JP2020053216A - 絶縁電線 - Google Patents

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孔亮 中村
有 木部
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有 木部
周 岩崎
Shu Iwasaki
周 岩崎
修一 田所
Shuichi Tadokoro
修一 田所
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Abstract

【課題】生産性と、絶縁層の機械特性とにおいて優れた絶縁電線を提供すること。【解決手段】絶縁電線は、導体と、前記導体を被覆する絶縁層とを備える。前記絶縁層の少なくとも一部はハロゲンフリー難燃性樹脂組成物から成る。前記ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物は、 ベースポリマであるポリオレフィン系樹脂と、金属水酸化物と、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し3質量部以上10質量部以下のカルボキシル基含有アクリルポリマとを含む。ポリオレフィン系樹脂として、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。【選択図】 図1

Description

本開示は絶縁電線に関する。
絶縁電線は、鉄道車両、自動車、電気・電子機器等に使用される。絶縁電線は、導体と、絶縁層とを備える。絶縁層は導体を被覆する。絶縁層の材料として、ポリオレフィン系樹脂と、ハロゲン系難燃剤とを含む難燃性樹脂組成物が知られている。押出機を用い、難燃性樹脂組成物により導体を押出被覆することで、絶縁層を形成することができる。
環境負荷低減等の観点から、絶縁層の材料として、ハロゲン系難燃剤を含まない難燃性樹脂組成物(以下ではハロゲンフリー難燃性樹脂組成物とする)が使用され始めている。特許文献1には、所定のベースポリマと金属水酸化物とを含むハロゲンフリー難燃性樹脂組成物が開示されている。
特開2013−214487号公報
従来、金属水酸化物を含むハロゲンフリー難燃性樹脂組成物の難燃性を向上させるためには、金属水酸化物の配合量を多くする必要があった。金属水酸化物の配合量を多くすると、ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物の粘度が高くなる。ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物の粘度が高いと、押出被覆の際に押出機に大きな負荷がかかる。その結果、絶縁電線の生産性が低下する。
ベースポリマの分子量を下げることで、ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物の粘度を低くすることが考えられる。しかしながら、ベースポリマの分子量を下げると、絶縁層の機械特性が低下してしまう。
また、大量の可塑剤を添加することで、ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物の粘度を低くすることが考えられる。しかしながら、大量の可塑剤を添加すると、絶縁層の機械特性が低下したり、ブリードアウトが生じたりする。ブリードアウトとは、可塑剤が絶縁層の表面に出てくる現象である。
本開示の一局面は、生産性と、絶縁層の機械特性とにおいて優れた絶縁電線を提供することを目的とする。
本開示の一局面は、導体と、前記導体を被覆する絶縁層と、を備える絶縁電線であって、前記絶縁層の少なくとも一部はハロゲンフリー難燃性樹脂組成物から成り、前記ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物は、ベースポリマであるポリオレフィン系樹脂と、金属水酸化物と、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し3質量部以上10質量部以下のカルボキシル基含有アクリルポリマと、を含む絶縁電線である。
[発明の効果]
本開示の一局面である絶縁電線が備える絶縁層の少なくとも一部を構成するハロゲンフ
リー難燃性樹脂組成物は、粘度が過度に高くなりにくい。そのため、本開示の一局面である絶縁電線は生産性において優れている。また、本開示の一局面である絶縁電線が備える絶縁層は、機械特性が良好である。
絶縁電線1の構成を表す断面図である。 絶縁電線101の構成を表す断面図である。
本開示の例示的な実施形態を、図面を参照しながら説明する。
1.絶縁電線の構成
(1−1)絶縁電線の全体構成
