JPS631683B2 - - Google Patents
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- JPS631683B2 JPS631683B2 JP8224680A JP8224680A JPS631683B2 JP S631683 B2 JPS631683 B2 JP S631683B2 JP 8224680 A JP8224680 A JP 8224680A JP 8224680 A JP8224680 A JP 8224680A JP S631683 B2 JPS631683 B2 JP S631683B2
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Landscapes
- Graft Or Block Polymers (AREA)
- Organic Insulating Materials (AREA)
- Insulated Conductors (AREA)
- Processes Specially Adapted For Manufacturing Cables (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、耐半田性、耐薬品性に優れた二重絶
縁電線に関する。 従来より、自動車用リード線や弱電用モーター
口出線等は、その使用条件からすぐれた耐薬品
(耐溶剤)性が要求されている。又これらの用途
では電線端末を半田付けする為に電線の絶縁層は
半田浴に浸漬されても溶けたり、変形しないこと
も合わせて要求されている。この耐半田性につい
ては、絶縁層に用いる熱可塑樹脂を架橋すること
により改善できることはよく知られており、架橋
ポリエチレン(XLPE)電線や架橋PVC
(XLPVC)電線として市販されている。所が、
XLPVC電線では溶剤により可塑剤が抽出され、
絶縁層が硬くなつたり、逆に油等により絶縁層が
膨潤したりする。又耐薬品性に優れるといわれる
XLPE電線では、結晶化度の高いもの程耐薬品性
は優れているが、結晶化の高いもの程電線にする
と柔軟性に欠けたり、絶縁層の伸びが充分に出な
かつたりして実用上問題となつている。 そこで耐半田性、耐薬品性が同時に優れている
電線の検討を行なつた。押出加工が出来、耐薬品
性に優れた熱可塑樹脂としてはポリアミド樹脂が
あるが、この樹脂をそのまま絶縁層として使用す
るには、電気特性、吸水性等に問題があり、単独
で使用できない。その為、絶縁層としては従来よ
りよく使用されているXLPEやXLPVCを使用
し、これらの樹脂を使つた絶縁層上にポリアミド
樹脂を薄く被覆すれば電気特性も優れ、耐薬品性
にも問題ないことがわかつた。しかし、このまま
では半田浴に浸漬すればポリアミド樹脂は溶融し
て変形してしまう。従つて、ポリアミド樹脂も架
橋PEや架橋PVCと同様に架橋させることが必要
となる。 架橋方法としては、ペルオキシド等を使用した
化学架橋と電子線等を使つた放射線架橋がある
が、ポリアミド樹脂では加工温度が200℃〜300℃
と非常に高く、通常の化学架橋は非常に困難であ
り、放射線架橋が適当である。ポリアミド樹脂
は、放射線架橋型樹脂とされているが、その架橋
効率はポリエチレン樹脂等に比べ著しく低く、架
橋助剤の使用が必要である。架橋助剤としては、
特にXLPVCに有効なものとして、多官能モノマ
ーを使用することが公知であり、そのモノマーと
しては、ジアクリレート類(ジエチレングリコー
ルジアクリレート等)、ジメタアクリレート類
(エチレングリコールジメタアクリレート、ジプ
ロピレングリコールジメタクリレート等)、トリ
アクリレート類(トリメチロールエタントリアク
リレート、トリメチロールプロパントリアクレー
ト等)、トリメタアクリレート類(トリメチロー
ルエタントリメタアクリレート、トリメチロール
プロパントリメタアクリレート等)、トリアリル
シアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジ
アリルマレエート、ジアリルフマレート等がよく
知られている。 そこで、我々は銅導体上にポリエチレン樹脂を
押出被覆した後、放射線により架橋せしめ、該絶
縁層上にポリアミド樹脂(例えばナイロン12)に
前述の架橋助剤を添加し組成物を押出被覆し、放
