JP2018184528A - ノンハロゲン難燃性樹脂組成物の製造方法及び絶縁電線の製造方法並びにケーブルの製造方法 - Google Patents

ノンハロゲン難燃性樹脂組成物の製造方法及び絶縁電線の製造方法並びにケーブルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】脂肪酸処理量の多い金属水酸化物を用いても、伸び特性及び耐寒性を奏することができるノンハロゲン難燃性樹脂組成物の製造方法及び絶縁電線の製造方法並びにケーブルの製造方法を提供する。【解決手段】酢酸ビニル量が50質量%以下のエチレン酢酸ビニル共重合体を主成分とし、ガラス転移点が−55℃以下である酸変性ポリオレフィン樹脂を1質量部以上30質量部以下含有するベースポリマ100質量部に対して、脂肪酸処理された金属水酸化物を170質量部以上添加したノンハロゲン難燃性樹脂組成物を製造する方法であって、前記脂肪酸処理された金属水酸化物は、その表面処理量が0.4質量%を超えるものであり、前記ベースポリマと前記脂肪酸処理された金属水酸化物を混練終了温度が140℃を超え200℃以下の条件で混練してノンハロゲン難燃性樹脂組成物を製造することを特徴とするノンハロゲン難燃性樹脂組成物の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、ノンハロゲン難燃性樹脂組成物の製造方法及び絶縁電線の製造方法並びにケーブルの製造方法に関する。
絶縁電線やケーブルには、導体の外周を被覆するように絶縁層が設けられている。これらの形成材料としては、ハロゲン化合物を含まず、難燃性を有するノンハロゲン難燃性樹脂組成物が用いられる。
ノンハロゲン難燃性樹脂組成物としては、例えば、伸び特性及び耐寒性を確保するため、特定の酢酸ビニル量を有するエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)と特定のガラス転移点を有する酸変性ポリオレフィン樹脂とを所定量混合したベースポリマに難燃剤としての金属水酸化物を大量に配合したものが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。
また、金属水酸化物としては、伸び特性を損なうことなく難燃性を発現させるために脂肪酸処理された金属水酸化物が使用されることがある(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5を参照)。
特開2010−97881号公報 特開2014−101454号公報 特開2014−53247号公報 特開2016−021360号公報 特開2016−134381号公報
絶縁電線・ケーブルには、脂肪酸処理された金属水酸化物として、その表面処理量が0.4質量%のものが使用されているが、近年では、0.4質量%を超えて脂肪酸処理量の多い金属水酸化物も上市されている。脂肪酸処理された金属水酸化物は、伸び特性を損なうことなく難燃性を発現することができるが、脂肪酸処理量の多い金属水酸化物は混練温度などの熱影響を受けやすく変質するため、ノンハロゲン難燃性樹脂組成物の特性に与える影響が大きい。
このように脂肪酸処理量の多い金属水酸化物を用いたノンハロゲン難燃性樹脂組成物の特性評価については今後更なる検討が必要であり、ノンハロゲン難燃性樹脂組成物の製造方法についても未だ改善の余地がある。
そこで、本発明の目的は、脂肪酸処理量の多い金属水酸化物を用いても、伸び特性及び耐寒性を奏することができるノンハロゲン難燃性樹脂組成物の製造方法及び絶縁電線の製造方法並びにケーブルの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によれば、以下のノンハロゲン難燃性樹脂組成物の製造方法及び絶縁電線の製造方法並びにケーブルの製造方法が提供される。
[1]酢酸ビニル量が50質量%以下のエチレン酢酸ビニル共重合体を主成分とし、ガラス転移点が−55℃以下である酸変性ポリオレフィン樹脂を1質量部以上30質量部以下含有するベースポリマ100質量部に対して、脂肪酸処理された金属水酸化物を170質量部以上添加したノンハロゲン難燃性樹脂組成物を製造する方法であって、前記脂肪酸処理された金属水酸化物は、その表面処理量が0.4質量%を超えるものであり、前記ベースポリマと前記脂肪酸処理された金属水酸化物を混練終了温度が140℃を超え200℃以下の条件で混練してノンハロゲン難燃性樹脂組成物を製造することを特徴とするノンハロゲン難燃性樹脂組成物の製造方法。