本開示の絶縁電線は、導体と、絶縁層とを備える。絶縁層は導体を被覆する。導体として、通常用いられる金属線を用いることができる。金属線として、例えば、銅線、銅合金線、アルミニウム線、金線、銀線等が挙げられる。導体は、その外周面に金属めっき層を備えていてもよい。金属めっき層として、例えば、錫、ニッケル等から成る層が挙げられる。導体は、金属線を撚り合わせた撚線であってもよい。導体の断面積や外径は、絶縁電線に要求される電気特性に応じて適宜設計することができる。
(1−2)絶縁層の構成
絶縁層の少なくとも一部はハロゲンフリー難燃性樹脂組成物から成る。絶縁層は、1のみの層を備えていてもよいし、複数の層を備えていてもよい。絶縁層が複数の層を備える場合、例えば、複数の層のうちの一部の層がハロゲンフリー難燃性樹脂組成物から成る。複数の層のうち、最外層がハロゲンフリー難燃性樹脂組成物から成ることが好ましい。複数の層のうち、最外層がハロゲンフリー難燃性樹脂組成物から成る場合、絶縁層の難燃性が一層高くなる。絶縁層が複数の層を備える場合、例えば、最外層以外の層の電気絶縁性を、最外層の電気絶縁性よりも高くすることができる。この場合、絶縁層全体の電気絶縁性を一層高くすることができる。最外層以外の層の電気絶縁性を高くする方法として、例えば、最外層以外の層における金属水酸化物の含有量を、最外層における金属水酸化物の含有量より少なくする方法がある。
ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物は、ベースポリマを含む。ベースポリマはポリオレフィン系樹脂である。ポリオレフィン系樹脂として、例えば、(a)エチレン−酢酸ビニル共重合体が挙げられる。また、ポリオレフィン系樹脂として、例えば、(b)ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン-αオレフィン共重合体、及びエチレン-アクリル酸エステル共重合体から成る群から選択される1種以上と前記(a)との混合物が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂の一部又は全部は酸変性物であってもよい。
本開示において用いられるエチレン-αオレフィン共重合体のαオレフィンの具体例として、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。中でも、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体が好ましい。
エチレン-酢酸ビニル共重合体は、燃焼時の温度が低い段階で酢酸を脱離させ、酸素を遮断し、樹脂組成物を発泡させ、発泡断熱層を形成させ易くする機能を有する。そのため、エチレン-酢酸ビニル共重合体、又はそれを含む混合物は、ベースポリマとして好適である。
ポリオレフィン系樹脂の一部は、マレイン酸やグリシジル基で変性したポリオレフィン系樹脂であってもよい。この場合、金属水酸化物をハロゲンフリー難燃性樹脂組成物に高
充填することが可能になる。その結果、ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物の難燃性が一層向上する。また、ポリオレフィン系樹脂の一部がマレイン酸やグリシジル基で変性したポリオレフィン系樹脂である場合、ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物の低温性が一層向上する。
ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物は金属水酸化物を含む。金属水酸化物を含むことにより、ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物の難燃性が高くなる。金属水酸化物として、例えば、ハイドロタルサイト様化合物、水酸化アルミニウム、及び水酸化マグネシウムが好ましく、特に、水酸化アルミニウム、及び水酸化マグネシウムが好ましい。
ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物において、金属水酸化物の含有量は、100質量部のベースポリマに対し、150質量部以上250質量部以下であることが好ましい。金属水酸化物の含有量が、100質量部のベースポリマに対し、150質量部以上である場合、ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物の難燃性が一層高くなる。金属水酸化物の含有量が、100質量部のベースポリマに対し、250質量部以下である場合、ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物の機械特性が一層向上し、特に、低温特性が一層向上する。
金属水酸化物を、例えば、高級脂肪酸、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤等で表面処理することができる。高級脂肪酸として、例えば、ステアリン酸、オレイン酸等が挙げられる。金属水酸化物を表面処理した場合、金属水酸化物の分散性が向上する。
ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物は、カルボキシル基含有アクリルポリマを含む。カルボキシル基含有アクリルポリマは、可塑剤として機能する。カルボキシル基含有アクリルポリマは、ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物の粘度を低下させる。カルボキシル基含有アクリルポリマがハロゲンフリー難燃性樹脂組成物の粘度を低下させる理由は以下のように推測される。
ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物の粘度は、金属水酸化物の分散の影響を受ける。ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物において金属水酸化物が凝集していると、押出加工するとき、その凝集を解砕するためのエネルギーが余計に必要となることから、ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物の粘度が高くなる。ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物がカルボキシル基含有アクリルポリマを含む場合、ベースポリマの粘度が低下するとともに、金属水酸化物の分散が改善する。その結果、ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物の粘度が低下する。
ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物において、カルボキシル基含有アクリルポリマの含有量は、ベースポリマ100質量部に対し、3質量部以上10質量部以下である。カルボキシル基含有アクリルポリマの含有量が、ベースポリマ100質量部に対し、3質量部以上であることにより、ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物の粘度が低下する。カルボキシル基含有アクリルポリマの含有量が、ベースポリマ100質量部に対し、10質量部以下であることにより、ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物の機械特性が悪化し難い。
絶縁層は、架橋物であることが好ましい。架橋物である場合、絶縁層の耐熱性が高い。架橋の方法として、例えば、有機過酸化物架橋、放射線架橋、シラン架橋等が挙げられる。有機過酸化物架橋は、有機過酸化物を樹脂組成物に添加して熱で架橋する方法である。放射線架橋は、電離放射線のエネルギーを利用する方法である。シラン架橋は、樹脂組成物にビニルアルコキシシラン等のシランカップリング剤をグラフトし、水架橋する方法である。
絶縁層は、必要に応じて、酸化防止剤、シランカップリング剤、難燃剤、難燃助剤、架
橋剤、架橋助剤、架橋促進剤、界面活性剤、無機充填剤、相溶化剤、安定剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)等の添加剤をさらに含んでいてもよい。特に、絶縁層に高度な耐熱性が要求される場合は、絶縁層が酸化防止剤、紫外線吸収剤、HALSを含むことが好ましい。
2.実施例
(2−1)樹脂組成物の製造
表1に示す配合を有する実施例1〜3及び比較例1〜6の樹脂組成物を製造した。表1における配合量の単位は質量部である。
各実施例及び各比較例の樹脂組成物は、ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物に対応する。各実施例及び各比較例の樹脂組成物の製造方法は以下のとおりである。表1に示す配合成分のうち、架橋剤以外の配合成分を秤量し、加圧ニーダーによって混練し、ストランドで押し出し、冷却することでペレットを得た。
得られたペレットに、ブレンダーを用いて架橋剤を含浸した。架橋剤の配合量は、架橋
剤と他の配合成分との配合比が、表1に示す配合比となるように調整した。表1に記載された可塑剤の分子量(Mw)と、25℃における粘度とは、以下のとおりである。
ARUFON UC-3510;Mw:2,000 粘度:5,000mPa・s (25℃)
ARUFON UP-1020;Mw:2,000 粘度:500mPa・s (25℃)
ARUFON UH-2041;Mw:2,500 粘度:12,000mPa・s (25℃)
表2に示す配合を有する樹脂組成物Aを製造した。表2における配合量の単位は質量部である。
樹脂組成物Aの製造方法は以下のとおりである。表2に示す配合成分のうち、架橋剤以外の配合成分を秤量し、加圧ニーダーによって混練し、ストランドで押し出し、冷却することでペレットを得た。得られたペレットに、ブレンダーを用いて架橋剤を含浸した。架橋剤の配合量は、架橋剤と他の配合成分との配合比が、表2に示す配合比となるように調整した。