射線にて架橋せしめた。こうして製造した二重絶
縁電線を260℃の半田浴に浸漬した。その結果、
架橋助剤としてトリアリルシアヌレート又はトリ
アリルイソシアヌレートを使用した電線は260℃
の半田浴に1分間浸漬しても何んら変化が見られ
なかつたが、これ以外の架橋助剤を使用した電線
のポリアミド樹脂層は、半田浴に浸漬すると溶解
してしまい実用に耐えないことがわかつた。更に
詳細に検討した結果、ポリアミド樹脂に対するト
リアリルシアヌレート又はトリアリルイソシアヌ
レートの添加量が1重量部未満ではその効果が少
なく、耐半田性を付与するには1重量部以上の添
加が必要である。また、照射線量については、
1Mrad未満では耐半田性の向上は見られず、
1Mrad以上の照射量が必要で、好ましくは
3Mradから30Mradの間であり、30Mradを越え
ると物性の低下が著しい。 本発明の特徴は、きわめて限定された組成及び
構造により必要とする特性が得られることを見出
したことであり、以下実施例により具体的に説明
する。 実施例 1 外径0.83mmの銅導体に厚さ0.4mmとなる様に低
密度ポリエチレンを通常の押出機により被覆した
後、1Mev電子線加速機により20Mrad電子線を
照射した。次いで該絶縁電線上にナイロン12(ダ
イアミドL―1940)に架橋助剤としてトリアリル
シアヌレートを5重量部添加した樹脂組成物を押
出機により厚さ0.1mmに被覆した後、電子線を
10Mrad照射した。こうして得られた二重絶縁電
線を260℃の半田浴に60秒浸漬し、耐半田性を調
べた。又120℃の熱キシレンに1時間浸漬し、電
線の絶縁層の状態を調べた。第1表にその結果を
示した。この結果からわかる様に、耐半田性、耐
薬品性ともに優れている。 実施例 2 実施例−1と同様に、照射架橋した低密度ポリ
エチレン電線に、ナイロン12(ダイアミドL―
1940)にトリアリルイソシアヌレートを5重量部
添加した樹脂組成物を押出機により厚さ0.1mmに
押出被覆した後、電子線を10Mrad照射し、二重
絶縁電線を製造した。実施例−1と同様に耐半田
性及び耐薬品性を調べた結果、いずれも問題ない
ことがわかつた。 比較例 1 実施例−1と同様に架橋ポリエチレン絶縁電線
上にナイロン12に、架橋助剤としてトリアリルイ
ソシアヌレートを0.5部添加した樹脂組成物を厚
さ0.1mmに押出被覆した後、電子線を20Mrad照射
し、二重絶縁電線を製造した。実施例−1と同様
に耐半田性及び耐薬品性を調べた結果、半田浸漬
によりポリアミド樹脂層が著しく溶融した。 比較例 2,3 実施例−1と同様に架橋ポリエチレン絶縁電線
上に、ナイロン12に架橋助剤としてトリメチロー
ルプロパントリアクリレート及びトリメチロール
プロパントリメタアクリレートを各々5重量部添
加した樹脂組成物を各々厚さ0.1mmで押出被覆し
た後、電子線を各々10Mrad照射し、実施例−1
と同様に耐半田性及び耐薬品性を調べた。その結
果(第1表参照)、耐薬品性は何ら問題なかつた
が、耐半田浴浸漬によりポリアミド樹脂層が溶融
し実用に耐えなかつた。 この様に本発明による方法によつてのみ、耐半
田性及び耐薬品性に優れた二重絶縁電線が得られ
たが、本発明は上記の実施例に限定されているこ
となく、絶縁層に用いる熱可塑樹脂をポリアミド
樹脂と同一照射線量で架橋する材料を選べば、ポ
リアミド樹脂を被覆した後に一括照射して、内、
外層とも同時に架橋せしむる方法も可能である。
本発明はこの方法により成る二重絶縁電線をも包
含する。 【表】
縁電線に関する。 従来より、自動車用リード線や弱電用モーター
口出線等は、その使用条件からすぐれた耐薬品
(耐溶剤)性が要求されている。又これらの用途
では電線端末を半田付けする為に電線の絶縁層は
半田浴に浸漬されても溶けたり、変形しないこと
も合わせて要求されている。この耐半田性につい
ては、絶縁層に用いる熱可塑樹脂を架橋すること
により改善できることはよく知られており、架橋
ポリエチレン(XLPE)電線や架橋PVC
(XLPVC)電線として市販されている。所が、
XLPVC電線では溶剤により可塑剤が抽出され、
絶縁層が硬くなつたり、逆に油等により絶縁層が
膨潤したりする。又耐薬品性に優れるといわれる
XLPE電線では、結晶化度の高いもの程耐薬品性
は優れているが、結晶化の高いもの程電線にする