[2]導体の外周に、酢酸ビニル量が50質量%以下のエチレン酢酸ビニル共重合体を主成分とし、ガラス転移点が−55℃以下である酸変性ポリオレフィン樹脂を1質量部以上30質量部以下含有するベースポリマ100質量部に対して、脂肪酸処理された金属水酸化物を170質量部以上添加したノンハロゲン難燃性樹脂組成物を被覆して絶縁電線を製造する方法であって、前記脂肪酸処理された金属水酸化物は、その表面処理量が0.4質量%を超えるものであり、前記ベースポリマと前記脂肪酸処理された金属水酸化物を混練終了温度が140℃を超え200℃以下の条件で混練して成形体を製造する工程と、押出機を用いて前記成形体を前記導体の外周に被覆する被覆工程とを備えることを特徴とする絶縁電線の製造方法。
[3]導体の上に絶縁層を形成した電線の外側に、酢酸ビニル量が50質量%以下のエチレン酢酸ビニル共重合体を主成分とし、ガラス転移点が−55℃以下である酸変性ポリオレフィン樹脂を1質量部以上30質量部以下含有するベースポリマ100質量部に対して、脂肪酸処理された金属水酸化物を170質量部以上添加したノンハロゲン難燃性樹脂組成物を被覆したシースを備えたケーブルを製造する方法であって、前記脂肪酸処理された金属水酸化物は、その表面処理量が0.4質量%を超えるものであり、前記ベースポリマと前記脂肪酸処理された金属水酸化物を混練終了温度が140℃を超え200℃以下の条件で混練して成形体を製造する工程と、押出機を用いて前記成形体を前記電線の外周に被覆してシースを形成する工程とを備えることを特徴とするケーブルの製造方法。
本発明によれば、脂肪酸処理量の多い金属水酸化物を用いても、伸び特性及び耐寒性を奏することができるノンハロゲン難燃性樹脂組成物の製造方法及び絶縁電線の製造方法並びにケーブルの製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る絶縁電線の製造方法により製造された絶縁電線を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るケーブルの製造方法により製造されたケーブルを示す断面図である。
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の一実施形態について説明する。
〔ノンハロゲン難燃性樹脂組成物の製造方法〕
本発明の一実施形態に係るノンハロゲン難燃性樹脂組成物の製造方法は、酢酸ビニル量が50質量%以下のエチレン酢酸ビニル共重合体を主成分とし、ガラス転移点が−55℃以下である酸変性ポリオレフィン樹脂を1質量部以上30質量部以下含有するベースポリマ100質量部に対して、脂肪酸処理された金属水酸化物を170質量部以上添加したノンハロゲン難燃性樹脂組成物を製造する方法であって、前記脂肪酸処理された金属水酸化物は、その表面処理量が0.4質量%を超えるものであり、前記ベースポリマと前記脂肪酸処理された金属水酸化物を混練終了温度が140℃を超え200℃以下の条件で混練してノンハロゲン難燃性樹脂組成物を製造するものである。
脂肪酸処理された金属水酸化物は、伸び特性を損なうことなく難燃性を発現するのに寄与するものである。この脂肪酸処理された金属水酸化物としては、絶縁電線・ケーブルの分野において表面処理量が0.4質量%の低脂肪酸処理量のものが使用されているが、近年では、0.4質量%を超える表面処理量のものも上市されている。
そして、本発明者らの検討により、この0.4質量%を超える脂肪酸処理量の多い金属水酸化物を大量に配合するノンハロゲン難燃性樹脂組成物を製造する場合であって、脂肪酸処理量の少ない金属水酸化物を用いた場合と同様の従来の混練温度とした場合に、伸び特性が低下してしまうことがわかった。
本発明者らは、脂肪酸処理された金属水酸化物は混練温度の影響を受けたためポリマとの密着性が小さい疎水部が分解され、ポリマとの密着性が大きい親水部のみが金属水酸化物の表面に残存し、脂肪酸処理量の多い金属水酸化物を用いることで、脂肪酸処理量の少ない金属水酸化物を用いる場合に比べて親水部の露出量が増大し、その結果、伸び特性が低下したものと推察する。
