JP3418214B2 - コイル用絶縁電線 - Google Patents

コイル用絶縁電線

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JP3418214B2
JP3418214B2 JP01721593A JP1721593A JP3418214B2 JP 3418214 B2 JP3418214 B2 JP 3418214B2 JP 01721593 A JP01721593 A JP 01721593A JP 1721593 A JP1721593 A JP 1721593A JP 3418214 B2 JP3418214 B2 JP 3418214B2
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coil
insulating layer
insulated wire
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conductor
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禎 石井
憲司 望木
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THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
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THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はコイル用絶縁電線に関
し、更に詳しくは、コイル加工したときの皺発生が少な
い絶縁層で被覆されたコイル用絶縁電線に関する。 【0002】 【従来の技術】電気・通信機器などに使用されるコイル
成形体は、一般に、絶縁電線を所定形状に巻線したの
ち、そこにワニス含浸を行い、各電線を相互に接着固定
して製造されている。例えば、家庭用および工業用の配
電設備に用いられる渦電流防止用ブレーカの場合、綿巻
線が使用され、巻線後ワニス含浸を施してコイル成形体
に製造されている。 【0003】しかしながら、綿巻線を用いたコイルの場
合、コイル製造に要する工程が長く、また成形後の端末
処理時における作業性が悪い。このため、上記した綿巻
線に代えて、導体の表面に絶縁層を被覆して成る被覆電
線を用いてコイルを製作することが検討されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来か
ら提案されているコイル用絶縁電線の場合、その電線を
マンドレルに巻くと、絶縁層の外側では伸張力が生じ、
内側では圧縮力が働くため、一般に、マンドレル側の絶
縁層に多数の皺が発生し、コイル成形体の不良率が高く
なる。 【0005】これは、マンドレルへ巻く時の圧縮力によ
って、内側の絶縁層が外側に押し出されることに起因す
る現象である。本発明は、絶縁層で被覆された従来のコ
イル用絶縁電線における上記した問題を解決し、巻線時
の皺発生を抑制し、したがって巻く時の不良率も低い絶
縁層を備えているコイル用絶縁電線の提供を目的とす
る。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、導体と前記導体の外周を被
覆する絶縁層とから成るコイル用絶縁電線において、前
記絶縁層がエチレン−フルオロオレフィン系共重合体
00重量部に対して架橋促進剤を5〜10重量部配合し
た混和組成物の架橋体から成り、かつ、前記架橋体のM
30値が3.1kg/mm2以上であることを特徴とするコイル用
絶縁電線が提供される。 【0007】本発明のコイル用絶縁電線はその絶縁層に
特徴を有する。すなわち、まず、絶縁層は、エチレン−
フルオロオレフィン系共重合体の架橋体で構成され、そ
のM 30値は3.1kg/mm2 以上のものである。用いるエチレ
ン−フルオロオレフィン系共重合体としては、例えば、
エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン
−クロロトリフルオロエチレン共重合体、または両者の
混合物をあげることができる。 【0008】また、M30値とは、ASTMD638に準
拠して、試験速度50mm/分で伸び率(%)を測定した
とき、30%伸張時の抗張力で求められる。すなわちこ
のM30値は、架橋体の絶縁層が30%伸張したときの抵
抗力を表すが、それは、マンドレルに巻く時に絶縁層に
発生する圧縮力に相当する。われわれの研究によれば、
より詳細には、電線の2倍径の直径を有するマンドレル
にその電線を巻いたときに、絶縁層が圧縮される割合を
示す。すなわち、このM30値は、巻線時の巻付け径が電
線の2倍径以上である場合の巻付けやすさを表す尺度で
ある。 【0009】本発明のコイル用絶縁電線においては、絶
縁層のM30値が3.1kg/mm2 以上に設定される。このM30
値が3.1kg/mm2 より低い場合は、巻線時に、絶縁層に皺
