JP2927058B2 - 耐熱難燃絶縁電線およびその製造方法 - Google Patents

耐熱難燃絶縁電線およびその製造方法

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JP2927058B2
JP2927058B2 JP3180324A JP18032491A JP2927058B2 JP 2927058 B2 JP2927058 B2 JP 2927058B2 JP 3180324 A JP3180324 A JP 3180324A JP 18032491 A JP18032491 A JP 18032491A JP 2927058 B2 JP2927058 B2 JP 2927058B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱難燃絶縁電線および
その製造方法に関するもので、特に180℃以上の高温
に耐える難燃絶縁電線およびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】自動車用絶縁電線には、エンジンの高出
力化、配線の高密度化に伴い、すぐれた耐熱性が要求さ
れており、温度180℃で10日以上耐えることが望ま
しい。従来用いられている絶縁物は架橋ポリエチレンや
架橋塩化ビニル樹脂で、自動車規格JASO D608
−87では自動車用架橋ポリエチレン耐熱低圧電線が1
10℃、自動車用架橋ビニル耐熱低圧電線が90℃の耐
熱区分に属する。これらの絶縁体の耐熱性を高めるため
には、添加する酸化防止剤の量を増す方法が知られてい
る。
【0003】150℃以上の耐熱性を有する絶縁体とし
ては、フッ素樹脂やシリコンゴムが知られている。
【0004】絶縁電線では、金属が絶縁体に接触するこ
とが絶縁体の老化を促進する要因の一つとなっており、
これを防止するために金属害防止剤、例えばトリルトリ
アゾールを、添加することも知られている。
【0005】また、ポリエチレン絶縁電線を難燃化する
ために、有機ハロゲン化物を添加することが知られてい
る。自動車規格JASO D608−87の難燃性試験
に合格するためには、酸素指数23以上でなくてはなら
ない。有機ハロゲン化物を添加したポリエチレン絶縁電
線を安定化するために、ハロゲン捕捉剤として金属酸化
物、その複合塩、ハイドロタルサイト等を添加すること
も知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の自動車用架橋ポ
リエチレン耐熱低圧電線は、180℃では勿論、110
℃の耐熱試験でも、絶縁体が著しく着色且つ脆化し、容
易にひび割れを生ずる。酸化防止剤を増量しても、15
0℃以上の耐熱性は達成できない。
【0007】フッ素樹脂やシリコンゴムは、架橋ポリエ
チレンに比し耐熱性は優れるが、高価である。
【0008】本発明の目的は、フッ素樹脂やシリコンゴ
ムより安価で、温度180℃に少なくとも10日置かれ
てもひび割れを生じない、すぐれた耐熱性を有する自動
車用耐熱難燃絶縁電線を実現することにある。
【0009】本発明の他の目的は、フッ素樹脂やシリコ
ンゴムより安価で、温度180℃に少なくとも10日置
かれてもひび割れを生じない、すぐれた耐熱性を有する
自動車用耐熱難燃性絶縁電線の製造方法を実現すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明では、フッ素樹脂
やシリコンゴムより安価で、温度180℃に少なくとも
10日置かれてもひび割れを生じない、すぐれた耐熱性
を有する自動車用耐熱難燃絶縁電線を実現するため、1
00重量部のポリエチレン、エチレン酢酸ビニルコポリ
マー、エチレンアルキルアクリレートコポリマー、エチ
レンアルキルメタクリレートコポリマーのうちから選ば
れる少なくとも1種のポリマーと、酸素指数が23以上
になるような量の有機ハロゲン化物難燃剤とから成る組
成物、2重量部以上のハイドロタルサイト、および0.