(2−2)実施例1の絶縁電線の製造
錫めっき銅から成る金属線を複数本撚り合わせて撚線を製造した。導体の断面積は25
mmであった。導体の外周面に、厚さ20μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き付け、フィルム層を形成した。次に、フィルム層を、混練された実施例1の樹脂組成物で押し出し被覆し、絶縁層を形成した。絶縁層の厚さは0.9mmであった。その直後に、1.5MPaGの飽和水蒸気を用いて絶縁層を架橋した。その結果、図1に示す絶縁電線1が得られた。絶縁電線1は、導体3と、絶縁層5とを備える。絶縁層5は導体3を被覆する。絶縁層5は、実施例1の樹脂組成物から成る。
(2−3)実施例2、3、及び比較例1〜6の絶縁電線の製造
基本的には実施例1の場合と同様にして、実施例2、3、及び比較例1〜6の絶縁電線を製造した。ただし、実施例1の樹脂組成物に代えて、実施例2、3、及び比較例1〜6の樹脂組成物を用いた。
(2−4)実施例4の絶縁電線の製造
錫めっき銅から成る金属線を複数本撚り合わせて撚線を製造した。導体の断面積は25mmであった。導体の外周面に、厚さ20μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き付け、フィルム層を形成した。次に、フィルム層を、混練された樹脂組成物Aで押し出し被覆し、第1絶縁層を形成した。第1絶縁層の厚さは0.3mmであった。次に、第1絶縁層を、混練された実施例2の樹脂組成物で押し出し被覆し、第2絶縁層を形成した。第2絶縁層の厚さは0.6mmであった。その直後に、1.5MPaGの飽和水蒸気を用いて第1絶縁層及び第2絶縁層を架橋した。
その結果、図2に示す絶縁電線101が得られた。絶縁電線101は、導体3と、第1絶縁層5aと、第2絶縁層5bとを備える。第1絶縁層5a及び第2絶縁層5bは絶縁層5を構成する。絶縁層5は導体3を被覆する。絶縁層5は複数の層を備える。第2絶縁層5bは、複数の層における最外層である。第1絶縁層5aは樹脂組成物Aから成る。第2絶縁層5bは実施例2の樹脂組成物から成る。
(2−5)絶縁電線の評価方法
各実施例及び各比較例の絶縁電線について、以下の評価を行った。
(i)初期引張試験
初期引張試験に基づき、機械特性の評価を行った。絶縁電線から絶縁層を剥ぎ取った。剥ぎ取った絶縁層における導体側の面を平滑になるように研磨した。次に、絶縁層から、試験サンプルを打ち抜いた。試験サンプルの形態は、JISK6251に規定されている6号ダンベルの形態である。試験サンプルを、引張試験機を用いて200mm/minの速度で引っ張り、引張強さ及び破断伸びを測定した。測定結果を表3に示す。
(ii)耐油性試験
初期引張試験の場合と同様に試験サンプルを作成した。試験サンプルを、70℃のASTM NO.3油に168時間浸漬した。浸漬後の試験サンプルを、引張試験機を用いて200mm/minの速度で引っ張り、引張強さ及び破断伸びを測定した。
そして、測定した引張強さの、初期引張試験での引張強さに対する変化率(以下では引張強さ変化率とする)を算出した。また、測定した破断伸びの、初期引張試験での破断伸
びに対する変化率(以下では破断伸び変化率とする)を算出した。引張強さ変化率及び破断伸び変化率を上記表3に示す。
(iii)難燃性試験
絶縁電線に対し、IEC60332−3に準拠した垂直トレイ燃焼試験を実施し、合否を判断した。判断結果を上記表3に示す。
(iv)低温特性試験
初期引張試験の場合と同様に試験サンプルを作成した。試験サンプルを−40℃の雰囲気下で16時間放置した。その後、−40℃の雰囲気下で、引張試験機を用いて200mm/minの速度で試験サンプルを引っ張り、破断伸びを測定した。測定結果を上記表3に示す。
(v)ブリードアウト試験
絶縁電線をアルミ箔で包み、80℃の雰囲気下で2週間放置した。その後、絶縁電線を目視で観察した。ブリードアウトが発生していなければ絶縁電線を合格と判断し、ブリードアウトが発生していれば絶縁電線を不合格と判断した。判断結果を上記表3に示す。
(vi)直流安定性試験
EN50305.6.7に準拠した直流安定性試験により、絶縁電線の直流安定性を評価した。具体的な評価方法は以下のとおりである。絶縁電線を、85℃の下で、3%濃度の塩水中に浸漬した。浸漬されている絶縁電線に1500Vの電圧を継続的に課電した。課電の開始から、絶縁破壊するまでの時間を測定した。測定結果を上記表3に示す。課電の開始から10日間経過しても絶縁破壊しない場合は、上記表3に「10日以上」と表記した。
(vii)生産性評価
絶縁層の形成に用いた樹脂組成物のペレットの最低ムーニー粘度を測定した。最低ムーニー粘度は、樹脂組成物の押出時の負荷を反映した値である。最低ムーニー粘度が低いほど、絶縁電線の生産性が良い。最低ムーニー粘度の測定は、130℃において行った。130℃は、押出加工時の温度に対応する。測定結果を上記表3に示す。
