JPH09141324A - アルミニウム鋼複合線の製造方法 - Google Patents

アルミニウム鋼複合線の製造方法

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JPH09141324A
JPH09141324A JP29666995A JP29666995A JPH09141324A JP H09141324 A JPH09141324 A JP H09141324A JP 29666995 A JP29666995 A JP 29666995A JP 29666995 A JP29666995 A JP 29666995A JP H09141324 A JPH09141324 A JP H09141324A
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aluminum
wire
steel
wires
composite wire
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Satoshi Iwase
聡 岩瀬
Nobuo Tanabe
信夫 田辺
Yosuke Ohata
要介 大畑
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強度であると共に高導電率のアルミニウム
鋼複合線を製造できるアルミニウム鋼複合線の製造方法
を提供する。 【解決手段】 複数本の高強度の鋼線2と複数本のアル
ミニウム又はアルミニウム合金線1とを束ねた束線を、
アルミニウム又はアルミニウム合金からなるパイプ4内
に挿入し伸線加工する。これにより、アルミニウムマト
リックス5内に鋼線2が埋め込まれたアルミニウム鋼複
合線6が製造される。なお、前記鋼線2の直径は0.1
乃至0.7mm、また引張強さは300kgf/mm2
以上である。得られた複合線6の引張強さは例えば47
kgf/mm2、導電率は56%IACSである。な
お、複合線6は複数本の鋼線2と複数本のアルミニウム
又はアルミニウム合金線1とを束ねた束線にアルミニウ
ム又はアルミニウム合金からなるテープを巻き付けた
後、伸線加工することによっても製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、架空送電線用の鋼芯ア
ルミニウム撚線(以下、ACSRという)及び光ファイ
バ複合架空地線(OPGW)等の素線として使用される
アルミニウム鋼複合線の製造方法に関し、特に高強度で
あると共に高導電性を有するアルミニウム鋼複合線の製
造方法に関する。なお、以下、純アルミニウム及びアル
ミニウム合金を総称してアルミニウムという。
【0002】
【従来の技術】従来より、架空送電線及び架空地線用の
素線として、イ号アルミニウム線、アルミニウム被覆鋼
線及び高強度鋼線が使用されている。イ号アルミニウム
線(IAl)は、機械的な強度が比較的低いという欠点
を有するアルミニウム線を改良したものであり、このた
め、添加元素としてマグネシウム、珪素及び鉄を含有す
るアルミニウム合金線である。イ号アルミニウム線は、
熱処理することにより引張強さを約2倍にすることがで
きることに加え、硬アルミニウム線の導電率61%IA
CSに対し、52%IACSと導電率の低下も少ないた
め、ヨーロッパではこの種のアルミニウム合金線が大量
に使用されている。わが国においても、機械的強度を必
要とする架空地線、山間部及び河川間等の鉄塔スパンが
長い場合に使用される非幹線系長径間用電線並びに給電
線の素線として使用されている。
【0003】アルミニウム被覆鋼線は、鋼線にアルミニ
ウムを被覆したもので、アルミニウム線と同等の耐食性
を有すると共に、機械的強度が大きく、更に導電率も高
いため、幅広く使用されている。アルミニウム被覆鋼線
の導電率は、14乃至40%IACSであり、引張強さ