1重量部以上の、イソフタル酸ビスα−フェノキシプロ
ピオニルジヒドラジド、ポリメチレンジカルボン酸ジサ
リチロイルヒドラジド、3-サリチロイルアミノ-1,2,4-
トリアゾール、N,N’−ビス〔3-(3,5- ジ -t-アルキ
ル -4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン
のうちから選ばれる少なくとも1種の化合物から成る、
電子線照射等によりポリマーを架橋した絶縁体で、導体
の外周を被覆して、耐熱難燃絶縁電線を構成する。
【0011】また本発明では、フッ素樹脂やシリコンゴ
ムより安価で、温度180℃に少なくとも10日置かれ
てもひび割れを生じない、すぐれた耐熱性を有する自動
車用耐熱難燃性絶縁電線の製造方法を実現するため、ポ
リエチレン、エチレン酢酸ビニルコポリマー、エチレン
アルキルアクリレートコポリマー、エチレンアルキルメ
タクリレートコポリマーのうちから選ばれる少なくとも
1種のポリマー100重量部に、絶縁体の酸素指数が2
3以上になるような量の有機ハロゲン化物難燃剤を混和
した組成物に、2重量部以上のハイドロタルサイトと、
0.1重量部以上のイソフタル酸ビスα−フェノキシプロ
ピオニルジヒドラジド、ポリメチレンジカルボン酸ジサ
リチロイルヒドラジド、3-サリチロイルアミノ-1,2,4-
トリアゾール、N,N’−ビス〔3-(3,5-ジ -t-アルキ
ル -4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン
のうちから選ばれる少なくとも1種の化合物を混和し
て、絶縁組成物を調製し、この絶縁組成物を導体の外周
に被覆し、電子線照射して、耐熱難燃絶縁電線を製造す
るようにした。
【0012】ポリエチレンとして、低密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖低
密度ポリエチレン等のいずれを用いてもよい。エチレン
アルキルアクリレートコポリマーとしてはエチレンエチ
ルアクリレートコポリマーが好ましい。エチレンアルキ
ルメタクリレートコポリマーとしてはエチレンエチルメ
タクリレートコポリマー、エチレンメチルメタクリレー
トコポリマー等を用いることができる。ポリマーは一種
類を用いてもよく、また複数のポリマーをブレンドポリ
マーの形で用いてもよい。
【0013】ポリメチレンジカルボン酸ジサリチロイル
ヒドラジドとしては例えばデカメチレンジカルボン酸ジ
サリチロイルヒドラジドを用いることができる。N,
N’−ビス〔3-(3,5- ジ -t-アルキル -4-ヒドロキシフ
ェニル)プロピオニル〕ヒドラジンとしては例えばN,
N’−ビス〔3-(3,5- ジ -t-ブチル -4-ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニル〕ヒドラジンを用いることができ
る。
【0014】有機ハロゲン化物系難燃剤は、デカブロモ
ジフェニルオキシド、ポリブロモフェニレンオキシド、
エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、パークロ
ロシクロペンタデカン、テトラブロモビスフェノールA
等から選ぶことができる。そして、三酸化アンチモン等
の無機難燃剤と組み合わせて用いてもよい。
【0015】ハイドロタルサイトは、ポリマー100重
量部に対し2重量部以上含むことを要し、2乃至10重
量部が適当である。ポリマー100重量部に対し2重量
部未満では、有機ハロゲン系難燃剤を安定化することが
できず、満足できる耐熱性が得られない。ポリマー10
0重量部に対し10重量部を超える量を用いても、耐熱
性向上の効果は増大しないから、不経済である。
【0016】イソフタル酸ビスα−フェノキシプロピオ
ニルジヒドラジド等の化合物は、ポリマー100重量部
に対し0.1重量部以上含むことを要し、0.1乃至5
重量部が適当である。ポリマー100重量部に対し0.1
重量部未満では、満足できる耐熱性を有する絶縁電線が
得られない。ポリマー100重量部に対し5重量部を超
える量を用いても、耐熱性向上の効果は増大しないか
ら、不経済である。
【0017】イソフタル酸ビスα−フェノキシプロピオ
ニルジヒドラジドを用いる場合には、ポリマーとして、
90重量%以下のポリエチレンとともにエチレンとカル
ボニル基を含む他のモノマーとの共重合体を含むブレン
ドポリマーを用いることが好ましい。共重合体中にはカ
ルボニル基を含む単量体成分(酢酸ビニル、アルキルア
クリレート、またはアルキルメタクリレート)が5重量
%以上含まれることが好ましい。これは、イソフタル酸
ビスα−フェノキシプロピオニルジヒドラジドを用いる
場合には、ポリマーがポリエチレンのみから成るか、ポ
リエチレンが100%に近いと、引張り特性(未加熱で
の)が悪くなり、伸びが小さく、またその変動も大きく
なるからである。引張り特性を重視する場合、イソフタ
ル酸ビスα−フェノキシプロピオニルジヒドラジドは3
重量部を超えない量で用いることが好ましい。
【0018】
【作用】本発明の、または本発明で製造される絶縁電線
は、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニルコポリマー、エ
チレンアルキルアクリレートコポリマー、エチレンアル
キルメタクリレートコポリマーのうちから選ばれる少な
くとも1種の架橋されたポリマーと、ポリマー100重
量部に対し2重量部以上のハイドロタルサイトと、0.
