JP6239712B1 - 絶縁電線 - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁電線において、高い絶縁性および高い難燃性を得るとともに細径化を図ることができる技術を提供する。【解決手段】絶縁電線は、導体と、導体の外周上に配置された被覆層と、を有し、被覆層は、導体の外周上に配置され難燃剤を含むポリマ組成物で形成された内側難燃層と、内側難燃層の外周上に配置され1×1016Ωcm以上の体積抵抗率を有するポリマ組成物で形成された高電気絶縁層と、高電気絶縁層の外周上に配置され難燃剤を含むポリマ組成物で形成された外側難燃層と、が積層された積層構造を有し、高電気絶縁層は、積層構造の厚さ方向に印加される電圧の80%以上を分担し、高電気絶縁層の厚さは、内側難燃層の厚さおよび外側難燃層の厚さの少なくとも一方よりも薄い。【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁電線に関する。
鉄道車両や自動車等の配線として用いられる絶縁電線には、絶縁性だけでなく、火災時に燃えにくいような難燃性が求められている。そのため、絶縁電線の被覆層には難燃剤が配合される。例えば、特許文献1には、絶縁性を有する絶縁層の外周に難燃剤を含む難燃層を積層させて被覆層を形成した絶縁電線が開示されている。
特開2010−97881号公報
近年、例えば軽量化の観点から、絶縁電線の細径化が求められている。しかしながら、高い絶縁性および高い難燃性を得るとともに、細径化を図ることは容易ではない。
本発明の一目的は、絶縁電線において、高い絶縁性および高い難燃性を得るとともに細径化を図ることができる技術を提供することである。
本発明の一態様によれば、
導体と、
前記導体の外周上に配置された被覆層と、
を有し、
前記被覆層は、
前記導体の外周上に配置され難燃剤を含むポリマ組成物(A)で形成された内側難燃層と、
前記内側難燃層の外周上に配置され1×1016Ωcm以上の体積抵抗率を有するポリマ組成物(B)で形成された高電気絶縁層と、
前記高電気絶縁層の外周上に配置され難燃剤を含むポリマ組成物(C)で形成された外側難燃層と、
が積層された積層構造を有し、
前記高電気絶縁層は、前記積層構造の厚さ方向に印加される電圧の80%以上を分担し、前記高電気絶縁層の厚さは、前記内側難燃層の厚さおよび前記外側難燃層の厚さの少なくとも一方よりも薄い、絶縁電線
が提供される。
本発明によれば、絶縁電線において、高い絶縁性および高い難燃性を得るとともに細径化を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る絶縁電線の長さ方向に垂直な断面図である。 従来の絶縁電線の長さ方向に垂直な断面図である。
本発明者らは、高い絶縁性および高い難燃性を得るとともに細径化を図ることができる絶縁電線の構造について検討した。
まず、従来の電線構造について説明するとともに、本発明の実施形態における電線構造の考え方について説明する。図2は、従来の絶縁電線の長さ方向に垂直な断面図である。
従来構造の絶縁電線200は、導体210と、導体210の外周上に配置された絶縁層220と、絶縁層220の外周上に配置され難燃剤が配合された難燃層230とを有する。
従来構造の絶縁電線200において、絶縁層220を形成するポリマ組成物には、絶縁層220自体にある程度の難燃性を付与するために、(ある程度の)難燃性を有する添加剤(例えば、炭酸カルシウム、クレー等の無機充填剤)が配合される。
絶縁層220を形成するポリマ組成物の絶縁性は、難燃性を有する添加剤等の配合に起因して、当該ポリマ組成物のベースポリマが持つ絶縁性よりも低下する。例えば、絶縁層220を形成するポリマ組成物のベースポリマとしてポリエチレンを用いた場合、例えば1×1016Ωcm程度のオーダのベースポリマの体積抵抗率が得られる。ポリマ組成物に難燃性を有する添加剤等が配合されることで、絶縁層220を形成するポリマ組成物の体積抵抗率は、例えば1×1014Ωcm程度のオーダに低下する。
本発明者らは、絶縁電線200の細径化を図るために、難燃層230を薄くすることを検討した。ただし、単に(絶縁層220の厚さを変えずに)難燃層230を薄くするだけでは、絶縁電線200の高い難燃性を得られなくなる。
そこで、絶縁層220を薄くすることを検討した。ただし、単に絶縁層220を薄くするだけでは、絶縁電線200の高い絶縁性を得られなくなる。このため、絶縁層220への難燃性を有する添加剤等の配合量を抑制することで、絶縁層220を形成するポリマ組成物の絶縁性を、ベースポリマが有する高い絶縁性に近づけることを検討した。ただし、単に絶縁層220への難燃性を有する添加剤等の配合量を減らすだけでは、絶縁層220の充分な難燃性が得られなくなる。
