JP2880227B2 - 薄肉絶縁電線 - Google Patents
薄肉絶縁電線Info
- Publication number
- JP2880227B2 JP2880227B2 JP3208590A JP3208590A JP2880227B2 JP 2880227 B2 JP2880227 B2 JP 2880227B2 JP 3208590 A JP3208590 A JP 3208590A JP 3208590 A JP3208590 A JP 3208590A JP 2880227 B2 JP2880227 B2 JP 2880227B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weight
- insulated wire
- thin
- resin
- parts
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Organic Insulating Materials (AREA)
- Insulated Conductors (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、自動車、各種車両又は電子機器などの限ら
れたスペースにて配線するのに適した薄肉絶縁電線に関
する。
れたスペースにて配線するのに適した薄肉絶縁電線に関
する。
（従来の技術） 従来、自動車、車両又は電子機器などに使用される配
線用絶縁電線は、省スペースや軽量化の要求が強いこと
から絶縁体層を薄肉化することが検討されている。
線用絶縁電線は、省スペースや軽量化の要求が強いこと
から絶縁体層を薄肉化することが検討されている。
（発明が解決しようとする課題） 上述の如き用途の絶縁電線としては、導体上にエチレ
ン樹脂や塩化ビニル樹脂を押出被覆したものがある。こ
れらの絶縁電線の絶縁体層の厚みは、0.4〜1.1mm程度で
ある。このような絶縁電線を上述の如き要求にしたがい
薄肉化すると、得られる絶縁電線の耐摩耗性などの機械
的強度が低下するという問題がある。
ン樹脂や塩化ビニル樹脂を押出被覆したものがある。こ
れらの絶縁電線の絶縁体層の厚みは、0.4〜1.1mm程度で
ある。このような絶縁電線を上述の如き要求にしたがい
薄肉化すると、得られる絶縁電線の耐摩耗性などの機械
的強度が低下するという問題がある。
本発明は、絶縁体層をより薄肉化でき、しかも前記絶
縁体層が優れた耐摩耗性を有している薄肉絶縁電線を提
供することを目的とする。
縁体層が優れた耐摩耗性を有している薄肉絶縁電線を提
供することを目的とする。
（課題を解決するための手段） 本発明は上記の如き課題を達成すべく絶縁材料につい
て鋭意研究を重ねた結果、絶縁材料として塩化ビニル樹
脂100重量部に対してメタクリル樹脂又はスチレン樹脂
を少なくとも１重量部を含有する樹脂組成物を導体上に
0.3mm以下に押出被覆して絶縁体層を設けた薄肉絶縁電
線、並びに前記塩化ビニル樹脂組成物中の塩化ビニル樹
脂100重量部に対して多官能モノマー１〜20重量部を配
合した樹脂組成物を導体上に0.3mm以下に押出被覆した
後、放射線照射し架橋させた架橋体からなる絶縁体層を
設けた薄肉絶縁電線が、電気特性が従来品に比して何ら
遜色なく、機械的特性、特にスクレープ摩耗特性（スク
レープ摩耗値）において一段と優れた性能を有するもの
となり、かつ生産性の向上の効果が併せて得られること
を見出した。なお、スクレープ摩耗値とは、薄肉絶縁電
線上で、硬質クロムメッキを施したスチール製の0.125R
のエッジを有する刃を、荷重0.9kg、１ストローク10mm
（１往復20mm）で、60往復／分で往復運動させた時に、
絶縁体層が絶縁破壊するまでの往復回数である。
て鋭意研究を重ねた結果、絶縁材料として塩化ビニル樹
脂100重量部に対してメタクリル樹脂又はスチレン樹脂
を少なくとも１重量部を含有する樹脂組成物を導体上に
0.3mm以下に押出被覆して絶縁体層を設けた薄肉絶縁電
線、並びに前記塩化ビニル樹脂組成物中の塩化ビニル樹
脂100重量部に対して多官能モノマー１〜20重量部を配
合した樹脂組成物を導体上に0.3mm以下に押出被覆した
後、放射線照射し架橋させた架橋体からなる絶縁体層を
設けた薄肉絶縁電線が、電気特性が従来品に比して何ら
遜色なく、機械的特性、特にスクレープ摩耗特性（スク
レープ摩耗値）において一段と優れた性能を有するもの
となり、かつ生産性の向上の効果が併せて得られること
を見出した。なお、スクレープ摩耗値とは、薄肉絶縁電
線上で、硬質クロムメッキを施したスチール製の0.125R
のエッジを有する刃を、荷重0.9kg、１ストローク10mm
（１往復20mm）で、60往復／分で往復運動させた時に、
絶縁体層が絶縁破壊するまでの往復回数である。
薄肉の絶縁体層を形成する上記樹脂組成物において、
メタクリル樹脂（ポリメタクリル酸メチル）とスチレン
樹脂は、それぞれ単独で塩化ビニル樹脂に配合するが、
これらは併用することもできる。
メタクリル樹脂（ポリメタクリル酸メチル）とスチレン
樹脂は、それぞれ単独で塩化ビニル樹脂に配合するが、
これらは併用することもできる。
そして、メタクリル樹脂又はスチレン樹脂の配合量
は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して少なくとも１重
量部配合する。この配合量が１重量部未満であると、得
られる絶縁体層のスクレープ摩耗特性の改善効果が低
い。なお、60重量部を超えて配合しても、スクレープ摩
耗特性の向上及び線速向上などの生産性向上の効果があ
まり向上しないので好ましくない。
は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して少なくとも１重
量部配合する。この配合量が１重量部未満であると、得