そこで、本発明は、従来の脂肪酸処理量の少ない金属水酸化物を用いた場合の混練終了温度条件(例えば、特許文献4及び特許文献5を参照)よりも低温である200℃以下とする混練条件を採用することにより、脂肪酸処理量の多い金属水酸化物を大量に配合したノンハロゲン難燃性樹脂組成物であっても、伸び特性を損なうことなく難燃性を発現することができるのである。
[ノンハロゲン難燃性樹脂組成物]
(ベースポリマ)
本発明の一実施形態に係るノンハロゲン難燃性樹脂組成物の製造方法に用いるベースポリマとしては、酢酸ビニル量が50質量%以下のエチレン酢酸ビニル共重合体を主成分とし、ガラス転移点が−55℃以下である酸変性ポリオレフィン樹脂を1質量部以上30質量部以下含有する。
「エチレン酢酸ビニル共重合体を主成分とする」とは、ベースポリマ中でエチレン酢酸ビニル共重合体が最も多い成分であることを意味する。すなわち、ベースポリマ中のエチレン酢酸ビニル共重合体の含有量が50質量%以上であることを意味する。好ましくは、70質量%以上であり、より好ましくは、80質量%以上であり、さらに好ましくは、90質量%以上である。
エチレン酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル量を50質量%以下に限定したのは、酢酸ビニル量が50質量%を超えると耐寒性が低下するためである。酢酸ビニル量の下限値は特にこれを限定しないが、30質量%以上であることが好ましい。
ガラス転移点が−55℃以下である酸変性ポリオレフィン樹脂に限定したのは、ガラス転移点が−55℃より高い酸変性ポリオレフィン樹脂を用いると、耐寒性が低下するためである。
また、ガラス転移点が−55℃以下である酸変性ポリオレフィン樹脂を1質量部以上に限定したのは、1質量部未満ではポリマと金属水酸化物との密着が不十分であり、耐寒性が低下するためである。ガラス転移点が−55℃以下である酸変性ポリオレフィン樹脂を30質量部以下に限定したのは、30質量部を超えると、ポリマと金属水酸化物との密着が強くなりすぎて、伸び特性が低下するためである。
ガラス転移点が−55℃以下である酸変性ポリオレフィン樹脂としては、例えば、酸変性を施した、超低密度ポリエチレン、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体等を挙げることができる。また、これらのポリマを併用することもできる。酸としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等を挙げることができる。
本実施の形態において、その効果を発揮する限り、ベースポリマには、酢酸ビニル量が50質量%以下のエチレン酢酸ビニル共重合体及び、ガラス転移点が−55℃以下である酸変性ポリオレフィン樹脂以外のポリマ成分を含有させてもよい。
(金属水酸化物)
本発明の一実施形態に係るノンハロゲン難燃性樹脂組成物の製造方法に用いる金属水酸化物としては、脂肪酸処理された金属水酸化物を用いる。伸び特性を損なうことなく難燃性を発現するためである。
また、脂肪酸処理された金属水酸化物はその表面処理量が0.4質量%を超えるものである。本発明の混練条件は、脂肪酸処理量の多い金属水酸化物を大量に配合した場合に、より効果を奏するためである。この表面処理量は0.8質量%以上のものがより好ましい。上記表面処理量の上限は特にこれを限定するものではないが、絶縁電線・ケーブルに使用することを考慮する場合には、1.5質量%以下であることが好適である。
金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムが望ましく、1種単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。例えば、引張強度の向上を目的として、更にシラン処理水酸化マグネシウムを併用することができる。