そこで、絶縁層220を、内側(導体側)に配置され難燃性を有する添加物が配合された難燃層と、外側(導体と反対側)に配置され難燃性を有する添加剤等の配合量が抑制された絶縁層とに分割した新規な構造について検討した。難燃性を有する添加剤等の配合量が抑制された絶縁層を「高電気絶縁層」と呼ぶこととする。また、高電気絶縁層に対し内側に配置された難燃層を「内側難燃層」と呼び、高電気絶縁層に対し外側に配置された難燃層を「外側難燃層」と呼ぶこととする。
このような構造によれば、難燃性を有する添加剤等の配合量が抑制されてポリマ組成物の絶縁性が高められた(絶縁性の低下が抑制された)高電気絶縁層を用いることで、所望の絶縁性を得るための高電気絶縁層の厚さを薄くすることができる。また、内側難燃層および外側難燃層を配置することにより、所望の難燃性を得ることができる。さらに、燃焼しやすい高電気絶縁層を薄くできることに伴い、内側難燃層および外側難燃層の厚さ、つまり、全体の難燃層の厚さを薄くすることも可能となる。
高電気絶縁層を形成するポリマ組成物の体積抵抗率は、難燃性を有する添加剤等の配合量が抑制されることで、元の絶縁層220を形成するポリマ組成物の体積抵抗率と比べて、例えば100倍程度に大幅に向上させることができる。このため、体積抵抗率を向上させることで所望の絶縁性を得つつ絶縁層を薄くすることは、難燃層を薄くすることに比べると、容易であるといえる。
なお、導体は、通常、素線を撚り合せた撚線構造を有し、表面に凹凸を有する。導体の直上に高電気絶縁層が配置されれば、導体の表面の凹凸に起因する電界集中により高電気絶縁層が破壊しやすくなり、高電気絶縁層を薄くすることが難しい。導体の直上に内側難燃層を配置して凹凸を被覆することで、内側難燃層が凹凸緩和層として機能し、内側難燃層上に配置される高電気絶縁層を薄くすることができる。
このようにして、高い絶縁性および高い難燃性を得るとともに細径化を図ることができる電線構造が得られる。
このような電線構造が好ましく適用される細径の絶縁電線として、例えば、外径(直径)が3mm以下のものが想定される。絶縁電線の絶縁性は、例えば、後述のような直流安定性試験で評価される。絶縁電線の難燃性は、例えば、後述のようなVFT試験やVTFT試験で評価される。絶縁電線の用途は特に限定されないが、例えば、鉄道車両用途や、自動車用途や、医療用途等が挙げられる。
次に、図1を参照して、本発明の一実施形態による絶縁電線100について説明する。図1は、絶縁電線100の構造の一例を示す、長さ方向に垂直な断面図である。
<絶縁電線の構成>
絶縁電線100は、導体110と、導体110の外周上に配置された被覆層120とを有する。
〔導体〕
導体110としては、例えば、複数本の素線(金属線)が撚り合された撚線を用いることができる。素線としては、例えば、銅線、銅合金線の他、アルミニウム線、金線、銀線等を用いることができ、外周に錫やニッケル等の金属めっきを施したものを用いてもよい。導体110の外径(直径)は、例えば、0.70mm以上1.70mm以下である。素線の外径(直径)は、例えば、0.10mm以上0.30mm以下である。導体110の材料や構造や寸法等は、絶縁電線100における導体110に求められる特性に応じて適宜選択することができる。
〔被覆層〕
被覆層120は、導体110の外周上に配置された内側難燃層131と、内側難燃層131の外周上に配置された高電気絶縁層140と、高電気絶縁層140の外周上に配置された外側難燃層132とが積層された積層構造150を有する。内側難燃層131と外側難燃層132とが、全体の難燃層130を構成する。
(内側難燃層)
内側難燃層131、つまり、高電気絶縁層140に対して内側(導体110側)に配置された難燃層131は、難燃剤を含むポリマ組成物(A)から形成される。内側難燃層131は、例えば、ポリマ組成物(A)を導体110の外周上に押出すことで形成される。
ポリマ組成物(A)に用いられるベースポリマとしては、例えば、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂等を用いることができる。ポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体等を用いることができる。ポリオレフィン樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリマ組成物(A)に用いられるベースポリマは、好ましくは例えば、EVAを含む。EVAは、フィラー受容性が比較的大きいので難燃剤を添加しやすく、また、樹脂自体にある程度の難燃性を有するため、好ましい。
