JP2879780B2 - 被覆電線用撚線導体の製造方法 - Google Patents

被覆電線用撚線導体の製造方法

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JP2879780B2 JP63317035A JP31703588A JP2879780B2 JP 2879780 B2 JP2879780 B2 JP 2879780B2 JP 63317035 A JP63317035 A JP 63317035A JP 31703588 A JP31703588 A JP 31703588A JP 2879780 B2 JP2879780 B2 JP 2879780B2
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和夫 澤田
忍 高橋
久信 鳥居
由弘 中井
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Tokyo Electric Power Company Holdings Inc
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Tokyo Electric Power Co Inc
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、ポリエチレンなどによって絶縁被覆され
た被覆電線用の撚線導体の製造方法に関し、特に電柱間
などに架線される被覆電線用撚線導体の製造方法に関す
るものである。
[従来の技術] 電柱間などに架線される架空配電線用導体としては、
従来から硬銅線が使用されている。集合した複数本の硬
銅線は撚り合わせられ、この撚線上にポリエチレン、ポ
リ塩化ビニルなどによる絶縁被覆が施される。
[発明が解決しようとする課題] 撚り合わせられた各硬銅線の表面には、撚りを解除し
ようとする撚線反発力が必然的に生じる。この撚線反発
力は、各硬銅線の表面上に引張残留応力として現われ
る。また、各硬銅線には、ドラムに巻かれていたときに
ついた巻癖に起因する残留応力が存在することもある。
従来の被覆電線では、上述のような残留応力が1つの
要因となって断線を生じることがあった。すなわち、被
覆電線内に雨水が侵入したりすると、被覆層内部は腐蝕
しやすい環境となり、硬銅線表面に酸化被膜が形成した
りする。このような腐蝕環境と上述の残留応力とが互い
に影響し合うと硬銅線に応力腐蝕割れが生じ、その結果
断線にまで至る。
被覆電線用導体として軟銅線を用いれば、上述のよう
な残留応力は小さいので応力腐蝕割れ減少の生ずる可能
性は少なくなる。しかし、その反面引張強さの低下は免
れず、そのため実際上軟銅線を被覆電線用撚線導体とし
て用いることはできない。
それゆえに、この発明の目的は、引張強さを維持する
とともに、応力腐蝕割れ減少を生じさせない被覆電線用
撚線導体を製造することのできる方法を提供することで
ある。
[課題を解決するための手段] この発明に従った被覆電線用撚線導体の製造方法で
は、まず、Cu管と、前記Cu管よりもAg、Sn、Mg、Cr、I
n、Ni、Al、Fe、Si、Sb、Zr、Te、Seを含む群から選ば
れた1種または2種以上の元素の含有濃度が高いCu線と
を用意する。そして、前記Cu管内に前記Cu線を嵌め入れ
て複合化し、減面率60〜99.9%で伸線加工して導体素線
とする。その後、伸線加工によって得られた導体素線を
複数本集合して撚線加工した後、加熱によって前記Cu管
部であった部分をCu線部であった部分よりも軟化させ
る。
[発明の作用効果] 導体が、Ag、Sn、Mg、Cr、In、Ni、Al、Fe、Si、Sb、
Zr、Te、Seを含む群から選ばれた1種または2種以上の
を元素を含有すれば、その導体の軟化温度は上昇する。
たとえば、銅がAgを0.1重量%含有すれば、その軟化温
度は約100℃高くなる。したがって、上記元素の含有濃
度が相対的に高いCu線と上記元素の含有濃度が相対的に
低いCu管とを複合化して導体素線を製造する場合、Cu線
であった部分、すなわち中心部の方が、Cu管であった部
分、すなわち外層部よりもその軟化温度が高くなる。つ
まり、このような濃度の相違のあるCu管とCu線とを複合
化することによって得られた導体素線を、相対的に低い
外層部の軟化温度と相対的に高い中心部の軟化温度との
中間に位置する温度まで加熱すれば、外層部のみが軟化
する。したがって、各導体素線表面には前述したような
残留応力が解放されて、応力腐蝕割れ現象の生ずる可能
性も小さくなる。
特に本発明では、撚線加工後に外層部を軟化すること
により撚線加工による応力を完全に除去しているので、
応力腐食割れに対して十分な改善を図ることができる。
上記元素の濃度は、好ましくは、中心部において0.05
〜0.2重量%であり、外層部において0.03重量%以下と
される。中心部の濃度を0.05〜0.2重量%としたのは、
0.05重量%未満であれば軟化温度の上昇度合が少なく、
そのため複合化された導体素線においてCu線であったと
ころの中心部分の軟化温度とCu管であったところの外層
部の軟化温度との間の差があまり大きくならないからで
ある。一方、中心部の濃度が0.2重量%を越えるなら
ば、導電率が低下してくる。
伸線加工の減面率を60〜99.9%としたのは、60%未満