(2−6)絶縁電線の評価結果
実施例1〜3の絶縁電線では、絶縁層の形成に使用した樹脂組成物の最低ムーニー粘度が低く、生産性が良好であった。実施例4の絶縁電線が備える第2絶縁層は、実施例2の絶縁電線が備える絶縁層と同様に、実施例2の樹脂組成物から成る。そのため、実施例4の絶縁電線も、実施例2の絶縁電線と同様に、生産性が良好である。
実施例1〜3の絶縁電線では、初期引張試験、耐油性試験、低温特性試験、及びブリードアウト試験の評価結果が良好であった。実施例4の絶縁電線が備える第2絶縁層は、実施例2の絶縁電線が備える絶縁層と同様に、実施例2の樹脂組成物から成る。そのため、実施例4の絶縁電線も、実施例2の絶縁電線と同様に、初期引張試験、耐油性試験、低温特性試験、及びブリードアウト試験の評価結果が良好であると推測される。
実施例1〜4の絶縁電線では、難燃性試験の評価結果が良好であった。実施例2、4の絶縁電線では、直流安定性試験の評価結果が良好であり、実施例4の絶縁電線では、直流安定性試験の評価結果が一層良好であった。
上記表1に示すように、実施例2、比較例2、3の樹脂組成物は同量の可塑剤を含有する。実施例2、比較例2、3の樹脂組成物が含有する可塑剤の分子量はほぼ同じである。
実施例2の樹脂組成物が含有する可塑剤の粘度は、比較例2の樹脂組成物が含有する可塑剤の粘度より高い。しかしながら、実施例2の樹脂組成物の最低ムーニー粘度は、比較例2、3の樹脂組成物の最低ムーニー粘度より低い。このことから、実施例2の樹脂組成物が含有する可塑剤であるカルボキシル基含有アクリルポリマは、可塑化効果が特に高いことが確認できた。
比較例1〜5の絶縁電線では、絶縁層の形成に使用した樹脂組成物の最低ムーニー粘度が高く、生産性が不良であった。比較例6の絶縁電線では、初期引張試験、耐油性試験、難燃性試験、及びブリードアウト試験の評価結果が不良であった。
<他の実施形態>
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(1)本開示の絶縁電線と、シースとを備えるケーブルを製造することができる。ケーブルが備える絶縁電線の数は単数でも複数でもよい。シースの材料は、例えば、絶縁層の少なくとも一部を構成するハロゲンフリー難燃性樹脂組成物とすることができる。この場合、ケーブルの生産性が向上する。
(2)上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
(3)上述した絶縁電線の他、当該絶縁電線を構成要素とするケーブル、ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物、絶縁電線の製造方法等、種々の形態で本開示を実現することもできる。
1、101…絶縁電線、3…導体、5…絶縁層、5a…第1絶縁層、5b…第2絶縁層

Claims (4)

  1. 導体と、
    前記導体を被覆する絶縁層と、
    を備える絶縁電線であって、
    前記絶縁層の少なくとも一部はハロゲンフリー難燃性樹脂組成物から成り、
    前記ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物は、
    ベースポリマであるポリオレフィン系樹脂と、
    金属水酸化物と、
    前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し3質量部以上10質量部以下のカルボキシル基含有アクリルポリマと、
    を含む絶縁電線。
  2. 請求項1に記載の絶縁電線であって、
    前記ポリオレフィン系樹脂は、(a)エチレン−酢酸ビニル共重合体、又は、(b)ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン-αオレフィン共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、及びエチレン-プロピレン-ジエン共重合体から成る群から選択される1種以上と前記(a)との混合物である絶縁電線。
  3. 請求項1又は2に記載の絶縁電線であって、
    前記金属水酸化物は、水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムである絶縁電線。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の絶縁電線であって、
    前記絶縁層は複数の層を備え、
    前記複数の層のうち最外層が前記ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物から成る絶縁電線。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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