られる絶縁体層のスクレープ摩耗特性の改善効果が低
い。なお、60重量部を超えて配合しても、スクレープ摩
耗特性の向上及び線速向上などの生産性向上の効果があ
まり向上しないので好ましくない。
また、薄肉絶縁電線を、前記樹脂組成物に更に多官能
モノマーを配合した樹脂組成物を用いて製造する発明の
場合には、導体上に押出被覆して薄肉の絶縁体層を形成
した後、これに放射線を照射して架橋体からなる絶縁体
層を形成させる。これにより絶縁体層のスクレープ摩耗
値を一層向上させることができる。
モノマーを配合した樹脂組成物を用いて製造する発明の
場合には、導体上に押出被覆して薄肉の絶縁体層を形成
した後、これに放射線を照射して架橋体からなる絶縁体
層を形成させる。これにより絶縁体層のスクレープ摩耗
値を一層向上させることができる。
ここで用いる放射線としては、α線、β線、中性子線
などの粒子線とγ線、Ｘ線などを挙げることができる。
照射量は、架橋させようとする絶縁体層の厚さ等によっ
て異なるが、照射量２〜20Mradの範囲内が好適である。
などの粒子線とγ線、Ｘ線などを挙げることができる。
照射量は、架橋させようとする絶縁体層の厚さ等によっ
て異なるが、照射量２〜20Mradの範囲内が好適である。
多官能モノマーとしては、３官能以上のモノマーが好
ましく、例えば、トリメチロールプロパントリメタクリ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ト
リアリルシアヌレート、トリアクリルホルマールを挙げ
ることができる。これらはそれぞれ単独で用いてもよい
し、２種類以上を適宜に組み合わせてもよい。
ましく、例えば、トリメチロールプロパントリメタクリ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ト
リアリルシアヌレート、トリアクリルホルマールを挙げ
ることができる。これらはそれぞれ単独で用いてもよい
し、２種類以上を適宜に組み合わせてもよい。
多官能モノマーは、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に
対し１〜20重量部配合される。この配合量が１重量部未
満であると架橋反応が十分に進行しない。また、20重量
部を超えると架橋度が飽和に達し、却って絶縁体層が脆
くなる。
対し１〜20重量部配合される。この配合量が１重量部未
満であると架橋反応が十分に進行しない。また、20重量
部を超えると架橋度が飽和に達し、却って絶縁体層が脆
くなる。
前記樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲
で、架橋助剤、熱安定剤、滑剤、可塑剤、難燃剤、着色
剤などを配合することができる。
で、架橋助剤、熱安定剤、滑剤、可塑剤、難燃剤、着色
剤などを配合することができる。
（実施例） 以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて説明する。
実施例１〜12及び比較例１〜４ 直径0.5mmの軟銅線上に、押出機（L/D比＝28、Ｄ＝55
mm）の押出機を用いて、第１表に示す各組成の樹脂組成
物を170℃（材料温度）にて0.2mm厚に押出被覆した。こ
うして得られた薄肉絶縁電線について、押出被覆時の外
観、押出被覆線速及びスクレープ摩耗値を測定した。得
られた結果を第１表に示す。
mm）の押出機を用いて、第１表に示す各組成の樹脂組成
物を170℃（材料温度）にて0.2mm厚に押出被覆した。こ
うして得られた薄肉絶縁電線について、押出被覆時の外
観、押出被覆線速及びスクレープ摩耗値を測定した。得
られた結果を第１表に示す。
実施例13〜21及び比較例５〜８ 直径0.5mmの軟銅線上に、押出機（L/D比＝22、Ｄ＝40
mm）を用いて、第２表に示す各組成の樹脂組成物を170
℃（材料温度）にて0.25mm厚に押出被覆した。次に、電
子線（加速電圧:500KV、照射量:4Mrad）を照射して架橋
させた。こうして得られた薄肉絶縁電線について、実施
例１〜12と同じ試験を行った。得られた結果を第２表に
示す。
mm）を用いて、第２表に示す各組成の樹脂組成物を170
℃（材料温度）にて0.25mm厚に押出被覆した。次に、電
子線（加速電圧:500KV、照射量:4Mrad）を照射して架橋
させた。こうして得られた薄肉絶縁電線について、実施
例１〜12と同じ試験を行った。得られた結果を第２表に
示す。
（発明の効果） 第１表及び第２表から明らかな如く、本発明の薄肉絶
縁電線は、絶縁体層が0.3mm以下という薄肉にもかかわ
らず、過酷な機械的強度試験であるスクレープ摩耗特性
が極めて優れており、特に架橋体による絶縁体層を設け
たものは一段と優れている。以上のことから本発明の薄
肉絶縁電線は、自動車、車両又は各種電子機器などの限
られたスペースにて使用される配線材として極めて有用
である。
縁電線は、絶縁体層が0.3mm以下という薄肉にもかかわ
らず、過酷な機械的強度試験であるスクレープ摩耗特性
が極めて優れており、特に架橋体による絶縁体層を設け
たものは一段と優れている。以上のことから本発明の薄
肉絶縁電線は、自動車、車両又は各種電子機器などの限
られたスペースにて使用される配線材として極めて有用
である。
Claims (2)
- 【請求項１】導体上に、塩化ビニル樹脂100重量部に対
してメタクリル樹脂又はスチレン樹脂を少なくとも１重
量部を含有する樹脂組成物からなる薄肉の絶縁体層を設
けたことを特徴とする薄肉絶縁電線。 - 【請求項２】導体上に、塩化ビニル樹脂100重量部に対
してメタクリル樹脂又はスチレン樹脂を少なくとも１重
量部及び多官能モノマー１〜20重量部を含有する樹脂組
成物の放射線照射による架橋体からなる薄肉の絶縁体層