は、導電率が40%IACSと高い場合には、70kg
f/mm2、導電率が14%IACSと低い場合には、
160kgf/mm2となっている。
【0004】送電線に使用される鋼線は、アルミニウム
被覆鋼線を除くと、一般には、亜鉛メッキにより防食さ
れている。また、導電率は通常7%IACS前後と小さ
いものの、鋼線の引張強さは比較的大きく、実用化され
ている高強度鋼線の引張強さは、300乃至400kg
f/mm2と比較的高い。この高強度鋼線の引張強さ
は、線径依存性が大きいことが知られおり、引張強さと
線径との関係はJISG3521に規定されている。こ
のような高強度鋼線以外の一般的な鋼線は、ACSRの
素線として使用され、そこでテンションメンバーとして
使用される鋼線の引張強さは、130kgf/mm2
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の技術においては、以下に示す問題点がある。即
ち、イ号アルミニウム線においては、導電率が、硬アル
ミニウムの61%IACSに対して、52%IACSと
低くなっているが、導電率の低下はそのまま送電ロスに
つながるため、超高圧−大電流で運用する幹線系の電線
材料としては不向きであるという難点がある。このた
め、イ号アルミニウム線の使用は、ローカルでやや径間
が長い支線に限られているのが現状である。しかも、近
年の電力需要はひっ迫しており、更に一層の効率的な送
電が望まれているが、イ号アルミニウム線では、この需
要に応えることが困難である。また、イ号アルミニウム
線は、熱処理型の合金であることから、比較的コストが
高いことに加え、アルミニウム線の組織制御自体が困難
であるという問題点がある。
【0006】アルミニウム被覆鋼線においては、アルミ
ニウム占積率を大きく取った場合、即ち高導電率となる
ようにした場合に、製造工程において、伸線加工時の引
き抜き力と線材強度とのバランスが崩れ、引き抜き力が
線材強度よりも高くなるため、断線するという問題点が
ある。このような断線を回避できるアルミニウム占積率
の限界は、70%付近にあることが知られている。この
ため、実用的なアルミニウム被覆鋼線は、40AC線と
呼ばれる導電率が40%IACSのものまでであり、導
電率が40%IACSを超えるアルミニウム被覆鋼線の
使用は少ない。例えば、導電率が45%IACSと高い
45AC線は、伸線加工ではなく最終的にロール成形に
よって仕上げる必要があるため、その使用は風騒音防止
電線等の極く一部に限定されている。
【0007】而して、高強度の鋼線材を得るためには、
強加工による細径化が効果的である。一般に引張強さが
200kgf/mm2を超える高強度鋼線は、この強加
工によって得られたものである。このため、引張強さが
200kgf/mm2を超えるような高強度の鋼線材
は、概して線径が小さい。現在実用化され、タイヤコー
ドに使用されている引張強さが300kgf/mm2
の鋼線等は、線径が0.6mmとなるように強加工する
ことによって、高強度化されたものである。また、「超
高強度極細線(商品名;サイファー)」(平成6年度鉄
系金属の新機能発見化技術の調査報告書:日本機械工業
連合会、金属系材料研究開発センター:平成7年3月)
のように、線材を極細線にまで加工することによって、
極細線域での高強度化を実現した鋼線もあるが、この鋼
線の線径は、電線としての適度な線径域を大きく超え
て、細すぎるために、単線のままで電線に使用すること
は困難である。線材の細径化を回避するために、大きな
線径の母材を強加工することにより、大きな線径効果を
得て、比較的大径の高強度の鋼線を製造する方法がある
が、設備及びコストの点で、現実的でない。
【0008】近年、大都市へ向けて架空送電の電気容量
を増大させる要望がますます強くなっており、それに応
じて導電率を大きくするか、又は、複数線の送電線を並