ポリマ組成物(A)に用いられる難燃剤としては、有毒ガスを発生させないことからノンハロゲン難燃剤が好ましく、好ましくは例えば金属水酸化物を用いることができる。金属水酸化物としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、および、これらにニッケルが固溶した金属水酸化物等を用いることができる。難燃剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
難燃剤は、内側難燃層131の機械特性(引張強さと伸びとのバランス)をコントロールする観点から、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、ステアリン酸等の脂肪酸、ステアリン酸塩等の脂肪酸塩、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属等によって表面処理されていることが好ましい。
難燃剤の配合量は、ベースポリマ100質量部に対して、例えば、100質量部以上250質量部以下であることが好ましい。配合量が100質量部未満であると、所望の高い難燃性を得られないおそれがある。配合量が250質量部を超えると、内側難燃層131の機械特性が低下し、伸び率が低くなるおそれがある。
内側難燃層131は、難燃性および耐熱性を向上させるために、架橋されたポリマ組成物(A)で構成されていることが好ましい。架橋方法としては、照射架橋、化学架橋、シラン架橋等が挙げられる。ポリマ組成物(A)は、架橋を良好に行うために、架橋助剤や架橋剤を含有してもよい。なお、後述のように、高電気絶縁層140の架橋は照射架橋が好ましいことから、高電気絶縁層140の照射架橋と同時に、つまり高電気絶縁層140の照射架橋と同じ工程で、内側難燃層131も照射架橋することが効率的である。
内側難燃層131は、例えば、ポリマ組成物(A)が1×1014Ωcm程度の(以上の)体積抵抗率を有する電気絶縁層である。なお、内側難燃層131が架橋されたポリマ組成物(A)で構成されている場合、ポリマ組成物(A)の体積抵抗率は、架橋されたポリマ組成物(A)の体積抵抗率を示す。
ポリマ組成物(A)は、内側難燃層131の特性を損なわない範囲で、必要に応じて、その他の添加剤、例えば、炭素繊維、タルク、クレー等を含有してもよい。
(高電気絶縁層)
高電気絶縁層140は、1×1016Ωcm以上の体積抵抗率を有するポリマ組成物(B)から形成される。高電気絶縁層140は、例えば、ポリマ組成物(B)を内側難燃層131の外周上に押出すことで形成される。
ポリマ組成物(B)に用いられるベースポリマとしては、体積抵抗率が1×1016Ωcm以上のポリマ、例えば、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。ポリオレフィン樹脂としては、例えば、LDPE、LLDPE、HDPE等のポリエチレンを用いることができる。ポリオレフィン樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリマ組成物(B)に用いられるベースポリマは、好ましくは例えば、ポリエチレンを含む。ポリエチレンは、架橋により体積抵抗率を向上させることができ、好ましい。ポリエチレンとしては、LDPE、LLDPE、HDPEのいずれを用いてもよい。架橋させやすいという観点から、LDPEを用いてもよい。
高電気絶縁層140は、体積抵抗率を向上させるために、架橋されたポリマ組成物(B)で構成されることが好ましい。架橋方法としては、照射架橋、化学架橋、シラン架橋等が挙げられる。ポリマ組成物(B)は、架橋を良好に行うために、架橋助剤や架橋剤を含有してもよい。ただし、電気絶縁性を低下させない観点からは、添加剤の添加を必要としない照射架橋が好ましい。
なお、高電気絶縁層140が架橋されたポリマ組成物(B)で構成されている場合、ポリマ組成物(B)の体積抵抗率は、架橋されたポリマ組成物(B)の体積抵抗率を示す。
ポリマ組成物(B)は、体積抵抗率の低下を抑制する観点から、できるたけ添加剤を含まない方が好ましいものの、体積抵抗率を1×1016Ωcm以上に維持できる範囲で、必要に応じて、各種の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤や銅害防止剤等が挙げられる。
ポリマ組成物(B)の体積抵抗率の低下を抑制する観点から、例えば、炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ、ウォラストナイト(珪灰石)、ゼオライト、けい藻土、けい砂、軽石粉、スレート粉、アルミナ、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、リトポン、硫酸カルシウム、二硫化モリブデン等の無機充填剤や、金属水酸化物等の難燃剤は、ポリマ組成物(B)に含有されないことが好ましい。