であるならば引張強さを所望通りに維持することができ
なくなる。一方、伸線加工における減面率が高くなれば
なるほど軟化温度は低くなる。そのため、中心部におけ
る軟化温度を比較的高く維持するために、減面率の上限
値は99.9%に制限するのが望ましい。
導体素線の加熱は、撚線加工前および撚線加工後のい
ずれの段階で行なってもよい。つまり、1つの方法で
は、伸線加工によって得られた導体素線を加熱すること
によって、Cu管部であった部分をCu線部であった部分よ
りも軟化させ、その後この導体素線を複数本集合して撚
線にする。また、他の方法では、伸線加工によって得ら
れた導体素線を複数本集合して撚線加工した後、加熱に
よってCu管部であった部分をCu線部であった部分よりも
軟化させる。撚線加工による応力を完全に除去するため
には、後者の方法、すなわち撚線加工後に加熱してCu管
部であった部分を軟化処理するのが望ましい。
導体素線の外層部のみを軟化させる加熱方法として、
通常の電気炉による軟化の他、レーザ光や赤外線の照
射、あるいは高周波誘導加熱などが採用され得る。導体
素線は、加熱された後、直ちに冷却するようにしてもよ
い。これにより、軟化部分の拡がりを適度に抑えること
ができ、引張強さの維持に有効である。
また、撚線加工後に加熱する場合、たとえば通常の電
気炉によるバッチ軟化、通電加熱等が採用される。通電
加熱の場合、条件を適当に設定して撚線を連続的に通電
加熱すれば、撚線を構成する各導体素線の外層部のみを
軟化させることができる。
以上のように、この発明によれば、撚線を構成する各
導体素線の引張強さを維持しつつ残留応力を緩和するこ
とができるので、電線全体としての引張強度を低下させ
ることなく、従来問題になってきた架空電線の応力腐蝕
割れ現象による断線を飛躍的に減少させることができ
る。
特に、撚線加工後に加熱してCu管部であった部分を軟
化させるものであるので、撚線加工による応力を完全に
除去できる。
[実施例] Agを0.1重量%含有する直径6mmφの銅線と、外径が6.
8mmφで内径が6.5mmφであり、かつAg濃度が0.01重量%
以下であるタフピッチ銅管とを用意した。そして、上記
銅線を上記タフピッチ銅管内に挿入した。この複合部材
を高角度ダイスにより6.2mmφになるまで締付けて一体
化した後、冷間伸線加工によって直径2mmφにまでし
た。冷間加工度(減面率)は、締付け後の6.2mmφから2
mmφまでであるので、89.6%である。
こうして得られた線材を280℃に加熱した後、冷却し
て導体素線を得た。この導体素線の横断面における高度
分布は、第1図に示すとおりであった。図示するよう
に、中心部分における硬度は大きく、外層部における硬
度は小さい。
上記導体素線を19本集合して撚線にし、この撚線上に
ポリエチレン被覆を施した。そして、被覆層と撚線導体
との間にアンモニア水を注入して応力腐蝕割れテストを
行なったところ、3か月経過しても断線は見られなかっ
た。
比較のため、硬銅線を導体素線とする従来の被覆電線
に同様なテストを行なったところ、約1か月で応力腐蝕
割れが生じ断線した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の実施例を実施することによって得
られた導体素線の硬度分布を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鳥居 久信 東京都調布市西つつじケ丘2丁目4番1 号 東京電力株式会社技術研究所内 (72)発明者 中井 由弘 大阪府大阪市此花区島屋1丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 (56)参考文献 特開 昭62−160611(JP,A) 特開 昭62−160610(JP,A) 特開 昭52−38449(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01B 1/00 H01B 5/08 H01B 13/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Cu管と、前記Cu管よりもAg、Sn、Mg、Cr、
    In、Ni、Al、Fe、Si、Sb、Zr、Te、Seを含む群から選ば
    れた1種または2種以上の元素の含有濃度が高いCu線と
    を用意し、 前記Cu管内に前記Cu線を嵌め入れて複合化し、減面率60
    〜99.9%で伸線加工して導体素線とし、 前記伸線加工によって得られた導体素線を複数本集合し
    て撚線加工した後、加熱によって前記Cu管部であった部
    分をCu線部であった部分よりも軟化させることを特徴と
    する、被覆電線用撚線導体の製造方法。
JP63317035A 1988-12-15 1988-12-15 被覆電線用撚線導体の製造方法 Expired - Lifetime JP2879780B2 (ja)

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JP4640260B2 (ja) * 2006-05-19 2011-03-02 住友電気工業株式会社 フラットケーブルの製造方法

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