JP3077451B2 - 薄肉架橋絶縁電線 - Google Patents
薄肉架橋絶縁電線Info
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Description
いた薄肉架橋絶縁電線に関するものである。
が用いられてきているが、ここで使用されるポリエチレ
ンは、伸び、可撓性に優れる低密度PEが一般的であ
る。
及び機器用電線は、省スペース化の点から、絶縁層が
0.5mm以下という大幅な細径薄肉化が要求されてい
る。このため絶縁材料のベースポリマには、低密度PE
よりも機械的強度に優れる高密度PEの使用が増えつつ
ある。しかし、高密度PEは低密度PEとは異なり、電
子線照射すると、伸びが大きく低下する欠点が明らかと
なった。
解消し、電子線照射により架橋しても良好な伸びを有
し、かつ機械的強度の優れた薄肉架橋絶縁電線を提供す
ることにある。
に、分子量分布指数が2〜10で密度が0.950以上
の高密度ポリエチレンを被覆してなり、当該被覆層は厚
さが0.3mm以下であると共に電子線架橋により架橋
度が50%以上とされていることを特徴とする薄肉架橋
絶縁電線にある。
密度PEで導体を被覆し、電子線架橋することにより良
好な伸びを付与し、かつ機械的強度の優れた薄肉架橋絶
縁電線とすることができる。
と、耐摩耗性などの機械的特性が低下する。このため絶
縁材料のベースポリマに、低密度PEよりも機械的強度
の優れる高密度PEを用いる必要がある。しかし、従来
電線押出に用いてきた高密度PEを電子線架橋すると、
非架橋では700%伸びるものが200%以下へと、低
密度PEでは見られない、大幅な特性低下が生じてしま
った。
分布の異なるPEについて種々検討したところ、分子量
分布の狭いPEにおいてのみ、他のPEには見られない
特異的な現象を見い出すことができた。具体的には、分
子量分布の広さの尺度となる分子量分布指数が2〜10
のPEを被覆し、電子線架橋したことであり、この技術
を用いた電線は、薄肉でありながら優れた機械的強度を
もち、かつ良好な伸びを示す。この要因は、分子量の均
一化により、PEの架橋が均一に行われたためと考え
る。
分子量を数平均分子量で割った値、すなわち、MWDI
=(重量平均分子量)/(数平均分子量)で表わされ
る。
均一が生じ、伸びが大きく低下してしまう。
分が好ましく、0.1未満では押出が困難であり、10
を越えると架橋しにくくなる。
用い、架橋度50%以上とした範囲においては難燃剤の
添加により、難燃化したときに良好な伸び保持率を示
す。密度0.950以下では目的とする機械的強度を得
ることが困難となる。難燃剤添加量は、特にPE100
重量部に対して5〜40重量部が好ましい。
好ましい。0.3mm以上では電線としての十分な可撓
性が付与できない。
剤、酸化防止剤、着色剤などを添加してもよい。
を参照し順次説明する。
クス2200J(分子量分布指数:3、密度:0.95
7g/cm3 、メルトインデックスMI:6.0g/1
0分、三井石油工業(株))を用いた。
対して酸化防止剤(チバガイギー社製イルガノックッス
1010)0.3重量部および架橋助剤(トリメチロー
ルプロパントリメタアクリレート)2重量部を含有する
混和物を押出機に導入し、外径0.32mmの銅線を7
本撚合わせた導体上に厚さ0.2mmに押出被覆し、そ
の後30Mradの電子線を照射して架橋した。なお、
押出時のシリンダー温度C1、C2、C3はその順に1
30℃,180℃,220℃とし、ネック、ヘッドおよ
びダイスの温度は220℃とし、押出速度10m/mi
nとした。
クス5000SR(分子量分布指数:6、密度:0.9
58g/cm3 、MI:0.4g/10分、三井石油工
業(株))を用いた以外は実施例1と同様に電線を作製
した。
クス5000SF(分子量分布指数:8、密度:0.9
59g/cm3 、MI:0.7g/10分、三井石油工
業(株))を用いた以外は実施例1と同様に電線を作製
した。
00重量部に対して難燃剤(デカブロモジフェニルエー
テル)12重量部、難燃助剤(三酸化アンチモン)8重
量部、酸化防止剤(チバガイギー社製イルガノックッス
1010)0.3重量部および架橋助剤(トリメチロー
ルプロパントリメタアクリレート)2重量部を含有する
混和物を用いた以外は実施例1と同様にして電線を作製
した。
クス5000SRを用いた以外は実施例4と同様にして
電線を作製した。
クス5000SFを用いた以外は実施例4と同様にして
電線を作製した。
クス3000B(分子量分布指数:11、密度:0.9
64g/cm3 、MI:0.7g/10分、三井石油工
業(株))を用いた以外は実施例1と同様に電線を作製
した。
クス5000H(分子量分布指数:16、密度:0.9
64g/cm3 、MI:0.8g/10分、三井石油工
業(株))を用いた以外は実施例1と同様に電線を作製
した。
5305E(分子量分布指数:25、密度:0.954
g/cm3 、MI:0.8g/10分、三井石油工業
(株))を用いた以外は実施例1と同様に電線を作製し
た。
クス3000B(分子量分布指数:11、密度:0.9
64g/cm3 、メルトインデックスMI:0.7g/
10分、三井石油工業(株))を用いた以外は実施例4
と同様にして電線を作製した。
クス5000H(分子量分布指数:16、密度:0.9
64g/cm3 、メルトインデックスMI:0.1g/
10分、三井石油工業(株))を用いた以外は実施例4
と同様にして電線を作製した。
クス5305E(分子量分布指数:25、密度:0.9
54g/cm3 、メルトインデックスMI:0.8g/
10分、三井石油工業(株))を用いた以外は実施例4
と同様にして電線を作製した。
いて評価した結果を表1および表2に示した。なお、評
価は次に基づいて行った。
張り速度50mm/minの条件で測定した。
0.125Rのシャープエッジを電線上で60回/mi
nの速度で往復移動させ、エッジが導体と電気的に接触
するまでの回数を測定した。
0%以上の良好な伸びを示していると共に耐摩耗性も3
00回以上と安定しているのに対して比較例1〜6は伸
びが70%以下であり、また耐摩耗性にもバラツキがみ
られる。
〜10の高密度PEを被覆し、電子線架橋することによ
り、良好な伸びを付与し、かつ優れた機械的強度をもつ
薄肉電線を得ることができる。この技術は機器用電線の
細径化への応用も可能と考えられることから、工業上の
利用価値は極めて大きいといえる。
Claims (1)
- 【請求項1】 導体に、分子量分布指数が2〜10で密
度が0.950以上の高密度ポリエチレンを被覆してな
り、当該被覆層は厚さが0.3mm以下であると共に電
子線架橋により架橋度が50%以上とされていることを
特徴とする薄肉架橋絶縁電線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05117214A JP3077451B2 (ja) | 1993-05-19 | 1993-05-19 | 薄肉架橋絶縁電線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05117214A JP3077451B2 (ja) | 1993-05-19 | 1993-05-19 | 薄肉架橋絶縁電線 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06333435A JPH06333435A (ja) | 1994-12-02 |
JP3077451B2 true JP3077451B2 (ja) | 2000-08-14 |
Family
ID=14706224
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05117214A Expired - Fee Related JP3077451B2 (ja) | 1993-05-19 | 1993-05-19 | 薄肉架橋絶縁電線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3077451B2 (ja) |
-
1993
- 1993-05-19 JP JP05117214A patent/JP3077451B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06333435A (ja) | 1994-12-02 |
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