を設けたことを特徴とする薄肉絶縁電線。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3208590A JP2880227B2 (ja) | 1989-02-14 | 1990-02-13 | 薄肉絶縁電線 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1-34595 | 1989-02-14 | ||
| JP3459589 | 1989-02-14 | ||
| JP3208590A JP2880227B2 (ja) | 1989-02-14 | 1990-02-13 | 薄肉絶縁電線 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02291606A JPH02291606A (ja) | 1990-12-03 |
| JP2880227B2 true JP2880227B2 (ja) | 1999-04-05 |
Family
ID=26370599
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3208590A Expired - Lifetime JP2880227B2 (ja) | 1989-02-14 | 1990-02-13 | 薄肉絶縁電線 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2880227B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN104312045A (zh) * | 2014-10-30 | 2015-01-28 | 安徽电信器材贸易工业有限责任公司 | 一种用于室外架空的耐日晒聚氯乙烯电缆料及其制备方法 |
| JP2016131161A (ja) * | 2016-04-22 | 2016-07-21 | 矢崎総業株式会社 | 自動車用フレキシブルフラットケーブル |
-
1990
- 1990-02-13 JP JP3208590A patent/JP2880227B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02291606A (ja) | 1990-12-03 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JPH01502676A (ja) | ポリマー組成物 | |
| JP2880227B2 (ja) | 薄肉絶縁電線 | |
| JPH0778518A (ja) | 難燃性薄肉絶縁電線 | |
| JP2018014247A (ja) | 絶縁電線及び塩化ビニル樹脂組成物 | |
| JPH04206312A (ja) | 薄肉絶縁電線 | |
| GB2170646A (en) | Flame retardant cable | |
| JPH0676644A (ja) | 薄肉難燃絶縁電線 | |
| JP6936268B2 (ja) | 樹脂組成物、被覆電線及びワイヤーハーネス | |
| JPH0627158B2 (ja) | 放射線照射架橋可能なふつ素樹脂組成物 | |
| JP3812064B2 (ja) | 含フッ素エラストマー組成物 | |
| JP2001160324A (ja) | ノンハロゲン難燃電線 | |
| JPH02273411A (ja) | 自動車用薄肉低圧電線 | |
| JPH04144008A (ja) | 薄肉絶縁電線 | |
| JPH03297011A (ja) | 薄肉絶縁電線 | |
| JP3603965B2 (ja) | 耐熱性絶縁組成物 | |
| JPH01320705A (ja) | 被覆電線 | |
| JP3285097B2 (ja) | 絶縁電線 | |
| JPS5975504A (ja) | カ−ルコ−ド | |
| JP2001266650A (ja) | 電気絶縁組成物および電線ケーブル | |
| JPS631683B2 (ja) | ||
| JPH02183908A (ja) | 機器配線用絶縁電線 | |
| JP3077451B2 (ja) | 薄肉架橋絶縁電線 | |
| JP2570288B2 (ja) | 含ふっ素弾性被覆電線の製造方法 | |
| JPH0445923B2 (ja) | ||
| JP3418214B2 (ja) | コイル用絶縁電線 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 9 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080129 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090129 Year of fee payment: 10 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 10 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090129 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 11 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100129 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 12 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110129 |
|
| EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110129 Year of fee payment: 12 |