列に接続して架設するといった対策がなされている。し
かし、これにより送電線の重量が増加し、既設の鉄塔で
は送電線を支持することができなくなる等の問題が発生
している。このため、コスト上昇につながる鉄塔の建て
替えを実施することなしに、既設の鉄塔をそのまま使用
して電気容量を増大させるために、軽量であると共に高
導電率である架空送電線及び架空地線の開発が要望され
ている。
【0009】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、高強度であると共に高導電率のアルミニウ
ム鋼複合線を製造できるアルミニウム鋼複合線の製造方
法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアルミニウ
ム鋼複合線の製造方法は、直径が0.1乃至0.7m
m、引張強さが300kgf/mm2以上である複数本
の鋼線と複数本のアルミニウム又はアルミニウム合金線
とを束ねた束線をアルミニウム又はアルミニウム合金か
らなるパイプ内へ挿入した後、伸線加工する工程を有す
ることを特徴とする。
【0011】本発明に係る他のアルミニウム鋼複合線の
製造方法は、直径が0.1乃至0.7mm、引張強さが
300kgf/mm2以上である複数本の鋼線と複数本
のアルミニウム又はアルミニウム合金線とを束ねた束線
にアルミニウム又はアルミニウム合金からなるテープを
縦添えして造管溶接した後、伸線加工する工程を有する
ことを特徴とする。
【0012】上記のアルミニウム鋼複合線の製造方法
は、いずれも前記伸線加工工程の後に、更に組ダイスに
より伸線加工する工程を有するものであってもよい。
【0013】また、前記鋼線は鋼製単線又はアルミニウ
ム若しくはアルミニウム合金が被覆された複合線のいず
れであってもよい。
【0014】更に、前記束線は、その中心部に配置され
た複数本のアルミニウム又はアルミニウム合金線を複数
本の鋼線が取り囲んで構成されたものであってもよく、
また、その中心部にアルミニウム又はアルミニウム合金
線が配置され、複数本の鋼線、複数本のアルミニウム又
はアルミニウム合金線及び他の複数本の鋼線が、前記中
心部から前記束線の外方に、順次前記中心部を取り囲ん
で構成されたものであってもよい。
【0015】
【作用】本発明に係るアルミニウム鋼複合線の製造方法
においては、複数本の鋼線と複数本のアルミニウム線と
を束ねて束線とする。この束線をアルミニウム製パイプ
内に挿入した後に、一体的に伸線加工する。そうする
と、アルミニウムは鋼に比して軟らかいので、鋼線間に
配置されたアルミニウム線及びアルミニウム製パイプが
軟化流動し、鋼線の周りに回り込み、鋼線とアルミニウ
ム線との間の間隙及び鋼線とアルミニウム製パイプとの
間の空間を埋め尽つくす。このため、鋼線の周りには空
隙がなくなり、アルミニウム線とアルミニウム製パイプ
の軟化流動により生じたアルミニウムマトリックス内に
鋼線が埋め込まれ、このアルミニウムマトリックスと鋼
線とが強固に接合する。これにより、高強度のアルミニ
ウム鋼複合線を得ることができる。
【0016】この場合に、より長尺の複合線を製造する
場合には、アルミニウム製パイプの替わりに、束線にア
ルミニウム製のテープを縦添えして造管溶接した後に、
一体的に伸線加工する方法が望ましい。
【0017】上述のいずれのアルミニウム鋼複合線の製
造方法においても、使用する鋼線の直径は0.1乃至
0.7mmであり、また引張強さは300kgf/mm
2以上とする。従来の線材に比して、より一層高強度で
あると共に高導電率であるアルミニウム鋼複合線を得る
ためには、高強度の鋼線を使用する必要がある。例え
ば、現在使用されている断面積が410mm2のACS
Rの引張強さは、全断面積に占める鋼線及びアルミニウ
ム線の断面積の割合から引張強さを計算すると、約30
kgf/mm2であり、同様にして求めたACSRの導