(外側難燃層)
外側難燃層132、つまり、高電気絶縁層140に対して外側(導体110と反対側)に配置された難燃層132は、難燃剤を含むポリマ組成物(C)から形成される。外側難燃層132は、例えば、ポリマ組成物(C)を高電気絶縁層140の外周上に押出すことで形成される。
ポリマ組成物(C)に用いられるベースポリマとしては、例えば、内側難燃層131を形成するポリマ組成物(A)のベースポリマと同様なものが挙げられ、好ましくは例えば、EVAを含むものが挙げられる。なお、外側難燃層132を形成するポリマ組成物(C)のベースポリマと、内側難燃層131を形成するポリマ組成物(A)のベースポリマとは、同一であってもよいし、同一でなくてもよい。
ポリマ組成物(C)に用いられる難燃剤としては、例えば、内側難燃層131を形成するポリマ組成物(A)の難燃剤と同様なものが挙げられ、好ましくは例えば、金属水酸化物が挙げられる。難燃剤の配合量については、例えば、内側難燃層131を形成するポリマ組成物(A)の難燃剤の配合量と同様とすることができる。なお、外側難燃層132を形成するポリマ組成物(C)の難燃剤と、内側難燃層131を形成するポリマ組成物(A)の難燃剤とは、同一であってもよいし、同一でなくてもよい。難燃剤の配合量についても同様に、ポリマ組成物(C)とポリマ組成物(A)とで、同一であってもよいし、同一でなくてもよい。
外側難燃層132は、難燃性および耐熱性を向上させるために、架橋されたポリマ組成物(C)で構成されていることが好ましい。架橋方法としては、照射架橋、化学架橋、シラン架橋等が挙げられる。ポリマ組成物(C)は、架橋を良好に行うために、架橋助剤や架橋剤を含有してもよい。なお、高電気絶縁層140の架橋は照射架橋が好ましいことから、高電気絶縁層140の照射架橋と同時に、つまり高電気絶縁層140の照射架橋と同じ工程で、外側難燃層132も照射架橋することが効率的である。
外側難燃層132は、例えば、ポリマ組成物(C)が1×1014Ωcm程度の(以上の)体積抵抗率を有する電気絶縁層である。なお、外側難燃層132が架橋されたポリマ組成物(C)で構成されている場合、ポリマ組成物(C)の体積抵抗率は、架橋されたポリマ組成物(C)の体積抵抗率を示す。
ポリマ組成物(C)は、外側難燃層132の特性を損なわない範囲で、必要に応じて、その他の添加剤、例えば、炭素繊維、タルク、クレー等を含有してもよい。
(被覆層の積層構造)
次に、被覆層120における、内側難燃層131と、高電気絶縁層140と、外側難燃層132との積層構造150について、さらに説明する。
高電気絶縁層140は、積層構造150の厚さ方向に印加される電圧の好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上を分担するように構成されている。
これにより、内側難燃層131および外側難燃層132のそれぞれに印加される電圧を、相対的に低く抑えることができる。内側難燃層131および外側難燃層132は、難燃剤等の添加剤を多く含み、高電気絶縁層140に比べて絶縁性が破壊しやすくなっている。内側難燃層131および外側難燃層132に加わる電圧を低く抑えることで、絶縁電線100の高い絶縁性を得ることができる。
また、高電気絶縁層140は、内側難燃層131および外側難燃層132の少なくとも一方よりも薄く構成されている。
これにより、高電気絶縁層140に起因する積層構造150の燃焼性を内側難燃層131および外側難燃層132で抑制しやすくして高い難燃性を得つつ、積層構造150を薄くし絶縁電線100の細径化を図ることができる。なお、燃焼しやすい高電気絶縁層140を薄くすることに伴い、全体の難燃層130(内側難燃層131および外側難燃層132)を薄くすることも可能となる。
高電気絶縁層140に、積層構造150にかかる80%以上の電圧を分担させつつ、高電気絶縁層140を、内側難燃層131および外側難燃層132の少なくとも一方よりも薄く構成するために、高電気絶縁層140を形成するポリマ組成物(B)の体積抵抗率は、好ましくは1×1016Ωcm以上、より好ましくは1×1017Ωcm以上とする。なお、ポリマ組成物(B)の体積抵抗率の上限については、特に制限されない。
高電気絶縁層140に、積層構造150にかかる80%以上の電圧を分担させつつ、高電気絶縁層140を、内側難燃層131および外側難燃層132の少なくとも一方よりも薄く構成するために、高電気絶縁層140を形成するポリマ組成物(B)の体積抵抗率は、内側難燃層131を形成するポリマ組成物(A)、および、外側難燃層132を形成するポリマ組成物(C)のそれぞれの体積抵抗率の、好ましくは10倍以上、より好ましくは50倍以上、さらに好ましくは100倍以上とする。