1重量部以上のイソフタル酸ビスα−フェノキシプロピ
オニルジヒドラジド等の化合物を含むため、優れた耐熱
性を具える。
【0019】また、絶縁体の酸素指数が23以上になる
ような量の有機ハロゲン化物難燃剤をポリマーと共存さ
せるので、自動車規格JASO D608−87の難燃
性試験に合格する、すぐれた難燃性を有する。
【0020】本発明の、または本発明で製造される絶縁
電線は、ポリマー100重量部に対し2重量部以上のハ
イドロタルサイトを含むので、有機ハロゲン系難燃剤が
高温においても安定化され、かつ、ハイドロタルサイト
とイソフタル酸ビスα−フェノキシプロピオニルヒドラ
ジド等の化合物との相乗作用により、導体金属と絶縁体
との接触に基づく劣化が、より効果的に防止され、すぐ
れた難燃性と耐熱性を有する。
【0021】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明のより具体的な
説明とする。 〔実施例1〕本発明による絶縁電線の第一の例は、密度
0.925、メルトインデックス0.3(温度190℃)の
低密度ポリエチレン100重量部、三酸化アンチモン1
2重量部、デカブロモジフェニルエーテル30重量部、
酸化防止剤1.5重量部、ハイドロタルサイト4重量部、
イソフタル酸ビスα−フェノキシプロピオニルジヒドラ
ジド0.5重量部から成り、ポリエチレンを電子線架橋し
たものである。
【0022】低密度ポリエチレンとして三井デュポンポ
リケミカル社 ミラソン3530、デカブロモジフェニ
ルエーテルとしてマナック社EB10、酸化防止剤とし
てチバガイギー社イルガノックス1010(0.5重量
部)および白石カルシウム社シーノックス412S(1
重量部)、ハイドロタルサイトとして協和化学社DHT
−4Aを、それぞれ用いた。
【0023】上記の絶縁電線は、以下の方法により製造
した。低密度ポリエチレン100重量部、三酸化アンチ
モン12重量部、デカブロモジフェニルエーテル30重
量部、および酸化防止剤1.5重量部を、バンバリミキサ
ーを用い、温度150℃で均一に混合した。これを基本
コンパウンドと称する。基本コンパウンドの酸素指数は
27であった。
【0024】基本コンパウンド全量(143.5重量部)
にハイドロタルサイト4重量部、イソフタル酸ビスα−
フェノキシプロピオニルジヒドラジド0.5重量部を加
え、バンバリミキサーを用い、温度150℃で均一に混
合した(絶縁組成物)。
【0025】この絶縁組成物を40mm押出機を用いて温
度170℃で、外径0.32mmの錫めっき銅素線を7本撚
り合わせた導体の外周に厚さ約0.5mmに被覆した(未架
橋絶縁電線)。これに、加速電圧1MVの電子線照射装
置により20Mradの電子線を照射し、ポリマーを架
橋させた。
【0026】〔実施例2〕ハイドロタルサイトの量を2
重量部(ポリエチレン100重量部に対して。以下同
様)に、イソフタル酸ビスα−フェノキシプロピオニル
ジヒドラジドの量を0.1重量部に、それぞれ変更した以
外は、実施例1と同様にして、絶縁電線を製造した。
【0027】〔実施例3〕ハイドロタルサイトの量を6
重量部とし、金属害防止剤としてイソフタル酸ビスα−
フェノキシプロピオニルジヒドラジド0.5重量部の代わ
りにデカメチレンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラジ
ド0.5重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして絶
縁電線を製造した。
【0028】〔実施例4〕ハイドロタルサイトの量を3
重量部とし、デカメチレンジカルボン酸ジサリチロイル
ヒドラジドの量を0.3重量部とした以外は、実施例3と
同様にして絶縁電線を製造した。
【0029】〔実施例5〕ハイドロタルサイトの量を5
重量部とし、イソフタル酸ビスα−フェノキシプロピオ
ニルジヒドラジド0.5重量部の代わりに3-サリチロイル