電率は、53%IACS程度である。鋼線を、高導電率
であるが強度が低いアルミニウム線(60%IACS)
と複合した場合においても、このACSRの引張強さ及
び導電率を上回るアルミニウム鋼複合線を製造するため
には、製造に使用する鋼線の引張強さが300kgf/
mm2以上であることが必要がある。
【0018】このような引張強さを有する鋼線は、その
直径が0.7mm以下となるように強加工することで得
られる。鋼線の直径が0.7mmを超える場合は、所望
の引張強さを得ることができず、一方、鋼線の直径が
0.1mm未満の場合は、伸線時の加工熱により鋼線が
劣化する。また、このような鋼線は取り扱いが困難であ
ると共に、0.1mmより細径化しても加工による強度
向上は飽和してしまう。従って、アルミニウム鋼複合線
の製造に使用する鋼線の直径は、0.1乃至0.7mm
であることが必要である。
【0019】通常の伸線加工のみでは鋼線とアルミニウ
ム線との接合が得られず、加工が困難である場合は、ア
ルミニウム被覆鋼線の製造に使用される組ダイスを使用
して、伸線加工してもよい。この場合は、複数本の鋼線
と複数本のアルミニウム線とを束ねて束線とし、この束
線をアルミニウム製パイプ内に挿入し、通常の方法によ
り一体的に伸線加工して鋼線とアルミニウム線及びアル
ミニウムパイプとを密着させた後に、組ダイスにより更
に伸線加工する。第1段目の伸線加工工程で、アルミニ
ウム線、鋼線及びアルミニウム製パイプは、互いに密着
するものの、3者の間で接合は生じていない。そこで、
第2段目の伸線加工として、組ダイスを使用して、この
アルミニウム線と鋼線とが挿入されたアルミニウム製パ
イプを一体的に高圧下で伸線加工する。そうすると、鋼
線間に配置されたアルミニウム線及びアルミニウム製パ
イプが軟化流動し、鋼線はアルミニウム線とアルミニウ
ム製パイプとが一体化してできたアルミニウムマトリッ
クス内に埋め込まれる。これにより、通常の伸線加工で
は加工が困難である場合であっても、高強度のアルミニ
ウム鋼複合線を得ることができる。
【0020】なお、本発明方法において使用する鋼線
は、鋼製単線及びアルミニウム被覆鋼線のいずれであっ
てもよい。アルミニウム被覆鋼線を使用した場合は、被
覆材のアルミニウムとアルミニウム線とが同種の金属で
あるので、伸線加工後より一層アルミニウムマトリック
スに鋼線が強固に接合されたアルミニウム鋼複合線を得
ることができる。
【0021】また、前記束線の構成は、特に制限されな
いが、束線の中心部に複数本のアルミニウム線を配置
し、この複数本のアルミニウム線を複数本の鋼線で取り
囲んで得られたものとすることができる。また、束線の
中心部にアルミニウム線を配置し、複数本の鋼線、複数
本のアルミニウム線及び他の複数本の鋼線を、中心部か
ら束線の外方に、順次中心部を取り囲むようにして束線
を配置することもできる。これにより、アルミニウムマ
トリックス内に多数の高強度の鋼線がより一層均一に分
布するので、更に高強度のアルミニウム鋼複合線を得る
ことができる。
【0022】
【実施例】次に、本発明の実施例について、添付の図面
を参照して具体的に説明する。先ず、本発明の第1実施
例に係るアルミニウム鋼複合線の製造方法について説明
する。図1(a)に示すように、複数本のアルミニウム
線1と複数本の鋼線2とを束ねて構成された束線3をア
ルミニウムパイプ4内に挿入した後に、束線3とアルミ
ニウムパイプ4とを一体的に伸線加工する。
【0023】そうすると、図1(b)に示すように、ア
ルミニウム線1及びアルミニウムパイプ4は、鋼線2よ
りも軟らかいために軟化流動し、鋼線2がアルミニウム
マトリックス5内に埋め込まれたアルミニウム鋼複合線
6が得られる。即ち、鋼線2の周りには空隙がなく、ア
ルミニウム線1とアルミニウムパイプ4の軟化流動によ
り形成されたアルミニウムマトリックス5内に鋼線2が