金属水酸化物はベースポリマ100質量部に対して170質量部以上添加する。170質量部以上に限定した理由は、本発明の混練条件が、脂肪酸処理量の多い金属水酸化物を大量に配合した場合に、より効果を奏するためである。添加量の上限は特にこれを限定するものではないが、機械的強度を考慮すると、250質量部以下とすることが好適である。
(その他添加剤)
ノンハロゲン難燃性樹脂組成物には、架橋させるために、架橋剤や架橋助剤を含有させるとよい。架橋方法としては、電子線や放射線などを照射して架橋させる照射架橋法や、化学架橋法等が挙げられる。照射架橋法の場合には、ノンハロゲン難燃性樹脂組成物に架橋助剤を含有させるとよい。架橋助剤としては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPT)、トリアリルイソシアネート(TAIC:登録商標)などを用いることができる。化学架橋法の場合、ノンハロゲン難燃性樹脂組成物に架橋剤を含有させるとよい。架橋剤としては、例えば、1,3−ビス(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド(DCP)などの有機過酸化物を用いることができる。
また、ノンハロゲン難燃性樹脂組成物には、必要に応じて、難燃助剤、酸化防止剤、滑剤、軟化剤、可塑剤、無機充填剤、相溶化剤、安定剤、カーボンブラック、着色剤などが含有されてもよい。これらはノンハロゲン難燃性樹脂組成物の特性を損なわない範囲で含有させることができる。
(混練工程)
本発明の一実施形態に係るノンハロゲン難燃性樹脂組成物の製造方法は、ベースポリマおよび脂肪酸処理された金属水酸化物を混練終了温度が140℃を超え200℃以下の条件で混練する工程を含む。140℃未満であると、ベースポリマの分散性が悪く、耐寒性が低下するためである。200℃を超えると、伸び特性が低下するためである。混練終了温度は、好ましくは150℃以上200℃以下、160℃以上200℃以下、より好ましくは170℃以上200℃以下である。
[絶縁電線の製造方法]
本発明の他の実施形態に係る絶縁電線の製造方法は、導体の外周に、酢酸ビニル量が50質量%以下のエチレン酢酸ビニル共重合体を主成分とし、ガラス転移点が−55℃以下である酸変性ポリオレフィン樹脂を1質量部以上30質量部以下含有するベースポリマ100質量部に対して、脂肪酸処理された金属水酸化物を170質量部以上添加したノンハロゲン難燃性樹脂組成物を被覆して絶縁電線を製造する方法であって、前記脂肪酸処理された金属水酸化物は、その表面処理量が0.4質量%を超えるものであり、前記ベースポリマと前記脂肪酸処理された金属水酸化物を混練終了温度が140℃を超え200℃以下の条件で混練して成形体を製造する工程と、押出機を用いて前記成形体を前記導体の外周に被覆する被覆工程とを備えるものである。尚、本発明の実施形態であるノンハロゲン難燃性樹脂組成物の製造方法の説明と共通する説明は省略する。
(成形体を製造する工程)
本発明の他の実施形態に係る絶縁電線の製造方法は、前記ベースポリマと前記脂肪酸処理された金属水酸化物を混練終了温度が140℃を超え200℃以下の条件で混練して成形体を製造する工程を含む。混練終了温度は、好ましくは150℃以上200℃以下、160℃以上200℃以下、より好ましくは170℃以上200℃以下である。
成形体の形状は特に限定されるものではなく、ペレット状でもベルト状であってもよい。また、混練機についても特に制限はなく、ニーダ等の汎用の混練機を用いることができる。例えば、加圧式ニーダを用いることができる。
(被覆工程)
本発明の他の実施形態に係る絶縁電線の製造方法は、押出機を用いて成形体を導体の外周に被覆する被覆工程を含む。押出機としては、汎用の押出機を用いることができる。例えば、連続蒸気架橋押出機を用いることができる。
(絶縁電線)
図1は、本発明の一実施形態に係る絶縁電線の製造方法により製造された絶縁電線を示す断面図である。
図1に示すように、絶縁電線10は、導体1と導体1の外周に被覆する絶縁層2とを有する。
絶縁層2は、本発明の上記ノンハロゲン難燃性樹脂組成物から構成されている。
また、導体1としては、通常用いられる金属線、例えば銅線、銅合金線の他、アルミニウム線、金線、銀線などを用いることができる。また、金属線の外周にスズやニッケルなどの金属めっきを施したものを用いてもよい。さらに、金属線を撚り合わせた集合撚り導体を用いることもできる。