高い難燃性を得つつ細径化を図る観点から、高電気絶縁層140の厚さは、全体の難燃層130の厚さ(内側難燃層131の厚さと外側難燃層132の厚さとの和)の1/2以下であることがより好ましく、内側難燃層131の厚さおよび外側難燃層132の厚さの少なくとも一方の1/2以下であることがさらに好ましい。
細径の絶縁電線という観点から、絶縁電線100の外径(直径)は、3mm以下であることが好ましく、2.5mm以下であることがより好ましい。絶縁電線100の定格電圧(交流)は、例えば660V以下(一例としては600V)である。なお、細径であることで、内側難燃層131、高電気絶縁層140、および、外側難燃層132を、照射架橋により同時に架橋させやすいという利点もある。
高電気絶縁層140の厚さの上限については、細径化の観点から、例えば、0.2mm以下であることが好ましく、0.15mm以下であることがより好ましい。なお、高電気絶縁層140の厚さの下限については、所望の絶縁性が得られれば、特に制限されないが、例えば、高電気絶縁層140の厚さの均一性を高めて安定した絶縁性を得る観点からは、0.05mm以上であることが好ましい。
絶縁電線100の難燃性は、全体の難燃層130を、高電気絶縁層140の燃焼を抑制できるバランスで、十分な厚さとすることにより得られる。このため、内側難燃層131および外側難燃層132のそれぞれの厚さについては、全体の難燃層130を十分な厚さとするバランスで、必要に応じ適宜変更することができる。例えば、外側難燃層132を内側難燃層131より厚くすることができ、また例えば、内側難燃層131を外側難燃層132より厚くすることができる。また例えば、内側難燃層131と外側難燃層132とを等しい厚さとすることもできる。ただし、難燃性をより高める観点からは、外側難燃層132が、内側難燃層131より厚いことが好ましい。全体の難燃層130の厚さは、例えば、高電気絶縁層140の2倍以上とすることが好ましい。
全体の難燃層130の厚さの上限については、細径化の観点から、例えば、0.4mm以下であることが好ましい。なお、全体の難燃層130の厚さの下限については、高電気絶縁層140の厚さに応じて難燃性を得られる厚さであれば、特に制限されないが、例えば、安定した難燃性を得る観点からは、0.2mm以上であることが好ましい。
内側難燃層131は、導体110の直上に(導体110と接触して)配置されており、導体110の表面の凹凸を被覆することで、電界集中を抑制する凹凸緩和層として機能する。これにより、内側難燃層131上に配置される高電気絶縁層140を薄くすることができる。内側難燃層131の厚さは、導体110の表面の撚り目の凸部上(最薄部)の厚さ、つまり、導体110の外径の外側の厚さとして表される。
内側難燃層131の厚さの上限については、全体の難燃層130の厚さ範囲内で適宜選択でき、特に制限されない。なお、内側難燃層131の厚さの下限については、特に制限されないが、例えば、導体110の表面の凹凸を十分に被覆するとともに、内側難燃層131の厚さの均一性を高めて安定した難燃性を得る観点からは、0.05mm以上であることが好ましい。
外側難燃層132の厚さの上限については、全体の難燃層130の厚さ範囲内で適宜選択でき、特に制限されない。なお、外側難燃層132の厚さの下限については、特に制限されないが、例えば、外側難燃層132の厚さの均一性を高めて安定した難燃性を得る観点からは、0.05mm以上であることが好ましい。
細径化の観点からは、内側難燃層131と高電気絶縁層140との間に、他の層が配置されていないことが好ましい。つまり、高電気絶縁層140は、内側難燃層131の直上に(内側難燃層131と接触して)配置されていることが好ましい。また、高電気絶縁層140と外側難燃層132との間に、他の層が配置されていないことが好ましい。つまり、外側難燃層132は、高電気絶縁層140の直上に(高電気絶縁層140と接触して)配置されていることが好ましい。また、外側難燃層132の外周上に、他の層が配置されていないことが好ましい。つまり、外側難燃層132は、被覆層120の、つまり絶縁電線100の最外層であることが好ましい。
内側難燃層131、高電気絶縁層140、および、外側難燃層132は、導体110の外周上に、同時押出により形成することが好ましい。これにより、内側難燃層131と高電気絶縁層140との境界面上、および、高電気絶縁層140と外側難燃層132との境界面上に、電界集中の原因となる大気中のゴミが付着することを抑制できる。