アミノ-1,2,4- トリアゾール0.6重量部を用いた以外
は、実施例1と同様にして絶縁電線を製造した。
【0030】〔実施例6〕ハイドロタルサイトの量を3
重量部とし、3-サリチロイルアミノ-1,2,4- トリアゾー
ルの量を0.4重量部とした以外は、実施例5と同様にし
て絶縁電線を製造した。
【0031】〔実施例7〕ハイドロタルサイトの量を5
重量部とし、イソフタル酸ビスα−フェノキシプロピオ
ニルジヒドラジド0.5重量部の代わりにN,N’−ビス
〔3-(3,5- ジ -t-ブチル -4-ヒドロキシフェニル)プロ
ピオニル〕ヒドラジン0.7重量部を用いた以外は、実施
例1と同様にして絶縁電線を製造した。
【0032】〔実施例8〕ハイドロタルサイトの量を
2.5重量部とし、N,N’−ビス〔3-(3,5- ジ -t-ブチ
ル -4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン
0.3重量部を用いた以外は、実施例7と同様にして絶縁
電線を製造した。
【0033】〔実施例9〕酸化防止剤の量を0.6重量部
に、ハイドロタルサイトの量を5重量部にした以外は、
実施例1と同様にして絶縁電線を製造した。この絶縁電
線の引張試験における伸び率は180%であった。耐熱
性については、後に他の実施例とともに示す。
【0034】〔実施例10〕低密度ポリエチレン100
重量部の代わりに、同じポリエチレン80重量部とエチ
レン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポンポリケミカル
社エバフレックスP−1405、エチレン:酢酸ビニル
重量比81:19)20重量部とのブレンドポリマーを
用い、酸化防止剤の量を0.6重量部に、ハイドロタルサ
イトの量を5重量部にした以外は、実施例1と同様にし
て絶縁電線を製造した。この絶縁電線の引張試験におけ
る伸び率は450%で、実施例9の180%に比して優
れていた。耐熱性については、後に他の実施例とともに
示す。
【0035】〔実施例11〕低密度ポリエチレン60重
量部とエチレン−酢酸ビニル共重合体40重量部のブレ
ンドポリマーを用いた以外は実施例9と同様にして、絶
縁電線を製造した。この絶縁電線の引張試験における伸
び率は480%であった。耐熱性については、後に他の
実施例とともに示す。
【0036】〔実施例12〕ポリエチレン100重量部
の代わりに、同じポリエチレン70重量部とエチレン−
エチルアクリレート共重合体(日本石油化学社レクスロ
ンEEA A2150、エチレン:エチルアクリレート
比85:15)30重量部を用いた以外は、実施例1と
同様にして絶縁電線を製造した。この絶縁電線の引張試
験における伸び率は430%であった。耐熱性について
は以下に他の実施例とともに示す。
【0037】実施例1〜11において得た絶縁電線の耐
熱性を、JASO規格の試験方法に準じて、温度のみ1
80℃に変更して評価した。温度180℃で最大20日
間加熱し、クラックの発生を観察した。クラックの発生
するまでの日数を老化限度日数として、各実施例の絶縁
物組成の特徴とともに表1、表2および表3に示す。
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】〔比較例1〜5〕実施例1において用いた
ハイドロタルサイトの代わりに、表4に示す化合物(ハ
ロゲン捕捉剤)を用い、実施例1と同様にして絶縁電線
を製造した(金属害防止剤はイソフタル酸ビスα−フェ
ノキシプロピオニルジヒドラジド0.5重量部)。表4に
は各化合物の量をポリエチレン100重量部に対する重
量部で示した。エポキシ系安定剤は旭電化工業(株)の
EP13で、8%のオキシラン酸素を含む比重1.1の液
状安定剤である。
【0042】比較例の絶縁電線についてそれぞれ実施例
と同様に耐熱試験を行った。その結果を表4中に示す。
【0043】
【0044】〔比較例6〜9〕実施例5において用いた