本発明の他の実施形態に係る絶縁電線の製造方法は、実施例で作製した絶縁電線に限らず、あらゆるサイズに適用可能であり、盤内配線用、車両用、自動車用、機器内配線用、電力用の絶縁電線の各絶縁層に使用できる。
[ケーブルの製造方法]
本発明の別の実施形態に係るケーブルの製造方法は、導体の上に絶縁層を形成した絶縁電線の外側に、酢酸ビニル量が50質量%以下のエチレン酢酸ビニル共重合体を主成分とし、ガラス転移点が−55℃以下である酸変性ポリオレフィン樹脂を1質量部以上30質量部以下含有するベースポリマ100質量部に対して、脂肪酸処理された金属水酸化物を170質量部以上添加したノンハロゲン難燃性樹脂組成物を被覆したシースを備えたケーブルを製造する方法であって、前記脂肪酸処理された金属水酸化物は、その表面処理量が0.4質量%を超えるものであり、前記ベースポリマと前記脂肪酸処理された金属水酸化物を混練終了温度が140℃を超え200℃以下の条件で混練して成形体を製造する工程と、押出機を用いて前記成形体を前記電線の外周に被覆してシースを形成する工程とを備える。尚、本発明の実施形態であるノンハロゲン難燃性樹脂組成物の製造方法の説明及び絶縁電線の製造方法の説明と共通する箇所は省略する。
(被覆工程)
本発明の別の実施形態に係るケーブルの製造方法は、押出機を用いて前記成形体を前記電線の外周に被覆してシースを形成する工程を含む。押出機としては、汎用の押出機を用いることができる。例えば、連続蒸気架橋押出機を用いることができる。
(ケーブル)
図2は、本発明の別の実施形態に係るケーブルの製造方法により製造されたケーブルを示す断面図である。
図2に示すように、ケーブル20は、本実施形態により製造された絶縁電線10を2本撚り合わせた二芯撚り線と、二芯撚り線の外周に形成された金属編組層22とその外周に形成されたシース23とを備える。絶縁電線は単芯でもよく、三芯以上の多芯撚り線であってもよい。
シース23は、上記のノンハロゲン難燃性樹脂組成物から構成されている。
尚、本実施の形態においては、絶縁電線10を使用した例を示したが、汎用の材料を用いた絶縁電線を使用することもできる。
(実施例)
次に、本発明について実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
ノンハロゲン難燃性樹脂組成物に用いた材料は次の通りである。
EVAとして、以下を用いた。
・EVA(Tm:72℃、MFR:6g/10min、酢酸ビニル量:28質量%):三井デュポンケミカル株式会社製「エバフレックスEV260」
・EVA(Tm:70℃未満、MFR:100g/10min、酢酸ビニル量:46質量%):三井デュポンケミカル株式会社製「エバフレックスEV45X」
酸変性ポリオレフィン樹脂として以下を用いた。
・酸変性ポリオレフィン樹脂(Tm:66℃、Tg:−55℃以下):三井化学株式会社製「タフマーMH7020」
ノンハロゲン難燃剤として、以下を用いた。
・水酸化マグネシウム(シラン処理):アルベマール株式会社製「MAGNIFIN H10A」
・水酸化マグネシウム(脂肪酸処理):表面処理量0.8質量%
(実施例1)
まず、以下の表1に示すように各種成分を配合し、その配合したものを加圧ニーダによって混練終了温度170℃の条件で10分間混練した。混練後、実施例1のノンハロゲン難燃性樹脂組成物のペレットを形成した。
次に、かかるペレットを用いて絶縁電線を作製した。4.5インチ連続蒸気架橋押出機を用いてノンハロゲン難燃性樹脂組成物を導体の外周上に押出被覆した。このとき、シリンダ温度を160℃として絶縁層の被覆厚が0.45mmとなるように押出被覆した。そして絶縁層を1.5MPaの高圧蒸気環境下に3分間曝すことによって架橋処理し、絶縁電線を作製した。なお、本実施例では、導体として直径0.40mmのスズめっき導体を80本撚り合わせた撚り導体を用いた。
(実施例2)
実施例2では、混練条件として混練終了温度200℃の条件で10分間混練した点以外は実施例1と同様に、ノンハロゲン難燃性樹脂組成物のペレットを形成し、絶縁電線を作製した。
(比較例1)