と柔軟性に欠けたり、絶縁層の伸びが充分に出な
かつたりして実用上問題となつている。 そこで耐半田性、耐薬品性が同時に優れている
電線の検討を行なつた。押出加工が出来、耐薬品
性に優れた熱可塑樹脂としてはポリアミド樹脂が
あるが、この樹脂をそのまま絶縁層として使用す
るには、電気特性、吸水性等に問題があり、単独
で使用できない。その為、絶縁層としては従来よ
りよく使用されているXLPEやXLPVCを使用
し、これらの樹脂を使つた絶縁層上にポリアミド
樹脂を薄く被覆すれば電気特性も優れ、耐薬品性
にも問題ないことがわかつた。しかし、このまま
では半田浴に浸漬すればポリアミド樹脂は溶融し
て変形してしまう。従つて、ポリアミド樹脂も架
橋PEや架橋PVCと同様に架橋させることが必要
となる。 架橋方法としては、ペルオキシド等を使用した
化学架橋と電子線等を使つた放射線架橋がある
が、ポリアミド樹脂では加工温度が200℃〜300℃
と非常に高く、通常の化学架橋は非常に困難であ
り、放射線架橋が適当である。ポリアミド樹脂
は、放射線架橋型樹脂とされているが、その架橋
効率はポリエチレン樹脂等に比べ著しく低く、架
橋助剤の使用が必要である。架橋助剤としては、
特にXLPVCに有効なものとして、多官能モノマ
ーを使用することが公知であり、そのモノマーと
しては、ジアクリレート類(ジエチレングリコー
ルジアクリレート等)、ジメタアクリレート類
(エチレングリコールジメタアクリレート、ジプ
ロピレングリコールジメタクリレート等)、トリ
アクリレート類(トリメチロールエタントリアク
リレート、トリメチロールプロパントリアクレー
ト等)、トリメタアクリレート類(トリメチロー
ルエタントリメタアクリレート、トリメチロール
プロパントリメタアクリレート等)、トリアリル
シアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジ
アリルマレエート、ジアリルフマレート等がよく
知られている。 そこで、我々は銅導体上にポリエチレン樹脂を
押出被覆した後、放射線により架橋せしめ、該絶
縁層上にポリアミド樹脂(例えばナイロン12)に
前述の架橋助剤を添加し組成物を押出被覆し、放
射線にて架橋せしめた。こうして製造した二重絶
縁電線を260℃の半田浴に浸漬した。その結果、
架橋助剤としてトリアリルシアヌレート又はトリ
アリルイソシアヌレートを使用した電線は260℃
の半田浴に1分間浸漬しても何んら変化が見られ
なかつたが、これ以外の架橋助剤を使用した電線
のポリアミド樹脂層は、半田浴に浸漬すると溶解
してしまい実用に耐えないことがわかつた。更に
詳細に検討した結果、ポリアミド樹脂に対するト
リアリルシアヌレート又はトリアリルイソシアヌ
レートの添加量が1重量部未満ではその効果が少
なく、耐半田性を付与するには1重量部以上の添
加が必要である。また、照射線量については、
1Mrad未満では耐半田性の向上は見られず、
1Mrad以上の照射量が必要で、好ましくは
3Mradから30Mradの間であり、30Mradを越え
ると物性の低下が著しい。 本発明の特徴は、きわめて限定された組成及び
構造により必要とする特性が得られることを見出
したことであり、以下実施例により具体的に説明
する。 実施例 1 外径0.83mmの銅導体に厚さ0.4mmとなる様に低
密度ポリエチレンを通常の押出機により被覆した
後、1Mev電子線加速機により20Mrad電子線を
照射した。次いで該絶縁電線上にナイロン12(ダ
イアミドL―1940)に架橋助剤としてトリアリル
シアヌレートを5重量部添加した樹脂組成物を押
出機により厚さ0.1mmに被覆した後、電子線を
10Mrad照射した。こうして得られた二重絶縁電
線を260℃の半田浴に60秒浸漬し、耐半田性を調
べた。又120℃の熱キシレンに1時間浸漬し、電
線の絶縁層の状態を調べた。第1表にその結果を
示した。この結果からわかる様に、耐半田性、耐
薬品性ともに優れている。 実施例 2 実施例−1と同様に、照射架橋した低密度ポリ
エチレン電線に、ナイロン12(ダイアミドL―
1940)にトリアリルイソシアヌレートを5重量部
添加した樹脂組成物を押出機により厚さ0.1mmに
押出被覆した後、電子線を10Mrad照射し、二重
絶縁電線を製造した。実施例−1と同様に耐半田
性及び耐薬品性を調べた結果、いずれも問題ない