埋め込まれる。これにより、高強度のアルミニウム鋼複
合線6を得ることができる。
【0024】次に、本発明の第2実施例に係るアルミニ
ウム鋼複合線の製造方法について説明する。図2に示す
ように、束線3にアルミニウムテープ7をテープフォー
ミング法により巻き付けた後に、伸線加工する。そうす
ると、図1(b)に示す第1実施例と同様に、アルミニ
ウム線1及びアルミニウムテープ7は軟化流動し、鋼線
2はアルミニウムマトリックス5内に埋め込まれる。こ
れにより、高強度のアルミニウム鋼複合線6を得ること
ができる。
【0025】次に、本発明の第3実施例に係るアルミニ
ウム鋼複合線の製造方法について、図3を参照して説明
する。図1(a)に示す第1実施例と同様に、束線3は
複数本のアルミニウム線1と複数本の鋼線2とを束ねた
後、この束線3をアルミニウムパイプ4内に挿入して一
体的に伸線加工する。そうすると、図3に示すように、
縮径されたアルミニウムパイプ4aと束線3とは互いに
密着する。但し、本実施例では、第1実施例とは異な
り、この伸線加工が終了した段階では、鋼線2、アルミ
ニウム線1及びアルミニウムパイプ4aの間に接合は生
じていない。
【0026】次いで、このようにして得たアルミニウム
パイプ4aを、組ダイスを使用して高圧下で伸線加工す
る。そうすると、図1(b)に示す第1実施例と同様
に、鋼線2は、アルミニウム線1及びアルミニウムパイ
プ4aの軟化流動により形成されたアルミニウムマトリ
ックス5内に埋め込まれる。特に、本実施例では、組ダ
イスを使用して高圧下で伸線加工するために、鋼線2は
アルミニウムマトリックス5と強固に接合される。ま
た、組ダイスを使用したことにより、通常の伸線加工が
困難である場合であっても、高強度のアルミニウム鋼複
合線6を得ることができる。
【0027】次に、本発明の第4実施例に係るアルミニ
ウム鋼複合線の製造方法について説明する。図4(a)
に示すように、束線3aは、中心部にアルミニウム線1
aが配置され、この中心部から外方に、複数本の鋼線
2、複数本のアルミニウム線1及び他の複数本の鋼線2
が順次中心部を取り囲んで配置されている。この束線3
aをアルミニウムパイプ4内に挿入した後に、伸線加工
する。
【0028】そうすると、図4(b)に示すように、第
1実施例と同様に、アルミニウム線1及びアルミニウム
パイプ4の軟化流動により、鋼線2はアルミニウムマト
リックス5a内に埋め込まれる。本実施例は、第1実施
例に比して鋼線2の本数が多いことに加え、アルミニウ
ムマトリックス5a内に鋼線2がより均一に分布してい
るので、より一層高強度のアルミニウム鋼複合線6aを
得ることができる。
【0029】なお、上述の各実施例において、鋼線2
は、鋼製単線であっても、アルミニウムが被覆されたも
のであってもよい。また、アルミニウムは、純アルミニ
ウム又はアルミニウム合金のいずれであってもよいこと
は勿論である。
【0030】次に、本発明の第3実施例方法により実際
にアルミニウム鋼複合線を製造した結果について、従来
例と比較しながら説明する。図1(a)に示すように、
直径が1.1mm、引張強さが16kgf/mm2、導
電率が61%IACSである7本のアルミニウム線1と
直径が0.6mm、引張強さが320kgf/mm2
導電率が7%IACSである6本の鋼線2とを束ねて束
線3とし、この束線3を、外径が6mm、内径が5mm
のアルミニウムパイプ4内に挿入した後に、アルミニウ
ム線1、鋼線2及びアルミニウムパイプ4が互いに密着
するように伸線加工し、図3に示すように、外径が4.
8mm、内径が3.8mmのアルミニウムパイプ4aを
得た。次に、このアルミニウムパイプ4aを高圧下で組
ダイスを使用して伸線加工し、図1(b)に示すよう
に、直径が4.6mmのアルミニウム鋼複合線6(実施
例No.1)を製造した。また、同様にして、直径が
5.3mmのアルミニウム鋼複合線6(実施例No.