なお、内側難燃層131は、必要に応じて、複数の難燃層(サブ難燃層)の積層構造で構成されていてもよい。また、高電気絶縁層140は、必要に応じて、複数の絶縁層(サブ絶縁層)の積層構造で構成されていてもよい。また、外側難燃層132は、必要に応じて、複数の難燃層(サブ難燃層)の積層構造で構成されていてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、絶縁電線において、高い絶縁性および高い難燃性を得るとともに細径化を図ることができる。
なお、実施形態による絶縁電線は、絶縁電線単体での使用に限られず、ケーブルのコアに使用する等、必要に応じて、他の部材と組み合わせて使用してもよい。
次に、本発明について実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
〔絶縁電線の作製〕
実施例1、実施例2および比較例1〜比較例4の絶縁電線を、以下のようにして作製した。
内側難燃層を形成するポリマ組成物(A)、高電気絶縁層を形成するポリマ組成物(B)、および、外側難燃層を形成するポリマ組成物(C)を調製した。内側難燃層を形成するポリマ組成物(A)、および、外側難燃層を形成するポリマ組成物(C)として、ここでは共通のポリマ組成物を調製した。高電気絶縁層を形成するポリマ組成物(B)として、各サンプルの高電気絶縁層の体積抵抗率の違いに応じて、異なる体積抵抗率の3種類のポリマ組成物(組成物1〜組成物3)を調製した。ポリマ組成物(A)、(C)の配合を、表1に示し、ポリマ組成物(B)の配合を、表2に示す。
Figure 0006239712
Figure 0006239712
導体として、外径が1.23mmのもの(外径0.18mmのスズメッキ銅素線を37本撚り合せたもの)を準備した。導体の外周上に、ポリマ組成物(A)、ポリマ組成物(B)、および、ポリマ組成物(C)を同時に押出し、電子線照射により架橋を行うことで、内側難燃層、高電気絶縁層、および、外側難燃層を形成した。
実施例1、実施例2および比較例1〜比較例4の絶縁電線において、高電気絶縁層の体積抵抗率、つまり、ポリマ組成物(B)の配合を異ならせた。また、外側難燃層および高電気絶縁層の厚さを異ならせた。内側難燃層および外側難燃層の体積抵抗率は、同一であり、実施例1、実施例2および比較例1〜比較例4の絶縁電線において、一定とした。内側難燃層の厚さは、一定とした。
実施例1、実施例2および比較例1〜比較例4の絶縁電線の構成として、難燃層を形成するポリマ組成物の体積抵抗率(難燃層の体積抵抗率)、高電気絶縁層を形成するポリマ組成物の体積抵抗率(高電気絶縁層の体積抵抗率)、高電気絶縁層の厚さ、内側難燃層の厚さ、および、外側難燃層の厚さを、表3に示す。
表3には、また、内側難燃層と、高電気絶縁層と、外側難燃層との積層構造における、高電気絶縁層の電圧分担率、つまり、積層構造の厚さ方向についての、内側難燃層の抵抗、高電気絶縁層の抵抗、および、外側難燃層の抵抗の和に対する、高電気絶縁層の抵抗の比率を示す。
Figure 0006239712
〔絶縁電線の評価〕
実施例1、実施例2および比較例1〜比較例4の絶縁電線について、絶縁性(電気特性)および難燃性を、以下のようにして評価した。評価結果を、表3に示す。
(電気特性)
絶縁電線の電気特性、つまり、絶縁信頼性は、EN50305.6.7に準じて、85℃、3%NaCl水溶液中で300Vの直流を課電する直流安定性試験により評価した。10日で短絡しないもの、つまり、短絡するまでの時間が240時間以上となるものを合格とし、10日未満で短絡するもの、つまり、短絡するまでの時間が240時間未満であったものを不合格とした。
(難燃性)
絶縁電線の難燃性は、以下に示す垂直燃焼試験(VFT試験およびVTFT試験)により評価した。
EN60332−1−2に規定される一条ケーブル垂直燃焼試験(Vertical flame propagation for a single insulated wire or cable)に準じて、VFT試験を実施した。具体的には、長さ600mmの絶縁電線を垂直に保持し、絶縁電線に炎を60秒間当てた。炎を取り去った後、30秒以内に消火したものを裕度を持って合格(◎)、60秒以内に消火したものを合格(○)、60秒以内に消火しなかったものを不合格(×)とした。
EN50266−2−4に規定される多条ケーブル垂直燃焼試験(Flame propagation (bunched cables))に準じて、VTFT試験を実施した。具体的には、全長3.5mの絶縁電線を7本撚り合わせて1束とし、11束を等間隔に垂直に並べ、20分間燃焼させ、自己消炎後、下端部からの炭化長を測定した。炭化長が1.5m以下であれば裕度を持って合格(◎)、炭化長が2.5m以下であれば合格(○)、炭化長が2.5mを超えれば不合格(×)とした。
(総合評価)