ことがわかつた。 比較例 1 実施例−1と同様に架橋ポリエチレン絶縁電線
上にナイロン12に、架橋助剤としてトリアリルイ
ソシアヌレートを0.5部添加した樹脂組成物を厚
さ0.1mmに押出被覆した後、電子線を20Mrad照射
し、二重絶縁電線を製造した。実施例−1と同様
に耐半田性及び耐薬品性を調べた結果、半田浸漬
によりポリアミド樹脂層が著しく溶融した。 比較例 2,3 実施例−1と同様に架橋ポリエチレン絶縁電線
上に、ナイロン12に架橋助剤としてトリメチロー
ルプロパントリアクリレート及びトリメチロール
プロパントリメタアクリレートを各々5重量部添
加した樹脂組成物を各々厚さ0.1mmで押出被覆し
た後、電子線を各々10Mrad照射し、実施例−1
と同様に耐半田性及び耐薬品性を調べた。その結
果(第1表参照)、耐薬品性は何ら問題なかつた
が、耐半田浴浸漬によりポリアミド樹脂層が溶融
し実用に耐えなかつた。 この様に本発明による方法によつてのみ、耐半
田性及び耐薬品性に優れた二重絶縁電線が得られ
たが、本発明は上記の実施例に限定されているこ
となく、絶縁層に用いる熱可塑樹脂をポリアミド
樹脂と同一照射線量で架橋する材料を選べば、ポ
リアミド樹脂を被覆した後に一括照射して、内、
外層とも同時に架橋せしむる方法も可能である。
本発明はこの方法により成る二重絶縁電線をも包
含する。 【表】
Claims (1)
- 1 金属導体上に被覆された絶縁層上に、トリア
リルシアヌレート又はトリアリルイソシアヌレー
トを添加したポリアミド樹脂からなり、かつ放射
線架橋された押出被覆層が設けられていることを
特徴とする二重絶縁電線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8224680A JPS579003A (en) | 1980-06-17 | 1980-06-17 | Double insulated wire |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8224680A JPS579003A (en) | 1980-06-17 | 1980-06-17 | Double insulated wire |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS579003A JPS579003A (en) | 1982-01-18 |
JPS631683B2 true JPS631683B2 (ja) | 1988-01-13 |
Family
ID=13769062
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8224680A Granted JPS579003A (en) | 1980-06-17 | 1980-06-17 | Double insulated wire |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS579003A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58164110A (ja) * | 1982-03-24 | 1983-09-29 | 古河電気工業株式会社 | 絶縁電線の製造方法 |
JPS58163107A (ja) * | 1982-03-24 | 1983-09-27 | 古河電気工業株式会社 | 絶縁電線の製造方法 |
JPS60106817A (ja) * | 1983-11-14 | 1985-06-12 | Sekisui Chem Co Ltd | ポリアミド樹脂組成物およびそれを用いたポリアミド樹脂成形品の製造方法 |
US6638617B2 (en) | 2000-11-28 | 2003-10-28 | Judd Wire, Inc. | Dual layer insulation system |
-
1980
- 1980-06-17 JP JP8224680A patent/JPS579003A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS579003A (en) | 1982-01-18 |
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