が多数発生してくるからである。この絶縁層は次のよう
にして形成されることが好ましい。例えば、上記したエ
チレン−フルオロオレフィン系共重合体に架橋促進剤を
混和し、得られた混和組成物で導体表面を押出被覆した
のち、その押出被覆層に放射線を照射して架橋反応を進
める方法である。 【0010】このとき用いる架橋促進剤としては、例え
ば、トリアリルシアヌレート,トリアリルイソシアヌレ
ート,トリアリルトリメリテート,テトラアリルピロメ
リテートのようなアリル型化合物を好適なものとしてあ
げることができる。また、架橋促進剤の配合量は、エチ
レン−フルオロオレフィン系共重合体100重量部に対
し5〜10重量部であることが好ましい。配合量が5重
量部未満の場合は、架橋促進効果が不充分となり、巻線
時における皺発生の抑制が十分ではなく、また、10重
量部より多くなると、エチレン−フルオロオレフィン系
共重合体との均一な混和が困難になるからである。 【0011】なお、上記混和組成物には、更に必要に応
じて、公知の無機充填剤,酸化防止剤,着色剤などを適
量添加してもよく、また、テトラフルオロエチレン−プ
ロピレン共重合体やポリフッ化ビニリデンなどの他のフ
ッ素樹脂を配合してもよい。このようにして調製された
混和組成物で導体の外周を押出被覆したのち、その被覆
層に電子線またはγ線などの電離性放射線を照射する。 【0012】このときの放射線照射量が多すぎると、得
られる架橋体が劣化するので40Mrad以下であることが
適切である。しかし、放射線照射量が少なすぎると、架
橋が充分に進まず、上記したM30値が3.1kg/mm2 以上に
ならないため、好適には、25〜30Mradにする。この
放射線照射は、通常、室温程度の温度下で行われるが、
より高温の雰囲気下で行ってもよい。 【0013】絶縁層の厚みは0.5mm以下であることが好
ましい。より好ましくは0.4mm以下にする。厚みが0.5
mmより厚くなると、絶縁層の可撓性が低下して、マンド
レルへの巻線が困難になるからである。また、この絶縁
層は1層であってもよいが、2層以上であってもよい。
その場合、少なくとも最外層の絶縁層を、そのM30値が
3.1kg/mm2 以上となるように形成する。 【0014】 【発明の実施例】 実施例1〜6、比較例1,2 原料投入部からクロスヘッド部までの帯域が270℃,
305℃,325℃の3段階に温度管理され、クロスヘ
ッド部およびダイ部の温度がいずれも280℃に管理さ
れ、スクリュー回転数が10rpm ,L/Dが24,圧縮
比が3に設定された押出機に、表1に示した成分を表示
の割合(重量部)で投入して混和し、それらの混和組成
物を、140℃に予熱された外径3.26mmの導体に押出
被覆して2層の被覆層を形成した。1層目の被覆層の厚
みは0.1mm,2層目の被覆層(外側層)の厚みは0.15
mmとした。 【0015】 【表1】【0016】各被覆電線に、表2に示した照射量で電子
線を照射して被覆層の架橋を行った。得られた電線の外
側層につき、M30値とM100 値を測定し、また、各電線
を直径7mm,14mmのマンドレルに巻き付けて、2倍径
巻き付け時、および、4倍巻き付け時における皺の発生
数を目視観察した。 【0017】皺発生数は目視により計測した。以上の結
果を一括して表2に示した。 【0018】 【表2】【0019】 【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
コイル用絶縁電線は、コイル加工したときにその絶縁層
に皺がほとんど発生せず、コイル成形体の外観は良好で
ある。これは絶縁層のM30値を3.1kg/mm2 以上と規定し
たことがもたらす効果である。したがって、本発明のコ
イル用絶縁電線を用いると、製造コイルの不良率を大幅
に低減させることができ、コイルの生産性を高めること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 7/02 H01B 3/44

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 導体と前記導体の外周を被覆する絶縁層
    とから成るコイル用絶縁電線において、前記絶縁層がエ
    チレン−フルオロオレフィン系共重合体100重量部に
    対して架橋促進剤を5〜10重量部配合した混和組成物
    の架橋体から成り、かつ、前記架橋体のM30値が3.1kg/
    mm2以上であることを特徴とするコイル用絶縁電線。
JP01721593A 1993-02-04 1993-02-04 コイル用絶縁電線 Expired - Lifetime JP3418214B2 (ja)

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JPH06231616A JPH06231616A (ja) 1994-08-19
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