電気特性および難燃性の両方について合格した絶縁電線について、総合評価を合格(○)とし、それ以外のものについて、総合評価を不合格(×)とした。
<実施例1、実施例2>
難燃層の体積抵抗率は、実施例1および実施例2ともに4×1014Ωcmであり、高電気絶縁層の体積抵抗率は、実施例1が1.34×1017Ωcmであり、実施例2が9.48×1016Ωcmである。高電気絶縁層140の電圧分担率は、実施例1が98.9%であり、実施例2が99.1%である。内側難燃層の厚さは、実施例1および実施例2ともに0.1mmであり、外側難燃層の厚さは、実施例1および実施例2ともに0.3mmである。高電気絶縁層の厚さは、実施例1が0.11mmであり、実施例2が0.18mmである。
実施例1および実施例2は、高電気絶縁層の体積抵抗率が1×1016Ωcm以上であり、高電気絶縁層の電圧分担率が80%以上であり、さらに、高電気絶縁層が内側難燃層および外側難燃層の少なくとも一方よりも薄い構成を有することで、電気特性および難燃性の両方について、合格している。なお、実施例1および実施例2ともに、高電気絶縁層の電圧分担率は、80%以上の条件を満たすとともに、90%以上および95%以上の条件も満たしている。
全体の難燃層(内側難燃層および外側難燃層)の厚さは、実施例1および実施例2ともに0.4mmであり、高電気絶縁層の厚さは、実施例1および実施例2ともに全体の難燃層の厚さの1/2以下(具体的には0.2mm以下)となっている。実施例1では、高電気絶縁層の厚さが、内側難燃層の厚さおよび外側難燃層の厚さの少なくとも一方の1/2以下(より具体的には0.15mm以下)となっていることで、実施例2に比べより高い難燃性が得られ、細径化もされている。実施例1では、高電気絶縁層の体積抵抗率が1×1017Ωcm以上であることで、実施例2に比べより薄い高電気絶縁層とすることが可能となっている。
なお、難燃層の体積抵抗率に対する高電気絶縁層の体積抵抗率の比率は、実施例1では335倍、実施例2では237倍であり、実施例1および実施例2ともに、10倍以上、50倍以上、および100倍以上の条件を満たしている。
<比較例1、比較例2>
難燃層の体積抵抗率は、比較例1および比較例2ともに4×1014Ωcmであり、高電気絶縁層の体積抵抗率は、比較例1および比較例2ともに1.60×1015Ωcmである。高電気絶縁層140の電圧分担率は、比較例1が52.4%であり、比較例2が66.7%である。内側難燃層の厚さは、比較例1および比較例2ともに0.1mmであり、外側難燃層の厚さは、比較例1および比較例2ともに0.3mmである。高電気絶縁層の厚さは、比較例1が0.11mmであり、比較例2が0.2mmである。
比較例1および比較例2は、高電気絶縁層の体積抵抗率が1×1016Ωcm未満であり、高電気絶縁層の電圧分担率が80%未満であることから、電気特性が不合格となっている。なお、高電気絶縁層が内側難燃層および外側難燃層の少なくとも一方よりも薄いことで、難燃性については合格している。なお、難燃層の体積抵抗率に対する高電気絶縁層の体積抵抗率の比率は、比較例1および比較例2ともに4倍であり、10倍未満となっている。
<比較例3、比較例4>
難燃層の体積抵抗率は、比較例3および比較例4ともに4×1014Ωcmであり、高電気絶縁層の体積抵抗率は、比較例3および比較例4ともに1.60×1015Ωcmである。高電気絶縁層140の電圧分担率は、比較例3が68.8%であり、比較例4が74.2%である。内側難燃層の厚さは、比較例3および比較例4ともに0.1mmである。外側難燃層の厚さは、比較例3が0.1mmであり、比較例4が0.15mmである。高電気絶縁層の厚さは、比較例3が0.11mmであり、比較例4が0.18mmである。
比較例3および比較例4は、高電気絶縁層の体積抵抗率が1×1016Ωcm未満であり、高電気絶縁層の電圧分担率が80%未満であることから、電気特性が不合格となっている。さらに、高電気絶縁層が内側難燃層および外側難燃層のいずれよりも厚いことで、難燃性も不合格となっている。なお、難燃層の体積抵抗率に対する高電気絶縁層の体積抵抗率の比率は、比較例3および比較例4ともに4倍であり、10倍未満となっている。
以上、実施形態に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合せ等が可能なことは当業者に自明であろう。
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
(付記1)
導体と、
前記導体の外周上に配置された被覆層と、
を有し、
前記被覆層は、
前記導体の外周上に配置され難燃剤を含むポリマ組成物(A)で形成された内側難燃層と、