2)を製造した。得られた各アルミニウム鋼複合線6の
線径、アルミニウム占積率、引張強さ及び導電率を、従
来例と共に下記表1に示す。
【0031】
【表1】 なお、表中のACSR(従来例No.4)は、断面積が
410mm2である。
【0032】上記表1に示すように、実施例No.1の
引張強さ及び導電率は、夫々47kgf/mm2、56
%IACS、実施例No.2の引張強さ及び導電率は、
夫々39kgf/mm2、57%IACSであり、各実
施例の引張強さ及び導電率は、従来例であるイ号アルミ
ニウム(従来例No.1)線及びACSR(従来例N
o.4)のものよりも良好であった。また、40AC線
(従来例No.2)及び14AC線(従来例No.3)
は、いずれも引張強さは高いものの、導電率が、夫々、
40%IACS、14%IACSと極めて低いため、問
題がある。
【0033】このように、従来例においては、引張強さ
が高い場合には、導電率が低く、また導電率が高い場合
には、引張強さが低くなっており、特に高導電率を保ち
ながら高い引張強さを得ることができないが、本発明の
実施例においては、引張強さ及び導電率のいずれもが高
くなっている。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数本の鋼線と複数本のアルミニウム若しくはアルミニ
ウム合金線とを束ねた束線を、アルミニウム若しくはア
ルミニウム合金からなるパイプ内に挿入し伸線加工する
か、又は複数本の鋼線と複数本のアルミニウム若しくは
アルミニウム合金線とを束ねた束線にアルミニウム若し
くはアルミニウム合金からなるテープを巻き付けた後、
伸線加工するので、高強度であると共に高導電率のアル
ミニウム鋼複合線を得ることができる。
【0035】また、本発明に係るアルミニウム鋼複合線
を架空送電線及び架空地線等の素線として使用すれば、
軽量でありながら電気容量が大きい架空送電線及び架空
地線等を得ることができるので、鉄塔当たりの電気容量
の増大及び低弛度化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す図であって、(a)
はアルミニウム線と鋼線とが挿入されたアルミニウムパ
イプを示す断面図、(b)は製造されたアルミニウム鋼
複合線を示す断面図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す図であって、アルミ
ニウム線と鋼線との束線及びアルミニウムテープを示す
断面図である。
【図3】本発明の第3実施例を示す図であって、アルミ
ニウム線と鋼線とからなる束線が挿入された後、伸線加
工されたアルミニウムパイプを示す断面図である。
【図4】本発明の第4実施例を示す図であって、(a)
はアルミニウム線と鋼線とが挿入されたアルミニウムパ
イプを示す断面図、(b)は製造されたアルミニウム鋼
複合線を示す断面図である。
【符号の説明】
1,1a;アルミニウム線 2;鋼線 3,3a;束線 4,4a;アルミニウムパイプ 5,5a;アルミニウムマトリックス 6,6a;アルミニウム鋼複合線 7;アルミニウムテープ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直径が0.1乃至0.7mm、引張強さ
    が300kgf/mm2以上である複数本の鋼線と複数
    本のアルミニウム又はアルミニウム合金線とを束ねた束
    線をアルミニウム又はアルミニウム合金からなるパイプ
    内へ挿入した後、伸線加工する工程を有することを特徴
    とするアルミニウム鋼複合線の製造方法。
  2. 【請求項2】 直径が0.1乃至0.7mm、引張強さ
    が300kgf/mm2以上である複数本の鋼線と複数
    本のアルミニウム又はアルミニウム合金線とを束ねた束
    線にアルミニウム又はアルミニウム合金からなるテープ
    を縦添えして造管溶接した後、伸線加工する工程を有す
    ることを特徴とするアルミニウム鋼複合線の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記伸線加工工程の後に、更に組ダイス
    により伸線加工する工程を有することを特徴とする請求
    項1又は2に記載のアルミニウム鋼複合線の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記鋼線は、鋼製単線であることを特徴
    とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアルミニ
    ウム鋼複合線の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記鋼線は、アルミニウム又はアルミニ
    ウム合金が被覆された複合線であることを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれか1項に記載のアルミニウム鋼複
    合線の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記束線は、その中心部に配置された複
    数本のアルミニウム又はアルミニウム合金線を複数本の
    鋼線が取り囲んで構成されたものであることを特徴とす
    る請求項1乃至5のいずれか1項に記載のアルミニウム
    鋼複合線の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記束線は、その中心部にアルミニウム
    又はアルミニウム合金線が配置され、複数本の鋼線、複
    数本のアルミニウム又はアルミニウム合金線及び他の複
    数本の鋼線が、前記中心部から前記束線の外方に、順次
    前記中心部を取り囲んで構成されたものであることを特
    徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のアルミ
    ニウム鋼複合線の製造方法。
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JP29666995A Pending JPH09141324A (ja) 1995-11-15 1995-11-15 アルミニウム鋼複合線の製造方法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005145012A (ja) * 2003-11-19 2005-06-09 Honda Motor Co Ltd 金属部材の製造方法
JP2009016255A (ja) * 2007-07-06 2009-01-22 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk プラグ材料及びその製造方法
CN103093855A (zh) * 2013-01-30 2013-05-08 东南大学 一种高导电率稀土硬铝导线及制备方法

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