比較例1では、混練条件として、混練終了温度を205℃の条件で10分間混練した点以外は、実施例1と同様に、ノンハロゲン難燃性樹脂組成物のペレットを形成し、絶縁電線を作製した。
(比較例2)
比較例2では、混練条件として、混練終了温度を140℃の条件で10分間混練した点以外は、実施例1と同様に、ノンハロゲン難燃性樹脂組成物のペレットを形成し、絶縁電線を作製した。
得られた絶縁電線について以下のように伸び特性を評価した。
(伸び特性)
伸び特性は、作製した絶縁電線から剥ぎ取った絶縁層に対してEN60811−1−1に準拠して引張試験を行い、そのときの伸び(いわゆる初期伸び)により評価した。伸びが150%以上であれば「○」、その数値未満であれば「×」とした。
(耐寒性)
耐寒性は、作製した絶縁電線に対してEN60811−1−4 8.1に準拠して、−40°にて曲げ試験を行うことにより評価した。曲げ試験において、巻き付けた後に絶縁層に割れが生じない場合を「○」、割れが生じた場合を「×」とした。
Figure 2018184528
(評価結果)
実施例1および実施例2では、表1に示すように、絶縁層は伸び特性及び耐寒性に優れていることが確認された。
比較例1では、混練終了温度が高かったため、伸びの数値が低く機械的特性が不合格であった。
比較例2では、混練終了温度が低かったため、ポリマの分散性が悪く耐寒性が不合格であった。
尚、実施形態及び実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではなく、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能である。
1 導体
2 絶縁層
10 絶縁電線
20 ケーブル
22 金属編組層
23 シース

Claims (3)

  1. 酢酸ビニル量が50質量%以下のエチレン酢酸ビニル共重合体を主成分とし、ガラス転移点が−55℃以下である酸変性ポリオレフィン樹脂を1質量部以上30質量部以下含有するベースポリマ100質量部に対して、脂肪酸処理された金属水酸化物を170質量部以上添加したノンハロゲン難燃性樹脂組成物を製造する方法であって、
    前記脂肪酸処理された金属水酸化物は、その表面処理量が0.4質量%を超えるものであり、
    前記ベースポリマと前記脂肪酸処理された金属水酸化物を混練終了温度が140℃を超え200℃以下の条件で混練してノンハロゲン難燃性樹脂組成物を製造することを特徴とするノンハロゲン難燃性樹脂組成物の製造方法。
  2. 導体の外周に、酢酸ビニル量が50質量%以下のエチレン酢酸ビニル共重合体を主成分とし、ガラス転移点が−55℃以下である酸変性ポリオレフィン樹脂を1質量部以上30質量部以下含有するベースポリマ100質量部に対して、脂肪酸処理された金属水酸化物を170質量部以上添加したノンハロゲン難燃性樹脂組成物を被覆して絶縁電線を製造する方法であって、
    前記脂肪酸処理された金属水酸化物は、その表面処理量が0.4質量%を超えるものであり、
    前記ベースポリマと前記脂肪酸処理された金属水酸化物を混練終了温度が140℃を超え200℃以下の条件で混練して成形体を製造する工程と、
    押出機を用いて前記成形体を前記導体の外周に被覆する被覆工程とを備えることを特徴とする絶縁電線の製造方法。
  3. 導体の上に絶縁層を形成した電線の外側に、
    酢酸ビニル量が50質量%以下のエチレン酢酸ビニル共重合体を主成分とし、ガラス転移点が−55℃以下である酸変性ポリオレフィン樹脂を1質量部以上30質量部以下含有するベースポリマ100質量部に対して、脂肪酸処理された金属水酸化物を170質量部以上添加したノンハロゲン難燃性樹脂組成物を被覆したシースを備えたケーブルを製造する方法であって、
    前記脂肪酸処理された金属水酸化物は、その表面処理量が0.4質量%を超えるものであり、
    前記ベースポリマと前記脂肪酸処理された金属水酸化物を混練終了温度が140℃を超え200℃以下の条件で混練して成形体を製造する工程と、
    押出機を用いて前記成形体を前記電線の外周に被覆してシースを形成する工程とを備えることを特徴とするケーブルの製造方法。
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