前記内側難燃層の外周上に配置され1×1016Ωcm以上の体積抵抗率を有するポリマ組成物(B)で形成された高電気絶縁層と、
前記高電気絶縁層の外周上に配置され難燃剤を含むポリマ組成物(C)で形成された外側難燃層と、
が積層された積層構造を有し、
前記高電気絶縁層は、前記積層構造の厚さ方向に印加される電圧の80%以上を分担し、前記高電気絶縁層の厚さは、前記内側難燃層の厚さおよび前記外側難燃層の厚さの少なくとも一方よりも薄い、絶縁電線。
(付記2)
前記高電気絶縁層は、前記積層構造の厚さ方向に印加される前記電圧のより好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上を分担する付記1に記載の絶縁電線。
(付記3)
ポリマ組成物(B)は、1×1017Ωcm以上の体積抵抗率を有する付記1または2に記載の絶縁電線。
(付記4)
前記高電気絶縁層を形成する前記ポリマ組成物(B)の体積抵抗率は、前記内側難燃層を形成する前記ポリマ組成物(A)の体積抵抗率の、好ましくは10倍以上、より好ましくは50倍以上、さらに好ましくは100倍以上である付記1〜3のいずれか1つに記載の絶縁電線。
(付記5)
前記高電気絶縁層を形成する前記ポリマ組成物(B)の体積抵抗率は、前記外側難燃層を形成する前記ポリマ組成物(C)の体積抵抗率の、好ましくは10倍以上、より好ましくは50倍以上、さらに好ましくは100倍以上である付記1〜4のいずれか1つに記載の絶縁電線。
(付記6)
前記高電気絶縁層の厚さは、前記内側難燃層の厚さと前記外側難燃層の厚さとの和の1/2以下である付記1〜5のいずれか1つに記載の絶縁電線。
(付記7)
前記高電気絶縁層の厚さは、前記内側難燃層の厚さおよび前記外側難燃層の厚さの少なくとも一方の1/2以下である付記1〜6のいずれか1つに記載の絶縁電線。
(付記8)
前記絶縁電線の外径は、好ましくは3mm以下、より好ましくは2.5mm以下である付記1〜7のいずれか1つに記載の絶縁電線。
(付記9)
前記高電気絶縁層の厚さは、好ましくは0.2mm以下、より好ましくは0.15mm以下である付記1〜8のいずれか1つに記載の絶縁電線。
(付記10)
前記内側難燃層の厚さおよび前記外側難燃層の厚さの和は、0.4mm以下である付記1〜9のいずれか1つに記載の絶縁電線。
(付記11)
前記内側難燃層は、前記導体の直上に(前記導体と接触して)配置されている付記1〜10のいずれか1つに記載の絶縁電線。
(付記12)
前記高電気絶縁層は、前記内側難燃層の直上に(前記内側難燃層と接触して)配置されている付記1〜11のいずれか1つに記載の絶縁電線。
(付記13)
前記外側難燃層は、前記高電気絶縁層の直上に(前記高電気絶縁層と接触して)配置されている付記1〜12のいずれか1つに記載の絶縁電線。
(付記14)
前記外側難燃層は、前記絶縁電線の最外層である付記1〜13のいずれか1つに記載の絶縁電線。
(付記15)
前記導体は、複数本の素線が撚り合された撚線である付記1〜14のいずれか1つに記載の絶縁電線。
(付記16)
前記内側難燃層は、前記ポリマ組成物(A)が1×1014Ωcm以上の体積抵抗率を有する電気絶縁層である付記1〜15のいずれか1つに記載の絶縁電線。
(付記17)
前記外側難燃層は、前記ポリマ組成物(C)が1×1014Ωcm以上の体積抵抗率を有する電気絶縁層である付記1〜16のいずれか1つに記載の絶縁電線。
100 絶縁電線
110 導体
120 被覆層
130 全体の難燃層
131 内側難燃層
132 外側難燃層
140 高電気絶縁層
150 積層構造

Claims (3)

  1. 導体と、
    前記導体の外周上に配置された被覆層と、
    を有し、
    前記被覆層は、
    前記導体の外周上に配置され難燃剤を含むポリマ組成物(A)で形成された内側難燃層と、
    前記内側難燃層の外周上に配置され1×1016Ωcm以上の体積抵抗率を有するポリマ組成物(B)で形成された高電気絶縁層と、
    前記高電気絶縁層の外周上に配置され難燃剤を含むポリマ組成物(C)で形成された外側難燃層と、
    が積層された積層構造を有し、
    前記高電気絶縁層は、前記積層構造の厚さ方向に印加される電圧の80%以上を分担し、前記高電気絶縁層の厚さは、前記内側難燃層の厚さおよび前記外側難燃層の厚さの少なくとも一方よりも薄い、絶縁電線。
  2. 前記高電気絶縁層の厚さは、前記内側難燃層の厚さと前記外側難燃層の厚さとの和の1/2以下である請求項1に記載の絶縁電線。
  3. 前記高電気絶縁層の厚さは、前記内側難燃層の厚さおよび前記外側難燃層の厚さの少なくとも一方の1/2以下である請求項1または2に記載の絶縁電線。
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