチ径φ2.5mmの骨子を作成した。この骨子を、
図3に示す製造装置のチャックS2に装着してモータS
1に連結した。この状態で、スライド機構T2を作動さ
せ、槽T1内に収容された流動状の紫外線硬化型樹脂組
成物(ウレタンアクリレート、トリメチロールプロパン
トリアクリレート、ベンゾフェノン及び添加剤)に浸漬
し引き上げ、この流動状の樹脂によって骨子に膜を張
り、管壁とした。次に、モータS1を回転させて管壁の
均一性を整えながら、同時に光源U1から波長250〜
450nmの紫外線を照射し硬化させた。この結果、形
状記憶合金からなる伸縮体と熱伝導線との組合わせを1
組として、外周に骨子として8組内蔵する、外径φ3.
2mm、内径φ2.0mmの首振り構造体が得られた。
得られた首振り構造体の各熱伝導線の末端を加熱手段に
接続し、各々個別にまた複数組み合わせて熱を伝導させ
たところ、任意の方向に自在に湾曲することが確認でき
た。
【0028】
【発明の効果】本発明の製造方法および製造装置によっ
て、形状記憶合金からなる伸縮体を樹脂に内蔵してなる
管状のアクチュエータを、容易に、且つ、高品質に製造
することが可能となった。また、上記アクチュエータに
熱源を加えた首振り構造体は、管状体の先端部の湾曲状
態を他端側から自在に操作しうる好ましいアクチュエー
タであり、特に、カテーテルの構成要素として有用とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を説明するために、製造工程
の一例を模式的に示した図である。
【図2】本発明の製造装置の主要部分を模式的に示す図
である。
【図3】本発明の製造装置の一具体例を模式的に示す図
である。
【図4】本発明の製造方法によって得られたアクチュエ
ータを用いて構成した、首振り構造体の一例を模式的に
示す図である。
【符号の説明】
1a 骨子 1b 骨子 2 管壁 3 管状体 x 長手軸
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−341369(JP,A) 特開 平5−309067(JP,A) 特開 平4−8338(JP,A) 特開 昭61−199865(JP,A) 特開 昭63−27243(JP,A) 特開 昭61−112781(JP,A) 特開 平7−323091(JP,A) 実開 平5−58153(JP,U)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイル状を呈し形状記憶合金からなる伸
    縮体を骨子とし、該骨子に対して流動状の樹脂にて管壁
    を形成してなる管状体を、その長手軸を中心として回転
    させることによって管壁の形成状態を制御し、樹脂を固
    相化させることを特徴とするアクチュエータの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 複数配置された形状記憶合金からなる伸
    縮体を骨子とし、該骨子に対して流動状の樹脂にて管壁
    を形成してなる管状体を、その長手軸を中心として回転
    させることによって管壁の形成状態を制御し、樹脂を固
    相化させることを特徴とするアクチュエータの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 管壁の形成が、骨子を流動状の樹脂に浸
    漬し引き上げることによってなされるものである請求項
    1または2記載のアクチュエータの製造方法。
  4. 【請求項4】 流動状の樹脂が、紫外線によって架橋さ
    れ固相化する性質のものである請求項1〜3記載のアク
    チュエータの製造方法。
  5. 【請求項5】 流動状の樹脂が収容される槽と、コイル
    状を呈し形状記憶合金からなる伸縮体骨子または複数配
    置された形状記憶合金からなる伸縮体骨子が槽内の流動
    状の樹脂に浸漬され引き上げられてなる管状体を、その
    長手軸を中心として回転させる回転手段とを有するアク
    チュエータの製造装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方
    法によって製造されたアクチュエータを用いてなり、該
    アクチュエータの伸縮体に沿って熱源が敷設され、熱源
    は対応する伸縮体に対して任意に熱の授受を行なうもの
    であることを特徴とする首振り構造体。
  7. 【請求項7】 熱源が、加熱手段または冷却手段に接続
    された熱伝導体、または、電源に接続された電気ヒータ
    である請求項6記載の首振り構造体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方
    法によって製造されたアクチュエータを用いてなり、該
    アクチュエータの任意の伸縮体が通電されて発熱するよ
    うに、伸縮体が電源に接続されていることを特徴とする
    首振り構造体。
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