ハイドロタルサイトの代わりに、表5に示す種類と量の
化合物(ハロゲン捕捉剤)を用い、実施例5と同様にし
て絶縁電線を製造した(金属害防止剤は3-サリチロイル
アミノ-1,2,4- トリアゾール)。各化合物の量はポリエ
チレン100重量部に対する重量部を示す。実施例と同
様に耐熱試験を行い、その結果も表5中に示した。
【0045】
【0046】〔比較例10〕ポリエチレン80重量部と
エチレン−酢酸ビニル共重合体20重量部のブレンドポ
リマーを用いた実施例10において、ハイドロタルサイ
トの量を1重量部とした以外は実施例10と同様にし
て、絶縁電線を製造した。実施例1等と同様に耐熱試験
を行った結果、老化限度日数は6日であった。
【0047】〔従来例1〕実施例1において用いたハイ
ドロタルサイトを省略して、実施例1と同様に絶縁電線
を製造した(金属害防止剤はイソフタル酸ビスα−フェ
ノキシプロピオニルジヒドラジド)。実施例1等と同様
に耐熱試験を行った結果、老化限度日数は僅か3日であ
った。
【0048】〔従来例2〕実施例1において用いたイソ
フタル酸ビスα−フェノキシプロピオニルジヒドラジド
を省略して、実施例1と同様に絶縁電線を製造した。実
施例1等と同様に耐熱試験を行った結果、老化限度日数
は僅か3日であった。以上の実施例、比較例、および従
来例から、本発明の、または本発明により製造された絶
縁電線が優れた耐熱性を有することが明らかである。
【0049】
【発明の効果】本発明の耐熱難燃絶縁電線は、フッ素樹
脂やシリコンゴムより安価で、温度180℃に少なくと
も10日置かれてもひび割れを生じない、すぐれた耐熱
性を有するから、自動車用耐熱難燃絶縁電線として有用
である。
【0050】本発明の耐熱難燃絶縁電線の製造方法によ
ると、フッ素樹脂やシリコンゴムより安価で、温度18
0℃に少なくとも10日置かれてもひび割れを生じな
い、すぐれた耐熱性を有する自動車用耐熱難燃絶縁電線
を、製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/24 C08K 5/24 C08L 23/02 C08L 23/02 31/04 31/04 (72)発明者 樫村 均 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日 立電線株式会社 日高工場内 (72)発明者 小沢 一則 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日 立電線株式会社 日高工場内 (56)参考文献 特開 昭60−118724(JP,A) 特開 昭47−4886(JP,A) 特開 昭49−346(JP,A) 特開 昭52−85241(JP,A) 特開 昭54−1359(JP,A) 特開 昭54−77655(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01B 7/34 C08L 33/06 H01B 3/44 H01B 7/02

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体と、その外周を被覆する絶縁体から
    成り、該絶縁体が架橋されたポリオレフィンと、酸素指
    数が23以上となる量の有機ハロゲン化物難燃剤から成
    る耐熱難燃絶縁電線において、前記絶縁体は、ポリエチ
    レン、エチレン酢酸ビニルコポリマー、エチレンアルキ
    ルアクリレートコポリマー、エチレンアルキルメタクリ
    レートコポリマーのうちから選ばれる少なくとも1種の
    ポリマーと、酸素指数が23以上になる量の前記難燃剤
    と、ハイドロタルサイトと、イソフタル酸ビスα−フェ
    ノキシプロピオニルジヒドラジド、ポリメチレンジカル
    ボン酸ジサリチロイルヒドラジド、3-サリチロイルアミ
    ノ-1,2,4- トリアゾール、N,N’−ビス〔3-(3,5- ジ
    -t-アルキル -4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕
    ヒドラジンのうちから選ばれる少なくとも1種の化合物
    から成り、前記ポリマー100重量部に対し、前記ハイ
    ドロタルサイトは2重量部以上、前記化合物は0.1重量
    部以上、それぞれ含まれることを特徴とする、耐熱難燃
    絶縁電線。
  2. 【請求項2】 前記ポリマーが電子線照射により架橋さ
    れている、請求項1の耐熱難燃絶縁電線。
  3. 【請求項3】 前記エチレンアルキルアクリレートコポ
    リマーが、エチレンエチルアクリレートコポリマーであ
    る、請求項1または2の耐熱難燃絶縁電線。
  4. 【請求項4】 前記ポリメチレンジカルボン酸ジサリチ
    ロイルヒドラジドが、デカメチレンジカルボン酸ジサリ
    チロイルヒドラジドである、請求項1ないし3いずれか
    の耐熱難燃絶縁電線。
  5. 【請求項5】 前記N,N’−ビス〔3-(3,5- ジ -t-ア
    ルキル -4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラ
    ジンが、N,N’−ビス〔3-(3,5- ジ -t-ブチル -4-ヒ
    ドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジンである、
    請求項1ないし3いずれかの耐熱難燃絶縁電線。
  6. 【請求項6】 前記ポリマーは、90重量%以下のポリ
    エチレンと、10重量%以上のエチレン酢酸ビニルコポ
    リマー、エチレンアルキルアクリレートコポリマー、エ
    チレンアルキルメタクリレートコポリマーのうちから選
    ばれる少なくとも1種のポリマーとのブレンドポリマー
    であり、前記絶縁体は、イソフタル酸ビスα−フェノキ
    シプロピオニルジヒドラジドを0.1乃至3重量部含む、
    請求項1ないし3のいずれかの耐熱難燃絶縁電線。
  7. 【請求項7】 ポリエチレン、エチレン酢酸ビニルコポ
    リマー、エチレンアルキルアクリレートコポリマー、エ
    チレンアルキルメタクリレートコポリマーのうちから選
    ばれる少なくとも1種のポリマー100重量部に、絶縁
    組成物の酸素指数が23以上になる量の有機ハロゲン化
    物難燃剤を混和した組成物に、2重量部以上のハイドロ
    タルサイトと、0.1重量部以上のイソフタル酸ビスα−
    フェノキシプロピオニルジヒドラジド、ポリメチレンジ
    カルボン酸ジサリチロイルヒドラジド、3-サリチロイル
    アミノ-1,2,4- トリアゾール、N,N’−ビス〔3-(3,5
    -ジ -t-アルキル -4-ヒドロキシフェニル)プロピオニ
    ル〕ヒドラジンのうちから選ばれる少なくとも1種の化
    合物を混和して、絶縁組成物を調製し、この絶縁組成物
    を導体の外周に被覆し、電子線照射して前記ポリマーを
    架橋することを特徴とする、耐熱難燃絶縁電線の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記ポリメチレンジカルボン酸ジサリチ
    ロイルヒドラジドがデカメチレンジカルボン酸ジサリチ
    ロイルヒドラジドであり、前記N,N’−ビス〔3-(3,5
    - ジ -t-アルキル -4-ヒドロキシフェニル)プロピオニ
    ル〕ヒドラジンがN,N’−ビス〔3-(3,5- ジ -t-ブチ
    ル -4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン
    である、請求項7の耐熱難燃絶縁電線の製造方法。
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